JP2004190632A - ガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスタービン入口側のガスカロリー量によりガスタービンの運転特性から算出される発電出力効率を補正した推定値と、燃料ガス流量と、発電出力とから推定した燃料ガスカロリーにより添加ガス量を調整するフィードバック制御系と、主燃料ガスと添加ガスとを混合するガス混合器3からガスタービンの燃焼器まで、該混合ガスが移動する経過時間の影響を抑制するフィードフォワード制御系とを備えることにより、事前にカロリー変動を捉えて添加ガス流量を調整できるガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉ガスを主燃料とするガスタービン発電システムにおいては、高炉の操業状態により、発生ガスカロリーが大きく変動し、これにより、ガスタービンの発電出力が変動する。特に、ガスカロリーの変動が大きいときには、不安定燃焼や失火に至る場合もある。そのため、システムの運転の安定化を図るために、燃料ガスカロリーを測定し、ガスカロリーを一定にするよう添加ガス量をフィードバック調整するものや、ガスタービン発電出力を一定にするよう添加ガス量を調整する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−19453号公報(第2−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の方法は、すべてのガスタービンの運転状態(例えば、調速制御、出力リミット制御、温度リミット制御、負荷変更等)において使用することができるが、制御系にガスカロリー測定系やガス洗浄系を含むために1分以上の応答時間を必要とする。このため、フィードバックゲインを上げて制御を行うことができず、変動抑制能力が不十分であるといった問題がある。また、後者の方法は、ガスカロリー変動に対するガスタービン発電出力は高応答(10秒程度)に現れるものの、ガスタービン発電出力を参照してガス流量を調整する出力リミット制御を使用している場合やガス流量が大幅に変化する負荷変更時にはガス流量調整系とガスカロリー一定制御系とが干渉して制御系全体がハンチングを起こし、常時使用することが困難であった。
【0005】
また、応答性の速い後者の方法を使用した場合でも、高炉での送風開始時等に突変するガスカロリー変動に対しては、添加ガス混合器からガスタービン本体までの無駄時間により、十分な変動抑制制御が困難であった。そのため、急激なガスカロリーの低下による不安定燃焼や失火に対する抑制が十分ではなかった。さらに、制御による高炉ガス単味ガスカロリーの急激な低下の抑制が困難であることから、実運用上はガスカロリー設定値を高いレベルにする必要があり、この結果、定常的に燃焼温度が高レベルとなる。しかし、一方で、タービン入口には温度条件があるため、これを満足するためには、発電出力の低下を余儀なくされ、特に、気温が高い季節に出力を高レベルに維持するのが困難な状況となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、上流配管に設置したカロリー計から事前にカロリー変動を捉えて添加ガス流量を調整することによって、ガスタービンの運転時には、常時、高い応答性を有し、大幅なガスカロリー外乱に対しても十分な抑制を行うガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、ガスタービン入口側の燃料ガスカロリー量によりガスタービンの運転特性から算出される発電出力効率を補正した推定値と、燃料ガス流量と、発電出力とから推定した燃料ガスカロリーにより添加ガス量を調整するフィードバック制御系と、主燃料ガスと添加ガスとを混合するガス混合器からガスタービンの燃焼器まで、該混合ガスが移動する経過時間の影響を抑制するフィードフォワード制御系とを備えたことを特徴とするガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置を提案している。
【0008】
この発明によれば、ガスタービン入口側のガスカロリー量によりガスタービンの運転特性から算出される発電出力効率を補正した推定値と、ガスタービンの発電出力と燃料ガス流量とから推定した燃料ガスカロリーにより添加ガス量を調整することにより、発電出力効率がガスの汚れ等の要因で変化したときでも、ガスカロリーを一定に制御することができる。また、フィードバック制御により、応答できない部分についてはフィードフォワード制御により、急激なガスカロリー変化に対しても安定した制御が可能となる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置について、主燃料ガス配管の上流部にガスカロリー計を有し、前記フィードフォワード制御系は、前記ガスカロリー計の測定値と、主燃料ガス配管の流量により算出された前記ガスカロリー計から前記ガス混合器までの主燃料ガスの経過時間により、添加ガス量を調整することを特徴とするガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置を提案している。
【0010】
本発明によれば、燃料ガス配管の上流部に設置したガスカロリー計により上流部のガスカロリーを計測する。また、配管のガス流量により、ガスカロリー計からガス混合器までの主燃料ガスの経過時間を求める。これらの値からフィードフォワード制御を行うことにより、ガス混合器からガスタービンの燃焼器までを混合ガスが移動する経過時間の影響を抑制でき、突発的な外乱に対しても、その影響を効果的に抑制することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置について、前記主燃料ガスは、高炉ガスであることを特徴とするガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、フィードバック制御によって、ガスカロリー一定制御を行うとともに、フィードフォワード制御によって、フィードバック制御では応答できない範囲を制御することとしたので、ガスカロリーの変動が大きい高炉ガスを主燃料ガスとして用いても安定的な制御が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置について図1から図7を参照して詳細に説明する。
図1から本発明の実施形態に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置を含むガスタービン発電システムは、BFG(高炉ガス、BFG:Blast Furnace Gas)本管1と、CO計2a、2b(ガスカロリー計)と、ガス混合器3と、N2ガス供給弁4と、COG(コークス炉ガス、COG:Cokes Oven Gas)供給弁5と、EP6(電気集塵器,EP:Electrostatic Precipitator)と、G.C7(ガス圧縮器、G.C.:Gas Compressor)と、G.T.8(ガスタービン、G.T.:Gas Turbine)と、Gen9(発電機、Gen:Generator)と、出力計10と、Gas冷11(ガス冷却器)と、ガス流量調整弁12と、カロリーオブザーバ演算部13と、FB制御演算部14(FB:フィードバック)と、FF制御演算部(FF:フィードフォワード)15と、BFG単味カロリー計算部16と、ガス到達時間補正部17と、BFG流量計算部18とから構成されている。
【0014】
BFG(高炉ガス)本管1は、本発明に係るガスタービン発電システムの主燃料となる、製鉄所において発生する高炉ガスをガスタービン発電システムに供給するための配管である。CO計(ガスカロリー計)2a、2bは、ガスタービンに供給されるガスカロリーを測定する装置であって、本発明においては、燃料ガスのカロリーを推定するための要素として、また、ガスカロリーの変動を事前に検知してフィードフォワード制御を行うための要素として用いられている。ガス混合器3は、主燃料ガスである高炉ガスのガスカロリーに応じて、N2ガス供給弁4およびCOGガス供給弁5から供給された添加ガスを高炉ガスに混合する装置である。
【0015】
N2ガス供給弁4は、ガスタービンに供給されるガスカロリーが所定値よりも増加している場合に、減熱用のN2ガスを供給するための供給弁である。COG供給弁5は、ガスタービンに供給されるガスカロリーが所定値よりも低下している場合に、増熱用のCOGガスを供給するための供給弁である。EP6(電気集塵器)は、ガスタービン発電システムの主燃料である高炉ガスにふくまれるダスト等を集塵し、除去する装置である。具体的には、放電極および集塵極の間に高圧直流電流を荷電し、コロナ放電をさせることにより、ダストにマイナスイオンを帯電させて、集塵する装置であり、ガスタービン発電システムにおいては、一般にガス洗浄系と呼ばれる。
【0016】
G.C.7(ガス圧縮器)は、電気集塵器6により洗浄された高炉ガスを圧縮してガスタービンに導入する。G.T.8(ガスタービン)は、燃料ガスの燃焼による熱エネルギーを速度エネルギーに変換し、タービンロータを介して、機械的なエネルギーを取り出す装置である。Gen9(発電機)は、ガスタービン8から得られる機械的なエネルギーを電気的なエネルギーに変換する装置である。出力計10は、発電機9から出力される発電出力を測定するための装置であり、本発明においては、燃料ガスのカロリーを推定するための要素の1つとして用いられている。
【0017】
ガス冷却器11は、高温状態になった余剰ガスを冷却してBFG本管1に戻す役割を有する。ガス流量調整弁12は、弁を調整して余剰ガスをガス冷却器11に送り込む役割を有する。カロリーオブザーバ演算部13は、カロリー計2bのガスカロリー測定信号と、燃料ガス流量および発電機9の発電出力によって、燃料ガスカロリーの推定を行う装置である。FB制御演算部14は、カロリーオブザーバ演算部13によるガスカロリーの推定値と、ガスカロリーの目標値とから偏差を演算し、演算結果に基づいて、N2ガス供給弁4およびCOGガス供給弁5を操作してガスタービンに供給されるガスカロリーを一定とする。
【0018】
FF制御演算部15は、BFG本管1の上流部に設けたガスカロリー計2aの値と、ガス流量から算出される上記ガスカロリー計2aからガス混合器3に到達するまでの時間とにより、主燃料である高炉ガスのガスカロリーの変動を事前に捉えて制御を行う働きを有する。BFG単味カロリー計算部16は、電気集塵器6とガス圧縮器7との間に設けられたガスカロリー計2bによるガスカロリーと、主燃料ガスおよび添加ガスの流量と、ガスカロリー計2aからガス混合器3までの到達時間とからBFG単体のガスカロリーを算出する。
【0019】
ガス到達時間補正部17は、BFG流量計算部18から得られるBFG本管1のガス流量を配管断面積で除してガスの流速を求め、ガスカロリー計2aからガス混合器3までの配管長をガスの流速で除してガス伝達時間を求める。BFG流量計算部18は、ガスタービン8の入口側に設けられたガス流量計と、N2ガスおよびCOGにそれぞれ設けられたガス流量計との値からBFGの流量を計算する。
【0020】
本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置は、ガスタービン入口側のガスカロリー量により推定した発電出力効率と、燃料ガス流量と、発電出力とから推定した燃料ガスカロリーにより添加ガス量を調整するフィードバック制御系と、主燃料ガスと添加ガスとを混合するガス混合器からガスタービンの燃焼器まで、該混合ガスが移動する経過時間の影響を抑制するフィードフォワード制御系とから構成されている。そこで、まず、フィードバック制御系の内容について、以下、数式および図面等を用いて詳細に説明する。
【0021】
一般に、ガスタービンの発電出力P(KW)は、ガスカロリーH(KJ/Nm3)と、効率ηと、ガス流量Q(Nm3/S)とから、[数1]のように表すことができる。効率ηはガスタービン出力と強い相関があるため、これを関数として、η0(p)とすると、効率ηは、[数2]のように表すことができる。但し、kηは、効率補正係数であり、標準状態では、kη=1である。
【数1】
【数2】
【0022】
[数1]と[数2]とから、ガスカロリー推定値H^は、[数3]のように表すことができる。ただし、実測可能なP、Qには、応答性に差が存在するため、これを補正するために、[数4]によって、応答性を合わせる。なお、ここで、Hp(s)は、発電機出力応答を、Hh(s)は、ガスカロリー推定値応答を、Hq(s)は、ガス流量応答を示している。また、本実施形態においては、Hh(s)、Hp(s)、Hq(s)には、一次遅れの伝達関数である[数5]を用いた。
【数3】
【数4】
【数5】
【0023】
[数4]を用いて、[数3]を解くと、Hh(s)の応答をもつガスカロリー応答が得られる。この基本演算ブロックは、図2のようになる。ここで、効率補正係数kηは、その変化が緩やかであり、一般に、空気温度や排ガス温度等によって、その値を得ることができるが、値の再現性に問題があるため、本発明においては、ガスカロリー計5の測定値をもとに以下により、学習して得ることとする。
【0024】
まず、[数1]から、[数6]を得る。これと、[数2]より、効率補正係数kηは、[数7]のように表すことができる。
【数6】
【数7】
【0025】
効率補正係数kηの変化は緩やかであることから、前回の値をもとに値を更新する方法で学習により値を決めることとすれば、その関係式は、[数8]のようになる。ただし、αは重み係数であって、その数値範囲は、0<α<1である。
【数8】
【0026】
なお、[数8]のP、H、Qについては、これらの応答性を合わせるため、各測定値ごとに、これらのうち、最も応答が遅いガスカロリー計5に合わせた応答補正を行ったものを用いる。これをブロック図として表すと、図3のようになる。なお、本実施形態においては、応答補正を行う伝達関数として、[数9]に示すものを用いている。
【数9】
【0027】
したがって、図3から、学習により求められるkηを図2のブロック図の入力であるkηに接続すれば、発電出力以外の効率変化を反映することができ、より高精度なガスカロリーの推定が可能となる。
【0028】
次に、上記、ガスカロリー推定によるフィードバック制御系の外乱抑制能力について、考察してみる。
本発明に係るガスタービン発電システムにおける高炉ガスおよび添加ガスによる混合ガスのガスカロリーを定式化すると[数10]のようになる。また、これらの式から、HMを求めると、[数11]になる。なお、ここで、QMは、混合ガス流量を、QBは、BFGガス流量を、Qaは、添加ガス流量を、HMは、混合ガスカロリーを、HBは、BFGガスカロリーを、Haは、混合ガスカロリーを示している。
【数10】
【数11】
【0029】
HBおよびQaが変化することを前提に線形化すると、[数12]のようになる。ここで、実際には、QBがQaよりも十分に大きい関係にあることから、[数10]から、QM≒QBとなり、[数12]は、[数13]のようになる。したがって、これらを用いて、混合ガスカロリーの変動分を式で表すと、[数14]のようになる。
【数12】
【数13】
【数14】
【0030】
HMの検出は、ガスカロリーオブザーバ演算部13による無駄時間L1および時定数をT1とし、応答近似すると、[数15]のように表される。したがって、[数14]および[数15]より、添加ガス流量操作端4、5からガスカロリーオブザーバ演算部13までのブロック図は、図4のようになる。
【数15】
【0031】
次に、ガスカロリーオブザーバ演算部13により検出されたガスカロリー値と、ガス流量と、ガス混合器点での高炉ガスのガスカロリー変動をもとに、PI演算(比例積分制御)、QMおよびKcによる開ループ補正、高炉ガスカロリーのフィードフォワード補正を考慮して制御系を表すと、図5のような制御ブロック図になる。ここで、QMおよびKcによる開ループ補正での相殺を考慮すると、制御ループは単純となって、図6のようになり、さらに、Ti=T1とすると、コントローラのゼロ点とプロセスの時定数とが相殺されて、図7のようになって、位相余裕を固定にしたコントローラの設計が可能となる。
【0032】
この場合、フィードバックループの外乱抑制能力Hyd(s)は、[数16]のようになるため、基本的には、角周波数1/2L1よりも短い周期の外乱は抑制不可能となる。
これは、ガス混合器3からガスタービン8に至るまでの無駄時間により生じる制限によるものであり、ガスタービン8以上の高い応答性を有するガスカロリー計2でないと対処が出来ないことを意味する。現実的には、ガスカロリーを測定するためにガス伝達系やガス洗浄系が存在するため、その実現は困難であり、この制御範囲については、上流側のガスカロリー測定値に基づいてフィードフォワード制御による外乱制御を行う必要がある。
【数16】
【0033】
そこで、上流側ガスカロリー測定値に基づく、フィードフォワード制御について考えてみると、上流側ガスカロリー測定値は、フィードバック制御において補償が困難な範囲を補償できればよく、その測定範囲も上記範囲のガスカロリー変動のみで十分であることから、制御に必要な周波数特性は、[数16]に示される範囲で十分である。なお、過補償による変動発生を避けるためには、[数16]をカバーできるフィルター、すなわち、上流側に設置したガスカロリー計の測定値とガス流量に応じて位相をシフトするようなフィルターをガス混合器設置点でのBFG単味ガスカロリーに乗じてフィードフォワード補償を行うことで対応することができる。上記の内容をブロック図として表したものを図8に示す。
【0034】
なお、図8の制御系においては、上流側に設置したガスカロリー計2aの応答特性としては、ガスカロリー計2aの有する無駄時間と時定数を足し合わせた時間が、ガスカロリー計設置点からガス混合器設置点までのガス伝達時間よりも短いことが必須条件となる。したがって、時定数は、できる限り小さい方が望ましい。一方、この範囲内でのフィードフォワード制御の調整は、無駄時間に関しては、リングバッファの取り出し点での演算により、また、時定数に関しては、T2およびKffの調整により対応可能である。図9にHyd(s)とHff(s)の周波数特性に関する関係を示す。
【0035】
本実施形態によれば、ガスカロリーの変動量が従来の1/10以下となり、失火等の不安が解消された。また、ガスカロリーの設定値を低く抑えることが可能となり、これにより、ガスタービン入口温度の制約による発電出力低下が緩和され、気温が高いときでも、ガスタービン発電システムによる高出力が可能となった。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、ガスタービン出力、燃料ガス流量に基づくガスカロリー推定値を使用したハイゲインフィードバック制御により、上流配管に設置したカロリー計から事前にカロリー変動を捉えて添加ガス流量を調整することによって、ガスタービンの運転時には、常時、高い応答特性により大幅なカロリー外乱抑制を行うことができるという効果がある。
【0037】
また、請求項2に係る発明によれば、ガスタービン発電出力のみならずガス流量とガスカロリー計の測定値による効率学習を行うことにより、ガスタービンの運転状態に拘わらず、常時、高速応答、高精度なガスカロリー推定値を得ることができるという効果がある。
【0038】
さらに、ガス混合器からガスタービンまでのガス伝達無駄時間の影響は上流側ガスカロリーの測定によるフィードフォワード制御のみで、外乱要素の大半を抑制することとしたため、より高速で、かつ、高精度にガスカロリーに関する外乱を除去することができるという効果がある。
【0039】
請求項3に係る発明によれば、フィードバック制御およびフィードフォワード制御により、それぞれが制御すべき範囲を明確にして、系のコントロールを行うこととしたことから、ガスカロリーの変動が大きい高炉ガスを主燃料としたシステムにおいても安定的な運転が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置の系統図である。
【図2】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるガスタービン出力、効率補正係数およびガス流量とカロリー推定値との関係を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるガスタービン出力、ガス流量およびガスカロリーと効率補正係数との関係を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置における添加ガス流量操作端からガスカロリーオブザーバ演算部までのブロック図である。
【図5】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるガスカロリーの設定値とガスカロリー推定値の関係を示す制御ブロック図である。
【図6】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるガスカロリーの設定値とガスカロリー推定値の関係を示す単純化された制御ブロック図である。
【図7】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるガスカロリーの設定値とガスカロリー推定値の関係を示す単純化された制御ブロック図である。
【図8】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置におけるシステムの制御ブロック図である。
【図9】本発明に係るガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置における外乱抑制能力特性とフィードフォワード制御フィルターの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・BFG本管、2a,2b・・・ガスカロリー計、3・・・ガス混合器、 4・・・N2ガス供給弁、5・・・COG供給弁、6・・・EP(電気集塵器)、
7・・・G.C.(ガス圧縮機)、8・・・G.T.(ガスタービン)、
9・・・Gen(発電機)、10・・・出力計、
11・・・Gas冷(ガス冷却器)、12・・・ガス流量調整弁、
13・・・カロリーオブザーバ演算部、
14・・・FB制御演算部(フィードバック制御演算部)、
15・・・FF制御演算部(フィードフォワード制御演算部)、
16・・・BFG単味ガスカロリー計算部、17・・・ガス到達時間補正部、
18・・・BFG流量計算部、
Claims (3)
- ガスタービン入口側の燃料ガスカロリー量によりガスタービンの運転特性から算出される発電出力効率を補正した推定値と、燃料ガス流量と、発電出力とから推定した燃料ガスカロリーにより添加ガス量を調整するフィードバック制御系と、主燃料ガスと添加ガスとを混合するガス混合器からガスタービンの燃焼器まで、該混合ガスが移動する経過時間の影響を抑制するフィードフォワード制御系とを備えたことを特徴とするガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置。
- 主燃料ガス配管の上流部にガスカロリー計を有し、前記フィードフォワード制御系は、前記ガスカロリー計の測定値と、主燃料ガス配管の流量により算出された前記ガスカロリー計から前記ガス混合器までの主燃料ガスの経過時間により、添加ガス量を調整することを特徴とする請求項1に記載されたガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置。
- 前記主燃料ガスは、高炉ガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたガスタービンの燃料ガスカロリー制御装置。
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