JP2004197133A - クーリングステーブ及び該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クーリングステーブの目地部の隙間に高炉ガスが流れることによる鉄皮亀裂の発生を可及的に防止できるクーリングステーブ、該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造を提供する。
【解決手段】ステーブ本体1の横辺1bを縦辺1aよりも長く設定すると共に、ステーブ本体1内部において両縦辺1a縁部に沿った冷却水流路3aを設けた。
また、ステーブ本体1が、高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなるようにした。さらに、クーリングステーブを縦方向千鳥状に配置して高炉炉体を構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】ステーブ本体1の横辺1bを縦辺1aよりも長く設定すると共に、ステーブ本体1内部において両縦辺1a縁部に沿った冷却水流路3aを設けた。
また、ステーブ本体1が、高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなるようにした。さらに、クーリングステーブを縦方向千鳥状に配置して高炉炉体を構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉体冷却用のクーリングステーブ、及び高炉炉体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉鉄皮を保護するクーリングステーブは、その採用当初からステーブ本体の内面(高炉炉内側面)に成形煉瓦等の耐火物を内張し、高炉炉内からの熱負荷から高炉鉄皮を保護していた。
しかしながら、成形煉瓦の支持強度は充分ではなく、寿命は3年程度しかなく短いという問題があった。
そこで、クーリングステーブの冷却能率の向上に伴って高炉炉内面側に耐火物を設けないクーリングステーブが開発されるに至った。
【0003】
このような、高炉炉内面側に耐火物を設けないクーリングステーブの一例を図8に示す。このクーリングステーブは、図8に示すように、縦長のステーブ本体51に縦方向の冷却水路53が形成されている(例えば、特許文献1参照)。この縦型クーリングステーブのサイズの一例を示すと、図9に示すように、縦(高さ):2m、横(幅):1m であり、縦横比が2:1である。高炉には、このようなクーリングステーブが、鉄皮内径16〜18mのものでは50〜57枚/リングで取り付けられている(図10参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−073110号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような縦型クーリングステーブを高炉炉体に設置した場合には、以下のような問題がある。
高炉内部を上昇する高炉ガス(1000〜1500℃)によってステーブ本体の鋳物部分が溶損し、縦目地部の隙間が大きくなる。縦目地部の隙間が大きくなると、この大きくなった隙間に高炉ガスが選択的に流れるようになり、ステーブ本体の溶損がより一層進行する。また、縦型のクーリングステーブの場合、上下の目地の水平距離(図11のL)が短いので、クーリングステーブを千鳥状に配置したとしても、ステーブ本体の角部が溶損し、上下の目地部の隙間がつながることがある。そのようになると、炉内ガスはその部分を選択的に流れ(図11参照)、その部分の鉄皮が部分的に加熱され、鉄皮亀裂に至ることがある。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、クーリングステーブの目地部の隙間に高炉ガスが流れることによる鉄皮亀裂の発生を可及的に防止できるクーリングステーブ、該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクーリングステーブは、ステーブ本体の横辺を縦辺よりも長く設定すると共に、ステーブ本体内部において両縦辺縁部に沿った冷却水流路を設けたものである。
【0008】
また、ステーブ本体を高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなるものである。
【0009】
クーリングステーブを縦方向千鳥状に配置してなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の一実施の形態に係るクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
本実施の形態に係るクーリングステーブのステーブ本体1は、縦辺1aより横辺1bが長い横型のものである。
ステーブ本体1の内部には冷却水路3が設けられている。冷却流路3は略コ字形状(注:片方のコ字は左右を逆にした逆コ字である。)の2本の流路から構成されている。2本のコ字状の流路が、コ字の開口側が向かい合うように配置されている。このような配置によって、ステーブ本体1の両縦辺にはコ字の縦辺3aが配置される。つまり、ステーブ本体1の内部には両側の縦辺1aに沿った縦流路3aが設けられている。
【0011】
ステーブ本体1の両側の縦辺1aに沿った縦流路3aを設けることで、縦辺部の冷却が確実に行われ、縦辺部の溶損を可及的に防止できる。これによって、従来問題となっていた縦目地部の隙間拡大という問題を防止できる。
【0012】
次に、上記横型クーリングステーブを用いた高炉炉体構造について説明する。本実施の形態に係る高炉炉体の構造は、上記のように構成された横型クーリングステーブを、図1に示すように、炉体の縦方向に千鳥状に配置したものである。
【0013】
上記のような横型のクーリングステーブを、炉体縦方向に千鳥状に配置することで、以下のような効果が得られる。
まず、横型クーリングステーブ自体の効果として、ステーブ本体1の両側の縦辺1aに沿った縦流路3aを設けたことにより、ステーブ本体の溶損による縦目地部の隙間拡大を防止でき、これによって縦目地部の鉄皮の加熱という問題を改善できる。
【0014】
また、クーリングステーブを横型にしたことで、縦目地の高炉全体における距離を短くすることができる。例えば、従来縦横比が2:1であったもの、1:2にしたとすれば、クーリングステーブが横型であることから、高炉の周方向での縦目地の数が半減し、全体として縦目地の距離が約半分になる。
縦目地の距離が半分になることで、以下の効果がある。従来技術で説明したように、縦目地の部分は高炉ガスの通り路となりやすいが、たとえ通り路となったとしても、全体としての距離が半分になっているので、鉄皮加熱の悪影響を低減できる。
【0015】
さらに、クーリングステーブを横型として、これを千鳥状に配置したことで、上下に配置される縦目地部の水平距離(図2におけるL)が長くなる。この水平距離が長くなると、上下の目地部の隙間が大きくなったとしても、炉内ガスが上下に連続して流れにくい。何故なら、炉内ガスは抵抗の少ない箇所を選択的に流れようとするが、水平方向には流れ難いので上下に連通することがないのである。
炉内ガスが上下に連通して流れにくくなることで、縦目地部の隙間拡大が助長されるのを防止できる。
【0016】
また、クーリングステーブを横型にしたことで、例えば、冷却水路が1本破壊されたとしても、他の冷却水路が残存している限り、ステーブ本体は横長の状態で残存することになる。横型のステーブ本体が残存すれば、その部分に炉内物が堆積し、その堆積物が炉内ガスに対して抵抗となり、炉内ガスによる鉄皮の加熱を可及的に防止できる。
このように、クーリングステーブを横型にすることで、冷却水路が破壊された場合にも、炉内ガスによる鉄皮の加熱を可及的に防止できるという効果を奏することができる。
【0017】
以上のように、縦辺近傍に冷却水路を有する横型クーリングステーブを千鳥状に配置にすることで、従来問題であった縦目地部の隙間拡大に起因する鉄皮加熱を防止し、この鉄皮加熱から鉄皮亀裂に至るという問題が解消される。
【0018】
なお、横型クーリングステーブにおける冷却流路の配置態様の他の例としては、例えば図3(a)(b)に示すものがある。
すなわち、図3(a)に示すように、ステーブ本体1の全周に沿うように、略ロ字状の流路5をステーブ本体の周縁部に配置し、この流路5の内側にコ字を左右逆向けた逆コ字状の流路7を配置する。
また、図3(b)に示すように、上側が開口した転倒コ字形の流路9を外側に配置し、その内側に己字状の流路11を配置するというものである。
いずれの例も横型のステーブ本体1の両側の縦辺周縁部に冷却流路が配置されている。
この要件を満たすなら、上記の図1、図3以外の流路配置であってもよい。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態1で示した横長のクーリングステーブ15を高炉炉体に配置した状態を、水平断面にして上から見た状態を図4に示す。また、図4に示したクーリングステーブの上の層に千鳥状にクーリングステーブ15を配置した状態を図5に示す。図5では上の層のクーリングステーブ15を太線で示してある。
【0020】
図5に示すように、横長のクーリングステーブ15を千鳥状に配置すると、上の層と下の層の間に凹凸が生ずる。この凹凸は縦横比が大きいほど顕著になる。例えば、クーリングステーブ15の縦辺(高さ)を1m、横辺(幅)を2mとした場合には、炉内面の凹凸が60〜70m/mになる。
このような凹凸が生ずると、高炉内の原料の均一な降下が阻害され、高炉操業が不安定になるという問題が生ずる。
【0021】
そこで、本実施の形態においては、図6に示すように、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させたものである。
このように、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させることで、上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくでき、高炉内の原料の均一な降下が阻害されるという問題を解決できる。
【0022】
上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくすることだけを考えれば、ステーブ本体を炉体円弧に沿うように円弧状にすることが考えられるが、この場合には製造コストがかかるという問題がある。
これに対して、本実施の形態のようにステーブ本体を屈曲させるのであれば、加工も簡単であり、製造コストを抑えることができる。また、冷却流路の形成に際しても下記のようなメリットがある。
つまり、流路を冷却配管を鋳包んで形成する場合には、鋳包れる冷却配管を屈曲させるだけでよいので、加工が容易である。これに対して、クーリングステーブを円弧状に形成するとすれば、鋳包れる冷却配管も円弧状に加工しなければならず、コストアップになる。
また、流路を機械加工で形成する場合にも、図7に示すように、直線キリ穴加工で済むので加工が容易である。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させたことにより、上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくでき、高炉内の原料の均一な降下が阻害されるという問題を解決できる。しかも、製造が容易であり、コストを抑えることができる。
【0024】
また、上下間の凹凸が小さくなったことで、ステーブ本体17の水平面(ステーブ設置状態で上下厚み部分)が炉内ガスにさらされる面積が小さくなるので、ステーブ本体の溶損を可及的に防止できる。
【0025】
なお、本実施の形態においては、ステーブ本体17のほぼ中央の一カ所を屈曲する例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、屈曲箇所は中央である必要はなく、また、屈曲の数も一カ所でなくてもよい。屈曲箇所及び屈曲の数は、ステーブ本体の横辺の長さや、内部に配置する冷却水路との兼ね合いで適宜最良のものを選択すればよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、ステーブ本体の横辺を縦辺よりも長く設定すると共に、ステーブ本体内部において両縦辺縁部に沿って冷却水流路を設けたので、ステーブ本体の溶損による縦目地部の隙間拡大を防止でき、縦目地部の鉄皮の加熱という問題を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
【図2】図1のクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の作用説明図である。
【図3】本実施の形態に係るクーリングステーブの流路の他の態様の説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態が解決する課題の説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態が解決する課題の説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の製造方法の説明図である。
【図8】従来のクーリングステーブの説明図である。
【図9】従来のクーリングステーブの寸法の一例を説明する説明図である。
【図10】従来のクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
【図11】従来例の課題の説明図である。
【符号の説明】
1 ステーブ本体
1a 縦辺
1b 横辺
3a 縦流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉体冷却用のクーリングステーブ、及び高炉炉体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉鉄皮を保護するクーリングステーブは、その採用当初からステーブ本体の内面(高炉炉内側面)に成形煉瓦等の耐火物を内張し、高炉炉内からの熱負荷から高炉鉄皮を保護していた。
しかしながら、成形煉瓦の支持強度は充分ではなく、寿命は3年程度しかなく短いという問題があった。
そこで、クーリングステーブの冷却能率の向上に伴って高炉炉内面側に耐火物を設けないクーリングステーブが開発されるに至った。
【0003】
このような、高炉炉内面側に耐火物を設けないクーリングステーブの一例を図8に示す。このクーリングステーブは、図8に示すように、縦長のステーブ本体51に縦方向の冷却水路53が形成されている(例えば、特許文献1参照)。この縦型クーリングステーブのサイズの一例を示すと、図9に示すように、縦(高さ):2m、横(幅):1m であり、縦横比が2:1である。高炉には、このようなクーリングステーブが、鉄皮内径16〜18mのものでは50〜57枚/リングで取り付けられている(図10参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−073110号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような縦型クーリングステーブを高炉炉体に設置した場合には、以下のような問題がある。
高炉内部を上昇する高炉ガス(1000〜1500℃)によってステーブ本体の鋳物部分が溶損し、縦目地部の隙間が大きくなる。縦目地部の隙間が大きくなると、この大きくなった隙間に高炉ガスが選択的に流れるようになり、ステーブ本体の溶損がより一層進行する。また、縦型のクーリングステーブの場合、上下の目地の水平距離(図11のL)が短いので、クーリングステーブを千鳥状に配置したとしても、ステーブ本体の角部が溶損し、上下の目地部の隙間がつながることがある。そのようになると、炉内ガスはその部分を選択的に流れ(図11参照)、その部分の鉄皮が部分的に加熱され、鉄皮亀裂に至ることがある。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、クーリングステーブの目地部の隙間に高炉ガスが流れることによる鉄皮亀裂の発生を可及的に防止できるクーリングステーブ、該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るクーリングステーブは、ステーブ本体の横辺を縦辺よりも長く設定すると共に、ステーブ本体内部において両縦辺縁部に沿った冷却水流路を設けたものである。
【0008】
また、ステーブ本体を高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなるものである。
【0009】
クーリングステーブを縦方向千鳥状に配置してなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の一実施の形態に係るクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
本実施の形態に係るクーリングステーブのステーブ本体1は、縦辺1aより横辺1bが長い横型のものである。
ステーブ本体1の内部には冷却水路3が設けられている。冷却流路3は略コ字形状(注:片方のコ字は左右を逆にした逆コ字である。)の2本の流路から構成されている。2本のコ字状の流路が、コ字の開口側が向かい合うように配置されている。このような配置によって、ステーブ本体1の両縦辺にはコ字の縦辺3aが配置される。つまり、ステーブ本体1の内部には両側の縦辺1aに沿った縦流路3aが設けられている。
【0011】
ステーブ本体1の両側の縦辺1aに沿った縦流路3aを設けることで、縦辺部の冷却が確実に行われ、縦辺部の溶損を可及的に防止できる。これによって、従来問題となっていた縦目地部の隙間拡大という問題を防止できる。
【0012】
次に、上記横型クーリングステーブを用いた高炉炉体構造について説明する。本実施の形態に係る高炉炉体の構造は、上記のように構成された横型クーリングステーブを、図1に示すように、炉体の縦方向に千鳥状に配置したものである。
【0013】
上記のような横型のクーリングステーブを、炉体縦方向に千鳥状に配置することで、以下のような効果が得られる。
まず、横型クーリングステーブ自体の効果として、ステーブ本体1の両側の縦辺1aに沿った縦流路3aを設けたことにより、ステーブ本体の溶損による縦目地部の隙間拡大を防止でき、これによって縦目地部の鉄皮の加熱という問題を改善できる。
【0014】
また、クーリングステーブを横型にしたことで、縦目地の高炉全体における距離を短くすることができる。例えば、従来縦横比が2:1であったもの、1:2にしたとすれば、クーリングステーブが横型であることから、高炉の周方向での縦目地の数が半減し、全体として縦目地の距離が約半分になる。
縦目地の距離が半分になることで、以下の効果がある。従来技術で説明したように、縦目地の部分は高炉ガスの通り路となりやすいが、たとえ通り路となったとしても、全体としての距離が半分になっているので、鉄皮加熱の悪影響を低減できる。
【0015】
さらに、クーリングステーブを横型として、これを千鳥状に配置したことで、上下に配置される縦目地部の水平距離(図2におけるL)が長くなる。この水平距離が長くなると、上下の目地部の隙間が大きくなったとしても、炉内ガスが上下に連続して流れにくい。何故なら、炉内ガスは抵抗の少ない箇所を選択的に流れようとするが、水平方向には流れ難いので上下に連通することがないのである。
炉内ガスが上下に連通して流れにくくなることで、縦目地部の隙間拡大が助長されるのを防止できる。
【0016】
また、クーリングステーブを横型にしたことで、例えば、冷却水路が1本破壊されたとしても、他の冷却水路が残存している限り、ステーブ本体は横長の状態で残存することになる。横型のステーブ本体が残存すれば、その部分に炉内物が堆積し、その堆積物が炉内ガスに対して抵抗となり、炉内ガスによる鉄皮の加熱を可及的に防止できる。
このように、クーリングステーブを横型にすることで、冷却水路が破壊された場合にも、炉内ガスによる鉄皮の加熱を可及的に防止できるという効果を奏することができる。
【0017】
以上のように、縦辺近傍に冷却水路を有する横型クーリングステーブを千鳥状に配置にすることで、従来問題であった縦目地部の隙間拡大に起因する鉄皮加熱を防止し、この鉄皮加熱から鉄皮亀裂に至るという問題が解消される。
【0018】
なお、横型クーリングステーブにおける冷却流路の配置態様の他の例としては、例えば図3(a)(b)に示すものがある。
すなわち、図3(a)に示すように、ステーブ本体1の全周に沿うように、略ロ字状の流路5をステーブ本体の周縁部に配置し、この流路5の内側にコ字を左右逆向けた逆コ字状の流路7を配置する。
また、図3(b)に示すように、上側が開口した転倒コ字形の流路9を外側に配置し、その内側に己字状の流路11を配置するというものである。
いずれの例も横型のステーブ本体1の両側の縦辺周縁部に冷却流路が配置されている。
この要件を満たすなら、上記の図1、図3以外の流路配置であってもよい。
【0019】
実施の形態2.
実施の形態1で示した横長のクーリングステーブ15を高炉炉体に配置した状態を、水平断面にして上から見た状態を図4に示す。また、図4に示したクーリングステーブの上の層に千鳥状にクーリングステーブ15を配置した状態を図5に示す。図5では上の層のクーリングステーブ15を太線で示してある。
【0020】
図5に示すように、横長のクーリングステーブ15を千鳥状に配置すると、上の層と下の層の間に凹凸が生ずる。この凹凸は縦横比が大きいほど顕著になる。例えば、クーリングステーブ15の縦辺(高さ)を1m、横辺(幅)を2mとした場合には、炉内面の凹凸が60〜70m/mになる。
このような凹凸が生ずると、高炉内の原料の均一な降下が阻害され、高炉操業が不安定になるという問題が生ずる。
【0021】
そこで、本実施の形態においては、図6に示すように、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させたものである。
このように、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させることで、上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくでき、高炉内の原料の均一な降下が阻害されるという問題を解決できる。
【0022】
上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくすることだけを考えれば、ステーブ本体を炉体円弧に沿うように円弧状にすることが考えられるが、この場合には製造コストがかかるという問題がある。
これに対して、本実施の形態のようにステーブ本体を屈曲させるのであれば、加工も簡単であり、製造コストを抑えることができる。また、冷却流路の形成に際しても下記のようなメリットがある。
つまり、流路を冷却配管を鋳包んで形成する場合には、鋳包れる冷却配管を屈曲させるだけでよいので、加工が容易である。これに対して、クーリングステーブを円弧状に形成するとすれば、鋳包れる冷却配管も円弧状に加工しなければならず、コストアップになる。
また、流路を機械加工で形成する場合にも、図7に示すように、直線キリ穴加工で済むので加工が容易である。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、ステーブ本体17を炉体の円弧に沿う方向に屈曲させたことにより、上下に配置されるクーリングステーブの凹凸を小さくでき、高炉内の原料の均一な降下が阻害されるという問題を解決できる。しかも、製造が容易であり、コストを抑えることができる。
【0024】
また、上下間の凹凸が小さくなったことで、ステーブ本体17の水平面(ステーブ設置状態で上下厚み部分)が炉内ガスにさらされる面積が小さくなるので、ステーブ本体の溶損を可及的に防止できる。
【0025】
なお、本実施の形態においては、ステーブ本体17のほぼ中央の一カ所を屈曲する例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、屈曲箇所は中央である必要はなく、また、屈曲の数も一カ所でなくてもよい。屈曲箇所及び屈曲の数は、ステーブ本体の横辺の長さや、内部に配置する冷却水路との兼ね合いで適宜最良のものを選択すればよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、ステーブ本体の横辺を縦辺よりも長く設定すると共に、ステーブ本体内部において両縦辺縁部に沿って冷却水流路を設けたので、ステーブ本体の溶損による縦目地部の隙間拡大を防止でき、縦目地部の鉄皮の加熱という問題を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
【図2】図1のクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の作用説明図である。
【図3】本実施の形態に係るクーリングステーブの流路の他の態様の説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態が解決する課題の説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態が解決する課題の説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の製造方法の説明図である。
【図8】従来のクーリングステーブの説明図である。
【図9】従来のクーリングステーブの寸法の一例を説明する説明図である。
【図10】従来のクーリングステーブを高炉炉体に配置した状態の説明図である。
【図11】従来例の課題の説明図である。
【符号の説明】
1 ステーブ本体
1a 縦辺
1b 横辺
3a 縦流路
Claims (4)
- ステーブ本体の横辺を縦辺よりも長く設定すると共に、ステーブ本体内部において両縦辺縁部に沿った冷却水流路を設けたことを特徴とするクーリングステーブ。
- ステーブ本体が、高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなることを特徴とする請求項1記載のクーリングステーブ。
- 高炉炉体の円弧に沿う方向に屈曲してなることを特徴とするクーリングステーブ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のクーリングステーブを縦方向千鳥状に配置してなることを特徴とする高炉炉体構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364706A JP2004197133A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | クーリングステーブ及び該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002364706A JP2004197133A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | クーリングステーブ及び該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004197133A true JP2004197133A (ja) | 2004-07-15 |
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ID=32762451
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JP2002364706A Withdrawn JP2004197133A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | クーリングステーブ及び該クーリングステーブを用いた高炉炉体構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004197133A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109468421A (zh) * | 2019-01-10 | 2019-03-15 | 中冶华天工程技术有限公司 | 一种水平交错可调式高炉软水冷却系统 |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364706A patent/JP2004197133A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109468421A (zh) * | 2019-01-10 | 2019-03-15 | 中冶华天工程技术有限公司 | 一种水平交错可调式高炉软水冷却系统 |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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