JP2004196149A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常ロック部材をフレームとの非係合位置に保持する付勢部材を取り付けるための構造が簡単であるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】ウエビング巻取装置では、ロックベース24が支軸36Dにおいてフレームに回転可能に軸支されている。ロックベース24に収容されたロックプレート42は、フレームのラチェット歯38Aとの非係合位置と、ラチェット歯38Aに係合してロックベース24のウエビング引出方向の回転を阻止する係合位置とを取り得、Vギヤ46のウエビング引出方向の回転が阻止される所定の場合にガイドピン42DがVギヤ46のガイド孔50にガイドされて係合位置へ移動する。リターンスプリング70は、一端部が支軸36Dに、他端部がガイドピン42Dに係止され、通常はロックプレート42を非係合位置に保持する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常は乗員拘束用ウエビングの巻取り引出しを許容し、車両急限速時等の所定の場合にウエビングの引出しを阻止するウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的にウエビング巻取装置は、平面視で略コ字状に形成され車両に固定されたフレームを備えており、該フレームの互いに対向する一対の脚板間には巻取軸が回転可能に軸支されている。具体的には、巻取軸の軸方向中央部に設けられ乗員拘束用のウエビングが層状に巻き回されたスプールがフレームの一対の脚板間に位置し、スプールの軸方向端部から同軸的に突出した支軸が脚板に取り付けられた軸受部によって回転可能に軸支されている。
【0003】
そして、ウエビング巻取装置では、通常はスプールが回転自在であることによりウエビングの巻取り引出しが自由とされている。一方、ウエビング巻取装置では、車両の急減速時やウエビングの急激な引出時等の所定の場合に、巻取軸(スプール)のウエビング引出方向の回転を阻止するロック手段が設けられている。これにより、ウエビング巻取装置では、例えば急減速状態における慣性で車両前方側へ移動しようとする乗員の身体によるウエビング引出力に抗し、車両急減速時におけるウエビングによる乗員の拘束力を向上するようになっている。
【0004】
さらに、ウエビング巻取装置には、ロック手段による巻取軸のウエビング引出方向の回転阻止後に、ウエビングの所定量の引出しを許容してエネルギ吸収を行うエネルギ吸収機構を備えたものがある。この種のウエビング巻取装置では、上記所定の場合にロック手段によってウエビング引出方向の回転を阻止されるロックベースがトーションバーを介してスプールに連結されており、通常はトーションバーが捩れることはなくロックベースがスプールと共に回転する。一方、ロックベースのウエビング引出方向の回転が阻止されると、スプールがトーションバーを捩りつつウエビング引出方向に回転する。これにより、トーションバーの捩り荷重によって乗員の前方への移動エネルギが吸収される。このようなロックベースは、スプールの軸方向一方の端部に配設されている。
【0005】
以下、上記各構成に適用されるロック手段の一例について簡単に説明する。
【0006】
ロック手段は、巻取軸のスプールまたはロックベースの端面に凹設され径方向外側に開口している凹部内に配置されたロックプレートを備えている。ロックプレートは、その先端にラチェット歯が形成されており、該ラチェット歯が凹部内に収容される非係合位置と、該ラチェット歯が凹部の開口から径方向外側に突出してフレームの脚板に形成されたラチェット孔のラチェット歯に噛み合う係合位置とを選択的に取り得るようになっている。ロックプレートが係合位置に位置するときには、スプールまたはロックベースのウエビング引出方向の回転が阻止されるようになっている。
【0007】
また、ロックプレートに対しロックベースとは反対側には、巻取軸の支軸に相対回転可能に軸支されたロック輪が設けられている。ロック輪は、ロックプレートから巻取軸の軸方向に沿って突設されたガイドピンを入り込ませるガイド溝を有し、ガイド溝にガイドピンを入り込ませた状態で付勢部材によってウエビング引出方向に付勢されることで、通常はスプールまたはロックベースの回転に追従する(一体に回転する)。この状態ではロックプレートは非係合位置に保持される。すなわち、ロックプレートは、通常は付勢部材の付勢力によって非係合位置に保持されている。
【0008】
また、ロック輪は、上記所定の場合にはウエビング引出方向の回転が阻止されるようになっており、該ウエビング引出方向の回転が阻止され付勢部材の付勢力に抗してスプールまたはロックベースとの間に相対回転が生じると、ガイドピンをガイド溝に沿ってガイドし、ロックプレートを(付勢部材の付勢力に抗して)係合位置へ移動させる。
【0009】
以上説明したロック手段を備えたウエビング巻取装置では、車両急減速時やウエビングの急激な引出時には、ロック輪のウエビング引出方向の回転が阻止され、スプールまたはロックベースと相対回転するロック輪のガイド溝にガイドピンがガイドされてロックプレートが係合位置へ至り、そのラチェット歯をフレームのラチェット歯に噛合わせる。これにより、スプールまたはロックベースのウエビング引出方向の回転が阻止される。さらに、ロックベース(エネルギ吸収機構)を備えた構成では、乗員の慣性力等によるウエビング引出力によってトーションバーが捩れつつウエビングの引出を許容し、乗員を前方へ移動させるエネルギが吸収され該乗員に作用する外力が緩和される。
【0010】
ところで、ロック輪をウエビング引出方向に付勢しまたはロックプレートを非係合位置に保持する付勢部材は、一端部がロック輪またはロックプレートに係止されると共に他端部がスプールまたはロックベースに係止されている。すなわち、一端部がロック輪に係止された付勢部材は、該ロック輪をウエビング引出方向に付勢すると共に該ロック輪を介してロックプレートを非係合位置に保持し、一端部がロックプレートに係止された付勢部材は、該ロックプレートを非係合位置に保持すると共に該ロックプレートを介してロック輪をウエビング引出方向に付勢している。
【0011】
そして、このような付勢部材として圧縮コイルスプリングを用いた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この圧縮コイルスプリングの取付構造について図7を用いて説明する。
【0012】
図7に示す如く、ロック輪100は、圧縮コイルスプリング102をロックベース(スプール)104側に通過させる挿入孔106と、該挿入孔の長手方向縁部にそって軸方向の突設されたスプリングボックス108とを備えており、このスプリングボックス108に圧縮コイルスプリング102の一端部を入り込ませて係止するようになっている。
【0013】
一方、ロックベース104の端面には、圧縮コイルスプリング102を変形可能に収容すると共に、スプリングボックス108が上記相対回転に伴う相対移動可能に入り込む円弧状のスプリング収容部110が凹設されている。このスプリング収容部110における上記通常時にスプリングボックスと対向する端部には、幅が圧縮コイルスプリング102の径に対応して狭められ、圧縮コイルスプリング102の他端部が入り込んで係止されるスプリング受け凹部112が連設されている。
【0014】
以上により、この圧縮コイルスプリングの取付構造では、ロックベース104のスプリング収容部110にロック輪100のスプリングボックス108を入り込ませた状態で、該ロック輪100の挿入孔106から圧縮コイルスプリング102を容易に取り付けることができ、かつ該取り付けた圧縮コイルスプリング102が外れ難い。なお、透孔114が設けられたカバー116は、図示しないロックプレートの脱落阻止用のカバーである。
【0015】
また、図示は省略するが、付勢部材としてトーションスプリング(捩りコイルばね)を用いた構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。この構成では、スプール(ロックベース)の軸方向端面における支軸の根元廻りにトーションスプリングの環状部が入り込む第1凹部を設け、第1凹部内にさらに円弧状に凹設された第2凹部内に入り込んだロック輪の支持突起にトーションスプリングの一端部を係合させると共に、トーションスプリングの他端部を第1凹部の壁部(軸方向の開口縁が一部覆われた壁部)に係合させている。
【0016】
【特許文献1】
特開2000-302010公報
【特許文献2】
特開2002-19578公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のウエビング巻取装置では、付勢部材をロック輪またはロックプレートとスプールまたはロックベースとの間にその機能を果たすように配設するために、ロック輪にスプリングボックス或いは支持突起を突設すると共に、スプールまたはロックベースにスプリング収容部やスプリング受け凹部或いは第1凹部や第2凹部を凹設する必要があったため、部品の構造(形状)が複雑で体格も大型であった。
【0018】
複雑な部品形状は、一般にダイカストによって構成されるスプールまたはロックベース、樹脂成形によって構成されるロック輪等の金型構造を複雑化させ、各部品の加工コストの高コスト化、すなわちウエビング巻取装置の高コストの原因となる。また、各部品の体格が大型であることは、ウエビング巻取装置の全体としての小型化を阻害する原因となる。
【0019】
本発明は、上記事実を考慮して、通常ロック部材をフレームとの非係合位置に保持する付勢部材を取り付けるための構造が簡単であるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取部の軸方向端部から同軸的に突出した支軸において、車体に支持されたフレームに回転可能に軸支される巻取軸と、前記巻取部の軸方向端部に配置されると共に該軸方向に沿って突設されたガイド突起を有し、該軸方向との直交面に沿う移動によって、前記フレームとの非係合位置と、前記フレームに係合して前記巻取軸の前記ウエビング引出方向の回転を阻止する係合位置とを取り得るロック部材と、一端部が前記支軸に係止されると共に他端部が前記ガイド突起に係止され、付勢力によって前記ロック部材を前記非係合位置に保持する付勢部材と、前記ガイド突起を入り込ませるガイド溝を有し、所定の場合に前記ガイド突起を前記ガイド溝に沿ってガイドして前記ロック部材を前記係合位置へ移動させるガイド部材と、を備えている。
【0021】
請求項1記載のウエビング巻取装置では、通常はロック部材が付勢部材の付勢力によって非係合位置に保持されることで巻取軸は回転自在であり、ウエビングの巻取り引出しが自由とされている。一方、例えば車両急減速時やウエビングの急激な引出時等の所定の場合には、ガイド手段がそのガイド溝に沿ってロック部材のガイド突起をガイドすることで、ロック部材は付勢部材の付勢力に抗して係合位置へ移動する。すると、ロック部材はフレームに係合し、巻取軸のウエビング引出方向の回転が阻止される。
【0022】
ここで、付勢部材の一端部が巻取軸の支軸に係止されると共に他端部がロック部材のガイド突起に係止されているため、換言すれば、付勢部材は、巻取軸をフレームに軸支する機能を有する支軸及びロック部材をガイド手段にガイドさせる機能を有するガイド突起に、それぞれ異なる端部が係止されているため、ロック部材や巻取軸(巻取部の軸方向端面)に付勢部材の係止部位を形成する必要がない。さらに別言すれば、付勢部材は、巻取軸及びロック部材の機能上必要な部位を利用して取り付けられるため、該巻取軸及びロック部材は、その形状を複雑化させる従来の如き凹部や突部、挿入孔等を設ける必要がなく、構造(形状)が簡素化される。
【0023】
このため、巻取軸及びロック部材は、加工性が向上し、小型化を図ることも可能となる。
【0024】
このように、請求項1記載のウエビング巻取装置では、通常ロック部材をフレームとの非係合位置に保持する付勢部材を取り付けるための構造が簡単である。
【0025】
なお、請求項1記載のガイド手段は、付勢部材の付勢力によって巻取軸の回転に追従する構成に限定されないことは言うまでもない。
【0026】
請求項2記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1記載のウエビング巻取装置において、前記付勢部材を、渦巻状に形成され内縁部の内側に前記支軸を挿通させるばね部と、前記ガイド突起に係止される係止部と、前記ばね部と係止部とを連結するアーム部とが一平面に沿って形成され、該平面が前記軸方向と直交するように配置されて前記ガイド突起を前記支軸側に引張る引張ばねとした、ことを特徴としている。
【0027】
請求項2記載のウエビング巻取装置では、付勢部材である引張ばねは、その一端部である渦巻状に形成されたばね部が内縁部の内側に支軸を挿通させて該支軸に係止されると共に、アーム部を介してばね部と連結された他端部である係止部がガイド突起に係止された状態で、ガイド突起を支軸側に引張ってロック部材を非係合位置に保持している。
【0028】
ここで、引張ばねは、ばね部とアーム部と係止部とが一平面に沿って形成され、かつ該平面が巻取軸の軸方向と直交するように(巻取部の端面に沿うように)配置されるため、付勢部材である引張ばねの配置スペースが小さい。このため、ウエビング巻取装置の小型化が図られる。
【0029】
また、渦巻状のばね部は、引張方向の付勢力を生じるときには該渦巻が小さくなる方向に変形するため、内部応力が小さく耐久性が良好である(または、耐久回数が多くなる)。
【0030】
請求項3記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項2記載のウエビング巻取装置において、前記引張ばねを線材で構成した、ことを特徴としている。
【0031】
請求項3記載のウエビング巻取装置では、引張ばねが線材によって上記平面に沿って形成されているため、例えば請求項2の引張ばねをぜんまいばねとした構成と比較して、該引張ばねの厚み(巻取軸の軸方向に沿う高さ)すなわち配置スペースが一層小さく、ウエビング巻取装置の一層の小型化が図られる。
【0032】
請求項4記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のウエビング巻取装置において、前記ガイド部材を、前記支軸に相対回転可能に軸支され、通常は前記付勢部材の付勢力によって前記巻取軸の前記ウエビング引出方向の回転に追従し、前記所定の場合に前記ウエビング引出方向の回転が阻止され前記巻取軸との相対回転によって前記ロック部材を前記係合位置へ移動させるロック輪とした、ことを特徴としている。
【0033】
請求項4記載のウエビング巻取装置では、ガイド部材であるロック輪が、通常は付勢部材(引張ばね)の付勢力によって巻取軸のウエビング引出方向の回転に追従してロック部材を係合位置へ移動させることはない。一方、上記所定の場合にロック輪のウエビング引出方向の回転が阻止されると、このロック輪と巻取軸との間に相対回転が生じ、該相対回転によってロック輪がそのガイド溝に沿ってガイド突起をガイドしてロック部材を係合位置へ移動させる。
【0034】
このように、付勢部材がロック部材を介してロック輪を上記方向に付勢しているため、例えば、巻取軸の回転阻止後にロック輪の上記ウエビング引出方向の回転阻止状態を解除すると共に巻取軸をウエビング巻取方向に回転させて、ウエビング巻取装置を上記通常状態に復帰させる構成とすることも可能である。
【0035】
すなわち、上記付勢部材を取り付けるための構造が簡単である構成が、該付勢部材の付勢力によってガイド手段であるロック輪を巻取軸のウエビング引出方向の回転に追従させる好ましい構成のウエビング巻取装置にも好適に適用される。
【0036】
請求項5記載の発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のウエビング巻取装置において、前記巻取部を、前記ウエビングが巻き回されるスプールと、前記スプールと前記ロック部材との間に該スプールとの相対回転可能に配置され、前記ロック部材が前記係合位置に位置するときに前記ウエビング引出方向の回転が阻止されるロックベースと、を含む構成とした、ことを特徴としている。
【0037】
請求項5記載のウエビング巻取装置では、巻取軸の巻取部が、スプールと、該スプールとロック部材との間に配置されたロックベースを有しいる。ロック部材が係合位置へ至るとロックベースのウエビング引出方向の回転が阻止される。このロックベースとスプールとの間にエネルギ吸収部材(例えば、トーションバーや摩擦部材等)を設けることにより、ロックベースとスプールとの相対回転によってウエビングの所定量の引出しを許容しつつ、例えば乗員の慣性エネルギが吸収される。
【0038】
このように、上記付勢部材を取り付けるための構造が簡単である構成が、エネルギ吸収機構を備えたウエビング巻取装置にも好適に適用される。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置10ついて図1乃至図6に基づいて説明する。なお、図1乃至図6において矢印Aが示されている場合は、この矢印A方向はウエビング引出方向(回転方向)を示している。
【0040】
図1には本実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成が断面図にて示されている。この図に示される如く、ウエビング巻取装置10は平面視で略コ字形に形成されたフレーム14を備えており、該フレーム14が車体側に固定されている。フレーム14は互いに平行に延出された第1脚板16と第2脚板18とを備えており、これらの第1脚板16、第2脚板18間にダイカストによって製作された巻取部としてのスプール12が回転可能に軸支されている。
【0041】
スプール12は、軸芯部を構成する円筒形状のスプール軸12Aと、このスプール軸12Aの両端部に略円板形状にそれぞれ形成された一対のフランジ部(以下、第1脚板16側に配置されるフランジ部を「第1フランジ部12B」と称し、第2脚板18側に配置されるフランジ部を「第2フランジ部12C」と称す)とによって構成されており、全体としては鼓形状をなしている。このスプール12のスプール軸12AにはウエビングWの一端が係止されて該ウエビングWが巻き回されており、スプール12の回転により、ウエビングWがスプール12に対して巻取り引出し自在とされている。
【0042】
スプール軸12Aの軸芯部には、トーションバー挿通孔20が形成されている。トーションバー挿通孔20における第1フランジ部12B側には、トーションバー挿通孔20よりも大径とされた凹部状のロックベース受入れ部22が同軸上に形成されている。ロックベース受入れ部22は、その大半を占める凹部本体22Aと、該凹部本体22Aよりも大径とされた凹部端末部22Bとからなる。
【0043】
このロックベース受入れ部22には、ロックベース24が抜け止めされた状態で装着されている。なお、ロックベース24の装着の仕方は、ロックベース受入れ部22内へロックベース24を挿入した後に、正面視でコ字形に形成された図示しないストッパ(抜止め部材)を軸直角方向から圧入するという手法が採られている。
【0044】
ロックベース24は鍔付き円筒形状に形成されており、ロックベース受入れ部22の凹部本体22Aに嵌合される基部24Aと、基部24Aよりも大径とされかつロックベース受入れ部22の凹部端末部22Bに嵌合される中間部24Bと、中間部24Bよりも大径とされかつ第1フランジ部12Bの外側面に当接状態で配置される保持部24Cとによって構成されている。また、ロックベース24における軸芯部外端を除いた部分には六角穴形状の嵌合孔26が形成されており、さらに当該軸芯部外端には嵌合孔26の軸芯部と相互に連通されかつこれよりも小径とされた小孔28が形成されている。
【0045】
一方、スプール軸12Aのトーションバー挿通孔20における第2フランジ部12C側には、トーションバー挿通孔20よりも大径とされた凹部状のスリーブ受入れ部30が形成されている。このスリーブ受入れ部30の内周部には雌スプラインが形成されており、当該スリーブ受入れ部30には外周部に雄スプラインが形成されかつ軸芯部には六角穴形状の嵌合孔32が形成されたスリーブ34が嵌合されている。これにより、スリーブ34は、常にスプール12と一体に回転するようになっている。
【0046】
スリーブ34には、その外端面から支軸34Aが同軸的に突設されており、該支軸34Aは脚板18に固定的に取り付けられる図示しないカバー部材の軸受部に回転可能に軸支されるようになっている。なお、支軸34Aの先端部には、スプール12をウエビング巻取回転方向へ回転付勢する付勢手段(ぜんまいばね)の内端が図示しないアダプタを介して係止されている。また、上記構成のスリーブ34は、車両急減速時にスプール12を瞬時にウエビング巻取方向に回転させるプリテンショナ機構の構成部品の一つである。
【0047】
上述したロックベース24とスリーブ34とは、トーションバー36によって相互に連結されている。トーションバー36は、その主部を構成する軸部36Aと、軸部36Aの一端部に形成された六角形状の頭部36Bと、軸部36Aの他端部に形成された六角形状の嵌合部36Cと、軸部36Aよりも小径とされ嵌合部36Cの軸芯部から軸部36Aと同軸上に延出された支軸36Dとによって構成されている。
【0048】
トーションバー36の頭部36Bはスリーブ34に形成された六角穴形状の嵌合孔32へ嵌合されており、またトーションバー36の嵌合部36Cはロックベース24に形成された六角穴形状の嵌合孔26へ嵌合されている。これにより、トーションバー36は、ロックベース24及びスリーブ34を介してスプール軸12Aと一体化されている。この状態で、トーションバー36の軸部36Aはトーションバー挿通孔20内に位置し、支軸36Dはロックベース24の小孔28を貫通している。
【0049】
なお、上記構成において、スプール12、ロックベース24、スリーブ34、トーションバー36が本発明における「巻取軸」に相当する。
【0050】
図2及び図3にも示される如く、上述したフレーム14の第1脚板16の上部側には、内歯ラチェット38が打ち抜きにより形成されている。内歯ラチェット38のラチェット歯38Aは高強度に設定されている。
【0051】
この内歯ラチェット38の径方向内側には、ロックベース24の保持部24Cが配置されている。この保持部24Cの外端面には、プレート収容部40が凹設されている。プレート収容部40は、保持部24Cの外周面において開口した開口部40Aを有しており、該開口部40Aからの次述するロックプレート42のロック歯42Cの進退を可能としている。
【0052】
一方、プレート収容部40の内縁部は壁部40Bで規定されており、壁部40Bからは、ロックプレート42の位置規制用のストッパ部40Cが開口部40A側へ向けて突設されている。また、保持部24Cにおけるプレート収容部40内の一端部には回動軸41が突設されており、ロックプレート42の軸支用とされている。
【0053】
このプレート収容部40には、ロック部材としてのロックプレート42が収容されている。さらに、ロックベース24の保持部24Cにおける外側面(プレート収容部40の軸方向開口端)には、ロックプレート42の脱落防止用に薄肉円板形状のロックカバー44が回り止めされた状態で取り付けられている。
【0054】
ロックプレート42は、金属製のプレート本体42Aと、このプレート本体42Aの一端部に設けられた軸孔42Bと、プレート本体42Aの他端部に形成され内歯ラチェット38のラチェット歯38Aと噛合可能な高強度のロック歯42Cと、プレート本体42Aにおけるロック歯42Cの近傍から立設されたガイド突起としてのガイドピン42Dとによって構成されている。
【0055】
このロックプレート42は、その軸孔42Bにロックベース24の回動軸41を挿入させてプレート収容部40内に収容されている。この状態で、ガイドピン42Dの軸線方向がロックベース24(支軸36D)の軸線方向と平行になっている。
【0056】
そして、ロックプレート42は、回動軸41廻りの回動によって、プレート本体42Aをストッパ部40Cに当接させてロック歯42Cをプレート収容部40内(開口部40Aよりも内側)に位置させるラチェット歯38Aとの非噛合位置(非係合位置、図2参照)と、ロック歯42Cをプレート収容部40の開口部40Aから突出させてラチェット歯38Aと噛み合わせる噛合位置(図3参照)とを選択的に取り得る構成である。噛合位置に位置するロックプレート42は、ロックベース24のウエビング引出方向の回転を阻止するようになっている。
【0057】
以上説明したロックプレート42は、リターンスプリング70の付勢力によって、通常はプレート収容部40内すなわち非噛合位置に保持されるようになっているが、このリターンスプリング70については後述する。
【0058】
また、ロックベース24(ロックカバー44)の外側に隣接する位置には、これよりも大径の略円板形状に形成されたロック輪としてのVギヤ46が配置されている。図5にも示される如く、Vギヤ46の軸芯部には円筒状のボス48が形成されており、トーションバー36の支軸36Dに相対回転可能に軸支されている。さらに、Vギヤ46の短円筒状に形成された外周部には、複数のロック歯46Aが等間隔で一体に形成されている。
【0059】
このVギヤ46には、両端が異なる側に屈曲した形状のガイド溝としてのガイド孔50が形成されており、該ガイド孔50にはロックプレート42から立設されたガイドピン42Dが挿入されている。リターンスプリング70の付勢力によって非噛合位置に位置するロックプレート42のガイドピン42Dは、ガイド孔50の矢印A側とは反対側の端部に位置している。そして、この状態でVギヤ46は、ロックプレート42を介して作用するリターンスプリング70の付勢力によって、ウエビング引出方向(矢印A方向)に付勢されている。これにより、Vギヤ48は、通常はスプール12と一体に回転するようになっている。
【0060】
一方、スプール12(巻取軸)とVギヤ46との間に、Vギヤ46に対するスプール12のウエビング引出方向の位相が進む方向の相対回転(リターンスプリング70の付勢力に抗する回転)が生じた際には、Vギヤ46は、ガイド孔50がガイドピン42Dをガイドしてロックプレート42を噛合可能位置(係合位置)へ移動させる構成である。
【0061】
噛合可能位置に達したロックプレート42は、スプール12がウエビング引出方向に回転する動作によって、ロック歯42Cがラチェット歯38Aの形状によって該ラチェット歯38Aの歯底まで誘い込まれることで、該ロック歯42Cをラチェット歯38Aに完全に噛合わせる(セルフロック作用によって上記噛合位置へ移動する)ようになっている。
【0062】
また、Vギヤ46の下方側には、図6に示されるVSIR用の周知の加速度センサ52が配設されている。なお、図1では加速度センサ52の図示を省略している。加速度センサ52は、車両急減速時に、ボール54がセンサハウジング56上を転動してセンサレバー58を揺動させ、該センサレバー58のロック爪58AがVギヤ46のロック歯46Aに係合されるようになっている。この係合によって、Vギヤ46のウエビング引出方向の回転が阻止される構成である。
【0063】
さらに、図1に示される如く、上述したフレーム14の第1脚板16の外側には樹脂製のセンサホルダ60が配置されており、さらにセンサホルダ60の外側には該センサホルダ60と似た形状の樹脂製のセンサカバー62が被嵌されている。これらのセンサホルダ60及びセンサカバー62は両者一体となってフレーム14の第1脚板16に取り付けられている。
【0064】
センサホルダ60は、略カップ状に形成されたホルダ本体部64と、このホルダ本体部64の下縁側に形成された略矩形枠状のセンサ保持部66とを含んで構成されている。ホルダ本体部64の軸芯部には円筒状の軸受部68が一体に形成されており、この軸受部68にはトーションバー36の支軸36Dが軸支されている。また、センサ保持部66には、上述の加速度センサ52が挿入保持されている。
【0065】
さらに、ホルダ本体部64の内周部には前述したVギヤ46のパウル軸46Bに軸支された図示しないWSIR用のパウルと係合可能な内歯64Aが一体に形成されており、ウエビングWの急激な引出し時には、Vギヤ46の回転追従できない上記パウルが内歯64Aと係合することでVギヤ46のウエビング引出方向の回転を阻止する構成となっている。
【0066】
すなわち、Vギヤ46は、車両急減速時にVSIR用の加速度センサ52によってウエビング引出方向の回転が阻止され、ウエビングWの急激な引出時に上記パウルによってウエビング引出方向の回転が阻止される構成である。なお、Vギヤ46のウエビング引出方向の回転阻止状態は、上記セルフロック作用に伴ってガイドピン42Dがガイド孔50の孔壁を矢印Aとは反対方向の分力を生じる方向に押圧して、Vギヤ46が矢印Aとは反対方向にわずかに回転することで、センサレバー58が重力によって初期位置に復帰しまたはパウルが図示しないスプリングの付勢力によって初期位置に復帰して、解除されるようになっている。
【0067】
次に、リターンスプリング70について説明する。図4にも示される如く、リターンスプリング70は、渦巻状に形成されたばね部70Aと、フック状に形成された係止部70Bと、ばね部70Aと係止部70Bとを連結するアーム部70Cとで構成されている。ばね部70Aと係止部70Bとアーム部70Cとは、それぞれ一平面に沿うように線材の曲げ加工によって一体に形成されている。すなわち、リターンスプリング70は、全体として2次元的に形成されており、特に渦巻状のばね部70Aは上記平面上で連続的に径が変化するように形成されている。
【0068】
このリターンスプリング70は、ばね部70Aの内縁部の内側に支軸36Dを挿通させると共に、係止部70Bにロックプレート42のガイドピン42Dを挿入させ(係止部70Bをガイドピン42Dに引掛け)た状態で、ロックベース24とロックカバー44(図4では図示省略)との間に配置されている。なお、ばね部70Aは、端にその渦巻の中心部分に支軸36Dを挿通させて径方向の脱落が阻止されていれば足り、ばね力で支軸36Dに抱きついている必要はない。
【0069】
すなわち、リターンスプリング70は、支軸36D(ロックベース24の軸線)との直交面に沿うように配置されている。また、リターンスプリング70は、ロックカバー44によって軸方向の脱落(係止部70Bのガイドピン42Dからの外れ)が阻止されている。
【0070】
この状態でリターンスプリング70は、自然状態よりもばね部70Aの径が縮小しており、付勢力によってガイドピン42Dを支軸36D側に引張っている。すなわち、リターンスプリング70は、引張ばねとして機能する構成である。
【0071】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0072】
上記構成のウエビング巻取装置10では、通常は、リターンスプリング70の付勢力によって、ロックプレート42が非噛合位置に保持されると共に、Vギヤ46がウエビング引出方向に付勢されてロックプレート42の非噛合い位置での保持状態(図2の状態)が維持されており、スプール12、ロックベース24、スリーブ34、トーションバー36、ロックプレート42、Vギヤ46が一体に回転する。このため、通常は、ウエビングWの巻取り引出しが自由とされる。
【0073】
一方、車両急減速時に加速度センサ52が作動しセンサレバー58がロック歯46Aに係合するか、またはウエビングWの急激な引出しによってVギヤ46に軸支されたWSIR用のパウルが内歯64Aに係合すると、Vギヤ46のウエビング引出方向の回転が阻止される。この状態から、例えば乗員の前方への慣性力等であるウエビング引出力によって、スプール12と共にロックベース24がリターンスプリング70の付勢力に抗してウエビング引出方向に回転すると、該ロックベース24とVギヤ46との間に相対回転が生じる。
【0074】
この相対回転によって、ロックプレート42は、ガイドピン42DがVギヤ46のガイド孔50にガイドされてフレーム14のラチェット歯38Aとの噛み合い可能位置へ移動する。さらにロックベース24がウエビング引出方向に回転すると、図3に示される如く、セルフロック作用によってロックプレート42のロック歯42Cがラチェット歯38Aと噛み合う。
【0075】
すなわち、ロックベース24とVギヤ46との間に相対回転によって、リターンスプリング70の付勢力に抗してロックプレート42が噛み合い位置へ至り、ロックベース24のウエビング引出方向の回転が阻止される。このとき、Vギヤ46は、ガイド孔50の孔壁がガイドピン42Dに押圧されて矢印Aとは反対方向にわずかに回転することで、ウエビング引出方向の回転を阻止された状態が解除される。
【0076】
この状態から、さらにスプール12に上記ウエビング引出力が作用すると、スプール12はトーションバー36の軸部36Aを捩りつつウエビング引出方向に回転し、該トーションバー36の捩り荷重によってエネルギ吸収が果たされる。すなわち、車両急減速等に伴う乗員の慣性エネルギ等が吸収される。
【0077】
また、トーションバー36の軸部36Aが破断されるに至らなかった場合にスプール12がウエビング巻取方向に回転すると、ロックベース24及びVギヤ46がスプール12に追従して回転し、ロックプレート42は、ガイドピン42Dにおいてガイド孔50にガイドされつつリターンスプリング70の付勢力によって非噛合位置に復帰する。これにより、ウエビングWの再度の引出しが可能となる。特に、ウエビングWの引出力(乗員の慣性力等)が小さくトーションバー36の軸部36Aに塑性変形が生じなかった場合には、ウエビング巻取装置10は全くの初期状態に復帰する。
【0078】
なお、ウエビング巻取装置10では、衝突時等の車両減速度が大きい場合には、加速度センサ52が作動するのとほぼ同時に図示しないプリテンショナ機構が作動し、スプール12をウエビング巻取方向に回転してウエビングWを瞬時に巻き取り衝突初期に乗員を拘束し、その後上記の通りトーションバー36の捩れ荷重によってエネルギ吸収を果たし乗員を好適に保護する(乗員に作用する外力を緩和するフォースリミッタ作用を果たす)。
【0079】
ここで、リターンスプリング70は、その一端部であるばね部70Aが支軸36Dを挿通させて係止されると共に、その他端部である係止部70Bがロックプレート42のガイドピン42Dに係止されているため、換言すれば、リターンスプリング70が、スプール12及びロックベース24を含み構成される巻取軸及びロックプレート42におけるそれぞれ機能上必要な部位を利用して取り付けられるため、ロックプレート42やロックベース24に付勢部材の係止部位を別個に形成する必要がない。
【0080】
より具体的には、スプール12及びロックベース24を含み構成される巻取軸をフレーム14(センサホルダ60)に軸支する機能を有する支軸36D、及びロックプレート42をVギヤ46にガイドさせる機能を有するガイドピン42Dに、リターンスプリング70のそれぞれ異なる端部が係止されているため、ロックプレート42やロックベース24は、その形状を複雑化させる従来の如き凹部や突部、挿入孔等を設ける必要がなく、構造(形状)が簡素化される。また、Vギヤ46がロックプレート42を介してリターンスプリング70の付勢力によって付勢されるため、該Vギヤ46も、リターンスプリング70の係止部位である如き凹部や突部、挿入孔等を設ける必要がなく、構造(形状)が簡素化される。
【0081】
このため、ロックベース24、ロックプレート42、及びVギヤ46は、加工性が向上し、小型化を図ることも可能となる。
【0082】
このように、本実施の形態に係るウエビング巻取装置では、通常ロックプレート42をフレーム14のラチェット歯38Aとの非噛合位置に保持するリターンスプリング70を取り付けるための構造が簡単である。
【0083】
またここで、リターンスプリング70は、全体として(ばね部70Aと係止部70Bとアーム部70Cとが)同一平面に沿って形成され、かつ該平面が支軸36Dの軸方向と直交するように配置されるため、該リターンスプリング70の配置スペース(ロックベース24の厚み)が小さい。特に、このリターンスプリング70が線材によって構成されているため、該リターンスプリング70の厚み(上記軸方向に沿う高さ)すなわち配置スペースが一層小さくなっている。このため、ウエビング巻取装置10の小型化が図られる。
【0084】
さらに、リターンスプリング70は、ばね部70Aの径を縮小する方向に変形して引張方向の付勢力を生じるため、内部応力が小さく耐久性が良好である。特に、従来の圧縮コイルスプリング102のように圧縮方向のみならず軸線を湾曲させる方向にも変形する構成と比較すると、耐久回数が著しく向上する。
【0085】
さらにまた、リターンスプリング70は、単に支軸36Dの軸方の移動によってばね部70Aに支軸36Dを挿通させ、この状態でフック状の係止部70Bをガイドピン42Dに係止する動作のみで装着されるため、該装着作業が容易である。
【0086】
なお、上記の実施の形態では、ウエビング巻取装置10がロックベース24、トーションバー36等で構成されるエネルギ吸収機構を備えた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、ウエビング巻取装置10がエネルギ吸収機構を備えない構成としても良い。この場合、例えば、プレート収容部40、回動軸41等を設けたスプール12の端部(第1フランジ部12B)を内歯ラチェット38の内側に配置し、該スプール12の端部から支軸36Dを一体に突設する構成とすることができる。また、スプール12とロックベース24との相対回転に対する抵抗力を生じるエネルギ吸収部材がトーションバー36に限定されないことは言うまでもない。
【0087】
また、上記の実施の形態では、Vギヤ46が、リターンスプリング70の付勢力によってウエビング引出方向に付勢されることでロックベース24(スプール12)の回転に追従しまたは該追従する状態に復帰する可能な好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、機械的な係合や接着等によってロックベース24等の回転に追従可能とされたVギヤ46が、所定の場合に該係合または接着部位の破断等によって、ロックベース24等に対し相対回転する構成としても良い。したがって、本発明は、スプール12またはロックベース24のウエビング引出方向の回転阻止後における再度のウエビングWの引出しを許容する好ましい構成に限定されることはない。
【0088】
さらに、上記の実施の形態では、リターンスプリング70が全体として同一平面に沿って形成された好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ばね部70Aがコイル状に形成されても良い。また、リターンスプリング70が線材よりなる好ましい構成に限定されることはなく、例えば、ばね部70Aをぜんまいばねとしても良い。すなわち、本発明における付勢部材は、一端部がガイドピン42Dに相当する部分に係止され、他端部が支軸36Dに相当する部分に係止されていれば足りる。
【0089】
さらにまた、上記の実施の形態では、リターンスプリング70がロックベース24とロックカバー44との間に配置される好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、Vギヤ46の外側(ロックカバー44とは反対側)にリターンスプリング70を配置しても良い。この場合、ばね部70AをVギヤ46のボス48の外周部(支軸36Dに相当する部分)に係止しても良い。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るウエビング巻取装置は、通常ロック部材をフレームとの非係合位置に保持する付勢部材を取り付けるための構造が簡単であるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置の非ロック状態を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置のロック状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置を構成するリターンスプリングの取付構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置を構成するVギヤの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るウエビング巻取装置を構成する加速度センサの側面図である。
【図7】従来のウエビング巻取装置におけるリターンスプリングの取付構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
12 スプール(巻取部、巻取軸)
14 フレーム
24 ロックベース(巻取部)
34 スリーブ(巻取軸)
36 トーションバー(巻取軸)
36D 支軸
42 ロックプレート(ロック部材、巻取軸)
42D ガイドピン(ガイド突起)
46 Vギヤ(ガイド部材、ロック輪)
50 ガイド孔(ガイド溝)
70 リターンスプリング(付勢部材、引張ばね)
70A ばね部
70B 係止部
70C アーム部

Claims (5)

  1. 乗員拘束用のウエビングが巻取り引出し可能に巻き回される巻取部の軸方向端部から同軸的に突出した支軸において、車体に支持されたフレームに回転可能に軸支される巻取軸と、
    前記巻取部の軸方向端部に配置されると共に該軸方向に沿って突設されたガイド突起を有し、該軸方向との直交面に沿う移動によって、前記フレームとの非係合位置と、前記フレームに係合して前記巻取軸の前記ウエビング引出方向の回転を阻止する係合位置とを取り得るロック部材と、
    一端部が前記支軸に係止されると共に他端部が前記ガイド突起に係止され、付勢力によって前記ロック部材を前記非係合位置に保持する付勢部材と、
    前記ガイド突起を入り込ませるガイド溝を有し、所定の場合に前記ガイド突起を前記ガイド溝に沿ってガイドして前記ロック部材を前記係合位置へ移動させるガイド部材と、
    を備えたウエビング巻取装置。
  2. 前記付勢部材を、
    渦巻状に形成され内縁部の内側に前記支軸を挿通させるばね部と、前記ガイド突起に係止される係止部と、前記ばね部と係止部とを連結するアーム部とが一平面に沿って形成され、該平面が前記軸方向と直交するように配置されて前記ガイド突起を前記支軸側に引張る引張ばねとした、
    ことを特徴とする請求項1記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記引張ばねを線材で構成した、ことを特徴とする請求項2記載のウエビング巻取装置。
  4. 前記ガイド部材を、
    前記支軸に相対回転可能に軸支され、通常は前記付勢部材の付勢力によって前記巻取軸の前記ウエビング引出方向の回転に追従し、前記所定の場合に前記ウエビング引出方向の回転が阻止され前記巻取軸との相対回転によって前記ロック部材を前記係合位置へ移動させるロック輪とした、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のウエビング巻取装置。
  5. 前記巻取部を、
    前記ウエビングが巻き回されるスプールと、
    前記スプールと前記ロック部材との間に該スプールとの相対回転可能に配置され、前記ロック部材が前記係合位置に位置するときに前記ウエビング引出方向の回転が阻止されるロックベースと、
    を含む構成とした、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のウエビング巻取装置。
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