JP2004191844A - 撮像レンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズ(L1)とメニスカス形状の第2レンズ(L2)とで構成され、第1レンズ(L1)に回折光学素子面を少なくとも1面有し、条件式:0.2<T1/TL<0.7{T1:第1レンズ(L1)の光軸(AX)上での厚み、TL:第1レンズ(L1)の物体側面から第2レンズ(L2)の像側面までの光軸(AX)上での厚み}を満たす。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像レンズに関するものであり、更に詳しくは被写体の映像を固体撮像素子で取り込むデジタル入力機器(デジタルスチルカメラ,デジタルビデオカメラ等)に適した小型の撮像レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、手軽に画像情報をデジタル機器に取り込むことができるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等(以下単に「デジタルカメラ」という。)が個人ユーザーレベルで普及しつつある。このようなデジタルカメラは、今後も画像情報の入力機器として益々普及することが予想される。
【0003】
また、デジタルカメラに搭載されるCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子の小型化が進展してきており、それに伴ってデジタルカメラにも一層の小型化が求められている。このため、デジタル入力機器において最大の容積を占める撮像レンズにも、コンパクト化が強く要望されている。撮像レンズを小型化するには固体撮像素子のサイズを小さくするのが最も容易な方法ではあるが、そのためには受光素子のサイズを小さくする必要があり、固体撮像素子の製造難易度が上がるとともに撮像レンズに要求される性能も高くなる。
【0004】
一方、固体撮像素子のサイズをそのままにして撮像レンズのサイズを小さくすると、必然的に射出瞳位置が像面に近づいてしまう。射出瞳位置が像面に近づくと、撮像レンズから射出された軸外光束が像面に対して斜めに入射するため、固体撮像素子の前面に設けられているマイクロレンズの集光性能が十分に発揮されず、画像の明るさが画像中央部と画像周辺部とで極端に変化するという問題が生じることになる。この問題を解決するために撮像レンズの射出瞳位置を遠くに離そうとすると、どうしても撮像レンズ全体の大型化が避けられなくなる。
【0005】
さらに近年の低価格化競争のため、撮像レンズにも低コスト化の要望が強くなってきている。以上のような要望に対し、固体撮像素子用のレンズ2枚構成の撮像レンズが特許文献1等で提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−183578号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1等で提案されているものの多くは、第1レンズが負のパワーを有し第2レンズが正のパワーを有する構成になっているため、レンズ全長が大きく、コンパクトになっていないという問題がある。また、レンズ2枚構成における色収差の改善が充分でないために、高性能化に対応できないといった問題もある。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、光学性能が良好で低コストかつコンパクトな固体撮像素子用の撮像レンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像レンズは、固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.2<T1/TL<0.7 …(1)
ただし、
T1:第1レンズの光軸上での厚み、
TL:第1レンズの物体側面から第2レンズの像側面までの光軸上での厚み、
である。
【0010】
第2の発明の撮像レンズは、固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
0.05<ΦD×f<0.15 …(2)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f:全系の焦点距離、
である。
【0011】
第3の発明の撮像レンズは、固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする。
0.03<ΦD×f1<0.16 …(3)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。
【0012】
第4の発明の撮像レンズは、上記第1〜第3のいずれか1つの発明の構成において、さらに前記第1レンズの物体側に開口絞りを有することを特徴とする。
【0013】
第5の発明の撮像レンズは、上記第1〜第4のいずれか1つの発明の構成において、前記第1レンズと前記第2レンズが共にプラスチックレンズであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮像レンズの実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1〜図4に、第1〜第4の実施の形態のレンズ構成をそれぞれ光学断面で示す。各実施の形態の撮像レンズはいずれも、固体撮像素子(例えばCCD)に対して光学像を形成する撮像用(例えばデジタルカメラ用)の単焦点レンズである。そして、物体側から順に、開口絞り(ST)と、正の第1レンズ(L1)と、メニスカス形状の第2レンズ(L2)と、のレンズ2枚構成になっており、その像面側には光学的ローパスフィルター等に相当する平行平面板状のガラスフィルター(GF)が配置されている。
【0015】
各実施の形態のレンズ構成を更に詳しく説明する。第1,第2の実施の形態(図1,図2)において、第1レンズ(L1)は両凸形状を有する正のプラスチックレンズ(像側面が回折光学素子面)であり、第2レンズ(L2)は像側に凸面を向けたメニスカス形状を有するプラスチックレンズである。第3,第4の実施の形態(図3,図4)において、第1レンズ(L1)は物体側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正のプラスチックレンズ(物体側面が回折光学素子面)であり、第2レンズ(L2)は像側に凹面を向けたメニスカス形状を有するプラスチックレンズである。また、第1〜第4の実施の形態(図1〜図4)において、すべてのレンズ面(r2〜r5)は非球面である。
【0016】
各実施の形態のように、第1レンズ(L1)を正レンズで構成することにより、レンズ全長を短縮することができる。さらに、回折光学素子が屈折光学素子の表面に設けられた屈折・回折ハイブリッド型レンズを第1レンズ(L1)として用いることにより、色収差を効果的に補正することができる。もし、回折光学素子面を第2レンズ(L2)に有する構成にすると、周辺性能には大きな効果が得られるものの、中心性能にはほとんど効果がないためバランスが悪くなる。これに対し、回折光学素子面を第1レンズ(L1)に有する構成にすると、回折効果を中心性能と周辺性能の両方に作用させることが可能である。また、第2レンズ(L2)がメニスカス形状を有する構成にすると、レンズ前後面でのパワーが逆転しているため、歪曲収差や像面湾曲の悪化を防ぐことができる。したがって、レンズ2枚構成の撮像レンズにおいて、第1レンズ(L1)が正の光学パワー(焦点距離の逆数で定義される量)を有し、第2レンズ(L2)がメニスカス形状を有し、第1レンズ(L1)が回折光学素子面を少なくとも1面有する構成とすることにより、固体撮像素子用の撮像レンズに必要な射出瞳位置,光学性能,コスト,コンパクト性及び製造性を良好にバランスさせることが可能となる。これを効果的に実現するための条件を以下に説明する。
【0017】
まず、各実施の形態の撮像レンズが満足すべき条件式、つまり各実施の形態のようなタイプの撮像レンズにおいて満たすことが望ましい条件式を説明する。ただし、以下に説明する全ての条件式を同時に満たす必要はなく、個々の条件式を光学構成に応じてそれぞれ単独に満足すれば、対応する作用・効果を達成することは可能である。もちろん、複数の条件式を満足する方が、光学性能,小型化,製造・組立等の観点からより望ましいことはいうまでもない。
【0018】
以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
0.2<T1/TL<0.7 …(1)
ただし、
T1:第1レンズ(L1)の光軸(AX)上での厚み、
TL:第1レンズ(L1)の物体側面から第2レンズ(L2)の像側面までの光軸(AX)上での厚み、
である。
【0019】
条件式(1)は、第1レンズ(L1)に関して主にレンズ全長とレンズの製造性とをバランスさせるための条件範囲を規定している。条件式(1)の上限を越えると、収差補正上有利にはなるが、レンズ全長の増大を招くことになる。逆に条件式(1)の下限を越えると、レンズ周辺部の厚みが薄すぎて製造できないといった問題が生じる。
【0020】
以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.05<ΦD×f<0.15 …(2)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f:全系の焦点距離、
である。
【0021】
条件式(2)は、回折光学素子面の光学パワーを全系の焦点距離に対してバランスさせるための条件範囲を規定している。条件式(2)の上限を越えると、回折光学素子の光学パワーが強すぎて色収差の補正が過剰になってしまう。逆に条件式(2)の下限を越えると、回折光学素子の光学パワーが弱すぎて色収差の補正が不足してしまい、高性能化が困難になる。
【0022】
以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.03<ΦD×f1<0.16 …(3)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f1:第1レンズ(L1)の焦点距離、
である。
【0023】
条件式(3)は、回折光学素子面の光学パワーを正の第1レンズ(L1)の焦点距離に対してバランスさせるための条件範囲を規定している。条件式(3)の上限を越えると、回折光学素子の光学パワーが強すぎて色収差の補正が過剰になってしまう。逆に条件式(3)の下限を越えると、回折光学素子の光学パワーが弱すぎて色収差の補正が不足してしまい、高性能化が困難になる。
【0024】
以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
f/|f2|<0.57 …(4)
ただし、
f:全系の焦点距離、
f2:第2レンズ(L2)の焦点距離、
である。
【0025】
条件式(4)は、メニスカス形状の第2レンズ(L2)に関して主に歪曲収差と像面湾曲を適切に補正するための条件範囲を規定している。条件式(4)の上限を越えると、歪曲収差と像面の倒れが大きくなり、撮像レンズとして実用に耐えられなくなる。
【0026】
各実施の形態のように、第1レンズ(L1)の物体側に開口絞り(ST)を有することが望ましい。第1レンズ(L1)の物体側に開口絞り(ST)を配置することによって、射出瞳位置をより遠くにすることが可能になる。また、各実施の形態にはプラスチックレンズと非球面が用いられているが、第1レンズ(L1)と第2レンズ(L2)は共にプラスチックレンズで構成されることが望ましく、第1レンズ(L1)と第2レンズ(L2)はそれぞれ非球面を少なくとも1面有することが望ましい。2枚のレンズ(L1,L2)を共にプラスチックレンズで構成することは、撮像レンズの低コスト化を達成する上で有効である。2枚のレンズ(L1,L2)の両方にそれぞれ非球面を少なくとも1面設けることは、球面収差,コマ収差及び歪曲収差の補正に大きな効果がある。
【0027】
各実施の形態において、第1レンズ(L1)は屈折作用と回折作用との組み合わせで入射光線を偏向させる屈折・回折ハイブリッド型レンズから成っており、第2レンズ(L2)は入射光線を屈折作用により偏向させる屈折型レンズ(つまり、異なる屈折率を有する媒質同士の界面で偏向が行われるタイプのレンズ)から成っている。そして、第1,第2レンズ(L1,L2)はいずれも均質素材レンズである。しかし、本発明に係る撮像レンズにおいて使用可能なレンズは均質素材レンズに限らない。例えば、入射光線を媒質内の屈折率分布により偏向させる屈折率分布型レンズ等を用いてもよい。ただし、媒質内で屈折率が変化する屈折率分布型レンズは、その複雑な製法がコストアップを招くため、本発明に係る撮像レンズでは2枚のレンズ(L1,L2)として均質素材レンズを用いることが望ましい。
【0028】
第1レンズ(L1)に設けられている回折光学素子面は、ブレーズド化(鋸状)されたものであることが望ましい。回折光学素子面をブレーズド化することによって、回折効率を向上させることができる。回折光学素子面をブレーズド化する方法としては、半導体製造技術等を用いて鋸形状をステップ形状で近似して製作する方法(バイナリーオプティクス),精密な切削加工により製作された金型でガラス又はプラスチック材料を成型する方法,ガラスレンズ上に形成された樹脂層に対して回折光学素子面の成型を行う方法等が挙げられる。
【0029】
また各実施の形態において、光学的なパワーを有しない面(例えば、反射面,屈折面,回折面)を光路中に配置することにより、撮像レンズの前,後又は途中で光路を折り曲げてもよい。折り曲げ位置は必要に応じて設定すればよく、光路の適正な折り曲げにより、撮像レンズが搭載されるデジタル入力機器(デジタルカメラ等)の見かけ上の薄型化やコンパクト化を達成することが可能である。また、開口絞り(ST)のほかに不要光をカットするための光束規制板等を必要に応じて配置してもよい。
【0030】
各実施の形態の撮像レンズは、デジタル入力機器用の小型撮像レンズとしての使用に適しており、これを光学的ローパスフィルターや固体撮像素子と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像レンズ装置を構成することができる。撮像レンズ装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラ{例えば、デジタルカメラ;ビデオカメラ;デジタルビデオユニット,パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,ペン型スキャナー,携帯電話,携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等に内蔵又は外付けされるカメラ}の主たる構成要素であり、例えば、物体(被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像レンズと、光学的ローパスフィルターと、撮像レンズにより形成された光学像を電気的な信号に変換する固体撮像素子と、で構成される。
【0031】
したがって、上述した各実施の形態には以下の構成を有する発明(I)〜(V)が含まれており、その構成により、良好な光学性能を有し低コストでコンパクトな撮像レンズ装置を実現することができる。そして、これをデジタルカメラ等に適用すれば、当該カメラの高性能化,高機能化,低コスト化及びコンパクト化に寄与することができる。
(I) 光学像を形成する撮像レンズと、その撮像レンズにより形成された光学像を電気的な信号に変換する固体撮像素子と、を備えた撮像レンズ装置であって、前記撮像レンズが、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとのレンズ2枚で構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、前記条件式(1)〜(4)のうちの少なくとも1つを満足することを特徴とする撮像レンズ装置。
(II) さらに前記第1レンズの物体側に開口絞りを有することを特徴とする上記(I)記載の撮像レンズ装置。
(III) 前記第1レンズと前記第2レンズが共にプラスチックレンズであることを特徴とする上記(I)又は(II)記載の撮像レンズ装置。
(IV) 前記第1レンズと前記第2レンズが共に均質素材レンズであることを特徴とする上記(I)〜(III)のいずれか1つに記載の撮像レンズ装置。
(V) 前記第1レンズと前記第2レンズがそれぞれ非球面を少なくとも1面有することを特徴とする上記(I)〜(IV)のいずれか1つに記載の撮像レンズ装置。
【0032】
固体撮像素子としては、例えば複数の画素から成るCCDやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等が用いられ、撮像レンズにより形成された光学像は固体撮像素子により電気的な信号に変換される。撮像レンズで形成されるべき光学像は、固体撮像素子の画素ピッチにより決定される所定の遮断周波数特性を有する光学的ローパスフィルターを通過することにより、電気的な信号に変換される際に発生するいわゆる折り返しノイズが最小化されるように、空間周波数特性が調整される。固体撮像素子で生成した信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が施されて、デジタル映像信号としてメモリー(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号に変換されたりして他の機器に伝送される。
【0033】
なお、撮像レンズの最終面と固体撮像素子との間に配置される光学的ローパスフィルターは、各実施の形態ではガラスフィルター(GF)で構成されているが、使用されるデジタル入力機器に応じたものであればよい。例えば、所定の結晶軸方向が調整された水晶等を材料とする複屈折型ローパスフィルターや、必要とされる光学的な遮断周波数の特性を回折効果により達成する位相型ローパスフィルター等が適用可能である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施した撮像レンズを、コンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜4は、前述した第1〜第4の実施の形態にそれぞれ対応しており、第1〜第4の実施の形態を表すレンズ構成図(図1〜図4)は、対応する実施例1〜4のレンズ構成をそれぞれ示している。各実施例のコンストラクションデータにおいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面の曲率半径(mm)、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の軸上面間隔(mm)を示しており、Ni(i=1,2,3),νi(i=1,2,3)は物体側から数えてi番目の光学要素のd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)を示している。また、fは全系の焦点距離(mm)、FNOはFナンバーを示している。表1に、各条件式で規定されるパラメータに対応する値を各実施例について示す。
【0035】
曲率半径riに*印が付された面は、非球面形状の屈折光学面又は非球面と等価な屈折作用を有する面であり、非球面の面形状を表わす以下の式(AS)で定義される。また、曲率半径riに#印が付された面は、回折光学素子で構成された回折光学素子面であり、回折光学素子のピッチの位相形状を表す以下の式(DS)で定義される。各非球面の非球面データ及び各回折光学素子面の回折面データを他のデータとあわせて示す。なお、各実施例において式(DS)による設計波長:587.56nm,設計次数:+1次での回折光学素子面の光学パワーΦDは、式:ΦD=-2・C1で表される。
【0036】
X(H)=(C0・H2)/{1+√(1-ε・C02・H2)}+Σ(Ai・Hi) …(AS)
ただし、式(AS)中、
X(H):高さHの位置での光軸(AX)方向の変位量(面頂点基準)、
H:光軸(AX)に対して垂直な方向の高さ、
C0:近軸曲率(=1/曲率半径)、
ε:2次曲面パラメータ、
Ai:i次の非球面係数(Ai=0の場合のデータは省略する。)、
である。
【0037】
φ(H)=(2π/λ0)・(C1・H2+C2・H4+C3・H6+…) …(DS)
ただし、式(DS)中、
φ(H):位相関数、
H:光軸(AX)に対して垂直な方向の高さ、
λ0:設計波長、
C1,C2,C3,…,Ci:2次,4次,6次,…,2i次の位相係数(Ci=0の場合のデータは省略する。)、
である。
【0038】
図5〜図8は、実施例1〜実施例4に対応する収差図であり、図5〜図8中、(A)は球面収差図,(B)は非点収差図,(C)は歪曲収差図である。球面収差図において、一点鎖線(d)はd線、実線(g)はg線、破線(c)はc線に対する各球面収差量を、近軸像面からの光軸(AX)方向のズレ量(横軸,単位:mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値を表している。非点収差図において、破線(DM)はメリディオナル像面、実線(DS)はサジタル像面を、近軸像面からの光軸(AX)方向のズレ量(横軸,単位:mm)で表しており、縦軸は像高(Y',単位:mm)を表している。歪曲収差図において、横軸は歪曲(%)、縦軸は像高(Y',単位:mm)を表している。
【0039】
《実施例1》
【0040】
【0041】
【0042】
《実施例2》
【0043】
【0044】
【0045】
《実施例3》
【0046】
【0047】
【0048】
《実施例4》
【0049】
【0050】
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光学性能が良好で低コストかつコンパクトな固体撮像素子用の撮像レンズを実現することができる。そして、本発明に係る撮像レンズを携帯電話搭載のカメラやデジタルカメラ等のデジタル入力機器に用いれば、当該機器の高性能化,高機能化,低コスト化及びコンパクト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。
【図2】第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。
【図3】第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成図。
【図4】第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成図。
【図5】実施例1の収差図。
【図6】実施例2の収差図。
【図7】実施例3の収差図。
【図8】実施例4の収差図。
【符号の説明】
ST …開口絞り
L1 …第1レンズ
L2 …第2レンズ
GF …ガラスフィルター
AX …光軸
Claims (5)
- 固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ;
0.2<T1/TL<0.7 …(1)
ただし、
T1:第1レンズの光軸上での厚み、
TL:第1レンズの物体側面から第2レンズの像側面までの光軸上での厚み、
である。 - 固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ;
0.05<ΦD×f<0.15 …(2)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f:全系の焦点距離、
である。 - 固体撮像素子に像を形成するレンズ2枚構成の撮像レンズであって、物体側から順に正の第1レンズとメニスカス形状の第2レンズとで構成され、前記第1レンズに回折光学素子面を少なくとも1面有し、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする撮像レンズ;
0.03<ΦD×f1<0.16 …(3)
ただし、
ΦD:回折光学素子面の光学パワー、
f1:第1レンズの焦点距離、
である。 - さらに前記第1レンズの物体側に開口絞りを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
- 前記第1レンズと前記第2レンズが共にプラスチックレンズであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
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