JP2004193311A - Transformer - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に用いるトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のトランスについて図面を参照しながら説明する。
【0003】
図7は従来のトランスの断面図、図8は同トランスの斜視図、図9は同トランスの分解斜視図である。
【0004】
図7〜図9において、従来のトランスは、巻軸1の中央に貫通孔2を有するとともに上下端に鍔3を有した偏平状の二つのコイルボビン4と、一方のコイルボビン4の巻軸1の外周に巻回した入力巻線5と、他方のコイルボビン4の巻軸1の外周に巻回した出力巻線6と、コイルボビン4の下端の鍔3に植設するとともに入力巻線5および出力巻線6を接続した端子7と、二つの磁脚8の間に中脚9を有した断面E字形状の分割磁心10と平板状の分割磁心10と突合せて形成した閉磁路磁心11とを備えていた。
【0005】
そして、コイルボビン4の貫通孔2に断面E字形状の分割磁心10の磁脚8をそれぞれ組み込むとともに平板状の分割磁心10を突合せてトランスを構成していた。
【0006】
また、断面E字形状の分割磁心10の中脚9は、二つの磁脚8より高さを低くして形成しており、断面E字形状の分割磁心10と平板状の分割磁心10を突合せたときに、中脚9の先端と平板状の分割磁心10との間に磁気ギャップ12を形成していた。
【0007】
そして、中脚9と磁気ギャップ12は、出力巻線6に接続した負荷(図示していない)と出力巻線6に電流が流れたときに、入力巻線5の磁束が出力巻線6に鎖交しない漏れ磁束13を通す漏れ磁路を構成していた。
【0008】
上記従来のトランスは、負荷や出力巻線6に電流が流れていないときは、磁気ギャップ12によって漏れ磁束13を通さず、負荷や出力巻線6に流れる電流の増大にともない漏れ磁路に流れる漏れ磁束13を増やして漏れリアクタンスを大きくした磁束漏洩型のトランスとして用いられていた。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−270441号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、漏れ磁路は平板状の分割磁心10と中脚9の間に磁気ギャップ12を形成しており、磁気ギャップ12は中脚9の高さを二つの磁脚の高さより低くして形成しているので、中脚9と二つの磁脚8を研磨などして高さを合わせたあとに中脚9のみ再度研磨して高さを低くする必要があり、中脚9を二度研磨するだけでなく中脚9のみを研磨するために、作業が煩雑となり生産性が悪くなるといった問題点を有していた。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、磁気ギャップを有した漏れ磁路を形成する際に、分割磁心を研磨して磁気ギャップを形成することをなくして生産性を向上したトランスを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、二つの分割磁心は巻軸部の上下端に鍔を設けるとともに鍔の側面に平面部を形成しており、一方の分割磁心の巻軸部に入力巻線を巻回するとともに他方の分割磁心の巻軸部に出力巻線を巻回し、二つの分割磁心の平面部を突合せて閉磁路を形成しており、入力巻線を巻回した分割磁心は、上下端の鍔の一方の厚みを突合せた他方の分割磁心の鍔の厚みより大きくするとともに上下端の鍔の間隔を突合せた他方の分割磁心の上下端の鍔の間隔より小さくした構成である。
【0015】
上記構成により、入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔が出力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔より小さいので、出力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔より漏れ磁束を通しやすくすることができ、入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔が磁気ギャップとなり、入力巻線を巻回した分割磁心の上端の鍔と磁気ギャップおよび下端の鍔とで漏れ磁路を構成することができる。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔のそれぞれの厚みを突合せた他方の分割磁心の鍔の厚みより大きくした構成である。
【0017】
上記構成により、入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔のそれぞれの厚みを突合せた他方の分割磁心の鍔の厚みより大きくしているので、入力巻線を巻回した分割磁心の間隔をより小さくして入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔の磁気ギャップがより小さくなり、出力巻線の負荷が増大したときに漏れ磁路に漏れ磁束をより通しやすくすることができる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、出力巻線を巻回した分割磁心の巻軸部の断面積を入力巻線を巻回した分割磁心の断面積の巻軸部の断面積より小さくした構成である。
【0019】
上記構成により、出力巻線を巻回した分割磁心の磁気抵抗を入力巻線を巻回した分割磁心の磁気抵抗を大きくして入力巻線の発生した磁束が出力巻線を通りにくくすることができ、出力巻線の負荷が増大したときに漏れ磁路に漏れ磁束をより通しやすくすることができる。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心をMn系のフェライト材で形成した構成である。
【0021】
上記構成により、Mn系のフェライト材はコアロスが小さいので、効率の良いトランスを構成できる。
【0022】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心をNi系のフェライト材で形成した構成である。
【0023】
上記構成により、Ni系のフェライト材は絶縁抵抗が高いので、巻線に入力する電圧または巻線が出力する電圧が高電圧の場合でも巻線と分割磁心の絶縁性を損なうことがなく、高電圧のトランスを構成することができる。
【0024】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心は、一方の分割磁心をMn系のフェライト材で形成し、他方の分割磁心をNi系のフェライト材で形成した構成である。
【0025】
上記構成により、一方の分割磁心をコアロスの小さいMn系のフェライトコア材で形成し、他方の分割磁心を絶縁抵抗の高いNi系のフェライト材で形成しているので、Ni系のフェライト材で形成した分割磁心に高電圧の巻線を巻回すれば、高電圧に対応した効率の良いトランスを構成できる。
【0026】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、特に、入力巻線を巻回した分割磁心をMn系のフェライト材で形成し、出力巻線を巻回した分割磁心をNi系のフェライト材で形成した構成である。
【0027】
上記構成により、出力巻線を巻回した分割磁心を磁気抵抗が大きいNi系のフェライト材で形成し、入力巻線を巻回した分割磁心を磁気抵抗が小さいMn系のフェライト材で形成しているので、入力巻線の発生した磁束が磁気抵抗の大きい出力巻線を巻回した分割磁心を通りにくくなり、漏れ磁路に漏れ磁束をより通しやすくできる。
【0028】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心の少なくとも一方は、平面部を除いて絶縁樹脂で被覆した絶縁層を設けた構成である。
【0029】
上記構成により、巻線と分割磁心との間に絶縁層があるので、巻線と分割磁心の絶縁性を向上することができる。
【0030】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心の少なくとも一方は、巻軸部の断面形状を円形状とした構成である。
【0031】
上記構成により、巻軸部に導線を巻回するときに導線にかかる応力を小さくすることができる。
【0032】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心の少なくとも一方は、巻軸部の断面形状を偏平形状とした構成である。
【0033】
上記構成により、二つの分割磁心を突合せて閉磁路磁心を形成したときの底面積を小さくすることができる。
【0034】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、分割磁心の下端の鍔に、下端の鍔の側面から巻軸部までスリットを形成し、スリットから巻線の引き出し線を引き出した構成である。
【0035】
上記構成により、巻線の巻軸部側の引き出し線を、分割磁心の下端の鍔に形成したスリットを通して引き出せば、巻線と引き出し線のクロスオーバーをなくすことができる。
【0036】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特に、二つの分割磁心の平面部と反対側の下端鍔に、下端鍔の底面を載置する載置部と、載置部と連成するとともに下端鍔の平面部と反対側の側面に巻線の引き出し線を接続する端子を有した厚肉部と、載置部および厚肉部とを連成するとともに下端鍔の側面に沿わせた固定壁とを有した端子板を設けた構成である。
【0037】
上記構成により、端子板に載置部および厚肉部とを連成するとともに下端鍔の側面に沿わせた固定壁を有しているので、分割磁心に端子板を容易に位置決めすることができる。
【0038】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、特に、一方の端子板の載置部と固定壁とを一方の分割磁心の平面部より外方まで設け、一方の端子板の載置部に他方の分割磁心を載置した構成である。
【0039】
上記構成により、一方の磁心を載置した端子板に、他方の分割磁心の下端の鍔を載置するだけで、二つの分割磁心の位置決めを容易に行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態におけるトランスについて図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は本発明の一実施の形態におけるトランスの断面図、図2は同トランスの斜視図、図3は同トランスの分解斜視図である。
【0042】
図1〜図3において、本発明の一実施の形態におけるトランスは、二つの分割磁心21を突合せて閉磁路を形成した閉磁路磁心22と、分割磁心21に絶縁被膜付導線を巻回した巻線23とを備えている。
【0043】
そして、この二つの分割磁心21は巻軸部24の上下端に鍔25を設けるとともに鍔25の側面に平面部26を形成しており、一方の分割磁心21の巻軸部24の外周に絶縁被膜付導線を数ターン程度巻回した入力巻線27を施すとともに他方の分割磁心21の巻軸部24に入力巻線27の導線よりも細い絶縁被膜付導線を千数百ターン程度巻回した出力巻線28を施し、二つの分割磁心21の平面部26を突合せて閉磁路を形成している。
【0044】
また、入力巻線27を巻回した分割磁心21は、上端の鍔25の厚みを突合せた他方の分割磁心21の鍔25の厚みより大きくするとともに上下端の鍔25の間隔を突合せた他方の分割磁心21の上下端の鍔25の間隔より小さくしている。
【0045】
そして、出力巻線28を巻回した分割磁心21の巻軸部24の断面積29を入力巻線27を巻回した分割磁心21の巻軸部24の断面積30より小さくしている。
【0046】
これら、二つの分割磁心21は、入力巻線27を巻回した分割磁心21をMn系のフェライト材で形成し、出力巻線28を巻回した分割磁心21をNi系のフェライト材で形成しており、平面部26を除いた表面を数十μmの厚みの絶縁樹脂(図示していない)で被覆した絶縁層31を設けている。
【0047】
また、二つの分割磁心21の巻軸部24の断面形状を円形状にしている。
【0048】
そして、分割磁心21の下端の鍔25に、下端の鍔25の側面から巻軸部24までスリット32を形成し、スリット32から巻線の引き出し線33を引き出している。
【0049】
さらに、二つの分割磁心21の平面部26と反対側の下端の鍔25には、下端の鍔25の底面を載置する載置部34と、載置部34と連成するとともに下端の鍔25の平面部26と反対側の側面に巻線23の引き出し線33を接続する端子35を有した厚肉部36と、載置部34および厚肉部36と連成するとともに下端の鍔25の側面に沿わせた固定壁37とを有した端子板38を設けている。
【0050】
また、一方の端子板38の載置部34と固定壁37とを一方の分割磁心21の平面部26より外方まで設け、一方の端子板38の載置部34に他方の分割磁心21を載置してトランスを構成したものである。
【0051】
上記構成の本実施の形態のトランスについて以下その動作を説明する。
【0052】
本実施の形態のトランスは、入力巻線27を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔が出力巻線28を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔より小さいので、出力巻線28を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔より漏れ磁束39を通しやすくすることができ、入力巻線27を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔が磁気ギャップ40となり、入力巻線27を巻回した分割磁心21の上端の鍔25と磁気ギャップ40および下端の鍔25とで漏れ磁路を構成して漏れ磁路に漏れ磁束39を流すことができる。
【0053】
また、出力巻線28を巻回した分割磁心21の巻軸部24の断面積29を入力巻線27を巻回した分割磁心21の巻軸部24の断面積30より小さくしているので、出力巻線28を巻回した分割磁心21の磁気抵抗を入力巻線27を巻回した分割磁心21の磁気抵抗より大きくして入力巻線27の発生した磁束が出力巻線28を巻回した分割磁心21を通りにくくすることができ、出力巻線28に接続した負荷が増大したときに漏れ磁路に漏れ磁束39をより通しやすくすることができる。
【0054】
そして、入力巻線27を巻回した分割磁心21をコアロスの小さいMn系のフェライトコア材で形成し、巻数が多く高電圧を出力する出力巻線28を巻回した分割磁心21を絶縁抵抗の大きいNi系のフェライト材で形成しているので、高電圧に対応した効率の良いトランスを構成できる。
【0055】
このとき、特に、出力巻線28を巻回した分割磁心21を形成したNi系のフェライト材は、入力巻線27を巻回した分割磁心21を形成したMn系のフェライト材に比べて磁気抵抗が大きいので、入力巻線27の発生した磁束が磁気抵抗の高い出力巻線28を巻回した分割磁心21を通りにくくなり、漏れ磁路に漏れ磁束39をより通しやすくすることができる。
【0056】
また、二つの分割磁心21は、平面部26を除いた表面を絶縁樹脂で被覆した絶縁層31を設けているので、巻線23と分割磁心21の絶縁性を向上することができる。
【0057】
そして、分割磁心21の巻軸部24の断面形状を円形状にしているので、巻軸部24に導線を巻回するときに導線にかかる応力を小さくすることができる。
【0058】
さらに、分割磁心21の下端の鍔25に、下端の鍔25の側面から巻軸部24までスリット32を形成し、スリット32から巻線23の引き出し線33を引き出しているので、巻線23と引き出し線33のクロスオーバーをなくすことができ、出力巻線28に高電圧を発生したときの出力巻線28と引き出し線33の絶縁破壊を防止できる。
【0059】
また、端子板38に載置部34および厚肉部36とを連成するとともに下端の鍔25の側面に沿わせた固定壁37を有しているので、分割磁心21に端子板38を容易に位置決めすることができる。
【0060】
そして、一方の端子板38の載置部34と固定壁37とを一方の分割磁心21の平面部26より外方まで設け、一方の端子板38の載置部34に他方の分割磁心21を載置しているので、一方の分割磁心21を載置した端子板38に、他方の分割磁心21の下端の鍔25を載置するだけで、二つの分割磁心21の位置決めを容易に行うことができる。
【0061】
次に、上記本実施の形態のトランスを放電灯点灯装置に用いた使用例について図面を参照して説明する。
【0062】
図4は本実施の形態のトランスを放電灯点灯装置に用いた使用例を示す回路図である。
【0063】
同図において、本実施の形態のトランスは、入力巻線27を高周波の低電圧を出力する電源部41に接続し、出力巻線28を放電灯42に接続している。
【0064】
そして、本実施の形態のトランスを電源部41の出力を放電灯42が点灯するために必要な高電圧に昇圧した昇圧トランスを通して用いている。
【0065】
この放電灯点灯装置および本実施の形態のトランスの動作について説明する。
【0066】
放電灯42が点灯開始するまでは放電灯42は開放状態であるので、トランスの閉磁路磁心22には入力巻線27が発生した磁束だけが流れ、閉磁路磁心22の上下端の鍔25との間には間隔が空いているので入力巻線27が発生した磁束は全て出力巻線28を巻回した分割磁心21を通り、出力巻線28に入力巻線27と出力巻線28の巻数比に応じた高電圧が発生し、放電灯42に高電圧が印加されて放電灯42が点灯する。
【0067】
そして、放電灯42が点灯すると、放電灯42と出力巻線28に電流が流れて出力巻線28に入力巻線27が発生した磁束を打ち消す方向に磁束が発生し、入力巻線27が発生した磁束は出力巻線28を巻回した分割磁心21を通りにくくなり、入力巻線27が発生した磁束の一部は、閉磁路磁心22の上下端の鍔の間隔の小さい入力巻線27を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔の磁気ギャップ40を介して上下端の鍔25の間を通るようになり、漏れ磁束39を通した漏れ磁路を構成する。
【0068】
そして、放電灯42が負性特性であるために、放電灯42が点灯すると放電灯42のインピーダンスが減少して放電灯42と出力巻線28に流れる電流が多くなり、これにともない漏れ磁路を通る漏れ磁束39も多くなって漏れ磁束39によるトランスの漏れリアクタンスが増大する。
【0069】
この漏れリアクタンスは、出力巻線28の高電圧の出力を減少させ、放電灯42に過電流が流れることを防止したバラスト素子として機能させることができる。
【0070】
以上のように、本実施の形態のトランスを放電灯42装置に用いれば、放電灯42に過電流が流れることを防止したバラスト素子の機能を備えた昇圧トランスとして用いることができる。
【0071】
このように、本発明の一実施の形態のトランスは、入力巻線27を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔が出力巻線28を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔より小さくしているので、入力巻線27を巻回した分割磁心21の上下端の鍔25の間隔を漏れ磁路の磁気ギャップ40とすることができ、漏れ磁路の磁気ギャップ40を分割磁心21を研磨するなどして形成することをなくすことができ、閉磁路磁心22の形成工程を簡素化してトランスの生産性を向上することができる。
【0072】
また、巻軸部24の上下端に鍔25を有した分割磁心21に直接巻線を巻回しているので、コイルボビンを必要とせず、さらに、漏れ磁路に従来のトランスで必要であった中脚9を必要としないので、トランスをより小型化、薄形化することができる。
【0073】
そして、本発明の一実施の形態のトランスを放電灯点灯装置の昇圧トランスに用いれば、放電灯42のバラスト素子の機能を備えることができ、放電灯点灯装置のバラスト素子をなくすことができる。
【0074】
尚、本実施の形態では、入力巻線27を巻回した分割磁心21は上端の鍔25の厚みを厚くしたもので説明したが、分割磁心の他の形状例を示した図5のように下端の鍔25の厚みを大きくしてもよく、上下端の両方の鍔25の厚みを大きくすればより漏れ磁束39をより通しやすくすることができる。
【0075】
また、入力巻線27を巻回した分割磁心21をMn系のフェライト材で形成し、出力巻線28を巻回した分割磁心21をNi系のフェライト材で形成したもので説明したが、二つの分割磁心21をMn系のフェライト材で形成すれば、Mn系のフェライト材はコアロスが小さいので、効率の良いトランスを構成できる。
【0076】
そして、二つの分割磁心21をNi系のフェライト材で形成すれば、Ni系のフェライト材は絶縁抵抗が大きいので、巻線23に入力する電圧または巻線23が出力する電圧が高電圧の場合でも巻線23と分割磁心21の絶縁性を損なうことがなく、高電圧のトランスを構成することができる。
【0077】
また、分割磁心21の巻軸の断面形状を円形状のもので説明したが、図6の本発明の一実施の形態のトランスの巻軸部の他の形状例を示した平面図に示すように、巻軸部24の断面形状を偏平形状にすれば、二つの分割磁心21を突合せて閉磁路磁心22を形成したときの底面積を小さくすることができ、よりトランスを小型化することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、二つの分割磁心は巻軸部の上下端に鍔を設けるとともに鍔の側面に平面部を形成しており、一方の分割磁心の巻軸部に入力巻線を巻回するとともに他方の分割磁心の巻軸部に出力巻線を巻回し、二つの分割磁心の平面部を突合せて閉磁路を形成しており、入力巻線を巻回した分割磁心は、上下端の鍔の少なくとも一方の厚みを突合せた他方の分割磁心の鍔の厚みより大きくするとともに上下端の鍔の間隔を突合せた他方の分割磁心の上下端の鍔の間隔より小さくした構成である。
【0079】
これにより、入力巻線を巻回した分割磁心の上下端の鍔の間隔で漏れ磁路の磁気ギャップを形成することができ、磁気ギャップを有した漏れ磁路を形成する際に、分割磁心を研磨して磁気ギャップを形成することをなくして生産性を向上したトランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるトランスの断面図
【図2】同トランスの斜視図
【図3】同トランスの分解斜視図
【図4】同トランスを放電灯点灯装置に用いた使用例を示す回路図
【図5】(a)同トランスの分割磁心の他の形状例を示す断面図
(b)同トランスの分割磁心の他の形状例を示す断面図
【図6】同トランスの巻軸部の他の形状例を示した平面図
【図7】従来のトランスの断面図
【図8】同トランスの斜視図
【図9】同トランスの分解斜視図
【符号の説明】
21 分割磁心
22 閉磁路磁心
23 巻線
24 巻軸部
25 鍔
26 平面部
27 入力巻線
28 出力巻線
29 断面積
30 断面積
31 絶縁層
32 スリット
33 引き出し線
34 載置部
35 端子
36 厚肉部
37 固定壁
38 端子板
39 漏れ磁束
40 磁気ギャップ
41 電源部
42 放電灯[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a transformer used for various electronic devices.
[0002]
[Prior art]
Hereinafter, a conventional transformer will be described with reference to the drawings.
[0003]
7 is a sectional view of a conventional transformer, FIG. 8 is a perspective view of the transformer, and FIG. 9 is an exploded perspective view of the transformer.
[0004]
7 to 9, a conventional transformer has two
[0005]
The transformer is constructed by incorporating the magnetic legs 8 of the divided
[0006]
The
[0007]
The
[0008]
In the above conventional transformer, when no current flows through the load or the output winding 6, the leakage flux 13 does not pass through the
[0009]
As prior art document information related to the invention of this application, for example,
[0010]
[Patent Document 1]
JP, 2002-270441, A
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described conventional configuration, the leakage magnetic path forms a
[0012]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems.When forming a leakage magnetic path having a magnetic gap, a transformer that has improved productivity by eliminating the magnetic gap by polishing the divided cores is disclosed. It is intended to provide.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention has the following configuration.
[0014]
In the invention according to
[0015]
According to the above configuration, since the interval between the upper and lower ends of the split core wound around the input winding is smaller than the interval between the upper and lower ends of the split core wound around the output winding, the split core around which the output winding is wound. The gap between the flanges at the upper and lower ends allows the leakage magnetic flux to pass more easily, and the gap between the upper and lower flanges at the upper and lower ends of the split core wound with the input windings becomes a magnetic gap, and the upper end of the split core wound with the input windings And the magnetic gap and the lower end flange can form a leakage magnetic path.
[0016]
The invention according to
[0017]
According to the above configuration, the thickness of each of the upper and lower flanges of the divided core wound with the input winding is set to be larger than the thickness of the flange of the other divided core that is abutted. The magnetic gap between the flanges at the upper and lower ends of the split core with the input winding wound with a smaller spacing is smaller, making it easier for the leakage flux to pass through the leakage magnetic path when the load on the output winding increases. can do.
[0018]
According to a third aspect of the present invention, in the invention according to the first aspect, in particular, the sectional area of the core portion of the divided core wound with the output winding is adjusted to the sectional area of the divided core wound with the input winding. The cross-sectional area is smaller than the cross-sectional area of the winding shaft.
[0019]
With the above configuration, it is possible to increase the magnetic resistance of the split core wound with the input winding by increasing the magnetic resistance of the split core wound with the output winding, thereby making it difficult for the magnetic flux generated by the input winding to pass through the output winding. Thus, when the load on the output winding increases, the leakage magnetic flux can more easily pass through the leakage magnetic path.
[0020]
According to a fourth aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, particularly, the two divided cores are formed of a Mn-based ferrite material.
[0021]
According to the above configuration, since the Mn-based ferrite material has a small core loss, an efficient transformer can be formed.
[0022]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first aspect, the two divided cores are formed of a Ni-based ferrite material.
[0023]
According to the above configuration, the Ni-based ferrite material has a high insulation resistance. Therefore, even when the voltage input to the winding or the voltage output from the winding is high, the insulation between the winding and the split core is not impaired. A voltage transformer can be configured.
[0024]
According to a sixth aspect of the present invention, in the invention according to the first aspect, in particular, in the two divided cores, one divided core is formed of a Mn-based ferrite material, and the other divided core is formed of a Ni-based ferrite material. This is a configuration formed of a ferrite material.
[0025]
According to the above configuration, one of the divided cores is formed of a Mn-based ferrite core material having a small core loss, and the other divided core is formed of a Ni-based ferrite material having a high insulation resistance. By winding a high voltage winding around the divided magnetic core, an efficient transformer corresponding to the high voltage can be constructed.
[0026]
The invention according to
[0027]
According to the above configuration, the split core wound with the output winding is formed of a Ni-based ferrite material having a large magnetic resistance, and the split core wound with the input winding is formed of a Mn-based ferrite material having a small magnetic resistance. As a result, the magnetic flux generated by the input winding is less likely to pass through the split core wound around the output winding having a high magnetic resistance, and the leakage magnetic flux can be more easily passed through the leakage magnetic path.
[0028]
According to an eighth aspect of the present invention, in the first aspect, at least one of the two divided magnetic cores is provided with an insulating layer covered with an insulating resin except for a plane portion. .
[0029]
According to the above configuration, since the insulating layer is provided between the winding and the split core, the insulation between the winding and the split core can be improved.
[0030]
According to a ninth aspect of the present invention, in the first aspect, at least one of the two divided magnetic cores has a configuration in which the cross-sectional shape of the winding shaft portion is circular.
[0031]
According to the above configuration, it is possible to reduce stress applied to the conductor when the conductor is wound around the winding shaft portion.
[0032]
According to a tenth aspect of the present invention, in the first aspect, at least one of the two divided magnetic cores has a configuration in which the cross-sectional shape of the winding shaft portion is flat.
[0033]
According to the above configuration, the bottom area when the closed magnetic circuit core is formed by abutting the two divided magnetic cores can be reduced.
[0034]
According to an eleventh aspect of the present invention, in the invention according to the first aspect, in particular, a slit is formed on a lower end flange of the divided magnetic core from a side surface of the lower end flange to a winding shaft portion, and a winding is formed from the slit. Are drawn out.
[0035]
With the above configuration, if the lead wire on the winding shaft side of the winding is drawn out through the slit formed in the flange at the lower end of the divided magnetic core, crossover between the winding and the drawing wire can be eliminated.
[0036]
The invention according to claim 12 of the present invention is directed to the invention according to
[0037]
According to the above configuration, since the mounting portion and the thick portion are coupled to the terminal plate and the fixed plate is provided along the side surface of the lower end flange, the terminal plate can be easily positioned on the divided magnetic core. .
[0038]
According to a thirteenth aspect of the present invention, in the invention of the twelfth aspect, in particular, the mounting portion and the fixed wall of one of the terminal boards are provided from a plane portion of one of the divided magnetic cores to an outer side. And the other divided magnetic core is mounted on the mounting portion of the terminal plate.
[0039]
According to the above configuration, the positioning of the two divided cores can be easily performed only by placing the flange at the lower end of the other divided core on the terminal plate on which one of the cores is mounted.
[0040]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a transformer according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0041]
FIG. 1 is a sectional view of a transformer according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a perspective view of the transformer, and FIG. 3 is an exploded perspective view of the transformer.
[0042]
1 to 3, a transformer according to an embodiment of the present invention includes a closed
[0043]
The two split
[0044]
The split
[0045]
The sectional area 29 of the
[0046]
These two divided
[0047]
Further, the cross-sectional shape of the winding
[0048]
A
[0049]
Further, the
[0050]
Also, the mounting
[0051]
The operation of the transformer of the present embodiment having the above configuration will be described below.
[0052]
In the transformer of the present embodiment, the interval between the upper and
[0053]
Further, since the cross-sectional area 29 of the
[0054]
The divided
[0055]
At this time, in particular, the Ni-based ferrite material in which the split
[0056]
In addition, since the two divided
[0057]
Since the cross-sectional shape of the winding
[0058]
Further, a
[0059]
Further, since the mounting
[0060]
Then, the mounting
[0061]
Next, an example of use of the transformer of the present embodiment in a discharge lamp lighting device will be described with reference to the drawings.
[0062]
FIG. 4 is a circuit diagram showing a usage example in which the transformer of the present embodiment is used in a discharge lamp lighting device.
[0063]
In the figure, in the transformer of the present embodiment, the input winding 27 is connected to a
[0064]
The transformer of the present embodiment is used through a boosting transformer that boosts the output of the
[0065]
The operation of the discharge lamp lighting device and the transformer of the present embodiment will be described.
[0066]
Since the
[0067]
When the
[0068]
Since the
[0069]
This leakage reactance reduces the output of the high voltage of the output winding 28, and can function as a ballast element that prevents an overcurrent from flowing through the
[0070]
As described above, if the transformer of the present embodiment is used in the
[0071]
As described above, in the transformer according to the embodiment of the present invention, the distance between the
[0072]
In addition, since the winding is wound directly on the divided
[0073]
When the transformer according to the embodiment of the present invention is used for a boosting transformer of a discharge lamp lighting device, the function of the ballast element of the
[0074]
In the present embodiment, the split
[0075]
Also, the
[0076]
If the two divided
[0077]
Although the sectional shape of the winding shaft of the divided
[0078]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the two divided magnetic cores are provided with flanges at the upper and lower ends of the winding shaft portion and form flat portions on the side surfaces of the flange, and the input winding is formed on the winding shaft portion of one of the divided magnetic cores. And the output winding is wound around the winding shaft portion of the other split core, and a closed magnetic path is formed by abutting the flat portions of the two split cores.The split core wound with the input winding is: The thickness of at least one of the upper and lower flanges is set to be larger than the thickness of the other divided magnetic core butted, and the interval between the upper and lower flanges is made smaller than the upper and lower flange of the other divided magnetic core butted. .
[0079]
Thereby, the magnetic gap of the leakage magnetic path can be formed at the interval between the flanges at the upper and lower ends of the divided magnetic core around which the input winding is wound, and when forming the leakage magnetic path having the magnetic gap, the divided magnetic core is formed. It is possible to provide a transformer with improved productivity without polishing to form a magnetic gap.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a transformer according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a perspective view of the transformer. FIG. 3 is an exploded perspective view of the transformer. FIG. FIG. 5A is a cross-sectional view showing another example of the shape of the split core of the transformer. FIG. 5B is a cross-sectional view showing another example of the shape of the split core of the transformer. FIG. 7 is a plan view showing another example of the shape of the winding shaft portion. FIG. 7 is a sectional view of a conventional transformer. FIG. 8 is a perspective view of the transformer. FIG. 9 is an exploded perspective view of the transformer.
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