JP2004198086A - 集合住宅用貯湯式給湯装置並びにその電力量料金按分方法および電力量料金按分装置。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時間帯別電灯契約の電源8が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置1において、この貯湯式給湯装置1から各世帯へ分岐された複数の給湯配管4に使用湯量計3を設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数世帯で共用される集合住宅用貯湯式給湯装置並びにその料金按分方法および電力量料金按分装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種のものは、マンションやアパート等の集合住宅において、各世帯に専用の貯湯式給湯装置が設置されているものであった。(例えば特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
特開平5−5558号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のものでは世帯数分の貯湯式給湯装置が必要で、設備コストが多額となってしまう欠点があるため、複数世帯で1台の貯湯式給湯装置を共用するようにすれば設備コストを下げることができる。
【0005】
ところが、貯湯式給湯装置は時間帯別契約電力が供給され、電力単価が安価な深夜時間帯に必要な湯量を沸き上げるようにし、給湯負荷が突発的に大きくなって湯切れが予測される場合は昼間時間帯に足りなくなった分を電力単価の高い昼間電力を利用して沸き増しするものであるので、一定温度の湯を給湯するのに要するコストが時間帯により変動する。そのため、各世帯へ個別に適正な料金を按分することができないものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために、請求項1では、時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、この貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に使用湯量計を設けたので、複数世帯で1台の貯湯式給湯装置を共用することが可能となる。
【0007】
また、請求項2では、時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、この貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に使用湯量計を設け、各世帯が消費した湯量の比により電力量料金を各世帯に按分するするようにして各世帯へ個別に適正な料金を按分するようにした。
【0008】
また、請求項3では、時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、前記貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に設けられた各世帯毎の使用湯量を積算する使用湯量計と、時間帯別に電力消費量を積算し記憶されている時間帯別の電力単価から電力量料金を演算する電力量料金演算部とを備え、前記電力量料金演算部で演算された電力量料金を各世帯が消費した湯量の比により各世帯に按分する電力量料金按分部を有したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に係る集合住宅用貯湯式給湯装置の電力量料金按分方法の一実施形態について説明すると、1はアパート等の集合住宅2に設置された貯湯式給湯装置で、ここでは1階と2階の二世帯に給湯を行うものである。
【0010】
3は貯湯式給湯装置1から各世帯に分岐された給湯配管4に設けられた使用湯量計、5は各世帯に分岐された給水配管6に設けられた使用水量計で、各世帯毎の使用湯量および使用水量を積算するものである。そして、7は各世帯の任意の場所に設けられた湯水混合栓で、ユーザーはこの湯水混合栓7を所望の湯温に調整して給湯するようにしているものである。
【0011】
8は前記貯湯式給湯装置1の動力源となる電源で、電力需要の昼夜の平準化のために深夜時間帯の電力量料金が安く、昼間時間帯の電力量料金が高く設定された時間帯別電灯契約の電源である。9は時間帯別電灯契約の電源8の各時間帯毎の消費電力を積算する電力計、10は各時間帯毎の電力単価を記憶している電力単価記憶部、11は各時間帯毎の消費電力量と電力単価とから使用電力の電力量料金を算出する電力量料金算出部である。ここで、前記電力単価記憶部10は電力単価を書き換える手段(図示せず)を有して単価のタイムリーな更新が可能とし、電力単価の変動に対応可能としている。
【0012】
また、12は全ての使用水量を積算する総水量計、13は水道料金の単価を記憶している水道単価記憶部、14は総使用水量から水道料金を算出する水道料金算出部である。ここで、前記水道単価記憶部13は単価を書き換える手段(図示せず)を有して単価のタイムリーな更新が可能とし、水道単価の変動に対応可能としている。
【0013】
ここで複数世帯で共用される貯湯式給湯装置1は、ヒートポンプ式給湯機より構成されており、15は湯水を貯湯する貯湯タンク16を有した貯湯タンクユニット、17は貯湯タンク16内の湯水を加熱するヒートポンプ回路18を有したヒーポンユニットである。
【0014】
前記貯湯タンクユニット15の貯湯タンク16は、上端に出湯管19と、下端に給水管20とが接続され、さらに、下部にヒーポン循環回路21を構成するヒーポン往き管21aと、上部にヒーポン戻り管21bとが接続され、前記ヒーポン往き管21aから取り出した貯湯タンク16内の湯水をヒートポンプユニット17によって沸き上げて、ヒーポン戻り管21bから貯湯タンク16内に戻して貯湯され、給水管20からの給水により貯湯タンク16内の湯水が押し上げられて貯湯タンク16内上部の高温水が出湯管19から押し出されて給湯されるものである。
【0015】
22は出湯管19に設けられた電動ミキシング弁で、給水管20から分岐された給水バイパス管23からの湯水と出湯管19からの湯水とを、その下流に設けられている給湯温度センサ24の検出温度が予め定められた所定の給湯温度(ここでは60℃)になるように混合比率を調整するものである。
【0016】
次に、前記ヒートポンプユニット17は、圧縮機25と凝縮器としての冷媒−水熱交換器26と電子膨張弁27と強制空冷式の蒸発器28とで構成された加熱手段としてのヒートポンプ回路18と、貯湯タンク16内の湯水を前記ヒーポン循環回路21を介して冷媒−水熱交換器26に循環させるヒーポン循環ポンプ29とを備えており、ヒートポンプ回路18内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、冷媒に二酸化炭素を用いているので、低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。
【0017】
ここで、前記冷媒−水熱交換器26は冷媒と被加熱水たる貯湯タンク16内の湯水とが対向して流れる対向流方式を採用しており、超臨界ヒートポンプサイクルでは熱交換時において冷媒は超臨界状態のまま凝縮されるため効率良く高温まで被加熱水を加熱することができ、被加熱水の冷媒−水熱交換器20入口温度と冷媒の出口温度との温度差が一定になるように前記電子膨張弁27または圧縮機25を制御することで、被加熱水の冷媒−水熱交換器26の入口温度が5〜20℃程度の低い温度であるとCOP(エネルギー消費効率)が3.0以上のとても良い状態で被加熱水を加熱することが可能なものである。
【0018】
このように貯湯タンク16内の湯水を沸き上げるときに消費される電力は電力計9によって時間帯別に監視され、電力単価記憶部10に記憶された各時間帯別の電力単価を用いて電力量料金算出部11によって電力量料金Xが算出される。
【0019】
そして、各世帯が給湯を行えば、貯湯式給湯装置1は貯湯タンク16内に貯められた高温の湯と給水バイパス管23からの水とを電動ミキシング弁22で一定温度になるよう混合して給湯する。そして各世帯において湯水混合栓7で所望の湯温に調整して給湯される。
【0020】
このとき、総水量計12は各世帯を合わせた全使用水量eを積算し、使用湯量計3および使用水量計5は各世帯毎の使用湯量a、bおよび使用水量c、dを積算する。そして、水道料金算出部14が水道単価記憶部13に記憶された水道単価と全使用水量eとから水道料金を算出し、そして、各世帯毎の使用湯量および使用水量の合計の比から各世帯毎の水道料金Yを算出可能としている。すなわち、世帯Vでの水道料金Y(V)は、Y・(a+c)/eで算出され、世帯Wでの水道料金Y(W)は、Y・(b+d)/eで算出される。よって、水道料金を各世帯へ個別に正確に按分することができる。
【0021】
そして、30は前記使用湯量計3で検出する各世帯の使用湯量の比と電力量料金算出部11で算出された電力量料金とから各世帯に按分する電力量料金を算出する電力量料金按分部30で、世帯Vに按分される電力量料金X(V)は、X・a/(a+b)で算出され、世帯Wに按分される電力量料金X(W)は、X・b/(a+b)で算出されることとなる。
【0022】
このように電力量料金を使用湯量の比によって按分するようにしているので、複数世帯で1台の貯湯式給湯装置1を共用することが可能となり、集合住宅の設備コストを下げることが可能となると共に、給湯にかかる電力量料金を各世帯へ個別に不公平感なく適正に按分することができるものである。
【0023】
なお、この一実施形態では1台の貯湯式給湯装置を2世帯で共用した例を示したが、これに限定されることなく、1台の貯湯式給湯装置を3、4世帯で共用するようにしても良い。また、集合住宅内の上下階の世帯で1台の貯湯式給湯装置を共用するので、重量物である貯湯式給湯装置を上階に上げる必要がなく設置容易となるものであるが、これに限定されることなく、同階の複数世帯で1台の貯湯式給湯装置を共用するようにしても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数世帯で1台の貯湯式給湯装置を共用することが可能となり、集合住宅の設備コストを下げることが可能となると共に、給湯にかかる電力量料金を各世帯へ個別に不公平感なく適正に按分することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の貯湯式給湯装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 貯湯式給湯装置
2 集合住宅
3 使用湯量計
4 給湯配管
8 電源
11 電力量料金算出部
30 電力量料金按分部
Claims (3)
- 時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、この貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に使用湯量計を設けたことを特徴とする集合住宅用貯湯式給湯装置。
- 時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、この貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に使用湯量計を設け、各世帯が消費した湯量の比により電力量料金を各世帯に按分するようにしたことを特徴とする集合住宅用貯湯式給湯装置の料金按分方法。
- 時間帯別電灯契約の電源が接続され、沸き上げた温水を貯湯して複数世帯に給湯する貯湯式給湯装置において、前記貯湯式給湯装置から各世帯へ分岐された複数の給湯配管に設けられた各世帯毎の使用湯量を積算する使用湯量計と、時間帯別に電力消費量を積算し記憶されている時間帯別の電力単価から電力量料金を演算する電力量料金演算部とを備え、前記電力量料金演算部で演算された電力量料金を各世帯が消費した湯量の比により各世帯に按分する電力量料金按分部とを有したことを特徴とする集合住宅用貯湯式給湯装置の電力量料金按分装置。
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