JP2004191243A - 自動撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】植物などの被写体の三次元形状を精密に測定することができる、自動撮影システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明にかかるシステムは、植物(特にシロイヌナズナ)などの被写体の全体形状を測定するために、レーザー撮影機能やデジタル撮影機能を有する撮影部200を上下等に稼動できる装置(撮影部移動機構300)と、植物が揺れないように設定されたスピードでゆっくり回転等させる装置(植物支持部移動機構600)を組み合わせ、コンピュータ(植物自動撮影制御装置100)の制御により撮影部200および/または植物支持体の回転および/または上下稼動等を制御することで植物の三次元形状を多方面から自動測定するシステムである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかるシステムは、植物(特にシロイヌナズナ)などの被写体の全体形状を測定するために、レーザー撮影機能やデジタル撮影機能を有する撮影部200を上下等に稼動できる装置(撮影部移動機構300)と、植物が揺れないように設定されたスピードでゆっくり回転等させる装置(植物支持部移動機構600)を組み合わせ、コンピュータ(植物自動撮影制御装置100)の制御により撮影部200および/または植物支持体の回転および/または上下稼動等を制御することで植物の三次元形状を多方面から自動測定するシステムである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動撮影システムに関し、特に、植物の三次元形状を精密に測定することができる植物自動撮影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、植物のデジタル画像を撮影しこれをもとに三次元形状を作成し、植物の形状を分析するものが存在する。例えば、2次元画像からキャベツの3次元モデルを作成し、葉などのサイズを推定するものが存在する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
また、被写体についてレーザー光により三次元形状を測定し、カラー画像をマッピングする技術も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−210646号公報
【非特許文献1】
T.Kanuma,K.Ganno,S.Hayashi,O.Sakue ”Leaf Area Measurement Using Stereo Vision”、Proceedings of the 3rd IFAC/CIGR Workshop on Artificial Intelligence in Agriculture. 170−175, 1998.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ある種の植物(特にシロイヌナズナ、イネ、コムギ)はその形状に凹面が多く、従来技術では全体形状を正確に測定することが困難であるという問題点を有していた。
以下、この問題点の内容について、一層具体的に説明する。
【0006】
まず、非特許文献1では、2次元画像から植物の3次元モデルを作成し、サイズを推定するため測定誤差が大きく、本文献の報告によると2次元画像から推定した場合の誤差は17%であった。
【0007】
また、特許文献1等に開示されたレーザー光を用いる方式を用いたとしても、対象物を多方面から撮影する必要があるが、複数の撮影機で多方面から測定する装置の作成には、レーザー撮影機は高価であるためコストがかさみ実用的ではない。一方、撮影機を固定し、対象物を回転させて多方面から測定しようとしても、シロイヌナズナのような植物は茎が細くわずかな振動で動いてしまうため困難である。このような中で、従来は植物の全体像を自動的に撮影する装置が存在しなかった。
【0008】
また、多方面から測定した三次元形状データから、植物の全体形状を画像処理技術を用いて合成する必要があるが、これを正確かつ自動的に行うアルゴリズムは従来技術には存在しなかった。
【0009】
また、一般に3次元計測装置において使用されるレーザー光の波長は植物が反応する赤色光であるため、対象植物によっては従来のレーザー光を用いることができなかった。
【0010】
このように、従来のシステム等は数々の問題点を有しており、その結果、システムの利用者および管理者のいずれにとっても、利便性が悪く、また、利用効率が悪いものであった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、植物の三次元形状を精密に測定することができる、植物自動撮影システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に記載の植物自動撮影システムは、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、上記撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に上記植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、上記植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このシステムによれば、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性(例えば、明るさの変化や位相情報など)を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、植物の形状を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0014】
また、このシステムにより、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できるようになる。
【0015】
また、請求項2に記載の植物自動撮影システムは、請求項1に記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから上記植物の部分を抽出して植物データを作成する画像データ処理部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
このシステムによれば、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成するので、植物部分を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0017】
また、請求項3に記載の植物自動撮影システムは、請求項2に記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物データに死角による欠損部分があるか否かを判定する欠損判定部をさらに備え、上記制御部は、上記欠損判定部により欠損部分があると判定された場合には、上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記欠損部分を撮影するような方位からの上記レンジデータおよび/または上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御することを特徴とする。
【0018】
このシステムによれば、欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよび/またはカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、より正確に植物の形状の測定ができるようになる。
【0019】
また、請求項4に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から3のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記レーザー光の波長は、680nm以上であることを特徴とする。
【0020】
このシステムによれば、レーザー光の波長は、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができるようになる。
【0021】
また、請求項5に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から4のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で上記撮影部および/または上記植物支持部を回転移動させるように上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御することを特徴とする。
【0022】
このシステムによれば、制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で撮影部および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御するので、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案することができ、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から5のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物に対して光線を照射する光源部と、上記3次元形状計測部により上記植物の形状の上記3次元座標を上記レーザー光を用いて計測しているときには上記光源部による光線の照射を行わず、また上記カラー画像撮影部により上記植物の上記2次元カラー画像を撮影しているときには上記光源部による光線の照射を行うように上記光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0024】
このシステムによれば、植物に対して光線を照射する光源部と、3次元形状計測部により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部による光線の照射を行うように光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたので、照明の自動制御を実現することができるようになる。
【0025】
また、請求項7に記載の植物自動撮影システムは、請求項2から6のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記画像データ処理部は、セグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成することを特徴とする。
【0026】
これは、植物データの生成を一層具体的に説明するものである。このシステムによれば、画像データ処理部は、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等のセグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成するので、効率的に植物データを生成することができるようになる。
【0027】
また、本発明は、自動撮影システムに関するものであり、請求項8に記載の自動撮影システムは、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、上記撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、上記移動機構を制御して上記撮影部を被写体に対して相対移動させ、上記被写体の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0028】
このシステムによれば、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御する制御部とを備えたので、被写体の形状を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる自動撮影システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0030】
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。図1は本発明の基本原理を示す原理構成図である。本発明の植物自動撮影システム(以下、「本システム」という。)は、図1に示すように、植物自動撮影制御装置100、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500、植物支持部移動機構600等を含んで構成される。
【0031】
本発明は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本発明は、植物(特にシロイヌナズナ)の全体形状を測定するために、レーザー撮影機能やデジタル撮影機能を有する撮影部200を上下等に稼動できる装置(撮影部移動機構300)と、植物が揺れないように設定されたスピードでゆっくり回転等させる装置(植物支持部移動機構600)を組み合わせ、コンピュータ(植物自動撮影制御装置100)の制御により撮影部200および/または植物支持体の回転および/または上下稼動等を制御することで植物の三次元形状を多方面から自動測定するシステムである。
【0032】
本システムにより、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できるようになる。
【0033】
ここで、図2は、天頂角方向に撮影アングルを5段階で移動させる場合の概念図であり、図3は、水平角方向に撮影アングルを8段階で移動させる場合の概念図である。
【0034】
また、三次元形状データから植物の全体形状を合成する方法として、図2および図3に示すように、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案し、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現している。
【0035】
また、植物自動撮影制御装置100により照射されるレーザー光の波長をシロイヌナズナのレセプターが反応しやすい660nm付近ではなく、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができるようになる。
【0036】
さらに、植物に対して光線を照射する光源部400と、光源部400を上下等に稼動できる装置(光源部移動機構500)を植物自動撮影制御装置100が制御することにより、照明の自動調節ができるようになる。
【0037】
[システム構成]
次に、本システムを構成する各部(植物支持部、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500、植物支持部移動機構600、植物自動撮影制御装置100)の詳細について順に説明する。
【0038】
[植物支持部]
まず、本発明が適用される植物支持部の構成について図14〜図17を参照して説明する。図14は、植物支持部の構成の一例を示す図であり、図15は、図14に示す植物支持部を用いた植物の育成方法の一例を示す概念図であり、図16は、植物支持部の別の構成を示す図であり、図17は、図16に示す植物支持部を用いた植物の育成方法を示す概念図である。
【0039】
植物支持部は、図14に示すように、植物を支持するための筐体(例えば、ポット、セルなど)であり、内部に培養土等が充填され、また、灌水用の吸水口を側面または底面に備えて構成されている。また、図16に示すように、植物支持部の内部に吸水性や抗菌性等を上げるためにロックウールなどを充填してもよい。
【0040】
また、植物支持部は、撮影の便宜のため、図示のごとく上部が鋭角に成型されていることが好ましい。
【0041】
また、図15および図17に示すように、植物支持部を各種の栄養素等を含む水溶液中に浸すことにより、底面または側面の吸水口より内部に潅水され、植物を育成することができる。
【0042】
[撮影部200]
次に、本発明が適用される撮影部200の構成について図18を参照して説明する。図18は、撮影部200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。撮影部200は、概略的に、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状測定部202、および、植物自動撮影制御装置100の制御下で、2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部204を含んで構成される。
【0043】
ここで、3次元形状測定部202は、例えば、イメージエンコーダ方式(コード化スリット光法)により、スリットレーザー光の角度を変えながら植物に照射し、その明るさの変化からレーザーの当たった瞬間角度を検出し、その角度からZ方向の距離を求めてもよい。
【0044】
また、カラー画像撮影部204は、例えば、カラーCCDセンサを用いて2次元カラー画像を撮影してもよい。
【0045】
ここで、撮影部200は、例えば、浜野エンジニアリング(会社名)の3次元曲面形状計測装置「VOXELAN HEW−50HS」(登録商標)などの市販製品を用いてもよい。
【0046】
[撮影部移動機構300]
次に、本発明が適用される撮影部移動機構300の構成について以下に説明する。撮影部移動機構300は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、撮影部200を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる機能を有する。
【0047】
[光源部400]
次に、本発明が適用される光源部400の構成について以下に説明する。光源部400は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物に対して光線を照射する機能を有する。
【0048】
[光源部移動機構500]
次に、本発明が適用される光源部移動機構500の構成について以下に説明する。光源部移動機構500は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、光源部400を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる機能を有する。
【0049】
[植物支持部移動機構600]
次に、本発明が適用される植物支持部移動機構600の構成について以下に説明する。植物支持部移動機構600は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる機能を有する。ここで、光源部移動機構500による植物支持部の移動は、植物が揺れないようなゆっくりした速度で移動させる必要がある。
【0050】
[植物自動撮影制御装置100]
図4は、本発明が適用される植物自動撮影制御装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。植物自動撮影制御装置100は、概略的に、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500および植物支持部移動機構600等に、既知のネットワーク手段を介して通信可能に接続して構成されている。
【0051】
図4において植物自動撮影制御装置100は、概略的に、植物自動撮影制御装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続される通信制御インターフェース部104、入力装置112や出力装置114に接続される入出力制御インターフェース部108、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0052】
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブルなど(レンジデータファイル106a〜植物データファイル106d)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0053】
これら記憶部106の各構成要素のうち、レンジデータファイル106aは、3次元形状測定部202により測定された植物の形状の3次元座標を示すレンジデータに関する情報等を格納したファイルである。
【0054】
また、カラーデータファイル106bは、カラー画像撮影部204により撮影された植物の2次元カラー画像であるカラーデータに関する情報等を格納するファイルである。
【0055】
また、ポリゴンデータファイル106cは、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータから作成されたポリゴンデータに関する情報等を格納するファイルである。
【0056】
また、植物データファイル106dは、ポリゴンデータから植物の部分を抽出して作成した植物データに関する情報等を格納するファイルである。
【0057】
また、図4において、通信制御インターフェース部104は、植物自動撮影制御装置100と他の構成要素との間における通信制御を行う。すなわち、通信制御インターフェース部104は、他の装置等と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0058】
また、図4において、入出力制御インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114の制御を行う。ここで、出力装置114としては、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカを用いることができる(なお、以下においては出力装置114をモニタとして記載する場合がある)。また、入力装置112としては、キーボード、マウス、および、マイク等を用いることができる。また、モニタも、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。
【0059】
また、図4において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、撮影部制御部102a、撮影部移動機構制御部102b、光源部制御部102c、光源部移動機構制御部102d、植物支持部移動機構制御部102e、画像データ処理部102f、および、欠損判定部102gを備えて構成されている。
【0060】
このうち、撮影部制御部102aは、撮影部200を制御する撮影部制御手段である。
【0061】
また、撮影部移動機構制御部102bは、撮影部移動機構300を制御する撮影部制御機構制御手段である。
【0062】
また、光源部制御部102cは、光源部400を制御する光源部制御手段である。
【0063】
また、光源部移動機構制御部102dは、光源部移動機構500を制御する光源部移動機構制御手段である。
【0064】
また、植物支持部移動機構制御部102eは、植物支持部移動機構600を制御する植物支持部移動機構制御手段である。
【0065】
また、画像データ処理部102fは、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する画像データ処理手段である。ここで、図5は、画像データ処理部102fの構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、画像データ処理部102fは、ノイズ除去部102h、ポリゴンデータ作成部102i、植物データ抽出部102j、位置合わせ部102k、合成部102m等を含んで構成される。
【0066】
図5において、ノイズ除去部102hは、各3次元座標データについてノイズ除去処理を行うノイズ除去手段である。
【0067】
また、ポリゴンデータ作成部102iは、レンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成するポリゴンデータ作成手段である。
【0068】
また、植物データ抽出部102jは、作成されたポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する植物データ抽出部である。
【0069】
また、位置合わせ部102kは、撮影方向の異なる複数のレンジデータについて位置合わせを実行する位置合わせ手段である。
【0070】
また、合成部102mは、位置合わせの終わった複数のレンジデータについて合成する合成手段である。
【0071】
再び図4に戻り、欠損判定部102gは、植物体データに死角による欠損部分があるか否かを判定する欠損判定手段である。
【0072】
そして、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する機能を有する。
【0073】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、欠損判定部102gにより欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する機能を有する。
【0074】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下(好ましくは30度以下)の回転角で撮影部200および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御する機能を有する。
【0075】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、3次元形状測定部202により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部400による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部204により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部400による光線の照射を行うように制御する機能を有する。
【0076】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、3次元形状測定部202により照射される、レーザー光の波長を680nm以上(好ましくは690nm以上)に制御する機能を有する。
【0077】
なお、これら各部によって行なわれる処理の詳細については、後述する。
【0078】
[システムの処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本システムの処理の一例について、以下に図6〜図13を参照して詳細に説明する。
【0079】
[メイン処理]
まず、本システムにより実行されるメイン処理の詳細について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、本システムは、複数のアングル(多方位)から植物の自動撮影を行う(ステップSA−1)。ここで、図13は、本システムにより3つのアングルで植物の自動撮影を行う場合の一例を示すタイムチャートである。
【0081】
図13に示すように、まず、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を第1アングルの位置に移動する(ステップSC−1)。
【0082】
すなわち、制御部102は、撮影部移動機構制御部102bの処理により、撮影部移動機構300を制御して撮影部200を第1アングルに移動、および/または、植物支持部移動機構制御部102eの処理により、植物支持部移動機構600を制御して植物支持部を第1アングルの位置に移動する。
【0083】
そして、植物自動撮影制御装置100は、撮影部制御部102aの処理により、第1アングルから植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しレンジデータを取得するように撮影部200を制御する(ステップSC−2)。
【0084】
そして、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、カラー画像撮影部204により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部400による光線の照射を行うように制御する(ステップSC−4)。
【0085】
すなわち、制御部102は、光源部移動機構制御部102dの処理により、光源部移動機構500を制御して光源部400を所定の位置に移動した後、光源部制御部102cの処理により、光源部400に対して光線の照射を行うように制御する。なお、制御部102は、次の第2アングルの移動(ステップSC−5)が完了するまで、光源部400に対して光線の照射を行うように制御してもよい。
【0086】
そして、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、カラー画像撮影部204が植物の2次元カラー画像を第1アングルから撮影するように制御する(ステップSC−4)。
【0087】
すなわち、制御部102は、撮影部制御部102aの処理により、第1アングルから植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するように撮影部200を制御する。
【0088】
そして、植物自動撮影制御装置100は、同様の処理を行うことにより、第2アングルの自動撮影(ステップSC−5〜ステップSC−8)を行い、それに続いて、第3アングルの自動撮影(ステップSC−8〜ステップSC−12)を行う。
【0089】
これにて、植物の自動撮影処理の説明を終了する。
【0090】
再び図6に戻り、植物自動撮影制御装置100は、画像データ処理部102fの処理により、図7を用いて後述する植物自動モデリング処理を実行することにより、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する(ステップSA−2)。
【0091】
そして、植物自動撮影制御装置100は、欠損判定部102gの処理により、ステップSA−2により生成された植物体データに死角による欠損部分があるか否かを判定する(ステップSA−3)。
【0092】
ここで、ステップSA−3において欠損判定部102gにより欠損部分があると判定された場合には、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を所定の位置に移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する。
【0093】
一方、ステップSA−3において欠損判定部102gにより欠損部分がないと判定された場合には、処理を終了する。
【0094】
これにて、メイン処理が終了する。
【0095】
[画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理]
次に、画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の詳細について図7〜図12を参照して説明する。図7は、本実施形態における本システムの画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
(1)ノイズ除去
まず、画像データ処理部102fは、ノイズ除去部102hの処理により、各3次元座標データについてノイズ除去処理を行う(ステップSB−1)。
【0097】
ここで、3次元形状測定部202の出力データは、画素の並びが2次元濃淡画像と同じであるため、(x、y)座標を等間隔に目盛り、各格子にZ値(奥行き=距離データ)をいれることにより、従来の2次元画像処理アルゴリズムを活用することができる。
【0098】
以下に、2次元画像処理アルゴリズムのノイズ除去アルゴリズムのうち、メジアンフィルタを用いる場合を一例に説明する。
【0099】
メジアンフィルタは、注目点と近傍点の中央値をその注目点の値に置き換えるフィルタである。
【0100】
ここで、図8は、注目点とその周囲の8つの近傍点を説明するための概念図である。特に、メジアンフィルタは、所謂「ごましおノイズ」を効率的に除去する2次元画像処理アルゴリズムである。
【0101】
また、図9は、メジアンフィルタによるノイズ除去処理の具体例を示す図である。図9において左列の各図がオリジナルの画像(ノイズが多い)を示しており、また右列の各図が対応するメジアンフィルタをかけた画像を示している。図9に示すように、3次元ポリゴンデータ(最下段の図)に直したときに、最もノイズが削減されている様子が見られる。
【0102】
(2)Z値レンジデータからポリゴンデータの作成。
次に、画像データ処理部102fは、ポリゴンデータ作成部102iの処理により、レンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成する(ステップSB−2)。
【0103】
ここで、図10は、レーザー3次元形状計測装置の場合に共通のポリゴン作成方法の一例を示す概念図である。3次元形状測定部202から出力されたZ値画像データ(レンジデータ)は、XとYは等間隔に並んでいるので、この点を上下左右と斜めに結んだ場合にできる三角形をポリゴンとするものである(但し、四角ポリゴンを作成してもよい)。3角パッチの表面データには、表と裏ができるが、3次元形状測定部202の撮影方向から見る面が表になる(例えば、谷尻豊寿著「最新画像処理入門」技術評論社刊)。
【0104】
(3)植物部分の抽出
次に、画像データ処理部102fは、植物データ抽出部102jの処理により、ステップSB−2により作成されたポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する(ステップSB−3)。
【0105】
色情報を使って対象物体の領域を抽出したり、意味のある領域に分割する操作を一般的にセグメンテーション技術というが(例えば、松山ら編 「コンピュータビジョン、新技術コミュニケーションズ」の第5章「コンピュータビジョンにおけるカラー情報の表現と解析」の「5.カラー画像のセグメンテーション」(p.68−71)等を参照。)、植物データ抽出部102jは既知のセグメンテーション技術を用いて植物部分を抽出する。
【0106】
例えば、植物部分は、RGBカラーデータにおいて緑色(G)の部分の強度が強いので、植物データ抽出部102jは、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等の既知のセグメンテーション・アルゴリズムを用いて、G強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより、植物を抽出してもよい。
【0107】
ここで、図11は、カラーセグメンテーション処理後に抽出された植物データ(2値画像)の一例を示す図であり、図12は、カラーセグメンテーション処理前で植物の下に土の部分が入っている画像(緑色のみの輝度画像)を示す図である。
【0108】
(4)Registration(撮影方向の異なる複数レンジデータの位置合わせ)
次に、画像データ処理部102fは、位置合わせ部102kの処理により、撮影方向の異なる複数のレンジデータについて位置合わせを実行する(ステップSB−4)。
【0109】
ここで、ポリゴン化前の点群データを使って位置あわせをする方法として、例えば、ICPアルゴリズム(Iterative closest points algorithm)を用いてもよい(例えば、Yang Chen and Gerard Medioni、 ”Object modelling by registration of multiple range images、” Image and Vision Computing、 vol. 10、 no. 3、 pp. 145−−155、 April 1992.、および、Besl and N McKay. ”A methodfor registration of 3−d shapes”. IEEE. Transactions on Pattern Analysisand Machine Intelligence、 14(2):239−−256、 (February 1992).などを参照。)。
【0110】
ICPアルゴリズムは、2つのレンジデータの制御点を決めて、制御点間の誤差距離を小さく(closest)するように、片方のレンジデータを座標変換し、これを誤差距離が小さくなるまで繰り返す(Iterative)ものである。また、ICPアルゴリズムでは制御点が用いられているが、指示体を用いて撮影し、指示体の間の誤差距離が小さくなるような変換を探す方法も位置合わせでは使われているため、制御部102は、いずれの位置合わせアルゴリズムを用いてもよい。
【0111】
(5)Integration(位置合わせの終わった複数レンジデータの合成)
次に、画像データ処理部102fは、合成部102mの処理により、位置合わせの終わった複数のレンジデータについて合成する(ステップSB−5)。
【0112】
合成部102mは、例えば、以下に説明する点群でマージしてポリゴンを作成する手法を用いてもよい。すなわち、合成部102mは、点群でデータをマージした後でDelaunay三角形分割アルゴリズムを使って三角メッシュポリゴンを作成する。
【0113】
なお、Delaunay三角形分割(非常に一般的な方法)については、
(1)http://ai−www.aist−nara.ac.jp/people/setala−v/faq.html
(2)http://www.mathworks.com/access/helpdesk/jhelp/techdoc/math_anal/ch_5_p18.shtml#19314
(3)M. Soucy and D. Laurendeau.”Multi−resolution surface modeling from multiple range views.” In IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR’92)、 pages 348−353、 Champaign
(4)Illinois、 June 1992. IEEE Computer Society Press
などを参照することができる。
【0114】
また、合成部102mは、三角ポリゴンでの統合手法であるZippering法を用いてもよい(例えば、G. Turk and M. Levoy.”Zippered polygonal meshes from rangeimages.” Computer Graphics (SIGGRAPH’94)、pages 311−318、 July 1994.を参照。)。
【0115】
これにて、画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理が終了する。
【0116】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0117】
例えば、上述した実施の形態においては、被写体として植物を用いる場合を一例に説明したが、本発明は、この場合に限定されるものではなく、他の全ての被写体(特に、凹面の多い被写体など)に適用することができる。
【0118】
すなわち、本発明を、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部(上述した実施形態における撮影部200に対応する)と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構(上述した実施形態における撮影部移動機構300や植物支持部移動機構600等に対応する)と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部(上述した実施形態における植物自動撮影制御装置100の制御部102に対応する)を制御する制御部とを備えた自動撮影システムとして構成することができる。
【0119】
また、本発明は、さらに、本システムにおいて複数の植物個体を自動的に連続して撮影する機能を有する植物支持部交換機構を備えてもよい。この植物支持部交換機構は、1つの植物個体の測定終了後に別の植物個体を植物支持部に設置させる機構であり、これにより上記の撮影工程を自動的に繰り返すことが可能になる。
【0120】
また、本発明により、植物の遺伝子破壊株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子破壊株の破壊された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。また、本発明により、植物の遺伝子発現増幅株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子発現増幅株の増幅された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。そして、本発明により、植物の遺伝子導入株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子導入株の導入された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。さらには、本発明により、植物の遺伝子変異株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子変異株の変異された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。ここで、ポリゴンデータの形状の違いを検出する方法としては、ポリゴンデータからその特徴を反映するスカラー量を算出し、次に、当該スカラー量を統計的に検定することで違いを検出する方法を好適に用いることができる。
【0121】
また、上述した実施形態においては、植物自動撮影制御装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、植物自動撮影制御装置100とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
【0122】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0123】
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0124】
また、植物自動撮影制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0125】
例えば、植物自動撮影制御装置100の各部または各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行なわれる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて植物自動撮影制御装置100に機械的に読み取られる。
【0126】
すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAM等にロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。また、このコンピュータプログラムは、植物自動撮影制御装置100に対して任意の撮影部移動機構300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0127】
また、本発明にかかるプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」や、各種コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、HD等の任意の「固定用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0128】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0129】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(レンジデータファイル106a〜植物データファイル106d)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0130】
また、植物自動撮影制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理端末等の情報処理装置にプリンタやモニタやイメージスキャナ等の周辺装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0131】
さらに、植物自動撮影制御装置100等の分散・統合の具体的形態は明細書および図面に示すものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる(例えば、グリッド・コンピューティングなど)。例えば、各データベースを独立したデータベース装置として独立に構成してもよく、また、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、植物の形状を効率的かつ正確に測定することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0133】
また、本発明によれば、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0134】
また、本発明によれば、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成するので、植物部分を効率的かつ正確に測定することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0135】
また、本発明によれば、欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、より正確に植物の形状の測定ができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0136】
また、本発明によれば、レーザー光の波長は、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0137】
また、本発明によれば、制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で撮影部および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御するので、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案することができ、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0138】
また、本発明によれば、植物に対して光線を照射する光源部と、3次元形状計測部により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部による光線の照射を行うように光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたので、照明の自動制御を実現することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0139】
また、本発明によれば、画像データ処理部は、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等のセグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成するので、効率的に植物データを生成することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0140】
さらに、本発明によれば、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御する制御部とを備えたので、被写体の形状を効率的かつ正確に測定することができる自動撮影システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示す原理構成図である。
【図2】天頂角方向に撮影アングルを5段階で移動させる場合の概念図である。
【図3】水平角方向に撮影アングルを8段階で移動させる場合の概念図である。
【図4】本発明が適用される植物自動撮影制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】画像データ処理部102fの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における本システムの画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】注目点とその周囲の8つの近傍点を説明するための概念図である。
【図9】メジアンフィルタによるノイズ除去処理の具体例を示す図である。
【図10】レーザー3次元形状計測装置の場合に共通のポリゴン作成方法の一例を示す概念図である。
【図11】カラーセグメンテーション処理後に抽出された植物データ(2値画像)の一例を示す図である。
【図12】カラーセグメンテーション処理前で植物の下に土の部分が入っている画像(緑色のみの輝度画像)を示す図である。
【図13】本システムにより3つのアングルで植物の自動撮影を行う場合の一例を示すタイムチャートである。
【図14】植物支持部の構成の一例を示す図である。
【図15】図14に示す植物支持部を用いた植物の育成方法の一例を示す概念図である。
【図16】植物支持部の別の構成を示す図である。
【図17】図16に示す植物支持部を用いた植物の育成方法を示す概念図である。
【図18】撮影部200の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 植物自動撮影制御装置
102 制御部
102a 撮影部制御部
102b 撮影部移動機構制御部
102c 光源部制御部
102d 光源部移動機構制御部
102e 植物支持部移動機構制御部
102f 画像データ処理部
102g 欠損判定部
102h ノイズ除去部
102i ポリゴンデータ作成部
102j 植物データ抽出部
102k 位置合わせ部
102m 合成部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a レンジデータファイル
106b カラーデータファイル
106c ポリゴンデータファイル
106d 植物データファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 撮影部
202 3次元形状測定部
204 カラー画像撮影部
300 撮影部移動機構
400 光源部
500 光源部移動機構
600 植物支持部移動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動撮影システムに関し、特に、植物の三次元形状を精密に測定することができる植物自動撮影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、植物のデジタル画像を撮影しこれをもとに三次元形状を作成し、植物の形状を分析するものが存在する。例えば、2次元画像からキャベツの3次元モデルを作成し、葉などのサイズを推定するものが存在する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
また、被写体についてレーザー光により三次元形状を測定し、カラー画像をマッピングする技術も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−210646号公報
【非特許文献1】
T.Kanuma,K.Ganno,S.Hayashi,O.Sakue ”Leaf Area Measurement Using Stereo Vision”、Proceedings of the 3rd IFAC/CIGR Workshop on Artificial Intelligence in Agriculture. 170−175, 1998.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ある種の植物(特にシロイヌナズナ、イネ、コムギ)はその形状に凹面が多く、従来技術では全体形状を正確に測定することが困難であるという問題点を有していた。
以下、この問題点の内容について、一層具体的に説明する。
【0006】
まず、非特許文献1では、2次元画像から植物の3次元モデルを作成し、サイズを推定するため測定誤差が大きく、本文献の報告によると2次元画像から推定した場合の誤差は17%であった。
【0007】
また、特許文献1等に開示されたレーザー光を用いる方式を用いたとしても、対象物を多方面から撮影する必要があるが、複数の撮影機で多方面から測定する装置の作成には、レーザー撮影機は高価であるためコストがかさみ実用的ではない。一方、撮影機を固定し、対象物を回転させて多方面から測定しようとしても、シロイヌナズナのような植物は茎が細くわずかな振動で動いてしまうため困難である。このような中で、従来は植物の全体像を自動的に撮影する装置が存在しなかった。
【0008】
また、多方面から測定した三次元形状データから、植物の全体形状を画像処理技術を用いて合成する必要があるが、これを正確かつ自動的に行うアルゴリズムは従来技術には存在しなかった。
【0009】
また、一般に3次元計測装置において使用されるレーザー光の波長は植物が反応する赤色光であるため、対象植物によっては従来のレーザー光を用いることができなかった。
【0010】
このように、従来のシステム等は数々の問題点を有しており、その結果、システムの利用者および管理者のいずれにとっても、利便性が悪く、また、利用効率が悪いものであった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、植物の三次元形状を精密に測定することができる、植物自動撮影システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に記載の植物自動撮影システムは、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、上記撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に上記植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、上記植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このシステムによれば、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性(例えば、明るさの変化や位相情報など)を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、植物の形状を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0014】
また、このシステムにより、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できるようになる。
【0015】
また、請求項2に記載の植物自動撮影システムは、請求項1に記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから上記植物の部分を抽出して植物データを作成する画像データ処理部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
このシステムによれば、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成するので、植物部分を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0017】
また、請求項3に記載の植物自動撮影システムは、請求項2に記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物データに死角による欠損部分があるか否かを判定する欠損判定部をさらに備え、上記制御部は、上記欠損判定部により欠損部分があると判定された場合には、上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記欠損部分を撮影するような方位からの上記レンジデータおよび/または上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御することを特徴とする。
【0018】
このシステムによれば、欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよび/またはカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、より正確に植物の形状の測定ができるようになる。
【0019】
また、請求項4に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から3のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記レーザー光の波長は、680nm以上であることを特徴とする。
【0020】
このシステムによれば、レーザー光の波長は、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができるようになる。
【0021】
また、請求項5に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から4のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で上記撮影部および/または上記植物支持部を回転移動させるように上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御することを特徴とする。
【0022】
このシステムによれば、制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で撮影部および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御するので、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案することができ、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の植物自動撮影システムは、請求項1から5のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記植物に対して光線を照射する光源部と、上記3次元形状計測部により上記植物の形状の上記3次元座標を上記レーザー光を用いて計測しているときには上記光源部による光線の照射を行わず、また上記カラー画像撮影部により上記植物の上記2次元カラー画像を撮影しているときには上記光源部による光線の照射を行うように上記光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0024】
このシステムによれば、植物に対して光線を照射する光源部と、3次元形状計測部により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部による光線の照射を行うように光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたので、照明の自動制御を実現することができるようになる。
【0025】
また、請求項7に記載の植物自動撮影システムは、請求項2から6のいずれか一つに記載の植物自動撮影システムにおいて、上記画像データ処理部は、セグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成することを特徴とする。
【0026】
これは、植物データの生成を一層具体的に説明するものである。このシステムによれば、画像データ処理部は、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等のセグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成するので、効率的に植物データを生成することができるようになる。
【0027】
また、本発明は、自動撮影システムに関するものであり、請求項8に記載の自動撮影システムは、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、上記撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、上記移動機構を制御して上記撮影部を被写体に対して相対移動させ、上記被写体の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0028】
このシステムによれば、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御する制御部とを備えたので、被写体の形状を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる自動撮影システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0030】
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。図1は本発明の基本原理を示す原理構成図である。本発明の植物自動撮影システム(以下、「本システム」という。)は、図1に示すように、植物自動撮影制御装置100、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500、植物支持部移動機構600等を含んで構成される。
【0031】
本発明は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本発明は、植物(特にシロイヌナズナ)の全体形状を測定するために、レーザー撮影機能やデジタル撮影機能を有する撮影部200を上下等に稼動できる装置(撮影部移動機構300)と、植物が揺れないように設定されたスピードでゆっくり回転等させる装置(植物支持部移動機構600)を組み合わせ、コンピュータ(植物自動撮影制御装置100)の制御により撮影部200および/または植物支持体の回転および/または上下稼動等を制御することで植物の三次元形状を多方面から自動測定するシステムである。
【0032】
本システムにより、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できるようになる。
【0033】
ここで、図2は、天頂角方向に撮影アングルを5段階で移動させる場合の概念図であり、図3は、水平角方向に撮影アングルを8段階で移動させる場合の概念図である。
【0034】
また、三次元形状データから植物の全体形状を合成する方法として、図2および図3に示すように、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案し、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現している。
【0035】
また、植物自動撮影制御装置100により照射されるレーザー光の波長をシロイヌナズナのレセプターが反応しやすい660nm付近ではなく、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができるようになる。
【0036】
さらに、植物に対して光線を照射する光源部400と、光源部400を上下等に稼動できる装置(光源部移動機構500)を植物自動撮影制御装置100が制御することにより、照明の自動調節ができるようになる。
【0037】
[システム構成]
次に、本システムを構成する各部(植物支持部、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500、植物支持部移動機構600、植物自動撮影制御装置100)の詳細について順に説明する。
【0038】
[植物支持部]
まず、本発明が適用される植物支持部の構成について図14〜図17を参照して説明する。図14は、植物支持部の構成の一例を示す図であり、図15は、図14に示す植物支持部を用いた植物の育成方法の一例を示す概念図であり、図16は、植物支持部の別の構成を示す図であり、図17は、図16に示す植物支持部を用いた植物の育成方法を示す概念図である。
【0039】
植物支持部は、図14に示すように、植物を支持するための筐体(例えば、ポット、セルなど)であり、内部に培養土等が充填され、また、灌水用の吸水口を側面または底面に備えて構成されている。また、図16に示すように、植物支持部の内部に吸水性や抗菌性等を上げるためにロックウールなどを充填してもよい。
【0040】
また、植物支持部は、撮影の便宜のため、図示のごとく上部が鋭角に成型されていることが好ましい。
【0041】
また、図15および図17に示すように、植物支持部を各種の栄養素等を含む水溶液中に浸すことにより、底面または側面の吸水口より内部に潅水され、植物を育成することができる。
【0042】
[撮影部200]
次に、本発明が適用される撮影部200の構成について図18を参照して説明する。図18は、撮影部200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。撮影部200は、概略的に、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状測定部202、および、植物自動撮影制御装置100の制御下で、2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部204を含んで構成される。
【0043】
ここで、3次元形状測定部202は、例えば、イメージエンコーダ方式(コード化スリット光法)により、スリットレーザー光の角度を変えながら植物に照射し、その明るさの変化からレーザーの当たった瞬間角度を検出し、その角度からZ方向の距離を求めてもよい。
【0044】
また、カラー画像撮影部204は、例えば、カラーCCDセンサを用いて2次元カラー画像を撮影してもよい。
【0045】
ここで、撮影部200は、例えば、浜野エンジニアリング(会社名)の3次元曲面形状計測装置「VOXELAN HEW−50HS」(登録商標)などの市販製品を用いてもよい。
【0046】
[撮影部移動機構300]
次に、本発明が適用される撮影部移動機構300の構成について以下に説明する。撮影部移動機構300は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、撮影部200を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる機能を有する。
【0047】
[光源部400]
次に、本発明が適用される光源部400の構成について以下に説明する。光源部400は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物に対して光線を照射する機能を有する。
【0048】
[光源部移動機構500]
次に、本発明が適用される光源部移動機構500の構成について以下に説明する。光源部移動機構500は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、光源部400を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる機能を有する。
【0049】
[植物支持部移動機構600]
次に、本発明が適用される植物支持部移動機構600の構成について以下に説明する。植物支持部移動機構600は、植物自動撮影制御装置100の制御下で、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる機能を有する。ここで、光源部移動機構500による植物支持部の移動は、植物が揺れないようなゆっくりした速度で移動させる必要がある。
【0050】
[植物自動撮影制御装置100]
図4は、本発明が適用される植物自動撮影制御装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。植物自動撮影制御装置100は、概略的に、撮影部200、撮影部移動機構300、光源部400、光源部移動機構500および植物支持部移動機構600等に、既知のネットワーク手段を介して通信可能に接続して構成されている。
【0051】
図4において植物自動撮影制御装置100は、概略的に、植物自動撮影制御装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続される通信制御インターフェース部104、入力装置112や出力装置114に接続される入出力制御インターフェース部108、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0052】
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブルなど(レンジデータファイル106a〜植物データファイル106d)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0053】
これら記憶部106の各構成要素のうち、レンジデータファイル106aは、3次元形状測定部202により測定された植物の形状の3次元座標を示すレンジデータに関する情報等を格納したファイルである。
【0054】
また、カラーデータファイル106bは、カラー画像撮影部204により撮影された植物の2次元カラー画像であるカラーデータに関する情報等を格納するファイルである。
【0055】
また、ポリゴンデータファイル106cは、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータから作成されたポリゴンデータに関する情報等を格納するファイルである。
【0056】
また、植物データファイル106dは、ポリゴンデータから植物の部分を抽出して作成した植物データに関する情報等を格納するファイルである。
【0057】
また、図4において、通信制御インターフェース部104は、植物自動撮影制御装置100と他の構成要素との間における通信制御を行う。すなわち、通信制御インターフェース部104は、他の装置等と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0058】
また、図4において、入出力制御インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114の制御を行う。ここで、出力装置114としては、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカを用いることができる(なお、以下においては出力装置114をモニタとして記載する場合がある)。また、入力装置112としては、キーボード、マウス、および、マイク等を用いることができる。また、モニタも、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。
【0059】
また、図4において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、撮影部制御部102a、撮影部移動機構制御部102b、光源部制御部102c、光源部移動機構制御部102d、植物支持部移動機構制御部102e、画像データ処理部102f、および、欠損判定部102gを備えて構成されている。
【0060】
このうち、撮影部制御部102aは、撮影部200を制御する撮影部制御手段である。
【0061】
また、撮影部移動機構制御部102bは、撮影部移動機構300を制御する撮影部制御機構制御手段である。
【0062】
また、光源部制御部102cは、光源部400を制御する光源部制御手段である。
【0063】
また、光源部移動機構制御部102dは、光源部移動機構500を制御する光源部移動機構制御手段である。
【0064】
また、植物支持部移動機構制御部102eは、植物支持部移動機構600を制御する植物支持部移動機構制御手段である。
【0065】
また、画像データ処理部102fは、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する画像データ処理手段である。ここで、図5は、画像データ処理部102fの構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、画像データ処理部102fは、ノイズ除去部102h、ポリゴンデータ作成部102i、植物データ抽出部102j、位置合わせ部102k、合成部102m等を含んで構成される。
【0066】
図5において、ノイズ除去部102hは、各3次元座標データについてノイズ除去処理を行うノイズ除去手段である。
【0067】
また、ポリゴンデータ作成部102iは、レンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成するポリゴンデータ作成手段である。
【0068】
また、植物データ抽出部102jは、作成されたポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する植物データ抽出部である。
【0069】
また、位置合わせ部102kは、撮影方向の異なる複数のレンジデータについて位置合わせを実行する位置合わせ手段である。
【0070】
また、合成部102mは、位置合わせの終わった複数のレンジデータについて合成する合成手段である。
【0071】
再び図4に戻り、欠損判定部102gは、植物体データに死角による欠損部分があるか否かを判定する欠損判定手段である。
【0072】
そして、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する機能を有する。
【0073】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、欠損判定部102gにより欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する機能を有する。
【0074】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下(好ましくは30度以下)の回転角で撮影部200および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御する機能を有する。
【0075】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、3次元形状測定部202により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部400による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部204により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部400による光線の照射を行うように制御する機能を有する。
【0076】
また、制御部102は、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、3次元形状測定部202により照射される、レーザー光の波長を680nm以上(好ましくは690nm以上)に制御する機能を有する。
【0077】
なお、これら各部によって行なわれる処理の詳細については、後述する。
【0078】
[システムの処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本システムの処理の一例について、以下に図6〜図13を参照して詳細に説明する。
【0079】
[メイン処理]
まず、本システムにより実行されるメイン処理の詳細について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、本システムは、複数のアングル(多方位)から植物の自動撮影を行う(ステップSA−1)。ここで、図13は、本システムにより3つのアングルで植物の自動撮影を行う場合の一例を示すタイムチャートである。
【0081】
図13に示すように、まず、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、各部の制御を同時的または順次的に司ることにより、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を第1アングルの位置に移動する(ステップSC−1)。
【0082】
すなわち、制御部102は、撮影部移動機構制御部102bの処理により、撮影部移動機構300を制御して撮影部200を第1アングルに移動、および/または、植物支持部移動機構制御部102eの処理により、植物支持部移動機構600を制御して植物支持部を第1アングルの位置に移動する。
【0083】
そして、植物自動撮影制御装置100は、撮影部制御部102aの処理により、第1アングルから植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しレンジデータを取得するように撮影部200を制御する(ステップSC−2)。
【0084】
そして、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、カラー画像撮影部204により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部400による光線の照射を行うように制御する(ステップSC−4)。
【0085】
すなわち、制御部102は、光源部移動機構制御部102dの処理により、光源部移動機構500を制御して光源部400を所定の位置に移動した後、光源部制御部102cの処理により、光源部400に対して光線の照射を行うように制御する。なお、制御部102は、次の第2アングルの移動(ステップSC−5)が完了するまで、光源部400に対して光線の照射を行うように制御してもよい。
【0086】
そして、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、カラー画像撮影部204が植物の2次元カラー画像を第1アングルから撮影するように制御する(ステップSC−4)。
【0087】
すなわち、制御部102は、撮影部制御部102aの処理により、第1アングルから植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するように撮影部200を制御する。
【0088】
そして、植物自動撮影制御装置100は、同様の処理を行うことにより、第2アングルの自動撮影(ステップSC−5〜ステップSC−8)を行い、それに続いて、第3アングルの自動撮影(ステップSC−8〜ステップSC−12)を行う。
【0089】
これにて、植物の自動撮影処理の説明を終了する。
【0090】
再び図6に戻り、植物自動撮影制御装置100は、画像データ処理部102fの処理により、図7を用いて後述する植物自動モデリング処理を実行することにより、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する(ステップSA−2)。
【0091】
そして、植物自動撮影制御装置100は、欠損判定部102gの処理により、ステップSA−2により生成された植物体データに死角による欠損部分があるか否かを判定する(ステップSA−3)。
【0092】
ここで、ステップSA−3において欠損判定部102gにより欠損部分があると判定された場合には、植物自動撮影制御装置100は、制御部102の処理により、撮影部移動機構300および/または植物支持部移動機構600を制御して、撮影部200および/または植物支持部を所定の位置に移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部200を制御する。
【0093】
一方、ステップSA−3において欠損判定部102gにより欠損部分がないと判定された場合には、処理を終了する。
【0094】
これにて、メイン処理が終了する。
【0095】
[画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理]
次に、画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の詳細について図7〜図12を参照して説明する。図7は、本実施形態における本システムの画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
(1)ノイズ除去
まず、画像データ処理部102fは、ノイズ除去部102hの処理により、各3次元座標データについてノイズ除去処理を行う(ステップSB−1)。
【0097】
ここで、3次元形状測定部202の出力データは、画素の並びが2次元濃淡画像と同じであるため、(x、y)座標を等間隔に目盛り、各格子にZ値(奥行き=距離データ)をいれることにより、従来の2次元画像処理アルゴリズムを活用することができる。
【0098】
以下に、2次元画像処理アルゴリズムのノイズ除去アルゴリズムのうち、メジアンフィルタを用いる場合を一例に説明する。
【0099】
メジアンフィルタは、注目点と近傍点の中央値をその注目点の値に置き換えるフィルタである。
【0100】
ここで、図8は、注目点とその周囲の8つの近傍点を説明するための概念図である。特に、メジアンフィルタは、所謂「ごましおノイズ」を効率的に除去する2次元画像処理アルゴリズムである。
【0101】
また、図9は、メジアンフィルタによるノイズ除去処理の具体例を示す図である。図9において左列の各図がオリジナルの画像(ノイズが多い)を示しており、また右列の各図が対応するメジアンフィルタをかけた画像を示している。図9に示すように、3次元ポリゴンデータ(最下段の図)に直したときに、最もノイズが削減されている様子が見られる。
【0102】
(2)Z値レンジデータからポリゴンデータの作成。
次に、画像データ処理部102fは、ポリゴンデータ作成部102iの処理により、レンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成する(ステップSB−2)。
【0103】
ここで、図10は、レーザー3次元形状計測装置の場合に共通のポリゴン作成方法の一例を示す概念図である。3次元形状測定部202から出力されたZ値画像データ(レンジデータ)は、XとYは等間隔に並んでいるので、この点を上下左右と斜めに結んだ場合にできる三角形をポリゴンとするものである(但し、四角ポリゴンを作成してもよい)。3角パッチの表面データには、表と裏ができるが、3次元形状測定部202の撮影方向から見る面が表になる(例えば、谷尻豊寿著「最新画像処理入門」技術評論社刊)。
【0104】
(3)植物部分の抽出
次に、画像データ処理部102fは、植物データ抽出部102jの処理により、ステップSB−2により作成されたポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成する(ステップSB−3)。
【0105】
色情報を使って対象物体の領域を抽出したり、意味のある領域に分割する操作を一般的にセグメンテーション技術というが(例えば、松山ら編 「コンピュータビジョン、新技術コミュニケーションズ」の第5章「コンピュータビジョンにおけるカラー情報の表現と解析」の「5.カラー画像のセグメンテーション」(p.68−71)等を参照。)、植物データ抽出部102jは既知のセグメンテーション技術を用いて植物部分を抽出する。
【0106】
例えば、植物部分は、RGBカラーデータにおいて緑色(G)の部分の強度が強いので、植物データ抽出部102jは、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等の既知のセグメンテーション・アルゴリズムを用いて、G強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより、植物を抽出してもよい。
【0107】
ここで、図11は、カラーセグメンテーション処理後に抽出された植物データ(2値画像)の一例を示す図であり、図12は、カラーセグメンテーション処理前で植物の下に土の部分が入っている画像(緑色のみの輝度画像)を示す図である。
【0108】
(4)Registration(撮影方向の異なる複数レンジデータの位置合わせ)
次に、画像データ処理部102fは、位置合わせ部102kの処理により、撮影方向の異なる複数のレンジデータについて位置合わせを実行する(ステップSB−4)。
【0109】
ここで、ポリゴン化前の点群データを使って位置あわせをする方法として、例えば、ICPアルゴリズム(Iterative closest points algorithm)を用いてもよい(例えば、Yang Chen and Gerard Medioni、 ”Object modelling by registration of multiple range images、” Image and Vision Computing、 vol. 10、 no. 3、 pp. 145−−155、 April 1992.、および、Besl and N McKay. ”A methodfor registration of 3−d shapes”. IEEE. Transactions on Pattern Analysisand Machine Intelligence、 14(2):239−−256、 (February 1992).などを参照。)。
【0110】
ICPアルゴリズムは、2つのレンジデータの制御点を決めて、制御点間の誤差距離を小さく(closest)するように、片方のレンジデータを座標変換し、これを誤差距離が小さくなるまで繰り返す(Iterative)ものである。また、ICPアルゴリズムでは制御点が用いられているが、指示体を用いて撮影し、指示体の間の誤差距離が小さくなるような変換を探す方法も位置合わせでは使われているため、制御部102は、いずれの位置合わせアルゴリズムを用いてもよい。
【0111】
(5)Integration(位置合わせの終わった複数レンジデータの合成)
次に、画像データ処理部102fは、合成部102mの処理により、位置合わせの終わった複数のレンジデータについて合成する(ステップSB−5)。
【0112】
合成部102mは、例えば、以下に説明する点群でマージしてポリゴンを作成する手法を用いてもよい。すなわち、合成部102mは、点群でデータをマージした後でDelaunay三角形分割アルゴリズムを使って三角メッシュポリゴンを作成する。
【0113】
なお、Delaunay三角形分割(非常に一般的な方法)については、
(1)http://ai−www.aist−nara.ac.jp/people/setala−v/faq.html
(2)http://www.mathworks.com/access/helpdesk/jhelp/techdoc/math_anal/ch_5_p18.shtml#19314
(3)M. Soucy and D. Laurendeau.”Multi−resolution surface modeling from multiple range views.” In IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR’92)、 pages 348−353、 Champaign
(4)Illinois、 June 1992. IEEE Computer Society Press
などを参照することができる。
【0114】
また、合成部102mは、三角ポリゴンでの統合手法であるZippering法を用いてもよい(例えば、G. Turk and M. Levoy.”Zippered polygonal meshes from rangeimages.” Computer Graphics (SIGGRAPH’94)、pages 311−318、 July 1994.を参照。)。
【0115】
これにて、画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理が終了する。
【0116】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0117】
例えば、上述した実施の形態においては、被写体として植物を用いる場合を一例に説明したが、本発明は、この場合に限定されるものではなく、他の全ての被写体(特に、凹面の多い被写体など)に適用することができる。
【0118】
すなわち、本発明を、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部(上述した実施形態における撮影部200に対応する)と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構(上述した実施形態における撮影部移動機構300や植物支持部移動機構600等に対応する)と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部(上述した実施形態における植物自動撮影制御装置100の制御部102に対応する)を制御する制御部とを備えた自動撮影システムとして構成することができる。
【0119】
また、本発明は、さらに、本システムにおいて複数の植物個体を自動的に連続して撮影する機能を有する植物支持部交換機構を備えてもよい。この植物支持部交換機構は、1つの植物個体の測定終了後に別の植物個体を植物支持部に設置させる機構であり、これにより上記の撮影工程を自動的に繰り返すことが可能になる。
【0120】
また、本発明により、植物の遺伝子破壊株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子破壊株の破壊された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。また、本発明により、植物の遺伝子発現増幅株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子発現増幅株の増幅された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。そして、本発明により、植物の遺伝子導入株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子導入株の導入された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。さらには、本発明により、植物の遺伝子変異株の三次元ポリゴンデータと野生株の三次元ポリゴンデータを作成し、次に、これらポリゴンデータの形状の違いを検出することで、上記遺伝子変異株の変異された遺伝子機能を検出する方法およびシステムを提供することができる。ここで、ポリゴンデータの形状の違いを検出する方法としては、ポリゴンデータからその特徴を反映するスカラー量を算出し、次に、当該スカラー量を統計的に検定することで違いを検出する方法を好適に用いることができる。
【0121】
また、上述した実施形態においては、植物自動撮影制御装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、植物自動撮影制御装置100とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
【0122】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0123】
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0124】
また、植物自動撮影制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0125】
例えば、植物自動撮影制御装置100の各部または各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行なわれる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて植物自動撮影制御装置100に機械的に読み取られる。
【0126】
すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAM等にロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。また、このコンピュータプログラムは、植物自動撮影制御装置100に対して任意の撮影部移動機構300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0127】
また、本発明にかかるプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」や、各種コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、HD等の任意の「固定用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0128】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0129】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(レンジデータファイル106a〜植物データファイル106d)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0130】
また、植物自動撮影制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理端末等の情報処理装置にプリンタやモニタやイメージスキャナ等の周辺装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0131】
さらに、植物自動撮影制御装置100等の分散・統合の具体的形態は明細書および図面に示すものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる(例えば、グリッド・コンピューティングなど)。例えば、各データベースを独立したデータベース装置として独立に構成してもよく、また、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、植物の形状を効率的かつ正確に測定することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0133】
また、本発明によれば、各部の移動をゆっくりと行うように制御することにより、シロイヌナズナなどの植物を揺らさずに多方向から三次元形状を測定できる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0134】
また、本発明によれば、植物の多方位からのレンジデータおよびカラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから植物の部分を抽出して植物データを作成するので、植物部分を効率的かつ正確に測定することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0135】
また、本発明によれば、欠損部分があると判定された場合には、撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御して、撮影部および/または植物支持部を移動させ、欠損部分を撮影するような方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御するので、より正確に植物の形状の測定ができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0136】
また、本発明によれば、レーザー光の波長は、680nm以上(好ましくは690nm以上)に設定することで植物の光受容体による吸収を軽減させ、生理反応を伴わずに撮影することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0137】
また、本発明によれば、制御部は、各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で撮影部および/または植物支持部を回転移動させるように撮影部移動機構および/または植物支持部移動機構を制御するので、重複部分を含むように回転角を45度以下(好ましくは30度以下)で回転させて三次元形状データのスナップショットを測定し、少なくとも2つ以上のスナップショットで重複する領域のみを残すことにより、全体形状を得ることができるアルゴリズムを考案することができ、シロイヌナズナ等の植物の全体形状を計測するのに有効な方法を実現することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0138】
また、本発明によれば、植物に対して光線を照射する光源部と、3次元形状計測部により植物の形状の3次元座標をレーザー光を用いて計測しているときには光源部による光線の照射を行わず、またカラー画像撮影部により植物の2次元カラー画像を撮影しているときには光源部による光線の照射を行うように光源部を制御する光源部制御部とをさらに備えたので、照明の自動制御を実現することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0139】
また、本発明によれば、画像データ処理部は、「ヒストグラム法」や「パターンベクトル分類法」等のセグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成するので、効率的に植物データを生成することができる植物自動撮影システムを提供することができる。
【0140】
さらに、本発明によれば、被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、移動機構を制御して撮影部を被写体に対して相対移動させ、被写体の多方位からのレンジデータおよびカラーデータを取得するように撮影部を制御する制御部とを備えたので、被写体の形状を効率的かつ正確に測定することができる自動撮影システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示す原理構成図である。
【図2】天頂角方向に撮影アングルを5段階で移動させる場合の概念図である。
【図3】水平角方向に撮影アングルを8段階で移動させる場合の概念図である。
【図4】本発明が適用される植物自動撮影制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】画像データ処理部102fの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における本システムの画像データ処理部102fによる植物自動モデリング処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】注目点とその周囲の8つの近傍点を説明するための概念図である。
【図9】メジアンフィルタによるノイズ除去処理の具体例を示す図である。
【図10】レーザー3次元形状計測装置の場合に共通のポリゴン作成方法の一例を示す概念図である。
【図11】カラーセグメンテーション処理後に抽出された植物データ(2値画像)の一例を示す図である。
【図12】カラーセグメンテーション処理前で植物の下に土の部分が入っている画像(緑色のみの輝度画像)を示す図である。
【図13】本システムにより3つのアングルで植物の自動撮影を行う場合の一例を示すタイムチャートである。
【図14】植物支持部の構成の一例を示す図である。
【図15】図14に示す植物支持部を用いた植物の育成方法の一例を示す概念図である。
【図16】植物支持部の別の構成を示す図である。
【図17】図16に示す植物支持部を用いた植物の育成方法を示す概念図である。
【図18】撮影部200の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 植物自動撮影制御装置
102 制御部
102a 撮影部制御部
102b 撮影部移動機構制御部
102c 光源部制御部
102d 光源部移動機構制御部
102e 植物支持部移動機構制御部
102f 画像データ処理部
102g 欠損判定部
102h ノイズ除去部
102i ポリゴンデータ作成部
102j 植物データ抽出部
102k 位置合わせ部
102m 合成部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a レンジデータファイル
106b カラーデータファイル
106c ポリゴンデータファイル
106d 植物データファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 撮影部
202 3次元形状測定部
204 カラー画像撮影部
300 撮影部移動機構
400 光源部
500 光源部移動機構
600 植物支持部移動機構
Claims (8)
- 植物支持部により支持された被写体である植物にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該植物の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該植物の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、
上記撮影部を天頂角方向および/または水平角方向に上記植物を中心として同心円状に移動させる撮影部移動機構、または、上記植物支持部を上下移動および/または回転移動させる植物支持部移動機構、のうち少なくとも一つの移動機構と、
上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする植物自動撮影システム。 - 上記植物の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータからポリゴンデータを作成し、当該ポリゴンデータから上記植物の部分を抽出して植物データを作成する画像データ処理部、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の植物自動撮影システム。 - 上記植物データに死角による欠損部分があるか否かを判定する欠損判定部、をさらに備え、
上記制御部は、上記欠損判定部により欠損部分があると判定された場合には、上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御して、上記撮影部および/または上記植物支持部を移動させ、上記欠損部分を撮影するような方位からの上記レンジデータおよび/または上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御すること、
を特徴とする請求項2に記載の植物自動撮影システム。 - 上記レーザー光の波長は、680nm以上であること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の植物自動撮影システム。 - 上記制御部は、
各画像がそれぞれ重複部分を含むように45度以下の回転角で上記撮影部および/または上記植物支持部を回転移動させるように上記撮影部移動機構および/または上記植物支持部移動機構を制御すること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の植物自動撮影システム。 - 上記植物に対して光線を照射する光源部と、
上記3次元形状計測部により上記植物の形状の上記3次元座標を上記レーザー光を用いて計測しているときには上記光源部による光線の照射を行わず、また上記カラー画像撮影部により上記植物の上記2次元カラー画像を撮影しているときには上記光源部による光線の照射を行うように上記光源部を制御する光源部制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の植物自動撮影システム。 - 上記画像データ処理部は、
セグメンテーション技術を用いてG強度の強いポリゴン部分を抜き出すことにより植物部分を抽出して植物データを生成すること、
を特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の植物自動撮影システム。 - 被写体にレーザー光を照射しその反射光の特性を計測することにより当該被写体の形状の3次元座標を示すレンジデータを取得する3次元形状計測部、および、当該被写体の2次元カラー画像を撮影しカラーデータを取得するカラー画像撮影部を含む撮影部と、
上記撮影部を被写体に対して相対移動させる移動機構と、
上記移動機構を制御して上記撮影部を被写体に対して相対移動させ、上記被写体の多方位からの上記レンジデータおよび上記カラーデータを取得するように上記撮影部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする自動撮影システム。
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