JP2004191562A - 現像ローラ、その製造方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性層3の外周面に少なくとも1層の樹脂被覆層3aを有する現像ローラにおいて、樹脂被覆層3aは紫外線又は電子線硬化型樹脂よりなる。この樹脂被覆層3aは塗工液を塗布した後、紫外線又は電子線を照射し、さらにその後熱硬化処理したものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に用いられる現像ローラ及びその製造方法と、この現像ローラを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、潜像を保持した感光ドラム等にトナー(非磁性一成分現像剤)を供給し、感光ドラムの潜像に該現像剤を付着させて潜像を可視化する現像方法として、加圧現像法が知られている。
【0003】
この加圧現像法は、トナーを担持した現像ローラを感光ドラム等の静電潜像を保持した潜像保持体(画像形成体)に接触させて、トナーを該潜像保持体の潜像に付着させることにより現像を行うもので、このため上記現像ローラを導電性を有する弾性体で形成する必要がある。潜像保持体と現像ローラ間に微小な間隙を設けてトナーを飛翔させたりアパチャー電極を用いたトナージェット法等にもこのような導電性弾性ローラが用いられている。
【0004】
この加圧現像法を例にとると、例えば図2に示されているように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ4と静電潜像を保持した感光ドラム(画像形成体)5との間に、上記現像ローラ1が配設され、これら現像ローラ1、感光ドラム5及びトナー塗布用ローラ4がそれぞれ図中矢印方向に回転することにより、トナー6がトナー塗布用ローラ4により現像ローラ1の表面に供給され、このトナーが成層ブレード7により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ1が感光ドラム5と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ1から感光ドラム5の潜像に付着して、該潜像が可視化するようになっている。なお、図中8は転写部であり、ここで紙等の記録媒体にトナー画像を転写するようになっており、また9はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード10により転写後に感光ドラム5表面に残留するトナーを除去するようになっている。
【0005】
この場合、現像ローラ1は、感光ドラム5に密着した状態を確実に保持しつつ回転しなければならず、このため図1に示されているように、金属等の良導電性材料からなるシャフト2の外周にシリコーンゴム、NBR、EPDM、ECO、ポリウレタン等のエラストマーにカーボンブラックや金属粉を分散させた半導電性の弾性体やこれらを発泡させたフォーム体からなる半導電性弾性層3を形成した構造となっている。更に、トナーに対する帯電性や付着性の制御のため、あるいは現像ローラと成層ブレードとの摩擦力の制御や、現像ローラの弾性体による感光体の汚染防止の目的で樹脂被覆層3aを表面に形成する場合もある。
【0006】
この樹脂被覆層を設ける方法として、溶剤系又は水系の塗料中にローラをディップ又はスプレーした後に熱又は熱風で乾燥硬化する方法が行われているが、長時間の乾燥が必要であるため、量産には長い乾燥ラインが必要である。また、ローラのソリッド層はその用途から微妙な導電性、表面状態が要求されるため、乾燥ライン内の温度分布、風量のバラツキが性能に大きく影響する等、コスト、品質上の問題があった。
【0007】
このような問題点を解決するものとして、紫外線硬化型樹脂を塗布し硬化させて樹脂被覆層を形成した現像ローラが特開2002−310136号公報に記載されている。同号公報には、弾性層を形成する方法として、ウレタン原料液を円筒状の金型内に注入し、発泡させ硬化させて弾性層を形成し、この弾性層に研磨処理を施すことなく弾性層外周面に樹脂被覆層を形成することが記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−310136号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
紫外線硬化型樹脂を塗布して紫外線照射し樹脂被覆層を成膜する方法においては、照射が不十分であったりした場合に未反応樹脂が残存し、この未反応樹脂が感光体に付着し、汚染させてしまう恐れがある。
【0010】
本発明は、紫外線又は電子線の照射により樹脂被覆層を形成する現像ローラの製造方法において、未反応樹脂の残留を無くし、感光体の汚染を防止して良好な画像を形成することができる現像ローラの製造方法と、この製造方法により製造された現像ローラと、この現像ローラを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像ローラの製造方法は、シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された少なくとも1層の樹脂被覆層を有する現像ローラを製造する方法において、該弾性層の外周面に紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を含んだ塗工液を塗布した後、紫外線又は電子線を照射し、その後加熱して残存未反応樹脂を硬化させることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の現像ローラは、この製造方法により製造されたものである。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、この現像ローラを備えたものである。
【0014】
かかる本発明によって提供される現像ローラは、紫外線又は電子線の照射後に樹脂被覆層中に未反応樹脂が残存していたとしても、この未反応樹脂が加熱により硬化するので、樹脂被覆層中に未反応樹脂が残留しないようになる。このため、感光体の汚染が防止され、良好な画像が形成される。なお、紫外線又は電子線の照射後の熱硬化処理は、極く短時間で済むため、弾性層に対しダメージが加えられない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明のトナー担持体は、例えば図1に示されたローラ1のように、良導電性シャフト2の外周に半導電性の弾性層3を形成し、更に該半導電性弾性層3上に樹脂被覆層3aを形成したたものである。
【0016】
シャフト2としては、良好な導電性を有するものであれば、いずれのものも使用し得るが、通常は鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金や内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトが用いられる。
【0017】
このシャフト2の外周に形成する半導電性弾性層3は、エラストマー単体もしくはそれを発泡させたフォーム体にカーボンブラック等の電子導電剤や過塩素酸ナトリウム等のイオン導電剤を配合して抵抗値を調整した半導電性の弾性体により形成される。
【0018】
上記エラストマーとしては、シリコーンゴム、EPDM、NBR、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、EVA、ポリウレタン、及びこれらの混合物等が挙げられるが、特にシリコーンゴム、EPDM、エピクロロヒドリンゴム、ポリウレタンが好ましく用いられる。また、これらエラストマーを発泡剤を用いて化学的に発泡させたり、ポリウレタンフォームのように空気を機械的に巻き込んで発泡させたフォーム体としても用いることができる。
【0019】
本発明では、シャフト2と弾性層3との一体化を行うための成形工程において、反応射出成形法(RIM成形法)を用いてもよい。即ち、弾性層3の原料成分を構成する2種のモノマー成分を筒状型内に混合射出して、重合反応させて、シャフト2と弾性層3とを一体化する。これにより原料の注入から脱型までの所要時間60秒程度で成形工程を行うことができるので、生産コストを大幅に削減することが可能となる。
【0020】
この半導電性弾性層3に配合される導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤等が用いられる。電子導電剤は透明導電剤であってもよい。
【0021】
電子導電剤を例示すれば、ケッチェンブラック,アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラ−(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。これら電子導電剤の配合量は、通常上記エラストマー100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜40重量部の範囲で好適に用いられる。
【0022】
また、イオン導電剤を例示すれば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。これらイオン導電剤の配合量は、通常上記エラストマー100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.05〜5重量部の範囲で好適に用いられる。
【0023】
なお、上記導電剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、この場合電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせることも可能である。
【0024】
この半導電性弾性層3は、特に制限されるものではないが、上記導電剤の配合により、その抵抗値を103〜1010Ωcm、特に104〜108Ωcmとすることが好ましい。抵抗値が103Ωcm未満であると電荷が感光ドラム等にリークしたり、電圧によりトナー担持体自身が破壊したりする場合があり、一方1010Ωcmを超えると、地かぶりが発生しやすくなる。
【0025】
この半導電性弾性層3には、必要に応じて上記エラストマーをゴム状物質とするために架橋剤、加硫剤を添加することができる。この場合、有機過酸化物架橋及び硫黄架橋のいずれの場合でも加硫助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等を用いることができる。更にまた、上記以外にもゴムの配合剤として一般に用いられているしゃく解剤、発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等を添加することができる。
【0026】
ポリウレタン又はEPDMを基材として弾性層3を形成する場合には、例えば現像ローラとして使用する際の表面上のトナー帯電量をコントロールする目的でニグロシン、トリアミノフェニルメタン、カチオン染料などの各種荷電制御剤、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ナイロンなどの微粉体を添加することができる。この場合、これら添加剤の添加量は、上記ポリウレタン又はEPDM100重量部に対して、上記荷電制御剤は1〜5重量部、上記微粉体は1〜10重量部とすることが好ましい。
【0027】
半導電性弾性層3の硬度は、特に制限されるものではないが、アスカーC硬度で80度以下、特に40〜70度とすることが好ましい。この場合、硬度が80度を超えると、現像ローラと感光ドラム等との接触面積が小さくなり、良好な現像が行えなくなるおそれがある。更に、トナーに損傷を与え感光体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して画像不良となりやすい。逆に、あまり低硬度にすると感光体や成層ブレードとの摩擦力が大きくなり、ジッターなどの画像不良が発生する虞がある。
【0028】
この半導電性弾性層3は、感光体や成層ブレードなどに当接して使用されるため、硬度を低硬度に設定する場合でも、圧縮永久歪をなるべく小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
【0029】
半導電性弾性層3の表面粗さは、特に制限されるものではないが、JIS10点平均粗さで15μmRz以下、特に1〜10μmRzとすることが好ましい。表面粗さが15μmRzを超えると一成分現像剤(トナー)のトナー層の層厚や帯電の均一性が損なわれる場合があるが、15μmRz以下とすることにより、トナーの付着性を向上させることができると共に、長期使用時でのローラの摩耗による画像劣化をより確実に防止し得る。適切な表面粗さを得るために、ローラ表面を研摩してもよいが、研摩工程を設けるとローラの生産性が悪くなり、製造コストが上昇する。そこで、弾性体の成形用のモールド表面を適度に粗面化し、成形される弾性体の表面にモールド表面の粗面を転写させて上記の表面粗さとすることが好ましい。この場合、脱型された成形体表面(弾性層3の外周面)にそのまま表面被覆層3aが形成される。
【0030】
本発明の現像ローラには、図1に示したように、上記半導電性弾性層3上に抵抗調整やトナーの帯電量、搬送量を制御するために、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を硬化させてなる樹脂被覆層3aを形成する。この樹脂被覆層3aを形成する紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。更に、これらの樹脂に特定の官能基を導入した変性樹脂を用いることもできる。
【0031】
また、この樹脂被覆層3aの力学的強度、耐環境特性を改善するために架橋構造を導入することが好ましい。
【0032】
紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリレート系樹脂組成物が好適である。
【0033】
かかる(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー等、また、フッ素系、シリコーン系のアクリルオリゴマーなどを挙げることができる。
【0034】
上記(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールとε−カプロラクトンの付加物等の化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により、あるいはポリイソシアネート化合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物をウレタン化することにより合成することができる。
【0035】
ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオール、イソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とをウレタン化することによって得られる。
【0036】
エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーの例としては、グリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物であればいずれでもよいが、中でもベンゼン環、ナフタレン環、スピロ環、ジシクロペンタジエン、トリシクロデカン等の環状構造を有し、かつグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物が好ましい。
【0037】
更に、エーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル系(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマーは、各々に対するポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール)と(メタ)アクリル酸との反応によって得ることができる。
【0038】
樹脂組成物には、必要に応じて粘度調整のために重合性二重結合を有する反応性希釈剤を配合する。このような反応性希釈剤としては、アミノ酸や水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化反応及びアミド化反応で結合した構造の、例えば、単官能、2官能または多官能の重合性化合物等を使用することができる。これらの希釈剤は、(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり、通常10〜200重量部用いることが好ましい。
【0039】
この樹脂被覆層3aには、その導電性を制御する目的で導電剤を配合することができ、導電剤としては、上記半導電性弾性層3に用いられる導電剤として例示したものと同様のものを例示することができる。樹脂被覆層を形成するための樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、樹脂に配合する導電剤はイオン導電剤又は透明導電剤であることが好ましい。
【0040】
このイオン導電剤の配合量は樹脂100重量部に対し20重量部以下、特に0.01〜20重量部、とりわけ1〜10重量部であることが好ましい。
【0041】
この透明導電剤としては、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物の微粒子;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属の微粒子;導電性酸化チタンウィスカー、導電性チタン酸バリウムウィスカー等の導電性ウィスカー;などが例示される。この透明導電剤の配合量は、樹脂100重量部に対し100重量部以下、特に1〜80重量部、とりわけ10〜50重量部が好適である。
【0042】
樹脂被覆層を形成するための樹脂が電子線硬化型樹脂の場合には、導電剤としてカーボンブラックを配合してもよく、その配合量は樹脂100重量部に対し100重量部以下特に1〜80重量部とりわけ1〜50重量部とするのが好ましい。
【0043】
紫外線により樹脂被覆層を形成するための塗工液には、重合開始剤を配合することが好ましい。重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよび3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
なお、かかる重合開始剤の配合量は、(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり0.1〜10重量部が好ましい。
【0045】
本発明においては、上記成分以外に、必要に応じて、上記の重合開始剤による重合反応を促進するためにトリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系重合促進剤、p−チオジグリコール等のチオエーテル系光重合促進剤などを添加してもよい。これらの化合物の添加量は、通常(メタ)アクリレートオリゴマー100重量部当たり0.01〜10重量部の範囲が好ましい。
【0046】
ただし、電子線により硬化させる場合においては、重合開始剤は必ずしも必要としない。
【0047】
なお、この樹脂被覆層3aには、その他必要に応じて種々の添加剤を適量添加することができる。
【0048】
この樹脂被覆層3aを上記半導電性弾性層3上に形成する方法としては、上記樹脂成分及び添加剤を含有する組成物よりなる塗工液を上記半導電性弾性層3の表面に塗布し、紫外線又は電子線を照射し、さらにその後加熱して未反応樹脂を硬化させる方法が採用される。この塗工液は溶剤を含まないものであることが好ましい。
【0049】
この塗工液を塗布する方法としては、スプレー法、ロールコーター法、ディッピング法などにより行うことができる。
【0050】
紫外線又は電子線を照射した後の加熱時間は5〜120分特に10〜40分程度が好適であり、この加熱温度は40〜100℃特に50〜80℃程度が好適である。この加熱条件であれば、弾性層3にダメージが生じることはない。
【0051】
この樹脂被覆層3aの厚さは、特に制限されるものではないが、通常1〜100μm特に3〜100μmとりわけ5〜100μm程度とすることが好ましい。厚さが1μm未満であると、耐久時の摩擦により十分に表面層の帯電性能が確保することができなくなる場合があり、一方100μmを超えると、現像ローラ表面が硬くなり、トナーにダメージを与えて感光体等の画像形成体や成層ブレードへのトナーの固着が発生して画像不良となる場合がある。
【0052】
本発明の現像ローラは、電気抵抗を103〜1010Ω特に104〜108Ωとすることが好ましい。この場合抵抗値が103Ω未満であると、階調性コントロールが著しく困難となり、また感光体等の画像形成体に欠陥があった場合バイアスリークが生じることもある。一方、抵抗値が1010Ωを超えると、例えばトナーを感光体等の潜像保持体に現像する場合、現像バイアスが現像ローラ自体の高抵抗のために電圧降下をおこし、現像に十分な現像バイアスが確保できなくなって、十分な画像濃度が得られなくなってしまう。なお、この抵抗値の測定は、例えば平板又は円筒状の対極に現像ローラの外周面を所定圧力で押し当て、シャフトと対極との間に100Vの電圧を印加して、その時の電流値から求めることができる。
【0053】
このように、現像ローラの抵抗値を適正かつ均一に制御することはトナーが移動するための電界強度を適正かつ均一に保つ点で重要である。
【0054】
本発明の現像ローラは、トナーを用いる画像形成装置に組み込むことができ、具体的には図2に示すように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ4と静電潜像を保持した感光ドラム5との間に、本発明の現像ローラ1を感光ドラム5と接触又は近接した状態で配設し、トナー塗布用ローラ4によりトナー6をこの現像ローラ1に供給し、これを成層ブレード7により均一な薄層に整え、更にこの薄層からトナーを感光ドラム5に供給し、該感光ドラム5の静電潜像にトナーを付着させて潜像を可視化することができる。なお、図2の詳細については、従来技術において説明しているのでその説明を省略する。
【0055】
【実施例】
以下、実施例,比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0056】
[実施例1]
サンニックスFA952(三洋化成工業株式会社製ポリエーテルポリオール、OH価=37)100部、SRX274C(東レダウコーニングシリコン株式会社製製泡剤)1部、TOYOCAT NP(東ソー株式会社製アミン触媒)2.8部、TOYOCAT EP(東ソー株式会社製アミン触媒)1.5部及びサンフォームIC−716(三洋化成工業株式会社製トリレンジイソシアネート)59部を機械的に撹拌して発泡させた。
【0057】
内径16mm、長さ250mmの、表面をフッ素加工した金属製円筒型の片側開口部から、外径6.0mm、長さ240mmの金属製シャフトを配置し、上記の発泡ポリウレタン原料をRIM成形用発泡機から注入した。
【0058】
次いで、発泡ポリウレタン原料が注入されたモールドを80℃のオーブン中で20分間キュアした後脱型し、外径が12mm、弾性層部分の全長が210mmの弾性層を有するローラ本体を得た。
【0059】
このようにして製作したローラ本体の外周面に、表1に示すように、イオン導電剤として過塩素酸ナトリウムを2PHR配合したウレタン系紫外線硬化型樹脂組成物を厚み100μmになるように、ロールコータで塗布した後、ウシオ電機(株)製ユニキュアUVH−0252C装置を用いてローラを回転させながら、照射強度260mW/cm2,積算光量1000mJ/cm2で紫外線を照射したところ、塗膜は瞬時に硬化して弾力性のある樹脂被覆層が形成された。次いで、このローラをオーブンにて110℃×30分加熱し、樹脂被覆層中の未反応樹脂を熱硬化させた。
【0060】
得られたローラは、表1に示す特性を有し、現像ローラに適したものであった。
【0061】
[実施例2]
導電剤としてカーボンブラックを20PHR配合し、紫外線照射の代りに電子線を照射したこと、及び熱処理時間を20分としたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製作した。このローラも、表1に示す特性を有し、現像ローラに適したものであった。
【0062】
なお、電子線照射装置はウシオ電機(株)製Min−EB装置であり、加速電圧30kV、管電流300μA、照射距離100mm、雰囲気1Torrとした。
【0063】
表1中の『圧接痕』は、現像ローラに成層ブレードを押し付けて1ヶ月間放置した後に、圧接痕の有無の観察結果である。『基材ダメージ』とは熱処理により弾性層に与えられるダメージのことである。
【0064】
[比較例1]
紫外線照射後の熱硬化処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを製作した。この場合、表2の通り、感光性ドラムに対し未反応樹脂に由来する汚染が少し認められた。また、アセトン抽出により若干の樹脂が抽出された。
【0065】
[比較例2]
電子線照射後の熱硬化処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして現像ローラを製作した。この場合、表2の通り、感光性ドラムに対し未反応樹脂に由来する汚染が少し認められた。また、アセトン抽出により若干の樹脂が抽出された。
【0066】
[比較例3]
電子線照射を行わず、110℃の熱硬化処理のみを5時間行ったこと以外は実施例4と同様にして現像ローラを製作した。この場合、表2の通り、基材(弾性層)にダメージが与えられると共に、ブレード圧接痕が若干生じた。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、樹脂被覆層に未反応樹脂が無く、感光性ドラムの汚染が防止されると共に、弾性層のダメージも無い現像ローラ及びこれを用いた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像ローラの断面図である。
【図2】画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 シャフト
3 半導電性弾性層
3a 樹脂被覆層
6 トナー
Claims (9)
- シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された少なくとも1層の樹脂被覆層を有する現像ローラを製造する方法において、
該弾性層の外周面に紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を含んだ塗工液を塗布した後、紫外線又は電子線を照射し、その後加熱して残存未反応樹脂を硬化させることを特徴とする現像ローラの製造方法。 - 請求項1において、加熱時間が5〜120分であることを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1又は2において、加熱温度が40〜100℃であることを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、該塗工液は無溶剤であることを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該塗工液が導電剤を含有することを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、弾性層は発泡体よりなることを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、弾性層を反応射出成形法により成形することを特徴とする現像ローラの製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項の製造方法によって製造された現像ローラ。
- 現像ローラを有する画像形成装置において、該現像ローラが請求項8に記載の現像ローラであることを特徴とする画像形成装置。
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- 2002-12-10 JP JP2002358254A patent/JP2004191562A/ja active Pending
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