JP2004196594A

JP2004196594A - Method for aligning and holding gaseous molecule, and material for holding gaseous molecule

Info

Publication number: JP2004196594A
Application number: JP2002367343A
Authority: JP
Inventors: Susumu Kitagawa; 進北川; Tatsuo Kobayashi; 達生小林
Original assignee: Kyoto University NUC
Current assignee: Kyoto University NUC
Priority date: 2002-12-18
Filing date: 2002-12-18
Publication date: 2004-07-15
Anticipated expiration: 2022-12-18
Also published as: JP4217776B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for aligning and holding gaseous molecules by using spaces in pores of a coordination polymer which can house gaseous molecules at normal temperature and normal pressure in the pores and which has a porous three-dimensional structure constituted by transition metal cations and organic crosslinking ligands linking the cations, and to provide a material holding gaseous molecules by the above method. <P>SOLUTION: When gaseous molecules are to be housed in the pores of a coordination polymer which can house gaseous molecules at normal temperature and normal pressure in the pores and which has a porous three-dimensional structure constituted by transition metal cations and organic crosslinking ligands linking the cations, the gaseous molecules are regularly housed and aligned and held by using the spaces in the pores by selecting the species of the organic crosslinking ligands to design the entrance dimension of the pores as desired. The material for holding gaseous molecules is obtained by the above method. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温常圧（２５℃１気圧）で気体の分子の整列保持方法および気体分子保持材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
気体分子は、我々の身の回りに無尽蔵にある物質である。最近では、酸素などに圧力を加えて固体にすると超伝導になることなどがわかってきた。この様に、気体という物質は、我々にとって、未踏の新材料である。気体を新材料として実用化するためには何らかの方法で気体分子を整列させて低次元構造化する必要がある。例えば、酸素を考えた場合、−２１８℃以下にまで冷却すると分子は固体となり一定の配列を持つ構造となるので新材料としての期待が持たれるが、このような温度は実用上あまりにも多くの制約を伴う。また、走査型プローブ顕微鏡（ＳＰＭ）のような物理的手法を用いて分子を整列させる方法もあるが、この手法では分子を基盤に１個ずつおいていくようなものなので、一時に大量に整列させることができないし、材料としての汎用性に欠ける。また、多数の分子（数千〜数百万個）を１次元に整列させるためには強制力を必要とするため、容易に実現できるものではない。
【０００３】
そこで、考えられることは、気体分子が整列保持されるような言わば「器」のようなものを利用して気体分子を整列保持できないかということである。このような器になりえる材料として容易に思いつくことができるのは、ゼオライトなどの無機材料や、活性炭、カーボンナノチューブなどの炭素材料などの多孔性材料である。しかし、これらの多孔性材料は、孔の大きさが、気体分子を整列させて保持するには大きすぎたり不均一であったりするとともに、チャンネル形状（孔の入口の形状）が収容する気体分子に適していなかったりするので、とにかく保持できればよいといった要求には応えることができるが、整列させて保持するという要求には応えることができない。
【０００４】
ところで、本発明者らは、ナノメートルの大きさを持つ細孔を規則正しく並べた物質を、あたかもブロックを組むようにデザインし、化学的に合成する研究をこれまで精力的に行ってきた。その研究成果として、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子の合成に成功している。この配位高分子は、遷移金属カチオンと有機架橋配位子が分子レベルで直接交互に結合した有機・無機の複合物質であり、その特徴としては、常に均一な構造を保つこと、自在に分子レベルから設計し、単に室温、１気圧で混ぜるだけで合成することができること（自己集合）、数グラムでバスケットボールコートからサッカーグラウンドまでの表面積を持つといったことが挙げられ、ガス貯蔵材料として期待されている。
このような配位高分子の一例としては、遷移金属カチオンと第１有機架橋配位子から構成される２次元シートが層をなし、２座配位可能な第２有機架橋配位子が各層に存在する遷移金属カチオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構造を有するものがあり、その具体例として、遷移金属カチオンとしての銅イオン（２価金属イオン）と第１有機架橋配位子としての２，３−ピラジンジカルボン酸（ｐｚｄｃ）から構成される２次元シートが層をなし、２座配位可能な第２有機架橋配位子としての４，４’−ビピリジル（ｂｐｙ）が各層に存在する銅イオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構成を有するＣｕ₂（ｂｐｙ）（ｐｚｄｃ）₂がメタンの貯蔵能力に優れることを明らかにしている（下記の特許文献１や非特許文献１を参照）。
【０００５】
上記の研究成果は、配位高分子をガス貯蔵材料として利用することを目的として得られたものであり、これまで、ガス貯蔵材料としての配位高分子の設計は、いかに多量のガスを貯蔵させるかという視点に基づいて行われてきた。従って、配位高分子を利用して気体分子を配列させるためにはどのような設計を行えばよいか、意図したように配位高分子を設計できたとしても、気体分子を思い通りに配列させることができるかといった点については未知の領域であった。
【０００６】
【特許文献１】
特開平９−２２７５７２号公報
【非特許文献１】
北川進，「ナノ金属錯体によるナノサイエンス」，化学工業，第５３巻，第１１号，２００２年，ｐ８０８−８１５
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法およびこのようにして気体分子が保持された材料を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の点に鑑みて種々の検討を行った結果、配位高分子を構成する有機架橋配位子の種類を選択して細孔入口寸法を所望する数値に設計し、なおかつその分子が規則正しく繰り返し結合するピッチを決定した場合、気体分子は細孔入口寸法とピッチに応じた配列形態で収容されることを見いだした。
【０００９】
本発明は上記の点に知見に基づいてなされたものであり、本発明の気体分子の整列保持方法は、請求項１記載の通り、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内に気体分子を収容する際、有機架橋配位子の種類を選択して細孔入口寸法を所望する数値に設計することで気体分子を規則性を持って収容し、細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法である。
また、請求項２記載の方法は、請求項１記載の方法において、細孔入口寸法を３〜７Å×３〜７Åに設計するものである。
また、請求項３記載の方法は、請求項１または２記載の方法において、配位高分子が、遷移金属カチオンと第１有機架橋配位子から構成される２次元シートが層をなし、２座配位可能な第２有機架橋配位子が各層に存在する遷移金属カチオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構造を有するものである。
また、請求項４記載の方法は、請求項３記載の方法において、２座配位可能な第２有機架橋配位子がピラジンまたはその誘導体である。
また、請求項５記載の方法は、請求項４記載の方法において、配位高分子が、遷移金属カチオンとしての銅イオン（２価金属イオン）と第１有機架橋配位子としての２，３−ピラジンジカルボン酸（ｐｚｄｃ）から構成される２次元シートが層をなし、２座配位可能な第２有機架橋配位子としてのピラジン（ｐｙｚ）が各層に存在する銅イオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構成を有するＣｕ₂（ｐｙｚ）（ｐｚｄｃ）₂である。
また、請求項６記載の方法は、請求項１記載の方法において、気体分子が２原子分子である。
また、請求項７記載の方法は、請求項６記載の方法において、２原子分子が酸素分子である。
また、本発明の気体分子保持材料は、請求項８記載の通り、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内に気体分子が整列保持されているものである。
また、請求項９記載の気体分子保持材料は、請求項８記載の気体分子保持材料において、酸素分子を縦に１次元整列保持したものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子としては、例えば、上記の特許文献１や非特許文献１により公知の遷移金属カチオンと第１有機架橋配位子から構成される２次元シートが層をなし、２座配位可能な第２有機架橋配位子が各層に存在する遷移金属カチオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構造を有するものが挙げられる。このような配位高分子の細孔入口寸法は、シートとシートの間隔を決定しているピラー配位子としての第２有機架橋配位子の種類に基づき、この細孔入口は気体分子の１次元チャンネル断面として機能する。
細孔入口寸法は、第２有機架橋配位子の分子長が長くなればなるほどシートとシートの間隔が長くなるので大きくなる。従って、第２有機架橋配位子の分子長を長くすることは、多量のガスを貯蔵させるという目的においては有利であるが、こうすると細孔内での気体分子の自由度が増すので気体分子を整列保持させるという目的においては不利である。本発明者らの研究によれば、気体分子を整列保持させるための細孔入口寸法の上限は１ｎｍ×１ｎｍであり、この細孔入口寸法は、第２有機架橋配位子としてピラジンを選択することにより設計することができる。ピラジンの側鎖に低級アルキル基などが置換したピラジン誘導体を第２有機架橋配位子として選択すれば、側鎖の嵩高さにより細孔入口寸法をより小さくすることができるので、気体分子はその細孔入口寸法に応じた配列形態で収容される。また、気体分子をさらに密に１次元に配列させるためには、ピラー配位子のピッチを３〜６Åにすることで達成される。
【００１１】
細孔内ではその空間寸法が気体分子の寸法に近いこともあり、細孔内に侵入した気体分子は壁（２次元シートおよび第２有機架橋配位子）の存在を強く感じるようになる。このため、ファンデルワールス力のような弱い相互作用であっても、相対する細孔壁のポテンシャルが重なり合い、気体分子はこの強いポテンシャルを感じながら制限された空間にできるだけ多く詰まろうとするため、配位高分子とともに気体を冷却すれば分子は細孔内に容易に侵入し、バルクの状態とは異なる特異的な凝集状態を形成する。
【００１２】
常温常圧で気体の分子としては、例えば、酸素分子、一酸化炭素分子、一酸化窒素分子などの２原子分子や、二酸化炭素分子などの３原子分子が挙げられる。このうち、酸素は最小の磁性分子で、電子の授受が容易に行える気体分子でもあるため、配位高分子の細孔内において酸素分子を整列保持させて特異的な凝集状態を形成させた本発明の酸素分子保持材料は、磁性材料や伝導材料として期待される。また、一酸化炭素分子や一酸化窒素分子は双極子モーメントを持っているので、これらを配位高分子の細孔内において１次元整列させれば誘電鎖を形成するので、本発明の一酸化炭素分子保持材料や一酸化窒素分子保持材料は誘電材料として期待される。
【００１３】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
【００１４】
配位高分子としてＣｕ₂（ｐｙｚ）（ｐｚｄｃ）₂（M.Kondo et al., Angew Chem., Int. Ed. Engl, 38, 140-143(1999)）（以下ＣＰＬ−１：coordination polymer 1 with pillared layer structure（柱で支持された層構造を有する配位高分子）と称する）を用いて以下の実験を行った。ＣＰＬ−１の単結晶解析データから決定した３次元構造を図１に示す（水分子は省略）。図１はａ軸に沿って下方を見た図であり、銅イオン（図略）と２，３−ピラジンジカルボン酸１から構成される２次元シートが層をなし、ピラジン２が各層に存在する銅イオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構成を有する。ａ軸に沿ったその細孔寸法入口は４Å×６Åであり、ピラジンのピッチは約５Åである。
【００１５】
減圧下にてＣＰＬ−１を加熱することで細孔内の水分子を除去した後、冷却しながら８０ＫＰａの酸素加圧下で酸素分子を細孔内（ナノチャンネル）に吸蔵させた。合成したＣＰＬ−１、８０ＫＰａの酸素加圧下で冷却する過程での無水ＣＰＬ−１、それに続く９０Ｋから３００Ｋへの温度領域でのＣＰＬ−１のぞれぞれについて測定したｉｎｓｉｔｕ粉末Ｘ線回折パターンを図２に示す。パターンの変化は３つの段階に分類できる。即ち、（１）減圧下で加熱して水分子を除去する段階、（２）１３０Ｋと１５０Ｋの間での冷却段階、（３）９０Ｋから３００Ｋへの再加熱段階である。酸素加圧を行わなかった場合には全温度範囲で何らの変化もなかったが、図２の粉末回折データのＬｅＢａｉｌフィッティングは、セル容積の収縮（１）と伸張（２）と再収縮（３）を明らかにした。これは水分子の脱離（１）と酸素分子の吸蔵（２）と酸素分子の脱離（３）に起因したＣＰＬ−１の骨組みの柔軟性から引き起こされた構造的ひずみによるものであると思われた。
【００１６】
酸素分子を吸蔵していない１２０Ｋにおける無水ＣＰＬ−１の結晶構造を、５３．３°（ｄ＞０．８９Å）までの粉末データのＲｉｅｔｖｅｌｄ分析により決定したことで判明した事実は、水分子が除去された多孔性構造は、わずかな構造的ひずみを伴った合成直後のＣＰＬ−１と一致するということであった。構造因子に基づく信頼性因子Ｒ_Fが１．６％である無水ＣＰＬ−１のＭＥＭ（マキシマムエントロピー法）電子密度分布図（図３Ａ）から、細孔内には水分子が存在しないことがわかった。
【００１７】
９０Ｋにおける８０ＫＰａの酸素加圧下で冷却する過程での無水ＣＰＬ−１の空間群（図２Ｇ）は、酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１と同じ空間群Ｐ２₁／ｃであった。Ｒｉｅｔｖｅｌｔ分析によりセルパラメータをa=4.68759(4)Å、b=20.4373(2)Å、c=10.9484(1)Å、β=96.9480(6)と決定した。ＭＥＭ／Ｒｉｅｔｖｅｌｄ分析（財団法人高輝度光科学研究センター保有の大型放射光施設Ｓｐｒｉｎｇ−８を用いたｉｎｓｉｔｕ高分解シンクロトンＸ線粉末回折測定：M. Takata, E. Nishobori, M. Sakata, Z. Kristallogr. 216, 71-86(2001)他）のためのプレＲｉｅｔｖｅｌｄ分析おいて、酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１のために図３Ａに相当する構造モデルを初期モデルとして用いた。Ｒ_wpとＲ_Iはそれぞれ１８．５％と５４．２％であった。しかし、細孔内において酸素密度特徴を示すＭＥＭ電子密度が観察された。電子密度に基づく修正を行った後、Ｒｉｅｔｖｅｌｄの精密性は劇的に改善され、最終的なＲｉｅｔｖｅｌｄフィッティングにおけるＲ_wpとＲ_Iはそれぞれ２．１％と３．９％になった。信頼性因子Ｒ_Fが１．５％であるＭＥＭによって得られた最終的な電子密度は、単結晶データと一致する３次元柱支持層構造を示した。図３Ｂより、規則正しく並んだ細孔の一つ一つに、酸素分子が一列に並んでいることが世界ではじめて明らかにされた。（図中の符号１は２，３−ピラジンジカルボン酸を示し符号２はピラジンを示し符合３は酸素分子を示す）。
【００１８】
酸素分子によるものと考えられるピーナツ型の電子密度を細孔内に明確に認識することができた。ＭＥＭの結果に基づいた計算によると、全部で１５．８（１）の電子が存在したが、これは事実上、酸素分子の数に相当するものであった。それ故、シートとシートの間に存在するピーナツ型の電子密度は酸素分子を表すこと、１銅原子あたり１酸素分子が吸蔵されていること、その吸蔵においては、酸素分子と酸素分子の間や酸素分子と細孔を形成する壁の間で電子移動がないことを推論した。
【００１９】
７７Ｋにおける酸素分子の等温式は、１銅原子あたり１．０２の酸素分子の飽和吸蔵量を伴うタイプＩの等温式を示した。これは、ＭＥＭ／Ｒｉｅｔｖｅｌｄ分析によく合致するものであった。原子変位パラメータ［Ｂ４．１（２）Å］が比較的小さな値であることと酸素分子の無秩序さがないことは、細孔内に吸蔵された酸素分子が９０Ｋにおいて、液体状態よりは固体状態に近似していることを示すものであった。これは大気圧下での酸素の凝固点である５４．４Ｋよりもはるかに高温である。この事態は、細孔による強い閉じ込め効果に帰するものである。以上の分析に基づいた全体の結晶構造と酸素分子の幾何図形的配置子を図４（Ａ図はａ軸に沿って下方を見た図でありＢ図とＣ図はそれぞれｂ軸とｃ軸に沿って下方を見た図である：図中の符号は前記と同義）に示す。興味深いことに、２つの酸素分子がａ軸に沿って１１．８°の斜角を持ってお互い並行に整列しており、分子間距離は３．２８（４）Åであり、これはＬｅｎｎａｒｄ−Ｊｏｎｅｓポテンシャルの最小値Ｒ_e３．９Åよりもはるかに小さい値であった。この分子間距離は２４Ｋよりも低い温度において安定である個体α−酸素における隣接距離に似通った値である。この結果は、細孔内に吸蔵された酸素分子は、ファンデルワールス２量体（Ｏ₂）₂を形成しており、この見事な構造特性を以下に説明する。各々のダイマーは、ａ軸に沿って整列し、１次元はしご状構造を形成している。吸蔵された酸素分子の酸素原子間の距離は１．２４５（５０）Åであることがわかった。
【００２０】
吸蔵され酸素分子の特性を調べるために、温度に依存した磁化率とラマン分光の測定を行った。酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１の磁化率（Ａ）と酸素を吸蔵したＣＰＬ−１の磁化率（Ｂ）の相違（Ｃ）は、温度が低くなるにつれてゼロに近づき、非磁性の基底状態を示した（図５）。これに対応して、強磁場磁化過程において、酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１（Ａ）と酸素を吸蔵したＣＰＬ−１（Ｂ）とでは、５０Ｔより強磁場でその違いを観察することができた（図５における挿入図）。ＣＰＬ−１の磁化過程は、通常の常磁性銅イオンが与える銅原子１ヶにつき１μ_Bの飽和モーメントを伴う磁化曲線を示した。酸素を吸蔵したＣＰＬ−１は低磁場領域では小さな違いしか示さなかったが、５０Ｔを超えると急激な増加を示した。これは酸素を吸蔵したＣＰＬ−１が非磁性状態から磁性状態に磁気相転移したことを示すものであった。この磁化過程は、反強磁性的２量体または結合交替を伴う１次元反強磁性的鎖の振る舞いによるものとして理解することができる。ＣＰＬ−１に吸蔵されている酸素分子の構造情報に基づけば、非磁性の基底状態は反強磁性的２量体を支持するものである。反強磁性的相互作用は、Ｊ／ｋＢが約〜−５０Ｋと見積もることができた。この値はα相のＪ／ｋＢ〜−３０Ｋよりも大きなものである。酸素を吸蔵したＣＰＬ−１と酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１についての９０Ｋ付近でのラマンスペクトルを図６に示す。酸素を吸蔵したＣＰＬ−１のスペクトル（Ｂ）においては、酸素を吸蔵していないＣＰＬ−１のスペクトル（Ａ）には存在しない吸蔵された酸素分子の伸縮運動による鋭いピークが１５６１ｃｍ^-1に観察された。これは周囲から圧力を受けている液体酸素や固体酸素のピークよりも僅かに高いポイントである。これは、２ＧＰａの圧力を受けているα相の伸縮運動と同程度の圧力下にあることを示す。
【００２１】
【発明の効果】
本発明によれば、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性３次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法およびこのようにして気体分子が保持された材料が提供される。本発明によれば、ボトムアップ手法による配位高分子の細孔のデザイン（チャンネル形状やピッチの設計）を行うことで、大量の気体分子を固体中に瞬時に整列保持させることができることから、これまでにないまったく新しい概念の機能材料として作り上げられた本発明の気体分子保持材料は、次世代のエネルギーや環境科学のフロンティア物質として期待される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例で使用したＣＰＬ−１の構造図。
【図２】実施例におけるｉｎｓｉｔｕ粉末Ｘ線回折パターンを示す図。
【図３】同、ＭＥＭ電子密度を示す図。
【図４】同、９０Ｋにおける酸素を吸蔵したＣＰＬ−１の模式表示図。
【図５】同、磁化率を示す図。
【図６】同、ラマンスペクトルを示す図。
【符号の説明】
１２，３−ピラジンジカルボン酸
２ピラジン
３酸素分子[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and an apparatus for holding alignment of gas molecules at normal temperature and normal pressure (25 ° C. and 1 atm).
[0002]
[Prior art]
Gas molecules are inexhaustible substances around us. Recently, it has been found that superconductivity can be obtained by applying pressure to oxygen or the like to make it solid. Thus, the substance of gas is an unexplored new material for us. In order to put gas into practical use as a new material, it is necessary to arrange gas molecules in some way to form a low-dimensional structure. For example, considering oxygen, when cooled to -218 ° C. or lower, the molecules become solid and have a structure having a certain arrangement, so that the material is expected to be a new material. However, such a temperature is too high for practical use. With restrictions. In addition, there is a method of aligning molecules using a physical method such as a scanning probe microscope (SPM). However, since this method involves placing molecules one by one on a base, a large number of molecules are aligned at one time. And it lacks versatility as a material. In addition, since a large number of molecules (thousands to millions) are required to be aligned one-dimensionally, it is not easy to realize.
[0003]
Therefore, what can be considered is whether or not the gas molecules can be aligned and held by using something like a "vessel" in which the gas molecules are aligned and held. Materials that can be easily conceived as such a vessel include inorganic materials such as zeolite and porous materials such as activated carbon and carbon materials such as carbon nanotubes. However, these porous materials have pore sizes that are too large or non-uniform to align and hold gas molecules, and that the channel shape (shape of the hole entrance) contains gas molecules. However, it is not possible to meet the requirement that it should be able to hold anyway, but it is not possible to meet the requirement that it be aligned and held.
[0004]
By the way, the present inventors have energetically conducted research on chemically synthesizing a substance in which pores having a size of nanometers are regularly arranged as if they were formed into a block and chemically synthesized. As a result of this research, a transition metal cation and an organic bridging ligand linking it form a porous three-dimensional structure, and a coordination height capable of accommodating gas molecules in pores at normal temperature and normal pressure. Successfully synthesized molecules. This coordination polymer is an organic-inorganic composite material in which transition metal cations and organic cross-linking ligands are directly and alternately bonded at the molecular level. Designed from the level, it can be synthesized simply by mixing at room temperature and 1 atm (self-assembly), and it has a surface area from a basketball court to a soccer field in a few grams, and is expected as a gas storage material I have.
As an example of such a coordination polymer, a two-dimensional sheet composed of a transition metal cation and a first organic bridging ligand forms a layer, and a second organic bridging ligand capable of bidentate coordination is formed in each layer. There is a structure having a structure in which adjacent sheets are linked by coordinating with a transition metal cation present in the polymer, and pores are formed therebetween. As a specific example, a copper ion as a transition metal cation ( A two-dimensional sheet composed of a bivalent metal ion) and 2,3-pyrazinedicarboxylic acid (pzdc) as a first organic bridging ligand forms a layer and is capable of bidentate coordination. Cu ₂ (bpy) having a configuration in which 4,4′-bipyridyl (bpy) is linked to copper ions present in each layer to connect adjacent sheets and form pores therebetween (pzdc) ₂ turtles It has revealed that excellent emission of storage capacity (refer to Patent Document 1 and Non-Patent Document 1 below).
[0005]
The above research results were obtained with the aim of utilizing the coordination polymer as a gas storage material.However, until now, the design of the coordination polymer as a gas storage material has been It has been done based on the viewpoint of whether to let. Therefore, what kind of design should be performed to arrange gas molecules using a coordination polymer? Even if a coordination polymer can be designed as intended, arrange gas molecules as desired. It was an unknown area as to whether it could be done.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-9-227572 [Non-patent document 1]
Susumu Kitagawa, "Nanoscience by Nanometal Complex," Chemical Industry, Vol. 53, No. 11, 2002, p808-815
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present invention provides a three-dimensional porous structure composed of a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting the transition metal cation to form a coordination height capable of accommodating gas molecules in pores at normal temperature and normal pressure. It is an object of the present invention to provide a method for aligning and holding gas molecules by utilizing a space in the pores of the molecules and a material holding the gas molecules in this way.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted various studies in view of the above points, and as a result, selected the type of organic cross-linking ligand constituting the coordination polymer, designed the pore entrance size to a desired value, and When the pitch at which the molecules are regularly and repeatedly bonded was determined, it was found that the gas molecules were accommodated in an arrangement form corresponding to the pore entrance size and the pitch.
[0009]
The present invention has been made based on the above-described findings, and the method for maintaining alignment of gas molecules according to the present invention is based on the method of claim 1, wherein a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting the transition metal cation are used. When a gas molecule is accommodated in a pore of a coordination polymer capable of accommodating a gas molecule at room temperature and normal pressure in a pore by forming a neutral three-dimensional structure, an organic crosslinking ligand In this method, gas molecules are accommodated with regularity by selecting the type and the pore entrance dimension is designed to a desired value, and the gas molecules are aligned and held by utilizing the space in the pores.
A method according to a second aspect of the present invention is the method according to the first aspect, wherein the pore entrance dimension is designed to be 3 to 7 mm x 3 to 7 mm.
The method according to claim 3 is the method according to claim 1 or 2, wherein the coordination polymer is a two-dimensional sheet composed of a transition metal cation and a first organic bridging ligand. The second organic bridging ligand capable of coordination coordinates a transition metal cation present in each layer to connect adjacent sheets to each other, and has a structure in which pores are formed therebetween. .
According to a fourth aspect of the present invention, in the method of the third aspect, the second organic bridging ligand capable of bidentate coordination is pyrazine or a derivative thereof.
According to a fifth aspect of the present invention, in the method of the fourth aspect, the coordinating polymer comprises a copper ion (a divalent metal ion) as a transition metal cation and 2,3 as a first organic bridging ligand. A two-dimensional sheet composed of pyrazinedicarboxylic acid (pzdc) forms a layer, and pyrazine (pyz) as a second organic bridging ligand capable of bidentate coordination with copper ions present in each layer. Is Cu ₂ (pyz) (pzdc) ₂ having a configuration in which adjacent sheets are connected with each other and pores are formed therebetween.
According to a sixth aspect of the present invention, in the method of the first aspect, the gas molecules are diatomic molecules.
Further, in the method according to claim 7, in the method according to claim 6, the diatomic molecule is an oxygen molecule.
Further, the gas molecule holding material of the present invention comprises a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting the transition metal cation to form a porous three-dimensional structure in the pore at normal temperature and normal pressure. Gas molecules are aligned and held in the pores of a coordination polymer capable of accommodating gas molecules.
A gas molecule holding material according to a ninth aspect is the gas molecule holding material according to the eighth aspect, in which oxygen molecules are vertically and one-dimensionally aligned and held.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Examples of coordination polymers that can form a porous three-dimensional structure with a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting the same and accommodate gas molecules at normal temperature and normal pressure in pores include, for example, A two-dimensional sheet composed of a transition metal cation and a first organic bridging ligand known from Patent Document 1 and Non-patent Document 1 described above forms a layer, and a second organic bridging ligand capable of bidentate coordination. Has a structure in which adjacent sheets are linked by coordinating with transition metal cations present in each layer, and pores are formed therebetween. The pore entrance dimension of such a coordination polymer is based on the type of the second organic bridging ligand as a pillar ligand that determines the distance between sheets, and the pore entrance is a gas molecule. Functions as a one-dimensional channel cross section.
The pore entrance dimension increases as the molecular length of the second organic bridging ligand increases, because the distance between the sheets increases. Therefore, increasing the molecular length of the second organic bridging ligand is advantageous for the purpose of storing a large amount of gas. However, this increases the degree of freedom of the gas molecules in the pores, so that the gas molecules are increased. This is disadvantageous for the purpose of keeping the alignment. According to the study of the present inventors, the upper limit of the pore entrance size for keeping the gas molecules aligned is 1 nm × 1 nm, and this pore entrance size selects pyrazine as the second organic bridging ligand. Can be designed. If a pyrazine derivative in which a lower alkyl group or the like is substituted on the side chain of pyrazine is selected as the second organic bridging ligand, the size of the pore entrance can be made smaller due to the bulk of the side chain, so that the gas molecule is It is accommodated in an array form corresponding to the pore entrance size. Further, in order to arrange gas molecules more densely in one dimension, the pitch of the pillar ligand is set to 3 to 6 °.
[0011]
In the pores, the spatial dimensions may be close to the dimensions of the gas molecules, and the gas molecules that have entered the pores will strongly feel the presence of the walls (two-dimensional sheet and second organic bridging ligand). Therefore, even in the case of a weak interaction such as van der Waals force, the potentials of the opposing pore walls overlap, and gas molecules try to pack as much as possible into the limited space while feeling this strong potential. When the gas is cooled together with the polymer, the molecules easily penetrate into the pores and form a specific aggregated state different from the bulk state.
[0012]
Examples of gas molecules at normal temperature and normal pressure include diatomic molecules such as oxygen molecules, carbon monoxide molecules, and nitric oxide molecules, and triatomic molecules such as carbon dioxide molecules. Of these, oxygen is the smallest magnetic molecule and is also a gas molecule that can easily transfer electrons, so this book forms a specific aggregation state by aligning and holding oxygen molecules in the pores of the coordination polymer. The oxygen molecule holding material of the present invention is expected as a magnetic material or a conductive material. In addition, since carbon monoxide molecules and nitric oxide molecules have a dipole moment, if they are one-dimensionally aligned in the pores of the coordination polymer, a dielectric chain is formed. Materials holding carbon molecules and materials holding nitric oxide molecules are expected as dielectric materials.
[0013]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention should not be construed as being limited thereto.
[0014]
Cu ₂ (pyz) (pzdc) ₂ (M. Kondo et al., Angew Chem., Int. Ed. Engl, 38, 140-143 (1999)) as a coordination polymer (hereinafter CPL-1: coordination polymer 1) The following experiment was performed using with pillared layer structure (referred to as a coordination polymer having a layer structure supported by pillars). FIG. 1 shows a three-dimensional structure determined from single crystal analysis data of CPL-1 (water molecules are omitted). FIG. 1 is a view looking down along the a-axis. A two-dimensional sheet composed of copper ions (not shown) and 2,3-pyrazinedicarboxylic acid 1 forms a layer, and pyrazine 2 exists in each layer. It has a configuration in which adjacent sheets are connected by coordinating with copper ions, and pores are formed therebetween. Its pore size inlet along the a-axis is 4 ° × 6 ° and the pitch of the pyrazine is about 5 °.
[0015]
After heating the CPL-1 under reduced pressure to remove water molecules in the pores, oxygen molecules were absorbed into the pores (nanochannels) under oxygen pressure of 80 KPa while cooling. In situ powder X-ray diffraction measurements of the synthesized CPL-1, anhydrous CPL-1 in the process of cooling under oxygen pressure of 80 KPa, followed by CPL-1 in the temperature range from 90 K to 300 K The pattern is shown in FIG. Pattern changes can be classified into three stages. That is, (1) heating under reduced pressure to remove water molecules, (2) cooling between 130K and 150K, and (3) reheating from 90K to 300K. When no oxygen pressurization was performed, there was no change over the entire temperature range. However, the LeBail fitting of the powder diffraction data in FIG. 2 shows that the cell volume contraction (1), expansion (2), and re-contraction (3) ) Revealed. This is due to the structural strain caused by the flexibility of the CPL-1 skeleton caused by desorption of water molecules (1), occlusion of oxygen molecules (2), and desorption of oxygen molecules (3). I thought.
[0016]
The fact that the crystal structure of anhydrous CPL-1 at 120 K, which does not store oxygen molecules, was determined by Rietveld analysis of powder data up to 53.3 ° (d> 0.89 °) revealed that water molecules were removed. The resulting porous structure was consistent with as-synthesized CPL-1 with slight structural strain. From the MEM (maximum entropy method) electron density distribution diagram of anhydrous CPL-1 having a reliability factor R _F of 1.6% based on the structure factor (FIG. 3A), it was found that no water molecules were present in the pores. Was.
[0017]
The space group of anhydrous CPL-1 (FIG. 2G) in the process of cooling under an oxygen pressure of 80 KPa at 90 K was the same space group P2 ₁ / c as CPL-1 not storing oxygen. The cell parameters were determined by Rietveld analysis as a = 4.68759 (4) Å, b = 20.4373 (2) Å, c = 10.9484 (1) Å, and β = 96.9480 (6). MEM / Rietveld analysis (in situ high-resolution synchrotron X-ray powder diffraction measurement using a large synchrotron radiation facility Spring-8 owned by the Japan Synchrotron Radiation Research Institute: M. Takata, E. Nishobori, M. Sakata, Z In a pre-Rietveld analysis for Kristallogr. 216, 71-86 (2001) et al., The structural model corresponding to FIG. 3A was used as the initial model for CPL-1 without oxygen storage. R _wp and R _I were 18.5% and 54.2%, respectively. However, MEM electron densities showing oxygen density characteristics were observed in the pores. After correction based on the electron density, precision of the Rietveld is dramatically improved, R _wp and R _I in the final Rietveld fitting became respectively 2.1% and 3.9%. The final electron density obtained by MEM with a reliability factor R _F of 1.5% showed a three-dimensional column support structure consistent with the single crystal data. FIG. 3B shows for the first time in the world that oxygen molecules are arranged in a line in each of the regularly arranged pores. (Reference numeral 1 in the figure indicates 2,3-pyrazinedicarboxylic acid, reference numeral 2 indicates pyrazine, and reference numeral 3 indicates an oxygen molecule).
[0018]
The peanut-type electron density, which is thought to be due to oxygen molecules, was clearly recognized in the pores. According to calculations based on the MEM results, there were a total of 15.8 (1) electrons, which corresponded virtually to the number of oxygen molecules. Therefore, the peanut-type electron density existing between the sheets represents oxygen molecules, that one oxygen molecule is occluded per copper atom, and that between the oxygen molecules and the oxygen molecules, It was inferred that there was no electron transfer between the oxygen molecules and the walls forming the pores.
[0019]
The oxygen molecule isotherm at 77 K was a Type I isotherm with a saturated storage of 1.02 oxygen molecules per copper atom. This was in good agreement with the MEM / Rietveld analysis. The relatively small value of the atomic displacement parameter [B4.1 (2) Å] and the absence of disorder of oxygen molecules indicate that the oxygen molecules occluded in the pores are in a solid state rather than a liquid state at 90K. Was shown to be close to This is much higher than the freezing point of oxygen at atmospheric pressure, 54.4K. This situation is attributable to the strong confinement effect of the pores. FIG. 4 shows the overall crystal structure and the geometrical arrangement of oxygen molecules based on the above analysis (FIG. 4A is a view looking downward along the a-axis, and FIGS. 4B and 4C show the b-axis and c-axis, respectively). FIG. 2 is a view looking downward along the line: the symbols in the figure are as defined above. Interestingly, the two oxygen molecules are aligned parallel to each other with an oblique angle of 11.8 ° along the a-axis, and the intermolecular distance is 3.28 (4) Å, which is the Lennard- It was much smaller than the minimum value R _e 3.9 Å of Jones potential. This intermolecular distance is similar to the adjacent distance in solid α-oxygen that is stable at temperatures lower than 24K. This result indicates that the oxygen molecules occluded in the pores form van der Waals dimer (O ₂ ) ₂ , and this superb structural property will be described below. Each dimer is aligned along the a-axis, forming a one-dimensional ladder-like structure. It was found that the distance between the stored oxygen molecules between oxygen atoms was 1.245 (50) °.
[0020]
In order to investigate the properties of occluded oxygen molecules, we measured temperature-dependent magnetic susceptibility and Raman spectroscopy. The difference (C) between the magnetic susceptibility (A) of CPL-1 not storing oxygen and the magnetic susceptibility (B) of CPL-1 storing oxygen approaches zero as the temperature decreases, and the nonmagnetic ground state (FIG. 5). Correspondingly, in the strong magnetic field magnetization process, the difference between CPL-1 (A) not storing oxygen and CPL-1 (B) storing oxygen can be observed at a magnetic field higher than 50T. It was completed (inset in FIG. 5). Magnetization Process of CPL-1 showed magnetization curves with saturation moment of 1 [mu] _B per copper atom 1 month to give the usual paramagnetic copper ions. CPL-1 containing oxygen showed only a small difference in the low magnetic field region, but showed a sharp increase after 50 T. This indicated that the CPL-1 having absorbed oxygen had a magnetic phase transition from a non-magnetic state to a magnetic state. This magnetization process can be understood as being due to the behavior of an antiferromagnetic dimer or a one-dimensional antiferromagnetic chain with coupling alternation. Based on the structural information of oxygen molecules occluded in CPL-1, the non-magnetic ground state supports an antiferromagnetic dimer. The antiferromagnetic interaction could be estimated at J / kB of about -50K. This value is larger than J / kB to -30 K of the α phase. FIG. 6 shows Raman spectra of CPL-1 storing oxygen and CPL-1 not storing oxygen at around 90K. In the spectrum (B) of CPL-1 storing oxygen, a sharp peak due to the stretching motion of the stored oxygen molecules, which is not present in the spectrum (A) of CPL-1 not storing oxygen, is observed at 1561 cm ^-1 . Was done. This is a point slightly higher than the peak of liquid oxygen or solid oxygen under pressure from the surroundings. This indicates that the pressure is about the same as the expansion and contraction movement of the α phase receiving the pressure of 2 GPa.
[0021]
【The invention's effect】
According to the present invention, a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting the transition metal cation constitute a porous three-dimensional structure, and a coordination capable of accommodating gas molecules at normal temperature and normal pressure in pores. There is provided a method for aligning and holding gas molecules by utilizing the space in the pores of a polymer, and a material holding gas molecules in this manner. According to the present invention, a large amount of gas molecules can be instantly aligned and held in a solid by designing the pores of the coordination polymer (designing the channel shape and pitch) by the bottom-up method. The gas molecule-holding material of the present invention, which has been created as a functional material having a completely new concept, is expected as a frontier in next-generation energy and environmental science.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a structural diagram of CPL-1 used in Examples.
FIG. 2 is a view showing an in situ powder X-ray diffraction pattern in an example.
FIG. 3 is a diagram showing MEM electron density in the same.
FIG. 4 is a schematic diagram showing CPL-1 which stores oxygen at 90K.
FIG. 5 is a diagram showing magnetic susceptibility.
FIG. 6 is a diagram showing a Raman spectrum.
[Explanation of symbols]
1 2,3-pyrazinedicarboxylic acid 2 pyrazine 3 oxygen molecule

Claims

A pore of a coordination polymer that can accommodate gas molecules at normal temperature and pressure in a pore by forming a porous three-dimensional structure with a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting it. When accommodating gas molecules inside, the type of organic bridging ligand is selected and the pore entrance dimension is designed to a desired value, thereby accommodating gas molecules with regularity and increasing the space inside the pores. A method of aligning and holding gas molecules by utilizing.

2. The method according to claim 1, wherein the pore entrance size is designed to be 3-7.times.3-7.

Transition metal cation in which a two-dimensional sheet in which the coordination polymer is composed of a transition metal cation and a first organic bridging ligand forms a layer and a second organic bridging ligand capable of bidentate coordination is present in each layer 3. The method according to claim 1, wherein the sheet has a structure in which adjacent sheets are connected by coordination with each other, and pores are formed therebetween.

The method according to claim 3, wherein the second organic bridging ligand capable of bidentate coordination is pyrazine or a derivative thereof.

A two-dimensional sheet in which the coordination polymer is composed of a copper ion (divalent metal ion) as a transition metal cation and 2,3-pyrazinedicarboxylic acid (pzdc) as a first organic bridging ligand forms a layer. When pyrazine (pyz) as a second organic bridging ligand capable of bidentate coordination to copper ions present in each layer, adjacent sheets are connected to each other, and pores are formed therebetween. 5. The method according to claim 4, wherein Cu ₂ (pyz) (pzdc) ₂ has a configuration.

The method of claim 1, wherein the gas molecule is a diatomic molecule.

7. The method according to claim 6, wherein the diatomic molecule is an oxygen molecule.

A pore of a coordination polymer that can accommodate gas molecules at normal temperature and pressure in a pore by forming a porous three-dimensional structure with a transition metal cation and an organic bridging ligand connecting it. A gas molecule holding material in which gas molecules are aligned and held.

9. The gas molecule holding material according to claim 8, wherein oxygen molecules are vertically and one-dimensionally held.