JP2004195844A - 木材用含浸助剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境汚染の恐れの少ない、高浸透力の木材用含浸助剤を提供する。
【解決手段】炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキシド2〜20モル及びプロピレンオキシド1〜7モルを付加させ、かつ、エチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数である化合物からなることを特徴とする木材用含浸助剤。
本発明に用いる高級アルコールとしては、炭素数8〜20の天然または合成高級アルコールであれば特に制限されない。
【効果】木材改質処理時に用いると、種々の効果を持つ薬剤を木質材中に効率的に浸透させることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材の改質処理時に使用される、高浸透力の木材用含浸助剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、屋外や屋内で使用される木材の耐水性、耐候性、耐虫性、耐腐食性などの改良処理方法として、種々の技術が知られている。
例えば、塗装や薬剤を塗布含浸する方法が知られており、これは最も簡便な方法であるが、木材を根本的に改質するものでないため耐久性に乏しいものである。
【0003】
また、化学修飾法として、▲1▼木材中のヒドロキシル基とアルキレンオキサイド、エピクロルヒドリンなどのオキサイド類を反応しヒドロキシアルキルエーテル化する方法、▲2▼無水酢酸を用いてアセチル化する方法、▲3▼有機酸ハロゲン化物を用いてエステル化する方法、▲4▼無水二塩基酸を用いてカルボキシエステル化する方法などが知られている。
これらの方法により修飾された木材は、用いた各薬剤の効果により、耐虫害性、寸法安定性、外観の美化などの特徴がある一方で、低沸点処理剤の取扱には高価な設備が必要であったり、反応の余剰薬剤や副生物、溶媒などを除去する必要があるので、コストが高くなるという欠点がある。
【0004】
更に、WPC(Wood−Polymer−Composite)化と呼ばれる方法は、不飽和ポリエステル樹脂、メチル(メタ)アクリレートシラップ、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのオリゴマー類、モノマー類を木材に含浸させて木材中で加熱、加圧などの処理により硬化する方法である。
この方法は、薬剤の大部分が硬化物として木材中に存在するため耐水性、寸法安定性などの効果が高い。これらの木材改質処理方法のいずれについても、改質薬剤を内部まで十分浸透させ得る剤が求められるものである。
上記の含浸助剤としては、例えば、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどを原料とするいわゆるアルキルフェノール系エトキシレートや直鎖天然アルコールや、オキソ法などにより合成された分岐鎖を持つ、いわゆる合成アルコールを原料としたエトキシレートが知られている。
【0005】
従来から用いられてきた含浸助剤としては、例えば、炭素数8〜12のアルコールの5〜8モル、エチレンオキサイド付加物やノニルフェノールの8〜10モルエチレンオキサイド付加物を使用している(例えば、特許文献1参照)。
また、エトキシル化オクチルフェノールを使用しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平60-187505号公報(特許請求の範囲、第5〜6頁)
【特許文献2】
特開昭57−82005号公報(特許請求の範囲、第1〜4頁)
【0007】
しかしながら、上記特許文献1等に記載される、いわゆるノニルフェノールまたはオクチルフェノール系界面活性剤については、近年、環境への悪影響が問題とされつつある。また、上記特許文献2等に記載される、高級アルコール系エトキシレートは、環境汚染の問題は少ないが、肝心の木材へのこれらの薬剤の浸透性について、従来のアルキルフェノール系エトキシレートに劣るという課題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、環境汚染の恐れの少ない、高浸透力の木材用含浸助剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等について鋭意研究検討した結果、特定の高級アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドに特定モル数を付加させ、かつ、エチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数である化合物とすることにより、上記目的の木材用含浸助剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の木材用含浸助剤は、炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキシド2〜20モル及びプロピレンオキシド1〜7モルを付加させ、かつ、エチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数である化合物からなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の木材用含浸助剤は、炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキシド2〜20モル及びプロピレンオキシド1〜7モルを付加させ、かつ、エチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数である化合物からなることを特徴とするものである。以下、「%」は質量%である。
【0011】
本発明において、用いる高級アルコールとしては、炭素数8〜20の天然または合成高級アルコールであれば特に制限されないが、例えば、市販のコノール20P(新日本理化社製、天然アルコール)、CO−1214(マックス・ファクター社製、天然混合アルコール)、コノール3OS(新日本理化社製、天然アルコール)、ダイヤドール11(三菱化学社製、合成分岐アルコール)、ダイヤドール13(三菱化学社製、合成分岐アルコール)、ドバノール23(三菱化学社製、合成分岐アルコール)、Exxa113(Exxon社製、合成分岐アルコール)、オキソコール13(協和発酵社製、合成分岐アルコール)などが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0012】
浸透力の点からは、分岐構造を有する原料アルコールを用いるほうが好ましい。特に、炭素数13の分岐合成アルコールであるイソトリデシルアルコールが好ましい。
このイソトリデシルアルコールは、適当な低級オレフィンをオリゴマー化し、かつ引き続きオキソ化(ヒドロホルミル化)及び水添することにより製造される合成高級アルコールである。例えば、イソブチレン、1−ブチレン、2−ブチレンまたはその混合物を触媒を利用し3量化し、プロピレンの場合は触媒により4量化、2−メチル−1−ペンテンは2量化、などの手法により炭素数12を主成分とするオレフィンが得られる。次いで、適当な触媒上でCO及びH2によって同族の炭素数13の分岐アルコールに転化することで製造することができる。
このイソトリデカノールの主成分は、少なくとも3本以上の分岐側鎖を有する第1級C13アルコールであり、一般的には2,4,6,8−テトラメチル−1−ノナノール、または、3,4,6,8−テトラメチル−1−ノナノール、などのテトラメチルノナノールや5−エチル−4,7−ジメチル−1−ノナノールなどのエチルジメチルノナノールに代表されるアルコールである。
【0013】
なお、上記アルコール成分は純粋なイソトリデカノールである必要はなく、むしろ主成分としてイソトリデカノールからなる分岐側鎖を有する炭素数9〜15アルカノールの同族の混合物がより適当である。この同族の混合物は前記の低級オレフィン混合物をオリゴマー化し、次いでオキソ化することにより製造される。このような混合物の典型的な組成は、以下のようなものである。
分岐側鎖を有するC11アルカノール 3〜12%
分岐側鎖を有するC12アルカノール 20〜40%
分岐側鎖を有するC13アルカノール 50〜75%
分岐側鎖を有するC14アルカノール 1〜10%
また、炭素数11の分岐アルコール、例えば、ダイヤドール11を用いた場合、浸透力及び樹脂吸収率に優れており、かつPRTR法(化学物質管理促進法)に基づく届出不要であり、上記に次いで好ましい。
【0014】
本発明では、炭素数8未満の高級アルコールを原料とする場合には、樹脂吸収率で劣ることとなり、また、炭素数20を越える高級アルコールを原料とする場合には、浸透力で劣ることとなり、好ましくない。
【0015】
本発明は、これらの高級アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させた化合物であるが、この付加形式、並びに、付加順序は特に限定されることなく、ランダム、ブロック、ランダム−ブロックのいずれの付加形態も可能である。好ましくは、ハンドリング性の点から、ランダム、またはランダム−ブロック付加形態である。
【0016】
また、付加モル数については、高級アルコール1モルについて、エチレンオキシド(EO)については2〜20モル、プロピレンオキシド(PO)については1〜7モルである。
上記エチレンオキシド2モル未満では、樹脂吸収率で劣り、また、20モルを超えると、浸透力並びに、ハンドリング性の点で劣ることとなる。一方、プロピレンオキシドの付加モル数が1モル未満でも、浸透力に劣り、また、7モルを超えると、やはり樹脂吸収率で劣ることとなり、好ましくない。
【0017】
本発明の木材浸透助剤は、上述の如く、炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキシド(EO)2〜20モル及びプロピレンオキシド(PO)1〜7モルを付加させた化合物であるが、上記付加の際にエチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数であること、(EO付加モル数)>(PO付加モル数)であることが必要である。
このEO、POの付加モル数が(EO付加モル数)≦(PO付加モル数)であると、樹脂吸収率に劣る場合があるので、好ましくない。
本発明では、上述の如く、(EO付加モル数)>(PO付加モル数)とするものであり、好ましくは、EOとPOの比率についても、10/5〜10/2であるほうが、浸透力及び樹脂吸収率の点から更に望ましい。
【0018】
なお、上記付加反応の際のアルキレンオキシドの付加温度は、特に特定されるものではないが、通常80〜200℃の範囲、好ましくは、110〜180℃の範囲である。付加温度が80℃未満では、反応速度低下、反応時間延長によりコストアップし、200℃を超えると設備上、作業者の安全確保が困難であり工業的に適さない。反応圧力は、反応時間、並びに、設備安全面から、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)が好ましい。
【0019】
本発明の木材用含浸助剤が適用可能な木材は、特に制限はなく、例えば、スギ、ベイマツ、オーク、ケヤキ、ヒノキ、トウヒ、スプルース、ツガなどを始めとする針葉樹や広葉樹が挙げられる。
また、本発明の木材用含浸助剤は、好ましくはWPC法に適用されるが、WPC法で使用される薬剤としての合成樹脂については、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル樹脂などのオリゴマー、ポリマーなどが挙げられる。
その他薬剤としては、芳香、防虫、防黴、抗菌を目的に様々な剤が木材中に含浸される。芳香剤としては、例えばハッカ油、テレピン油、ユーカリ油などの天然精油、シネオール、シトラール、カンファなどの天然精油成分、又は合成物などがあり、これらは昆虫忌避効果、防黴効果も併せ有している。
また、防虫剤としては、例えば、ピルトリン類、ピレスロイド系の薬剤があり、忌避剤としてはジエチルトルアミド、シンナミックアセテート、イソボルニルアセテート等が、殺虫剤としてはカルバメート類、燐酸エステル、ホスホン酸エステル、チオ燐酸エステル、チオノ燐酸エステル類、ピレトロイド、エンドスルファン等が使用される。防黴、抗菌剤としてはフェノール類、ハロゲン化フェノール類、サルファ剤、イミダゾール類、チアゾール類、トリアジン類等が使用することができる。これらの薬剤は、水溶液ないし水乳化液の形態で用いられるが、必要に応じ、種々の可塑剤、消泡剤、バインダー、湿潤剤、乳化剤、安定化剤、難燃剤、塗膜ひび割れ防止剤などを適宜配合できる。
【0020】
本発明の含浸助剤は、上述の如く、木材用薬剤の水溶液、水乳化液に添加して用いられるが、該水溶液又は乳化液への添加量は、全量中に0.01〜40%とすることが好ましい。
このように調製した薬剤の水溶液又は水乳化液中に、木材を浸漬し、薬剤を木材内部に浸透させるが、これら水溶液又は水乳化液を木材に塗布する方法を用いることもできる。
なお、本発明の含浸助剤は、乳化剤としての機能も持つので、乳化剤を別途配合しなくても良い場合もあり、あるいは乳化剤の配合量を減少させることができる。
【0021】
このように構成される本発明は、スギ、ベイマツ、オーク、ケヤキ、ヒノキ、トウヒ、スプルース、ツガなどを始めとする針葉樹や広葉樹等に、好適な環境汚染の恐れの少ない、優れた高浸透力を有する木材用含浸助剤となるものである。また、本発明にて得られた木材用含浸助剤は、その構造及び界面化学特性によって、木材用以外の各種分散剤、乳化剤、乳化重合用乳化剤、皮革工業、印刷工業、電気メッキ工業、写真工業、クリーニング工業、食品工業、金属加工工業、紙パルプ工業など各種工業における洗浄用基剤、染色助剤、防着剤、離型剤、潤滑剤、撥水剤、柔軟剤、静電防止剤、充填剤、発泡剤、消泡剤、金属脱脂剤、接着剤、塗料加工剤、水処理剤、農薬用添加剤、作物保護製剤、繊維用精錬剤として、単独または2種以上を併用して使用することも可能である。
【0022】
【実施例】
次に、含浸助剤の合成・構造例を始めとして、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、「%」は、特記しないかぎり質量基準であり、EOとはエチレンオキサイド、POとはプロピレンオキサイドの略である。
【0023】
〔実施例1〜5及び比較例1〜10〕
下記各製造方法により、各炭素数の高級アルコールにEO、POを各モル数付加させた化合物を得た。原料アルコールとしては、炭素数8〜20の天然資源由来の還元直鎖アルコール、分岐合成アルコールを用いた。
【0024】
(実施例1)
EO用、またはPO用、もしくはEOとPOの混合用の計量槽、撹拌機、温度計、窒素導入管並びに減圧管を接続した、オートクレーブにイソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを7g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行った。
その後、120℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを352g(アルコール1モルに対して4モル)とPO232g(アルコール1モルに対して2モル)を均一混合後導入して2時間熟成させランダム付加体を得た。
次いで、EOを441g(アルコール1モルに対して5モル)を導入し、30分間熟成させた。次いで、未反応のEO、POをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し、目的物であるランダム−ブロック付加体を得た。
【0025】
(実施例2)
上記実施例1と同様な反応装置において、イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを5g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行った。その後、120℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを176g(アルコール1モルに対して2モル)とPO116g(アルコール1モルに対して1モル)を均一混合後導入して2時間熟成させ、ランダム付加体を得た。次いで、未反応のEO、POをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し、目的物であるランダム付加体を得た。
【0026】
(実施例3)
上記実施例1と同様な反応装置において、イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを17g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行った。その後、120℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを881g(アルコール1モルに対して10モル)とPO465g(アルコール1モルに対して4モル)を均一混合後導入して2時間熟成させランダム付加体を得た。次いで、EOを881g(アルコール1モルに対して10モル)を導入し、30分間熟成させた。次いで、未反応のEO、POをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し、目的物であるランダム−ブロック付加体を得た。
【0027】
(実施例4)
上記実施例1と同様な反応装置において、イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを21g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行った。その後、180℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを1762g(アルコール1モルに対して20モル)、導入後30分熟成させた。次いで,120℃まで冷却し、0.5Mpa以下の圧力下でPOを813g(アルコール1モルに対して7モル)を導入後2時間熟成させた。次いで、未反応のEO、POをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し、目的物であるブロック付加体を得た。
【0028】
(実施例5)
上記実施例1と同様な反応装置において、オートクレーブにダイヤドール11(三菱化学社製)を350g、及び触媒として40%水酸化カリウムを7g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行い、その後120℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを352g(アルコール1モルに対して4モル)とPO232g(アルコール1モルに対して2モル)を均一混合後導入して2時間熟成させランダム付加体を得た。次いで、EOを441g(アルコール1モルに対して5モル)を導入し、30分間熟成させた。次いで、未反応のEO、POをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し、目的物であるランダム−ブロック付加体を得た。
【0029】
(比較例1)
上記実施例1と同様な装置に、ラウリルアルコール(関東化学社製)を372g、及び触媒として40%水酸化カリウムを1g仕込み、窒素置換後90℃まで昇温し、0.003Mpaで脱水を行った。その後180℃まで昇温し、0.5Mpa以下の圧力下でEOを793g(アルコール1モルに対して9モル)、導入後30分熟成させた。次いで、未反応のEOをトッピングにて除去し、冷却後、触媒と当量の80%酢酸を添加することにより中和し比較物1を得た。
【0030】
(比較例2)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、40%水酸化カリウムを0.9g、EOを793g(アルコール1モルに対して9モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物2を得た。
【0031】
(比較例3)
分岐2級ラウリルアルコール〔商品名ソフタノール、(日本触媒社製)〕を372g、40%水酸化カリウムを0.9g、EOを793gg(アルコール1モルに対して9モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物3を得た。
【0032】
(比較例4)
ステアリルアルコール(関東化学社製)を542g、40%水酸化カリウムを1.1g、EOを881g(アルコール1モルに対して10モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物4を得た。
【0033】
(比較例5)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、40%水酸化カリウムを1.3g、EOを1322g(アルコール1モルに対して15モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物5を得た。
【0034】
(比較例6)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、40%水酸化カリウムを16g、EOを6169g(アルコール1モルに対して70モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物6を得た。
【0035】
(比較例7)
ラウリル/ミリスチル/セチルアルコール〔商品名CO−1214、(マックス・ファクター社製)〕を391g、40%水酸化カリウムを1.3g、EOを793g(アルコール1モルに対して9モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記比較例1と同様な手順・装置により比較物7を得た。
【0036】
(比較例8)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを11g、EOを176g(アルコール1モルに対して2モル)、PO928g(アルコール1モルに対して8モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記実施例2と同様な手順・装置により比較物8を得た。
【0037】
(比較例9)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを43g、EOを1322g(アルコール1モルに対して15モル)、PO928g(アルコール1モルに対して8モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記実施例2と同様な手順・装置により比較物9を得た。
【0038】
(比較例10)
イソトリデシルアルコール〔商品名Exxa113、(Exxon社製)〕を394g、及び触媒として40%水酸化カリウムを29g、EOを2643g(アルコール1モルに対して30モル)、PO812g(アルコール1モルに対して7モル)、触媒と当量の80%酢酸を用いたほかは、上記実施例2と同様な手順・装置により比較物10を得た。
【0039】
得られた実施例1〜5及び比較例1〜10の化合物の構造等について、下記表1に示す。
また、得られた実施例1〜5及び比較例1〜10の化合物を木材用含浸助剤として用い、下記方法により、浸透力、樹脂吸収率について測定し、木材用含浸助剤として評価した。なお、浸透力と樹脂吸収率の両方共に合格する必要がある。
これらの結果を下記表1に示す。
【0040】
(浸透力の評価方法:沈降法にて各種含浸助剤の浸透力を評価)
各化合物の5%、並びに、不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、POLYLITE NA−281)を20%含む水乳化液をビーカーに500ml採取し、乾燥杉材(2×20×20mm)を水乳化液表面上に落とし、木材が沈降するまでの時間を測定した。浸透時間20分以内を合格とした。
【0041】
(樹脂吸収率の評価方法:樹脂の可溶化、保持力を吸収率として評価)
各化合物5%、並びに、不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、POLYLITE NA−281)を20%%含む水乳化液中に乾燥杉材(20×30×100mm)を浸漬し、0.005Mpaの減圧下で30分、0.49MPaの加圧下で30分、減圧・加圧注入を行なった。
次いで、この樹脂含有木材を80℃の熱風ドライヤー内において、半日間加熱乾燥した。浸漬前の木材重量に対する重量増加率を測定し、樹脂吸収率とした。
なお、樹脂吸収率70%以上を合格とした。
【0042】
【表1】
Figure 2004195844
【0043】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜10に較べて、浸透力及び樹脂吸収率に優れていることが判明した。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、環境汚染の恐れの少ない、高浸透力の木材用含浸助剤が提供される。また、本発明の木材用含浸助剤は、木材改質処理時に用いると、種々の効果を持つ薬剤を木質材中に効率的に浸透させることができる。

Claims (1)

  1. 炭素数8〜20の高級アルコールにエチレンオキシド2〜20モル及びプロピレンオキシド1〜7モルを付加させ、かつ、エチレンオキシド付加モル数の方がプロピレンオキシド付加モル数よりも大きい付加モル数である化合物からなることを特徴とする木材用含浸助剤。
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