JP2004191602A - 画像形成材料及びその使用方法、並びに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】透湿性の低い層を有する電子写真用受像シートを予め加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理を行うことにより予め適切な水分量に除去された画像形成材料の提供、該画像形成材料を防湿包装し、使用時に開封して使用するための使用方法及び画像形成方法の提供。
【解決手段】支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である画像形成材料、該画像形成材料を防湿包装する画像形成材料の使用方法である。該画像形成材料を用いて、画像形成した後、加熱加圧処理することを特徴とする画像形成方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である画像形成材料、該画像形成材料を防湿包装する画像形成材料の使用方法である。該画像形成材料を用いて、画像形成した後、加熱加圧処理することを特徴とする画像形成方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成材料及びその使用方法、並びに画像形成方法に関し、更に詳述すると、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理を行った場合でもブリスターの発生を抑制し得、光沢度に優れた高画質な画像形成が可能である、画像形成材料及びその使用方法、並びに該画像形成材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成材料中の水分が画像形成時や該画像形成後の加熱加圧処理においてブリスターが発生する等の問題を解決し得、高画質な画像を得るため、画像形成前に紙の水分含有量を予め低下させておく方法が提案されている(例えば、特許文献1〜6等参照)。
【0003】
前記特許文献1には、電子写真装置における給紙トレイの下部に電源安定化装置を配置し、該電源安定化装置から発生する熱を用紙の加熱に用いることによって用紙の除湿処理を行う画像形成装置における用紙の除湿装置が提案されている。
前記特許文献2には、電子写真装置の定着部で発生する高温の空気を利用して、該空気を給紙トレイに送り込み、記録シート周辺に吹き付けることにより記録シート全体を乾燥させる電子写真記録装置が提案されている。
前記特許文献3には、空気を除湿フィルターに通して給紙トレイ内に送り込み、給紙トレイ内の温度及び湿度をセンサーにより検知して、制御を行うことができる電子写真記録装置が提案されている。
前記特許文献4には、画像形成前に電子写真機内に設けた加熱ローラを通過させることにより加熱除湿処理を行う方法が提案されている。
前記特許文献5及び6には、低温高湿度である電子写真用受像シートの温度をセンサーで検知することにより定着温度を制御する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1〜6のいずれにおいても、透湿性の低い層を有する画像形成材料の場合においては脱湿が徐々に進行するため、有効な水分除去を行うことはできない。また、前記特許文献1〜3に記載の加熱処理方法のみでは、画像形成材料内の水分を有効に除去することは困難であると共に、一旦電源を給止した状態においては再度吸湿が進んでしまうという問題がある。前記特許文献4〜6に記載の加熱除湿処理方法の場合には、処理時間が短すぎるため、特に、透湿性の低い層を有する画像形成材料の場合には水分を有効に除去し難いという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−348098号公報
【特許文献2】
特開平7−199775号公報
【特許文献3】
特開平5−346717号公報
【特許文献4】
特開平11−322116号公報
【特許文献5】
特開平7−114291号公報
【特許文献6】
特開平7−281550号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理を行った場合でもブリスターの発生を抑制し得、光沢度に優れた高画質な画像形成が可能である、画像形成材料及びその有効な使用方法、並びに該画像形成材料を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下であることを特徴とする画像形成材料である。
<2> 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた前記<1>に記載の画像形成材料である。
<3> 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなることを特徴とする画像形成材料である。
<4> 加熱除湿処理が、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度で行われる前記<2>又は<3>に記載の画像形成材料である。
<5> 加熱除湿処理が、温度100℃以下で1時間以上の条件下に保管されることにより行われる前記<2>又は<3>に記載の画像形成材料である。
<6> 脱湿処理が、画像形成材料と除湿剤とを密閉条件下で同居させることにより行われる前記<2>から<5>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<7> 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた後、防湿包装される前記<2>から<6>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<8> 支持体が、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙及びラミネート紙から選ばれる前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<9> 支持体が、その片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙である前記<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<10> 画像形成材料が、電子写真材料、感熱発色材料、インクジェット記録材料、昇華転写受像材料、銀塩写真感光材料及び熱転写受像材料から選ばれる少なくともいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料を、使用時まで防湿包装しておき、開封して用いることを特徴とする画像形成材料の使用方法である。
<12> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料を用いて、画像形成した後、加熱加圧処理することを特徴とする画像形成方法である。
<13> 前記加熱加圧処理が、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で行われる前記<12>に記載の画像形成方法である。
<14> 加熱加圧手段と、冷却装置と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、80℃以下の温度に冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離する前記<12>又は<13>に記載の画像形成方法である。
<15> 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<14>に記載の画像形成方法である。
<16> 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<14>に記載の画像形成方法である。
<17> 前記フルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する前記<15>又は<16>に記載の画像形成方法である。
【0008】
本発明においては、更に下記の態様も好ましい。
<18> 画像形成材料が、JIS Z 0208に準拠した透湿量50g/m2・24hr以下の層を少なくとも一層有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<19> 20度最低光沢度が60以上の画像形成プリントが得られる前記<12>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
【0009】
本発明の第1の態様に係る画像形成材料は、画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である。また、本発明の第2の態様に係る画像形成材料は、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなる。その結果、画像形成材料中の画像形成開始時における水分含有量が適正化され、高温での画像形成時又は加熱加圧処理時においてもブリスター等の発生を抑制することができ、定着性が良好であり、高光沢度、低レリーフが達成でき、電子写真材料、感熱発色材料、インクジェット記録材料、昇華転写受像材料、銀塩写真感光材料、熱転写受像材料などの各種画像形成材料として幅広く適用可能な画像形成材料を提供することができる。
【0010】
本発明の画像形成材料の使用方法は、前記本発明の画像形成材料を防湿包装することによって、使用直前に該包装を開封して使用することにより、高温での画像形成時及び加熱加圧処理時の少なくともいずれかの場合においてもブリスター等の発生を抑制させ、高光沢性、低レリーフ性の良好な画像を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(画像形成材料)
本発明の画像形成材料は、第1の態様として、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である。
前記画像形成開始時における水分含有量は5.8%以下が好ましく、4.5%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
前記画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%を超えると、画像形成材料を高温で画像形成時や加熱加圧処理時にブリスターが発生し、光沢度に優れた高画質画像が得られない。
前記画像形成開始時は、必ずしも画像形成が開始される直前でなくてもよく、例えば、防湿包装などの包装がなされた画像形成材料を開封した直後、給紙トレイに装填した直後、加熱除湿処理の直後、脱湿処理の直後などであっても構わない。
【0012】
ここで、前記水分含有量は、JIS P 8127に準拠して測定することができる。
前記画像形成材料の水分含有量は、上記範囲を満たさない場合には、後述する加熱除湿処理又は脱湿処理を行うことにより達成される。なお、画像形成材料の水分含有量は、給紙トレイに装填されるまで、後述する防湿処理により維持されるが、画像形成材料が透湿性の低い層を有する場合には、吸湿も徐々に進行することから必ずしも防湿処理を行う必要はない。
このような透湿性の低い層を有する画像形成材料の透湿量は、好ましくは50g/m2・24hr以下であり、より好ましくは、15g/m2・24hr以下であり、更に好ましくは、4g/m2・24hr以下であり、特に好ましくは、0.5g/m2・24hr以下である。
【0013】
本発明の画像形成材料は、第2の態様として、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなる。
なお、前記加熱除湿処理と脱湿処理とは、それぞれ単独で行ってもよいし、両者を併用して用いても構わない。
【0014】
−加熱除湿処理−
前記加熱除湿処理としては、前記画像形成材料中の水分含有量を6.5%以下にすることができる処理であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、タイマー付きの加熱乾燥機を用いる方法、減圧乾燥機を用いる方法、減圧加熱乾燥機を用いる方法などがある。
前記加熱除湿処理における加熱温度は、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度が好ましい。前記加熱温度が画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点を超えると、画像形成能を悪化させる場合があり好ましくない。
具体的な加熱条件は、画像形成層に用いる熱可塑性樹脂に応じて異なり一概には規定できないが、温度100℃以下で1時間以上の条件が好ましく、温度60℃以下で6時間以上の条件がより好ましく、温度40℃以下で16時間以上の条件が更に好ましい。
【0015】
−脱湿処理−
前記脱湿処理としては、前記画像形成材料中の水分含有量を6.5%以下にすることができる処理であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、デシケーターや包装材料中等の密閉空間中において、除湿剤と画像形成材料とを同居させる方法、などが挙げられる。
前記除湿剤としては、水分を吸着できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定でき、例えば、シリカ、塩化カルシウム、塩化無水カルシウム、塩化マグネシウム、生石灰、等が挙げられる。
【0016】
−防湿包装−
前記加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われて水分が除去された画像形成材料は、その後、防湿包装されることが、画像形成材料の吸湿を防止する点で好ましい。なお、前記脱湿処理と防湿包装と併用して同時に行うこともできる。即ち、防湿包装中に除湿剤と画像形成材料とを同居させることにより、使用するまでの間に脱湿することができる。
前記防湿包装としては、画像形成材料の吸湿を抑制できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定でき、例えば、「バリアー包装の開発動向」(1999年、東洋紡パッケージング・プラン・サービス社)p18に記載の包装材料、具体的には、アルミニウム蒸着膜を有する包装材料や塩化ビニル樹脂等防湿性を付与したプラスチックフィルムを有する包装材料等、を用いて画像形成材料を密封包装する方法等が挙げられる。
【0017】
前記防湿包装材料の透湿量としては、好ましくは、50g/m2・24hr以下であり、より好ましくは、15g/m2・24hr以下であり、更に好ましくは、4g/m2・24hr以下であり、特に好ましくは、0.5g/m2・24hr以下である。例えば、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートの透湿量は、約1g/m2・24hrである。
【0018】
前記画像形成材料は、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含有する画像形成層を有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0019】
<支持体>
前記支持体としては、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられる。これらの支持体は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。これらの中でも、片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙が、平滑光沢性の点で好ましい。
【0020】
−原紙−
前記原紙の原料としては、支持体に使用されるものとして公知の原紙に使用されるものを特に制限なく、各種の材料から選ぶことができる。例えば、針葉樹、広葉樹から選ばれる天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。
【0021】
前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
パルプ繊維は、繊維長のもともと短い広葉樹パルプを主体に使用することが適当である。
パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、必要に応じて、各種添加材、例えば、填料や、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
【0022】
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス等や、更には、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物等が挙げられる。
【0023】
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダや、炭酸ソーダ等が挙げられる。その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
また、必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。柔軟化剤については、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)に記載がある。
【0024】
表面サイズ処理に使用される処理液には、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、耐水性物質、顔料、pH調整剤、染料、蛍光増白剤などが含まれていてもよい。水溶性高分子としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
原紙の材料の例としては、上記した天然パルプ紙の他に、合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプの混抄紙、更には、各種の抄き合わせ紙を上げることができる。
【0026】
上記のような原紙は、画像形成材料の剛性及び寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。Ea/Eb値が1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、画像形成材料の剛性や、カール性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになるため、好ましくない。
【0027】
本発明においては、原紙の画像形成層側表面の王研式平滑度は、210秒以上、好ましくは、250秒以上である。王研式平滑度が、210秒未満であると、トナー画像の画質が不良となり、好ましくない。なお、上限は、特に限定されるものではないが、実際上、600秒程度、好ましくは、500秒程度が適当であろう。
ここで、王研式平滑度は、JAPAN TAPPI No.5 B法で準拠した平滑度である。
【0028】
一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なることが分かっており、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率を下記の式より求めることができる。
E=ρc2(1−n2)
〔E:動的弾性率、ρ:密度、c:紙中の音速、n:ポアソン比〕
【0029】
また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記の式で計算しても大差なく、算出することができる。
E=ρc2
即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
【0030】
前記原紙の厚みは、通常、30〜500μm、好ましくは50〜300μm、より好ましくは100〜250μmであることが適当である。原紙の坪量は、例えば、好ましくは50〜250g/m2、より好ましくは100〜200g/m2の範囲にあることが好ましい。
【0031】
前記原紙としては、具体的には、上質紙や、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。
【0032】
前記原紙には、表面に所望の中心線平均粗さを付与するために、例えば、特開昭58−68037号公報に開示されているように、繊維長分布(例えば、24メッシュスクリーン残留分と、42メッシュスクリーン残留分との合計が、例えば、20質量%〜45質量%で、かつ24メッシュスクリーン残留分が5質量%以下)のパルプ繊維を使用するのが好ましい。また、マシンカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することにより、中心線平均粗さを調整することができる。
【0033】
−合成紙−
前記合成紙は、セルロース以外のポリマー繊維を主成分とする紙であり、前記ポリマー繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、などが挙げられる。
【0034】
−合成樹脂シート(フィルム)−
前記合成樹脂シート(フィルム)としては、合成樹脂をシート状に成形したもの等が挙げられ、例えば、ポリプロピレン、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリエステルフイルム、延伸ポリエステル、ナイロンフイルム、延伸により白色にしたフィルム、白色顔料を含む白色フィルムなどが挙げられる。
【0035】
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり(図1の構成III及び構成IV参照)、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
【0036】
原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。
【0037】
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業社製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂、等が挙げられる。
【0038】
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂層の厚みとしては、5〜100μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。表面に設けられる熱可塑性樹脂層と、裏面に設けられる熱可塑性樹脂層は、成分や、物性、厚み、構成について同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0039】
また、前記熱可塑性樹脂層には、増白剤や、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
【0040】
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である(図2の構成V及び構成VI参照)。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
【0042】
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。前記ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。
【0043】
本発明の画像形成材料としては、例えば、電子写真用受像シート、インクジェット受像材料、銀塩写真感光材料、熱転写受像材料、感熱発色材料及び昇華転写受像材料から選ばれる少なくともいずれかに好適に用いられる。以下、各画像形成材料の内容について詳細に説明する。
【0044】
<電子写真用受像シート>
前記電子写真用受像シートは、前記支持体の少なくとも一面には熱可塑性樹脂を含有するトナー受像層が設けられる。
ここで、前記支持体上にトナー受像層を設けた電子写真受像シートとしては、図1及び図2に示した構成I〜構成VIIの態様などが挙げられる。
例えば、原紙(構成I)、合成紙(構成II)、両面コート紙(構成IV)、両面ラミネート紙(構成VI)、フィルム(構成VII)については、それぞれ片面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層、他の片面にその他の樹脂を塗工又はラミネートした層を設けたもの、両面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層を設けたものが挙げられる。
片面コート紙(構成III)及び片面ラミネート紙(構成V)については、上記のようなそれぞれ片面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層、他の片面にその他の樹脂を塗工又はラミネートした層を設けたもの、及び両面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層を設けたもの、以外に、片面コート紙及び片面ラミネート紙を逆向きとしたものが挙げられる。
【0045】
前記トナー受像層は、熱可塑性樹脂を含有し、カラーや黒トナーを受容し、画像を形成するためのトナー受像層である。該トナー受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にて現像ドラム或いは中間転写体より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、定着時等の温度条件下で変形可能であり、トナーを受容し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーのバインダー樹脂と同系の樹脂が好ましい。前記トナーの多くにおいてポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂が用いられているので、この場合、前記電子写真用受像シートに用いられる熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を用いるのが好ましく、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を20質量%以上含有するのがより好ましく、また、スチレン、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体なども好ましい。
【0046】
前記熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、(イ)エステル結合を有する樹脂、(ロ)ポリウレタン樹脂等、(ハ)ポリアミド樹脂等、(ニ)ポリスルホン樹脂等、(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等、(ヘ)ポリビニルブチラール等、(ト)ポリカプロラクトン樹脂等、(チ)ポリオレフィン樹脂等、などが挙げられる。
【0047】
前記(イ)エステル結合を有する樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報に記載のものなどが挙げられる。
【0048】
前記ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等が挙げられる。
前記アクリル樹脂の市販品としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールSE−5437、SE−5102、SE−5377、SE−5649、SE−5466、SE−5482、HR−169、124、HR−1127、HR−116、HR−113、HR−148、HR−131、HR−470、HR−634、HR−606、HR−607、LR−1065、574、143、396、637、162、469、216、BR−50、BR−52、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117;積水化学工業製エスレックP SE−0020、SE−0040、SE−0070、SE−0100、SE−1010、SE−1035;三洋化成工業ハイマーST95、ST120;三井化学製FM601等が挙げられる。
【0049】
前記(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂、等が挙げられる。
前記(ヘ)ポリビニルブチラール等としては、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂、等が挙げられる。市販品としては、電気化学工業(株)製、積水化学(株)製等が挙げられる。前記ポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラール含有量が70質量%以上、平均重合度500以上のものが好ましく、平均重合度1000以上のものがより好ましい。
市販品としては、電気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、4000−2、5000A、6000C;積水化学(株)製エスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−S、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BX−1、BX−7、等が挙げられる。
前記(ト)ポリカプロラクトン樹脂等としては、更に、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、等が挙げられる。
前記(チ)ポリオレフィン樹脂等としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂、等が挙げられる。
【0050】
前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上でもよく、これらに加えて、これらの混合物、これらの共重合体等も使用することができる。
【0051】
前記熱可塑性樹脂としては、前記トナー受像層を形成した状態で後述のトナー受像層物性を満足できるものが好ましく、樹脂単独でも前述のトナー受像層物性を満足できるものがより好ましく、前述のトナー受像層物性の異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
【0052】
前記熱可塑性樹脂としては、トナーに用いられている熱可塑性樹脂に比べて分子量が大きいものが好ましい。ただし、該分子量はトナーに用いられている熱可塑性樹脂と、前記トナー受像層に用いられている樹脂との熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記トナー受像層に用いられている樹脂の軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記トナー受像層に用いられている樹脂の方が小さいことが好ましい場合がある。
前記熱可塑性樹脂として、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。また、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量との関係としては、特開平8−334915号公報に開示されている関係が好ましい。
前記熱可塑性樹脂の分子量分布としては、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いものが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特公平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、特開平8−334915号公報、特開平8−334916号公報、特開平9−171265号公報、特開平10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0053】
前記トナー受像層に使用される熱可塑性樹脂としては、以下の(i)〜(ii)の理由により、水可溶性樹脂、水分散性樹脂等の水系樹脂であるのが特に好ましい。
(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出が無く、環境適性、作業適性に優れる。
(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定でかつ製造工程適性優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)を得易い。
【0054】
前記水系樹脂としては、水溶性樹脂、水分解性樹脂であれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態を特定するものではない。ポリマーの水系化基の例としては、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、又はエーテル基等が挙げられる。
前記水溶性樹脂の例としては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
具体的には、例えば、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性アクリル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂を使用することができる。また、ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした所謂脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用いることも好ましい。市販品では水溶性ポリエステルとして瓦応化学工業(株)製の各種プラスコート、大日本インキ化学工業製ファインテックスESシリーズ、水溶性アクリルとして日本純薬製ジュリマーATシリーズ、大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96、星光化学工業製ハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
【0055】
また、水分散性樹脂としては、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン系樹脂、水分散ウレタン樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン、上記(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を水分散した樹脂やエマルジョン、或いは、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性樹脂の市販品としては、例えば、ポリエステル系では東洋紡製バイロナールシリーズや、高松油脂製ペスレジンAシリーズ、花王製タフトンUEシリーズ、日本合成ポリエスターWRシリーズ、ユニチカ製エリエールシリーズ、アクリル系では星光化学工業製ハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬製ジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
用いるポリマーの成膜温度(MFT)は、プリント前の保存に対しては、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100℃以下が好ましい。
【0056】
本発明においては、前記熱可塑性樹脂として、下記(1)〜(4)の特性を満たす自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。これは、界面活性剤を使用しない自己分散型なので、高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、定着時のオフセット発生、保存時のシート間接着故障の発生を抑制できる。また、水系であるため環境性、作業性に優れている。更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーがトナー受像層に埋め込まれて十分な高画質が達成可能となる。
(1)数平均分子量(Mn)は5000〜10000が好ましく、5000〜7000がより好ましい。
(2)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は≦4が好ましく、Mw/Mn≦3がより好ましい。
(3)ガラス転移温度(Tg)は40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
(4)体積平均粒子径は20〜200nmφが好ましく、40〜150mmφがより好ましい。
【0057】
前記熱可塑性樹脂の、前記トナー受像層における含有量としては、10〜90質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
【0058】
前記トナー受像層には、上記熱可塑性樹脂以外の成分としては、前記トナー受像層の光透過率を前記数値範囲内に容易に調節し、特に受像層の白色度を調節可能である点で、顔料・染料等の着色剤が好適に挙げられ、特に顔料が好適に挙げられる。またこのほか、前記その他の成分としては、トナー受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、可塑剤、離型剤又は滑り剤、マット剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、乳化物、分散物等が挙げられる。
【0059】
−着色剤−
前記着色剤としては、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知の蛍光増白剤が特に制限なく各種使用することができる。該蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を好適に挙げることができる。具体的には、スチルベン系化合物や、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。それらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B、Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。
【0060】
前記白色顔料としては、無機顔料(酸化チタン、炭酸カルシウム他)を用いることができる。有色顔料としては、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及びアゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイエロ、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ系;クロモフタルイエロ、クロモフタルレッド)、多環式顔料(フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレット、イソインドリノン系;イソインドリノンイエロ、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ、レーキ顔料(マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又無機顔料(酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシウム、硅酸塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、紺青等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記顔料としては、特に酸化チタンが好ましい。
【0061】
前記染料としては、公知の種々の染料を用いることができる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。水不溶性染料の具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55等の油溶性染料が有る。
【0062】
また、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好ましく用いることができる。
【0063】
前記着色剤の、前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m2)としては、0.1〜8g/m2が好ましく、0.5〜5g/m2がより好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2に満たないと、受像層における光透過率が高くなり、一方、8g/m2を超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が悪いことがある。
【0064】
−離型剤−
前記離型剤は、トナー受像層のオフセットを防ぐため、トナー受像層に配合されるもので、定着温度において加熱・融解し、トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は限定されない。
このような作用効果を奏する離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。好ましくは、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、及びシリコーン粒子並びにポリエチレンワックス粒子からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。
【0065】
具体的には、前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」や、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、同2949558号、特開昭50−117433号、同52−52640号、同57−148755号、同61−62056号、同61−62057号、同61−118760号、特開平2−42451号、同3−41465号、同4−212175号、同4−214570号、同4−263267号、同5−34966号、同5−119514号、同6−59502号、同6−161150号、同6−175396号、同6−219040号、同6−230600号、同6−295093号、同7−36210号、同7−43940号、同7−56387号、同7−56390号、同7−64335号、同7−199681号、同7−223362号、同7−287413号、同8−184992号、同8−227180号、同8−248671号、同8−248799号、同8−248801号、同8−278663号、同9−152739号、同9−160278号、同9−185181号、同9−319139号、同9−319143号、同10−20549号、同10−48889号、同10−198069号、同10−207116号、同11−2917号、同11−44969号、同11−65156号、同11−73049号、同11−194542号各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックス(但し、天然ワックスを除く)も好ましく用いることができる。また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。
【0066】
具体的には、シリコーン系化合物としては、シリコーンオイルとして無変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルシロキサンオイルや、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、市販品として信越化学工業製KF−96、KF−96L、KF−96H、KF−99、KF−50、KF−54、KF−56、KF−965、KF−968、KF−994、KF−995、HIVAC F−4、F−5;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH200、SH203、SH490、SH510、SH550、SH710、SH704、SH705、SH7028A、SH7036、SM7060、SM7001、SM7706、SH7036、SH8710、SH1107、SH8627;東芝シリコーン製TSF400、TSF401、TSF404、TSF405、TSF431、TSF433、TSF434、TSF437、TSF450シリーズ、TSF451シリーズ、TSF456、TSF458シリーズ、TSF483、TSF484、TSF4045、TSF4300、TSF4600、YF33シリーズ、YF−3057、YF−3800、YF−3802、YF−3804、YF−3807、YF−3897、XF−3905、XS69−A1753、TEX100、TEX101、TEX102、TEX103、TEX104、TSW831、など)、アミノ変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−857、KF−858、KF−859、KF−861、KF−864、KF−880、東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8417、SM8709、東芝シリコーン製TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TEX150、TEX151、TEX154など)、カルボキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製BY16−880、東芝シリコーン製TSF4770、XF42−A9248など)、カルビノール変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF42−B0970など)、ビニル変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF40−A1987など)、エポキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8411、SF8413;東芝シリコーン製TSF3965、TSF4730、TSF4732、XF42−A4439、XF42−A4438、XF42−A5041、XC96−A4462、XC96−A4463、XC96−A4464、TEX170など)、ポリエーテル変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−351(A)、KF−352(A)、KF−353(A)、KF−354(A)、KF−355(A)、KF−615(A)、KF−618、KF−945(A);東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH3746、SH3771、SF8421、SF8419、SH8400、SF8410;東芝シリコーン製TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4453、TSF4460など)、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8427、SF8428、東芝シリコーン製TSF4750、TSF4751、XF42−B0970など)、アルキル変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8416、東芝シリコーン製TSF410、TSF411、TSF4420、TSF4421、TSF4422、TSF4450、XF42−334、XF42−A3160、XF42−A3161など)、フッ素変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製FS1265、東芝シリコーン製FQF501など)、シリコーンゴムやシリコーン微粒子(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH851U、SH745U、SH55UA、SE4705U、SH502UA&B、SRX539U、SE6770U−P、DY38−038、DY38−047、トレフィルF−201、F−202、F−250、R−900、R−902A、E−500、E−600、E−601、E−506、BY29−119;東芝シリコーン製トスパール105、120、130、145、240、3120など)、シリコーン変性樹脂(具体的には、オレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などやこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した化合物など、市販品として大日精化製ダイアロマーSP203V、SP712、SP2105、SP3023;日本油脂製モディパーFS700、FS710、FS720、FS730、FS770;東亜合成化学製サイマックUS−270、US−350、US−352、US−380、US−413、US−450、レゼダGP−705、GS−30、GF−150、GF−300;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH997、SR2114、SH2104、SR2115、SR2202、DCI−2577、SR2317、SE4001U、SRX625B、SRX643、SRX439U、SRX488U、SH804、SH840、SR2107、SR2115;東芝シリコーン製YR3370、TSR1122、TSR102、TSR108、TSR116、TSR117、TSR125A、TSR127B、TSR144、TSR180、TSR187、YR47、YR3187、YR3224、YR3232、YR3270、YR3286、YR3340、YR3365、TEX152、TEX153、TEX171、TEX172など)、反応性シリコーン化合物(具体的には、付加反応型や、過酸化物硬化型、紫外線硬化型があり、市販品として東芝シリコーン製TSR1500、TSR1510、TSR1511、TSR1515、TSR1520、YR3286、YR3340、PSA6574、TPR6500、TPR6501、TPR6600、TPR6702、TPR6604、TPR6700、TPR6701、TPR6705、TPR6707、TPR6708、TPR6710、TPR6712、TPR6721、TPR6722、UV9300、UV9315、UV9425、UV9430、XS56−A2775、XS56−A2982、XS56−A3075、XS56−A3969、XS56−A5730、XS56−A8012、XS56−B1794、SL6100、SM3000、SM3030、SM3200、YSR3022など)などが挙げられる。
【0067】
前記フッ素化合物としては、フッ素オイル(市販品としてダイキン工業製ダイフロイル#1、#3、#10、#20、#50、#100、ユニダインTG−440、TG−452、TG−490、TG−560、TG−561、TG−590、TG−652、TG−670U、TG−991、TG−999、TG−3010、TG−3020、TG−3510;トーケムプロダクツ製MF−100、MF−110、MF−120、MF−130、MF−160、MF−160E;旭硝子製サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145;三井フロロケミカル製FC−430、FC−431など)、フッ素ゴム(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製LS63Uなど)、フッ素変性樹脂(市販品として日本油脂製モディパーF200、F220、F600、F2020、F3035;大日精化製ダイアロマーFF203、FF204;旭硝子製サーフロンS−381、S−383、S−393、SC−101、SC−105、KH−40、SA−100;トーケムプロダクツ製EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、EF−601、TFE、TFEA、TFEMA、PDFOH;住友3M製THV−200Pなど)、フッ素スルホン酸化合物(市販品としてトーケムプロダクツ製EF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−135M、EF−305、FBSA、KFBS、LFBSなど)、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物や塩(具体的には無水フッ酸、稀フッ酸、ホウフッ酸、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化ニッケル、ホウフッ化錫、ホウフッ化鉛、ホウフッ化銅、ケイフッ酸、フッ化チタン酸カリウム、パーフルオロカプリル酸、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなど)、無機フッ化物(具体的にはフッ化アルミニウム、ケイフッ化カリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化亜鉛4水和物、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化錫、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、六フッ化リン酸アンモニウム、六フッ化リン酸カリウムなど)などが挙げられる。
【0068】
前記ワックスとしては、石油ワックスとして、パラフィンワックス(市販品として日本精鑞製パラフィンワックス155、150、140、135、130、125、120、115、HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−14G、SP−0160、SP−0145、SP−1040、SP−1035、SP−3040、SP−3035、NPS−8070、NPS−L−70、OX−2151、OX−2251、EMUSTAR−0384、EMUSTAR−0136;中京油脂製セロゾール686、428、651−A、A、H−803、B−460、E−172、866、K−133、ハイドリンD−337、E−139;日石三菱石油製125°パラフィン、125°FD、130°パラフィン、135°パラフィン、135°H、140°パラフィン、140°N、145°パラフィン、パラフィンワックスMなど);マイクロクリスタリンワックス(市販品として日本精鑞製Hi−Mic−2095、Hi−Mic−3090、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1070、Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、EMUSTAR−0001、EMUSTAR−042X;中京油脂製セロゾール967、M;日石三菱石油製155マイクロワックス、180マイクロワックスなど);ペトロラタム(市販品として日本精鑞製OX−1749、OX−0450、OX−0650B、OX−0153、OX−261BN、OX−0851、OX−0550、OX−0750B、JP−1500、JP−056R、JP−011Pなど);フィッシャートロプシュワックス(市販品として日本精鑞製FT100、FT−0070など);酸アミド化合物或いは酸イミド化合物(具体的には、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなど、市販品として中京油脂製セロゾール920、B−495、ハイミクロンG−270、G−110、ハイドリンD−757など);変性ワックスとしてアミン変性ポリプロピレン(市販品として三洋化成製QN−7700)、アクリル酸変性やフッ素変性、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−6010、HAD−5090など);アルコール型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−9210、NPS−9215、OX−1949、XO−020Tなど)などが挙げられる。
水素化ワックスとして硬化ヒマシ油(市販品として伊藤製油製カスターワックスなど)、ヒマシ油誘導体(市販品として伊藤製油製の脱水ヒマシ油DCO、DCO Z−1、DCO Z−3、ヒマシ油脂肪酸CO−FA、リシノレイン酸、脱水ヒマシ油脂肪酸DCO−FA、脱水ヒマシ油脂肪酸エポキシエステルD−4エステル、ヒマシ油系ウレタンアクリレートCA−10、CA−20、CA−30、ヒマシ油誘導体MINERASOL S−74、S−80、S−203、S−42X、S−321、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸MINERASOL RC−2、RC−17、RC−55、RC−335、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸エステルMINERASOL LB−601、LB−603、LB−604、LB−702、LB−703、#11、L−164、など)、ステアリン酸(市販品として伊藤製油製の12−ヒドロキシステアリン酸など)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸(市販品として伊藤製油製のセバシン酸など)、ウンデシレン酸(市販品として伊藤製油製のウンデシレン酸など)、ヘプチル酸(市販品として伊藤製油製のヘプチル酸など)、マレイン酸、高度マレイン化油(市販品として伊藤製油製のHIMALEIN DC−15、LN−10、00−15、DF−20、SF−20など)、吹込油(市販品として伊藤製油製のセルボノール#10、#30、#60、R−40、S−7など)、シクロペンタジエン化油(市販品として伊藤製油製のCPオイル、CPオイル−Sなど)などの合成ワックス等が挙げられる。
【0069】
前記天然ワックスとしては、植物系ワックス及び鉱物系ワックスの少なくともいずれかであるのが好ましく、特に植物系ワックスが好ましい。また該天然ワックスとしては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型ワックスが好ましい。
【0070】
前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス(市販品として日本精鑞製EMUSTAR−0413、中京油脂製セロゾール524など)、ヒマシ油(市販品として伊藤製油製精製ヒマシ油など)、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油、動物系ワックスとして蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、及び、羊毛蝋等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
【0071】
前記鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン等の天然ワックスや、脂肪酸エステル(市販品として新日本理化製サンソサイザーDOA、AN−800、DINA、DIDA、DOZ、DOS、TOTM、TITM、E−PS、nE−PS、E−PO、E−4030、E−6000、E−2000H、E−9000H、TCP、C−1100など)、合成炭化水素としてポリエチレンワックス(市販品として中京油脂製ポリロンA、393、H−481;三洋化成製サンワックスE−310、E−330、E−250P、LEL−250、LEL−800、LEL−400Pなど)、ポリプロピレンワックス(市販品として三洋化成製ビスコール330−P、550−P、660−P)等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のモンタンワックスが特に好ましい。
【0072】
前記天然ワックスの前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m2)としては、0.1〜4g/m2が好ましく、0.2〜2g/m2が好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがある一方、4g/m2を超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
【0073】
前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
【0074】
前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。無機マット剤の材料としては、具体的には、酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガラスが挙げられる。
【0075】
前記無機マット剤としては、例えば、西独特許2529321号、英国特許760775号、同1260772号、米国特許1201905号、同2192241号、同3053662号、同3062649号、同3257206号、同3322555号、同3353958号、同3370951号、同3411907号、同3437484号、同3523022号、同3615554号、同3635714号、同3769020号、同4021245号、同4029504号の各明細書に記載されたものが挙げられる。
【0076】
前記有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれる。
以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
【0077】
前記コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
有機マット剤としては、例えば、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μm、好ましくは、4〜30μmであることが適当である。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m2、好ましくは、0.02〜0.3g/m2であることが適当である。
【0078】
本発明のトナー受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体や、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。また、これらは、反応性の置換基を有していてもよい。
【0079】
前記離型剤の融点(℃)としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
また前記離型剤としては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型の離型剤が好ましい。
【0080】
前記離型剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。
【0081】
−可塑剤−
前記可塑剤としては、公知の樹脂用の可塑剤を特に制限なく使用することができる。該可塑剤は、トナーを定着する時の熱及び圧力の少なくともいずれかによって、トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
【0082】
前記可塑剤は、高沸点有機溶剤や熱溶剤などとして記載されているものもあるが、例えば、特開昭59−83154号、同59−178451号、同59−178453号、同59−178454号、同59−178455号、同59−178457号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、特開平2−235694号各公報等に記載されているようなエステル類(例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類など)、アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類など)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類などの化合物が挙げられる。
前記可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。
【0083】
前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。この場合、該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量が15000以下、好ましくは、5000以下であるものが適当である。また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであることが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。
更に、オリゴマーも可塑剤として用いることができる。上記に挙げた化合物以外にも市販品として、例えば、旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−1430;C.P.HALL社製品PARAPLEX−G−25、G−30、G−40;理化ハーキュレス製品エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085等が挙げられる。
【0084】
前記可塑剤は、例えば、電子写真の場合には、トナー粒子がトナー受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性などの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分などの物質収支による歪み等)を緩和するために任意に使用することができる。
前記可塑剤は、トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
【0085】
−フィラー−
前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、前記フィラーとして、各種無機フィラー(又は顔料)を用いることができる。無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。フィラーとしては、特に、シリカや、アルミナが好ましい。これらのフィラーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。
【0086】
前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。シリカの平均粒径としては、4〜120nmが好ましく、4〜90nmがより好ましい。
前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。多孔質シリカの平均孔径は、50〜500nmが好ましい。また、多孔質シリカの質量当りの平均孔容積は、例えば、0.5〜3ml/gが好ましい。
【0087】
前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。アルミナの平均粒径としては、4〜300nmが好ましく、4〜200nmがより好ましい。アルミナは、多孔質であるのが好ましい。多孔質アルミナの平均孔径としては、50〜500nmが好ましい。多孔質アルミナの質量当りの平均孔容積としては、0.3〜3ml/g程度が好ましい。
【0088】
前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
前記フィラーは、添加する層のバインダーの乾燥質量に基づいて、5〜2000質量%であることが好ましい。
【0089】
−架橋剤−
前記架橋剤は、トナー受像層の保存安定性や、熱可塑性等を調整するために配合することができる。このような架橋剤としては、反応基としてエポキシ基や、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。
【0090】
前記架橋剤としては、これとは別に、水素結合や、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤や、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。カップリング剤の例としては、例えば、クロロシラン類や、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
【0091】
−帯電制御剤−
本発明のトナー受像層には、トナーの転写や、付着等を調整したり、トナー受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
トナーが負電荷を有する場合、トナー受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
導電性金属酸化物としては、例えば、ZnOや、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等を挙げることができる。これらの導電性金属酸化物は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物で使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素を更に含有させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
【0093】
−その他の添加剤−
本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良、またトナー受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。この目的のための添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤等が挙げられる。
【0094】
前記酸化防止剤としては、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。なお、酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報などに記載されている。
【0095】
前記老化防止剤としては、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。
【0096】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許第3533794号明細書記載)、4−チアゾリドン化合物(米国特許第3352681号明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報記載)が挙げられる。
【0097】
前記金属錯体としては、例えば、米国特許第4241155号、同第4245018号、同第4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、同62−174741号、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74272号等の各公報に記載されているものが適当である。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用いられる。
【0098】
本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、上述したように公知の写真用添加剤を添加することができる。写真用添加剤としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、RDと略記する)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.307105(1989年11月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめて示す。
【0099】
〔トナー受像層の諸物性〕
前記トナー受像層は、定着部材との定着温度における180度剥離強さが、0.1N/25mm以下、更に好ましくは、0.041N/25mm以下であることが適当である。180度剥離強さは、定着部材の表面素材を用い、JIS K6887に記載の方法に準拠して測定することができる。
前記トナー受像層は、白色度が高いのが好ましい。該白色度としては、JISP 8123に準拠した方法で測定して、85%以上が好ましい。また、440nm〜640nmの波長域で、分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内が好ましい。更には、400nm〜700nmの波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内がより好ましい。
また、前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L*a*b*)色空間において、L*値が80以上であるのが好ましく、85以上であるのが好ましく、90以上であるのがより好ましい。また、白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。白色色味としては、L*a*b*空間において、(a*)2+(b*)2の値が50以下であるのが好ましく、18以下であるのがより好ましく、5以下であるのが更に好ましい。
【0100】
前記トナー受像層としては、光沢性が高いのが好ましい。光沢度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、45度光沢度が60以上であるのが好ましく、75以上であるのがより好ましく、90以上であるのが更に好ましい。
但し、光沢度は110以下であることが好ましい。110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。
尚、前記光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定することができる。
【0101】
前記トナー受像層は、平滑性が高いのが好ましい。該平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが更に好ましい。
なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
【0102】
前記トナー受像層は、以下の項目の内の1項目の物性を有することが好ましく、更に好ましくは、複数の項目、最も好ましくは、全ての項目の物性を有することが適当である。
(1)トナー受像層のTm(溶融温度)が30℃以上、トナーのTm+20℃以下である。
(2)トナー受像層の粘度が1×105CPになる温度が、40℃以上、トナーのそれより低い。
(3)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、1×102〜1×105Pa、損失弾性率(G”)が、1×102〜1×105Paである。
(4)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/G’)が、0.01〜10である。
(5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G”)に対して、−50〜+2500である。
(6)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜角が、50度以下、特に40度以下である。
また、トナー受像層としては、特許第2788358号明細書、特開平7−248637号公報、同8−305067号公報、同10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0103】
前記(1)の物性は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。前記(2)〜(3)の物性は、例えば、島津製作所製フローテスターCFT−500又は500Dを用いて測定することができる。前記(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザーRADII)を用いて測定することができる。前記(8)の物性は、協和界面科学(株)製の接触角測定装置を用い、特開平8−334916号公報に開示した方法で測定することができる。
【0104】
前記トナー受像層としては、1×106〜1×1015Ω/cm2の範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有するのが好ましい。
前記表面抵抗が1×106Ω/cm2未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある一方、表面電気抵抗が、1×1015Ω/cm2を超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。
【0105】
尚、前記支持体に対し、トナー受像層と反対側の面の表面電気抵抗としては、5×108〜3.2×1010Ω/cm2が好ましく、1×109〜1×1010Ω/cm2がより好ましい。
本発明において、前記表面電気抵抗の測定は、JIS K 6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。
【0106】
〔その他の層〕
前記その他の層としては、例えば、表面保護層、バック層、中間層、密着改良層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、及び、平滑化層等が挙げられる。これらの層は、単層構成であってもよく、2以上の層より構成されていてもよい。
【0107】
−表面保護層−
前記表面保護層は、本発明の電子写真用受像シートにおける表面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で、前記トナー受像層の表面に設けることができる。該表面保護層は、1層であってもよいし、2層以上の層からなっていてもよい。表面保護層には、バインダーとして各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、前記トナー受像層と同種の樹脂を用いるのが好ましい。但し、熱力学的特性や、静電特性等は、トナー受像層と同じである必要はなく、各々最適化することができる。
【0108】
前記表面保護層には、トナー受像層に使用可能な、前述の各種の添加剤を配合することができる。特に、前記表面保護層には、本発明で使用する離型剤と共に、他の添加剤、例えば、マット剤等を配合することができる。なお、前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。
本発明の電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。
【0109】
−バック層−
前記バック層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、機器通過性改良等の目的で、支持体に対して、トナー受像層の反対側に設けられるのが好ましい。
前記バック層の色としては、特に制限はないが、本発明の電子写真用受像シートが、裏面にも画像を形成する両面出力型受像紙の場合、バック層も白色であることが好ましい。白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
また、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー受像層側と同様であってもよい。バック層には、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、特にマット剤や、帯電調整剤等を配合することが適当である。バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。
【0110】
−密着改良層等−
前記密着改良層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、支持体及びトナー受像層の密着性を改良する目的で、形成するのが好ましい。密着改良層には、前述の各種の添加剤を配合することができ、特に架橋剤を配合するのが好ましい。また、本発明の電子写真用受像シートには、トナーの受容性を改良するため、該密着改良層及びトナー受像層の間に、更にクッション層等を設けるのが好ましい。
【0111】
−中間層−
前記中間層は、例えば、支持体及び密着改良層の間、密着改良層及びクッション層の間、クッション層及びトナー受像層の間、トナー受像層及び保存性改良層との間等に形成することができる。もちろん、支持体、トナー受像層、及び、中間層からなる電子写真用受像シートの場合には、中間層は、例えば、支持体及びトナー受像層の間に存在させることができる。
【0112】
なお、本発明の前記電子写真用受像シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、50〜350μmが好ましく、100〜280μmがより好ましい。
【0113】
<トナー>
本発明の電子写真用受像シートは、印刷又は複写の際に、トナー受像層にトナーを受容させて使用される。
前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて離型剤、その他の成分を含有する。
【0114】
−トナー 結着樹脂−
前記結着樹脂としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミドなどのビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸などのビニルカルボン酸類;ビニル系モノマーの単独重合体やその共重合体、更には各種ポリエステル類を使用することができ、各種ワックス類を併用することも可能である。
これらの樹脂の中で、特に本発明のトナー受像層に用いたものと同一系統の樹脂を用いるのが好ましい。
【0115】
−トナー 着色剤−
前記着色剤としては、通常トナーに用いられているものを制限なく使用することができ、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料が挙げられる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。これら着色剤は1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
着色剤の含有量は、2〜8質量%の範囲が好ましい。着色剤の含有量が2質量%以上であれば着色力が弱くなることもなく、一方、8質量%以下であれば、透明性が損なわれることもないので好ましい。
【0116】
−トナー 離型剤−
前記離型剤としては、原理的には、公知のワックス全てが使用可能であるが、比較的低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン化合物など窒素を含有する極性ワックスなどが特に有効である。ポリエチレンワックスについては分子量が1000以下のものが特に有効であり、300〜1000の範囲がより好ましい。
【0117】
前記ウレタン結合を有する化合物は、低分子量であっても極性基による凝集力の強さにより、固体状態を保ち、融点も分子量のわりには高く設定できるので好適である。分子量の好ましい範囲は300〜1000である。原料は、ジイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせ、モノイソシアン酸とモノアルコールとの組み合わせ、ジアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせなど、種々の組み合わせを選択することができが、高分子量化させないために、多官能基と単官能基の化合物を組み合わせることが好ましく、また等価の官能基量となるようにすることが重要である。
【0118】
具体的な、原料化合物のうちモノイソシアン酸化合物としては、例えば、イソシアン酸ドデシル、イソシアン酸フェニル及びその誘導体、イソシアン酸ナフチル、イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸アリルなどが挙げられる。
ジイソシアン酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸4、4’ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなどが挙げられる。
モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなど極く一般的なアルコール類を使用することが可能である。
原料化合物のうちジアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコールなど多数のグリコール類;トリアルコール類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、トリメタノールエタンなどが使用可能であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。
【0119】
これらのウレタン化合物類は、通常の離型剤のように、混練時に樹脂や着色剤とともに混合して、混練粉砕型トナーとしても使用できる。また、前記の乳化重合凝集溶融法トナーに用いる場合には、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱してホモジナイザーや圧力吐出型分散機で強い剪断をかけて微粒子化し、1μm以下の離型剤粒子分散液を調製し、樹脂粒子分散液、着色剤分散液などとともに用いることができる。
【0120】
−トナー その他の成分−
また、本発明のトナーには、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子等のその他の成分を配合することができる。内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。
【0121】
前記帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミや、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。なお、凝集、溶融時の安定性に影響するイオン強度の制御や、廃水汚染を減少する観点から水に溶解しにくい材料が好ましい。
【0122】
前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常、トナー表面の外添剤を全て使用で、それらをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。
【0123】
更に、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子分散、離型剤分散、凝集、更には、それらの安定化などに界面活性剤を用いることができる。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、また、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。その際の分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
【0124】
なお、前記トナーには、必要に応じて更に外添剤を添加してもよい。前記外添剤としては、無機粉末及び有機粒子等が挙げられる。前記無機粒子としては、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を例示することができる。また、前記有機粒子としては、脂肪酸又はその誘導体や、これ等の金属塩等の粉末、フッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂粉末を用いることができる。これらの粉末の平均粒径は、例えば、0.01〜5μm、好ましくは、0.1〜2μmであることが適当である。
【0125】
前記トナーの製造方法は、特に制限されないが、(i)樹脂粒子を分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、(ii)前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び(iii)前記付着粒子を加熱し融合してトナー粒子を形成する工程、とを含むトナーの製造方法により製造することが好ましい。
【0126】
−トナー物性等−
本発明のトナーの体積平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好ましい。前記トナーの体積平均粒子径が小さすぎると、トナーのハンドリング(補給性、クリーニング性、流動性等)に悪影響が生じる場合があり、また、粒子生産性が低下する場合がある。一方、トナーの体積平均粒子径が大きすぎると、粒状性、転写性に起因する画質、解像度に悪影響を与える場合がある。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ体積平均粒度分布指数(GSDv)が1.3以下であることが好ましい。
前記体積平均粒度分布指数(GSDv)と数平均粒度分布指数(GSDn)との比(GSDv/GSDn)は少なくとも0.95が好ましい。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ下記式で表される形状係数の平均は1.00〜1.50が好ましい。
形状係数=(π×L2)/(4×S)
(但し、Lはトナー粒子の最大長、Sはトナー粒子の投影面積を示す。)
トナーが上記条件を満たす場合には、画質、特に、粒状性、解像度に効果があり、また、転写に伴う抜けやブラーが生じにくく、平均粒径が小さくなくてもハンドリング性に悪影響が出にくくなる。
【0127】
なお、トナー自体の150℃における貯蔵弾性率G’(角周波数10rad/secで測定)は、10〜200Paであることが、定着工程での画質向上とオフセット性の防止の面から適当である。
【0128】
<銀塩写真感光材料>
前記銀塩写真感光材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくともYMCに発色する画像形成層を設けた構成を有し、焼付露光されたハロゲン化銀写真用シートを複数の処理槽内を浸漬しながら通過することにより、発色現像、漂白定着、水洗を行い、乾燥するハロゲン化銀写真方式、等が挙げられる。
【0129】
<熱転写受像材料>
前記熱転写材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくとも熱発色層を設けた構成を有し、感熱ヘッドによる加熱と紫外線による定着の繰り返しにより画像を形成するサーモオートクローム方式(TA方式)において用いられる感熱発色材料等が挙げられる。
【0130】
<感熱発色材料>
前記感熱発色材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくとも画像形成層としての熱溶融性インク層を設けた構成を有し、感熱ヘッドにより加熱して熱溶融性インク層からインクを感熱転写記録用受像シート上に溶融転写する方式などが挙げられる。
【0131】
<昇華転写受像材料>
前記昇華転写受像材料としては、前記支持体上に、少なくとも熱拡散性色素(昇華性色素)を含有するインク層を設けた構成を有し、感熱ヘッドにより加熱してインク層から熱拡散性色素を感熱転写記録受像シート上に転写する昇華転写方式などが挙げられる。
【0132】
<インクジェット記録材料>
前記インクジェット記録用材料としては、例えば、前記支持体上に、水性インク(色剤として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印画に供する固体状インク等を受容できる前記色剤受容層を有する。
【0133】
(画像形成材料の使用方法)
本発明の画像形成材料の使用方法は、防湿包装された前記画像形成材料を使用直前に開封し、使用することにより、高温での画像形成時及び加熱加圧処理時の少なくともいずれかの場合においてもブリスター等の発生を抑制することが可能であり、定着性が良好で、これまでにない光沢度と低レリーフである高画質な画像形成プリントを提供することができる。
【0134】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、前記本発明の画像形成材料を用いて画像形成した後、加熱加圧処理する。
なお、画像形成方法における画像形成は、用いる画像形成材料に応じて異なり、個々の画像形成方法におけて普通に行われている方法の中から適宜選択して用いることができる。
【0135】
<加熱加圧処理>
前記加熱加圧処理としては、画像形成材料中の画像形成層が軟化し変形可能な温度にまで加熱し、かつ加圧することができる限り、特に制限はなく、例えば、公知の電子写真装置における定着装置として使用されているものなどが挙げられ、一対の加熱ローラを有するものなどが好適に挙げられる。
前記一対の加熱ローラとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の電子写真装置に用いられている加熱ローラ対などの中から適宜選択することができ、ニップ圧、加熱温度等を調節可能であるものが好ましい。
【0136】
前記加熱加圧処理は、前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱加圧することが好ましい。具体的には、前記熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、50〜120℃程度であり、前記シート体が熱可塑性樹脂層を有している場合には80〜110℃が好ましく、該熱可塑性樹脂層がポリエチレン層である場合には95〜105℃がより好ましい。
【0137】
<冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機による処理>
本発明においては、加熱加圧処理として、加熱加圧手段と、冷却装置と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用いることが好適である。
前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、80℃以下の温度に冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離することが好ましい(冷却剥離処理)。
前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段としては、特に制限されないが、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
【0138】
前記画像形成材料を前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段に接触させる際には、加圧することが好ましい。この加圧の方法としては、特に制限はないが、ニップ圧を印加するのが好ましい。前記ニップ圧としては、耐水性、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行う観点から、1〜100kg/cm2が好ましく、5〜30kg/cm2がより好ましい。また、加熱加圧手段における加熱は、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であり、用いる熱可塑性樹脂に応じて異なるが、通常、80℃以上200℃以下が好ましい。
【0139】
前記ベルト部材の表面は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上からなる薄膜が形成されることが好ましい。中でも、ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様、前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様が好ましい。
【0140】
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
このようなフルオロカーボンシロキサンゴムとしては、(A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適に用いられる。
【0141】
前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するものである。
【0142】
【化1】
【0143】
ここで、上記式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0144】
このような(A)成分としては、下記式(2)で示すものを挙げることができる。
【0145】
【化2】
【0146】
前記(B)成分において、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
【0147】
また、本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであるときには、硬化剤として上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。即ち、この場合には、フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成されるものである。
【0148】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
【0149】
上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にその≡SiH基の数が、(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個、特に1〜5個となるような割合で配合することが好適である。
【0150】
また、≡SiH基を有するフルオロカーボンとしては、上記式(1)の単位又は式(1)においてR10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等の≡SiH基であるものが好ましく、下記式(3)で示すものを挙げることができる。
【0151】
【化3】
【0152】
前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
【0153】
前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
【0154】
本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、耐薬品性を向上させるという本発明の目的を損なわない範囲において、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
【0155】
前記本発明のベルト部材は、耐熱性樹脂製又は金属製のベルト本体の表面を上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物で被覆し、加熱硬化することによって得られるが、必要に応じて更に、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して塗工液とし、スプレーコート、ディップコート及びナイフコート等の一般的なコーティング法によって塗布することができる。また、加熱硬化の温度、時間は適宜選定することができ、通常温度100〜500℃、時間5秒〜5時間の範囲でベルト本体の種類及び製造方法などに応じて選択される。
【0156】
前記ベルト部材の表面に形成するフルオロカーボンシロキサンゴム層の厚さは特に限定されるものではないが、通常20〜500μm、特に40〜200μmが好ましい。
【0157】
前記ベルト部材の表面粗さ〔算術平均粗さ(Ra)〕としては、特に、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行える点で、20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
【0158】
前記ベルト部材の態様としては、特に制限されないが、冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機における無端ベルトが好ましい。また、冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、定着の後半にベルト部材の冷却装置を備え、剥離の際の温度を低く調節することができる冷却剥離方式の後処理が可能な態様が好ましい。この冷却装置における冷却温度は、画像形成層における熱可塑性樹脂層が十分に固化する80℃以下の温度が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
【0159】
なお、前記ベルト部材としては、連続して効率的に画像形成できる点で、エンドレスベルトであるのが特に好ましい。
【0160】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、「%」及び「部」は、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
【0161】
<電子写真用受像シート▲1▼の製造>
−支持体の調製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。
【0162】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/m2の原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m2、CaCl2 0.8g/m2を付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm3に調整した。得られた原紙において、画像形成層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の王研式平滑度は、265秒であり、ステキヒト・サイズ度は、127秒であった。
【0163】
得られた原紙を、出力17kWのコロナ放電によって処理した後、裏面に表面マット粗さ10μmのクーリングロールを用い、表1に示した組成のポリエチレン樹脂を溶融吐出膜温度320℃、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートし、厚さ22μmのポリエチレン樹脂層を設けた。
【0164】
【表1】
【0165】
次に、トナー受像層を塗設する側である原紙の表面に表面マット粗さ0.7μmのクーリングロールを用い、表1と同じLDPEと、TiO2を表2に示したようにマスターバッチ化したペレット及び群青を5%含むマスターバッチ化したペレットを最終組成が表3に示したように混合したものを、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートして厚さ29μmのトナー受像層を設けた。その後、表面に18kW、裏面に12kWのコロナ放電処理を施した後、表面にはゼラチン下塗り層を設け、支持体を作製した。
【0166】
【表2】
【0167】
【表3】
【0168】
−中間層用の塗布液の調製−
下記成分を混合し、撹拌して、中間層用の塗布液を調製した。
アクリル樹脂分散物
(固形分45%、HE−1335、星光化学製) 100.0g
増粘剤(アルコックスR−1000、明成化学製) 8.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.3g
イオン交換水 30mL
得られた中間層用塗布液の粘度は、70mPa・sであり、表面張力は33mN/mであった。
【0169】
−トナー受像層用の塗布液の調製−
(二酸化チタン分散液)
下記の成分を混合し、日本精機製作所製NBK−2を用いて分散させ、二酸化チタン分散液(二酸化チタン顔料40質量%)を作製した。
二酸化チタン
(タイペーク(登録商標)A−220、石原産業製) 40.0g
PVA102 2.0g
イオン交換水 58.0g
【0170】
(トナー受像層用の塗布液)
下記成分を混合し、攪拌して、トナー受像層用の塗布液を調製した。
上記二酸化チタン分散液 15.5g
カルナバワックス分散液
(セロゾール524、中京油脂製) 15.0g
ポリエステル樹脂水分散物
(固形分30%、KZA−7049、ユニチカ製) 100.0g
増粘剤(アルコックスE30、明成化学製) 5.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 20mL
得られたトナー受像層用塗布液(二酸化チタンは、ポリエステル樹脂に対して、21質量%で含有されていた)の粘度は、70mPa・sであり、表面張力は、34mN/mであった。
【0171】
−トナー受像層、中間層の塗工−
上記支持体の表面に、前記中間層用の塗布液及び前記トナー受像層用の塗布液をバーコーターで塗布した。塗布量は、中間層については、乾燥質量で4.5g/m2であり、トナー受像層については、乾燥質量8.0gになるように、中間層用塗布液、トナー受像層用塗布液を塗布した。
塗布後、中間層及びトナー受像層を、オンラインで熱風により乾燥した。乾燥は、中間層面及びトナー受像面ともに塗布後2分以内に乾燥するように、乾燥風量及び温度を調整した。乾燥点は、塗布表面温度が乾燥風の湿球温度と同じ温度となる点とした。
乾燥後、カレンダー処理を行った。前記カレンダー処理は、グロスカレンダーを用い、金属ローラを30℃に温調した状態で、圧力147N/cm(15kgf/cm)にて行い電子写真用受像シート▲1▼を製造した。
【0172】
得られた電子写真受像シート▲1▼は、使用するまでの間、室温で55%RHの環境下において16時間放置した。
【0173】
<電子写真用受像シート▲2▼の製造>
−支持体の調製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。
【0174】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/m2の原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m2、CaCl2 0.8g/m2を付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm3に調整した。得られた原紙において、トナー受像層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の王研式平滑度は、265秒であり、ステキヒト・サイズ度は、127秒であった。
【0175】
前記原紙の表面に、前記前記電子写真用受像シート▲1▼と同じ中間層用の塗布液及びトナー受像層用の塗布液を用いて、同様に中間層及びトナー受像層を塗工した。
【0176】
−バック層用塗布液の調製−
下記の成分を混合し、攪拌して、バック層用塗布液を調製した。
アクリル樹脂水分散物
(固形分30%、ディックファインK−96、大日本インキ製) 150.0g
マット剤
(テクポマーMBX−8、積水化成品工業製) 8.0g
離型剤(ハイドリンD337、中京油脂製) 5.0g
増粘剤(アルコックスE30、明成化学製) 0.5g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 40ml
バック層用の塗布液の粘度は、60mPa・sであり、表面張力は、34mN/mであった。
【0177】
−バック層の塗工−
前記原紙の裏面には、上記バック層用の塗布液をバーコーターで塗布した。
塗布量は、乾燥質量で9.5g/m2となるようにバック層用塗布液を塗布した。
バック層は塗布後、オンラインで熱風により乾燥した。乾燥は、塗布後2分以内に乾燥するように、乾燥風量及び温度を調整した。乾燥点は、塗布表面温度が乾燥風の湿球温度と同じ温度となる点とした。
乾燥後、カレンダー処理を行った。前記カレンダー処理は、グロスカレンダーを用い、金属ローラを30℃に温調した状態で、圧力147N/cm(15kgf/cm)にて行い電子写真用受像シート▲2▼を製造した。
【0178】
得られた電子写真受像シート▲2▼は、使用するまでの間、室温で55%RHの環境下において16時間放置した。
【0179】
(実施例1)
前記電子写真用受像シート▲1▼を60℃にて16時間加熱処理を行って水分を除去し、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート層を有する包装材料で密封保管する防湿包装を行った(以下、「加熱除湿処理A」と略記する)。
防湿包装から開封して取り出した電子写真受像シート▲1▼を、富士ゼロックス製電子写真プリンタDocuCenter Color 400を用いて、25℃−55%RH環境下、トナー受像面に黒及び濃度の異なるグレーの印字を行った。得られた電子写真プリントについて、下記に示したブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び5に示す。
なお、開封した直後の電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.9%であった。
【0180】
−ブリスター発生の程度−
画像形成後の電子写真プリントにおける印字面のブリスター発生の程度を目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:目視で発生が見られない。
△:目視でわずかにブリスターの発生が見られる。
×:目視でブリスターの発生が見られる。
【0181】
−最低光沢度の測定−
画像形成後の電子写真プリントにおける印字面の黒部、濃度の異なるグレー部及び白地部についての20度光沢度をJIS Z 8741に基づき測定し、最低光沢度を求めた。
【0182】
(実施例2)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに電子写真用受像シート▲1▼を吸湿剤(シリカゲル)と共にアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート層を有する包装材中に密封し3日間防湿包装した(以下、「脱湿処理B」と略記する)以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後の電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.1%であった。
【0183】
(実施例3)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用いる以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.2%であった。
【0184】
(実施例4)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像シート▲2▼を用い、加熱除湿処理Aの代わりに脱湿処理Bを行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、5.6%であった。
【0185】
(比較例1)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりにポリエチレンフィルム層を有する包装材料にて防湿包装された富士ゼロックス(株)製 デジタルコートグロッシー(以下、「電子写真用受像シート▲3▼」と略記する)を用い、加熱除湿処理Aを行わないこと以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲3▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、8.7%であった。
【0186】
(比較例2)
実施例1において、加熱除湿処理Aを行わない以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.3%であった。
【0187】
(比較例3)
実施例1において、電子写真用受像シート▲2▼を用いること及び加熱除湿処理Aを行わないこと以外は実施例1と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.8%であった。
【0188】
(比較例4)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、特開平11−322116号公報記載の加熱除湿処理に準じて、画像形成前に、加熱された2つのロールに電子写真用受像シートを通す方式の加熱(165℃にて2秒間)を行って水分を除去する処理(以下、「加熱除湿処理C」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Cを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.0%であった。
【0189】
(比較例5)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、給紙トレイに入れた状態の電子写真用受像シートを、60℃、2時間の条件で加熱を行って水分を除去する処理(以下、「加熱除湿処理D」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Dを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.7%であった。
【0190】
(比較例6)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、給紙トレイに入れた状態の電子写真用受像シートを60℃、8時間の条件で加熱を行い水分を除去した後、25℃−55%RHの環境下で4時間放置する処理(以下、「加熱除湿処理E」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Eを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.9%であった。
【0191】
【表4】
【0192】
【表5】
【0193】
表4及び表5の結果から、実施例1〜4は、加熱除湿処理A又は脱湿処理Bを行うことにより、他の加熱除湿処理による場合と比較してより高温での定着処理においてもブリスター発生を抑制することができ、その結果、画像形成後の電子写真プリントの光沢度が向上することが認められた。
これに対して、特に、比較例4の加熱除湿処理Cの場合には、加熱時間が短すぎるため適切な水分含有量までの水分除去が困難であり、ブリスターが発生し、光沢度が低下してしまった。
【0194】
(実施例5)
実施例1と同様の加熱除湿処理Aを行った前記電子写真用受像シート▲1▼を、定着部を図3に示す定着ベルト系とした富士ゼロックス製電子写真プリンタDocuCenter Color 400を用いて、23℃−55%RH環境下、トナー受像面に黒及び濃度の異なるグレーの印字を行った後、図3に示すベルト定着装置にて印字面上向きにして定着を行った。
即ち、図3に示す定着ベルト系1では、加熱ローラ3と、テンションローラ5とにわたって定着ベルト2が懸架され、加熱ローラ3の下方には、定着ベルト2を介して、加圧ローラ4が設けられている。トナー潜像を有する電子写真用受像シート▲1▼は、図3において、右側から、加熱ローラ3と、加圧ローラ4との間に挿入され、加圧及び加熱され、次いで、定着ベルト2に載って移動し、次いで、定着ベルト2に沿って下流に設けられた冷却装置7により冷却され、次いで、電子写真用受像シート▲1▼は、定着ベルト2から剥離される。
【0195】
このようにして得られた電子写真プリントの印字面について、実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.8%であった。
【0196】
(実施例6)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに実施例2と同様の脱湿処理Bを行う以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.2%であった。
【0197】
(実施例7)
実施例5において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用いる以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.4%であった。
【0198】
(比較例7)
実施例5において、加熱除湿処理Aを行わない以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.2%であった。
【0199】
(比較例8)
実施例5において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用い、加熱除湿処理Aを行わないこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.9%であった。
【0200】
(比較例9)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに加熱除湿処理Cを行うこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、加熱除湿処理Cを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.9%であった。
【0201】
(比較例10)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに加熱除湿処理Dを行うこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、加熱除湿処理Dを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.7%であった。
【0202】
【表6】
表6の結果から、実施例5〜7は、加熱除湿処理A又は脱湿処理Bを行うことにより、比較例7〜10の加熱除湿処理による場合と比較して、より高温での定着処理においてもブリスター発生を抑制することができ、その結果、画像形成後の光沢度が向上することが認められる。
尚、電子写真用受像シート▲1▼及び▲2▼を常に35℃に加温されるように改造した給紙トレイ内に置き、DocuCenter Color 400を35℃−85%RH環境下で1週間放置して、再度実施例5〜7と同様の試験を行ったところ、表6に示す実施例5〜7と同様の結果を得た。
【0203】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水分含有量の少ない画像形成材料を用いることにより、従来技術における加熱ロール方式及び給紙トレイに紙を入れた状態での加熱処理等による方法では達成し得なかった、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理においてブリスターの発生を抑制することが可能となり、定着性に優れ、これまでにない光沢性と低レリーフ性を有する高画質な画像を提供できる画像形成材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る画像形成材料の構成態様を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に係る画像形成材料の構成態様を示す図である。
【図3】図3は、本発明の定着ベルト方式の電子写真装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 定着ベルト系
2 定着ベルト
3 加熱ローラ
4 加圧ローラ
5 テンションローラ
7 冷却部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成材料及びその使用方法、並びに画像形成方法に関し、更に詳述すると、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理を行った場合でもブリスターの発生を抑制し得、光沢度に優れた高画質な画像形成が可能である、画像形成材料及びその使用方法、並びに該画像形成材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像形成材料中の水分が画像形成時や該画像形成後の加熱加圧処理においてブリスターが発生する等の問題を解決し得、高画質な画像を得るため、画像形成前に紙の水分含有量を予め低下させておく方法が提案されている(例えば、特許文献1〜6等参照)。
【0003】
前記特許文献1には、電子写真装置における給紙トレイの下部に電源安定化装置を配置し、該電源安定化装置から発生する熱を用紙の加熱に用いることによって用紙の除湿処理を行う画像形成装置における用紙の除湿装置が提案されている。
前記特許文献2には、電子写真装置の定着部で発生する高温の空気を利用して、該空気を給紙トレイに送り込み、記録シート周辺に吹き付けることにより記録シート全体を乾燥させる電子写真記録装置が提案されている。
前記特許文献3には、空気を除湿フィルターに通して給紙トレイ内に送り込み、給紙トレイ内の温度及び湿度をセンサーにより検知して、制御を行うことができる電子写真記録装置が提案されている。
前記特許文献4には、画像形成前に電子写真機内に設けた加熱ローラを通過させることにより加熱除湿処理を行う方法が提案されている。
前記特許文献5及び6には、低温高湿度である電子写真用受像シートの温度をセンサーで検知することにより定着温度を制御する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1〜6のいずれにおいても、透湿性の低い層を有する画像形成材料の場合においては脱湿が徐々に進行するため、有効な水分除去を行うことはできない。また、前記特許文献1〜3に記載の加熱処理方法のみでは、画像形成材料内の水分を有効に除去することは困難であると共に、一旦電源を給止した状態においては再度吸湿が進んでしまうという問題がある。前記特許文献4〜6に記載の加熱除湿処理方法の場合には、処理時間が短すぎるため、特に、透湿性の低い層を有する画像形成材料の場合には水分を有効に除去し難いという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−348098号公報
【特許文献2】
特開平7−199775号公報
【特許文献3】
特開平5−346717号公報
【特許文献4】
特開平11−322116号公報
【特許文献5】
特開平7−114291号公報
【特許文献6】
特開平7−281550号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理を行った場合でもブリスターの発生を抑制し得、光沢度に優れた高画質な画像形成が可能である、画像形成材料及びその有効な使用方法、並びに該画像形成材料を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下であることを特徴とする画像形成材料である。
<2> 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた前記<1>に記載の画像形成材料である。
<3> 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなることを特徴とする画像形成材料である。
<4> 加熱除湿処理が、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度で行われる前記<2>又は<3>に記載の画像形成材料である。
<5> 加熱除湿処理が、温度100℃以下で1時間以上の条件下に保管されることにより行われる前記<2>又は<3>に記載の画像形成材料である。
<6> 脱湿処理が、画像形成材料と除湿剤とを密閉条件下で同居させることにより行われる前記<2>から<5>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<7> 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた後、防湿包装される前記<2>から<6>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<8> 支持体が、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙及びラミネート紙から選ばれる前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<9> 支持体が、その片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙である前記<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<10> 画像形成材料が、電子写真材料、感熱発色材料、インクジェット記録材料、昇華転写受像材料、銀塩写真感光材料及び熱転写受像材料から選ばれる少なくともいずれかである前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料を、使用時まで防湿包装しておき、開封して用いることを特徴とする画像形成材料の使用方法である。
<12> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料を用いて、画像形成した後、加熱加圧処理することを特徴とする画像形成方法である。
<13> 前記加熱加圧処理が、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で行われる前記<12>に記載の画像形成方法である。
<14> 加熱加圧手段と、冷却装置と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、80℃以下の温度に冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離する前記<12>又は<13>に記載の画像形成方法である。
<15> 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<14>に記載の画像形成方法である。
<16> 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<14>に記載の画像形成方法である。
<17> 前記フルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する前記<15>又は<16>に記載の画像形成方法である。
【0008】
本発明においては、更に下記の態様も好ましい。
<18> 画像形成材料が、JIS Z 0208に準拠した透湿量50g/m2・24hr以下の層を少なくとも一層有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成材料である。
<19> 20度最低光沢度が60以上の画像形成プリントが得られる前記<12>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
【0009】
本発明の第1の態様に係る画像形成材料は、画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である。また、本発明の第2の態様に係る画像形成材料は、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなる。その結果、画像形成材料中の画像形成開始時における水分含有量が適正化され、高温での画像形成時又は加熱加圧処理時においてもブリスター等の発生を抑制することができ、定着性が良好であり、高光沢度、低レリーフが達成でき、電子写真材料、感熱発色材料、インクジェット記録材料、昇華転写受像材料、銀塩写真感光材料、熱転写受像材料などの各種画像形成材料として幅広く適用可能な画像形成材料を提供することができる。
【0010】
本発明の画像形成材料の使用方法は、前記本発明の画像形成材料を防湿包装することによって、使用直前に該包装を開封して使用することにより、高温での画像形成時及び加熱加圧処理時の少なくともいずれかの場合においてもブリスター等の発生を抑制させ、高光沢性、低レリーフ性の良好な画像を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(画像形成材料)
本発明の画像形成材料は、第1の態様として、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下である。
前記画像形成開始時における水分含有量は5.8%以下が好ましく、4.5%以下がより好ましく、3%以下が更に好ましい。
前記画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%を超えると、画像形成材料を高温で画像形成時や加熱加圧処理時にブリスターが発生し、光沢度に優れた高画質画像が得られない。
前記画像形成開始時は、必ずしも画像形成が開始される直前でなくてもよく、例えば、防湿包装などの包装がなされた画像形成材料を開封した直後、給紙トレイに装填した直後、加熱除湿処理の直後、脱湿処理の直後などであっても構わない。
【0012】
ここで、前記水分含有量は、JIS P 8127に準拠して測定することができる。
前記画像形成材料の水分含有量は、上記範囲を満たさない場合には、後述する加熱除湿処理又は脱湿処理を行うことにより達成される。なお、画像形成材料の水分含有量は、給紙トレイに装填されるまで、後述する防湿処理により維持されるが、画像形成材料が透湿性の低い層を有する場合には、吸湿も徐々に進行することから必ずしも防湿処理を行う必要はない。
このような透湿性の低い層を有する画像形成材料の透湿量は、好ましくは50g/m2・24hr以下であり、より好ましくは、15g/m2・24hr以下であり、更に好ましくは、4g/m2・24hr以下であり、特に好ましくは、0.5g/m2・24hr以下である。
【0013】
本発明の画像形成材料は、第2の態様として、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなる。
なお、前記加熱除湿処理と脱湿処理とは、それぞれ単独で行ってもよいし、両者を併用して用いても構わない。
【0014】
−加熱除湿処理−
前記加熱除湿処理としては、前記画像形成材料中の水分含有量を6.5%以下にすることができる処理であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、タイマー付きの加熱乾燥機を用いる方法、減圧乾燥機を用いる方法、減圧加熱乾燥機を用いる方法などがある。
前記加熱除湿処理における加熱温度は、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度が好ましい。前記加熱温度が画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点を超えると、画像形成能を悪化させる場合があり好ましくない。
具体的な加熱条件は、画像形成層に用いる熱可塑性樹脂に応じて異なり一概には規定できないが、温度100℃以下で1時間以上の条件が好ましく、温度60℃以下で6時間以上の条件がより好ましく、温度40℃以下で16時間以上の条件が更に好ましい。
【0015】
−脱湿処理−
前記脱湿処理としては、前記画像形成材料中の水分含有量を6.5%以下にすることができる処理であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、デシケーターや包装材料中等の密閉空間中において、除湿剤と画像形成材料とを同居させる方法、などが挙げられる。
前記除湿剤としては、水分を吸着できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定でき、例えば、シリカ、塩化カルシウム、塩化無水カルシウム、塩化マグネシウム、生石灰、等が挙げられる。
【0016】
−防湿包装−
前記加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われて水分が除去された画像形成材料は、その後、防湿包装されることが、画像形成材料の吸湿を防止する点で好ましい。なお、前記脱湿処理と防湿包装と併用して同時に行うこともできる。即ち、防湿包装中に除湿剤と画像形成材料とを同居させることにより、使用するまでの間に脱湿することができる。
前記防湿包装としては、画像形成材料の吸湿を抑制できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定でき、例えば、「バリアー包装の開発動向」(1999年、東洋紡パッケージング・プラン・サービス社)p18に記載の包装材料、具体的には、アルミニウム蒸着膜を有する包装材料や塩化ビニル樹脂等防湿性を付与したプラスチックフィルムを有する包装材料等、を用いて画像形成材料を密封包装する方法等が挙げられる。
【0017】
前記防湿包装材料の透湿量としては、好ましくは、50g/m2・24hr以下であり、より好ましくは、15g/m2・24hr以下であり、更に好ましくは、4g/m2・24hr以下であり、特に好ましくは、0.5g/m2・24hr以下である。例えば、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートの透湿量は、約1g/m2・24hrである。
【0018】
前記画像形成材料は、支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含有する画像形成層を有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0019】
<支持体>
前記支持体としては、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられる。これらの支持体は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。これらの中でも、片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙が、平滑光沢性の点で好ましい。
【0020】
−原紙−
前記原紙の原料としては、支持体に使用されるものとして公知の原紙に使用されるものを特に制限なく、各種の材料から選ぶことができる。例えば、針葉樹、広葉樹から選ばれる天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。
【0021】
前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
パルプ繊維は、繊維長のもともと短い広葉樹パルプを主体に使用することが適当である。
パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、必要に応じて、各種添加材、例えば、填料や、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
【0022】
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス等や、更には、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物等が挙げられる。
【0023】
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダや、炭酸ソーダ等が挙げられる。その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
また、必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。柔軟化剤については、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)に記載がある。
【0024】
表面サイズ処理に使用される処理液には、例えば、水溶性高分子、サイズ剤、耐水性物質、顔料、pH調整剤、染料、蛍光増白剤などが含まれていてもよい。水溶性高分子としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
原紙の材料の例としては、上記した天然パルプ紙の他に、合成パルプ紙、天然パルプと合成パルプの混抄紙、更には、各種の抄き合わせ紙を上げることができる。
【0026】
上記のような原紙は、画像形成材料の剛性及び寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。Ea/Eb値が1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、画像形成材料の剛性や、カール性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになるため、好ましくない。
【0027】
本発明においては、原紙の画像形成層側表面の王研式平滑度は、210秒以上、好ましくは、250秒以上である。王研式平滑度が、210秒未満であると、トナー画像の画質が不良となり、好ましくない。なお、上限は、特に限定されるものではないが、実際上、600秒程度、好ましくは、500秒程度が適当であろう。
ここで、王研式平滑度は、JAPAN TAPPI No.5 B法で準拠した平滑度である。
【0028】
一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なることが分かっており、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率を下記の式より求めることができる。
E=ρc2(1−n2)
〔E:動的弾性率、ρ:密度、c:紙中の音速、n:ポアソン比〕
【0029】
また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記の式で計算しても大差なく、算出することができる。
E=ρc2
即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
【0030】
前記原紙の厚みは、通常、30〜500μm、好ましくは50〜300μm、より好ましくは100〜250μmであることが適当である。原紙の坪量は、例えば、好ましくは50〜250g/m2、より好ましくは100〜200g/m2の範囲にあることが好ましい。
【0031】
前記原紙としては、具体的には、上質紙や、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。
【0032】
前記原紙には、表面に所望の中心線平均粗さを付与するために、例えば、特開昭58−68037号公報に開示されているように、繊維長分布(例えば、24メッシュスクリーン残留分と、42メッシュスクリーン残留分との合計が、例えば、20質量%〜45質量%で、かつ24メッシュスクリーン残留分が5質量%以下)のパルプ繊維を使用するのが好ましい。また、マシンカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することにより、中心線平均粗さを調整することができる。
【0033】
−合成紙−
前記合成紙は、セルロース以外のポリマー繊維を主成分とする紙であり、前記ポリマー繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、などが挙げられる。
【0034】
−合成樹脂シート(フィルム)−
前記合成樹脂シート(フィルム)としては、合成樹脂をシート状に成形したもの等が挙げられ、例えば、ポリプロピレン、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリエステルフイルム、延伸ポリエステル、ナイロンフイルム、延伸により白色にしたフィルム、白色顔料を含む白色フィルムなどが挙げられる。
【0035】
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり(図1の構成III及び構成IV参照)、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
【0036】
原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。
【0037】
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業社製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂、等が挙げられる。
【0038】
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂層の厚みとしては、5〜100μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。表面に設けられる熱可塑性樹脂層と、裏面に設けられる熱可塑性樹脂層は、成分や、物性、厚み、構成について同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0039】
また、前記熱可塑性樹脂層には、増白剤や、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
【0040】
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である(図2の構成V及び構成VI参照)。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
【0042】
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。前記ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。
【0043】
本発明の画像形成材料としては、例えば、電子写真用受像シート、インクジェット受像材料、銀塩写真感光材料、熱転写受像材料、感熱発色材料及び昇華転写受像材料から選ばれる少なくともいずれかに好適に用いられる。以下、各画像形成材料の内容について詳細に説明する。
【0044】
<電子写真用受像シート>
前記電子写真用受像シートは、前記支持体の少なくとも一面には熱可塑性樹脂を含有するトナー受像層が設けられる。
ここで、前記支持体上にトナー受像層を設けた電子写真受像シートとしては、図1及び図2に示した構成I〜構成VIIの態様などが挙げられる。
例えば、原紙(構成I)、合成紙(構成II)、両面コート紙(構成IV)、両面ラミネート紙(構成VI)、フィルム(構成VII)については、それぞれ片面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層、他の片面にその他の樹脂を塗工又はラミネートした層を設けたもの、両面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層を設けたものが挙げられる。
片面コート紙(構成III)及び片面ラミネート紙(構成V)については、上記のようなそれぞれ片面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層、他の片面にその他の樹脂を塗工又はラミネートした層を設けたもの、及び両面にポリオレフィン樹脂を含むトナー受像層を設けたもの、以外に、片面コート紙及び片面ラミネート紙を逆向きとしたものが挙げられる。
【0045】
前記トナー受像層は、熱可塑性樹脂を含有し、カラーや黒トナーを受容し、画像を形成するためのトナー受像層である。該トナー受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にて現像ドラム或いは中間転写体より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、定着時等の温度条件下で変形可能であり、トナーを受容し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーのバインダー樹脂と同系の樹脂が好ましい。前記トナーの多くにおいてポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂が用いられているので、この場合、前記電子写真用受像シートに用いられる熱可塑性樹脂としても、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を用いるのが好ましく、ポリエステル樹脂やスチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を20質量%以上含有するのがより好ましく、また、スチレン、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体なども好ましい。
【0046】
前記熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、(イ)エステル結合を有する樹脂、(ロ)ポリウレタン樹脂等、(ハ)ポリアミド樹脂等、(ニ)ポリスルホン樹脂等、(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等、(ヘ)ポリビニルブチラール等、(ト)ポリカプロラクトン樹脂等、(チ)ポリオレフィン樹脂等、などが挙げられる。
【0047】
前記(イ)エステル結合を有する樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報に記載のものなどが挙げられる。
【0048】
前記ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等が挙げられる。
前記アクリル樹脂の市販品としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールSE−5437、SE−5102、SE−5377、SE−5649、SE−5466、SE−5482、HR−169、124、HR−1127、HR−116、HR−113、HR−148、HR−131、HR−470、HR−634、HR−606、HR−607、LR−1065、574、143、396、637、162、469、216、BR−50、BR−52、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117;積水化学工業製エスレックP SE−0020、SE−0040、SE−0070、SE−0100、SE−1010、SE−1035;三洋化成工業ハイマーST95、ST120;三井化学製FM601等が挙げられる。
【0049】
前記(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂、等が挙げられる。
前記(ヘ)ポリビニルブチラール等としては、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂、等が挙げられる。市販品としては、電気化学工業(株)製、積水化学(株)製等が挙げられる。前記ポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラール含有量が70質量%以上、平均重合度500以上のものが好ましく、平均重合度1000以上のものがより好ましい。
市販品としては、電気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、4000−2、5000A、6000C;積水化学(株)製エスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−S、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BX−1、BX−7、等が挙げられる。
前記(ト)ポリカプロラクトン樹脂等としては、更に、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、等が挙げられる。
前記(チ)ポリオレフィン樹脂等としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂、等が挙げられる。
【0050】
前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上でもよく、これらに加えて、これらの混合物、これらの共重合体等も使用することができる。
【0051】
前記熱可塑性樹脂としては、前記トナー受像層を形成した状態で後述のトナー受像層物性を満足できるものが好ましく、樹脂単独でも前述のトナー受像層物性を満足できるものがより好ましく、前述のトナー受像層物性の異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
【0052】
前記熱可塑性樹脂としては、トナーに用いられている熱可塑性樹脂に比べて分子量が大きいものが好ましい。ただし、該分子量はトナーに用いられている熱可塑性樹脂と、前記トナー受像層に用いられている樹脂との熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記トナー受像層に用いられている樹脂の軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記トナー受像層に用いられている樹脂の方が小さいことが好ましい場合がある。
前記熱可塑性樹脂として、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。また、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量との関係としては、特開平8−334915号公報に開示されている関係が好ましい。
前記熱可塑性樹脂の分子量分布としては、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いものが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特公平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、特開平8−334915号公報、特開平8−334916号公報、特開平9−171265号公報、特開平10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0053】
前記トナー受像層に使用される熱可塑性樹脂としては、以下の(i)〜(ii)の理由により、水可溶性樹脂、水分散性樹脂等の水系樹脂であるのが特に好ましい。
(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出が無く、環境適性、作業適性に優れる。
(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定でかつ製造工程適性優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)を得易い。
【0054】
前記水系樹脂としては、水溶性樹脂、水分解性樹脂であれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態を特定するものではない。ポリマーの水系化基の例としては、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、又はエーテル基等が挙げられる。
前記水溶性樹脂の例としては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
具体的には、例えば、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性アクリル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂を使用することができる。また、ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした所謂脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用いることも好ましい。市販品では水溶性ポリエステルとして瓦応化学工業(株)製の各種プラスコート、大日本インキ化学工業製ファインテックスESシリーズ、水溶性アクリルとして日本純薬製ジュリマーATシリーズ、大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96、星光化学工業製ハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
【0055】
また、水分散性樹脂としては、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン系樹脂、水分散ウレタン樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン、上記(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を水分散した樹脂やエマルジョン、或いは、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性樹脂の市販品としては、例えば、ポリエステル系では東洋紡製バイロナールシリーズや、高松油脂製ペスレジンAシリーズ、花王製タフトンUEシリーズ、日本合成ポリエスターWRシリーズ、ユニチカ製エリエールシリーズ、アクリル系では星光化学工業製ハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬製ジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
用いるポリマーの成膜温度(MFT)は、プリント前の保存に対しては、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100℃以下が好ましい。
【0056】
本発明においては、前記熱可塑性樹脂として、下記(1)〜(4)の特性を満たす自己分散型水系ポリエステル樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。これは、界面活性剤を使用しない自己分散型なので、高湿雰囲気でも吸湿性が低く、水分による軟化点低下が少なく、定着時のオフセット発生、保存時のシート間接着故障の発生を抑制できる。また、水系であるため環境性、作業性に優れている。更に、凝集エネルギーが高い分子構造をとりやすいポリエステル樹脂を用いているので、保存環境では十分な硬度を有しながら、電子写真の定着工程では低弾性(低粘性)の溶融状態となり、トナーがトナー受像層に埋め込まれて十分な高画質が達成可能となる。
(1)数平均分子量(Mn)は5000〜10000が好ましく、5000〜7000がより好ましい。
(2)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は≦4が好ましく、Mw/Mn≦3がより好ましい。
(3)ガラス転移温度(Tg)は40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
(4)体積平均粒子径は20〜200nmφが好ましく、40〜150mmφがより好ましい。
【0057】
前記熱可塑性樹脂の、前記トナー受像層における含有量としては、10〜90質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
【0058】
前記トナー受像層には、上記熱可塑性樹脂以外の成分としては、前記トナー受像層の光透過率を前記数値範囲内に容易に調節し、特に受像層の白色度を調節可能である点で、顔料・染料等の着色剤が好適に挙げられ、特に顔料が好適に挙げられる。またこのほか、前記その他の成分としては、トナー受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、可塑剤、離型剤又は滑り剤、マット剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、乳化物、分散物等が挙げられる。
【0059】
−着色剤−
前記着色剤としては、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知の蛍光増白剤が特に制限なく各種使用することができる。該蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を好適に挙げることができる。具体的には、スチルベン系化合物や、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。それらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B、Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。
【0060】
前記白色顔料としては、無機顔料(酸化チタン、炭酸カルシウム他)を用いることができる。有色顔料としては、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及びアゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイエロ、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ系;クロモフタルイエロ、クロモフタルレッド)、多環式顔料(フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレット、イソインドリノン系;イソインドリノンイエロ、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ、レーキ顔料(マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又無機顔料(酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシウム、硅酸塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、紺青等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記顔料としては、特に酸化チタンが好ましい。
【0061】
前記染料としては、公知の種々の染料を用いることができる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。水不溶性染料の具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55等の油溶性染料が有る。
【0062】
また、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好ましく用いることができる。
【0063】
前記着色剤の、前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m2)としては、0.1〜8g/m2が好ましく、0.5〜5g/m2がより好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2に満たないと、受像層における光透過率が高くなり、一方、8g/m2を超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が悪いことがある。
【0064】
−離型剤−
前記離型剤は、トナー受像層のオフセットを防ぐため、トナー受像層に配合されるもので、定着温度において加熱・融解し、トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は限定されない。
このような作用効果を奏する離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。好ましくは、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、及びシリコーン粒子並びにポリエチレンワックス粒子からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。
【0065】
具体的には、前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」や、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、同2949558号、特開昭50−117433号、同52−52640号、同57−148755号、同61−62056号、同61−62057号、同61−118760号、特開平2−42451号、同3−41465号、同4−212175号、同4−214570号、同4−263267号、同5−34966号、同5−119514号、同6−59502号、同6−161150号、同6−175396号、同6−219040号、同6−230600号、同6−295093号、同7−36210号、同7−43940号、同7−56387号、同7−56390号、同7−64335号、同7−199681号、同7−223362号、同7−287413号、同8−184992号、同8−227180号、同8−248671号、同8−248799号、同8−248801号、同8−278663号、同9−152739号、同9−160278号、同9−185181号、同9−319139号、同9−319143号、同10−20549号、同10−48889号、同10−198069号、同10−207116号、同11−2917号、同11−44969号、同11−65156号、同11−73049号、同11−194542号各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックス(但し、天然ワックスを除く)も好ましく用いることができる。また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。
【0066】
具体的には、シリコーン系化合物としては、シリコーンオイルとして無変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルシロキサンオイルや、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、市販品として信越化学工業製KF−96、KF−96L、KF−96H、KF−99、KF−50、KF−54、KF−56、KF−965、KF−968、KF−994、KF−995、HIVAC F−4、F−5;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH200、SH203、SH490、SH510、SH550、SH710、SH704、SH705、SH7028A、SH7036、SM7060、SM7001、SM7706、SH7036、SH8710、SH1107、SH8627;東芝シリコーン製TSF400、TSF401、TSF404、TSF405、TSF431、TSF433、TSF434、TSF437、TSF450シリーズ、TSF451シリーズ、TSF456、TSF458シリーズ、TSF483、TSF484、TSF4045、TSF4300、TSF4600、YF33シリーズ、YF−3057、YF−3800、YF−3802、YF−3804、YF−3807、YF−3897、XF−3905、XS69−A1753、TEX100、TEX101、TEX102、TEX103、TEX104、TSW831、など)、アミノ変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−857、KF−858、KF−859、KF−861、KF−864、KF−880、東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8417、SM8709、東芝シリコーン製TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TEX150、TEX151、TEX154など)、カルボキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製BY16−880、東芝シリコーン製TSF4770、XF42−A9248など)、カルビノール変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF42−B0970など)、ビニル変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF40−A1987など)、エポキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8411、SF8413;東芝シリコーン製TSF3965、TSF4730、TSF4732、XF42−A4439、XF42−A4438、XF42−A5041、XC96−A4462、XC96−A4463、XC96−A4464、TEX170など)、ポリエーテル変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−351(A)、KF−352(A)、KF−353(A)、KF−354(A)、KF−355(A)、KF−615(A)、KF−618、KF−945(A);東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH3746、SH3771、SF8421、SF8419、SH8400、SF8410;東芝シリコーン製TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4453、TSF4460など)、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8427、SF8428、東芝シリコーン製TSF4750、TSF4751、XF42−B0970など)、アルキル変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8416、東芝シリコーン製TSF410、TSF411、TSF4420、TSF4421、TSF4422、TSF4450、XF42−334、XF42−A3160、XF42−A3161など)、フッ素変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製FS1265、東芝シリコーン製FQF501など)、シリコーンゴムやシリコーン微粒子(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH851U、SH745U、SH55UA、SE4705U、SH502UA&B、SRX539U、SE6770U−P、DY38−038、DY38−047、トレフィルF−201、F−202、F−250、R−900、R−902A、E−500、E−600、E−601、E−506、BY29−119;東芝シリコーン製トスパール105、120、130、145、240、3120など)、シリコーン変性樹脂(具体的には、オレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などやこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した化合物など、市販品として大日精化製ダイアロマーSP203V、SP712、SP2105、SP3023;日本油脂製モディパーFS700、FS710、FS720、FS730、FS770;東亜合成化学製サイマックUS−270、US−350、US−352、US−380、US−413、US−450、レゼダGP−705、GS−30、GF−150、GF−300;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH997、SR2114、SH2104、SR2115、SR2202、DCI−2577、SR2317、SE4001U、SRX625B、SRX643、SRX439U、SRX488U、SH804、SH840、SR2107、SR2115;東芝シリコーン製YR3370、TSR1122、TSR102、TSR108、TSR116、TSR117、TSR125A、TSR127B、TSR144、TSR180、TSR187、YR47、YR3187、YR3224、YR3232、YR3270、YR3286、YR3340、YR3365、TEX152、TEX153、TEX171、TEX172など)、反応性シリコーン化合物(具体的には、付加反応型や、過酸化物硬化型、紫外線硬化型があり、市販品として東芝シリコーン製TSR1500、TSR1510、TSR1511、TSR1515、TSR1520、YR3286、YR3340、PSA6574、TPR6500、TPR6501、TPR6600、TPR6702、TPR6604、TPR6700、TPR6701、TPR6705、TPR6707、TPR6708、TPR6710、TPR6712、TPR6721、TPR6722、UV9300、UV9315、UV9425、UV9430、XS56−A2775、XS56−A2982、XS56−A3075、XS56−A3969、XS56−A5730、XS56−A8012、XS56−B1794、SL6100、SM3000、SM3030、SM3200、YSR3022など)などが挙げられる。
【0067】
前記フッ素化合物としては、フッ素オイル(市販品としてダイキン工業製ダイフロイル#1、#3、#10、#20、#50、#100、ユニダインTG−440、TG−452、TG−490、TG−560、TG−561、TG−590、TG−652、TG−670U、TG−991、TG−999、TG−3010、TG−3020、TG−3510;トーケムプロダクツ製MF−100、MF−110、MF−120、MF−130、MF−160、MF−160E;旭硝子製サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145;三井フロロケミカル製FC−430、FC−431など)、フッ素ゴム(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製LS63Uなど)、フッ素変性樹脂(市販品として日本油脂製モディパーF200、F220、F600、F2020、F3035;大日精化製ダイアロマーFF203、FF204;旭硝子製サーフロンS−381、S−383、S−393、SC−101、SC−105、KH−40、SA−100;トーケムプロダクツ製EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、EF−601、TFE、TFEA、TFEMA、PDFOH;住友3M製THV−200Pなど)、フッ素スルホン酸化合物(市販品としてトーケムプロダクツ製EF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−135M、EF−305、FBSA、KFBS、LFBSなど)、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物や塩(具体的には無水フッ酸、稀フッ酸、ホウフッ酸、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化ニッケル、ホウフッ化錫、ホウフッ化鉛、ホウフッ化銅、ケイフッ酸、フッ化チタン酸カリウム、パーフルオロカプリル酸、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなど)、無機フッ化物(具体的にはフッ化アルミニウム、ケイフッ化カリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化亜鉛4水和物、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化錫、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、六フッ化リン酸アンモニウム、六フッ化リン酸カリウムなど)などが挙げられる。
【0068】
前記ワックスとしては、石油ワックスとして、パラフィンワックス(市販品として日本精鑞製パラフィンワックス155、150、140、135、130、125、120、115、HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−14G、SP−0160、SP−0145、SP−1040、SP−1035、SP−3040、SP−3035、NPS−8070、NPS−L−70、OX−2151、OX−2251、EMUSTAR−0384、EMUSTAR−0136;中京油脂製セロゾール686、428、651−A、A、H−803、B−460、E−172、866、K−133、ハイドリンD−337、E−139;日石三菱石油製125°パラフィン、125°FD、130°パラフィン、135°パラフィン、135°H、140°パラフィン、140°N、145°パラフィン、パラフィンワックスMなど);マイクロクリスタリンワックス(市販品として日本精鑞製Hi−Mic−2095、Hi−Mic−3090、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1070、Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、EMUSTAR−0001、EMUSTAR−042X;中京油脂製セロゾール967、M;日石三菱石油製155マイクロワックス、180マイクロワックスなど);ペトロラタム(市販品として日本精鑞製OX−1749、OX−0450、OX−0650B、OX−0153、OX−261BN、OX−0851、OX−0550、OX−0750B、JP−1500、JP−056R、JP−011Pなど);フィッシャートロプシュワックス(市販品として日本精鑞製FT100、FT−0070など);酸アミド化合物或いは酸イミド化合物(具体的には、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなど、市販品として中京油脂製セロゾール920、B−495、ハイミクロンG−270、G−110、ハイドリンD−757など);変性ワックスとしてアミン変性ポリプロピレン(市販品として三洋化成製QN−7700)、アクリル酸変性やフッ素変性、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−6010、HAD−5090など);アルコール型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−9210、NPS−9215、OX−1949、XO−020Tなど)などが挙げられる。
水素化ワックスとして硬化ヒマシ油(市販品として伊藤製油製カスターワックスなど)、ヒマシ油誘導体(市販品として伊藤製油製の脱水ヒマシ油DCO、DCO Z−1、DCO Z−3、ヒマシ油脂肪酸CO−FA、リシノレイン酸、脱水ヒマシ油脂肪酸DCO−FA、脱水ヒマシ油脂肪酸エポキシエステルD−4エステル、ヒマシ油系ウレタンアクリレートCA−10、CA−20、CA−30、ヒマシ油誘導体MINERASOL S−74、S−80、S−203、S−42X、S−321、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸MINERASOL RC−2、RC−17、RC−55、RC−335、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸エステルMINERASOL LB−601、LB−603、LB−604、LB−702、LB−703、#11、L−164、など)、ステアリン酸(市販品として伊藤製油製の12−ヒドロキシステアリン酸など)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸(市販品として伊藤製油製のセバシン酸など)、ウンデシレン酸(市販品として伊藤製油製のウンデシレン酸など)、ヘプチル酸(市販品として伊藤製油製のヘプチル酸など)、マレイン酸、高度マレイン化油(市販品として伊藤製油製のHIMALEIN DC−15、LN−10、00−15、DF−20、SF−20など)、吹込油(市販品として伊藤製油製のセルボノール#10、#30、#60、R−40、S−7など)、シクロペンタジエン化油(市販品として伊藤製油製のCPオイル、CPオイル−Sなど)などの合成ワックス等が挙げられる。
【0069】
前記天然ワックスとしては、植物系ワックス及び鉱物系ワックスの少なくともいずれかであるのが好ましく、特に植物系ワックスが好ましい。また該天然ワックスとしては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型ワックスが好ましい。
【0070】
前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス(市販品として日本精鑞製EMUSTAR−0413、中京油脂製セロゾール524など)、ヒマシ油(市販品として伊藤製油製精製ヒマシ油など)、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油、動物系ワックスとして蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、及び、羊毛蝋等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
【0071】
前記鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン等の天然ワックスや、脂肪酸エステル(市販品として新日本理化製サンソサイザーDOA、AN−800、DINA、DIDA、DOZ、DOS、TOTM、TITM、E−PS、nE−PS、E−PO、E−4030、E−6000、E−2000H、E−9000H、TCP、C−1100など)、合成炭化水素としてポリエチレンワックス(市販品として中京油脂製ポリロンA、393、H−481;三洋化成製サンワックスE−310、E−330、E−250P、LEL−250、LEL−800、LEL−400Pなど)、ポリプロピレンワックス(市販品として三洋化成製ビスコール330−P、550−P、660−P)等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のモンタンワックスが特に好ましい。
【0072】
前記天然ワックスの前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m2)としては、0.1〜4g/m2が好ましく、0.2〜2g/m2が好ましい。
前記含有量が、0.1g/m2未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがある一方、4g/m2を超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
【0073】
前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
【0074】
前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。無機マット剤の材料としては、具体的には、酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガラスが挙げられる。
【0075】
前記無機マット剤としては、例えば、西独特許2529321号、英国特許760775号、同1260772号、米国特許1201905号、同2192241号、同3053662号、同3062649号、同3257206号、同3322555号、同3353958号、同3370951号、同3411907号、同3437484号、同3523022号、同3615554号、同3635714号、同3769020号、同4021245号、同4029504号の各明細書に記載されたものが挙げられる。
【0076】
前記有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれる。
以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
【0077】
前記コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
有機マット剤としては、例えば、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μm、好ましくは、4〜30μmであることが適当である。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m2、好ましくは、0.02〜0.3g/m2であることが適当である。
【0078】
本発明のトナー受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体や、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。また、これらは、反応性の置換基を有していてもよい。
【0079】
前記離型剤の融点(℃)としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
また前記離型剤としては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型の離型剤が好ましい。
【0080】
前記離型剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。
【0081】
−可塑剤−
前記可塑剤としては、公知の樹脂用の可塑剤を特に制限なく使用することができる。該可塑剤は、トナーを定着する時の熱及び圧力の少なくともいずれかによって、トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
【0082】
前記可塑剤は、高沸点有機溶剤や熱溶剤などとして記載されているものもあるが、例えば、特開昭59−83154号、同59−178451号、同59−178453号、同59−178454号、同59−178455号、同59−178457号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、特開平2−235694号各公報等に記載されているようなエステル類(例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類など)、アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類など)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類などの化合物が挙げられる。
前記可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。
【0083】
前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。この場合、該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量が15000以下、好ましくは、5000以下であるものが適当である。また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであることが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。
更に、オリゴマーも可塑剤として用いることができる。上記に挙げた化合物以外にも市販品として、例えば、旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−1430;C.P.HALL社製品PARAPLEX−G−25、G−30、G−40;理化ハーキュレス製品エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085等が挙げられる。
【0084】
前記可塑剤は、例えば、電子写真の場合には、トナー粒子がトナー受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性などの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分などの物質収支による歪み等)を緩和するために任意に使用することができる。
前記可塑剤は、トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
【0085】
−フィラー−
前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、前記フィラーとして、各種無機フィラー(又は顔料)を用いることができる。無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。フィラーとしては、特に、シリカや、アルミナが好ましい。これらのフィラーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。
【0086】
前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。シリカの平均粒径としては、4〜120nmが好ましく、4〜90nmがより好ましい。
前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。多孔質シリカの平均孔径は、50〜500nmが好ましい。また、多孔質シリカの質量当りの平均孔容積は、例えば、0.5〜3ml/gが好ましい。
【0087】
前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。アルミナの平均粒径としては、4〜300nmが好ましく、4〜200nmがより好ましい。アルミナは、多孔質であるのが好ましい。多孔質アルミナの平均孔径としては、50〜500nmが好ましい。多孔質アルミナの質量当りの平均孔容積としては、0.3〜3ml/g程度が好ましい。
【0088】
前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
前記フィラーは、添加する層のバインダーの乾燥質量に基づいて、5〜2000質量%であることが好ましい。
【0089】
−架橋剤−
前記架橋剤は、トナー受像層の保存安定性や、熱可塑性等を調整するために配合することができる。このような架橋剤としては、反応基としてエポキシ基や、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。
【0090】
前記架橋剤としては、これとは別に、水素結合や、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤や、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。カップリング剤の例としては、例えば、クロロシラン類や、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
【0091】
−帯電制御剤−
本発明のトナー受像層には、トナーの転写や、付着等を調整したり、トナー受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
トナーが負電荷を有する場合、トナー受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
導電性金属酸化物としては、例えば、ZnOや、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等を挙げることができる。これらの導電性金属酸化物は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物で使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素を更に含有させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
【0093】
−その他の添加剤−
本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良、またトナー受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。この目的のための添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤等が挙げられる。
【0094】
前記酸化防止剤としては、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。なお、酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報などに記載されている。
【0095】
前記老化防止剤としては、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。
【0096】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許第3533794号明細書記載)、4−チアゾリドン化合物(米国特許第3352681号明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報記載)が挙げられる。
【0097】
前記金属錯体としては、例えば、米国特許第4241155号、同第4245018号、同第4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、同62−174741号、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74272号等の各公報に記載されているものが適当である。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用いられる。
【0098】
本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、上述したように公知の写真用添加剤を添加することができる。写真用添加剤としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、RDと略記する)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.307105(1989年11月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめて示す。
【0099】
〔トナー受像層の諸物性〕
前記トナー受像層は、定着部材との定着温度における180度剥離強さが、0.1N/25mm以下、更に好ましくは、0.041N/25mm以下であることが適当である。180度剥離強さは、定着部材の表面素材を用い、JIS K6887に記載の方法に準拠して測定することができる。
前記トナー受像層は、白色度が高いのが好ましい。該白色度としては、JISP 8123に準拠した方法で測定して、85%以上が好ましい。また、440nm〜640nmの波長域で、分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内が好ましい。更には、400nm〜700nmの波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内がより好ましい。
また、前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L*a*b*)色空間において、L*値が80以上であるのが好ましく、85以上であるのが好ましく、90以上であるのがより好ましい。また、白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。白色色味としては、L*a*b*空間において、(a*)2+(b*)2の値が50以下であるのが好ましく、18以下であるのがより好ましく、5以下であるのが更に好ましい。
【0100】
前記トナー受像層としては、光沢性が高いのが好ましい。光沢度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、45度光沢度が60以上であるのが好ましく、75以上であるのがより好ましく、90以上であるのが更に好ましい。
但し、光沢度は110以下であることが好ましい。110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。
尚、前記光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定することができる。
【0101】
前記トナー受像層は、平滑性が高いのが好ましい。該平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが更に好ましい。
なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
【0102】
前記トナー受像層は、以下の項目の内の1項目の物性を有することが好ましく、更に好ましくは、複数の項目、最も好ましくは、全ての項目の物性を有することが適当である。
(1)トナー受像層のTm(溶融温度)が30℃以上、トナーのTm+20℃以下である。
(2)トナー受像層の粘度が1×105CPになる温度が、40℃以上、トナーのそれより低い。
(3)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、1×102〜1×105Pa、損失弾性率(G”)が、1×102〜1×105Paである。
(4)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/G’)が、0.01〜10である。
(5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G”)に対して、−50〜+2500である。
(6)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜角が、50度以下、特に40度以下である。
また、トナー受像層としては、特許第2788358号明細書、特開平7−248637号公報、同8−305067号公報、同10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0103】
前記(1)の物性は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。前記(2)〜(3)の物性は、例えば、島津製作所製フローテスターCFT−500又は500Dを用いて測定することができる。前記(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザーRADII)を用いて測定することができる。前記(8)の物性は、協和界面科学(株)製の接触角測定装置を用い、特開平8−334916号公報に開示した方法で測定することができる。
【0104】
前記トナー受像層としては、1×106〜1×1015Ω/cm2の範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有するのが好ましい。
前記表面抵抗が1×106Ω/cm2未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある一方、表面電気抵抗が、1×1015Ω/cm2を超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。
【0105】
尚、前記支持体に対し、トナー受像層と反対側の面の表面電気抵抗としては、5×108〜3.2×1010Ω/cm2が好ましく、1×109〜1×1010Ω/cm2がより好ましい。
本発明において、前記表面電気抵抗の測定は、JIS K 6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。
【0106】
〔その他の層〕
前記その他の層としては、例えば、表面保護層、バック層、中間層、密着改良層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、及び、平滑化層等が挙げられる。これらの層は、単層構成であってもよく、2以上の層より構成されていてもよい。
【0107】
−表面保護層−
前記表面保護層は、本発明の電子写真用受像シートにおける表面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で、前記トナー受像層の表面に設けることができる。該表面保護層は、1層であってもよいし、2層以上の層からなっていてもよい。表面保護層には、バインダーとして各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、前記トナー受像層と同種の樹脂を用いるのが好ましい。但し、熱力学的特性や、静電特性等は、トナー受像層と同じである必要はなく、各々最適化することができる。
【0108】
前記表面保護層には、トナー受像層に使用可能な、前述の各種の添加剤を配合することができる。特に、前記表面保護層には、本発明で使用する離型剤と共に、他の添加剤、例えば、マット剤等を配合することができる。なお、前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。
本発明の電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。
【0109】
−バック層−
前記バック層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、機器通過性改良等の目的で、支持体に対して、トナー受像層の反対側に設けられるのが好ましい。
前記バック層の色としては、特に制限はないが、本発明の電子写真用受像シートが、裏面にも画像を形成する両面出力型受像紙の場合、バック層も白色であることが好ましい。白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
また、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー受像層側と同様であってもよい。バック層には、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、特にマット剤や、帯電調整剤等を配合することが適当である。バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。
【0110】
−密着改良層等−
前記密着改良層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、支持体及びトナー受像層の密着性を改良する目的で、形成するのが好ましい。密着改良層には、前述の各種の添加剤を配合することができ、特に架橋剤を配合するのが好ましい。また、本発明の電子写真用受像シートには、トナーの受容性を改良するため、該密着改良層及びトナー受像層の間に、更にクッション層等を設けるのが好ましい。
【0111】
−中間層−
前記中間層は、例えば、支持体及び密着改良層の間、密着改良層及びクッション層の間、クッション層及びトナー受像層の間、トナー受像層及び保存性改良層との間等に形成することができる。もちろん、支持体、トナー受像層、及び、中間層からなる電子写真用受像シートの場合には、中間層は、例えば、支持体及びトナー受像層の間に存在させることができる。
【0112】
なお、本発明の前記電子写真用受像シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、50〜350μmが好ましく、100〜280μmがより好ましい。
【0113】
<トナー>
本発明の電子写真用受像シートは、印刷又は複写の際に、トナー受像層にトナーを受容させて使用される。
前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて離型剤、その他の成分を含有する。
【0114】
−トナー 結着樹脂−
前記結着樹脂としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミドなどのビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸などのビニルカルボン酸類;ビニル系モノマーの単独重合体やその共重合体、更には各種ポリエステル類を使用することができ、各種ワックス類を併用することも可能である。
これらの樹脂の中で、特に本発明のトナー受像層に用いたものと同一系統の樹脂を用いるのが好ましい。
【0115】
−トナー 着色剤−
前記着色剤としては、通常トナーに用いられているものを制限なく使用することができ、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料が挙げられる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。これら着色剤は1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
着色剤の含有量は、2〜8質量%の範囲が好ましい。着色剤の含有量が2質量%以上であれば着色力が弱くなることもなく、一方、8質量%以下であれば、透明性が損なわれることもないので好ましい。
【0116】
−トナー 離型剤−
前記離型剤としては、原理的には、公知のワックス全てが使用可能であるが、比較的低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン化合物など窒素を含有する極性ワックスなどが特に有効である。ポリエチレンワックスについては分子量が1000以下のものが特に有効であり、300〜1000の範囲がより好ましい。
【0117】
前記ウレタン結合を有する化合物は、低分子量であっても極性基による凝集力の強さにより、固体状態を保ち、融点も分子量のわりには高く設定できるので好適である。分子量の好ましい範囲は300〜1000である。原料は、ジイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせ、モノイソシアン酸とモノアルコールとの組み合わせ、ジアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせなど、種々の組み合わせを選択することができが、高分子量化させないために、多官能基と単官能基の化合物を組み合わせることが好ましく、また等価の官能基量となるようにすることが重要である。
【0118】
具体的な、原料化合物のうちモノイソシアン酸化合物としては、例えば、イソシアン酸ドデシル、イソシアン酸フェニル及びその誘導体、イソシアン酸ナフチル、イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸アリルなどが挙げられる。
ジイソシアン酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸4、4’ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなどが挙げられる。
モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなど極く一般的なアルコール類を使用することが可能である。
原料化合物のうちジアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコールなど多数のグリコール類;トリアルコール類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、トリメタノールエタンなどが使用可能であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。
【0119】
これらのウレタン化合物類は、通常の離型剤のように、混練時に樹脂や着色剤とともに混合して、混練粉砕型トナーとしても使用できる。また、前記の乳化重合凝集溶融法トナーに用いる場合には、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱してホモジナイザーや圧力吐出型分散機で強い剪断をかけて微粒子化し、1μm以下の離型剤粒子分散液を調製し、樹脂粒子分散液、着色剤分散液などとともに用いることができる。
【0120】
−トナー その他の成分−
また、本発明のトナーには、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子等のその他の成分を配合することができる。内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。
【0121】
前記帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミや、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。なお、凝集、溶融時の安定性に影響するイオン強度の制御や、廃水汚染を減少する観点から水に溶解しにくい材料が好ましい。
【0122】
前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常、トナー表面の外添剤を全て使用で、それらをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。
【0123】
更に、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子分散、離型剤分散、凝集、更には、それらの安定化などに界面活性剤を用いることができる。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、また、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。その際の分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
【0124】
なお、前記トナーには、必要に応じて更に外添剤を添加してもよい。前記外添剤としては、無機粉末及び有機粒子等が挙げられる。前記無機粒子としては、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を例示することができる。また、前記有機粒子としては、脂肪酸又はその誘導体や、これ等の金属塩等の粉末、フッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂粉末を用いることができる。これらの粉末の平均粒径は、例えば、0.01〜5μm、好ましくは、0.1〜2μmであることが適当である。
【0125】
前記トナーの製造方法は、特に制限されないが、(i)樹脂粒子を分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、(ii)前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び(iii)前記付着粒子を加熱し融合してトナー粒子を形成する工程、とを含むトナーの製造方法により製造することが好ましい。
【0126】
−トナー物性等−
本発明のトナーの体積平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好ましい。前記トナーの体積平均粒子径が小さすぎると、トナーのハンドリング(補給性、クリーニング性、流動性等)に悪影響が生じる場合があり、また、粒子生産性が低下する場合がある。一方、トナーの体積平均粒子径が大きすぎると、粒状性、転写性に起因する画質、解像度に悪影響を与える場合がある。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ体積平均粒度分布指数(GSDv)が1.3以下であることが好ましい。
前記体積平均粒度分布指数(GSDv)と数平均粒度分布指数(GSDn)との比(GSDv/GSDn)は少なくとも0.95が好ましい。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ下記式で表される形状係数の平均は1.00〜1.50が好ましい。
形状係数=(π×L2)/(4×S)
(但し、Lはトナー粒子の最大長、Sはトナー粒子の投影面積を示す。)
トナーが上記条件を満たす場合には、画質、特に、粒状性、解像度に効果があり、また、転写に伴う抜けやブラーが生じにくく、平均粒径が小さくなくてもハンドリング性に悪影響が出にくくなる。
【0127】
なお、トナー自体の150℃における貯蔵弾性率G’(角周波数10rad/secで測定)は、10〜200Paであることが、定着工程での画質向上とオフセット性の防止の面から適当である。
【0128】
<銀塩写真感光材料>
前記銀塩写真感光材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくともYMCに発色する画像形成層を設けた構成を有し、焼付露光されたハロゲン化銀写真用シートを複数の処理槽内を浸漬しながら通過することにより、発色現像、漂白定着、水洗を行い、乾燥するハロゲン化銀写真方式、等が挙げられる。
【0129】
<熱転写受像材料>
前記熱転写材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくとも熱発色層を設けた構成を有し、感熱ヘッドによる加熱と紫外線による定着の繰り返しにより画像を形成するサーモオートクローム方式(TA方式)において用いられる感熱発色材料等が挙げられる。
【0130】
<感熱発色材料>
前記感熱発色材料としては、例えば、前記支持体上に、少なくとも画像形成層としての熱溶融性インク層を設けた構成を有し、感熱ヘッドにより加熱して熱溶融性インク層からインクを感熱転写記録用受像シート上に溶融転写する方式などが挙げられる。
【0131】
<昇華転写受像材料>
前記昇華転写受像材料としては、前記支持体上に、少なくとも熱拡散性色素(昇華性色素)を含有するインク層を設けた構成を有し、感熱ヘッドにより加熱してインク層から熱拡散性色素を感熱転写記録受像シート上に転写する昇華転写方式などが挙げられる。
【0132】
<インクジェット記録材料>
前記インクジェット記録用材料としては、例えば、前記支持体上に、水性インク(色剤として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印画に供する固体状インク等を受容できる前記色剤受容層を有する。
【0133】
(画像形成材料の使用方法)
本発明の画像形成材料の使用方法は、防湿包装された前記画像形成材料を使用直前に開封し、使用することにより、高温での画像形成時及び加熱加圧処理時の少なくともいずれかの場合においてもブリスター等の発生を抑制することが可能であり、定着性が良好で、これまでにない光沢度と低レリーフである高画質な画像形成プリントを提供することができる。
【0134】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、前記本発明の画像形成材料を用いて画像形成した後、加熱加圧処理する。
なお、画像形成方法における画像形成は、用いる画像形成材料に応じて異なり、個々の画像形成方法におけて普通に行われている方法の中から適宜選択して用いることができる。
【0135】
<加熱加圧処理>
前記加熱加圧処理としては、画像形成材料中の画像形成層が軟化し変形可能な温度にまで加熱し、かつ加圧することができる限り、特に制限はなく、例えば、公知の電子写真装置における定着装置として使用されているものなどが挙げられ、一対の加熱ローラを有するものなどが好適に挙げられる。
前記一対の加熱ローラとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の電子写真装置に用いられている加熱ローラ対などの中から適宜選択することができ、ニップ圧、加熱温度等を調節可能であるものが好ましい。
【0136】
前記加熱加圧処理は、前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱加圧することが好ましい。具体的には、前記熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、50〜120℃程度であり、前記シート体が熱可塑性樹脂層を有している場合には80〜110℃が好ましく、該熱可塑性樹脂層がポリエチレン層である場合には95〜105℃がより好ましい。
【0137】
<冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機による処理>
本発明においては、加熱加圧処理として、加熱加圧手段と、冷却装置と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用いることが好適である。
前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、80℃以下の温度に冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離することが好ましい(冷却剥離処理)。
前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段としては、特に制限されないが、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
【0138】
前記画像形成材料を前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段に接触させる際には、加圧することが好ましい。この加圧の方法としては、特に制限はないが、ニップ圧を印加するのが好ましい。前記ニップ圧としては、耐水性、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行う観点から、1〜100kg/cm2が好ましく、5〜30kg/cm2がより好ましい。また、加熱加圧手段における加熱は、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であり、用いる熱可塑性樹脂に応じて異なるが、通常、80℃以上200℃以下が好ましい。
【0139】
前記ベルト部材の表面は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上からなる薄膜が形成されることが好ましい。中でも、ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様、前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様が好ましい。
【0140】
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
このようなフルオロカーボンシロキサンゴムとしては、(A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適に用いられる。
【0141】
前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するものである。
【0142】
【化1】
【0143】
ここで、上記式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0144】
このような(A)成分としては、下記式(2)で示すものを挙げることができる。
【0145】
【化2】
【0146】
前記(B)成分において、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
【0147】
また、本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであるときには、硬化剤として上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。即ち、この場合には、フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成されるものである。
【0148】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
【0149】
上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にその≡SiH基の数が、(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個、特に1〜5個となるような割合で配合することが好適である。
【0150】
また、≡SiH基を有するフルオロカーボンとしては、上記式(1)の単位又は式(1)においてR10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等の≡SiH基であるものが好ましく、下記式(3)で示すものを挙げることができる。
【0151】
【化3】
【0152】
前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
【0153】
前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
【0154】
本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、耐薬品性を向上させるという本発明の目的を損なわない範囲において、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
【0155】
前記本発明のベルト部材は、耐熱性樹脂製又は金属製のベルト本体の表面を上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物で被覆し、加熱硬化することによって得られるが、必要に応じて更に、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して塗工液とし、スプレーコート、ディップコート及びナイフコート等の一般的なコーティング法によって塗布することができる。また、加熱硬化の温度、時間は適宜選定することができ、通常温度100〜500℃、時間5秒〜5時間の範囲でベルト本体の種類及び製造方法などに応じて選択される。
【0156】
前記ベルト部材の表面に形成するフルオロカーボンシロキサンゴム層の厚さは特に限定されるものではないが、通常20〜500μm、特に40〜200μmが好ましい。
【0157】
前記ベルト部材の表面粗さ〔算術平均粗さ(Ra)〕としては、特に、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行える点で、20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
【0158】
前記ベルト部材の態様としては、特に制限されないが、冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機における無端ベルトが好ましい。また、冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、定着の後半にベルト部材の冷却装置を備え、剥離の際の温度を低く調節することができる冷却剥離方式の後処理が可能な態様が好ましい。この冷却装置における冷却温度は、画像形成層における熱可塑性樹脂層が十分に固化する80℃以下の温度が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
【0159】
なお、前記ベルト部材としては、連続して効率的に画像形成できる点で、エンドレスベルトであるのが特に好ましい。
【0160】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、「%」及び「部」は、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
【0161】
<電子写真用受像シート▲1▼の製造>
−支持体の調製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。
【0162】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/m2の原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m2、CaCl2 0.8g/m2を付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm3に調整した。得られた原紙において、画像形成層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の王研式平滑度は、265秒であり、ステキヒト・サイズ度は、127秒であった。
【0163】
得られた原紙を、出力17kWのコロナ放電によって処理した後、裏面に表面マット粗さ10μmのクーリングロールを用い、表1に示した組成のポリエチレン樹脂を溶融吐出膜温度320℃、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートし、厚さ22μmのポリエチレン樹脂層を設けた。
【0164】
【表1】
【0165】
次に、トナー受像層を塗設する側である原紙の表面に表面マット粗さ0.7μmのクーリングロールを用い、表1と同じLDPEと、TiO2を表2に示したようにマスターバッチ化したペレット及び群青を5%含むマスターバッチ化したペレットを最終組成が表3に示したように混合したものを、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートして厚さ29μmのトナー受像層を設けた。その後、表面に18kW、裏面に12kWのコロナ放電処理を施した後、表面にはゼラチン下塗り層を設け、支持体を作製した。
【0166】
【表2】
【0167】
【表3】
【0168】
−中間層用の塗布液の調製−
下記成分を混合し、撹拌して、中間層用の塗布液を調製した。
アクリル樹脂分散物
(固形分45%、HE−1335、星光化学製) 100.0g
増粘剤(アルコックスR−1000、明成化学製) 8.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.3g
イオン交換水 30mL
得られた中間層用塗布液の粘度は、70mPa・sであり、表面張力は33mN/mであった。
【0169】
−トナー受像層用の塗布液の調製−
(二酸化チタン分散液)
下記の成分を混合し、日本精機製作所製NBK−2を用いて分散させ、二酸化チタン分散液(二酸化チタン顔料40質量%)を作製した。
二酸化チタン
(タイペーク(登録商標)A−220、石原産業製) 40.0g
PVA102 2.0g
イオン交換水 58.0g
【0170】
(トナー受像層用の塗布液)
下記成分を混合し、攪拌して、トナー受像層用の塗布液を調製した。
上記二酸化チタン分散液 15.5g
カルナバワックス分散液
(セロゾール524、中京油脂製) 15.0g
ポリエステル樹脂水分散物
(固形分30%、KZA−7049、ユニチカ製) 100.0g
増粘剤(アルコックスE30、明成化学製) 5.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 20mL
得られたトナー受像層用塗布液(二酸化チタンは、ポリエステル樹脂に対して、21質量%で含有されていた)の粘度は、70mPa・sであり、表面張力は、34mN/mであった。
【0171】
−トナー受像層、中間層の塗工−
上記支持体の表面に、前記中間層用の塗布液及び前記トナー受像層用の塗布液をバーコーターで塗布した。塗布量は、中間層については、乾燥質量で4.5g/m2であり、トナー受像層については、乾燥質量8.0gになるように、中間層用塗布液、トナー受像層用塗布液を塗布した。
塗布後、中間層及びトナー受像層を、オンラインで熱風により乾燥した。乾燥は、中間層面及びトナー受像面ともに塗布後2分以内に乾燥するように、乾燥風量及び温度を調整した。乾燥点は、塗布表面温度が乾燥風の湿球温度と同じ温度となる点とした。
乾燥後、カレンダー処理を行った。前記カレンダー処理は、グロスカレンダーを用い、金属ローラを30℃に温調した状態で、圧力147N/cm(15kgf/cm)にて行い電子写真用受像シート▲1▼を製造した。
【0172】
得られた電子写真受像シート▲1▼は、使用するまでの間、室温で55%RHの環境下において16時間放置した。
【0173】
<電子写真用受像シート▲2▼の製造>
−支持体の調製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300cc(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味し、EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸に由来する)を意味する。
【0174】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/m2の原紙を作製した。なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、PVA 1.0g/m2、CaCl2 0.8g/m2を付着した。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm3に調整した。得られた原紙において、トナー受像層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の王研式平滑度は、265秒であり、ステキヒト・サイズ度は、127秒であった。
【0175】
前記原紙の表面に、前記前記電子写真用受像シート▲1▼と同じ中間層用の塗布液及びトナー受像層用の塗布液を用いて、同様に中間層及びトナー受像層を塗工した。
【0176】
−バック層用塗布液の調製−
下記の成分を混合し、攪拌して、バック層用塗布液を調製した。
アクリル樹脂水分散物
(固形分30%、ディックファインK−96、大日本インキ製) 150.0g
マット剤
(テクポマーMBX−8、積水化成品工業製) 8.0g
離型剤(ハイドリンD337、中京油脂製) 5.0g
増粘剤(アルコックスE30、明成化学製) 0.5g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 40ml
バック層用の塗布液の粘度は、60mPa・sであり、表面張力は、34mN/mであった。
【0177】
−バック層の塗工−
前記原紙の裏面には、上記バック層用の塗布液をバーコーターで塗布した。
塗布量は、乾燥質量で9.5g/m2となるようにバック層用塗布液を塗布した。
バック層は塗布後、オンラインで熱風により乾燥した。乾燥は、塗布後2分以内に乾燥するように、乾燥風量及び温度を調整した。乾燥点は、塗布表面温度が乾燥風の湿球温度と同じ温度となる点とした。
乾燥後、カレンダー処理を行った。前記カレンダー処理は、グロスカレンダーを用い、金属ローラを30℃に温調した状態で、圧力147N/cm(15kgf/cm)にて行い電子写真用受像シート▲2▼を製造した。
【0178】
得られた電子写真受像シート▲2▼は、使用するまでの間、室温で55%RHの環境下において16時間放置した。
【0179】
(実施例1)
前記電子写真用受像シート▲1▼を60℃にて16時間加熱処理を行って水分を除去し、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート層を有する包装材料で密封保管する防湿包装を行った(以下、「加熱除湿処理A」と略記する)。
防湿包装から開封して取り出した電子写真受像シート▲1▼を、富士ゼロックス製電子写真プリンタDocuCenter Color 400を用いて、25℃−55%RH環境下、トナー受像面に黒及び濃度の異なるグレーの印字を行った。得られた電子写真プリントについて、下記に示したブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び5に示す。
なお、開封した直後の電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.9%であった。
【0180】
−ブリスター発生の程度−
画像形成後の電子写真プリントにおける印字面のブリスター発生の程度を目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:目視で発生が見られない。
△:目視でわずかにブリスターの発生が見られる。
×:目視でブリスターの発生が見られる。
【0181】
−最低光沢度の測定−
画像形成後の電子写真プリントにおける印字面の黒部、濃度の異なるグレー部及び白地部についての20度光沢度をJIS Z 8741に基づき測定し、最低光沢度を求めた。
【0182】
(実施例2)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに電子写真用受像シート▲1▼を吸湿剤(シリカゲル)と共にアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート層を有する包装材中に密封し3日間防湿包装した(以下、「脱湿処理B」と略記する)以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後の電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.1%であった。
【0183】
(実施例3)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用いる以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.2%であった。
【0184】
(実施例4)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像シート▲2▼を用い、加熱除湿処理Aの代わりに脱湿処理Bを行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、5.6%であった。
【0185】
(比較例1)
実施例1において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりにポリエチレンフィルム層を有する包装材料にて防湿包装された富士ゼロックス(株)製 デジタルコートグロッシー(以下、「電子写真用受像シート▲3▼」と略記する)を用い、加熱除湿処理Aを行わないこと以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲3▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、8.7%であった。
【0186】
(比較例2)
実施例1において、加熱除湿処理Aを行わない以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.3%であった。
【0187】
(比較例3)
実施例1において、電子写真用受像シート▲2▼を用いること及び加熱除湿処理Aを行わないこと以外は実施例1と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.8%であった。
【0188】
(比較例4)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、特開平11−322116号公報記載の加熱除湿処理に準じて、画像形成前に、加熱された2つのロールに電子写真用受像シートを通す方式の加熱(165℃にて2秒間)を行って水分を除去する処理(以下、「加熱除湿処理C」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Cを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.0%であった。
【0189】
(比較例5)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、給紙トレイに入れた状態の電子写真用受像シートを、60℃、2時間の条件で加熱を行って水分を除去する処理(以下、「加熱除湿処理D」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Dを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.7%であった。
【0190】
(比較例6)
実施例1において、加熱除湿処理Aの代わりに、給紙トレイに入れた状態の電子写真用受像シートを60℃、8時間の条件で加熱を行い水分を除去した後、25℃−55%RHの環境下で4時間放置する処理(以下、「加熱除湿処理E」と略記する)を行った以外は実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表4及び表5に示す。
なお、加熱除湿処理Eを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.9%であった。
【0191】
【表4】
【0192】
【表5】
【0193】
表4及び表5の結果から、実施例1〜4は、加熱除湿処理A又は脱湿処理Bを行うことにより、他の加熱除湿処理による場合と比較してより高温での定着処理においてもブリスター発生を抑制することができ、その結果、画像形成後の電子写真プリントの光沢度が向上することが認められた。
これに対して、特に、比較例4の加熱除湿処理Cの場合には、加熱時間が短すぎるため適切な水分含有量までの水分除去が困難であり、ブリスターが発生し、光沢度が低下してしまった。
【0194】
(実施例5)
実施例1と同様の加熱除湿処理Aを行った前記電子写真用受像シート▲1▼を、定着部を図3に示す定着ベルト系とした富士ゼロックス製電子写真プリンタDocuCenter Color 400を用いて、23℃−55%RH環境下、トナー受像面に黒及び濃度の異なるグレーの印字を行った後、図3に示すベルト定着装置にて印字面上向きにして定着を行った。
即ち、図3に示す定着ベルト系1では、加熱ローラ3と、テンションローラ5とにわたって定着ベルト2が懸架され、加熱ローラ3の下方には、定着ベルト2を介して、加圧ローラ4が設けられている。トナー潜像を有する電子写真用受像シート▲1▼は、図3において、右側から、加熱ローラ3と、加圧ローラ4との間に挿入され、加圧及び加熱され、次いで、定着ベルト2に載って移動し、次いで、定着ベルト2に沿って下流に設けられた冷却装置7により冷却され、次いで、電子写真用受像シート▲1▼は、定着ベルト2から剥離される。
【0195】
このようにして得られた電子写真プリントの印字面について、実施例1と同様にして、ブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.8%であった。
【0196】
(実施例6)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに実施例2と同様の脱湿処理Bを行う以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.2%であった。
【0197】
(実施例7)
実施例5において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用いる以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、開封した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、4.4%であった。
【0198】
(比較例7)
実施例5において、加熱除湿処理Aを行わない以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲1▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.2%であった。
【0199】
(比較例8)
実施例5において、電子写真用受像シート▲1▼の代わりに電子写真用受像紙▲2▼を用い、加熱除湿処理Aを行わないこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、給紙トレイに装填した直後における電子写真用受像シート▲2▼のJIS P 8127に準拠して測定した水分含有量は、7.9%であった。
【0200】
(比較例9)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに加熱除湿処理Cを行うこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、加熱除湿処理Cを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.9%であった。
【0201】
(比較例10)
実施例5において、加熱除湿処理Aの代わりに加熱除湿処理Dを行うこと以外は、実施例5と同様にしてブリスター発生の程度の評価及び最低光沢度の測定を行った。結果を表6に示す。
なお、加熱除湿処理Dを行った直後における電子写真用受像シート▲1▼のJISP 8127に準拠して測定した水分含有量は、6.7%であった。
【0202】
【表6】
表6の結果から、実施例5〜7は、加熱除湿処理A又は脱湿処理Bを行うことにより、比較例7〜10の加熱除湿処理による場合と比較して、より高温での定着処理においてもブリスター発生を抑制することができ、その結果、画像形成後の光沢度が向上することが認められる。
尚、電子写真用受像シート▲1▼及び▲2▼を常に35℃に加温されるように改造した給紙トレイ内に置き、DocuCenter Color 400を35℃−85%RH環境下で1週間放置して、再度実施例5〜7と同様の試験を行ったところ、表6に示す実施例5〜7と同様の結果を得た。
【0203】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水分含有量の少ない画像形成材料を用いることにより、従来技術における加熱ロール方式及び給紙トレイに紙を入れた状態での加熱処理等による方法では達成し得なかった、高温での画像形成や画像形成後の加熱加圧処理においてブリスターの発生を抑制することが可能となり、定着性に優れ、これまでにない光沢性と低レリーフ性を有する高画質な画像を提供できる画像形成材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る画像形成材料の構成態様を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に係る画像形成材料の構成態様を示す図である。
【図3】図3は、本発明の定着ベルト方式の電子写真装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 定着ベルト系
2 定着ベルト
3 加熱ローラ
4 加圧ローラ
5 テンションローラ
7 冷却部
Claims (17)
- 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、該画像形成材料の画像形成開始時における水分含有量が6.5%以下であることを特徴とする画像形成材料。
- 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた請求項1に記載の画像形成材料。
- 支持体と、該支持体の少なくとも一面に熱可塑性樹脂を含む少なくとも一層の画像形成層を有する画像形成材料において、加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われてなることを特徴とする画像形成材料。
- 加熱除湿処理が、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度で行われる請求項2又は3に記載の画像形成材料。
- 加熱除湿処理が、温度100℃以下で1時間以上の条件下に保管されることにより行われる請求項2又は3に記載の画像形成材料。
- 脱湿処理が、画像形成材料と除湿剤とを密閉条件下で同居させることにより行われる請求項2から5のいずれかに記載の画像形成材料。
- 加熱除湿処理及び脱湿処理の少なくともいずれかの処理が行われた後、防湿包装される請求項2から6のいずれかに記載の画像形成材料。
- 支持体が、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙及びラミネート紙から選ばれる請求項1から7のいずれかに記載の画像形成材料。
- 支持体が、その片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙である請求項1から8のいずれかに記載の画像形成材料。
- 画像形成材料が、電子写真材料、感熱発色材料、インクジェット記録材料、昇華転写受像材料、銀塩写真感光材料及び熱転写受像材料から選ばれる少なくともいずれかである請求項1から9のいずれかに記載の画像形成材料。
- 請求項1から10のいずれかに記載の画像形成材料を、使用時まで防湿包装しておき、開封して用いることを特徴とする画像形成材料の使用方法。
- 請求項1から10のいずれかに記載の画像形成材料を用いて、画像形成した後、加熱加圧処理することを特徴とする画像形成方法。
- 前記加熱加圧処理が、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で行われる請求項12に記載の画像形成方法。
- 加熱加圧手段と、冷却装置と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、80℃以下の温度に冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離する請求項12又は13に記載の画像形成方法。
- 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる請求項14に記載の画像形成方法。
- 前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる請求項14に記載の画像形成方法。
- 前記フルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する請求項15又は16に記載の画像形成方法。
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JP2002358686A JP2004191602A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 画像形成材料及びその使用方法、並びに画像形成方法 |
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TWI814251B (zh) * | 2021-03-29 | 2023-09-01 | 日商柯尼卡美能達股份有限公司 | 光學薄膜及其製造方法,以及具備其之偏光板及顯示裝置 |
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2002
- 2002-12-10 JP JP2002358686A patent/JP2004191602A/ja active Pending
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