JP2004189359A - トラバース装置のトラバースガイドの原点出し方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータ励磁相に対するロータ位置の補正を行うことにより、トラバース動作におけるモータ駆動の効率・制御性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップ100を有することとする。
【選択図】 図2
【解決手段】トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップ100を有することとする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトラバース装置には、トラバースガイドの位置はモータのロータ一位置とを対応させるように設けられ、各錘のトラバースガイドが、それぞれトラバースモータにより駆動されるものがある。
前記トラバースモータは、トラバース制御装置より出力される位置指令に基づいてステータに配するモータコイルを順番に励磁させる(ステータ励磁相を周回させる)ことにより、前記ステータ内のロータを回転させ、モータ軸を回転させる構成とするものがある。
そして、前記モータ軸の回転により駆動されるベルト等の伝達手段にトラバースガイドが取り付けられており、該トラバースガイドの駆動が、前記位置指令によって制御されている。
このような構成のトラバース装置においては、位置指令に従って所定の巻き形状を形成すべく、トラバース動作前に、トラバース範囲において基準となる原点座標を決定する操作、即ち、原点出し操作を行い、前記原点座標を基準に、前記モータ軸の回転位置を検出することで、トラバースガイドの位置の把握や、前記位置指令信号の生成等がされている。
【0003】
そして、上記原点出し操作に関する従来技術には、巻き取り部の両側部に設けたフランジの両内側端にトラバースガイドを当接させることで、当接した際のトラバースガイドの位置をセンサー等で検出し、両フランジ間の距離を算出して特定し、原点出し操作を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
欧州特許第1048601 A1 号明細書
【0005】
具体的には、トラバースモータの駆動輪の回転位置を基にトラバースガイドの位置を検出するための位置検出手段が設けられており、前記トラバースガイドをボビンケースに沿って移動させてフランジの内面に当接させることで両フランジ間の間隔を算出し、トラバースガイドのフランジに対する相対座標を決定するとともに、該相対座標の原点を算出する構成とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のトラバースガイドの移動を制御する上では、ステータ励磁相と、ロータ(トラバースガイド)位置との間の対応関係の把握が要求される。これは、原点出し操作を終了したトラバース動作前の段階で、前記ステータ励磁相とロータ(トラバースガイド)位置との間の対応関係が特定できないと、ロータの検出位置に対して励磁すべき適切な励磁相が分からない状態でトラバース制御することになるからである。
そして、励磁指令と、ロータ位置の検出値との対応関係に「ズレ」が生じていると、ロータを回転させるために必要な出力に対して過不足が生じ、モータ駆動の効率・制御性を低下させてしまうことになる。
そこで、本発明は、ステータ励磁相に対するロータ位置の補正を行うことにより、トラバース動作におけるモータ駆動の効率・制御性を向上させる技術を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップを有することである。
【0008】
また、請求項2に記載のごとく、上記ステップは、ステータの励磁相を、電気角で順番に少なくとも一周以上周回させるように励磁することである。
【0009】
また、請求項3に記載のごとく、上記ステップは、原点を特定するためのトラバースガイドの移動に先立って実行するものであることである。
【0010】
また、請求項4に記載のごとく、トラバースガイドが移動する移動軌跡直線上の任意の位置に移動規制部材を設け、上記原点の特定は、トラバースガイドを前記規制部材に当てることにより行われるものであって、前記規制部材にトラバースガイドを当てる動作に先立って、モ一夕のステータの励磁相を、上記所定の励磁相から電気角で順番にn周周回させるように励磁した後、前記周回方向と逆方向にステータの励磁相を電気角で順番に最大n−1周周回させるように励磁し、nは2以上の自然数、逆方向の周回は1周以上の自然数とすることである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明のトラバース装置の全体構成を示す図、図2はトラバースガイドの原点出しのステップを示すフローチャート、図3はトラバースモータのロータとステータを表した模式図、図4はロータ位置補正のステップを示すフローチャート、図5は本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図、図6は本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図、図7は他の位置において、本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図、図8は同じく他の位置において、本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【0012】
まず、本発明に係るトラバース装置の構成について説明する。
図1に示すように、本発明にかかるトラバース制御装置を搭載したトラバース装置1は、紡出されたか、又は、図示しない給糸パッケージから解舒された糸条Yをボビン軸方向にトラバースしながら巻取りパッケージ3に巻き返す、巻取装置に用いられている。
巻取りパッケージ3は、ボビン31に糸条Yを巻き取ることで形成され、クレードル32により回転自在に支持されている。
尚、図1では、巻取りパッケージ3として、巻太りに伴って次第にトラバース幅(巻き幅)を狭くして形成したテーパーエンドパッケージが図示されているが、パッケージ形状は、このようなテーパーエンド形状に限定されるものではない。
巻取りパッケージ3の外周面には、巻取用モータにより回転駆動される巻取りローラ2が当接しており、該巻取りローラ2により巻取りパッケージ3を回転駆動している。
【0013】
トラバース装置1は、例えばステッピングモータに構成されるトラバースモータ11と、該トラバースモータ11により正逆回転切換可能に回転駆動される駆動プーリ12と、トラバース範囲の両側方に配置される従動プーリ13・13と、該駆動プーリ12及び従動プーリ13・13に巻回される駆動ベルト14と、該駆動ベルト14に固設され糸条Yをガイドするトラバースガイド15とを備えている。更に、トラバースガイド15の位置と、トラバースモータ11のロータ位置は互いに対応するようになっている。
また、従動プーリ13・13の近傍であって、巻取り時におけるトラバースガイド15の移動軌跡の延長線上の任意の位置には、移動規制部材X1・X2が設けられている。該移動規制部材X1・X2は、巻取り時に設定可能な最大幅のトラバース範囲よりも広い間隔、即ち、巻取開始時のトラバース範囲を最大に設定した場合におけるトラバースガイド15のおり返し点よりも外側に配されている。これにより、巻取り時には、トラバースガイド15が移動規制部材X1・X2に当接しないようにする一方、後述する原点出しモードの実行の際には、トラバースガイド15をトラバース範囲を超えて移動させて移動規制部材X1・X2に当接させるようにしている。
尚、駆動ベルト14としては、タイミングベルト等の各種ベルトや金属製ワイヤをはじめ、その他同様の機能を有する可撓性のエンドレス体を使用することができる。
トラバースガイド15は、駆動プーリ12の正逆回転に伴って、ボビン31の軸方向における一端側から他端側、又は他端側から一端側へ往復移動し、これにより、巻取りパッケージ3に巻き取られる糸条Yをトラバースするように構成している。
また、トラバース装置1はトラバース制御装置5を備えており、トラバースモータ11の駆動を制御して、トラバースガイド15の位置及び駆動速度を制御している。
このように、トラバースモータ11の正逆駆動を制御することにより、糸条Yが係合したトラバースガイド15を所定のトラバース幅で往復動させることができる。
【0014】
以上のごとく構成されるトラバース装置1は、単一の巻取りパッケージ3に対して個別にトラバースモータ11を設け、マイクロコンピュータを有するトラバース制御装置5により、トラバースガイド15の位置及び速度を制御するようにしている。
そして、トラバース制御装置5は、後述する原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51により構成されている。原点出しモードコントローラ56は、後述するトラバースモータ11のロータ位置補正及び回転検出器53の算出値補正を含む一連の原点出し動作を制御し、モーションコントローラ52は、トラバースモータ11に対する位置指令を演算し、モータドライバ51は、前記位置指令に応じた回転量となるようにトラバースモータ11を制御する。
【0015】
次に、トラバース制御装置5による、トラバースモータ11の制御について説明する。
トラバース制御装置5は、トラバースモータ11を介してトラバースガイド15の位置制御を行うものであり、上述したように、トラバースモータ11のロータ位置補正及び回転検出器53の算出値補正を行うべくモーションコントローラ52に接続される原点出しモードコントローラ56と、トラバースモータ11に所定の駆動動作を行わせるための指令信号(位置指令)を生成するモーションコントローラ52と、生成した指令信号に従ってトラバースモータ11を駆動するモータドライバ51とを備えている。
原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51の主な機能は、共通のマイクロコンピュータ(図示略)により実現されている。
このマイクロコンピュータは、トラバースガイド15の原点出し機能、モーションコントロール機能及びモータドライバ機能を実行する手段の主構成となる、単一の中央処理装置(CPU)と、トラバースガイド15の原点出し制御プログラムやトラバースの制御プログラム(モーションプログラム)等を格納するROMと、演算データ等を一時的に格納するRAMとを備えている。中央処理装置は、ROMに格納された制御プログラムを実行することにより、後述するようなトラバースガイド15の原点出しに関するトラバースモータ11の制御(トラバース制御)等を行う。尚、原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51に対してそれぞれ個別にマイクロコンピュータ(中央処理装置)を設け、各機能を別個のマイクロコンピュータにより実現するようにしてもよい。
また、トラバース制御装置5には、トラバースモータ11の回転速度を検出するとともに、トラバースガイド15の位置を検出するための位置検出手段としての回転検出器53、及び巻取りパッケージ3の回転速度を検出するためのパッケージ回転検出器54が接続されており、それぞれの検出値がトラバース制御装置5に入力されている。
【0016】
トラバース制御装置5の原点出しモードコントローラ56内にはロータ位置補正手段56aが設けられており、トラバースガイド15の原点出しモード(後述)でのロータ位置補正(後述のステップ100)を実行させる所定の位置指令をモーションコントローラ52に生成させるように指令する。
また、原点出しモードコントローラ56内にはロータ位置算出値補正手段56bが設けられており、トラバースガイド15の原点出しモード(後述)において、回転検出器53の検出パルスを演算・解析してトラバースガイド15の原点出しのためのトラバースガイド15の移動を実行させる位置指令、及び、回転検出器53の算出値補正を実行させる所定の位置指令(後述のステップ200により使用される)をモーションコントローラ52に生成させるように指令する。
【0017】
トラバース制御装置5のモーションコントローラ52内にはパッケージ径算出手段52aが設けられており、巻取中パッケージ回転検出器54の検出値に基づいて常時パッケージ径が算出される。
また、モーションコントローラ52内に設けられる指令信号生成手段52bが、予め設定された駆動パターン及び算出されたパッケージ径に基づいて、トラバースモータ11を駆動制御するための指令信号を生成する。
尚、パッケージ径算出方法としては、巻取りローラ2に対する巻取りパッケージ3の相対位置(クレードル32の角度)を検出する等、他の方法を使用することもできる。
【0018】
モータドライバ51は、複数のスイッチング素子を有する駆動回路(図示略)を含み、モーションコントローラ52により生成された位置指令に従い、トラバースモータ11に対してモータ駆動信号を出力する。
モータ駆動信号が入力されたトラバースモータ11は、位置指令の周波数に応じた速度で、位置指令に応じた角度だけ回転駆動される。即ち、モータドライバ51は、トラバースモータ11の回転位置を位置検出手段であるロータリエンコーダ等の回転検出器53により検出し、その検出された回転位置と位置指令値との偏差をマイクロコンピュータにより求めて、この偏差がゼロになるように、即ち検出位置が位置指令に追従するようにトラバースモータ11の位置制御を行う。
【0019】
以上のごとくのトラバース装置1においては、トラバースガイド15の往復運動をより精度よく制御すべく、原点出し制御を行なえるようにしている。
該原点出し制御は、図2に示すフローチャートの例に示されるごとく、トラバースモータ11のロータ位置と励磁相との対応関係を特定するためのロータ位置補正(以下、単に「ロータ位置補正」と称する)を行うステップ100と、トラバースガイド15を往復動させトラバース範囲の原点座標を算出するステップ200の一連のステップより構成される。
【0020】
以下各ステップについて説明する。
まず、トラバースモータ11のロータ位置補正を行うステップ100は、図3に示すごとく、トラバースモータ11において、例えば原点座標を算出するステップ200に先立って、ステータ21側の所定の励磁相を例えば励磁相Aとし、このA相とロータ41の端部とが対向していない状態であれば、ステップ200に先立って停止したロータ41を、A相に対向する方向を向かせた状態、つまりは所定の励磁相に該当する「規定位置」に移動・停止させることで、ロータ41位置(回転検出器53の検出位置)と「規定位置」の間の「ズレ」を補正するものである。このA相励磁の際に、ロータ位置を検出することにより、後のロータ回転中における、ロータ位置検出結果と励磁相との対応関係を制御装置5で特定することになる。従って、ロータ位置に応じてステータが常に適切に励磁されるように制御することができる。尚、ステップ200にて、最初に励磁する「規定位置」はA相の他、B相、Abar相、Bbar相としてもよい。又、図3には、二相モータの実施例を示すが、本発明は三相モータにも適用することができる。また、Abar相とは、A相コイルと逆向きに励磁される相を示し、Bbar相とは、B相コイルと逆向きに励磁される相を示すものとする。
【0021】
このステップ100の次段階のステップ200では、トラバースガイド15を移動規制部材X1又はX2に当接させ、その当接した際の回転検出器53の検出パルスを基準値として、トラバース範囲の原点座標算出(原点の特定)が行われるものである。
しかし、このステップ200の前段階において、ロータ41やトラバースガイド15の慣性等により前記「ズレ」が生じている場合には、ロータ41の位置指令に対する追従に遅れが生じ、位置指令と回転検出器53により検出される検出パルスとの間での「ズレ」が生じて、ロータ41の位置に応じた正確な制御が行えず、ひいては、制御の効率を低下させるおそれがある。
そこで、一連の原点出し制御の最初のステップ100にてロータ位置補正を行うことにより、トラバース動作のみならず、原点の特定動作におけるモータ駆動の効率・制御性の向上を図るものである。
【0022】
そして、以上のロータ位置補正は、少なくとも電気角で一周分、即ち、A相・B相・Abar相・Bbar相を励磁させ、いずれか一のA相・B相・Abar相・Bbar相の位置に移動させる(引き寄せる)ことにより行われるものである。例えば、A相・B相・Abar相・Bbar相を図3における時計方向の順に一回ずつ励磁させる、即ち、正又は逆方向に順番に一周励磁させることにより、ロータ41は、励磁相に向かう状態で停止し、いずれは前記「規定位置」(A相)に対向して停止する。図3では、A相の励磁により、A相の位置を「規定位置」として、ロータ41aの位置に移動させた状態が示されている。
【0023】
しかし、トラバースガイド15が前記移動規制部材X1又はX2の近傍に位置し、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁による移動によっては移動規制部材X1又はX2に当接し得る「特別な状況」においては、上記と同様には考えられず、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁の方法を検討する必要がある。これは、トラバースガイド15が移動規制部材X1又はX2に当接すると、駆動ベルト14を介してロータ41の回転が規制され、トラバースモータ11の脱調現象が生じ、ロータ位置補正が行えないからである。図3においては、ロータ41bの点線位置において移動規制部材X2(X1)によって、図示せぬ駆動ベルト14を介してロータ41bの時計方向(逆方向)の回転が規制されることを模式的に示している。
そこで、ステップ100においては、前記「特別な状況」においても、適切なロータ位置補正を行うべく、図4の例に示すフローチャートに従ってロータ位置補正を行うものである。
即ち、図4及び図5に示すごとく、ロータ位置補正のステップ100は、「規定位置」となるA相を励磁するステップ101と、前記「規定位置」となるA相から正方向に順番に電気角でn周励磁(nは2以上の自然数)させるステップ102(本実施例ではA相→B相→Abar相→Bbar相→A相→B相→Abar相→Bbar相の順に二周励磁させる)と、前記「規定位置」となるA相から逆方向に順番に電気角で最大n−1周励磁させるステップ103(本実施例ではA相→Bbar相→Abar相→B相→A相の順に一周励磁させる)を有するものである。
このステップ100により、トラバースガイド15と移動規制部材X1及びX2との位置関係に左右されることなく確実にロータ位置補正が実行され、トラバース動作前における励磁相とロータ位置検出結果との対応関係の特定を行うことができる。
【0024】
以下、ステップ100によりロータ位置補正を行う具体例について説明する。
図5では、トラバースガイド15が移動規制部材X1の近傍に位置する状況において、n=2とし、「規定位置」をA相の位置とした設定で、ロータ位置補正のステップ100を実行した場合の励磁段階1〜13でのトラバースガイド15の位置、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁状態、及びロータ41の位置を示している。
励磁段階1では、A相が励磁されるが、トラバースガイド15が移動規制部材X1に当接するため、ロータ41の反時計方向への回転が規制され、ロータ41が「規定位置」に移動できない状況となっている。
この状況から、励磁段階2〜励磁段階9にて、A相→B相→Abar相→Bbar相の順(正方向)で順番に二周励磁させた後、励磁段階10からは励磁の方向を逆にして、Bbar相→Abar相→B相→A相の順で一周励磁させることで、「規定位置」となる励磁段階13に至る。
このようにして、ロータ41を「規定位置」を向かせた状態で停止させることができる。
【0025】
これに対し、図6では、図5と同じ励磁段階1の状況において、異なる励磁方法によってロータ41を回転させる例を示している。つまり、上述した「n周励磁→逆方向の最大n−1周励磁(nは2以上の自然数)」に従わず、「n周励磁→逆方向のn周励磁」によってロータ位置補正を試みる場合の例を示したものである。
この例では、n=1とし、ロータ位置補正を試みるが、励磁段階9において、トラバースガイド15が再び励磁段階1と同一位置に戻された状態で終了してしまうため、ロータ位置補正ができないことを示している。
このことから解るように、上述した「n周励磁→逆方向の最大n−1周励磁(nは2以上の自然数)」による励磁方法が好適であるといえる。
【0026】
また、図7では、トラバースガイド15が移動規制部材X2の近傍に位置する状況において、n=2とし、「規定位置」をA相の位置とした設定で、ロータ位置補正のステップ100を実行した場合の励磁段階1〜13でのトラバースガイド15の位置、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁状態、及びロータ41の位置を示している。
励磁段階1では、A相が励磁されている。そして、励磁段階2から励磁段階3へ移る場合には、トラバースガイド15が移動規制部材X2に当接するため、ロータ41の時計方向への回転が規制され、ロータ41がAbar相に移動できない状況となっている。このトラバースガイド15の移動規制部材X2との当接の状態は、励磁段階5まで継続し、励磁段階6ではB相にロータ41が引き付けられてトラバースガイド15が移動規制部材X2から離れるが、励磁段階7〜励磁段階9ではAbar相の励磁により再び移動規制部材X2に当接する。このように、励磁段階1〜励磁段階9において、A相→B相→Abar相→Bbar相の順(正方向)で順番に二周励磁させた場合では、ロータ41が「規定位置」ではない位置で停止した状態となる。
そして、励磁段階10からは励磁の方向を逆にして、モータコイルBbar→Abar→B→Aの順で一周励磁させると、励磁段階12にてロータ41がモータコイルBに引き寄せられ、励磁段階13ではロータ41をA相により引き寄せて「規定位置」を向かせた状態で停止させることができる。
【0027】
これに対し、図8では、図7と同じ励磁段階1の状況において、異なる励磁方法によってロータ41を回転させる例を示している。つまり、上述した「n周励磁→逆方向のn−1周励磁(nは2以上の自然数)」に従わず、「n周励磁→逆方向のn/2周励磁(n≠2)」によってロータ位置補正を試みる場合の例を示したものである。
この例では、n=1とし、ロータ位置補正を試みるが、励磁段階3〜励磁段階7まではトラバースガイド15が移動規制部材X2に当接した状態が維持され、そのまま終了してしまうこととなり、ロータ位置補正ができないことを示している。
このことからも解るように、上述した「n周励磁→逆方向のn−1周励磁(nは2以上の自然数)」による励磁方法が好適であるといえる。
【0028】
以上の例において、例えば、n周励磁を4周とした場合、逆方向の励磁は、最大4−1=3周である。この場合、逆方向は2周、1周であってもよい。
【0029】
次に、トラバースガイド15を往復動させトラバース範囲の原点座標を算出するステップ200について説明する。このステップ200においては、トラバースガイド15をトラバース範囲の両側部にある移動規制部材X1・X2に当接させるとともに、当接した際の回転検出器53の検出値から、両移動規制部材X1・X2の間の中心位置、即ち、トラバース範囲の原点の算出を行うものである。
【0030】
そして、このステップ200は、図1及び図2に示すごとく、前記ステップ100の終了後、モータを正転駆動させるステップ201と、トラバースガイド15と一側の移動規制部材X1(X2)との当接に基づく回転検出器53のカウントのストップを判断するとともに、ストップ時の検出値E1を認識するステップ202と、ステップ202に基づきトラバースモータ11を停止させるステップ203と、トラバースガイド15を逆転駆動させるステップ204と、トラバースガイド15と他側の移動規制部材X2(X1)との当接に基づく回転検出器53のカウントのストップを判断するとともに、ストップ時の検出値E2を認識するステップ205と、ステップ205に基づきトラバースモータ11を停止させるステップ206と、前記検出値E1・E2の差より従動プーリ13・13間の距離(カウント数値E3)を演算するステップ207と、従動プーリ13・13間の距離(カウント数値E3)を二で除し、原点座標を算出するステップ208と、ステップ208で算出した原点座標にトラバースガイド15を誘導させるべくトラバースモータ11を正転させるステップ209を有するものである。
以上のステップにより、トラバース範囲の原点が算出されるとともに、トラバースガイド15がトラバース範囲の原点(中心位置)に停止し、トラバースガイド15の「原点出し」が行われる。
そして、この「原点出し」の一連のステップ200の開始前においては、前記ステップ100によりロータ位置補正が行われているので、ステップ200後のトラバース動作のみならず、原点特定のためのトラバースガイド15の移動においても効率良くトラバースモータ11を駆動することができる。
【0031】
また、ロータ位置検出結果と励磁相との対応関係の特定のためのステップ100は、上記のように、必ずしもステップ200の前に行わなくてもよい。トラバース動作に入る前ならば、ステップ200の後に行ってもよい。
例えば、ステップ200の後、電気角で少なくとも1周以上正転又は逆転させて上記対応関係を特定するためのステップ100を実行するようにしてもよい。この場合、トラバース動作の中央位置なので、途中でガイドX1、X2に衝突することなくステップ100を実行できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップを有するので、トラバースガイドのトラバース動作中において、現在のロータ位置に応じた適切な励磁が行えるので、モータ駆動効率・制御性が向上する。
【0033】
また、請求項2に記載のごとく、上記ステップは、ステータの励磁相を、電気角で順番に少なくとも一周以上周回させるように励磁するので、該周回中のいずれかでロータが励磁された励磁相に対向するようになり、最終的に所定の励磁相に対向する位置でロータを停止させることができる。
【0034】
また、請求項3に記載のごとく、上記ステップは、原点を特定するためのトラバースガイドの移動に先立って実行するものであるので、トラバース動作のみならず、原点特定のためのトラバース動作においてもモータ効率・制動性を向上させることができる。
【0035】
また、請求項4に記載のごとく、トラバースガイドが移動する移動軌跡直線上の任意の位置に移動規制部材を設け、上記原点の特定は、トラバースガイドを前記規制部材に当てることにより行われるものであって、前記規制部材にトラバースガイドを当てる動作に先立って、モ一夕のステータの励磁相を、上記所定の励磁相から電気角で順番にn周周回させるように励磁した後、前記周回方向と逆方向にステータの励磁相を電気角で順番に最大n−1周周回させるように励磁し、nは2以上の自然数、逆方向の周回は1周以上の自然数とするので、トラバースガイドと移動規制部材との位置関係に左右されることなく確実にロータ位置補正が実行され、モータ駆動の効率・制動性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラバース装置の全体構成を示す図である。
【図2】トラバースガイドの原点出しのステップを示すフローチャートである。
【図3】トラバースモータのロータとステータを表した模式図である。
【図4】ロータ位置補正のステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図である。
【図6】本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【図7】他の位置において、本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図である。
【図8】同じく他の位置において、本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【符号の説明】
100 ロータ位置補正を行うステップ
200 トラバース範囲の原点座標を算出するステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトラバース装置には、トラバースガイドの位置はモータのロータ一位置とを対応させるように設けられ、各錘のトラバースガイドが、それぞれトラバースモータにより駆動されるものがある。
前記トラバースモータは、トラバース制御装置より出力される位置指令に基づいてステータに配するモータコイルを順番に励磁させる(ステータ励磁相を周回させる)ことにより、前記ステータ内のロータを回転させ、モータ軸を回転させる構成とするものがある。
そして、前記モータ軸の回転により駆動されるベルト等の伝達手段にトラバースガイドが取り付けられており、該トラバースガイドの駆動が、前記位置指令によって制御されている。
このような構成のトラバース装置においては、位置指令に従って所定の巻き形状を形成すべく、トラバース動作前に、トラバース範囲において基準となる原点座標を決定する操作、即ち、原点出し操作を行い、前記原点座標を基準に、前記モータ軸の回転位置を検出することで、トラバースガイドの位置の把握や、前記位置指令信号の生成等がされている。
【0003】
そして、上記原点出し操作に関する従来技術には、巻き取り部の両側部に設けたフランジの両内側端にトラバースガイドを当接させることで、当接した際のトラバースガイドの位置をセンサー等で検出し、両フランジ間の距離を算出して特定し、原点出し操作を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
欧州特許第1048601 A1 号明細書
【0005】
具体的には、トラバースモータの駆動輪の回転位置を基にトラバースガイドの位置を検出するための位置検出手段が設けられており、前記トラバースガイドをボビンケースに沿って移動させてフランジの内面に当接させることで両フランジ間の間隔を算出し、トラバースガイドのフランジに対する相対座標を決定するとともに、該相対座標の原点を算出する構成とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のトラバースガイドの移動を制御する上では、ステータ励磁相と、ロータ(トラバースガイド)位置との間の対応関係の把握が要求される。これは、原点出し操作を終了したトラバース動作前の段階で、前記ステータ励磁相とロータ(トラバースガイド)位置との間の対応関係が特定できないと、ロータの検出位置に対して励磁すべき適切な励磁相が分からない状態でトラバース制御することになるからである。
そして、励磁指令と、ロータ位置の検出値との対応関係に「ズレ」が生じていると、ロータを回転させるために必要な出力に対して過不足が生じ、モータ駆動の効率・制御性を低下させてしまうことになる。
そこで、本発明は、ステータ励磁相に対するロータ位置の補正を行うことにより、トラバース動作におけるモータ駆動の効率・制御性を向上させる技術を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップを有することである。
【0008】
また、請求項2に記載のごとく、上記ステップは、ステータの励磁相を、電気角で順番に少なくとも一周以上周回させるように励磁することである。
【0009】
また、請求項3に記載のごとく、上記ステップは、原点を特定するためのトラバースガイドの移動に先立って実行するものであることである。
【0010】
また、請求項4に記載のごとく、トラバースガイドが移動する移動軌跡直線上の任意の位置に移動規制部材を設け、上記原点の特定は、トラバースガイドを前記規制部材に当てることにより行われるものであって、前記規制部材にトラバースガイドを当てる動作に先立って、モ一夕のステータの励磁相を、上記所定の励磁相から電気角で順番にn周周回させるように励磁した後、前記周回方向と逆方向にステータの励磁相を電気角で順番に最大n−1周周回させるように励磁し、nは2以上の自然数、逆方向の周回は1周以上の自然数とすることである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明のトラバース装置の全体構成を示す図、図2はトラバースガイドの原点出しのステップを示すフローチャート、図3はトラバースモータのロータとステータを表した模式図、図4はロータ位置補正のステップを示すフローチャート、図5は本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図、図6は本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図、図7は他の位置において、本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図、図8は同じく他の位置において、本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【0012】
まず、本発明に係るトラバース装置の構成について説明する。
図1に示すように、本発明にかかるトラバース制御装置を搭載したトラバース装置1は、紡出されたか、又は、図示しない給糸パッケージから解舒された糸条Yをボビン軸方向にトラバースしながら巻取りパッケージ3に巻き返す、巻取装置に用いられている。
巻取りパッケージ3は、ボビン31に糸条Yを巻き取ることで形成され、クレードル32により回転自在に支持されている。
尚、図1では、巻取りパッケージ3として、巻太りに伴って次第にトラバース幅(巻き幅)を狭くして形成したテーパーエンドパッケージが図示されているが、パッケージ形状は、このようなテーパーエンド形状に限定されるものではない。
巻取りパッケージ3の外周面には、巻取用モータにより回転駆動される巻取りローラ2が当接しており、該巻取りローラ2により巻取りパッケージ3を回転駆動している。
【0013】
トラバース装置1は、例えばステッピングモータに構成されるトラバースモータ11と、該トラバースモータ11により正逆回転切換可能に回転駆動される駆動プーリ12と、トラバース範囲の両側方に配置される従動プーリ13・13と、該駆動プーリ12及び従動プーリ13・13に巻回される駆動ベルト14と、該駆動ベルト14に固設され糸条Yをガイドするトラバースガイド15とを備えている。更に、トラバースガイド15の位置と、トラバースモータ11のロータ位置は互いに対応するようになっている。
また、従動プーリ13・13の近傍であって、巻取り時におけるトラバースガイド15の移動軌跡の延長線上の任意の位置には、移動規制部材X1・X2が設けられている。該移動規制部材X1・X2は、巻取り時に設定可能な最大幅のトラバース範囲よりも広い間隔、即ち、巻取開始時のトラバース範囲を最大に設定した場合におけるトラバースガイド15のおり返し点よりも外側に配されている。これにより、巻取り時には、トラバースガイド15が移動規制部材X1・X2に当接しないようにする一方、後述する原点出しモードの実行の際には、トラバースガイド15をトラバース範囲を超えて移動させて移動規制部材X1・X2に当接させるようにしている。
尚、駆動ベルト14としては、タイミングベルト等の各種ベルトや金属製ワイヤをはじめ、その他同様の機能を有する可撓性のエンドレス体を使用することができる。
トラバースガイド15は、駆動プーリ12の正逆回転に伴って、ボビン31の軸方向における一端側から他端側、又は他端側から一端側へ往復移動し、これにより、巻取りパッケージ3に巻き取られる糸条Yをトラバースするように構成している。
また、トラバース装置1はトラバース制御装置5を備えており、トラバースモータ11の駆動を制御して、トラバースガイド15の位置及び駆動速度を制御している。
このように、トラバースモータ11の正逆駆動を制御することにより、糸条Yが係合したトラバースガイド15を所定のトラバース幅で往復動させることができる。
【0014】
以上のごとく構成されるトラバース装置1は、単一の巻取りパッケージ3に対して個別にトラバースモータ11を設け、マイクロコンピュータを有するトラバース制御装置5により、トラバースガイド15の位置及び速度を制御するようにしている。
そして、トラバース制御装置5は、後述する原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51により構成されている。原点出しモードコントローラ56は、後述するトラバースモータ11のロータ位置補正及び回転検出器53の算出値補正を含む一連の原点出し動作を制御し、モーションコントローラ52は、トラバースモータ11に対する位置指令を演算し、モータドライバ51は、前記位置指令に応じた回転量となるようにトラバースモータ11を制御する。
【0015】
次に、トラバース制御装置5による、トラバースモータ11の制御について説明する。
トラバース制御装置5は、トラバースモータ11を介してトラバースガイド15の位置制御を行うものであり、上述したように、トラバースモータ11のロータ位置補正及び回転検出器53の算出値補正を行うべくモーションコントローラ52に接続される原点出しモードコントローラ56と、トラバースモータ11に所定の駆動動作を行わせるための指令信号(位置指令)を生成するモーションコントローラ52と、生成した指令信号に従ってトラバースモータ11を駆動するモータドライバ51とを備えている。
原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51の主な機能は、共通のマイクロコンピュータ(図示略)により実現されている。
このマイクロコンピュータは、トラバースガイド15の原点出し機能、モーションコントロール機能及びモータドライバ機能を実行する手段の主構成となる、単一の中央処理装置(CPU)と、トラバースガイド15の原点出し制御プログラムやトラバースの制御プログラム(モーションプログラム)等を格納するROMと、演算データ等を一時的に格納するRAMとを備えている。中央処理装置は、ROMに格納された制御プログラムを実行することにより、後述するようなトラバースガイド15の原点出しに関するトラバースモータ11の制御(トラバース制御)等を行う。尚、原点出しモードコントローラ56、モーションコントローラ52及びモータドライバ51に対してそれぞれ個別にマイクロコンピュータ(中央処理装置)を設け、各機能を別個のマイクロコンピュータにより実現するようにしてもよい。
また、トラバース制御装置5には、トラバースモータ11の回転速度を検出するとともに、トラバースガイド15の位置を検出するための位置検出手段としての回転検出器53、及び巻取りパッケージ3の回転速度を検出するためのパッケージ回転検出器54が接続されており、それぞれの検出値がトラバース制御装置5に入力されている。
【0016】
トラバース制御装置5の原点出しモードコントローラ56内にはロータ位置補正手段56aが設けられており、トラバースガイド15の原点出しモード(後述)でのロータ位置補正(後述のステップ100)を実行させる所定の位置指令をモーションコントローラ52に生成させるように指令する。
また、原点出しモードコントローラ56内にはロータ位置算出値補正手段56bが設けられており、トラバースガイド15の原点出しモード(後述)において、回転検出器53の検出パルスを演算・解析してトラバースガイド15の原点出しのためのトラバースガイド15の移動を実行させる位置指令、及び、回転検出器53の算出値補正を実行させる所定の位置指令(後述のステップ200により使用される)をモーションコントローラ52に生成させるように指令する。
【0017】
トラバース制御装置5のモーションコントローラ52内にはパッケージ径算出手段52aが設けられており、巻取中パッケージ回転検出器54の検出値に基づいて常時パッケージ径が算出される。
また、モーションコントローラ52内に設けられる指令信号生成手段52bが、予め設定された駆動パターン及び算出されたパッケージ径に基づいて、トラバースモータ11を駆動制御するための指令信号を生成する。
尚、パッケージ径算出方法としては、巻取りローラ2に対する巻取りパッケージ3の相対位置(クレードル32の角度)を検出する等、他の方法を使用することもできる。
【0018】
モータドライバ51は、複数のスイッチング素子を有する駆動回路(図示略)を含み、モーションコントローラ52により生成された位置指令に従い、トラバースモータ11に対してモータ駆動信号を出力する。
モータ駆動信号が入力されたトラバースモータ11は、位置指令の周波数に応じた速度で、位置指令に応じた角度だけ回転駆動される。即ち、モータドライバ51は、トラバースモータ11の回転位置を位置検出手段であるロータリエンコーダ等の回転検出器53により検出し、その検出された回転位置と位置指令値との偏差をマイクロコンピュータにより求めて、この偏差がゼロになるように、即ち検出位置が位置指令に追従するようにトラバースモータ11の位置制御を行う。
【0019】
以上のごとくのトラバース装置1においては、トラバースガイド15の往復運動をより精度よく制御すべく、原点出し制御を行なえるようにしている。
該原点出し制御は、図2に示すフローチャートの例に示されるごとく、トラバースモータ11のロータ位置と励磁相との対応関係を特定するためのロータ位置補正(以下、単に「ロータ位置補正」と称する)を行うステップ100と、トラバースガイド15を往復動させトラバース範囲の原点座標を算出するステップ200の一連のステップより構成される。
【0020】
以下各ステップについて説明する。
まず、トラバースモータ11のロータ位置補正を行うステップ100は、図3に示すごとく、トラバースモータ11において、例えば原点座標を算出するステップ200に先立って、ステータ21側の所定の励磁相を例えば励磁相Aとし、このA相とロータ41の端部とが対向していない状態であれば、ステップ200に先立って停止したロータ41を、A相に対向する方向を向かせた状態、つまりは所定の励磁相に該当する「規定位置」に移動・停止させることで、ロータ41位置(回転検出器53の検出位置)と「規定位置」の間の「ズレ」を補正するものである。このA相励磁の際に、ロータ位置を検出することにより、後のロータ回転中における、ロータ位置検出結果と励磁相との対応関係を制御装置5で特定することになる。従って、ロータ位置に応じてステータが常に適切に励磁されるように制御することができる。尚、ステップ200にて、最初に励磁する「規定位置」はA相の他、B相、Abar相、Bbar相としてもよい。又、図3には、二相モータの実施例を示すが、本発明は三相モータにも適用することができる。また、Abar相とは、A相コイルと逆向きに励磁される相を示し、Bbar相とは、B相コイルと逆向きに励磁される相を示すものとする。
【0021】
このステップ100の次段階のステップ200では、トラバースガイド15を移動規制部材X1又はX2に当接させ、その当接した際の回転検出器53の検出パルスを基準値として、トラバース範囲の原点座標算出(原点の特定)が行われるものである。
しかし、このステップ200の前段階において、ロータ41やトラバースガイド15の慣性等により前記「ズレ」が生じている場合には、ロータ41の位置指令に対する追従に遅れが生じ、位置指令と回転検出器53により検出される検出パルスとの間での「ズレ」が生じて、ロータ41の位置に応じた正確な制御が行えず、ひいては、制御の効率を低下させるおそれがある。
そこで、一連の原点出し制御の最初のステップ100にてロータ位置補正を行うことにより、トラバース動作のみならず、原点の特定動作におけるモータ駆動の効率・制御性の向上を図るものである。
【0022】
そして、以上のロータ位置補正は、少なくとも電気角で一周分、即ち、A相・B相・Abar相・Bbar相を励磁させ、いずれか一のA相・B相・Abar相・Bbar相の位置に移動させる(引き寄せる)ことにより行われるものである。例えば、A相・B相・Abar相・Bbar相を図3における時計方向の順に一回ずつ励磁させる、即ち、正又は逆方向に順番に一周励磁させることにより、ロータ41は、励磁相に向かう状態で停止し、いずれは前記「規定位置」(A相)に対向して停止する。図3では、A相の励磁により、A相の位置を「規定位置」として、ロータ41aの位置に移動させた状態が示されている。
【0023】
しかし、トラバースガイド15が前記移動規制部材X1又はX2の近傍に位置し、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁による移動によっては移動規制部材X1又はX2に当接し得る「特別な状況」においては、上記と同様には考えられず、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁の方法を検討する必要がある。これは、トラバースガイド15が移動規制部材X1又はX2に当接すると、駆動ベルト14を介してロータ41の回転が規制され、トラバースモータ11の脱調現象が生じ、ロータ位置補正が行えないからである。図3においては、ロータ41bの点線位置において移動規制部材X2(X1)によって、図示せぬ駆動ベルト14を介してロータ41bの時計方向(逆方向)の回転が規制されることを模式的に示している。
そこで、ステップ100においては、前記「特別な状況」においても、適切なロータ位置補正を行うべく、図4の例に示すフローチャートに従ってロータ位置補正を行うものである。
即ち、図4及び図5に示すごとく、ロータ位置補正のステップ100は、「規定位置」となるA相を励磁するステップ101と、前記「規定位置」となるA相から正方向に順番に電気角でn周励磁(nは2以上の自然数)させるステップ102(本実施例ではA相→B相→Abar相→Bbar相→A相→B相→Abar相→Bbar相の順に二周励磁させる)と、前記「規定位置」となるA相から逆方向に順番に電気角で最大n−1周励磁させるステップ103(本実施例ではA相→Bbar相→Abar相→B相→A相の順に一周励磁させる)を有するものである。
このステップ100により、トラバースガイド15と移動規制部材X1及びX2との位置関係に左右されることなく確実にロータ位置補正が実行され、トラバース動作前における励磁相とロータ位置検出結果との対応関係の特定を行うことができる。
【0024】
以下、ステップ100によりロータ位置補正を行う具体例について説明する。
図5では、トラバースガイド15が移動規制部材X1の近傍に位置する状況において、n=2とし、「規定位置」をA相の位置とした設定で、ロータ位置補正のステップ100を実行した場合の励磁段階1〜13でのトラバースガイド15の位置、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁状態、及びロータ41の位置を示している。
励磁段階1では、A相が励磁されるが、トラバースガイド15が移動規制部材X1に当接するため、ロータ41の反時計方向への回転が規制され、ロータ41が「規定位置」に移動できない状況となっている。
この状況から、励磁段階2〜励磁段階9にて、A相→B相→Abar相→Bbar相の順(正方向)で順番に二周励磁させた後、励磁段階10からは励磁の方向を逆にして、Bbar相→Abar相→B相→A相の順で一周励磁させることで、「規定位置」となる励磁段階13に至る。
このようにして、ロータ41を「規定位置」を向かせた状態で停止させることができる。
【0025】
これに対し、図6では、図5と同じ励磁段階1の状況において、異なる励磁方法によってロータ41を回転させる例を示している。つまり、上述した「n周励磁→逆方向の最大n−1周励磁(nは2以上の自然数)」に従わず、「n周励磁→逆方向のn周励磁」によってロータ位置補正を試みる場合の例を示したものである。
この例では、n=1とし、ロータ位置補正を試みるが、励磁段階9において、トラバースガイド15が再び励磁段階1と同一位置に戻された状態で終了してしまうため、ロータ位置補正ができないことを示している。
このことから解るように、上述した「n周励磁→逆方向の最大n−1周励磁(nは2以上の自然数)」による励磁方法が好適であるといえる。
【0026】
また、図7では、トラバースガイド15が移動規制部材X2の近傍に位置する状況において、n=2とし、「規定位置」をA相の位置とした設定で、ロータ位置補正のステップ100を実行した場合の励磁段階1〜13でのトラバースガイド15の位置、A相・B相・Abar相・Bbar相の励磁状態、及びロータ41の位置を示している。
励磁段階1では、A相が励磁されている。そして、励磁段階2から励磁段階3へ移る場合には、トラバースガイド15が移動規制部材X2に当接するため、ロータ41の時計方向への回転が規制され、ロータ41がAbar相に移動できない状況となっている。このトラバースガイド15の移動規制部材X2との当接の状態は、励磁段階5まで継続し、励磁段階6ではB相にロータ41が引き付けられてトラバースガイド15が移動規制部材X2から離れるが、励磁段階7〜励磁段階9ではAbar相の励磁により再び移動規制部材X2に当接する。このように、励磁段階1〜励磁段階9において、A相→B相→Abar相→Bbar相の順(正方向)で順番に二周励磁させた場合では、ロータ41が「規定位置」ではない位置で停止した状態となる。
そして、励磁段階10からは励磁の方向を逆にして、モータコイルBbar→Abar→B→Aの順で一周励磁させると、励磁段階12にてロータ41がモータコイルBに引き寄せられ、励磁段階13ではロータ41をA相により引き寄せて「規定位置」を向かせた状態で停止させることができる。
【0027】
これに対し、図8では、図7と同じ励磁段階1の状況において、異なる励磁方法によってロータ41を回転させる例を示している。つまり、上述した「n周励磁→逆方向のn−1周励磁(nは2以上の自然数)」に従わず、「n周励磁→逆方向のn/2周励磁(n≠2)」によってロータ位置補正を試みる場合の例を示したものである。
この例では、n=1とし、ロータ位置補正を試みるが、励磁段階3〜励磁段階7まではトラバースガイド15が移動規制部材X2に当接した状態が維持され、そのまま終了してしまうこととなり、ロータ位置補正ができないことを示している。
このことからも解るように、上述した「n周励磁→逆方向のn−1周励磁(nは2以上の自然数)」による励磁方法が好適であるといえる。
【0028】
以上の例において、例えば、n周励磁を4周とした場合、逆方向の励磁は、最大4−1=3周である。この場合、逆方向は2周、1周であってもよい。
【0029】
次に、トラバースガイド15を往復動させトラバース範囲の原点座標を算出するステップ200について説明する。このステップ200においては、トラバースガイド15をトラバース範囲の両側部にある移動規制部材X1・X2に当接させるとともに、当接した際の回転検出器53の検出値から、両移動規制部材X1・X2の間の中心位置、即ち、トラバース範囲の原点の算出を行うものである。
【0030】
そして、このステップ200は、図1及び図2に示すごとく、前記ステップ100の終了後、モータを正転駆動させるステップ201と、トラバースガイド15と一側の移動規制部材X1(X2)との当接に基づく回転検出器53のカウントのストップを判断するとともに、ストップ時の検出値E1を認識するステップ202と、ステップ202に基づきトラバースモータ11を停止させるステップ203と、トラバースガイド15を逆転駆動させるステップ204と、トラバースガイド15と他側の移動規制部材X2(X1)との当接に基づく回転検出器53のカウントのストップを判断するとともに、ストップ時の検出値E2を認識するステップ205と、ステップ205に基づきトラバースモータ11を停止させるステップ206と、前記検出値E1・E2の差より従動プーリ13・13間の距離(カウント数値E3)を演算するステップ207と、従動プーリ13・13間の距離(カウント数値E3)を二で除し、原点座標を算出するステップ208と、ステップ208で算出した原点座標にトラバースガイド15を誘導させるべくトラバースモータ11を正転させるステップ209を有するものである。
以上のステップにより、トラバース範囲の原点が算出されるとともに、トラバースガイド15がトラバース範囲の原点(中心位置)に停止し、トラバースガイド15の「原点出し」が行われる。
そして、この「原点出し」の一連のステップ200の開始前においては、前記ステップ100によりロータ位置補正が行われているので、ステップ200後のトラバース動作のみならず、原点特定のためのトラバースガイド15の移動においても効率良くトラバースモータ11を駆動することができる。
【0031】
また、ロータ位置検出結果と励磁相との対応関係の特定のためのステップ100は、上記のように、必ずしもステップ200の前に行わなくてもよい。トラバース動作に入る前ならば、ステップ200の後に行ってもよい。
例えば、ステップ200の後、電気角で少なくとも1周以上正転又は逆転させて上記対応関係を特定するためのステップ100を実行するようにしてもよい。この場合、トラバース動作の中央位置なので、途中でガイドX1、X2に衝突することなくステップ100を実行できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップを有するので、トラバースガイドのトラバース動作中において、現在のロータ位置に応じた適切な励磁が行えるので、モータ駆動効率・制御性が向上する。
【0033】
また、請求項2に記載のごとく、上記ステップは、ステータの励磁相を、電気角で順番に少なくとも一周以上周回させるように励磁するので、該周回中のいずれかでロータが励磁された励磁相に対向するようになり、最終的に所定の励磁相に対向する位置でロータを停止させることができる。
【0034】
また、請求項3に記載のごとく、上記ステップは、原点を特定するためのトラバースガイドの移動に先立って実行するものであるので、トラバース動作のみならず、原点特定のためのトラバース動作においてもモータ効率・制動性を向上させることができる。
【0035】
また、請求項4に記載のごとく、トラバースガイドが移動する移動軌跡直線上の任意の位置に移動規制部材を設け、上記原点の特定は、トラバースガイドを前記規制部材に当てることにより行われるものであって、前記規制部材にトラバースガイドを当てる動作に先立って、モ一夕のステータの励磁相を、上記所定の励磁相から電気角で順番にn周周回させるように励磁した後、前記周回方向と逆方向にステータの励磁相を電気角で順番に最大n−1周周回させるように励磁し、nは2以上の自然数、逆方向の周回は1周以上の自然数とするので、トラバースガイドと移動規制部材との位置関係に左右されることなく確実にロータ位置補正が実行され、モータ駆動の効率・制動性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラバース装置の全体構成を示す図である。
【図2】トラバースガイドの原点出しのステップを示すフローチャートである。
【図3】トラバースモータのロータとステータを表した模式図である。
【図4】ロータ位置補正のステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図である。
【図6】本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【図7】他の位置において、本発明に係る方法にて行われるロータ位置補正を段階的に示す模式図である。
【図8】同じく他の位置において、本発明に係る方法によらず、他の方法にてロータ位置補正を行った場合における模式図である。
【符号の説明】
100 ロータ位置補正を行うステップ
200 トラバース範囲の原点座標を算出するステップ
Claims (4)
- トラバースガイドの位置と、トラバースガイドを駆動するモータのロータ位置とが対応するとともに、トラバースガイドの位置を検出する位置検出手段を備え、トラバース動作前に、トラバースガイドを移動させ、前記検出手段の検出結果に基づいて原点を特定し、原点出しを行うトラバースガイドの原点出し方法において、前記トラバース動作に先立って、ステータの所定の励磁相にロータを対向させた位置で停止させ、前記所定の励磁相と位置検出手段の検出結果との関係を特定するステップを有する、ことを特徴とするトラバース装置のトラバースガイドの原点出し方法。
- 上記ステップは、ステータの励磁相を、電気角で順番に少なくとも一周以上周回させるように励磁する、ことを特徴とする請求項1に記載のトラバース装置のトラバースガイドの原点出し方法。
- 上記ステップは、原点を特定するためのトラバースガイドの移動に先立って実行するものである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトラバース装置のトラバースガイドの原点出し方法。
- トラバースガイドが移動する移動軌跡直線上の任意の位置に移動規制部材を設け、上記原点の特定は、トラバースガイドを前記規制部材に当てることにより行われるものであって、前記規制部材にトラバースガイドを当てる動作に先立って、モ一夕のステータの励磁相を、上記所定の励磁相から電気角で順番にn周周回させるように励磁した後、前記周回方向と逆方向にステータの励磁相を電気角で順番に最大n−1周周回させるように励磁し、nは2以上の自然数、逆方向の周回は1周以上の自然数とする、ことを特徴とする請求項3に記載のトラバース装置のトラバースガイドの原点出し方法。
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Cited By (1)
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EP2105398A2 (en) | 2008-03-24 | 2009-09-30 | Murata Machinery Ltd. | Yarn Winding Apparatus |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356582A patent/JP2004189359A/ja active Pending
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EP2105398A3 (en) * | 2008-03-24 | 2010-10-06 | Murata Machinery, Ltd. | Yarn Winding Apparatus |
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