【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類に汚染された土壌、底泥、汚泥、焼却灰、飛灰、活性炭等の固形物を浄化する技術に係る、ダイオキシン類含有固形物の処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ダイオキシン類などの有機塩素化合物は化学的に安定な難分解性物質であり、焼却炉等における特に２５０〜３５０℃の温度領域で非意図的に生成してくる。ダイオキシン類は、環境ホルモンともいわれ、動物の生体内に取込まれたとき本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性内分泌撹乱化学物質であり、生殖機能を阻害したり、悪性腫を引き起こす可能性があると指摘され、厳しい規制の対象となっている。
【０００３】
ダイオキシン類は、焼却炉での燃焼制御などにより生成させない手段を講じることが必要であるが、生成を皆無にすることが難かしいこともあり、一方で排ガス、排水、焼却灰などに含まれるダイオキシン類の分解処理が必要となる。
【０００４】
ダイオキシン類に汚染された土壌、底泥、汚泥、焼却灰、飛灰、活性炭等の固形物を浄化する方法として古くは、ダイオキシン類汚染固形物を金属酸化物、炭酸塩などを触媒として酸素欠乏状態で加熱する方法〔特許文献１参照〕、ダイオキシン類含有固形物にアルカリ金属化合物やアルカリ土類化合物を混合して加熱する方法〔特許文献２参照〕などが提案されている。
【０００５】
最近では、ダイオキシン類に対する規制が厳しくなる状況に応えて多くの提案がなされ、例えば、汚染固形物を、アルカリ水中で亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなど還元剤を加え２００〜４００℃で処理する方法〔特許文献３参照〕、汚染固形物を、アスファルト、アルカリ金属化合物及び硫黄とともに、空気の流入を実質的に遮断した条件下で加熱混練する方法。〔特許文献４参照〕などがある。
【０００６】
【特許文献１】
特公平６−３８８６３号公報
【特許文献２】
特開平５−１３７８１２号公報
【特許文献３】
特開２０００−３０１１７０号公報
【特許文献４】
特開２００２−１２６７１５号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法は、それぞれ特徴があるものの、処理温度が高い、処理に長時間を要する、反応器の材質・構造が複雑になる、などから処理能力に限界があり、さらに処理コストを勘案すると実用上は多くの問題を含んでいた。これらの問題点に鑑み、本発明の目的は、常圧でしかも比較的低い温度において、かつ簡単な設備でダイオキシン類を分解することができるダイオキシン類含有固形物の処理方法、およびその装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明の請求項１はダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、ダイオキシン類を含有する固形物を、亜硫酸ガスと接触させることからなっている。
【０００９】
請求項２は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記固形物は、土壌、底泥、汚泥、焼却灰、飛灰、活性炭のいずれか一種以上から選ばれる。
【００１０】
請求項３は請求項１または２記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記ダイオキシン類含有固形物は、２０メッシュ以下とすることからなっている。
【００１１】
請求項４は請求項１ないし３のいずれか１項記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記固形物は、水分率を２０重量％以下にしてから亜硫酸ガスと接触させることからなっている。
【００１２】
請求項５は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスは、液化二酸化硫黄を気化させて、これを亜硫酸ガス接触槽に導くことからなっている。
【００１３】
請求項６は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスは、亜硫酸アルカリ金属塩、亜硫酸水素アルカリ金属塩、亜硫酸アンモニウム塩、亜硫酸水素アンモニウム塩から選ばれる一種以上を前記ダイオキシン類含有固形物と一緒に亜硫酸ガス接触槽に入れ、前記亜硫酸塩の分解温度以上に加熱して亜硫酸ガス接触槽内で発生させることからなっている。
【００１４】
請求項７は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスは、焼却炉で発生した排ガス中の亜硫酸ガスを用いることからなっている。
【００１５】
請求項８は請求項１、５、６、７のいずれか１項記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスは、亜硫酸ガスを１〜１００容量％含むガスで用いることからなっている。
【００１６】
請求項９は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスとの接触は、２０〜２５０℃で行うことからなっている。
【００１７】
請求項１０は請求項１記載のダイオキシン類含有固形物の処理方法に係り、前記亜硫酸ガスを前記ダイオキシン類含有固形物と接触させた後の排ガスは、アルカリ性水溶液と接触させて亜硫酸塩として回収し、これを亜硫酸ガス発生に再使用することからなっている。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明は、ダイオキシン類を含有する固形物（以降「被処理固形物」と記す）を、亜硫酸ガス（二酸化硫黄）と接触させることからなっている。
【００１９】
本発明の被処理固形物は、具体的には土壌、底泥、焼却灰、飛灰、活性炭などである。本発明の処理方法は、固体と気体との接触であるので、被処理固形物は細かく粉砕する程効率がよく、その粉砕方法は限定するものではないが、単純な攪拌による粉砕から、ボールミルにより機械的な粉砕など任意に選ばれる。この際、砂利やその他異物が多いときは、篩などで除去しておくのが望ましい。実用上は２０メッシュ以下、好ましくは５０メッシュ以下にする。
【００２０】
本発明の処理を行うにあたり、被処理固形物は水を多く含まない方が好ましく、従って乾燥機の中に置く、あるいは加熱空気と接触させるなどして水分率を２０重量％以下の実質的に水分のないようにしておくのが好ましい。
【００２１】
亜硫酸ガスは、その供給源は特に限定するものではないが、例えば、液化二酸化硫黄を気化させて、これを亜硫酸ガス接触槽に導く、あるいは亜硫酸アルカリ金属塩、亜硫酸アンモニウム塩、亜硫酸水素アルカリ金属塩、亜硫酸水素アンモニウムを被処理固形物と一緒に亜硫酸ガス接触槽に入れ、亜硫酸塩の分解温度以上に加熱して亜硫酸ガス接触槽内で亜硫酸ガスを発生させることもできる。ここで、アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。分解温度は、塩により異なるが、亜硫酸アンモニウムでは６０〜７０℃〔化学便覧基礎編Ｉ−１７７頁（丸善）〕で低いが、その他は１５０℃以上であり、必然的に本発明の処理は高い温度が必要となる。また、焼却炉や化石燃料を焼却させたとき発生する排ガス中の亜硫酸ガスを利用することもでき、排ガス中の亜硫酸ガスをそのまま用いる、あるいは排ガスを冷却または圧縮し、水に吸収させて亜硫酸ガス分を濃縮分離して用いるなどの方法がある。
【００２２】
亜硫酸ガスは、１００％またはそれ近くの高い濃度で用いるのが処理効率がよいのはいうまでもないが、実用的には、空気または窒素中に亜硫酸ガスを１容量％以上任意の濃度の混合ガスとして用いて行うのが便利である。被処理固形物中のダイオキシン類は極めて微量であるので、化学量論的には亜硫酸ガスも極く微量で充分である。しかし、被処理固形物中には通常種々の成分が共存しており、これらが亜硫酸ガスを消費することがあるので、亜硫酸ガス濃度を高くすることが望まれる。さらに、処理中に亜硫酸ガスを追加するのがよい。
【００２３】
本発明の処理は、被処理固形物を処理容器に入れ、亜硫酸ガスまたは亜硫酸ガスと空気の混合ガスを充満させ、あるいは被処理固形物に加熱したとき亜硫酸ガスを発生する化合物を混合して処理容器に入れ、密閉して、攪拌を行って被処理固形物と亜硫酸ガスを接触させる。処理温度は、２０℃以上の温度であれば実施できるが、ダイオキシン類の分解速度に関連する処理能力、装置、経済性などを考慮すれば実用的には４０〜２５０℃、さらに好ましくは６０〜２００℃である。加熱方法は、オイルヒーター、熱風による加熱など任意に決められる。
【００２４】
処理時間は、被処理固形物中のダイオキシン類の量、亜硫酸ガス濃度、温度、被処理固形物の形態、処理容器の形態などにより異るので一律に決められないが、１〜２４時間で終了するように条件を設定するのがよい。処理の終了は、固形物に含まれるダイオキシン類の量を別途分析して目的の値以下になっているかで決められるが、予め小規模予備試験を行い、目標のダイオキシン類含有量に到達するまでの所要時間を求めておき、これに安全率を考慮して決めるのが普通である。
【００２５】
本発明の処理は、固体とガスの接触であり、被処理固形物を攪拌するか、被処理固形物を吹き上げるように下からガスを流す、あるいは両者を組合せて行うのがよい。処理容器の形態は任意に選ばれるが、前者の場合は、内部に邪魔板を備えた円筒形状容器に被処理固形物を供給し、亜硫酸ガス雰囲気にして密閉してこれを横にして、あるいは片方を少し高くして略横にして設置し、円筒形状容器を回転させることにより被処理固形物と亜硫酸ガスの接触を行う方法がある。後者の場合は、図１に示すように、略円錐形状の槽に被処理固形物を供給し、亜硫酸ガス雰囲気にして密閉し、周囲から加熱するとともに、系内の亜硫酸ガスを含むガスを循環ポンプで循環させ、被処理固形物を下部から吹き上げるようにする方法がある。亜硫酸ガスは腐食性であるので、いずれの装置においても、装置の少なくとも亜硫酸ガスと接する部分は、ガラスライニングなど耐食性材料を用いるのがよい。
【００２６】
処理後の取り扱い方法は、本発明で限定するものではないが、処理槽中に残った亜硫酸ガスを含んだガスは、アルカリ性水溶液を吸収液としたスクラバーで亜硫酸ガス成分を吸収させ、さらに残留する可能性のあるダイオキシン類を活性炭層に吸着させた後に外部へ放出させる。処理後の固形物は、アルカリ性水溶液を噴霧して中和すると同時に、飛散を抑えて取出すのが好ましい。アルカリ性水溶液は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの水溶液、あるいは分散液が使用できる。亜硫酸ガス（二酸化硫黄）や三酸化硫黄を亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウムとして固定化されるので、これらは本発明の方法に循環使用できる。
【００２７】
【実施例】
〔実施例１〕
ダイオキシン類９１０ｐｇ−ＴＥＱ（ピコグラム−毒性当量）／ｇを含む土壌１０ｇを１０５℃の乾燥機で乾燥し、容量約５００ｍＬのガラス壜に入れ、亜硫酸ガス約５０％を含む空気で充満して、アルミ箔を被せたシリコーンゴムの栓をした。このガラス壜を、１５０℃に加熱した実験室用乾燥機内に１５時間保った。このとき、栓に被せたアルミ箔は、部分的に折り目ができ、ガラス壜との間に隙間を作り、壜内部の圧は常圧に保ち、かつ外部空気の侵入を抑えた。処理後、土壌中のダイオキシン類の残存量を測定した。また、比較として、亜硫酸ガスを用いず、空気のみで同様処理した場合の残存ダイオキシン類の量を測定した。結果を表１に示した。
【００２８】
【表１】
この結果から、空気のみでもダイオキシンは少なくなるが、、亜硫酸ガスを入れることで大幅に減少していることが観測された。
【００２９】
〔実施例２〕
ダイオキシン類を含む底泥１０ｇを、１０５℃で１時間乾燥した後、粉砕して実施例１と同様にして試験を行った。１５０℃で５時間、１２時間後のダイオキシン残量を測定し、結果を表２に示した。
【００３０】
【表２】
【００３１】
また、上記処理の５時間後、１２時間後のそれぞれについて、試料（底泥）中に残るダイオキシン類について、同族体の分布を測定した。結果を図２に示す。
【００３２】
〔実施例３〕
ダイオキシン類１０００ｐｇ−ＴＥＱ（ピコグラム−毒性当量）を含む土壌（含水率４０％）２０ｋｇを、１０５℃にて外部空気を５０Ｌ／分で２時間吹き込み含水率を１０％以下とした。この乾燥土壌を図１に示す構造の装置で亜硫酸ガスと接触させた。
処理は、乾燥土壌を貯留槽から１５０℃に加熱した反応槽に移し、先ず真空ポンプで０．０５ＭＰａになる迄空気を除き、その後亜硫酸ガスを吹き込んで系内を亜硫酸ガス濃度約５０容量％の空気０．１ＭＰａとし、このまま１２時間維持した。処理中、循環ポンプにて系内の亜硫酸ガスを含む空気を被処理土壌を下部から吹き上げるように循環させ、土壌と亜硫酸ガスの接触を促進させた。処理後の土壌は、水酸化カルシウム水溶液にて洗って、亜硫酸成分を除いた。
【００３３】
【表３】
この結果から、亜硫酸ガス雰囲気下での加熱により、ダイオキシン類は大幅に減少するのが観測できた。
【００３４】
【発明の効果】
本発明の処理方法により、ダイオキシン類汚染固形物を、簡単な設備を用いて常圧、比較的低い温度で処理して、ダイオキシン類を分解することができる。ダイオキシン類汚染に係る環境浄化方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を実施する例であり、亜硫酸ガスを含むガスを循環ポンプで循環させ、被処理固形物を下部から吹き上げるようにした装置の概念図である。
【図２】実施例２における１５０℃で実施した場合について、５時間後、１２時間後のダイオキシン同族体の分布を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for treating dioxin-containing solids, which relates to a technique for purifying solids such as soil, sediment, sludge, incineration ash, fly ash, and activated carbon contaminated with dioxins.
[0002]
[Prior art]
Organic chlorine compounds such as dioxins are chemically stable and hardly decomposable substances, and are generated unintentionally in an incinerator or the like, particularly in a temperature range of 250 to 350 ° C. Dioxins, also called environmental hormones, are extrinsic endocrine disrupting chemicals that, when introduced into the body of an animal, affect the normal hormonal action that is normally performed in the body, and inhibit reproductive function. And may cause malignant tumors and are subject to strict regulations.
[0003]
It is necessary to take measures to prevent the generation of dioxins by controlling combustion in incinerators, etc., but it may be difficult to eliminate them at all.On the other hand, dioxins contained in exhaust gas, wastewater, incineration ash, etc. Classification processing is required.
[0004]
As a method for purifying solids such as soil, sediment, sludge, incineration ash, fly ash, and activated carbon contaminated with dioxins, dioxin-contaminated solids have been deficient in oxygen using metal oxides and carbonates as catalysts. A method of heating in a state (see Patent Document 1), a method of mixing a dioxin-containing solid with an alkali metal compound or an alkaline earth compound and heating (see Patent Document 2), and the like have been proposed.
[0005]
Recently, many proposals have been made in response to the stricter regulations on dioxins. For example, a method of treating contaminated solids at 200 to 400 ° C. by adding a reducing agent such as sodium sulfite or hydrosulfite in alkaline water [ Patent Document 3], a method in which a contaminated solid is heated and kneaded together with asphalt, an alkali metal compound and sulfur under conditions in which air inflow is substantially blocked. [See Patent Document 4].
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 6-38863 [Patent Document 2]
JP-A-5-137812 [Patent Document 3]
JP 2000-301170 A [Patent Document 4]
JP-A-2002-126715
[Problems to be solved by the invention]
Although each of these methods has its own characteristics, the processing capacity is limited due to the high processing temperature, long processing time, and complicated material and structure of the reactor. The above involved many issues. In view of these problems, an object of the present invention is to provide a method for treating dioxin-containing solids, which can decompose dioxins at ordinary pressure and at a relatively low temperature with simple equipment, and an apparatus therefor. Is to do.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, claim 1 of the present invention relates to a method for treating a dioxin-containing solid, comprising contacting a dioxin-containing solid with sulfur dioxide.
[0009]
Claim 2 relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to claim 1, wherein the solid is selected from one or more of soil, bottom mud, sludge, incinerated ash, fly ash, and activated carbon.
[0010]
Claim 3 relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to claim 1 or 2, wherein the dioxin-containing solid is 20 mesh or less.
[0011]
A fourth aspect of the present invention relates to the method for treating a solid containing dioxins according to any one of the first to third aspects, wherein the solid is brought into contact with sulfur dioxide gas after reducing the moisture content to 20% by weight or less. ing.
[0012]
A fifth aspect of the present invention relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to the first aspect, wherein the sulfurous acid gas vaporizes liquefied sulfur dioxide and guides it to a sulfurous acid gas contact tank.
[0013]
Claim 6 relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to claim 1, wherein the sulfurous acid gas is at least one selected from alkali metal sulfites, alkali metal bisulfites, ammonium sulfites, and ammonium bisulfites. The dioxin-containing solid is put into a sulfur dioxide gas contact tank together with the dioxin-containing solid, and heated to a temperature equal to or higher than the decomposition temperature of the sulfite to be generated in the sulfur dioxide gas contact tank.
[0014]
A seventh aspect of the present invention relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to the first aspect, wherein the sulfurous acid gas uses sulfurous acid gas in exhaust gas generated in an incinerator.
[0015]
Claim 8 relates to the method for treating a dioxin-containing solid according to any one of claims 1, 5, 6, and 7, wherein the sulfurous acid gas is a gas containing 1 to 100% by volume of sulfurous acid gas. Has become.
[0016]
A ninth aspect of the present invention relates to the method for treating a solid containing dioxins according to the first aspect, wherein the contact with the sulfurous acid gas is performed at 20 to 250 ° C.
[0017]
Claim 10 relates to the method for treating dioxins-containing solids according to claim 1, wherein the exhaust gas after contacting the sulfurous acid gas with the dioxins-containing solids is contacted with an alkaline aqueous solution and recovered as sulfite. This is to be reused for the generation of sulfur dioxide gas.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention comprises contacting a solid containing dioxins (hereinafter referred to as a “solid to be treated”) with sulfur dioxide gas (sulfur dioxide).
[0019]
The solid to be treated of the present invention is specifically soil, bottom mud, incinerated ash, fly ash, activated carbon and the like. Since the treatment method of the present invention is a contact between a solid and a gas, the solid to be treated is more efficient as it is finely pulverized, and the pulverization method is not limited. It is arbitrarily selected such as mechanical pulverization. At this time, when a large amount of gravel or other foreign matter is present, it is desirable to remove it with a sieve or the like. In practice, the mesh size is 20 mesh or less, preferably 50 mesh or less.
[0020]
In carrying out the treatment of the present invention, it is preferable that the solid to be treated does not contain much water. Therefore, the solid matter to be treated is substantially placed in a dryer or brought into contact with heated air to have a water content of 20% by weight or less. It is preferable to keep it free of moisture.
[0021]
The source of the sulfur dioxide gas is not particularly limited.For example, the liquefied sulfur dioxide is vaporized and led to a sulfur dioxide gas contact tank, or an alkali metal sulfite, an ammonium sulfite, an alkali metal hydrogen sulfite, or the like. Alternatively, ammonium bisulfite may be put into a sulfurous acid gas contact tank together with the solid to be treated, and heated to a temperature equal to or higher than the decomposition temperature of sulfite to generate sulfurous acid gas in the sulfurous acid gas contact tank. Here, sodium and potassium are preferable as the alkali metal. The decomposition temperature varies depending on the salt. For ammonium sulfite, the temperature is low at 60 to 70 ° C. [Basic Chemical Handbook, p. Temperature is required. It is also possible to use the sulfur dioxide in the exhaust gas generated when incinerators and fossil fuels are incinerated.Sulfur dioxide gas in the exhaust gas can be used as it is, or the exhaust gas can be cooled or compressed and absorbed in water to absorb the sulfur dioxide gas. For example, there is a method such as concentration separation and use.
[0022]
It is needless to say that the sulfur dioxide gas is used at a high concentration of 100% or close to the treatment efficiency, but practically, the sulfur dioxide gas is mixed with air or nitrogen at an arbitrary concentration of 1% by volume or more in air or nitrogen. It is convenient to use it as a gas. Since the amount of dioxins in the solid to be treated is extremely small, a very small amount of sulfur dioxide is sufficient stoichiometrically. However, various components usually coexist in the solid to be treated, and these components may consume sulfurous acid gas. Therefore, it is desired to increase the concentration of sulfurous acid gas. Further, sulfur dioxide gas may be added during the treatment.
[0023]
In the treatment of the present invention, the solid to be treated is placed in a treatment vessel and filled with a sulfurous acid gas or a mixed gas of sulfurous acid gas and air, or a compound that generates a sulfurous acid gas when heated to a solid to be treated is mixed and treated. It is put in a container, sealed, and stirred to bring the solid to be treated into contact with sulfur dioxide. The treatment can be carried out at a temperature of 20 ° C. or higher, but practically 40 to 250 ° C., and more preferably 60 to 250 ° C. in consideration of the processing capacity, apparatus, economy and the like related to the decomposition rate of dioxins. 200 ° C. The heating method is arbitrarily determined, such as heating with an oil heater or hot air.
[0024]
The treatment time varies depending on the amount of dioxins in the solid to be treated, the concentration of sulfurous acid gas, the temperature, the form of the solid to be treated, the form of the treatment container, etc. It is better to set conditions so that The end of the treatment is determined by separately analyzing the amount of dioxins contained in the solid matter to determine whether it is below the target value.However, a small-scale preliminary test is performed in advance, and until the target dioxin content is reached. It is common practice to determine the required time, and to determine this in consideration of the safety factor.
[0025]
The treatment of the present invention is a contact between a solid and a gas, and is preferably performed by stirring the solid to be treated, flowing a gas from below so as to blow up the solid to be treated, or a combination of both. Although the form of the processing container is arbitrarily selected, in the case of the former, the solid to be processed is supplied to a cylindrical container provided with a baffle plate inside, and sealed with a sulfurous acid gas atmosphere, and this is placed sideways, or There is a method in which one side is set slightly higher and installed substantially horizontally, and the solid to be treated is brought into contact with the sulfurous acid gas by rotating the cylindrical container. In the latter case, as shown in FIG. 1, the solid to be treated is supplied to a substantially conical tank, the atmosphere is sealed with a sulfurous acid gas atmosphere, heated from the surroundings, and the gas containing sulfurous acid gas in the system is circulated. There is a method of circulating with a pump to blow up solids to be processed from below. Since sulfurous acid gas is corrosive, in any of the apparatuses, it is preferable to use a corrosion-resistant material such as a glass lining for at least a portion of the apparatus in contact with the sulfurous acid gas.
[0026]
The handling method after the treatment is not limited in the present invention, but the gas containing the sulfur dioxide gas remaining in the treatment tank absorbs the sulfur dioxide gas component with a scrubber using an alkaline aqueous solution as an absorbing solution, and further remains. Possible dioxins are released to the outside after being adsorbed on the activated carbon layer. It is preferable that the solid after the treatment is neutralized by spraying an alkaline aqueous solution and is taken out while suppressing scattering. As the alkaline aqueous solution, an aqueous solution such as calcium hydroxide or calcium carbonate, or a dispersion liquid can be used. Since sulfurous acid gas (sulfur dioxide) and sulfur trioxide are immobilized as calcium sulfite and calcium sulfate, these can be circulated and used in the method of the present invention.
[0027]
【Example】
[Example 1]
10 g of soil containing 910 pg-TEQ (picogram-toxic equivalent) / g of dioxins was dried in a dryer at 105 ° C., placed in a glass bottle having a capacity of about 500 mL, and filled with air containing about 50% of sulfur dioxide gas to obtain aluminum. The foil was covered with a silicone rubber stopper. The glass bottle was kept in a laboratory dryer heated to 150 ° C. for 15 hours. At this time, the aluminum foil covered with the stopper was partially creased, and a gap was formed between the aluminum bottle and the glass bottle, the pressure inside the bottle was kept at normal pressure, and the intrusion of external air was suppressed. After the treatment, the residual amount of dioxins in the soil was measured. Further, as a comparison, the amount of residual dioxins when the same treatment was performed only with air without using sulfurous acid gas was measured. The results are shown in Table 1.
[0028]
[Table 1]
[0029]
[Example 2]
10 g of bottom mud containing dioxins was dried at 105 ° C. for 1 hour, pulverized, and tested in the same manner as in Example 1. The dioxin remaining amount after 5 hours and 12 hours at 150 ° C. was measured, and the results are shown in Table 2.
[0030]
[Table 2]
The distribution of homologs of dioxins remaining in the sample (sediment) was measured 5 hours and 12 hours after the above treatment. FIG. 2 shows the results.
[0032]
[Example 3]
20 kg of soil (water content: 40%) containing 1000 pg-TEQ (picogram-toxic equivalent) of dioxins was blown at 105 ° C. with external air at 50 L / min for 2 hours to reduce the water content to 10% or less. This dried soil was brought into contact with sulfur dioxide using an apparatus having the structure shown in FIG.
In the treatment, the dried soil was transferred from the storage tank to a reaction tank heated to 150 ° C., and firstly air was removed by a vacuum pump until the pressure became 0.05 MPa. Then, sulfurous acid gas was blown into the system so that the sulfurous acid gas concentration was about 50% by volume. The air was adjusted to 0.1 MPa and maintained for 12 hours. During the treatment, air containing sulfur dioxide gas in the system was circulated by a circulation pump so as to blow up the soil to be treated from below, thereby promoting the contact between the soil and the sulfur dioxide gas. The soil after the treatment was washed with an aqueous solution of calcium hydroxide to remove the sulfite component.
[0033]
[Table 3]
[0034]
【The invention's effect】
According to the treatment method of the present invention, dioxin-contaminated solids can be treated at normal pressure and relatively low temperature using simple equipment to decompose dioxins. It is useful as an environmental purification method for dioxin pollution.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 is an example of an embodiment of the present invention, and is a conceptual diagram of an apparatus in which a gas containing sulfurous acid gas is circulated by a circulation pump, and solids to be treated are blown up from below.
FIG. 2 is a graph showing the distribution of dioxin homologs after 5 hours and 12 hours in the case of Example 2 at 150 ° C.
