JP2004196589A - Ceramic sintered compact and its producing method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、温度変化に伴う寸法変化や形状変化を嫌う、半導体製造装置、精密制御機械、光学機器、触媒担体等に採用できるセラミックス焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、低熱膨張セラミックス焼結体として、石英ガラス、β−スポジューメンやβークリプタイ等のリチウムアルミノシリケート(LAS)、コーディエライト、チタン酸アルミニウムなどが知られている。
【0003】
これらの低熱膨張セラミックス焼結体は、0.1ppm/K台又はそれ以下の熱膨張係数を有しているので、熱による変形が殆ど無く、高い寸法精度が得られる。
また、熱による寸法変化や形状変化を抑えるためには、熱変形を抑制するとともに、剛性が高くする必要があり、このため、組成や構成要件を工夫することにより、熱膨張係数が低く、ヤング率及び比剛性に優れた各種のセラミックス焼結体が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−219572号公報 (第2頁)
【特許文献2】
特開平11−100275号公報 (第2頁)
【特許文献3】
特許第3090914号公報 (第2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの低熱膨張セラミックス焼結体は、絶縁性であるために、例えば半導体製造装置の様な精密部品に使用した場合、静電気によりゴミが付着して、製造される製品に必要な精度が得られないことがある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、導電性を有するとともに低熱膨張性を有し、しかも剛性に優れたセラミックス焼結体及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明(セラミックス焼結体)は、コーディエライトを主成分とし、La、Ce、Pr、Ndの希土類元素から選ばれる1種以上と、Tiとを含有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、熱膨張係数の低いコーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)を主成分としているので、セラミックス焼結体全体の熱膨張係数が極めて低く、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少ない。つまり、本発明のセラミックス焼結体は、優れた低熱膨張セラミックス焼結体である。尚、コーディエライトの含有量は、92.5重量%以上が好ましい。
【0009】
また、本発明では、La、Ce、Pr、Ndの希土類元素から選ばれる1種以上とTiとを同時に含有することにより、セラミックス焼結体全体として導電性を有している。このため、静電気が帯電しにくいので、ゴミ等が付着しにくい。
しかも、本発明では、上述したセラミックス焼結体を構成するための材料を焼成することにより、高い密度とすることができ、高比剛性(=ヤング率/密度)を併せ持つセラミックス焼成体を得ることができる。
【0010】
従って、上述したセラミックス焼結体を用いることにより、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少なく、導電性によりゴミの付着が少なく、且つ高い剛性を有するセラミックス部品、例えば半導体製造装置、精密制御機械、光学機器、触媒担体等に好適に用いることができるセラミック部品を得ることができる。
【0011】
(2)請求項2の発明では、前記希土類元素を、酸化物換算で1〜3.5重量%含有することを特徴とする。
本発明は、希土類元素の好ましい範囲を例示したものである。
本発明では、(導電性を有する)前記希土類元素は、酸化物換算で1重量%以上であるので、ゴミの付着を抑制できる程度に十分な導電性を有している。また、(コーディエライトと比べて熱膨張係数の高い)前記希土類元素は、酸化物換算で3.5重量%以下であるので、セラミックス焼結体の熱膨張係数が低く、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少ない。
【0012】
尚、希土類元素(RE)の酸化物換算とは、希土類元素酸化物RE2O3(ただしCeはCeO2、PrはPr6O11)に換算することを意味する(以下同様)。
(3)請求項3の発明では、前記Tiを、酸化物換算で1〜4重量%含有することを特徴とする。
【0013】
本発明は、Tiの好ましい範囲を例示したものである。
本発明では、(導電性を有する)Tiは、酸化物換算で1重量%以上であるので、ゴミの付着を抑制できる程度に十分な導電性を有している。また、(コーディエライトと比べて熱膨張係数の高い)Tiは、酸化物換算で4重量%以下であるので、セラミックス焼結体の熱膨張係数が低く、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少ない。
【0014】
尚、Tiの酸化物換算とは、TiO2(酸化物)に換算することを意味する(以下同様)。
(4)請求項4の発明は、前記希土類元素と前記Tiとを、その合計量で、酸化物換算で3.5〜7.5重量%含有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、希土類元素及びTiの好ましい範囲を例示したものである。
本発明では、(導電性を有する)前記希土類元素及びTiは、酸化物換算で3.5重量%以上であるので、ゴミの付着を抑制できる程度に十分な導電性を有している。また、(コーディエライトと比べて熱膨張係数の高い)前記希土類元素及びTiは、酸化物換算で7.5重量%以下であるので、セラミックス焼結体の熱膨張係数が低く(例えば0.1ppm/K以下)、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少ない。
【0016】
(5)請求項5の発明は、前記希土類元素と前記Tiとのモル比が、0.2〜1.2の範囲であることを特徴とする。
本発明は、希土類元素(RE)とTiとのモル比(RE/Ti)の好ましい範囲を例示したものである。
【0017】
前記モル比(RE/Ti)が0.2〜1.2の範囲を外れると導電性が低下するので、この範囲内であれば十分な導電性を有し好適である。
(6)請求項6の発明では、ムライトの含有量が、4体積%以下であることを特徴とする。
【0018】
ムライトの熱膨張係数はコーディエライトに比べると大きいので、セラミックス焼結体の低熱膨張性を確保するためには、ムライトの含有量が4体積%以下であることが好ましい。
ここで、ムライトの含有量の意味について説明する。
【0019】
一般に、コーディエライトは生成可能範囲が狭く、組成ずれにより、スピネルやムライト等の他の相が生成する。この様なコーディエライト以外の相は、多量に析出すると熱膨張係数の増加につながる。また、市販のコーディエライト粉末は、組成ずれがあり、コーディエライト単相ではない。しかも、ムライト等の他の結晶相の析出量も、組成によって異なってくる。これらのコーディエライト以外の析出相の量は、熱膨張係数に影響を与えるので、例えば0.1ppm/K以下の低い熱膨張係数を得るためには、MgO、Al2O3、SiO2をコーディエライト原料粉末に適宜添加し、コーディエライト以外の析出相の量を抑制する必要がある。
【0020】
特に、コーディエライトは、1470℃以上の高温で液相とムライトに分解することにより、不適切な焼成条件により、多量のムライト相が析出することとなる。よって、熱膨張係数を例えば0.1ppm/K以下に抑制するためには、ムライトの含有量を4体積%以下とすることが望ましい。
【0021】
(7)請求項7の発明では、ペルエル石を含むことを特徴とする。
本発明では、焼結体構成相としてペルエル石(2MgO・2La2O3・3TiO2・4SiO2)を含んでいる。従って、この点においても、導電性の付与に寄与すると考えられる。
【0022】
(8)請求項8の発明では、体積固有抵抗が、1×105Ω・m〜1×1012Ω・mの範囲であることを特徴とする。
本発明は、好ましい体積固有抵抗の範囲を例示したものである。
本発明では、体積固有抵抗が1×105Ω・m〜1×1012Ω・mの範囲であるので、必要な導電性を有する(絶縁性を有しない)。よって、例えば静電チャック等においてゴミの付着を抑制できる。
【0023】
(9)請求項9の発明では、20〜25℃における熱膨張係数の絶対値が、0.15ppm/K以下であることを特徴とする。
本発明は、好ましい熱膨張係数の範囲を例示したものである。
ここでは、熱膨張係数(絶対値)が0.15ppm/K以下と極めて低いので、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が非常に少ないという利点がある。
【0024】
(10)請求項10の発明では、密度が、2.5g/cm3以上であることを特徴とする。
本発明は、好ましい密度の範囲を例示したものである。
ここでは、密度が2.5g/cm3以上と高く緻密であるため、剛性が向上し(従ってヤング率が高く)、よって比剛性も向上する。
【0025】
(11)請求項11の発明は、比剛性が、52GPa/g/cm3以上であることを特徴とする。
本発明は、好ましい剛性の範囲を例示したものである。
ここでは、比剛性(ヤング率/密度)が52GPa/g/cm3以上と高いので、高い剛性を有し、この点からも、寸法変化や形状変化を抑制できるという効果がある。
【0026】
(12)請求項12の発明では、(セラミックス焼結体が)半導体製造装置用の部材であることを特徴とする。
本発明は、セラミックス焼結体の用途を例示したものである。
従って、本発明のセラミックス焼結体を、例えば半導体ウェハの製造に用いる半導体製造装置用の部材として採用することにより、ゴミの付着を防止するとともに熱による装置の変形を抑制することができるので、寸法精度に優れた半導体ウェハを得ることができる。
【0027】
(13)請求項13の発明では、(セラミックス焼結体が)真空チャック用の部材であることを特徴とする。
本発明は、セラミックス焼結体の用途を例示したものである。
従って、本発明のセラミックス焼結体を、例えば半導体ウェハの製造に用いられる真空チャック用の部材として採用することにより、ゴミの付着を防止するとともに熱による部材の変形を抑制できるので、寸法精度に優れた例えば半導体ウェハを得ることができる。
【0028】
(14)請求項14の発明では、(セラミックス焼結体が)静電チャック用の部材であることを特徴とする。
上述したセラミックス焼結体は、例えば半導体露光装置に用いられる静電チャックにも適用可能である。(例えばクーロン力を使って半導体ウェハを保持する場合など)
従って、本発明のセラミックス焼結体を、例えば半導体ウェハの製造に用いられる静電チャック用の部材として採用することにより、ゴミの付着を防止するとともに熱による部材の変形を抑制できるので、寸法精度に優れた例えば半導体ウェハを得ることができる。
【0029】
(15)請求項15の発明は、前記請求項1〜14のいずれかに記載のセラミックス焼結体の製造方法に関するものであり、本発明では、セラミックス焼結体の材料を、Ar又はN2の非酸化雰囲気中、若しくはCO又はH2を含む還元雰囲気中にて焼成することを特徴とする。
【0030】
本発明では、(例えばMgO、Al2O3、SiO2や、La、Ce、Pr、Ndの希土類元素や、Tiを含む)セラミックス焼結体の材料を、Ar又はN2の非酸化雰囲気中、若しくはCO又はH2を含む還元雰囲気中にて焼成することにより、導電性及び低熱膨張性を有するセラミックス焼結体が得られる。
【0031】
また、本発明では、例えば1気圧の雰囲気下で焼成することにより、ほぼ緻密な焼結体(相対密度96〜98%)を得ることが可能であり、更に、ホットプレス焼成又は熱間等方加熱(HIP)処理をすることにより、残留気孔の無い緻密な焼結体を得ることができる。
【0032】
更に、本発明では、前記セラミックス焼結体の材料として、上述した成分を含む原料粉末を用いることができる。例えば「Mg酸化物粉末、Al酸化物粉末、Si酸化物粉末、前記希土類酸化物粉末、及びTi酸化物粉末」、又は、「加熱により各酸化物となる化合物粉末(例えば各金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、及び硝酸塩等の粉末)」、或いは、「上記金属の複合酸化物粉末(コーディエライト、ムライト、アルミノシリケート等の粉末)」などを用いることができる。
【0033】
また、これらの粉末の平均粒径は、高い比剛性を得るためには、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは1.9μm以下、更に好ましくは1.8μm以下である。
尚、本発明では、前記焼成に際して、カーボン発熱体、カーボン鞘、カーボン粉末による埋め焼き等の焼成方法を採用できる。
【0034】
ここで、上述した発明における導電性発現のメカニズムに関して、その推察した内容について述べる。
非酸化雰囲気もしくは還元雰囲気中において、構成成分の一つであるTiO2が還元されTiO2−xとなることにより導電性が付与されると考えられる。また、希土類元素(例えば希土類酸化物)を含有しない場合、TiO2相はコーディエライト基材中に粒子状に分布するため、導電相であるTiO2−xが孤立しており、連続層を形成しない。このため、TiO2のみを添加する場合には導電性が発現しないと考えられる。
【0035】
また、TiO2を多量に添加する場合には、粒子状のTiO2でも連続相を形成して導電性が発現するが、この場合には、多量に添加するTiO2により熱膨張係数が大きくなる。これに対して、例えば希土類酸化物とTiO2を同時に添加した場合、TiO2を含む液相を生成し、これが粒界に薄くフィルム状に広がるため、熱膨張係数に影響を与えない程度の少量でも導電性を付与することが可能になると考えられる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセラミックス焼結体及びその製造方法の実施の形態の例(実施例)について説明する。
(実施例)
a)まず、本実施例のセラミックス焼結体の構成について説明する。
【0037】
本実施例のセラミックス焼結体は、コーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)を主成分とし、La、Ce、Pr、Ndの希土類元素から選ばれる1種以上と、Tiとを含有している。
このうち、希土類元素を、酸化物換算で1〜3.5重量%、Tiを、酸化物換算で1〜4重量%含有するとともに、希土類元素とTiとを、その合計量で、酸化物換算で3.5〜7.5重量%含有している。尚、ペルエル石(2MgO・2La2O3・3TiO2・4SiO2)も含有している。
【0038】
更に、希土類元素とTiとのモル比は、0.2〜1.2の範囲であり、ムライト(3Al2O3・2SiO2)の含有量は、4体積%以下である。
特に、本実施例のセラミックス焼結体は、下記表1からも明らかな様に、その体積固有抵抗が、1×105Ω・m〜1×1012Ω・mの範囲であり、ゴミ等の付着防止のための十分な導電性を有している。
【0039】
更に、セラミックス焼結体は、20〜25℃における熱膨張係数の絶対値が、0.15ppm/K以下であり、熱による寸法や形状の変化が極めて少ない低熱膨張性を有している。
その上、セラミックス焼結体の密度は、2.5g/cm3以上で、その比剛性は、52GPa/g/cm3以上であり、高い剛性を有しているので、その点からも、寸法変化や形状変化が少ないという特徴がある。
【0040】
b)次に、本実施例のセラミックス焼結体の製造方法について説明する。
市販のコーディエライト粉末、希土類酸化物粉末(La2O3、CeO2、Pr6O11、又はNd2O3)、TiO2粉末、MgO粉末、Al2O3粉末、SiO2粉末を、焼成後の焼結体が下記表1に示す所定の比率となるように秤量した。
【0041】
この秤量した材料粉末を、高純度アルミナ球石(純度99.9%以上)を用いて、水(エタノールでもよい)を溶媒として湿式粉砕を行った。粉砕後の粉末の平均粒径は1.7μmであった。
その後、バインダーを添加し、湯煎乾燥(噴霧乾燥でもよい)を行った。次いで、所定の形状(具体的にはφ18mmのペレットの形状)に成形し、焼成した。
【0042】
このときの焼成は、すべての試料において、Ar(N2でもよい)雰囲気中、常圧で行い、焼成温度1300〜1400℃、保持時間は2時間として、本発明の範囲(具体的には請求項1〜11の全ての条件を満たす範囲)である実施例1〜19の各試料を得た。
【0043】
尚、上述した製造方法以外に、例えば焼成時に、CO又はH2の還元雰囲気を炉内に導入することもできる。また、成形体をカーボンで埋めて焼成を行い、COを発生させることにより強い還元雰囲気で焼成も行うことも可能である。
また、同様に、本実施例以外の構成を有する比較例1〜11の各試料も得た。このうち、比較例1及び比較例4のものが、請求項1の発明の範囲外の試料である。
【0044】
下記表1に、各試料の焼結体組成(酸化物換算)、ムライト含有量、及び希土類元素(RE)とTiのモル比(RE/Ti)の各値を示す。また、下記表2に、体積固有抵抗、熱膨張係数、密度、ヤング率、及び比剛性の各値を示す。尚、表1におけるMgO、Al2O3、SiO2により、コーディエライトが形成されている。
【0045】
また、図1に実施例2の焼結体のX線回折チャートを示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
c)次に、前記表1及び表2に示す物性等の評価方法について説明する。
▲1▼焼結体組成;
焼結体組成は、焼結体の原料組成(仕込み組成)と同様である。尚、仕込み組成と焼結体組成との間にずれがないことは、蛍光X線分析により確認した。
【0049】
▲2▼ムライト含有量;
ムライト含有量は、X線回折法により、ムライト結晶(111)面のピーク強度値とコーディエライト結晶(212)面のピーク強度値の比率から、検量線法により求めた。検量線は、コーディエライトにムライトを0、5、10体積%添加した焼結体を作製し、これら焼結体をX線回折測定し、ムライト結晶(110)面のピーク強度とコーディエライト結晶(110)面とのピーク強度の比から求めた。
【0050】
尚、コーディエライト含有量も、同様なX線回折法により求めることができる。また、ピーク強度値は、X線回折チャートからバックグラウンドを除去した上で算出した。
▲3▼RE/Tiモル比;
REとTiのモル比は、表1の希土類元素とTiとの組成から求めた。
【0051】
▲4▼体積固有抵抗;
体積固有抵抗は、JIS C 2141で規定する3端子法により求めた。
▲5▼熱膨張係数;
熱膨張係数は、JIS R 1618で規定する熱機械分析法、及び、JISR 3251に規定するレーザー干渉法を用いて評価を行い、20〜25℃の平均熱膨張係数として算出した。
【0052】
▲6▼焼結体密度;
焼結体密度は、JIS R 1634で規定するアルキメデス法により評価を行い、数値はJIS Z 8401によって小数点以下2桁にまるめた。
▲7▼ヤング率;
ヤング率は、JIS R 1602で規定する超音波パルス法により室温で測定を行った。
【0053】
▲8▼比剛性
比剛性は、ヤング率の値を密度で除して算出した。
d)次に、前記実施例の効果について説明する。
表1、表2、及び図1に示すように、本発明(請求項1〜11)の範囲の実施例1〜19のセラミックス焼結体は、コーディエライトを主成分とするとともに、希土類酸化物が1.81〜3.29重量%、TiO2が1.23〜3.50重量%、希土類酸化物とTiO2との合計量が3.53〜5.61重量%、ムライト含有量が2.8体積%以下、RE/Tiモル比が0.28〜1.02である。
【0054】
従って、体積固有抵抗が1×1012Ω・m以下と十分な導電性を有しており、また、熱膨張係数が0.15ppm/K以下と十分な低熱膨張性を有していることが分かる。更に、密度が2.52g/cm3以上、ヤング率が133GPa以上、比剛性が52.5GPa/g/cm3以上であり、高い剛性を有していることが分かる。
【0055】
これに対して、比較例1では、希土類酸化物が含まれていないので、体積固有抵抗が高く好ましくない。比較例2、5、10、11では、希土類酸化物及びTiO2の合計量が少なく、また、比較例3では、TiO2の含有量が少ないので、体積固有抵抗が高く好ましくない。比較例4では、TiO2が含まれていないので、体積固有抵抗が高く好ましくない。比較例6〜8では、希土類酸化物の含有量が多いので、熱膨張係数が高く且つ比剛性が低く好ましくない。比較例9では、希土類酸化物の含有量が少ないので、体積固有抵抗が高く好ましくない。
【0056】
この様に、本実施例のセラミックス焼結体は、熱膨張係数の低いコーディエライトを主成分としているので、セラミックス焼結体全体の熱膨張係数が極めて低く、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少ない。また、La、Ce、Pr、Ndの希土類元素から選ばれる1種以上とTiとを含んでいるので、セラミックス焼結体全体として導電性を有している。しかも、上述したセラミックス焼結体を構成するための材料を焼成することにより、高い密度とすることができ、高比剛性を併せ持つセラミックス焼成体を得ることができる。
【0057】
従って、上述したセラミックス焼結体を用いることにより、温度変化に伴う寸法変化や形状変化が少なく、導電性を有することでゴミの付着が少なく、且つ高い剛性を有するセラミックス部品、例えば半導体製造装置、精密制御機械、光学機器、触媒担体等に好適に用いることができるセラミック部品を得ることができるという顕著な効果を奏する。
【0058】
e)次に、上述したセラミックス焼結体からなるセラミック部材の用途について説明する。
▲1▼まず、前記実施例の構成を有するセラミックス焼結体を用いた真空チャックと、その真空チャックを用いた半導体製造装置を示す。
【0059】
図2に示す様に、真空チャック1は、減圧による吸引力によって、半導体ウェハ3を吸着して保持する円盤状の吸着プレートである。
この真空チャック1は、円盤状の基板5と、基板5を板厚方向に貫く(減圧のための)吸着孔7と、基板5の吸着面K側(半導体ウェハ3側)に突出する多数の突起部9と、突起部9の周囲を環状に囲む様に突出するシール部11とを備えている。
【0060】
上述した真空チャック1は、図示しないが、半導体製造装置の一部を構成する周知のポリッシングマシンに装着して用いられる。このポリッシングマシンは、半導体ウェハ3に対して、化学的機械的研磨(CMP)を行うCMP装置であり、主として、回転可能に配置されたプラテンと、その上面側に配置された真空吸引装置である研磨ヘッドとから構成されている。
【0061】
そして、ポリッシングマシンでは、研磨ヘッドに真空チャック1を取り付け、真空ポンプを作動させて、研磨ヘッド内の減圧空間の気圧を下げ、これにより、真空チャック1の吸着孔7の内外に気圧差を発生させて、真空チャック1の吸着面Kに半導体ウェハ3を吸着させる。
【0062】
次に、プラテンの研磨パッドと真空チャック1との間に半導体ウェハ3を配置した状態で、研磨パッドの表面にCMP用のスラリーを供給し、プラテン及び研磨ヘッドを回転させて、半導体ウェハ3の表面の研磨を行う。
この様に、前記真空チャック1は、上述した性質を有するセラミックス焼結体からなり、導電性及び低熱膨張性並びに高い剛性を有しているので、ゴミが真空チャック1や半導体ウェハ3などに付着し難く、しかも温度変化に対する寸法変化や形状変化が少ないので、寸法精度の高い半導体ウェハ3を製造することができる。
【0063】
▲2▼次に、他の適用例として、前記実施例の構成を有するセラミックス焼結体を用いた静電チャックについて説明する。
図3に示す様に、静電チャック21は、上述したセラミックス焼結体からなる円盤状の部材を基体23としており、静電チャック21の一方の面(同図下方の裏面)には、接合層25を介して金属製の円盤状のベース板27が接合されている。尚、静電チャック21にベース板27が接合されたものを静電チャック装置29と称する。
【0064】
前記静電チャック21の内部(従って基体23の内部)には、一対の内部電極31、33が埋設されており、静電チャック21の他方の面(同図上方の表面)は、例えば半導体ウェハ35を吸着固定する吸着面(チャック面)37とされている。
【0065】
尚、静電チャック21及びベース板27を図1の上下方向に貫いて、貫通孔(図示せず)を設け、この貫通孔を介して、チャック面37側に冷却用のHeガスを供給してもよい。
上述した構成の静電チャック21を使用する場合には、両内部電極31、33間に、例えば±3000V程度の直流電圧を印加し、これにより、半導体ウェハ35を吸着する静電引力(吸着力)を発生させ、この吸着力を用いて半導体ウェハ35を吸着して固定する。
【0066】
尚、直流電圧ではなく、1000Hz以下(例えば50Hz)の1000Vの交流電圧を印加することも可能である。
この様に、前記静電チャック21は、上述した性質を有するセラミックス焼結体からなるので、ゴミが真空チャック21や半導体ウェハ35などに付着し難く、しかも温度変化に対する寸法変化や形状変化が少ないので、寸法精度の高い半導体ウェハ35を製造することができる。
【0067】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2のセラミックス焼結体のX線回折のチャートである。
【図2】半導体ウェハとセラミックス焼結体からなる真空チャックとを一部破断して示す斜視図である。
【図3】静電チャックとベース板とからなる静電チャック装置を一部破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
1…真空チャック(吸着プレート)
3、35…半導体ウェハ
5…基板
7…吸着孔
9…突起部
11…シール部
21…静電チャック
27…ベース板
31、33…内部電極
29…静電チャック装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic sintered body that can be used for a semiconductor manufacturing apparatus, a precision control machine, an optical device, a catalyst carrier, and the like, which dislikes a dimensional change or a shape change due to a temperature change, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a low thermal expansion ceramic sintered body, quartz glass, lithium aluminosilicate (LAS) such as β-spodumene or β-cryptite, cordierite, aluminum titanate and the like have been known.
[0003]
Since these low thermal expansion ceramic sintered bodies have a thermal expansion coefficient of the order of 0.1 ppm / K or less, they are hardly deformed by heat and high dimensional accuracy can be obtained.
In addition, in order to suppress dimensional change and shape change due to heat, it is necessary to suppress thermal deformation and increase rigidity. Therefore, by devising the composition and constituent requirements, the coefficient of thermal expansion is low, Various ceramic sintered bodies having excellent modulus and specific rigidity have been proposed (see
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-219572 (page 2)
[Patent Document 2]
JP-A-11-100275 (page 2)
[Patent Document 3]
Japanese Patent No. 3090914 (page 2)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, these low-thermal-expansion ceramics sintered bodies are insulative, and when used for precision parts such as semiconductor manufacturing equipment, dust adheres due to static electricity and the precision required for the manufactured product is reduced. May not be obtained.
[0006]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and an object of the present invention is to provide a ceramic sintered body having conductivity, low thermal expansion, and excellent rigidity, and a method for producing the same.
[0007]
Means for Solving the Problems and Effects of the Invention
(1) The invention (ceramic sintered body) according to
[0008]
In the present invention, since the main component is cordierite (2MgO.2Al 2 O 3 .5SiO 2 ) having a low coefficient of thermal expansion, the coefficient of thermal expansion of the entire ceramic sintered body is extremely low, and dimensional changes due to temperature changes and Little change in shape. That is, the ceramic sintered body of the present invention is an excellent low thermal expansion ceramic sintered body. The cordierite content is preferably 92.5% by weight or more.
[0009]
Further, in the present invention, the ceramic sintered body as a whole has conductivity by simultaneously containing at least one selected from the rare earth elements of La, Ce, Pr, and Nd and Ti. For this reason, static electricity is hardly charged, so that dust and the like hardly adhere.
Moreover, in the present invention, by firing the above-described material for forming the ceramic sintered body, a high density can be obtained, and a fired ceramic body having both high specific rigidity (= Young's modulus / density) can be obtained. Can be.
[0010]
Therefore, by using the above-described ceramic sintered body, ceramic parts having small dimensional change and shape change due to temperature change, little adhesion of dust due to conductivity, and high rigidity, for example, semiconductor manufacturing equipment, precision control machine Thus, it is possible to obtain a ceramic component that can be suitably used for an optical device, a catalyst carrier and the like.
[0011]
(2) The invention of claim 2 is characterized in that the rare earth element is contained in an amount of 1 to 3.5% by weight in terms of oxide.
The present invention exemplifies a preferable range of the rare earth element.
In the present invention, the rare earth element (having conductivity) is 1% by weight or more in terms of oxide, and therefore has sufficient conductivity to suppress adhesion of dust. The rare earth element (having a higher coefficient of thermal expansion than cordierite) is 3.5% by weight or less in terms of oxide. Little change or shape change.
[0012]
The conversion of the rare earth element (RE) into an oxide means conversion into a rare earth element oxide RE 2 O 3 (where Ce is CeO 2 and Pr is Pr 6 O 11 ) (the same applies hereinafter).
(3) The invention according to
[0013]
The present invention exemplifies a preferable range of Ti.
In the present invention, Ti (having conductivity) is 1% by weight or more in terms of oxide, and thus has sufficient conductivity to suppress adhesion of dust. Further, Ti (having a higher coefficient of thermal expansion than cordierite) is 4% by weight or less in terms of oxide, so the coefficient of thermal expansion of the ceramic sintered body is low, and the dimensional change and shape change due to temperature change. Less is.
[0014]
In addition, conversion to Ti oxide means conversion to TiO 2 (oxide) (the same applies hereinafter).
(4) The invention of claim 4 is characterized in that the rare earth element and the Ti are contained in a total amount of 3.5 to 7.5% by weight in terms of oxide.
[0015]
The present invention exemplifies preferred ranges of rare earth elements and Ti.
In the present invention, the rare earth element (having conductivity) and Ti are 3.5% by weight or more in terms of oxide, and therefore have sufficient conductivity to suppress adhesion of dust. In addition, since the rare earth element and Ti (which have a higher coefficient of thermal expansion than cordierite) are 7.5% by weight or less in terms of oxide, the coefficient of thermal expansion of the ceramic sintered body is low (for example, 0.1%). (1 ppm / K or less), and little dimensional change or shape change due to temperature change
[0016]
(5) The invention of
The present invention exemplifies a preferred range of the molar ratio (RE / Ti) between the rare earth element (RE) and Ti.
[0017]
If the molar ratio (RE / Ti) is out of the range of 0.2 to 1.2, the conductivity will be reduced.
(6) The invention of claim 6 is characterized in that the content of mullite is 4% by volume or less.
[0018]
Since the coefficient of thermal expansion of mullite is larger than that of cordierite, the content of mullite is preferably 4% by volume or less in order to ensure low thermal expansion of the ceramic sintered body.
Here, the meaning of the content of mullite will be described.
[0019]
In general, cordierite has a narrow range in which it can be produced, and other phases such as spinel and mullite are produced due to compositional deviation. Such a phase other than cordierite, when precipitated in a large amount, leads to an increase in the coefficient of thermal expansion. Also, commercially available cordierite powder has a compositional deviation and is not a cordierite single phase. Moreover, the amount of other crystalline phases such as mullite also varies depending on the composition. Since the amount of these precipitated phases other than cordierite affects the coefficient of thermal expansion, for example, in order to obtain a low coefficient of thermal expansion of 0.1 ppm / K or less, MgO, Al 2 O 3 , and SiO 2 must be used. It is necessary to appropriately add to the cordierite raw material powder to suppress the amount of precipitated phases other than cordierite.
[0020]
In particular, cordierite decomposes into a liquid phase and mullite at a high temperature of 1470 ° C. or more, whereby a large amount of mullite phase is precipitated due to inappropriate firing conditions. Therefore, in order to suppress the coefficient of thermal expansion to, for example, 0.1 ppm / K or less, the content of mullite is desirably set to 4% by volume or less.
[0021]
(7) The invention of claim 7 is characterized in that it contains perelite.
In the present invention, perelite (2MgO.2La 2 O 3 .3TiO 2 .4SiO 2 ) is included as a constituent phase of the sintered body. Therefore, it is considered that this also contributes to imparting conductivity.
[0022]
(8) The invention of claim 8 is characterized in that the volume resistivity is in the range of 1 × 10 5 Ω · m to 1 × 10 12 Ω · m.
The present invention exemplifies a preferable range of the volume resistivity.
In the present invention, since the volume resistivity is in the range of 1 × 10 5 Ω · m to 1 × 10 12 Ω · m, it has necessary conductivity (has no insulation). Therefore, adhesion of dust on an electrostatic chuck or the like can be suppressed.
[0023]
(9) The invention of claim 9 is characterized in that the absolute value of the thermal expansion coefficient at 20 to 25 ° C is 0.15 ppm / K or less.
The present invention exemplifies a preferable range of the coefficient of thermal expansion.
Here, since the coefficient of thermal expansion (absolute value) is as extremely low as 0.15 ppm / K or less, there is an advantage that dimensional change and shape change due to temperature change are very small.
[0024]
(10) The invention according to
The present invention exemplifies a preferred density range.
Here, since the density is as high as 2.5 g / cm 3 or more, the rigidity is improved (therefore, the Young's modulus is high), and the specific rigidity is also improved.
[0025]
(11) The invention of
The present invention exemplifies a preferable range of rigidity.
Here, since the specific rigidity (Young's modulus / density) is as high as 52 GPa / g / cm 3 or more, it has high rigidity, and from this point, there is an effect that a dimensional change and a shape change can be suppressed.
[0026]
(12) The invention of claim 12 is characterized in that the (ceramic sintered body) is a member for a semiconductor manufacturing apparatus.
The present invention exemplifies the use of a ceramic sintered body.
Therefore, by adopting the ceramic sintered body of the present invention as a member for a semiconductor manufacturing apparatus used for manufacturing a semiconductor wafer, for example, it is possible to prevent adhesion of dust and to suppress deformation of the apparatus due to heat. A semiconductor wafer having excellent dimensional accuracy can be obtained.
[0027]
(13) The invention of claim 13 is characterized in that the (ceramic sintered body) is a member for a vacuum chuck.
The present invention exemplifies the use of a ceramic sintered body.
Therefore, by adopting the ceramic sintered body of the present invention as a member for a vacuum chuck used for manufacturing a semiconductor wafer, for example, it is possible to prevent dust from adhering and to suppress deformation of the member due to heat. An excellent semiconductor wafer, for example, can be obtained.
[0028]
(14) The invention of claim 14 is characterized in that the (ceramic sintered body) is a member for an electrostatic chuck.
The ceramic sintered body described above can be applied to, for example, an electrostatic chuck used in a semiconductor exposure apparatus. (For example, when holding a semiconductor wafer using Coulomb force)
Therefore, by adopting the ceramic sintered body of the present invention as a member for an electrostatic chuck used in the manufacture of a semiconductor wafer, for example, it is possible to prevent adhesion of dust and to suppress deformation of the member due to heat. For example, it is possible to obtain an excellent semiconductor wafer.
[0029]
(15) The invention of
[0030]
In the present invention, the material of the ceramic sintered body (including, for example, MgO, Al 2 O 3 , SiO 2 , rare earth elements of La, Ce, Pr, and Nd, and Ti) is placed in a non-oxidizing atmosphere of Ar or N 2. Alternatively, by firing in a reducing atmosphere containing CO or H 2 , a ceramic sintered body having conductivity and low thermal expansion can be obtained.
[0031]
Further, in the present invention, it is possible to obtain a substantially dense sintered body (relative density of 96 to 98%) by firing under an atmosphere of, for example, 1 atm. By performing the heating (HIP) treatment, a dense sintered body without residual pores can be obtained.
[0032]
Further, in the present invention, a raw material powder containing the above-mentioned components can be used as a material of the ceramic sintered body. For example, “Mg oxide powder, Al oxide powder, Si oxide powder, the rare earth oxide powder, and Ti oxide powder” or “Compound powder that becomes each oxide by heating (for example, carbonate of each metal, Powders such as bicarbonate, hydroxide and nitrate), or "composite oxide powders of the above metals (powder such as cordierite, mullite, aluminosilicate)" and the like.
[0033]
The average particle size of these powders is preferably 2.0 μm or less, more preferably 1.9 μm or less, further preferably 1.8 μm or less in order to obtain high specific rigidity.
In the present invention, a firing method such as burying and burning with a carbon heating element, a carbon sheath, and carbon powder can be employed for the firing.
[0034]
Here, the inferred contents of the mechanism of developing conductivity in the above-described invention will be described.
It is considered that in a non-oxidizing atmosphere or a reducing atmosphere, TiO 2 , one of the constituent components, is reduced to TiO 2 -x, thereby imparting conductivity. When a rare earth element (for example, a rare earth oxide) is not contained, the TiO 2 phase is distributed in a particle form in the cordierite base material, so that the TiO 2 -x which is a conductive phase is isolated, and the continuous layer is formed. Do not form. For this reason, when only TiO 2 is added, it is considered that conductivity does not appear.
[0035]
When a large amount of TiO 2 is added, a continuous phase is formed even with the particulate TiO 2 , and conductivity is exhibited. In this case, however, a large amount of TiO 2 increases the thermal expansion coefficient. . On the other hand, for example, when a rare earth oxide and TiO 2 are added simultaneously, a liquid phase containing TiO 2 is generated, and this spreads thinly at the grain boundaries in a film form, so that a small amount of the liquid phase does not affect the thermal expansion coefficient. However, it is considered that conductivity can be imparted.
[0036]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, examples (embodiments) of the embodiments of the ceramic sintered body and the method of manufacturing the same according to the present invention will be described.
(Example)
a) First, the configuration of the ceramic sintered body of the present embodiment will be described.
[0037]
The ceramic sintered body of the present embodiment has cordierite (2MgO.2Al 2 O 3 .5SiO 2 ) as a main component, and one or more rare earth elements selected from La, Ce, Pr, and Nd, and Ti. Contains.
Among them, the rare earth element contains 1 to 3.5% by weight in terms of oxide and Ti contains 1 to 4% by weight in terms of oxide, and the total amount of the rare earth element and Ti is expressed in terms of oxide. 3.5 to 7.5% by weight. Incidentally, Perueru stone (2MgO · 2La 2 O 3 · 3TiO 2 · 4SiO 2) also contains.
[0038]
Furthermore, the molar ratio of the rare earth element and Ti is in the range of 0.2 to 1.2, the content of mullite (3Al 2 O 3 · 2SiO 2 ) is 4 vol% or less.
In particular, as apparent from Table 1 below, the ceramic sintered body of this example has a volume resistivity in the range of 1 × 10 5 Ω · m to 1 × 10 12 Ω · m, It has sufficient conductivity to prevent the adhesion of water.
[0039]
Further, the ceramic sintered body has an absolute value of a thermal expansion coefficient at 20 to 25 ° C. of 0.15 ppm / K or less, and has a low thermal expansion property in which a change in size or shape due to heat is extremely small.
In addition, the density of the ceramic sintered body is 2.5 g / cm 3 or more, and its specific rigidity is 52 GPa / g / cm 3 or more, and it has high rigidity. It is characterized by little change or shape change.
[0040]
b) Next, a method for manufacturing the ceramic sintered body of the present embodiment will be described.
Commercially available cordierite powder, rare earth oxide powder (La 2 O 3 , CeO 2 , Pr 6 O 11 , or Nd 2 O 3 ), TiO 2 powder, MgO powder, Al 2 O 3 powder, SiO 2 powder, The sintered body after firing was weighed so as to have a predetermined ratio shown in Table 1 below.
[0041]
The weighed material powder was subjected to wet pulverization using high-purity alumina cobblestone (purity of 99.9% or more) with water (or ethanol) as a solvent. The average particle size of the pulverized powder was 1.7 μm.
Thereafter, a binder was added, followed by hot water drying (spray drying may be performed). Next, it was formed into a predetermined shape (specifically, a shape of a pellet having a diameter of 18 mm) and fired.
[0042]
The firing at this time is performed at normal pressure in an Ar (or N 2 ) atmosphere for all the samples, the firing temperature is set to 1300 to 1400 ° C., and the holding time is set to 2 hours. (Samples satisfying all conditions of
[0043]
In addition to the above-described manufacturing method, a reducing atmosphere of CO or H 2 can be introduced into the furnace, for example, during firing. It is also possible to sinter in a strong reducing atmosphere by sintering by burying the compact with carbon and generating CO.
Similarly, samples of Comparative Examples 1 to 11 having configurations other than the present example were also obtained. Among them, those of Comparative Examples 1 and 4 are samples outside the scope of the invention of
[0044]
Table 1 below shows the respective values of the sintered body composition (in terms of oxide), mullite content, and the molar ratio of rare earth element (RE) to Ti (RE / Ti) for each sample. Table 2 below shows values of volume resistivity, coefficient of thermal expansion, density, Young's modulus, and specific rigidity. Note that cordierite is formed by MgO, Al 2 O 3 , and SiO 2 in Table 1.
[0045]
FIG. 1 shows an X-ray diffraction chart of the sintered body of Example 2.
[0046]
[Table 1]
[0047]
[Table 2]
[0048]
c) Next, methods for evaluating physical properties and the like shown in Tables 1 and 2 will be described.
(1) Sintered body composition;
The composition of the sintered body is the same as the raw material composition (prepared composition) of the sintered body. In addition, it was confirmed by fluorescent X-ray analysis that there was no deviation between the charged composition and the sintered body composition.
[0049]
(2) Mullite content;
The mullite content was determined by a calibration curve method from the ratio of the peak intensity value of the mullite crystal (111) plane to the peak intensity value of the cordierite crystal (212) plane by X-ray diffraction. The calibration curve was obtained by preparing sintered bodies in which mullite was added to cordierite in an amount of 0, 5, or 10% by volume, and performing X-ray diffraction measurement of these sintered bodies. It was determined from the ratio of the peak intensity to the crystal (110) plane.
[0050]
Incidentally, the cordierite content can also be determined by the same X-ray diffraction method. The peak intensity value was calculated after removing the background from the X-ray diffraction chart.
{Circle around (3)} RE / Ti molar ratio;
The molar ratio of RE to Ti was determined from the composition of the rare earth element and Ti in Table 1.
[0051]
(4) Volume resistivity;
The volume resistivity was determined by a three-terminal method defined in JIS C2141.
(5) Thermal expansion coefficient;
The thermal expansion coefficient was evaluated using a thermomechanical analysis method specified in JIS R 1618 and a laser interferometry specified in JIS R 3251, and calculated as an average thermal expansion coefficient at 20 to 25 ° C.
[0052]
(6) sintered body density;
The sintered body density was evaluated by the Archimedes method specified in JIS R 1634, and the numerical value was rounded to two decimal places according to JIS Z8401.
(7) Young's modulus;
The Young's modulus was measured at room temperature by an ultrasonic pulse method specified in JIS R1602.
[0053]
(8) Specific rigidity The specific rigidity was calculated by dividing the value of the Young's modulus by the density.
d) Next, the effects of the above embodiment will be described.
As shown in Table 1, Table 2, and FIG. 1, the ceramic sintered bodies of Examples 1 to 19 in the scope of the present invention (claims 1 to 11) have cordierite as a main component and rare earth oxides. things from 1.81 to 3.29 wt%, TiO 2 is from 1.23 to 3.50 wt%, rare earth oxide and the total amount of TiO 2 is from 3.53 to 5.61 wt%, mullite content 2.8% by volume or less, and the RE / Ti molar ratio is 0.28 to 1.02.
[0054]
Therefore, it has sufficient conductivity that the volume resistivity is 1 × 10 12 Ω · m or less and has sufficiently low thermal expansion coefficient with the coefficient of thermal expansion of 0.15 ppm / K or less. I understand. Furthermore, it can be seen that the material has high rigidity with a density of 2.52 g / cm 3 or more, a Young's modulus of 133 GPa or more, and a specific rigidity of 52.5 GPa / g / cm 3 or more.
[0055]
On the other hand, Comparative Example 1 does not contain a rare earth oxide, and thus has a high volume resistivity and is not preferable. In Comparative Examples 2, 5, 10, and 11, the total amount of the rare earth oxide and TiO 2 is small, and in Comparative Example 3, the content of TiO 2 is small. In Comparative Example 4, since TiO 2 was not contained, the volume resistivity was high, which is not preferable. In Comparative Examples 6 to 8, since the content of the rare earth oxide is large, the thermal expansion coefficient is high and the specific rigidity is low, which is not preferable. In Comparative Example 9, since the content of the rare earth oxide is small, the volume resistivity is undesirably high.
[0056]
As described above, since the ceramic sintered body of this example is mainly made of cordierite having a low coefficient of thermal expansion, the coefficient of thermal expansion of the entire ceramic sintered body is extremely low, and the dimensional change and shape due to temperature change are reduced. Little change. Also, since it contains Ti and one or more selected from the rare earth elements of La, Ce, Pr and Nd, the ceramic sintered body as a whole has conductivity. In addition, by firing the above-described material for forming the ceramic sintered body, a high density can be obtained, and a ceramic fired body having both high specific rigidity can be obtained.
[0057]
Therefore, by using the above-described ceramic sintered body, a dimensional change and a shape change due to a temperature change are small, and there is little adhesion of dust due to having conductivity, and a ceramic component having high rigidity, for example, a semiconductor manufacturing apparatus, This has a remarkable effect that a ceramic component that can be suitably used for a precision control machine, an optical device, a catalyst carrier, or the like can be obtained.
[0058]
e) Next, applications of the ceramic member made of the above-described ceramic sintered body will be described.
{Circle around (1)} First, a vacuum chuck using a ceramic sintered body having the configuration of the above embodiment and a semiconductor manufacturing apparatus using the vacuum chuck will be described.
[0059]
As shown in FIG. 2, the
The
[0060]
Although not shown, the above-described
[0061]
Then, in the polishing machine, the
[0062]
Next, in a state where the
As described above, since the
[0063]
{Circle over (2)} Next, as another application example, an electrostatic chuck using a ceramic sintered body having the configuration of the above embodiment will be described.
As shown in FIG. 3, the
[0064]
A pair of
[0065]
A through-hole (not shown) is provided through the
In the case of using the
[0066]
Instead of a DC voltage, an AC voltage of 1000 V or less (for example, 50 Hz) of 1000 V can be applied.
As described above, since the
[0067]
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiment at all, and it goes without saying that the present invention can be implemented in various modes without departing from the gist of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an X-ray diffraction chart of a ceramic sintered body of Example 2.
FIG. 2 is a partially cutaway perspective view showing a semiconductor wafer and a vacuum chuck made of a ceramic sintered body.
FIG. 3 is a partially cutaway perspective view showing an electrostatic chuck device including an electrostatic chuck and a base plate.
[Explanation of symbols]
1. Vacuum chuck (suction plate)
Claims (15)
前記セラミックス焼結体の材料を、Ar又はN2の非酸化雰囲気中、若しくはCO又はH2を含む還元雰囲気中にて焼成することを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。The method for producing a ceramic sintered body according to any one of claims 1 to 14,
A method for producing a ceramic sintered body, comprising firing the material of the ceramic sintered body in a non-oxidizing atmosphere of Ar or N 2 or in a reducing atmosphere containing CO or H 2 .
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