【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧シリンダや油圧緩衝器に使用されるピストンの成形方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、油圧シリンダや油圧緩衝器は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンは、ピストン本体とピストン本体の外周に嵌合した合成樹脂リングとからなり、上記ピストンがリングを介してシリンダの内周を摺接するようになっている。
【０００３】
そして、この種の油圧シリンダや油圧緩衝器に使用されるピストンとしては、例えば、特開２００２-２９５６７７号公報（特許文献１参照）に開示されたものが開発されている。
【０００４】
このピストンＰは、図４に示すように、ピストンロッド３に結合したピストン本体１と、ピストン本体１の外周に嵌合した合成樹脂製リング２とからなり、ピストン本体１は、外周に軸方向に沿う複数の環状溝１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅを備え、リング２は、ピストン本体１の外周に沿うリング本体２ａと、リング本体２ａの内周側に形成されて上記の各環状溝１ａ〜１ｅに嵌合した複数の内周側環状突起２ｃ，２ｄと、リング本体１の端部に形成されて外方に反り返るリップ２ｂとで構成され、ピストンＰをシリンダ内に挿入した時リップ２ｂがシリンダ内周に当接するようになっている。
【０００５】
上記のピストンＰの成形方法は、特開２００２-２９５６７９号公報（特許文献２参照）に開示したものが開発されている。
【０００６】
即ち、このピストンＰの成形方法は、図５（ａ），（ｂ）に示すように、外周に軸方向に沿う複数の環状溝１ｄ，１ｃを備えたピストン本体１と、ピストン本体１の外周に嵌合されたリング本体２ａと各環状溝１ｄ，１ｃに嵌合された内周側環状突起２ｃとからなるリング２とで構成されているピストンにおいて、円盤状の合成樹脂製リング母材Ａの内周端をピストン本体１の端面側環状溝に嵌合させ（図５（ａ）参照）、次いで、ピストン本体１ａを固定治具７，８で固定しながらダイス９によって上記のリング母材Ａをピストン本体１の外周に加圧して押し込み、更に、この押し込み工程中にリング母材Ａを加熱軟化させてピストン本体１の外周に沿うリング本体２ａと上記各環状溝２ｃ内に流動させる内周側環状突起とを成形する（図５（ｂ）参照）ものである。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００２-２９５６７７号公報（図１）
【特許文献２】
特開２００２-２９５６７９号公報（図２）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のピストンＰではリング２が外方に反り返るリップ２ｂを備えているので、ピストンＰとシリンダとの間から油等の流体が漏れるのを防止する有利な点を備えているが、逆に、次のような不具合が発生する。
【０００９】
即ち、図５（ａ），（ｂ）に示す方法でピストンＰを成形すると、リング２は、円盤状の母材Ａを利用して成形するため、ダイス９で加圧しても、元の形状に戻ろうとする残留応力が存在するから、母材Ａの終端には自動的且つ必然的に外方に反り返るリップ２ｂが形成される。
【００１０】
このリップ２ｂは、外側に反り返る変形を押え込む手段が無いので、より元の形状に戻ろうとする作用が強くなり、外開きの形状になり易い。
【００１１】
従って、この形状を利用して油漏れのリップとして利用する場合には有利である。
【００１２】
即ち、このリップ２ｂは、シリンダ内周に対する締代により初期シール機能を発揮し、内圧が加わるとリップ２ｂが外側に広がり、シリンダとより強く接触し、セルフシール機能を持ち、ピストンＰとシリンダ内周間の油漏れを確実に防止する。
【００１３】
しかし、このセルフシール機能が災いして、圧縮行程から図４において矢印Ｙ方向の伸長行程変換時に急にシール性が向上するのでシリンダ内圧力が急に増大する。
【００１４】
この為、このピストンは、車両用サスペンションの油圧緩衝器に適用した場合にゴツゴツ感が発生させ、乗心地の悪化を招く場合がある。
【００１５】
例えば、図６は、リップ２ｂがある場合と無い場合の減衰力特性波形を示し、リップ２ｂが無い場合は圧側の特性ａ及び伸側の特性ｂは円形状となるが、リップ２ｂが存在する場合には伸側切換り時にスパイク状の急激な波形Ｃが発生する。
【００１６】
そこで、この急激に発生する波形Ｃを無くするために、例えば、図７に示す治具１０を利用し、リップ２ｂをこの治具１０のテーパ面で強制的にピストン本体１側に折り曲げる方法の採用が可能となる。
【００１７】
しかしながら、このように再度別の治具１０を利用することは、追加して加工設備が必要となり、加工工程が多くて面倒であり、加工性、経済性において不利である。
【００１８】
そこで、本発明の目的は、リングの終端に外側に反り返るリップを無くし、加工性、経済性にすぐれたピストンとこのピストンの成形を提供することである。
【００１９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るピストンの成形方法は、外周に軸方向に沿う複数の環状溝を備えたピストン本体と、ピストン本体の外周に嵌合されたリング本体と各環状溝に嵌合された内周側環状突起とからなるリングとで構成されているピストンに於いて、円盤状の合成樹脂製リング母材の外周側を断面くの字状に折り曲げる工程と、リング母材の内周端をピストン本体の端面側環状溝内に嵌合させる工程と、ダイスによって上記リング母材をピストン本体外周に加圧して押し込む工程と、上記押し込み工程中にリング母材を加圧軟化させて形成したピストン本体外周に沿うリング本体と上記各環状溝内に流動させる内周側環状突起とを成形する工程と、上記折り曲げたリング母材の端部をピストン本体の外面に圧接させる工程と、からなることを特徴とするものである。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図３に基づいて説明するが、本発明に係るピストンは、油圧シリンダあるいは油圧緩衝器などに利用されるもので、その基本的な構造は、図４の従来技術と同じである。
【００２１】
即ち、本発明に係るピストンＰは、図１に示すように、従来と同じくピストン本体１と、ピストン本体１の外周に嵌合させたリング２とからなり、ピストン本体１は外周に軸方向に沿う複数の環状溝１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｆを備え、上記リング２が円盤状の合成樹脂母材Ａをピストン本体１の外周に加圧して押し込みながら加熱軟化させてピストン本体１の外周に沿うリング本体２ａと上記各環状溝１ａ〜１ｆ内に流動して嵌合した内周側環状突起２ｃとで構成されているものである。
【００２２】
そして、本発明では、特に、上記リング本体２ａの両端２ｄ，２Ｂをピストン本体１方向に折り曲げてピストン本体１外面に当接させている。
【００２３】
この場合、リング本体２ａの両端２ｄ，２Ｂを折り曲げて両サイドの各環状溝１ａ，１ｆ内にそれぞれ嵌合させている。
【００２４】
このため、本発明のピストンＰでは、リング本体２ａの両端２ｄ，２Ｂが外側に反り返るリップが従来に較べて無くなることになる。
【００２５】
尚、終端２Ｂの外面には、環状の肉盛２Ｃを形成し、この肉盛２Ｃをシリンダの内周に摺接させて油漏れを防止させるようにしても良い。
【００２６】
次に、上記ピストンＰの成形方法について説明すると、ピストンＰの基本構造は、図１の場合と同じく、外周に軸方向に沿う複数の環状溝１ａ〜１ｆを備えたピストン本体１と、ピストン本体１の外周に嵌合されたリング本体２ａと各環状溝１ａ〜１ｆに嵌合された内周側環状突起２ｃとからなるリング２とで構成され、次の工程で成形される。
【００２７】
第一に、図２で示すように、下金型Ｍと上金型Ｎを利用し、両者の間に挟み込んだ円盤状の合成樹脂製リング母材Ａの外周側を断面くの字状に折り曲げる。
【００２８】
次に、各金型Ｍ，Ｎから外したリング母材Ａを、図３（ａ）に示すように、リング母材Ａの内周端をピストン本体１の端面側環状溝１ａ内に嵌合させる。
【００２９】
次に、ダイス９によって、図３（ｂ），（ｃ）に示すように、上記リング母材Ａをピストン本体１外周に加圧して押し込む。
【００３０】
そして、上記押し込み工程中にリング母材Ａを加圧軟化させて形成したピストン本体１外周に沿うリング本体２ａと上記各環状溝１ａ〜１ｆ内に流動させる内周側環状突起２ｃとを成形する工程と、上記折り曲げたリング母材Ａの端部２Ｂをピストン本体１の外面に圧接させるものである。
【００３１】
環状溝１ｆは、他の環状溝１ａ〜１ｅと同じ形状にしても良く、外方を図示のように開放したものでも良い。
【００３２】
上記のピストンの成形方法によれば、一方の端部２ｄたる環状突起は、ダイス９で強制的に折り曲げられ、他方の端部２Ｂは、あらかじめ初期の工程でピストン本体１側に折り曲げられているため、上記ダイス９の押し込み工程で自動的にピストン本体１側に向けてその外面に当接し、各端部２ｄ，２Ｂが外方に反り返るのが防止され、外側に反り返るリップの発生を防止できる。
【００３３】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【００３４】
１）請求項１の発明によれば、リング本体の一端は、ダイスで自動的にピストン本体側に折り曲げられ、他端は、あらかじめ初期工程でくの字状に折り曲げられているので、必然的にリング母材をダイスで押し込む工程中にピストン側に向けて当接できる。
【００３５】
このため、ダイスによる押し込み工程後、リップの発生を防止する他の冶具を用意して変形加工する必要が無く、加工性，経済性に優れている。
【００３６】
２）請求項１の発明によ成形されたピストンによれば、リング本体の両端がピストン本体方向に折り曲げられてピストン本体外面に当接しているから、この両端がリップとして作用せず、単に、リング本体の外周がシリンダの内周面に油膜を介して摺接できる。
【００３７】
したがって、ピストンがシリンダ内を伸側，圧側方向に摺動し、その作動切換初期にシリンダ内に急激な圧力を発生させない。
【００３８】
このため、このピストンを利用した油圧シリンダ，油圧緩衝器を車両にサスペンションなどとして適用しても、急激な内圧上昇に伴うゴツゴツ感の発生を防止でき、車両における乗り心地を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るピストンの一部切欠き縦断側面図である。
【図２】本発明にかかるリング母材の外周側端部を折り曲げる工程を示す母材と金型の断面図である。
【図３】（ａ），（ｂ），（ｃ）はリング母材をピストン本体に嵌合させる工程を示すピストン本体とリング母材とダストの断面図である。
【図４】従来のピストンの一部切欠き縦断面図である。
【図５】（ａ），（ｂ）は従来のピストンを成形する工程を示すピストン本体とリング母材とダイスの断面図である。
【図６】リップがある場合と無い場合の減衰力波形である。
【図７】従来のピストンの後加工を行なう治具の断面図である。
【符号の説明】
１ ピストン本体
１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ，１ｆ 環状溝
２ リング
２ａ リング本体
２ｃ 内周側環状突起
２ｄ，２Ｂ 両端
Ｐ ピストン[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for forming a piston used for a hydraulic cylinder or a hydraulic shock absorber.
[0002]
[Prior art]
Generally, in a hydraulic cylinder or a hydraulic shock absorber, a piston rod is movably inserted into a cylinder via a piston, and the piston is composed of a piston body and a synthetic resin ring fitted on an outer periphery of the piston body. The inner periphery of the cylinder slides through the ring.
[0003]
As a piston used in this type of hydraulic cylinder or hydraulic shock absorber, for example, a piston disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-295677 (see Patent Document 1) has been developed.
[0004]
As shown in FIG. 4, the piston P includes a piston main body 1 connected to a piston rod 3 and a synthetic resin ring 2 fitted on the outer periphery of the piston main body 1. The ring 2 includes a plurality of annular grooves 1a, 1b, 1c, 1d, and 1e along the outer periphery of the piston body 1, and a ring body 2a formed on the inner peripheral side of the ring body 2a. A plurality of inner peripheral side annular projections 2c and 2d fitted to 1a to 1e, and a lip 2b formed at an end of the ring main body 1 and curving outward, the lip when the piston P is inserted into the cylinder. 2b comes into contact with the inner circumference of the cylinder.
[0005]
As a method of forming the piston P, a method disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-295679 (see Patent Document 2) has been developed.
[0006]
That is, as shown in FIGS. 5A and 5B, the method of forming the piston P includes a piston main body 1 provided with a plurality of annular grooves 1d and 1c along the axial direction on the outer periphery, and an outer peripheral surface of the piston main body 1. A ring-shaped base member A made of a synthetic resin in a piston constituted by a ring 2 composed of a ring main body 2a fitted to the ring and an inner peripheral side annular projection 2c fitted to each of the annular grooves 1d and 1c. Is fitted into the annular groove on the end face side of the piston body 1 (see FIG. 5 (a)). Then, while the piston body 1a is fixed with the fixing jigs 7 and 8, the above ring base material is fixed by the die 9. A is pressed into the outer circumference of the piston main body 1 and pressed therein. Further, during this pressing process, the ring base material A is heated and softened to flow into the ring main body 2a along the outer circumference of the piston main body 1 and the respective annular grooves 2c. Form the circumferential annular protrusion (Fig. (B) reference) is intended.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-295677 (FIG. 1)
[Patent Document 2]
JP-A-2002-295679 (FIG. 2)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The above conventional piston P has the advantage of preventing the fluid such as oil from leaking from between the piston P and the cylinder because the ring 2 has the lip 2b that warps outward. The following problems occur.
[0009]
That is, when the piston P is formed by the method shown in FIGS. 5A and 5B, the ring 2 is formed by using the disk-shaped base material A. Lip 2b is automatically and inevitably bent outward at the end of the base material A.
[0010]
Since the lip 2b has no means for suppressing the outwardly warped deformation, the effect of trying to return to the original shape becomes stronger, and the lip 2b tends to be opened outward.
[0011]
Therefore, it is advantageous to use this shape as a lip for oil leakage.
[0012]
That is, the lip 2b exerts an initial sealing function by the interference of the inner circumference of the cylinder, and when an internal pressure is applied, the lip 2b spreads outward and comes into stronger contact with the cylinder, has a self-sealing function, and has a piston P and the inside of the cylinder. Prevents oil leakage between circumferences.
[0013]
However, the self-sealing function is disturbed, and the sealing performance is suddenly improved during the conversion from the compression stroke to the extension stroke in the direction of arrow Y in FIG.
[0014]
For this reason, when this piston is applied to a hydraulic shock absorber of a vehicle suspension, the piston may generate a rugged feeling, which may cause deterioration of ride comfort.
[0015]
For example, FIG. 6 shows a damping force characteristic waveform with and without the lip 2b. In the absence of the lip 2b, the compression-side characteristic a and the extension-side characteristic b are circular, but the lip 2b is present. In this case, a spike-like sharp waveform C is generated at the time of switching to the extension side.
[0016]
Therefore, in order to eliminate the suddenly generated waveform C, for example, a jig 10 shown in FIG. 7 is used, and the lip 2b is forcibly bent toward the piston body 1 on the tapered surface of the jig 10. Adoption becomes possible.
[0017]
However, the use of another jig 10 again requires additional processing equipment, requires many processing steps, is troublesome, and is disadvantageous in workability and economy.
[0018]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a piston having excellent workability and economy, and a molding of the piston, by eliminating a lip that warps outward at the end of the ring.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a method of molding a piston according to the present invention includes a piston main body having a plurality of annular grooves on an outer periphery along an axial direction, a ring main body fitted on the outer periphery of the piston body, and each of the annular grooves. A step of bending the outer peripheral side of a disk-shaped synthetic resin ring base material into a U-shape in a piston constituted by a ring composed of an inner peripheral side annular projection fitted to the ring base; A step of fitting the inner peripheral end of the material into the annular groove on the end face side of the piston body, a step of pressing the ring base material into the outer periphery of the piston body with a die, and pressing the ring base material during the pressing step. Forming a ring body along the outer circumference of the piston body formed by softening and an inner peripheral side annular projection to be flown into each of the annular grooves; and pressing an end of the bent ring base material against an outer surface of the piston body. Process And it is characterized in that it consists of.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 to 3. The piston according to the present invention is used for a hydraulic cylinder or a hydraulic shock absorber, and its basic structure is shown in FIG. Is the same as the prior art.
[0021]
That is, as shown in FIG. 1, the piston P according to the present invention comprises a piston main body 1 and a ring 2 fitted on the outer periphery of the piston main body 1 as in the prior art. The ring 2 is provided with a plurality of annular grooves 1a, 1b, 1c, 1d, 1e, 1f along which the ring 2 presses and pushes the disc-shaped synthetic resin base material A into the outer periphery of the piston body 1 to heat and soften it. And a ring main body 2a along the outer periphery of the inner ring and inner circumferential side annular projections 2c which flow into and fit into the respective annular grooves 1a to 1f.
[0022]
In the present invention, both ends 2d and 2B of the ring main body 2a are particularly bent toward the piston main body 1 so as to contact the outer surface of the piston main body 1.
[0023]
In this case, both ends 2d and 2B of the ring main body 2a are bent and fitted into the respective annular grooves 1a and 1f on both sides.
[0024]
For this reason, in the piston P of the present invention, the lip in which both ends 2d and 2B of the ring main body 2a warp outward is eliminated as compared with the related art.
[0025]
An annular overlay 2C may be formed on the outer surface of the terminal end 2B, and the overlay 2C may be slid on the inner periphery of the cylinder to prevent oil leakage.
[0026]
Next, the method of forming the piston P will be described. The basic structure of the piston P is the same as that of FIG. 1, the piston body 1 having a plurality of annular grooves 1 a to 1 f along the axial direction on the outer periphery, and the piston body The ring 2 is composed of a ring main body 2a fitted to the outer periphery of the ring 1 and an inner peripheral side annular projection 2c fitted to each of the annular grooves 1a to 1f, and is formed in the next step.
[0027]
First, as shown in FIG. 2, a lower mold M and an upper mold N are used, and the outer peripheral side of a disk-shaped synthetic resin ring base material A sandwiched between the two is formed into a V-shape in cross section. Bend.
[0028]
Next, the ring base material A removed from each of the molds M and N is fitted with the inner peripheral end of the ring base material A into the end face side annular groove 1a of the piston body 1 as shown in FIG. Let it.
[0029]
Next, as shown in FIGS. 3B and 3C, the ring base material A is pressed and pressed into the outer periphery of the piston main body 1 by the die 9.
[0030]
Then, a ring main body 2a is formed along the outer periphery of the piston main body 1 formed by pressurizing and softening the ring base material A during the above-mentioned pushing step, and an inner peripheral side annular projection 2c which flows into each of the annular grooves 1a to 1f. And a step of pressing the bent end portion 2B of the ring base material A against the outer surface of the piston body 1.
[0031]
The annular groove 1f may have the same shape as the other annular grooves 1a to 1e, and may have an open outer side as shown in the figure.
[0032]
According to the above-described method of molding a piston, the annular projection serving as one end 2d is forcibly bent by the die 9, and the other end 2B is bent to the piston body 1 side in an initial step in advance. For this reason, in the step of pushing the die 9, the die 2 is automatically brought into contact with the outer surface thereof toward the piston body 1, so that the ends 2 d and 2 B are prevented from warping outward, and the occurrence of a lip warping outward can be prevented. .
[0033]
【The invention's effect】
According to the present invention, the following effects can be obtained.
[0034]
1) According to the first aspect of the present invention, one end of the ring main body is automatically bent toward the piston main body by the die, and the other end is bent in the initial step in a U-shape in advance. During the process of pushing the ring base material with a die, it can abut against the piston.
[0035]
For this reason, it is not necessary to prepare another jig for preventing the occurrence of a lip after the indenting step by the die and perform the deformation processing, and the workability and the economy are excellent.
[0036]
2) According to the piston formed according to the first aspect of the present invention, since both ends of the ring main body are bent in the direction of the piston main body and abut against the outer surface of the piston main body, the both ends do not act as lips, The outer periphery of the ring main body can slide on the inner peripheral surface of the cylinder via an oil film.
[0037]
Accordingly, the piston slides in the cylinder in the extension side and the compression side, and does not generate a sudden pressure in the cylinder at the beginning of the operation switching.
[0038]
For this reason, even if a hydraulic cylinder or a hydraulic shock absorber using the piston is applied to a vehicle as a suspension or the like, it is possible to prevent the occurrence of lumpy feeling due to a sudden increase in internal pressure, and to improve the riding comfort in the vehicle.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway longitudinal side view of a piston according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a base material and a mold showing a step of bending an outer peripheral end of a ring base material according to the present invention.
FIGS. 3A, 3B, and 3C are cross-sectional views of a piston main body, a ring preform, and dust showing a process of fitting a ring preform to a piston main body.
FIG. 4 is a partially cutaway longitudinal sectional view of a conventional piston.
5 (a) and 5 (b) are cross-sectional views of a piston main body, a ring base material, and a die showing steps of forming a conventional piston.
FIG. 6 is a damping force waveform with and without a lip.
FIG. 7 is a cross-sectional view of a conventional jig for performing post-processing of a piston.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Piston main body 1a, 1b, 1c, 1d, 1e, 1f Annular groove 2 Ring 2a Ring main body 2c Inner peripheral side annular projection 2d, 2B Both ends P piston
