JP2004191345A - 解凍検知記録チップ - Google Patents

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Mikio Ikezu
幹男 池津
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NISSEN GIKEN KK
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Abstract

【課題】冷凍食品の解凍、再凍結の状態と解凍を検知して記録する用品の解凍、再凍結の状態とが微妙にずれが生じたり、製造段階の冷凍する前に混和して凍結させたときには既に変色してしまっている。
【解決手段】本発明は、呈色反応を生ずる酸又は塩基を含有する呈色反応ゲルフィルム1と、呈色反応ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔2aを穿設した第1制御用多孔膜2と、第1制御用多孔膜に積層される加工初期段階での凍結前の酸性遊離水を中和させる緩衝ゲルフィルム3と、緩衝ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔を穿設した第2制御用多孔膜4と、第2制御用多孔膜に積層される酸又は塩基と接触して呈色反応を生じさせる指示薬を定着させた不織布5と、不織布に積層されるコーティング層6と、密封シールさせるパッキングシート7を備えた。
【選択図】
図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷凍食品等の凍結加工以後の履歴を知るために用いられる解凍検知記録チップに関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、冷凍食品は我々の生活において不可欠のもの成っており、流通面においても製造工場から運搬、量販店、飲食店、家庭等に至るまで性能の良い冷凍庫が設置されたことと、食品衛生法等により規定されその品質は著しく向上し、安全な食品と成っているが、個々の商品についての保管状態は各店舗又はドライバー等の自主管理に任されており、個々の商品がどの様な状況下で搬送維持されて来たかを知るには、冷凍庫内又はショーケース内の温度変化をタコグラフ等に記録して知ることはできるが、品質が劣化した場合、凍結されている状態では外観上からは包装の内側に付着している再凍結氷の量、商品のダレ、破損等は目視による識別は可能であるが、再凍結状態の外面に変化のない冷凍食品は専門家でも識別が大変困難であり、まして一般のユーザーがにとっては品質劣化の正確な判断は不可能であった。
【0003】
そして、冷凍食品の中でも冷凍寿司、冷凍炊飯米は通常の冷凍食品とは全く異なる性質を有しており、つまり、温度変化に対して極めて敏感であり、品質に不可逆変化性を有することであり、冷凍寿司及び冷凍炊飯米は炊飯によってα澱粉化された米を急速冷凍加工により、α澱粉化のまま冷凍固定されているもので、常温に放置することによりα澱粉化された状態で復元するが、これを再冷凍した場合、α澱粉がβ澱粉に移行すると同時に包含している水分が遊離し、再解凍後は固くボロボロの品質に変化してしまい食味は著しく低下して商品価値は消失するものである。
【0004】
即ち、冷凍寿司、冷凍炊飯米の商品は、流通段階での不注意による一時的な常温放置、例えば、冷凍庫への入出庫時や、店頭の冷凍ケースから顧客が取り出して数十分間程持ち回り解凍が始まった商品を再び冷凍ケースに戻したような場合等は商品に対して決定的なダメージを与えるが、ダメージを受けた商品と規定通り冷凍保管されている商品とが外観上での識別は不可能であり、この種の冷凍食品の発展に伴い再凍結された冷凍食品と完全に冷凍保存されている冷凍食品とを容易に識別が可能な表示物が必要不可欠となっている。
【0005】
その為に、解凍を検知して記録する用品が開発されるようになり、反応試薬をゲル状層にしてコーティング層を介装して呈色反応シートをパッケージしたもの(特許文献1参照)や、基板に凹所を設け、該凹所に着色部を水溶性被覆シートで覆うと共に液体を封入したカプセルを配置したもの(特許文献2参照)や、二つ折りできるチューブの中に夫々異色のゼリー状液体を封入したもの(特許文献3参照)が開発され、解凍したものか再凍結されても判断できるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−224435号公報
【特許文献2】
特開平5−142999号公報
【特許文献3】
特許第2907793号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
然し乍ら、冷凍食品の解凍、再凍結の状態と解凍を検知して記録する用品の解凍、再凍結の状態とが微妙にずれが生じたり、製造段階の冷凍する前に混和して凍結させたときには既に変色してしまっているような課題を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、呈色反応を生ずる酸又は塩基を含有する呈色反応ゲルフィルムと、呈色反応ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔を穿設した第1制御用多孔膜と、第1制御用多孔膜に積層される加工初期段階での凍結前の酸性遊離水を中和させる緩衝ゲルフィルムと、緩衝ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔を穿設した第2制御用多孔膜と、第2制御用多孔膜に積層される酸又は塩基と接触して呈色反応を生じさせる指示薬を定着させた不織布と、不織布に積層されるコーティング層と、密封シールさせるパッキングシートを備えたものである。
【0009】
【発明の作用】
本発明の作用は、単位毎に包装された冷凍食品の包装内に同封されている冷凍状態の解凍検知記録チップは、冷凍食品が常温に放置され解凍が始まると同時に解凍検知記録チップも解凍が始まり、即ち、解凍検知記録チップの呈色反応ゲル状フィルムが解凍を始めキセロゲルに変化するもので、その際、呈色反応ゲル状フィルムに含有させた酸又は塩基は遊離水となり、この遊離水はキセロゲル化した呈色反応ゲル状フィルムには再吸収されないもので、従って、浸出した酸又は塩基の遊離水は酸又は塩基に呈色反応を生じさせる指示薬を定着させた不織布に浸透して、酸又は塩基よって指示薬特有の色を提示するものであり、この状態で冷凍食品を再度凍結した場合、冷凍食品は外観上元の姿に凍結するが解凍検知記録チップに残された色呈は元の解凍検知記録チップの色呈に戻ることは無く、従って、解凍検知記録チップに記録された色呈から冷凍食品の解凍履歴を容易且つ歴然と知ることができるものである。
【0010】
従って、本発明の目的は各種冷凍食品の常温放置許容時間にシンクロナイズさせることを可能として、確実に冷凍商品の冷凍の履歴を把握できる解凍検知記録チップを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の図面によって具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の断面説明図であり、図2は本発明の解凍検知記録チップの次実施の形態の断面説明図であり、図3は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の要部拡大断面説明図であり、図4は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の制御用多孔膜の拡大平面図である。
【0013】
本発明は、冷凍食品等の凍結加工以後の履歴を知るために用いられる解凍検知記録チップに関するものであり、呈色反応を生ずる酸又は塩基を含有する呈色反応ゲルフィルム1と、該呈色反応ゲルフィルム1に積層される多数の制御用小孔2aを穿設した第1制御用多孔膜2と、該第1制御用多孔膜2に積層される加工初期段階での凍結前の遊離水を中和させる緩衝ゲルフィルム3と、該緩衝ゲルフィルム3に積層される多数の制御用小孔4aを穿設した第2制御用多孔膜4と、該第2制御用多孔膜4に積層される前記酸又は塩基と接触するすることによって呈色反応を生じさせる指示薬を定着させた不織布5と、該不織布5に積層されるコーティング層6と、密封シールさせるパッキングシート7を備えたものである。
【0014】
即ち、本発明の解凍検知記録チップの呈色反応ゲルフィルム1は呈色反応を生ずる酸又は塩基を含有するもので、実施の形態では粉末寒天3%の溶液を煮熟し、完全に溶解させて食酢又は酢酸等の万一誤って飲んでも害のない食品添加物を混入させることにより、PH4〜PH5程度に調製するもので、例えば、ソル状態の内に型に流し込み冷却して、厚さ1.5mm〜3mm程度のフィルム状のソルを作るか、又は、厚さ100mm程度のブロック状に冷却し、これをスライスして1.5mm〜3mm程度のフィルム状のソルを作ることもでき、ゲル化剤としては寒天の他コンニャクマンナン、又は、動物性ゼラチン等の膠質類を使用できるものである。
【0015】
そして、第1制御用多孔膜2は不通水性の膜に溶解して流出する呈色反応を生ずる酸又は塩基の流量を制御する多数の制御用小孔を穿設しているもので、呈色反応ゲルフィルム1に積層すると共に後述する緩衝ゲルフィルム3が積層されるものである。
【0016】
次に、緩衝ゲルフィルム3は粉末寒天3%の溶液を煮熟し、完全に溶解して重炭酸ソーダ又はかん水を添加して、PH7.5〜PH8程度の弱塩基に調製するもので、第1制御用多孔膜2に積層すると共に、後述する第2制御用多孔膜4が積層されるものであり、緩衝ゲルフィルム3は加工初期の段階で凍結前に呈色反応ゲルフィルム1から浸出した若干の遊離水を中和し、後述する不織布5に定着させた酸又は塩基に呈色反応を生じさせる指示薬への呈色反応を防御するものであり、緩衝ゲルフィルム3のPHを増減することにより各種冷凍食品の常温放置許容時間にシンクロナイズさせて、後述する不織布5に定着させた酸又は塩基に呈色反応を生じさせる指示薬への呈色反応時間をコントロールすることが可能なものである。
【0017】
次いで、第2制御用多孔膜4は前記第1制御用多孔膜2と同様なもので、多数の制御用小孔を穿設され、緩衝ゲルフィルム3に積層すると共に、後述する不織布5を積層させるものである。
【0018】
更に、不織布5は解凍の履歴を記録する記録シートであって、アクリル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系等の樹脂で形成した不織布5で、呈色反応ゲルフィルム1に含有させた呈色反応を生ずる酸又は塩基に呈色反応を生じさせる指示薬を定着させているものであり、該不織布5に定着させる指示薬はアゾリトミン系化合物であるリイマス色素の1%〜3%のアルコール溶液を全体に含浸させるか、又は、数字、文字、図形等をプリントした後に、希アンモニア水を噴霧して青色に変色させて乾燥するもので、更に、乾燥後に片面に吸水ポリマーの微粉末を任意部位に散布することにより指示薬を任意部位に強制的に定着させるものである。
【0019】
そして、コーティング層6は不織布5に積層する透明なコーティング剤であり、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系の樹脂が好ましいもので、不織布5に塗布後は良く乾燥させるものである。
【0020】
更には、パッキングシート7は図1に図示する如く、呈色反応ゲルフィルム1の下方と不織布5に積層したコーティング層6の上方とに密着させて全体を密封シールさせるものであり、ポリエチレンフィルム、セロポリフィルム等の密封性の高いフィルムを用いるものである。
【0021】
更に、本発明の解凍検知記録チップの次実施の形態では図2に図示する如く、両面からの識別を可能としたものであり、呈色反応ゲルフィルム1を中程にして積合し、対称させて配設したもので、全体をパッキングシート7で密封シールしたものである。
【0022】
そして、本発明の解凍検知記録チップは完成後は冷凍して冷凍庫等で保管するものであり、冷凍食品の単位毎の包装に目視できる状態で一緒に包装するものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明の解凍検知記録チップは、前述の構成により、使用方法並びに確認が極めて単純であり、解凍検知記録チップを冷凍食品に同封して解凍させてしまった場合、解凍検知記録チップの色が一定の色に変色するか、一定の色の数字、文字、図形等が出現し一目瞭然で解凍履歴が如実に判断できるものであり、更に、食品以外の応用として医療分野での利用が考えられ、例えば、冷凍保存の血液等の管理に使用可能なものであり、実用性の高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の断面説明図である。
【図2】図2は本発明の解凍検知記録チップの次実施の形態の断面説明図である。
【図3】図3は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の要部拡大断面説明図である。
【図4】図4は本発明の解凍検知記録チップの実施の形態の制御用多孔膜の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 呈色反応ゲルフィルム
2 第1制御用多孔膜
3 緩衝ゲルフィルム
4 第2制御用多孔膜
5 不織布
6 コーティング層
7 パッキングシート

Claims (1)

  1. 呈色反応を生ずる酸又は塩基を含有する呈色反応ゲルフィルムと、該呈色反応ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔を穿設した第1制御用多孔膜と、該第1制御用多孔膜に積層される加工初期段階での凍結前の遊離水を中和させる緩衝ゲルフィルムと、該緩衝ゲルフィルムに積層される多数の制御用小孔を穿設した第2制御用多孔膜と、該第2制御用多孔膜に積層される前記酸又は塩基と接触するすることによって呈色反応を生じさせる指示薬を定着させた不織布と、該不織布に積層されるコーティング層と、密封シールさせるパッキングシートを備えたことを特徴とする解凍検知記録チップ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2640093C2 (ru) * 2012-10-01 2017-12-26 Иннорезе Аг Устройство индикации
RU2660371C1 (ru) * 2014-09-12 2018-07-05 Ниссин Фудз Холдингз Ко., Лтд. Индикатор изменения температуры во времени
RU2679475C2 (ru) * 2014-03-31 2019-02-11 Иннорезе Аг Устройство индикации

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