【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、防黴性を有する建築物の壁紙材料として用いる壁紙の裏打ち紙に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近時、住宅は気密度の高い構造となっているので、換気が不十分な場合、湿気がこもり易く、暖かく湿気の多い状態で黴の生育に好ましい環境となる傾向がある。
特にケトミウム（Ｃｈａｅｔｏｍｉｕｍ）属のケトミウム・グロボスム（Ｃ．ｇｌｏｂｏｓｕｍ）はセルロース分解能の高い菌で、住宅内では壁紙に発生し易く、内部腐食を起こすことが知られている。
【０００３】
一般に、住宅内装材として内壁面や、天井面に多く壁紙が用いられ、意匠的審美性に優れたシート状のものが応用されている。壁紙は、通常壁紙用裏打ち紙の片面に塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂層を設け、表面に印刷が施された構成を有している。また、該樹脂層として発泡性の材料を使用して発泡させて凹凸を形成したり、裏打ち紙の樹脂層が設けられていない面に粘着剤や再湿接着剤を用いて壁に容易に貼りつけられるように加工されたものが使用されている。このような積層構成を有する壁紙に於いては、前記のように防黴性が要求されることから、各種の提案がなされており、例えば先行特許文献は以下に記載のとおりである。
【０００４】
【特許文献１】特開昭６０−２７９８号公報
【特許文献２】特開昭６０−１９４２００号公報
【特許文献３】特開平６−２７２１９９号公報
【特許文献４】特開平１−２７２８９８号公報
【特許文献５】特開平３−１０８３３号公報
【０００５】
上記特許公報記載の概要について説明する。
特開昭６０−２７９８号公報にはベンツイミダゾール系、ビグアニド系、オキシキノリン系の防黴剤を、サイズ剤に配合して付与した裏打ち紙が記載されており、特開昭６０−１９４２００号公報にはジアルキルジチオカルバミン酸ソーダを、抄造時に内添又は表面処理した裏打ち紙が開示されている。また、特開平６−２７２１９９号公報には、セルロース繊維を主体とする繊維質物質に水難溶性または水不溶性の抗菌性金属塩（酸化亜鉛、酸化銀等）を混合抄紙により定着担持したシートを用いた、裏打ち紙が記載されている。
更に、裏打ち紙の表面の樹脂層に防黴性を付与するものとして、特開平１−２７２８９８号公報にはチアゾール系及び／又はチアゾリン系防黴剤を配合したウレタン樹脂皮膜を設けること、特開平３−１０８３３号公報には防黴剤としてＮ−フルオロジクロロメチル−フタルイミドを配合した塩化ビニル発泡樹脂層を設けることが記載されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術に於いて紙に使用されている防黴剤は、いずれも防黴性が不十分であり、実用上満足するものが得られていない。すなわち、イミダゾール系をはじめとした従来紙に適用していた防黴剤は、防黴性自体が不十分で多種多様な黴の種類に対応できなかったり、防黴性が弱くて多量に使用する必要があることから製造上や安全性の問題があったり、また、防黴剤の耐水性や耐熱性、積層される樹脂層や粘着剤の影響などから、防黴効果の持続性に問題を有するものであった。
【０００７】
【発明が解決するための手段】
本発明者は各種の防黴剤について壁紙用裏打ち紙への適用、つまり、紙に塗布又は内添した場合の防黴性及びその持続性や、抄造における製造上の問題を検討した結果、例えば、前記の従来技術でも使用されているイミダゾール系防黴剤は、食品添加用の防黴剤として使用されているように、壁紙としては防黴効果が不十分であり、イソチアゾリン系、トリアジン系、Ｎ−ハロアルキルチオ系などの防黴剤も防黴性は弱いものであり、また、これらは多種多様の黴に対して防黴効果は得られなかった。さらに、有機銅系や有機ヨード系の防黴剤は、製造時や経時においてその性能が損なわれる問題が確認された。従ってピリジン系防黴剤のみが、壁紙に適用した時に前記の問題を全く生ずることなく優れた防黴性が達成されることを見出したものである。
すなわち、本発明はセルロース繊維を主成分とする基紙に、少なくともピリジン系防黴剤が内添もしくは塗布されていることを特徴とする壁紙用裏打ち紙である。又、このピリジン系防黴剤としては、特に２，３，５，６−テトラクロロ−４−（メチルスルホニル）ピリジンが好ましく用いられる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明に於いて、セルロース繊維を主成分とする基紙は、従来より公知のセルロース繊維を主体とし、必要に応じて合成繊維、無機繊維、合成パルプ等を適宜配合し、自己消火性填料、その他の填料、乾燥紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤を適宜添加し、抄紙することができる。
なお、セルロース繊維とは、公知の木材パルプを主体とし、麻、こうぞ、雁皮のジン皮繊維、コットンシリンダー、竹、藁等の非木材パルプ等の繊維物質を適宜配合して使用することができる。
【０００９】
また、前記基紙に添加する合成繊維は、高分子化合物からなる繊維であって、ポリアミド系（ナイロン等）、ポリエステル（商標名テトロン等）、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリル系、ポリビニルアルコール系、尿素系の各高分子化合物繊維が挙げられ、これらを単独もしくは複数混合して使用することができる。
【００１０】
さらに、前記基紙に添加する填料（無機質材料）は、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウムのアルカリ土類金属塩、珪藻土、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス等からなり、これらを単独もしくは複数を混合して使用することができる。
【００１１】
本発明に於いては、ピリジン系防黴剤が内添されるか塗布されて壁紙用裏打ち紙が形成される。
ピリジン系防黴剤としては、２，３，５，６−テトラクロロ−４−（メチルスルホニル）ピリジン、ビス〔１−ヒドロキシ−２（１Ｈ）ピリジンチオナート〕亜鉛などを挙げることができる。
用いられるピリジン系防黴剤としては、特に２，３，５，６−テトラクロロ−４−（メチルスルホニル）ピリジンが多種多様の菌に対する優れた防黴性とサイズプレス塗液での良好な分散均一性が得られることから好ましく用いられる。 このようなピリジン系防黴剤の使用量は、裏打ち紙において５０〜１０００ｐｐｍ程度であり、好ましくは１００〜１０００ｐｐｍ、特に２００〜１０００ｐｐｍが好適である。かかる範囲より少ない場合は、良好な防黴性が達成されず、逆に多い場合は、均一分散性が損なわれたり、生産性の低下やコストアップなどの製造上の問題を生じるおそれがある。
【００１２】
次に本発明に係る壁紙用裏打ち紙を壁紙と一体化した構造を示せば、図１に記載のように、本発明の裏打ち紙１２の片面に例えば表面印刷層を有する塩化ビニル樹脂層１１が設けられている。なお、この裏打ち紙は、セルロース繊維を主成分とする基紙に、ピリジン系防黴剤を内添するか塗布して形成されたものである。又、図では裏打ち紙１２の片面に接着剤層１３を設けた例が示されているが、実施にあたっては、裏打ち紙１２の片面に粘着性の接着剤層１３を塗布し、これに離型紙（図示せず）を設けたものを用意し、使用の際に離型紙を剥がして所定の場所に接着することもできる。
【００１３】
【実施例】
以下実施例について説明する。
実施例１
濾水度がショッパーリグラーで４０゜ＳＲに叩解されたＮＢＫＰとＬＢＫＰの比が、２：８であるパルプスラリーに、ロジンサイズ剤を０．４重量％固形分添加、硫酸バンドを１．０重量％固形分添加し、長網抄紙機により抄上げた湿紙をプレス脱水、シリンダー乾燥する。その後、サイズプレスにて下記塗工液を塗布し、防黴剤濃度３００ｐｐｍの本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
【００１４】
比較例１
防黴剤を添加しないこと以外は実施例１と同様にして比較用の壁紙用裏打ち紙を得た。
【００１５】
（１）紙の各特性を、下記のＪＩＳ法により測定した。
なお、測定値は２３℃、湿度５０％の環境下で測定したものである。
坪量（ＪＩＳ Ｐ８１２８）、層間剥離強さ（ＪＡＰＡＮ ＴＡＰＰＩ Ｎｏ．１９）、ステキヒトサイズ度（ＪＩＳ Ｐ８１２２）。
【００１６】
（２）防黴性
下記の条件からなるＭＩＬ変法により評価した。
◆試験法
ＭＩＬ変法
◆接種
湿式法による試験菌混合胞子懸濁液、直接接種。（世界微生物災害防止学会で発表された一般建築物から高い頻度で検出される５７菌から選ばれた４９菌に、該５７菌には含まれていないＪＩＳ Ｚ−２９１１で対象としている４菌を合わせた下記の５３菌を含むもの）
アルテルナリア テナース （Ａｌｔｅｒｎａｒｉａ ｔｅｎｕｉｓ），アルテルナリア ブラッシュコーラ （Ａｌｔｅｒｎａｒｉａ ｂｒａｓｓｉｃｉｃｏｌａ），アルテルナリア アルテルナータ （Ａｌｔｅｒｎａｒｉａ ａｌｔｅｒｎａｔａ），アスペルギルス ニガー （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｎｉｇｅｒ），アスペルギルス フレーバス （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｆｌａｖｕｓ），アスペルギルス フェルシコール （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｖｅｒｓｉｃｏｌｏｒ） ，アスペルギルス オリゼー （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｏｒｙｚａｅ） ，アスペルギルス テレウス （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｔｅｒｒｅｕｓ），アスペルギルス フェミガタス （Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｆｕｍｉｇａｔｕｓ），オーレオバシディウム プルランス （Ａｕｒｅｏｂａｓｉｄｉｕｍ ｐｕｌｌｕｌａｎｓ），フザリウム モニリフォルメ （Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｍｏｎｉｌｉｆｏｒｍｅ） ，フザリウム セミテクタム（Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｓｅｍｉｔｅｃｔｕｍ） ，フザリウム プラリフェラタム （Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｐｒｏｌｉｆｅｒａｔｕｍ），フザリウム ロゼウム （Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｒｏｓｅｕｍ），フザリウム ソラニ（Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｓｏｌａｎｉ） ，フザリウム オキシスポラム （Ｆｕｓａｒｉｕｍ ｏｘｙｓｐｏｒｕｍ） ，リゾプス ニグリカンス （Ｒｈｉｚｏｐｕｓ ｎｉｇｒｉｃａｎｓ） ，リゾプス ストロニフェル （Ｒｈｉｚｏｐｕｓ ｓｔｏｒｏｎｉｆｅｒ） ，ペニシリウム シトリナム （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｃｉｔｒｉｎｕｍ） ，ペニシリウム イクパンサ （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｅｘｐａｎｓｕｍ） ，ペニシリウム フェニキュローザム （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｆｕｎｉｃｕｌｏｓｕｍ）， ペニシリウム リラシナム （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｌｉｌａｃｉｎｕｍ），ペニシリウム ニグリカンス （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｎｉｇｒｉｃａｎｓ），ペニシリウム フレクエンタス （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｆｒｅｑｕｅｎｔａｎｃｅ） ，ペニシリウム シトレオビリディ （Ｐｅｎｉｃｉｌｌｉｕｍ ｃｉｔｒｅｏｖｉｒｉｄｅ） ，ムコール ラセマサス （Ｍｕｃｏｒ ｒａｃｅｍｏｓｕｓ），ユーロチウム トナフィラム （Ｅｕｒｏｔｉｕｍ ｔｏｎｏｐｈｉｌｕｍ），トリコフィートン メンタグルフィテス （Ｔｒｉｃｈｏｐｈｙｔｏｎ ｍｅｎｔａｇｒｏｐｈｙｔｅｓ），ニグロスポラ オリゼー （Ｎｉｇｒｏｓｐｏｒａ ｏｒｙｚａｅ），クラドスポリウム レジネ （Ｃｌａｄｏｓｐｏｒｉｕｍ ｒｅｓｉｎａｅ） ，クラドスポリウム ヘルバレム （Ｃｌａｄｏｓｐｏｒｉｕｍ ｈｅｒｂａｒｕｍ），クラドスポリウム クラドスポリオイダス （Ｃｌａｄｏｓｐｏｒｉｕｍ ｃｌａｄｏｓｐｏｒｉｏｉｄｅｓ） ，クラドスポリウム サファエロスペルマ （Ｃｌａｄｏｓｐｏｒｉｕｍ ｓｐｈａｅｒｏｓｐｅｒｍｕｍ），トリコデルマ コニンギ （Ｔｒｉｃｈｏｄｅｒｍａ ｋｏｎｉｎｇｉｉ） ，トリコデルマ ビリディ （Ｔｒｉｃｈｏｄｅｒｍａ ｖｉｒｉｄｅ），フォーマ グロメラーダ （Ｐｈｏｍａ ｇｌｏｍｅｒａｔａ），フォーマ デレスチアス （Ｐｈｏｍａ ｔｅｒｒｅｓｔｉｕｓ） ，プルラリア プルランス （Ｐｕｌｌｕｌａｒｉａ ｐｕｌｌｕｌａｎｓ ），グリオクラディウム ビレンス （Ｇｌｉｏｃｌａｄｉｕｍ ｖｉｒｅｎｓ） ，ゲオトリカム カンディダム （Ｇｅｏｔｒｉｃｈａｍ ｃａｎｄｉｄｕｍ），ゲオトリカム ラクタス （Ｇｅｏｔｒｉｃｈａｍ ｌａｃｔｕｓ），ペスタロチア アダスタ （Ｐｅｓｔａｌｏｔｉａ ａｄｕｓｔａ） ，ペスタロチア ネグレクタ（Ｐｅｓｔａｌｏｔｉａ ｎｅｇｌｅｃｔａ） ，ミロテシウム フェルカリア （Ｍｙｒｏｔｈｅｃｉｕｍ ｖｅｒｒｕｃａｒｉａ） ，モニリア フルクチガーナ （Ｍｏｎｉｌｉａ ｆｒｕｃｔｉｇｅｎａ） ，ケトミウム グロポーザム （Ｃｈａｅｔｏｍｉｕｍ ｇｌｏｂｏｓｕｍ），エピコッカム パープラセンス （Ｅｐｉｃｏｃｃｕｍ ｐｕｒｐｕｒａｓｃｅｎｓ） ，アクレモニウム チャルテコーラ （Ａｃｕｒｅｍｏｎｉｕｍ ｃｈａｒｔｉｃｏｌａ） ，ワレミア セビ （Ｗａｌｌｅｍｉａ ｓｅｂｉ），ボトリティス シネレア （Ｂｏｔｒｙｔｉｓ ｃｉｎｅｒｅａ） ，カンジダ アルビカンス （Ｃａｎｄｉｄａ ａｌｂｉｃａｎｓ） ，サッカロミセスセレビシ （Ｓａｃｃｈａｒｏｍｙｃｅｓ ｃｅｒｅｖｉｓｉａｅ） ，ストレプトフェテリシウム レティカレム （Ｓｔｒｅｐｔｏｖｅｒｔｉｃｉｌｌｉｕｍ ｒｅｔｉｃｕｌｕｍ）。
【００１７】
◆培地
ポテト デキストローズ アガー（ＰＤＡ）。
◆シャーレ
丸型シャーレ
◆培養器と培養条件
温度・湿度サーモスタット付きサーキュレーター。
温度：３０℃±５℃ 変換時２４℃〜３５℃
湿度：９５℃±５％ＲＨ、変換時９０％ＲＨ以上
◆培養期間
２８日間。
なお、評価はＭＩＬ変法による下記表１に示す５段階評価を行なったものである。
【００１８】
【表１】
【００１９】
上記の評価結果は、下記表２に示すとおりである。
【００２０】
【表２】
【００２１】
表２の結果から明らかなように、本発明は、その主成分は生分解可能なセルロース繊維であり、しかもピリジン系防黴剤は従来のＪＩＳ法に比べて遙かに厳しい条件であるＭＩＬ変法に於いても多種多様の菌種に対して優れた防黴特性を有しており、長期間有効に働くものである。
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、主材料が天然繊維を主とした基紙に、ピリジン系防黴剤を添加もしくは塗布することにより、長期間にわたって優れた防黴性を発揮でき、しかも均一な水分散液となり、耐熱性等も良好で抄造上の問題もなく、少量で防黴効果の持続性も良好な壁紙用裏打ち紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】壁紙と本発明の壁紙裏打ち紙の使用状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
１１ 塩化ビニル樹脂層
１２ 裏打ち紙
１３ 接着剤層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a backing paper for wallpaper used as a wallpaper material for buildings having antifungal properties.
[0002]
[Prior art]
In recent years, houses have a highly airtight structure, and when ventilation is insufficient, moisture tends to accumulate, and the environment tends to be favorable for mold growth in a warm and humid state.
In particular, C. globosum belonging to the genus Chaetomium is a bacterium having a high cellulose decomposability, and it is known that the bacterium easily occurs on wallpaper in a house and causes internal corrosion.
[0003]
Generally, wallpaper is often used on the inner wall surface and ceiling surface as a housing interior material, and a sheet-like material having excellent design aesthetics is applied. The wallpaper usually has a configuration in which a resin layer such as a vinyl chloride resin, an acrylic resin, or a urethane resin is provided on one surface of a wallpaper backing paper, and the surface is printed. In addition, the resin layer is foamed using a foaming material to form irregularities, or easily adhered to the wall of the backing paper using a pressure-sensitive adhesive or a rewetting adhesive on the surface of the paper on which the resin layer is not provided. The thing processed so that it can be attached is used. Various proposals have been made for the wallpaper having such a laminated structure because of the required antifungal properties as described above. For example, prior patent documents are as described below.
[0004]
[Patent Document 1] JP-A-60-2798 [Patent Document 2] JP-A-60-194200 [Patent Document 3] JP-A 6-272199 [Patent Document 4] JP-A 1-272898 [Patent Document 5] JP-A-3-10833
The outline of the above patent publication will be described.
JP-A-60-2798 describes a backing paper in which a benzimidazole-based, biguanide-based, or oxyquinoline-based fungicide is added to a sizing agent and applied. Discloses a backing paper obtained by internally adding or surface-treating sodium dialkyldithiocarbamate during papermaking. JP-A-6-272199 discloses a sheet in which a hardly water-soluble or water-insoluble antibacterial metal salt (zinc oxide, silver oxide, or the like) is mixed and supported on a fibrous substance mainly composed of cellulose fiber by papermaking. The backing paper was listed.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-272898 discloses a method of providing a resin layer on the surface of a backing paper with a urethane resin film containing a thiazole-based and / or thiazoline-based antifungal agent. JP-A-3-10833 describes providing a vinyl chloride foamed resin layer containing N-fluorodichloromethyl-phthalimide as a fungicide.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, none of the antifungal agents used for paper in the above-mentioned prior art have insufficient antifungal properties, and no practically satisfactory antifungal agent has been obtained. That is, the antifungal agent applied to the conventional paper including the imidazole type is insufficient in antifungal property itself and cannot cope with various kinds of fungi, or has a low antifungal property and is used in a large amount. There is a problem in manufacturing and safety due to the necessity, and there is a problem in the durability of the antifungal effect due to the water resistance and heat resistance of the antifungal agent, the influence of the laminated resin layer and the adhesive, etc. Had.
[0007]
Means for Solving the Invention
The present inventors applied various types of antifungal agents to wallpaper backing paper, that is, the antifungal property and its persistence when applied or internally added to paper, and as a result of examining manufacturing problems in papermaking, for example, The imidazole-based antifungal agent used in the prior art described above, as used as a fungicide for food addition, has insufficient antifungal effect as wallpaper, isothiazoline-based, triazine-based, Antifungal agents such as N-haloalkylthio compounds also have weak antifungal properties, and they did not have an antifungal effect against a wide variety of fungi. Further, it was confirmed that the performance of the organocopper-based or organic iodine-based fungicide was impaired during production or over time. Accordingly, it has been found that only the pyridine-based fungicide achieves excellent fungicide resistance without any of the above-mentioned problems when applied to wallpaper.
That is, the present invention is a backing paper for wallpaper, wherein at least a pyridine-based fungicide is internally added or applied to a base paper mainly containing cellulose fibers. As the pyridine-based fungicide, 2,3,5,6-tetrachloro-4- (methylsulfonyl) pyridine is particularly preferably used.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, the base paper containing cellulose fibers as a main component is mainly composed of conventionally known cellulose fibers, and synthetic fibers, inorganic fibers, and synthetic pulp are appropriately blended as necessary, and a self-extinguishing filler, Other fillers, a dry paper strength agent, a coloring agent, a sizing agent, and a fixing agent may be appropriately added for papermaking.
The cellulose fiber is mainly made of known wood pulp, and may be used by appropriately blending fiber materials such as non-wood pulp such as hemp, crocodile, gin skin fiber of goose, cotton cylinder, bamboo, and straw. it can.
[0009]
The synthetic fiber to be added to the base paper is a fiber made of a high molecular compound, such as polyamide (nylon, etc.), polyester (Tetron, etc.), polyurethane, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, Polyacrylic, polyvinyl alcohol-based, and urea-based polymer compound fibers are listed, and these can be used alone or in combination of two or more.
[0010]
Further, fillers (inorganic materials) added to the base paper include silicon oxide, titanium oxide, zinc oxide, magnesium oxide, barium sulfate, calcium sulfate, magnesium carbonate, barium carbonate, calcium carbonate, calcium silicate, magnesium hydroxide, and phosphoric acid. It consists of magnesium, alkaline earth metal salts of magnesium hydrogen phosphate, diatomaceous earth, talc, kaolin, zeolite, acid clay, glass and the like, and these can be used alone or in combination of two or more.
[0011]
In the present invention, a backing paper for wallpaper is formed by internally adding or applying a pyridine-based fungicide.
Examples of the pyridine-based fungicide include 2,3,5,6-tetrachloro-4- (methylsulfonyl) pyridine and bis [1-hydroxy-2 (1H) pyridinethionate] zinc.
As the pyridine-based fungicide to be used, in particular, 2,3,5,6-tetrachloro-4- (methylsulfonyl) pyridine has excellent fungicidal properties against various kinds of bacteria and good dispersion in a size press coating liquid. It is preferably used because uniformity can be obtained. The amount of such a pyridine-based fungicide to be used is about 50 to 1000 ppm in the backing paper, preferably 100 to 1000 ppm, and particularly preferably 200 to 1000 ppm. When the amount is less than the above range, good fungicidal properties are not achieved, and when the amount is more than the above range, uniform dispersibility may be impaired, and production problems such as a decrease in productivity and an increase in cost may occur.
[0012]
Next, as shown in FIG. 1, the backing paper for wallpaper according to the present invention is integrated with the wallpaper. As shown in FIG. 1, a vinyl chloride resin layer 11 having, for example, a surface printing layer on one surface of the backing paper 12 of the present invention is provided. Is provided. The backing paper is formed by internally adding or applying a pyridine-based fungicide to a base paper containing cellulose fibers as a main component. FIG. 1 shows an example in which an adhesive layer 13 is provided on one side of the backing paper 12. However, in practice, an adhesive adhesive layer 13 is applied on one side of the backing paper 12, and (Not shown) may be prepared, and the release paper may be peeled off at the time of use and adhered to a predetermined place.
[0013]
【Example】
Hereinafter, embodiments will be described.
Example 1
A rosin sizing agent was added to a pulp slurry having a ratio of 2: 8 of NBKP and LBKP beaten to 40 ° SR with a freezer repeller of 0.4% by weight, and a sulfuric acid band of 1.0% was added. A wet paper made by adding a solid content by weight and being machined by a fourdrinier is dewatered by press and dried by a cylinder. Thereafter, the following coating solution was applied by a size press to obtain a backing paper for wallpaper of the present invention having a fungicide concentration of 300 ppm.
Comparative Example 1
A backing paper for wallpaper for comparison was obtained in the same manner as in Example 1 except that no fungicide was added.
[0015]
(1) Each characteristic of the paper was measured by the following JIS method.
The measured values were measured under an environment of 23 ° C. and a humidity of 50%.
Basis weight (JIS P8128), delamination strength (JAPAN TAPPI No. 19), degree of Stekigt (JIS P8122).
[0016]
(2) Antifungal property Evaluated by a modified MIL method under the following conditions.
◆ Test method MIL modified method ◆ Inoculation wet spore suspension by test method, direct inoculation. (49 bacteria selected from 57 bacteria detected at high frequency from general buildings presented at the World Microbial Disaster Prevention Society, and 4 bacteria targeted by JIS Z-2911 not included in the 57 bacteria are included. Containing the following 53 bacteria combined)
Alternaria Tenasu (Alternaria tenuis), Alternaria brush Cola (Alternaria brassicicola), Alternaria Arte lunata (Alternaria alternata), Aspergillus niger (Aspergillus niger), Aspergillus Furebasu (Aspergillus flavus), Aspergillus Ferushikoru (Aspergillus versicolor), Aspergillus oryzae (Aspergillus oryzae), Aspergillus terreus, Aspergillus fumigatus, Aureobasidium purulans eobasidium pullulans), Fusarium Moniriforume (Fusarium moniliforme), Fusarium Semitekutamu (Fusarium semitectum), Fusarium Purariferatamu (Fusarium proliferatum), Fusarium roseum (Fusarium roseum), Fusarium solani (Fusarium solani), Fusarium oxysporum (Fusarium oxysporum), Rhizopus nigricans (Rhizopus nigricans), Rhizopus storonifer, Penicillium citrinum, Penicillium ikupansa um expansum), Penicillium phenylene queue Rosa-time (Penicillium funiculosum), Penicillium Rirashinamu (Penicillium lilacinum), Penicillium nigricans (Penicillium nigricans), Penicillium Furekuentasu (Penicillium frequentance), Penicillium Shitoreobiridi (Penicillium citreoviride), Mucor Rasemasasu (Mucor racemosus), Yurochiumu Eurotium tonofilum, Trichophyton mentaphyphytes, Nigrospora oryzae ora oryzae), Cladosporium Rejine (Cladosporium resinae), Cladosporium Herubaremu (Cladosporium herbarum), Cladosporium class dos polio Lee Das (Cladosporium cladosporioides), Cladosporium Safa erotic Cum (Cladosporium sphaerospermum), Trichoderma Koningi (Trichoderma koningii ), Trichoderma viride, Phoma glomerata, Phoma terrestius, Pullularia pullulans , Gliocladium Birensu (Gliocladium virens), Geotorikamu Kandidamu (Geotricham candidum), Geotorikamu Rakutasu (Geotricham lactus), Pesutarochia Adasuta (Pestalotia adusta), Pesutarochia Negurekuta (Pestalotia neglecta), Miroteshiumu Ferukaria (Myrothecium verrucaria), monilial Furukuchigana (Monilia fructigena), ketomium globosum, epicoccum purpurascens, acremonium chartecola (Acuremonium ch) rticola), Waremia Seville (Wallemia sebi), Botrytis cinerea (Botrytis cinerea), Candida albicans (Candida albicans), Saccharomyces selector vicinal (Saccharomyces cerevisiae), Streptomyces Fe Teri nitrosium Retikaremu (Streptoverticillium reticulum).
[0017]
◆ Medium potato Dextrose agar (PDA).
◆ Petri dish round petri dish ◆ Incubator and culture conditions A circulator with temperature and humidity thermostat.
Temperature: 30 ° C ± 5 ° C 24 ° C to 35 ° C during conversion
Humidity: 95 ° C. ± 5% RH, 90% RH or more during conversion ◆ cultivation period 28 days.
The evaluation was based on a five-step evaluation shown in Table 1 below by the modified MIL method.
[0018]
[Table 1]
The above evaluation results are as shown in Table 2 below.
[0020]
[Table 2]
As is clear from the results in Table 2, the present invention is based on the fact that the main component is a biodegradable cellulose fiber, and the pyridine-based fungicide has MIL modification which is much more severe than the conventional JIS method. Even in the method, it has excellent antifungal properties against various kinds of bacteria and works effectively for a long period of time.
[0022]
【The invention's effect】
According to the present invention, by adding or applying a pyridine-based fungicide to a base paper whose main material is mainly natural fibers, excellent fungicidal properties can be exhibited over a long period, and a uniform aqueous dispersion. Thus, it is possible to provide a backing paper for wallpaper which has good heat resistance and the like, has no problems in papermaking, and has a small amount of the antifungal effect and good persistence.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a use state of a wallpaper and a paper backing paper of the present invention.
[Explanation of symbols]
11 vinyl chloride resin layer 12 backing paper 13 adhesive layer
