JP2004197386A - シールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法 - Google Patents

シールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法 Download PDF

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豊 佐藤
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真治 小西
Mitsutaka Sugimoto
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Abstract

【課題】硬質地盤を対象として、シールド機動力学モデルによって得られるシールド掘進中に生ずる掘削面の変位を用いた、シールド機周辺の地盤変位を高精度に予測することができるシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法を提供する。
【解決手段】シールド機周りの力学的釣り合いから地盤変位を算出して、前記地盤変位を直接有限要素法による入力データとしてシールドトンネル通過時の地盤変位を予測する。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
東京をはじめとするわが国の三大都市圏では、都市の地下が高度に開発され、様々なインフラストラクチャーが輻輳している。さらに、洪水対策のための地下河川の建設、交通網の地下化などが現在も積極的に進められている。
【0003】
したがって、このような新たな地下空間開発による既設構造物への近接施工の問題が今後さらに増加すると予想される。
【0004】
特に、鉄道においては、軌道をミリメートルオーダーの精度で維持・管理することが脱線事故の防止や、列車の運行を遅滞なく継続するための必要条件となっている。このため、新幹線をはじめとする鉄道構造物の近傍で行われるシールド掘進などの建設工事に対しては、輸送の安全性の確保、構造物の保守管理上の観点から、精度の高い近接施工の影響評価が求められている。
【0005】
シールドトンネル通過に伴う周辺地盤への影響予測手法として、これまで、二次元平面ひずみ状態を仮定した有限要素解析が提案され、実問題に適用されてきた(下記の非特許文献1、2、3、4参照)。ここで、有限要素法(FEM:Finite Element Methed)とは、構造力学、電場理論および流体力学に用いられる、連続的物理系の研究のための近似計算法であり、系は離散的な結節点で、連結された離散要素に分解される。
【0006】
しかし、これらの手法の中には掘削面における変位に制限を設けた解析手法も一部提案されてはいる(下記の非特許文献5参照)ものの、この手法も含め多くは解析対象とする地盤に初期応力解析として自重を作用させた後、掘削による応力解放を応力境界として掘削面に導入して解析するという手法である(以後、応力境界を用いた解析と呼ぶ)。
【0007】
【非特許文献1】
半谷哲夫,中井善人,山口良雄,福地善明:「シールド掘削に伴う沈下解析」土木学会誌,第54巻,9号,pp.30−35,1969.9.
【非特許文献2】
猪熊明,角湯克典,波田光敬,藤本明生:「地表面変位の予測に用いるFEMの改善(試案)」,トンネルと地下,pp.39−43,1994.12.
【非特許文献3】
中山隆,中村信義,中島信:「泥水式シールド掘進に伴う硬質地盤の変形解析について」土木学会論文集,No.397/VI−9,pp.133−141,1989.9.
【非特許文献4】
野口俊雄,垂水尚志:「非関連流れ則を用いた有限要素解によるシールドトンネル掘削時の変形解析」,土木学会論文集,No.672/VI−50,pp.133−144,2001.3.
【非特許文献5】
山田孝治,吉田保,間片博之,橋本定雄:「沖積地盤におけるシールド掘進に伴う地盤変状とその予測解析について」,土木学会論文集,No.373/VI−5,pp.103−112,1986.9.
【非特許文献6】
杉本光隆,Aphichat SRAMOON:「施工実績に基づくシールド機動力学モデルの開発」,土木学会論文集 No.673/III −53,pp.163−182,2001,3
【非特許文献7】
小柴暢,杉本光隆,Aphichat SRAMOON,小西真治,津坂治:「現場実測データによるシールド機挙動のシミュレーション(1)洪積層」,第55回土木学会年次学術講演会講演概要集III −B152,2000.9.
【非特許文献8】
有賀裕彦,杉本光隆,Aphichat SRAMOON,小西真治,粥川幸司:「現場実測データによるシールド機挙動のシミュレーション(2)沖積層」,第55回土木学会年次学術講演会講演概要集III −B153,2000.9.
【非特許文献9】
Aphichat SRAMOON,杉本光隆,向直樹,静野智久:「東京層(粘性土)における急曲線を含む現場実測データに基づくシールド機動力学モデルの検証」,第56回土木学会年次学術講演会講演概要集III −B079,2001.10.
【非特許文献10】
前田和也,杉本光隆,Aphichat SRAMOON,佐藤豊,安井充:「シールド機動力学モデルによる古琵琶湖層(砂礫土)における現場実測データのシミュレーション」,第56回土木学会年次学術講演会講演概要集III −B078,2001.10.
【非特許文献11】
土木学会:「トンネル標準示方書(シールド工法編)・同解説」、土木学会,pp.42−47,1996.
【非特許文献12】
吉田保,山田孝治:「泥水シールド掘進時の切羽土圧と周面摩擦について」,土木学会論文集,No.445/III −18,pp.75−82,1992.
【非特許文献13】
木佐人典,川崎清,古川有一,松井茂:「霞ヶ関〜東銀座シールド工事における予測と計測」,基礎工,17/12,pp.100−105,1989.12.
【非特許文献14】
桜井春輔:「NATMにおける現場計測と管理基準値,土と基礎」,No.34−2,pp.5−10,1986.2.
【非特許文献15】
亀村勝美,桑田尚史:「泥土圧シールド掘進時の地盤挙動とその3次元数値解析」,土質工学会,山留めとシールド工事における土圧・水圧に関するシンポジウム,pp.281−284,1992.5.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法では、シールドトンネル通過時の地盤変位を求めようとした場合、解析領域下方の範囲設定や、地盤の弾性係数や応力開放率に、解析結果が大きく依存するという問題があった。
【0009】
さらに、計画平面線形が曲線の場合や、シールドの蛇行が著しい場合には、トンネル通過によって実際に発生する地盤変位は非対称になるが、トンネル全周にわたって初期応力の一定の割合を解放する一様な応力解放率を適用して地震変位を求めようとすると、得られる解析結果はトンネル中心を軸として左右対称となり、このような非対称な地盤変位を適切に解析することは難しかった。
【0010】
また、シールド工法を用いた場合には、切羽掘削以降の掘削面の変位を時系列的に求める手段がこれまではなかった。このため、実際に掘削面に発生する変位と上記の解析手法で得られた解析結果を比較検証することは不可能であった。
【0011】
こうした状況を踏まえ、本発明は、シールド機動力学モデルによって得られるシールド掘進中に生ずる掘削面の変位を用いた、シールド機周辺の地盤変位を高精度に予測することができるシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕シールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法において、シールド機周りの力学的釣り合いから地盤変位を算出して、前記地盤変位を直接有限要素法による入力データとしてシールドトンネル通過時の地盤変位を予測することを特徴とする。
【0013】
〔2〕上記〔1〕記載のシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法において、前記入力データはシールド機の制御・挙動に関する計測データ、トンネル諸元、地質縦断図、地盤物性値、シールド機の諸元であることを特徴とする。
【0014】
〔3〕上記〔1〕記載のシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法において、前記有限要素解析はシールド機動力学モデルを用いて求められるシールド機スキンプレート周りの掘削変位を変位境界とすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(1)計測現場
まず、本発明のシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法を検証するためには、詳細なシールド機掘進管理データと、シールド機周辺の地盤変位計測データが必要となる。そこで、この条件を満たす現場を選定した。
【0017】
解析対象は、マトリックスにシルト分を含む砂礫優位で自立性が高い良好な地盤で、外径12.64mの泥水式シールド機を用いて土被り20.5m、上り勾配2.49‰、半径400mで掘進した場所である。
【0018】
図1に地質縦断図を、表1に地盤物性値を、図2にトンネル平面線形と地盤変位計測断面の位置を示す。なお、各地盤の弾性係数は孔内水平載荷試験から求めた。図1、図2において、1はトンネルを示している。
【0019】
【表1】
Figure 2004197386
地盤鉛直変位は地表面沈下計Aの5点と層別沈下計Bの34点を用いて、地盤水平変位は固定式傾斜計Cの64点を用いて、シールド機通過中5分間隔で計測した。計測計器の配置を図3及び図4に示す。これらの図において、地表面沈下計Aは▲、層別沈下計Bは●、固定式傾斜計Cは■で表されている。なお、計測値の誤差は0.3mm程度である。
【0020】
(2)シールド機通過時の掘削面変位
シールド機通過時の掘削面変位は、シールド機動力学モデル(上記非特許文献6参照)により求めた。
【0021】
図5はシールド機動力学モデルを示す図である。
【0022】
シールド機動力学モデルは、過去にカッターフェイスが掘削した空間(以後、掘削領域と呼ぶ)、テールクリアランス、動的な力の釣り合い、カッターフェイス回転方向、シールド機のスライド、シールド機天端部での緩み等を考慮できるモデルで、図5に示すように、シールド機に作用する主要な外力(以後作用力と呼ぶ)f1 〜f5 で構成されている。ここで、f1 はシールド機自重による作用力、f2 はシールドテール作用力、f3 はジャッキによる作用力、f4 は切羽作用力、f5 はスキンプレート作用力である。
【0023】
シールド機挙動は、時系列のシールド機位置と回転角で表される。ここでは、ローリング角の変化が小さいことを考慮し、ローリング角の代わりに、ローリングしないために発揮される周方向動摩擦力の度合い(以後、カッタートルク抵抗係数と呼ぶ)をパラメータとした。
【0024】
したがって、以下の6つのパラメータを未知数として、
Δx :x方向の移動距離の増分
Δy :y方向の移動距離の増分
Δz:z方向の移動距離の増分
φy :ヨーイング角(方位角)
φp :ピッチング角(下向き:正)
α :カッタートルク抵抗係数
【0025】
【数1】
Figure 2004197386
上記式(1)に示す力の釣り合い式を解くことにより、掘削中のシールド機挙動を求めることができる(上記非特許文献7、8、9、10参照)。
【0026】
入力データは、シールド機の制御・挙動に関する計測データ、トンネル諸元、地質縦断図、地盤物性値、シールド機の諸元である。
【0027】
図5に示す作用力の内、スキンプレート作用力f5 は、スキンプレートに作用する地盤反力と、それらによる摩擦力である。
【0028】
図6は切削領域からスキンプレートまでの法線方向距離を示す図である。この地盤反力は、掘削領域からシールド機スキンプレートまでの法線方向距離Un と土圧係数Kの関係を適用して求められる。ここで、静止土圧係数はUn =0における土圧係数K、地盤反力係数はUn =0における曲線の傾きとなる。また、参考までに、シールドセグメントの設計に用いられる地盤反力係数(上記非特許文献11参照)の考え方を基に得られる静止土圧係数Un と土圧係数Kとの関係も併せて図6に示す。
【0029】
一方、掘削面変位は、図7に示す矢印で表される。ここで、過去にカッターフェイスが掘削した掘削領域11とスキンプレート12の位置は、現場計測データを用いて上記の方法で求めた。また、地山自立位置13は、本解析対象地盤が自立性の高い良好な地盤であることを考慮して、図6に示す地盤反力係数と変位との関係から、トンネルクラウンとインバートにおいてはKvminに到る変位から、スプリングライン部ではKhminに到る変位から、他の周面ではこれらを線形補完して得られる変位から求めた。
【0030】
したがって、図7の掘削領域11からスキンプレート12までの距離は図6の横軸の掘削領域からスキンプレートまでの法線方向距離となる。
【0031】
また、スキンプレート12が掘削領域11よりトンネル外側にある場合には、地盤は受働状態となっていて、掘削領域11からスキンプレート12までの距離が掘削面変位となり、スキンプレート12が掘削領域11と地山自立位置13の中間にある場合には、地盤は主働状態となっていて、掘削面はスキンプレート12に接しているので、掘削領域11からスキンプレート12までの距離が掘削面変位となり、スキンプレート12が地山自立位置13よりトンネル内側にある場合には、地盤は主働状態となっていて、掘削面は自立しているので、掘削領域11から地山自立位置13までの距離が掘削面変位となる。また、シールド機動力学モデルでは、地質縦断、地下水圧、泥水圧等を考慮しているので、ここで得られる掘削面変位は、これらの影響を含んでいることになる。
【0032】
(3)変位境界を用いた有限要素解析
シールド機通過によるトンネル周辺地盤変位への影響を有限要素解析するにあたり、以下の仮定を用いた。
【0033】
▲1▼切羽には静止土圧が作用し(上記非特許文献12参照)、切羽面での地盤変位は0である。
【0034】
▲2▼トンネル周辺地盤の変位は、シールド掘進中に生ずるシールド機周面のトンネル掘削面変位が伝播することによりのみ生ずる。
【0035】
まず、従来と同様に初期応力解放後、上記で求められる掘削面変位を強制変位として掘削面に導入し、表1に示したc,φ,γを用いてモール・クーロンの降伏基準を適用した弾塑性解析を行ったが、塑性域は発生しなかった。地盤の応力状態が弾性域内に留まれば、初期応力解析の有無によらず得られる地盤の変位やひずみは同じとなる。
【0036】
したがって、この解析では、工学的に重要な変位やひずみに着目し、初期応力解析は行わず、シールド機動力学モデルを用いて求められるシールド機スキンプレート周りの掘削変位を変位境界とする線形弾性解析を行った。
【0037】
このため、表1に示す地盤物性値のうち、解析に使用したのは、弾性係数Eとポアソン比vのみである。
【0038】
なお、塑性領域が大きく発生する場合には、初期応力解析が必要となる。また、上記の仮定が成立しない場合、すなわち切羽土圧が静止土圧より大きい場合、シールド機周面摩擦力によりシールド機軸方向に発生する地盤変位が大きい場合、掘進中に生ずる地盤の圧密が大きい場合などについてが、別途検討が必要と考えられる。
(4)二次元解析の結果と考察
(A)解析モデル
解析に用いたモデルは、図8に示すように、側部と底部の解析領域の境界をそれぞれ鉛直・水平ローラーとする二次元平面ひずみモデルである。
【0039】
また、図2に示すように、トンネル平面線形が曲線である場合には、シールド機テール部が曲線外側の地盤を最も押し込むことになるので、近接構造物、周辺地盤への影響が最も大きくなるシールド機テール部が計測断面を通過する時点を解析対象とした。なお、シールド機テール部通過直後から受働側に押し込まれた地盤が元に戻る現象が計測結果より確認されている。
【0040】
(B)掘削面変位
本発明の変位境界を用いた解析で入力した掘削面変位を図9に●印で示す。掘削面変位は、法線方向の強制変位としてトンネル掘削面の40節点に作用させた。
【0041】
また、比較のため、応力境界を用いた解析で得られた掘削面変位も図9に重ねて○印で示す。この解析では、表1に示す土の単位体積重量を用いて地盤に初期地圧を作用させた後、掘削に伴う応力解放として、既往の実績(例えば、上記非特許文献13参照)を考慮し、この初期地圧の15%を解放した。
【0042】
図9より、応力境界を用いた解析では、掘削面変位は左右対称となり、掘削面がトンネル全周にわたってトンネル内側へ変位すること、一方、シールド機動力学モデルを用いて求めた掘削面変位は、トンネル右側では地盤を押し込む受働状態になり、トンネル左側では地盤がシールド機側に変位する主働状態になっていることがわかる。
【0043】
(C)解析結果
(a)水平変位
本発明の変位境界を用いた解析結果、および従来の応力境界を用いた解析結果と計測値を図10にまとめて示す。計測値はシールド掘進に伴って時間的に変化しているので、シールド機動力学モデルにより掘削面変位が得られた時刻に対応する計測値を比較対象とした。
【0044】
図10より、従来の応力境界を用いた解析では、トンネル近傍の水平変位は、トンネルの両側でトンネルの内側に向かっていて、計測値と異なるモードとなっていること、特に、弾性係数が相対的に小さいトンネル上部の2ヶ所の粘性土層で、地盤は内側へ大きく変位し、計測値と大きく異なることがわかる。
【0045】
これに対して、変位境界を用いた解析では、計測値の非対称性を示す変形モードを良く表現できていること、トンネル右側のトンネル外側に向かう変位の最大値は計測値の2.6mmに対して、7.2mmで、計測値の約2.8倍であることがわかる。
【0046】
(b)鉛直変位
前項と同様に鉛直変位の解析値と計測値を図11に示す。また、トンネル中心位置でのトンネル直上部と地表部での鉛直変位を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 2004197386
応力解放率15%を用いた従来の応力境界を用いた解析では、トンネル直上部の鉛直変位は−27.1mmであり、計測値の約34倍である。これに対して、変位境界を用いた解析では、この値が−2.7mmであり、計測値に近い。ただし、実際には認められなかったトンネル右16mの地表で地盤隆起が2.4mm発生している。
【0048】
上記から、変位境界を用いた解析は全体の地盤の変形モードを表現できること、しかし、変位の計測値と解析値で差があること、実際には計測されなかったトンネル右側の隆起が発生することがわかる。
【0049】
(5)入力物性値の影響
本発明で行った解析では、地盤を線形弾性体としていること、特に、変位境界を用いた解析では、自重解析も行っていないことから、上述したように、解析に必要な物性値は弾性係数とポアソン比だけである。そこで、二次元平面ひずみ線形弾性解析を用いて、この2つの物性値が変位境界を用いた解析結果に与える影響を検討した。
【0050】
(A)弾性係数の影響
一般に実務レベルで地盤の弾性係数を決定する際には、▲1▼三軸圧縮試験や孔内水平載荷試験から求めた値をそのまま用いるか、これにある一定の定数を乗じて各層の弾性係数を決定する、▲2▼N値や土の粘着力cにある一定の定数を乗じて各層の弾性係数を決定する、といった方法がとられることが多く、この定数の値にはかなりの幅があるのが現状である。応力境界を用いた解析では、この定数に反比例した地盤変位が得られることになる。これに対して、変位境界を用いた解析では、各層の弾性係数に同じ定数を乗ずる限り、この定数の大きさに地盤変位は全く依存しないと考えられる。表1に示した各層の弾性係数を全て一律に3倍、1/3倍に設定した解析を行い、地盤変位のモード、地盤変位ともに全ての解析ケースで同じ値となることを確認した。
【0051】
したがって、変位境界を用いた解析では、例えば、弾性係数Eの設定に標準貫入試験のN値を用いる場合には、E=7Nとしても、E=25Nとしても、各層の相対的な剛性が同じならば、解析領域内の地盤変位モードおよび地盤変位はどの場合にも同一となる。なお、このように弾性地盤で変位やひずみが既知の場合には地盤各層の相対的な剛性のみが重要であるという知見は、山岳トンネルの分野においては既に桜井(上記非特許文献14参照)によって示されている。
【0052】
(B)ポアソン比の影響
弾性解析の実務においてはポアソン比vを砂地盤で概ね0.3〜0.4程度、粘性土地盤で概ね0.35〜0.45程度とすることが多い。また、線形弾性体の二次元平面ひずみ問題の弾性マトリックスDは以下の式で与えられる。
【0053】
【数2】
Figure 2004197386
式(2)の右辺には(1−2v)の逆数が係数として存在するため、弾性解析の実務においてはほとんどの場合に、vの上限として0.45程度の値(例えば、非特許文献15参照)を用いている。また、地盤の有限要素解析を行う場合のポアソン比の下限値は一般的に0.3程度である。
【0054】
そこで、本発明では全ての地層のポアソン比を0.3および0.45とした解析を行い、ポアソン比が解析結果に与える影響を検討した。
【0055】
表3に水平変位と鉛直変位の最大値の比較結果を示す。
【0056】
【表3】
Figure 2004197386
着目した節点は全て同一である。表3より、ポアソン比が通常用いられる範囲内では、ポアソン比の値が結果に与える影響は小さいこと、今回用いた解析モデルではいずれの場合も元の解析ケースの地盤変位量との差が3%以内であることがわかる。
【0057】
したがって、従来の応力境界を用いた解析では、地盤各層の弾性係数、応力解放率、解析領域の大きさが地盤変位に影響を与えるのに対して、本発明の変位境界を用いた解析では、地盤各層の相対剛性のみが地盤変位に影響を与えることになる。
(6)三次元解析の結果と考察
上記したように、本発明の変位境界を用いた解析手法を用いることによって、計測値に近い地盤の変形モードを表現できることがわかった。
【0058】
しかし、解析では、水平変位の最大値は計測値の2.8倍となり、トンネル右側の隆起が発生した。これらは、二次元平面ひずみ状態が成立していないためと考えられるので、シールド機の外周全体の掘削面変位を変位境界とする三次元解析を実施した。
【0059】
(A)解析モデル
三次元解析に用いた解析モデルを図12に示す。このモデルは二次元平面ひずみ解析モデル(図8)をシールド機の軸方向に引き延ばしたものである。すなわち、シールド機軸方向の領域を切羽前方とテール後方にシールド機長の2倍ずつ取り、全体の奥行きをシールド機長の5倍とした。
【0060】
地盤への初期応力を与えていないため、切羽やシールド機後端以降の既掘削面がトンネル内側に変位することはなく、これらの面ではシールド機周りに与える掘削面変位の影響のみを受けることになる。そこで、この影響を拘束しないよう、地表面と切羽、シールド機後端以降のトンネル既掘削面の変位は拘束せず自由とし、地表以外のモデル外側の境界面は面内の変位のみを自由とした。また、地盤各層はトンネル軸方向に水平に分布すると仮定し、地盤各層の弾性係数Eとポアソン比vは表1の値を用いた。
【0061】
(B)掘削面変位
シールド機後方(テール側)上部から鳥瞰したシールド機全体にわたる掘削面変位のコンター図を図13に示す。図13(a)が後方左上より鳥瞰した図、図13(b)が後方右上より鳥瞰した図である。ここで、掘削面変位は上記と同様に、シールド掘進管理データを基にシールド機動力学モデルで求めた。
【0062】
図中、淡色で示されている部分は、シールド機が地盤を押し込んでいて、地盤が受働状態であることを示し、これは、テール部右斜め上側とシールド機中央付近の左側部である。他の多くの濃色部分では地盤がシールド機側に変位し、地盤が主働状態であることを示している。
【0063】
なお、図中のテール部(後端)が計測断面位置で、上記した二次元平面ひずみ解析ではこの後端の掘削面変位を用いている。
【0064】
(C)解析結果
(a)水平変位
変位境界を用いた三次元解析結果、二次元平面ひずみ解析結果と計測値とその水平変位を図14に示す。トンネル直近右側の水平変位は、計測値2.6mmに対して、二次元平面ひずみ解析で7.2mm、三次元解析で2.7mmとなった。また、トンネル直近左側のトンネル内側へ向かう水平変位の最大値は、計測値2.2mmに対して、三次元解析で2.5mmとなった。
【0065】
これらより、地盤変位の計測精度0.3mmを考慮すると、三次元解析結果はトンネル近傍で左右両側ともに計測値との差が計測精度程度であること、二次元平面ひずみ解析結果はシールド機が地盤を押し込んで地盤が受働状態になっているトンネル右側で過大となることがわかる。これらは、二次元ひずみ解析では、テール部の掘削面変位がシールド機軸方向に一様に作用することになるのに対して、三次元解析では、三次元的に分布する掘削面変位を強制変位として入力していること、地盤が受働状態になっているのはシールド機周りの地盤の一部であることのためであると考えられる。
【0066】
(b)鉛直変位
前項と同様に、鉛直変位の解析結果と計測値を図15に示す。また、トンネル中心位置でのトンネル直上部と地表部での鉛直変位を表4に示す。
【0067】
【表4】
Figure 2004197386
これらの図表より、二次元解析に比べ三次元解析のほうが計測値に近いことがわかる。この理由は前項の水平変位と同様に説明できる。
【0068】
上記したように本発明によれば、シールド機動力学モデルによって得られるシールド掘進中に生ずる掘削面の変位を強制変位として変位境界を与えるシールド機周辺の地盤変位の予測方法を得るとともに、この地盤変位の予測方法を現場計測データに適用し、この方法による二次元・三次元解析結果を従来の応力境界を用いた解析結果、計測値と比較し、同方法の妥当性を検討した。得られた結論は以下のようである。
(1)従来の応力境界を用いた解析手法と比較して、本発明の変位境界を用いた解析方法は、非対称な地盤変形モードを表現できるとともに、トンネル周辺地盤変位をより高い精度で求めることができる。これは、シールド機と掘削面の相対的位置関係によって規定される掘削面の変位がシールド機掘進中に生ずるシールド機周辺地盤変位に大きく影響を与えるためであると考えられる。
(2)変位境界を用いた解析方法による、二次元平面ひずみ解析では、シールド機が地盤を押し込んで地盤が受働状態になっているシールド機テール部近傍の水平変位、および、トンネル直上部での鉛直変位が過大評価され、また、地表面端部で地盤隆起が発生したのに対し、同方法による三次元解析では、水平変位、鉛直変位ともに、解析値と計測値は良く一致した。これは、二次元平面ひずみ解析では、シールド軸方向に一様な掘削面変位を想定しているのに対し、三次元解析では、シールド機周りに三次元的に分布する掘削面変位を考慮できること、シールド機動力学モデルによって得られたシールド掘進中に生ずる掘削面変位が妥当な値であったことのためであると考えられる。なお、本発明の検討例では、二次元平面ひずみ解析から得られる最大水平変位は、三次元解析の解析値、および計測値の約2.8倍であった。
(3)変位境界を用いた解析方法による二次元平面ひずみ解析では、地盤各層の相対的な剛性が同じであれば、得られる地盤変位は同一となる。また、ポアソン比が通常用いられる範囲内であれば、ポアソン比が地盤変位に与える影響は小さい。本発明の検討例では、ポアソン比の変化による地盤変位の差は3%以内となった。したがって、変位境界を用いた解析では、掘削面変位が同一であれば、地盤各層の相対的な剛性のみが地盤変位に影響を与える。
【0069】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0070】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0071】
(A)解析領域の影響を小さくすることできる。
【0072】
(B)地盤の相対的な剛性がわかれば精度の高い結果を得ることができる。
【0073】
(C)従来のように、応力解放率という未知の係数を用いる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるトンネルの地質縦断図である。
【図2】本発明にかかるトンネル平面線形と地盤変位計測断面の位置を示す図である。
【図3】本発明にかかる地表・層別沈下計の配置を示す図である。
【図4】本発明にかかる傾斜計の配置を示す図である。
【図5】本発明にかかるシールド機動力学モデルを示す図である。
【図6】本発明にかかる切削領域からスキンプレートまでの法線方向距離を示す図である。
【図7】本発明にかかる切削面変位の定義を示す図である。
【図8】本発明にかかる二次元解析モデルを示す図である。
【図9】本発明にかかる掘削面変位(テール部)を示す図である。
【図10】本発明にかかる水平変位の比較を示す図である。
【図11】本発明にかかる鉛直変位の比較を示す図である。
【図12】本発明にかかる3次元解析モデルを示す図である。
【図13】本発明にかかる掘削面変位を示す図である。
【図14】本発明にかかる水平変位の比較を示す図である。
【図15】本発明にかかる鉛直変位の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 トンネル
11 掘削領域
12 スキンプレート
13 地山自立位置
A 地表面沈下計(5点)
B 層別沈下計(34点)
C 固定式傾斜計(64点)

Claims (3)

  1. シールド機周りの力学的釣り合いから地盤変位を算出して、前記地盤変位を直接に有限要素法による入力データとしてシールドトンネル通過時の地盤変位を予測することを特徴とするシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法。
  2. 請求項1記載のシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法において、前記入力データはシールド機の制御・挙動に関する計測データ、トンネル諸元、地質縦断図、地盤物性値、シールド機の諸元であることを特徴とするシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法。
  3. 請求項1記載のシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法において、前記有限要素解析はシールド機動力学モデルを用いて求められるシールド機スキンプレート周りの掘削変位を変位境界とすることを特徴とするシールドトンネル通過時の地盤変位の予測方法。
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