JP2004189146A - Tire for heavy load - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用タイヤに関し、更に詳しくは、ビード部に改良されたビードカバーゴム層を配設することで、ビード部の耐久性を向上させた重荷重用車両に適したタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源化、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴い、重荷重用タイヤに対する市場からの要求は、新品から更生タイヤまでの使用も含めた、タイヤライフの長寿命化である。
このため、タイヤ寿命を左右するビード部耐久性の改良が益々重要になって来ている。
一般に、トラック、バス等の重荷重の車両に使用される重荷重用タイヤは、一対のビードコア間に、トロイド状をなして跨るトレッド部、ベルト部からなる本体部と、ビードコアをタイヤ内側から外側へ折り返される折り返し部を有する、スチールコードのラジアル配列プライからなるカーカスが設けられている。
【0003】
ここで、タイヤビード部の中核を担うビードコアには、種々の構造が適用されているが、特にトラック、バス用タイヤではビードコア断面の輪郭形状が断面四角形、又は断面形状が円であるビードワイヤを巻回してなる四角形や、六角形などの多角形の強固な構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種の空気入りタイヤにおけるカーカスには、複数本のスチールフィラメントを寄り合わせたストランドを、更に複数本撚り合わせたいわゆる複撚り構造や、最近では、耐疲労性、撚りロスによるコード強力低下を改良した、層撚り構造のスチールコードが適用され、ビードコアと同様にカーカスの強度も高められている。
【0004】
タイヤを負荷転動させると、カーカスプライを引き抜こうとする張力が繰り返し作用し、ビードコアとカーカスプライのプライコードとの間のゴムが流動して薄くなり強いてはプライコードとビードコアが接触し、場合によってはプライコードが破断するおそれがあるため、カーカスプライのプライコードとビードコアの間に、ビードゴム層等を配設している。
【0005】
また、プライコードとビードコアとの接触は、断面多角形の頂点部で生じやすく、これを防止するためには、ビードカバーゴムゲージを厚くすることが考えられるが、この場合、ビードコアとプライコード間のせん断剛性の低下をもたらし、その結果、プライコードの引き抜け性とプライコード端部でのセパレーションが悪化する。
そこで、ビードとプライコード間のせん断剛性の低下を補うために、高弾性率のビードカバーゴム層を適用している。ビードカバーゴム層を高弾性化し、せん断剛性を確保するために、充填剤の高充填、または熱硬化性樹脂の適用などが考えられるが、このような一般的な手法ではゴムが高ロスになり、断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部では、発熱のため、かえって耐クリープ性が悪化し、プライコードとビードコア間距離が走行により減少し、接触に到るおそれがある。
また、ビードゴム層の低ロス化と高弾性率化の両立は、ビードカバーゴムの加硫剤を増やし、加硫ゴムの網目濃度を増やすことで達成できるが、発熱性は改良されても、破壊特性は大幅に低下する。
更に、プライコーテイングゴムと隣接しているビードカバーゴム層は、スチール接着促進剤を含有していないため、プライコーテイングゴム中の接着促進剤がビードカバーゴム層側へ移行し、プライコーテイングゴム中の接着促進剤の濃度が減少し、プライコードとの接着が低下するおそれがある。プライコードが、ビードカバーゴム層に直接触れるようなことが製造過程、タイヤ使用時において起これば、同様に接着不良を生じる可能性がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−166819号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、ビードカバーゴムの高弾性率化と低ロス化の両立及びプライコードとの接着性の改良をすることで、ビード部耐久性を改良した重荷重タイヤを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究の結果、ビードカバーゴムに特定のスチールコード接着促進剤、及び特定のマレイミド化合物を配合することで、その目的に適合し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、左右のビード部に埋設される断面多角形のビードコアと、複数本のスチールコードが互いに平行に並べられてコーテイングゴムで被覆され、一方のビードコアから他方のビードコアへと延在する本体部と、その端末を一対のビードコアの周りに折り返した折り返し部をもつ少なくとも一枚のカーカスプライを備えており、かつ最外層のカーカスプライと前記ビードコアの間にビードカバーゴム層を備えたタイヤであって、前記断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部と、前記カーカスプライとの最短距離が0.3〜1.5mmであり前記ビードカバーゴムはスチルコード接着促進剤を含有し、かつ25%伸長モジュラスが2〜5MPaであり、かつ4%歪損失正接(tanδ)が0.2以下であることを特徴とする重荷重用タイヤを提供するものである。
上記重荷重用タイヤにおいて、ビードカバーゴムはマレイミド化合物をゴム成分100質量部に対して1〜20質量部含有することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のタイヤにおいて、ビードカバーゴムには、スチール接着促進剤が含有されている。通常、従来スチールコード接着性ゴム組成物において慣用されている各種接着促進剤が配合される。この接着促進剤として有機酸の金属塩、たとえばコバルト、ニッケル、鉄等が使用されるが、特に有機酸のコバルト塩が好ましく挙げられる。ここで、有機酸としては、飽和、不飽和あるいは直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、たとえばシクロヘキサン酸(シクロヘキサンカルボン酸)、脂肪酸側鎖を有するアルキルシクロペンタンなどのナフテン酸;ヘキサン酸、オクタン酸、バーサチック酸、(ネオデカン酸などの分枝状カルボン酸を含む)ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等の飽和脂肪酸;メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸;ロジン、トール油酸、アビエチン酸等の樹脂酸等があげられる。また、かかる有機酸はコバルト金属の一部をホウ素、ホウ酸あるいはアルミニウムなどを含有する化合物と置換することも出来る。
有機酸のコバルト塩の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、コバルト元素総配合量として、0.02〜0.5質量部が好ましい。この範囲にすることによって、スチールコード・ゴム間の接着にとって極めて有効である。
一方、ビードカバーゴム同様、プライコーテイングゴムにもスチールコード接着促進剤が配合されるが、ビードカバーゴム、プライコーテイングゴムそれぞれに配合される有機酸コバルトの有機酸の種類は両者で異なっても良いが、同じであることが好ましい。配合量については、両者で同じ配合量か、プライコーテイングゴムに対するの配合量が多い方が好ましい。
【0010】
重荷重用タイヤのビードコアは主に断面形状が円であるビードワイヤを巻回してなる断面多角形、特に六角形の強固な構造が一般的に採用される。断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部と、前記カーカスプライとの最短距離(以下ビード/プライ間最短距離ということがある。)を0.3〜1.5mmの間に設定することで、ビードコアとプライコードの接触を防ぐ再接近距離を確保すると同時に、ビードコアとプライコード間のせん断剛性を確保し、プライコード引き抜け性及び、及びプライ端故障耐久性が良好になる。
ビード/プライ間最短距離が0.3mmより小さいと、市場走行時に、ビードコアとプライコード間の断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部への応力集中が極めて高くなり、この部分のプライコードとビードコア間にあるゴムが破壊され、プライコードとビードコアの接触を招くおそれがある。
一方、ビード/プライ間最短距離が1.5mmより大きい領域で増加しても、プライコードとビードコアの接触防止効果の改良に比べ、むしろプライコードとビードコア間のせん断剛性が著しく低下し、プライコード引き抜け性及びプライ端故障耐久性が低下する。
【0011】
ビードカバーゴムの25%モジュラスの値を2〜5MPaの範囲に高弾性率化することで、ビードコアとプライコード間のせん断剛性を確保し、プライコード引き抜け性およびプライ端故障耐久性が改良される。
ビードカバーゴムの25%モジュラスが、2MPa未満の領域では、プライコードとビードコア間のせん断剛性が不十分であり、プライコード引き抜き性及びプライ端故障耐久性が低下する。
一方、ビードカバーゴムの25%モジュラスが5MPaを超えると耐破壊性又は、耐老化性が著しく悪化しビードカバーゴムの破壊によりビードコアとプライコード接触又は、プライコード引き抜け等の故障が発生するおそれがある。
【0012】
ビードカバーゴムの4%歪損失正接(tanδ)を0.2以下にし低ロス化することで、断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部において、耐クリープ性が向上し、プライコードとビードコア間距離の走行変化を抑制する事が出来る。
ビードカバーゴムの4%歪損失正接(tanδ)が0.2を超えると、断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部における耐クリープ性が悪化し、市場走行によって、ビードコアとプライコードが接触するおそれがある。
【0013】
前記ビードカバーゴムにおいて、高弾性率化と低ロス化の双方を効果的に達成するためには更にマレイミド化合物を配合することが好ましい。すなわち、ビードコアとプライコード間のせん断剛性が向上することにより、プライコード引き抜け性および、プライコード端故障耐久性確保と、断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部において、クリープ性向上による、プライコードとビードコア間距離の走行変化抑制が同時に達成可能になる。
マレイミド化合物として下記一般式(I)で示されるビスマレイミド化合物が好ましい。
【0014】
【化2】
【0015】
(式中,Rは炭素数が6乃至18の芳香族基、又は炭素数が7乃至24のアルキル芳香族基を表し、n及びmはそれぞれ独立に0乃至3の整数である。)
ビードカバーゴムに好適に使用できるビスマレイミドとしては、N、N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N、N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N、N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N、N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2、2−ビス[4−(4マレイミドフェニキシ)フェニル]
プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)等が例示出来るが、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドが特に好ましい。
ビードカバーゴムに配合されるマレイミド化合物の含有量は、ゴム成分100質量部当り1〜20質量部の範囲が好ましく、3〜10質量部の範囲が更に好ましい。1質量部より少ない場合ビードコアとプライコード間のせん断剛性が向上しても、プライコード引き抜け性および、プライコード端故障耐久性を改良する効果が小さい。
一方、マレイミド化合物の含有量が20質量部より多い場合、耐破壊性が著しく悪化し、ビードカバーゴム破壊により、ビードコアとプライコード接触、または、プライコード引き抜け等の故障が発生するおそれがある。
【0016】
前記ビードカバーゴム組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛化、ステアリン酸等を含有させることが出来る。ビードカバーゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって得られ、成形加工後加硫を行う。
【0017】
本発明の重荷重用タイヤは、前記ビードカバーゴム組成物を用いて、通常の方法によって製造される。すなはち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたビードカバーゴム組成物が未加硫の状態でビードコア部材の一部として成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の重荷重用タイヤは、ビード部耐久性が大幅に改良される。
【0018】
図1は、本発明の重荷重用タイヤの一例を示す部分断面図であって、該タイヤはビードワイヤーからなる六角のビードコア4の周りに巻回されたカーカスプライの本体部1A、折り返し部1Bと、そのカーカスプライはスチールプライコード2、プライコーテイングゴム3、から構成されビードコアの周りには、ビードカバーゴム5、とスティフナー6が配置されており、ビード周りを含めたビード部はリム7によって固定される。
このような構成の重荷重用タイヤにおいて断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部と、カーカスプライとの最短距離G1を確保すべくクリープ性を改良したビードカバーゴムが適用される。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお供試タイヤ及び加硫ゴムの性能は下記の方法に従って測定した。
〈加硫ゴムの性能〉
(1)25%Mod(ビードカバーゴムの25%伸長時モジュラス)
JIS K 6301に準じ、25%伸長時モジュラスを測定した。数値の大きい方が高弾性率であることを示す。
(2)ビードカバーゴムの4%歪損失正接(4%歪tanδ)値
東洋精機製作所製のスペクトロメーターを用い、幅5mmの試験片について、歪4%、周波数52Hz、温度25℃の条件で測定した。数値の小さい方が低発熱であることを示す。
〈試供タイヤの試験〉
(3)ビードコア/カーカスプライ間最短距離G1(mm)
ビードコアのタイヤ幅方向内側と、ビードコアに最も近いカーカスプライ間との最短距離を新品タイヤのビード部断面より測定した。(タイヤサイズ11R22.5 14PR)
(4)ビード耐久ドラム条件(タイヤサイズ 11R22.5 14PR)
速度(60km/hr 内圧:900kPa)および荷重(JATMA単輪最大荷重の195〜240%)でビード部プライ端故障が発生するまで走行した。
(5)走行距離指数
ビード耐久ドラムにてビード部プライ端故障に到るまでの走行距離を、実施例1に対して指数表示した値である。数値の大きいほうが、耐ビード部プライ端故障性が良好である。
(6)走行後のG1指数
ビード耐久ドラム走行後のタイヤ断面より測定した、ビードコアとプライコード間の最短距離を実施例1に対して指数表示した値である。数値の大きい方がビードカバーゴムの耐クリープ性は良好である。なお、ビードコアとプライコードが接触しているタイヤは×で示した。
(7)プライ接着性
実車評価走行後、ビード部周りのプライコードの接着性を評価した。
特に問題のないタイヤは○、接着不良の発生しているタイヤは×で示した。
実車評価走行条件:タイヤサイズが11R22.5 14PR、 MIXパターンのタイヤを内圧800kPaで15万km走行させた。
(8)クラック性
実車評価走行後タイヤに対するビードコアと、プライカーカスに挟まれた部分のビードカバーゴムのクラック発生有無の評価を行った。クラックの発生していないタイヤについては○、クラックの発生しているものについては×で示す。
【0020】
実施例1〜9及び比較例1〜9
ビードカバーゴムの配合として、ゴム成分(天然ゴム20質量部、SBR80質量部)100質量部に対し、カーボンブラック70質量部、プロセスオイル
5質量部、ステアリン酸2質量部、老化防止剤[IPPD 大内新興化学工業
(株)製、商標;ノクラック810NA)1質量部、亜鉛華2.5質量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)0.7質量部、加硫促進剤DPG(ジフェニルグアニジン)0.7質量部、加硫促進剤NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1.5質量部、硫黄2質量部、及び以下のスチール接着促進剤[ナフテン酸コバルト:コバルト分10質量%、大日本インク化学工業(株)社製]及びマレイミド化合物[N、N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド:三井化学ファイン(株)社製]については、第1表、第2表に示すようにそれぞれ変量して配合しゴム組成物を調製した。このようにして調製したゴム組成物をビードカバーゴムとして用いタイヤサイズ11R22.514PR MIXパターンのタイヤを常法により試作した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
このようにして試作された各タイヤについて、前記方法によりビード部耐久性に関する評価をした。結果を第1表及び第2表に示す。
第1表から分かるように、本発明の重荷重用タイヤは、走行距離指数、プライ接着性、クラック性等のビード部耐久性に関する性能が共に優れている。一方、第2表から分かるように、ビードカバーゴムにコバルト元素が配合されていない比較例1ではビード部周りの接着性が劣ることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
ビードカバーゴムにスチールコード接着促進剤をコバルト元素として特定量配合することで、ビード周りのプライコードの接着を改良し、加えてマレイミド化合物を特定量配合することで、接着性能を低下させることなく、高弾性率化、低ロス化の両立を実現することでクリープ性を改善したビードカバーゴムの(1)25%モジュラス、(2)4%歪損失正接(tanδ)、及び(3)断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部でのビードコアとカーカスプライとの最短距離の各々の範囲を限定することでビード部周りの耐久性を大幅に改良した、本発明の重荷重用タイヤを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における重荷重タイヤのビード部付近の部分断面図である。
【符号の説明】
G1:断面多角形ビードコアのタイヤ幅方向内側の頂点部と、カーカスプライとの最短距離
1A:カーカスプライ(本体部)
1B:カーカスプライ(折り返し部)
2 :プライコード
3 :プライコーテイングゴム
4 :ビードコア
5 :ビードカバーゴム
6 :スティフナー
7 :リム[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a heavy-duty tire, and more particularly, to a tire suitable for a heavy-duty vehicle in which a bead portion is provided with an improved bead cover rubber layer to improve the durability of the bead portion.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the social demands for resource saving and energy saving and growing interest in environmental issues, the demands from the market for heavy duty tires have been to extend the life of tires, including the use of new to retreaded tires. It is.
For this reason, it has become increasingly important to improve the durability of the bead portion which affects the tire life.
In general, heavy duty tires used for heavy load vehicles such as trucks and buses include a toroidal straddling tread portion and a main body portion including a belt portion between a pair of bead cores, and a bead core extending from the tire inner side to the outer side. A carcass comprising a radially-arranged ply of steel cord having a turn-back is provided.
[0003]
Here, various structures are applied to a bead core serving as a core of a tire bead portion. Particularly, in a truck or bus tire, a bead wire having a quadrangular cross-section or a circular cross-section of a bead core cross section is wound. A rigid polygonal structure such as a rotating quadrangle or a hexagon is employed (for example, see Patent Document 1).
In addition, the carcass of this type of pneumatic tire has a so-called multi-twist structure in which multiple strands of steel filaments are twisted together and a plurality of strands are twisted, and recently, the cord strength is reduced due to fatigue resistance and twist loss. A steel cord having a layered structure, which is an improvement of the above, is applied, and the strength of the carcass is increased as in the case of the bead core.
[0004]
When the tire is rolled, the tension between the carcass ply and the ply cord of the carcass ply repeatedly acts, and the rubber between the bead core and the ply cord of the carcass ply flows and becomes thin and strong. Since the ply cord may be broken, a bead rubber layer or the like is provided between the ply cord of the carcass ply and the bead core.
[0005]
Also, the contact between the ply cord and the bead core is likely to occur at the apex of the polygonal cross section. To prevent this, it is conceivable to increase the thickness of the bead cover rubber gauge. Of the ply cord, and as a result, the pull-out property of the ply cord and the separation at the end of the ply cord are deteriorated.
Therefore, a bead cover rubber layer having a high modulus of elasticity is applied to compensate for a decrease in shear rigidity between the bead and the ply cord. In order to increase the elasticity of the bead cover rubber layer and secure shear rigidity, it is conceivable to use a high filling of filler or use a thermosetting resin.However, such a general method results in high loss of rubber. At the apex of the cross-sectional polygonal bead core on the inner side in the tire width direction, the creep resistance is rather deteriorated due to heat generation, and the distance between the ply cord and the bead core is reduced by running, which may result in contact.
In addition, compatibility between low loss and high elastic modulus of the bead rubber layer can be achieved by increasing the vulcanizing agent of the bead cover rubber and increasing the network concentration of the vulcanized rubber. The properties are greatly reduced.
Furthermore, since the bead cover rubber layer adjacent to the ply coating rubber does not contain the steel adhesion promoter, the adhesion promoter in the ply coating rubber migrates to the bead cover rubber layer side and the ply coating rubber contains There is a possibility that the concentration of the adhesion promoter may decrease, and the adhesion to the ply cord may decrease. If the ply cord comes into direct contact with the bead cover rubber layer during the manufacturing process or when the tire is used, there is a possibility that poor adhesion may also occur.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-10-166819 (page 1)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention provides a heavy-duty tire with improved bead portion durability by achieving both high elastic modulus and low loss of the bead cover rubber and improving adhesiveness with a ply cord. It is intended to do so.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, found that by blending a specific steel cord adhesion promoter and a specific maleimide compound into a bead cover rubber, it was possible to meet the purpose. . The present invention has been completed based on such findings.
That is, the present invention provides a bead core having a polygonal cross section embedded in left and right bead portions, a plurality of steel cords arranged in parallel with each other and covered with a coating rubber, and extending from one bead core to the other bead core. A main body portion, and at least one carcass ply having a folded portion obtained by folding the terminal around a pair of bead cores, and a bead cover rubber layer between the outermost carcass ply and the bead core. The tire, wherein the apex portion of the cross-section polygonal bead core on the inner side in the tire width direction and the shortest distance between the carcass ply is 0.3 to 1.5 mm, and the bead cover rubber contains a still cord adhesion promoter. And a 25% elongation modulus of 2 to 5 MPa and a 4% strain loss tangent (tan δ) of 0.2 or less. It is intended to provide a heavy duty tire.
In the heavy duty tire, the bead cover rubber preferably contains the maleimide compound in an amount of 1 to 20 parts by mass based on 100 parts by mass of the rubber component.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the tire of the present invention, the bead cover rubber contains a steel adhesion promoter. Usually, various adhesion promoters conventionally used in steel cord adhesive rubber compositions are blended. As the adhesion promoter, a metal salt of an organic acid, for example, cobalt, nickel, iron or the like is used, and a cobalt salt of an organic acid is particularly preferable. Here, the organic acid may be saturated, unsaturated, linear, or branched. For example, naphthenic acids such as cyclohexanoic acid (cyclohexanecarboxylic acid) and alkylcyclopentane having a fatty acid side chain; hexane Acids, octanoic acid, versatic acid, saturated fatty acids such as dodecanoic acid (including branched carboxylic acids such as neodecanoic acid), tetradecanoic acid, hexadecanoic acid, octadecanoic acid; methacrylic acid, oleic acid, linoleic acid, linoleic acid, etc. Unsaturated fatty acids; and resin acids such as rosin, tall oil acid, and abietic acid. In addition, such an organic acid can replace a part of the cobalt metal with a compound containing boron, boric acid, aluminum or the like.
The compounding amount of the organic acid cobalt salt is preferably 0.02 to 0.5 part by mass as the total compounding amount of cobalt element with respect to 100 parts by mass of the rubber component. By setting this range, it is extremely effective for adhesion between the steel cord and the rubber.
On the other hand, like the bead cover rubber, the ply coating rubber is also blended with the steel cord adhesion promoter, but the bead cover rubber and the ply coating rubber may be different in the type of organic acid of the organic acid cobalt compounded in each. Are preferably the same. Regarding the compounding amount, it is preferable that the compounding amount is the same for both, or that the compounding amount with respect to the ply coating rubber is large.
[0010]
As a bead core of a heavy-duty tire, a rigid structure having a polygonal cross section, particularly a hexagon, formed by winding a bead wire having a circular cross section is generally adopted. By setting the shortest distance between the apex portion of the cross-section polygonal bead core on the inner side in the tire width direction and the carcass ply (hereinafter sometimes referred to as the shortest distance between beads / ply) between 0.3 and 1.5 mm. At the same time, a re-approaching distance for preventing the contact between the bead core and the ply cord is ensured, and at the same time, the shear rigidity between the bead core and the ply cord is ensured, and the ply cord pull-out property and the ply end failure durability are improved.
If the shortest distance between the bead and the ply is smaller than 0.3 mm, the stress concentration on the inside apex of the polygonal cross-sectional bead core between the bead core and the ply cord in the tire width direction becomes extremely high during running on the market. There is a possibility that the rubber between the ply cord and the bead core is broken, and the ply cord and the bead core come into contact with each other.
On the other hand, even when the shortest distance between the bead and the ply is increased in a region larger than 1.5 mm, the shear rigidity between the ply cord and the bead core is significantly reduced as compared with the improvement of the effect of preventing the contact between the ply cord and the bead core. Pull-out property and ply end failure durability deteriorate.
[0011]
By increasing the value of the 25% modulus of the bead cover rubber to a value within the range of 2 to 5 MPa, the shear rigidity between the bead core and the ply cord is secured, and the ply cord pull-out property and ply end failure durability are improved. You.
In a region where the 25% modulus of the bead cover rubber is less than 2 MPa, the shear stiffness between the ply cord and the bead core is insufficient, and the ply cord pull-out property and the ply end failure durability deteriorate.
On the other hand, if the 25% modulus of the bead cover rubber exceeds 5 MPa, the breakage resistance or aging resistance is remarkably deteriorated, and breakage of the bead cover rubber may cause a failure such as contact of the bead core with the ply cord or pull-out of the ply cord. There is.
[0012]
By reducing the 4% strain loss tangent (tan δ) of the bead cover rubber to 0.2 or less to reduce the loss, the creep resistance is improved at the apexes on the inner side in the tire width direction of the polygonal cross-sectional bead core, and the ply cord and the bead core It is possible to suppress a change in running distance.
If the 4% strain loss tangent (tan δ) of the bead cover rubber exceeds 0.2, the creep resistance at the apex of the cross-section polygonal bead core at the inner side in the tire width direction deteriorates, and the bead core and the ply cord come into contact with each other due to running on the market. There is a possibility that.
[0013]
In the bead cover rubber, it is preferable to further blend a maleimide compound in order to effectively achieve both high elastic modulus and low loss. That is, by improving the shear rigidity between the bead core and the ply cord, the ply cord pull-out property and the ply cord end failure durability are ensured, and the creep property is improved at the apex portion inside the tire width direction of the cross-sectional polygonal bead core. In addition, it is possible to simultaneously suppress the running change in the distance between the ply cord and the bead core.
As the maleimide compound, a bismaleimide compound represented by the following general formula (I) is preferable.
[0014]
Embedded image
[0015]
(In the formula, R represents an aromatic group having 6 to 18 carbon atoms or an alkyl aromatic group having 7 to 24 carbon atoms, and n and m each independently represent an integer of 0 to 3.)
N, N'-1,2-phenylenedimaleimide, N, N'-1,3-phenylenedimaleimide, N, N'-1,4-phenylenediimide which can be suitably used for the bead cover rubber Maleimide, N, N '-(4,4'-diphenylmethane) bismaleimide, 2,2-bis [4- (4maleimidophenoxy) phenyl]
Although propane and bis (3-ethyl-5-methyl-4-maleimidophenyl) can be exemplified, N, N ′-(4,4′-diphenylmethane) bismaleimide is particularly preferred.
The content of the maleimide compound blended in the bead cover rubber is preferably in the range of 1 to 20 parts by mass, more preferably 3 to 10 parts by mass, per 100 parts by mass of the rubber component. If the amount is less than 1 part by mass, the effect of improving the ply cord pull-out property and the ply cord end failure durability is small even if the shear rigidity between the bead core and the ply cord is improved.
On the other hand, when the content of the maleimide compound is more than 20 parts by mass, the breakage resistance is remarkably deteriorated, and the bead cover rubber is broken. .
[0016]
The bead cover rubber composition may be any of various chemicals usually used in the rubber industry, for example, a vulcanizing agent, a vulcanization accelerator, a process oil, an antioxidant, and an anti-scorch, as long as the object of the present invention is not impaired. Agent, zincation, stearic acid and the like. The bead cover rubber composition is obtained by kneading using a kneader such as a roll or an internal mixer, and vulcanization is performed after molding.
[0017]
The heavy duty tire of the present invention is manufactured by a usual method using the bead cover rubber composition. That is, if necessary, the bead cover rubber composition containing various chemicals as described above is molded as a part of the bead core member in an unvulcanized state, and a green tire is molded. The green tire is heated and pressed in a vulcanizer to obtain a tire.
The heavy load tire of the present invention obtained in this manner has a significantly improved bead portion durability.
[0018]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view showing an example of a heavy-duty tire according to the present invention. The tire includes a carcass
In the heavy duty tire having such a configuration, a bead cover rubber having improved creep properties is applied so as to secure the shortest distance G1 between the apex portion of the polygonal cross-section bead core in the tire width direction and the carcass ply.
[0019]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
The performance of the test tire and the vulcanized rubber was measured according to the following method.
<Performance of vulcanized rubber>
(1) 25% Mod (Modulus at 25% elongation of bead cover rubber)
Modulus at 25% elongation was measured according to JIS K6301. A larger value indicates a higher elastic modulus.
(2) 4% strain loss tangent (4% strain tan δ) value of bead cover rubber Measured using a spectrometer manufactured by Toyo Seiki Seisakusho, for a test piece having a width of 5 mm under the conditions of
<Test of test tires>
(3) Shortest distance between bead core and carcass ply G1 (mm)
The shortest distance between the inside of the bead core in the tire width direction and the carcass ply closest to the bead core was measured from the cross section of the bead portion of the new tire. (Tire size 11R22.5 14PR)
(4) Bead endurance drum conditions (tire size 11R22.5 14PR)
The vehicle ran at a speed (60 km / hr internal pressure: 900 kPa) and load (195 to 240% of the maximum load of a single JATMA wheel) until a bead ply end failure occurred.
(5) Traveling distance index This is a value obtained by exponentially displaying the traveling distance until a bead portion ply end failure occurs in the bead durable drum with respect to Example 1. The higher the numerical value, the better the bead portion ply end failure resistance.
(6) G1 index after running The minimum distance between the bead core and the ply cord, measured from the cross section of the tire after running the bead endurance drum, is a value indicated by an index with respect to Example 1. The larger the value, the better the creep resistance of the bead cover rubber. In addition, the tire with which the bead core and the ply cord were in contact was shown with x.
(7) Adhesion of the ply cord After the actual vehicle evaluation, the adhesion of the ply cord around the bead portion was evaluated.
Tires with no particular problems are indicated by ○, and tires with poor adhesion are indicated by ×.
Actual vehicle evaluation running conditions: A tire having a tire size of 11R22.5 14PR and a MIX pattern was run for 150,000 km at an internal pressure of 800 kPa.
(8) Crackability Evaluation of the bead core for the tire after running and evaluation of the occurrence of cracks in the bead cover rubber at the portion sandwiched between the ply carcass was performed. A tire without cracks is indicated by ○, and a tire with cracks is indicated by ×.
[0020]
Examples 1 to 9 and Comparative Examples 1 to 9
The bead cover rubber was compounded with 70 parts by mass of carbon black, 5 parts by mass of process oil, 2 parts by mass of stearic acid, 100 parts by mass of a rubber component (20 parts by mass of natural rubber, 80 parts by mass of SBR), an antioxidant [IPPD 1 part by mass, manufactured by Uchi Shinko Chemical Co., Ltd., trade name: Nocrack 810NA), 2.5 parts by mass of zinc white, 0.7 parts by mass of vulcanization accelerator DM (dibenzothiazyl disulfide), vulcanization accelerator DPG (diphenyl) Guanidine) 0.7 parts by mass, vulcanization accelerator NS (N-tert-butyl-2-benzothiazylsulfenamide) 1.5 parts by mass,
[0021]
[Table 1]
[0022]
[Table 2]
[0023]
The tires thus produced were evaluated for bead durability using the above-described method. The results are shown in Tables 1 and 2.
As can be seen from Table 1, the heavy duty tire of the present invention is excellent in all of the performances relating to bead portion durability such as mileage index, ply adhesiveness, and cracking property. On the other hand, as can be seen from Table 2, in Comparative Example 1 in which the cobalt element was not added to the bead cover rubber, the adhesiveness around the bead portion was poor.
[0024]
【The invention's effect】
By adding a specific amount of steel cord adhesion promoter to the bead cover rubber as a cobalt element, the adhesion of the ply cord around the bead is improved, and by adding a specific amount of a maleimide compound, the adhesion performance is not reduced. (1) 25% modulus, (2) 4% strain loss tangent (tan δ), and (3) multi-section of bead cover rubber improved in creep by realizing high elastic modulus and low loss Provided is a heavy duty tire according to the present invention, in which the range of the shortest distance between the bead core and the carcass ply at the apex portion on the inner side in the tire width direction of the rectangular bead core is greatly limited to improve the durability around the bead portion. I can do it.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view of the vicinity of a bead portion of a heavy-duty tire according to the present invention.
[Explanation of symbols]
G1: The shortest distance between the apex of the cross-section polygonal bead core in the tire width direction and the
1B: Carcass ply (returned part)
2: ply cord 3: ply coating rubber 4: bead core 5: bead cover rubber 6: stiffener 7: rim
Claims (6)
促進剤であり、かつコバルト元素総量として、ゴム100質量部に対して0.02〜0.5質量部含有する請求項1ないし4のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。The steel cord adhesion promoter according to any one of claims 1 to 4, which is an adhesion promoter containing cobalt, and contains 0.02 to 0.5 parts by mass of rubber as a total amount based on 100 parts by mass of rubber. The heavy duty tire as described.
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