JP2004187145A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】表示手段の表示状態が変更されるときの視覚上の違和感を軽減する。
【解決手段】デジタルカメラは、被写体の輝度が極端に低下した場合に、画素加算を行って画像信号の各信号値を高めることができるが、画素加算により画像信号中の色情報が失われるため表示装置の表示状態がモノクロ表示状態となる。表示装置の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変化すると視覚上の違和感があるため、モノクロ表示状態とすべき第1基準値より高い第2基準値まで被写体の輝度BVが低下した際に、まず、表示状態を低彩度の低彩度カラー表示状態とする(ステップS14)。そして、被写体の輝度BVが第1基準値までさらに低下した際に、表示状態をモノクロ表示状態とする(ステップS15)。これにより、表示状態が段階的に変化されるため、視覚上の違和感を軽減することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】デジタルカメラは、被写体の輝度が極端に低下した場合に、画素加算を行って画像信号の各信号値を高めることができるが、画素加算により画像信号中の色情報が失われるため表示装置の表示状態がモノクロ表示状態となる。表示装置の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変化すると視覚上の違和感があるため、モノクロ表示状態とすべき第1基準値より高い第2基準値まで被写体の輝度BVが低下した際に、まず、表示状態を低彩度の低彩度カラー表示状態とする(ステップS14)。そして、被写体の輝度BVが第1基準値までさらに低下した際に、表示状態をモノクロ表示状態とする(ステップS15)。これにより、表示状態が段階的に変化されるため、視覚上の違和感を軽減することができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示用画像を表示する表示手段を有するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラにおいては、撮影待機状態においてライブビュー表示を行うために、液晶ディスプレイ(LCD)や電子ビューファインダ(EVF)などの表示装置が採用されている。ライブビュー表示を行う際には、CCDなどの撮像素子において露光が行われ、撮像素子から出力される画像信号から表示用画像が生成され、この表示用画像を表示装置が表示するという動作が所定時間ごとに繰り返される。ユーザは、このようなライブビュー表示を視認することにより、撮像する構図を所望のものに決定することができる。
【0003】
また一般に、デジタルカメラにおいては、被写体の輝度が比較的低く、撮像素子から出力される画像信号の十分な信号値(画素値)が得られない場合は、その信号値を増幅するようにしている。しかしながら、信号値を増幅した場合には画像信号中のノイズも増幅されることから、信号値を過度に増幅すると、ノイズによりライブビュー表示の視認性が悪化する可能性がある。
【0004】
従来、この問題を解消するため、ライブビュー表示中において被写体の輝度がある閾値より低くなったとき、撮像素子中の隣接する複数の画素の電荷を加算する画素加算を行うデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このデジタルカメラでは、電荷の加算により画像信号の信号値を高めることができるため、信号値を大きく増幅する必要が無くなり、ライブビュー表示におけるノイズが低減されるようになっている。
【0005】
その他、この出願に関連する先行技術文献情報として特許文献2がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−285684号公報
【特許文献2】
特開2000−152163号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像素子の各画素は一の色成分のみの値を取得するため、上記のように隣接する複数の画素の電荷を加算する画素加算を行うと、画像信号における色情報は失われてしまう。したがって、画素加算を行った場合は、ライブビュー表示中においてカラーの表示用画像を表示することができず、モノクロの表示用画像が表示されることとなる。
【0008】
このことから、従来のデジタルカメラのように、被写体の輝度に応じて画素加算を行う動作に切り替えると、表示装置の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変化するため、ユーザに対して視覚上の違和感を与えることとなる。その結果、構図の失敗やシャッターチャンスを逃すなどの問題が生じる可能性があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表示手段の表示状態が変更されるときの視覚上の違和感を軽減することができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、被写体に係る画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号を処理して得られる表示用画像を表示する表示手段とを有するデジタルカメラであって、前記被写体の状態を検出する検出手段と、前記被写体の状態の変化に基づいて、表示される表示用画像の特性が相違する第1状態と第2状態との間で、前記表示手段の表示状態を変更可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態を前記第1状態から前記第2状態に変更すべく前記被写体の状態が変化したとき、前記表示手段の表示状態を前記第2状態に変更する前に、前記第1状態で表示される表示用画像の特性と前記第2状態で表示される表示用画像の特性との間の特性を有する表示用画像を表示する第3状態に変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、前記検出手段により検出される前記被写体の状態は、前記被写体の輝度であり、前記第1状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態であり、前記第2状態は、モノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態であり、前記第3状態は、前記カラー表示状態において表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第1閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記モノクロ表示状態に変更し、前記表示手段の表示状態が前記モノクロ表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第2閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更するものであり、前記第1閾値は、前記第2閾値より小であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態が前記カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第3閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更し、前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第4閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記カラー表示状態に変更するものであり、前記第3閾値は、前記第4閾値より小であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更したとき、前記被写体の輝度にかかわらず、前記表示状態を前記低彩度カラー表示状態に所定時間以上維持することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.デジタルカメラの構成>
図1および図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図であり、図1は正面図、図2は背面図に相当する。
【0017】
デジタルカメラ1の正面側には、被写体の光像を結像するためのレンズ群を備えた撮影レンズ2、および、デジタルカメラ1をユーザが保持するためのグリップ部9が設けられる。このグリップ部9の上部には、撮像に係る動作の開始指示をユーザから受け付けるためのシャッタボタン11が設けられる。
【0018】
シャッタボタン11の上方には、電源のオン/オフを切り替えるとともに、「撮影モード」と「再生モード」との間で動作モードを切り替えるダイヤル式のメインスイッチ14が設けられる。撮影モードは被写体を撮影して記録用画像を生成し記録媒体に記録する動作モードであり、再生モードは記録された画像を再生表示する動作モードである。
【0019】
グリップ部9の逆側の側面上方には、「画像サイズ」、「露出モード」および「ドライブモード」等の項目を設定するためのファンクションダイヤル12が設けられている。ファンクションダイヤル12によって所望の項目にセットした後、グリップ部9上部の選択ダイヤル13を回転させることにより、セットされた項目の設定内容を順次変更することができる。
【0020】
デジタルカメラ1の背面側には、ライブビュー表示、記録された画像の再生表示および設定メニューの表示等を行うためのカラーの表示装置である電子ビューファインダ(以下、「EVF」という。)21および液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)22が設けられている。EVF21とLCD22とには同一内容の表示用画像が表示されるが、省電力化を図るため、表示用画像はEVF21とLCD22との双方同時には表示されず、いずれか一方のみに表示されるようになっている。いずれの表示装置に表示用画像を表示するかは、EVF21の右方に設けられるディスプレイ切り替えレバー19により指定される。
【0021】
LCD22の右方にはメニューボタン18および十字キー17が設けられる。十字キー17は上スイッチ17U、下スイッチ17D、左スイッチ17Lおよび右スイッチ17Rからなる4連スイッチ、ならびに、その中央の決定ボタン17Cから構成される。メニューボタン18を押下すると表示装置に設定メニューが表示され、設定メニューを参照しつつ十字キー17を操作することによって、デジタルカメラ1の各種の設定を行うことができる。
【0022】
また、デジタルカメラ1の内部にはカードスロット29が設けられ、デジタルカメラ1の側面から記録媒体であるメモリカード91を挿入して装着できる。撮影モードにおいて生成される記録用画像は、このメモリカード91に記録される。
【0023】
<1−2.デジタルカメラの内部構成>
デジタルカメラ1の各種の動作制御は、内部に設けられる全体制御部によって実現される。図3は、全体制御部4を含む、デジタルカメラ1の主たる内部構成を機能ブロックを用いて示す図である。
【0024】
CCD31は、被写体に係る画像信号を出力する撮像素子であり、撮影レンズ2により結像された被写体の光像を光電変換して電荷を蓄積する受光部、蓄積された電荷を転送する垂直転送部および水平転送部、ならびに、電荷を信号(電圧)に変換して出力する出力部等から構成される。
【0025】
受光部は、露光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積する複数の画素から構成される。各画素にはそれぞれ、R(赤)G(緑)B(青)のいずれかのカラーフィルタが貼付されており、各画素はRGBのうちの一の色成分のみに係る電荷を蓄積する。図4は、CCD31の受光部の画素配列の一例を示す図である。図4に示すように受光部の画素配列は、水平(横)2560×垂直(縦)1920画素の二次元配列となっている。各画素に貼付されたカラーフィルタ(色成分)の配列はベイヤー配列となっており、近傍4画素領域31aには、Gフィルタの画素が2つ、Rフィルタの画素が1つ、Bフィルタの画素が1つ含まれている。なお、受光部に貼付されるカラーフィルタとしては、C(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)の組み合わせからなる補色系のカラーフィルタを採用してもよい。
【0026】
CCD31からの画像信号の出力は、タイミングジェネレータ24から送信される種々の信号(駆動パルス)に応じて行われる。具体的には、駆動パルスに応じて、受光部の各画素に蓄積された電荷が読み出されて垂直転送部へ転送された後、一の水平方向の画素列(以下、「水平画素列」という。)ごとに水平転送部に転送される。そして、リセットゲートパルスに応じて、電荷が変換された信号(画像信号)が一画素ごとに出力部から出力される。
【0027】
また、CCD31は、画像信号を出力する様々な出力モードを備えており、種々の出力手法により画像信号を出力することができる。このような出力モードには、全画素(水平2560×垂直1920画素)の信号を画像信号として出力する「全画素出力モード」と、間引きにより垂直方向の画素数が削減された信号を画像信号として出力する「間引出力モード」とがある。さらに、「間引出力モード」には、一の画素ごとの電荷に相当する信号からなる画像信号を出力する「通常間引モード」と、水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した結果に相当する信号からなる画像信号を出力する「画素加算モード」とがある。
【0028】
図5および図6は、「間引出力モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。図5は出力モードが「通常間引モード」の場合を示しており、図6は出力モードが「画素加算モード」の場合を示している。図中の符号L0〜符号L16はそれぞれCCD31の水平画素列を示しており、水平画素列L0がCCD31の端部の水平画素列である。以下、水平画素列L0から、第0水平画素列L0、第1水平画素列L1、第2水平画素列L2…と称する。
【0029】
図5に示すように、出力モードが「通常間引モード」の場合は、水平画素列が1/4の割合に間引かれつつ、各画素の電荷が転送される。転送された電荷は、リセットゲートパルスに応じて一の画素毎に信号に変換される。これにより、垂直方向の画素数が1/4に削減された水平2560×垂直480画素からなる画像信号がCCD31から出力される。ただし、出力される水平画素列の間隔は一定ではなく、画像信号においても画素の色成分の配列がベイヤー配列となるように調整される。具体的には、第0水平画素列L0、第5水平画素列L5、第8水平画素列L8、第13水平画素列L13…と、図5中ハッチングにて示した水平画素列が出力される。
【0030】
一方、図6に示すように、出力モードが「画素加算モード」の場合においては、「通常間引モード」と同様にして垂直方向の画素数が1/4に削減されるが、リセットゲートパルスの発生周期は「通常間引きモード」に比べて4倍の周期とされる。このため、電荷は水平方向に隣接する4画素ごとに信号に変換される。すなわち、図6中ハッチングにて示した画素の電荷に対して水平方向に隣接する3つの画素の電荷が加算され、この加算された電荷が信号に変換されることとなる。これにより、画像信号における一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当することとなる。また、画像信号における水平方向の画素数も1/4に削減されることから、水平640×垂直480画素からなる画像信号がCCD31から出力される。
【0031】
このような各出力モードにおける動作を含むCCD31の動作は、タイミングジェネレータ24から送信される信号によって制御される。タイミングジェネレータ24は、全体制御部4からの信号に基づいてCCD31に対して各種の信号を送信することとなる。
【0032】
図3に戻り、信号処理部32は、CDS(相関二重サンプリング)回路およびAGC(オートゲインコントロール)回路等をその内部に有し、CCD31から出力される画像信号(アナログ信号)に所定の信号処理を施す。具体的には、CDS回路により画像信号のノイズの低減が行われ、AGC回路により画像信号の信号値の増幅が行われる。
【0033】
A/D変換部33は、アナログ信号である画像信号を、各画素ごとに例えば12ビットのデジタル信号に変換する。デジタル信号とされた画像信号は、画像処理部34および輝度演算部37に入力される。
【0034】
画像処理部34は、画像信号に対して各種の画像処理を行い、ライブビュー表示に用いるための表示用画像、あるいは、メモリカード91に記録するための記録用画像を生成する。図7は、画像処理部34の機能構成を機能ブロックを用いて示す図である。
【0035】
WB(ホワイトバランス)補正部61は、ホワイトバランス補正を行うものであり、撮影光源の分光特性に応じて生じる画像信号の色バランスの偏りを、変換テーブルを用いて補正する。補正に用いる変換テーブルは、全体制御部4から画像信号ごとに入力される。
【0036】
画素補間部62は、画像信号の各信号値(画素値)の色成分値を補間する。すなわち、画像信号の各信号値はRGBのうち一の色成分値のみを有しているため、全ての色成分値を有するように、周辺画素の色成分値に基づいて残りの色成分値が求められる。これにより、画像信号のカラー化がなされる。
【0037】
γ補正部63は、γ補正を行うものであり、画像信号の階調特性を、表示装置のγ特性に適合するように補正テーブルを用いて補正する。補正に用いる補正テーブルは、全体制御部4から画像信号ごとに入力される。
【0038】
色変換部64は、変換マトリクスを用いて色空間の変換を行い、RGBの3つの色成分値からなる画像信号の各信号値(画素値)を、YCrCb値(輝度成分値Yと色差成分値Cr,Cb)に変換する。これとともに、色差成分値Cr,Cbを補正して、画像信号の彩度の調整を行う。本実施の形態では、次の数1に示す変換式によって信号値の色空間の変換が行われる。
【0039】
【数1】
【0040】
数1に示すように、色差成分値Cr,Cbに係る変換マトリクス中の変換係数には、色差成分値Cr,Cbを補正するための係数kが含まれている。この係数kを変更することは、色差成分値Cr,Cbの補正量を変更することに相当し、さらに画像信号の彩度を変更することに相当する。すなわち、この係数kを大とすれば色差成分値Cr,Cbが大となるため画像信号の彩度が高くなり、逆に、係数kを小とすれば色差成分値Cr,Cbが小となるため画像信号の彩度が低くなる。係数kは、デジタルカメラ1の動作状態に応じて全体制御部4により設定される。
【0041】
解像度変換部65は、画像信号に含まれる画素を間引いて、画像信号の解像度を、目的とする解像度に変換する。本実施の形態においてEVF21およびLCD22の表示解像度は、水平640×垂直480画素となっている。このため、表示用画像を生成する場合は、水平640×垂直480画素となるように画像信号の解像度が変換される。また、記録用画像を生成する場合は、ファンクションダイヤル12等により設定された「画像サイズ」に合わせて、画像信号の解像度が変換される。
【0042】
図3に戻り、画像処理部34により生成された表示用画像は表示切替部35に入力され、一方、記録用画像は画像圧縮部36に入力される。表示切替部35は、ディスプレイ切り替えレバー19により指定された表示装置(EVF21またはLCD22)に対して表示用画像を送信して、該表示装置に表示用画像を表示させる。また、画像圧縮部36は、記録用画像を例えばJPEG方式などの圧縮方式にて圧縮した後、メモリカード91に記録する。
【0043】
輝度演算部37は、A/D変換部33から入力された画像信号に基づいて、被写体の輝度を導出する。輝度演算部37により導出された被写体の輝度は、全体制御部4に入力される。なお、以下の説明においては、輝度演算部37により導出される被写体の輝度を、APEX表示におけるBV(ブライトネスバリュー)換算値で表現し、被写体の輝度に記号BVを用いる。
【0044】
レンズ駆動部23は、全体制御部4から入力される信号に基づいて、撮影レンズ2の内部に含まれる部材、例えば、被写体像の合焦状態を調節するレンズ群や入射光量を調節する絞り等の駆動を行う。
【0045】
操作部材10は、上述したシャッタボタン11、ファンクションダイヤル12、メニューボタン18および十字キー17等を一の機能ブロックとして示したものである。操作部材10の操作内容は信号として全体制御部4に入力される。また、タイマ25は、全体制御部4からの信号に基づいて計時を行い、計時結果を全体制御部4に入力する。
【0046】
全体制御部4は、マイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部4は、各種演算処理を行うCPU41と、演算を行うための作業領域となるRAM42と、制御プログラム等が記憶されるROM43とを備え、上述したデジタルカメラ1の各部の動作を統括的に制御する。
【0047】
全体制御部4の各種の機能は、予めROM43内に記憶される制御プログラムに従ってCPU41が演算処理を行うことにより実現される。なお、ROM43はEPROMなどの追記が可能な不揮発性メモリで構成されており、メモリカード91からの読出などにより、新たな制御プログラムをROM43に格納(インストール)することも可能とされている。図3において撮像制御部51、画像処理制御部52および表示モード設定部53は、制御プログラムに従ってCPU41が演算動作を行うことにより実現される機能の一部を機能ブロックとして模式的に示している。
【0048】
撮像制御部51は、撮像に係る制御を行うものであり、露出制御機能、フォーカス制御機能、および、出力モード変更機能を有している。
【0049】
露出制御機能は、画像信号の明るさが適正になるように露出制御(AE)を行う機能である。具体的には、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVに基づいて、シャッタスピードおよび絞り値が設定される。デジタルカメラ1においてはシャッタ方式として電子シャッタ方式が採用され、シャッタスピードはCCD31の露光時間(電荷蓄積時間)に相当する。このため、設定されたシャッタスピードは、信号としてタイミングジェネレータ24に出力され、CCD31は設定された露光時間だけ露光するように制御される。一方、設定された絞り値はレンズ駆動部23に出力され、設定された絞り値に相当する開口径となるように撮影レンズ2内の絞りが駆動される。また、被写体が低輝度で露光不足となる場合は、露出制御機能により信号処理部32のAGC回路による信号値の増幅率が増加される。
【0050】
フォーカス制御機能は、CCD31の受光面における被写体の光像が合焦状態となるように撮影レンズ2内のレンズ群を移動させるフォーカス制御(AF)を行う機能である。具体的には、レンズ駆動部23に信号を送信してレンズ群を駆動させつつ画像信号のコントラストを監視し、画像信号のコントラストが最も高くなる位置にレンズ群を移動させる。
【0051】
出力モード変更機能は、デジタルカメラ1の動作状態に応じて、CCD31の出力モードを「全画素出力モード」、「通常間引モード」および「画素加算モード」の間で変更する機能である。出力モードを変更する場合は、その旨を示す信号がタイミングジェネレータ24に送信される。これにより、CCD31は、変更された出力モードの動作を行うように制御される。
【0052】
画像処理制御部52は、デジタルカメラ1の動作状態に応じて、画像処理部34の処理内容を制御する。具体的には、WB補正部61で使用する変換テーブルや、γ補正部63で使用する補正テーブルを画像処理部34に入力するとともに、色変換部64における係数kや、解像度変換部65が目的とする解像度を設定する。また、デジタルカメラ1の動作状態によっては、画像処理部34の各部を選択的に非能動化させる。
【0053】
表示モード設定部は、ライブビュー表示を行う際の表示装置(EVF21およびLCD22)の表示モードを設定する。本実施の形態の表示モードには、カラーの表示用画像を表示させる「通常カラー表示モード」と、「通常カラー表示モード」で表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する「低彩度カラー表示モード」と、モノクロ(彩度が無く階調のみがある状態:グレースケール)の表示用画像を表示する「モノクロ表示モード」とがある。このような表示モードは、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVに基づいて設定される。
【0054】
<1−3.デジタルカメラの基本動作>
次に、デジタルカメラ1の撮影モードにおける基本的な動作について説明する。図8は、撮影モードの動作の流れを示す図である。
【0055】
デジタルカメラ1は、動作モードが撮影モードに設定されると、撮影待機状態となり、被写体の状態を示す表示用画像を時間的に連続して表示装置に表示するライブビュー表示動作が行われる。すなわち、ライブビュー表示のためにCCD31にて露光が行われ(ステップS1)、CCD31から出力される画像信号に対して画像処理部34などにより所定の処理がなされて表示用画像(ライブビュー画像)が生成され(ステップS2)、生成された表示用画像が表示装置(EVF21またはLCD22)に表示される(ステップS3)。このようなライブビュー表示動作は、シャッタボタン11が押下されるまで(ステップS4にてNoの間)、所定の時間間隔で(例えば、1/30秒ごとに)繰り返される。
【0056】
また、このライブビュー表示動作中においては、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVが常時監視され、被写体の輝度BVに基づいて表示モードを設定する処理(表示モード設定処理:ステップS5)が表示モード設定部53により繰り返し行われる。これにより、被写体の輝度BVに応じて、適宜、表示モードが変更設定され、設定された表示モードに従ったライブビュー表示動作(ステップS1〜S3)がなされることとなる(詳細は後述)。
【0057】
シャッタボタン11が押下されると(ステップS4にてYes)、撮像制御部51により露出制御(AE)およびフォーカス制御(AF)がなされる(ステップS6)。これにより、シャッタスピードおよび絞り値が設定されるとともに、被写体の光像が合焦状態とされる。
【0058】
続いて、記録用の画像信号を取得するために、設定された露光時間CCD31にて露光が行われる(ステップS7)。そして、CCD31から出力される画像信号に対して画像処理部34などにより所定の処理がなされて記録用画像が生成される(ステップS8)。生成された記録用画像は、画像圧縮部36により圧縮され、メモリカード91に記録される(ステップS9)。記録用画像の記録がなされると、再度、ステップS1に戻り、ライブビュー表示動作が行われることとなる。
【0059】
<1−4.画像信号の処理内容>
次に、上記のようなライブビュー表示動作中(ステップS1〜S3)および記録動作中(ステップS7〜S9)それぞれの画像信号に対する処理内容について図7を参照しつつ説明する。図7において、符号P1,P2,P3で示す矢印はそれぞれライブビュー表示動作中における画像信号の処理の流れを示し、符号P1は表示モードが「通常カラー表示モード」の場合、符号P2は表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合、符号P3は表示モードが「モノクロ表示モード」の場合をそれぞれ示している。それぞれの表示モードにおいて詳述するように、これらはカラー表示特性(具体的には彩度表現特性)が異なる3つの状態となっている。また、符号P4で示す矢印は記録動作中における画像信号の処理の流れを示している。以下、それぞれについて説明する。
【0060】
<1−4−1.通常カラー表示モード>
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合(符号P1)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「通常間引モード」に設定される。これにより、CCD31からは水平2560×垂直480画素からなる画像信号が出力される。この画像信号は、画素の色成分の配列がベイヤー配列であり、色の情報を有している。
【0061】
画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされる。さらに、γ補正部63においてγ補正された後、色変換部64にて各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。この色空間の変換時においては、画像処理制御部52の制御により、数1の変換マトリクスの係数kが「1」(k=1)とされる。
【0062】
続いて、画像信号は、解像度変換部65において水平640×垂直480画素に変換されて表示用画像とされる。そして、生成された表示用画像は、表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。これにより、表示装置の表示状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態となる。
【0063】
<1−4−2.低彩度カラー表示モード>
また、表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合(符号P2)は、上述した「通常カラー表示モード」の場合とほぼ同様の処理がなされるが、色空間の変換時において用いられる特性値としての数1の変換マトリクスの係数kが「0.5」(k=0.5)とされる。
【0064】
すなわち、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「通常間引モード」に設定され、CCD31からは水平2560×垂直480画素からなる画像信号が出力される。画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされ、γ補正部63においてγ補正される。
【0065】
続いて、画像処理制御部52の制御により、色変換部64にて係数k=0.5となる変換マトリクスが用いられ、各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65において解像度が変換されて表示用画像とされる。この表示用画像は、「通常カラー表示モード」の表示用画像と比較して、色差成分値Cr,Cbが小となり、彩度は低くなる。
【0066】
生成された表示用画像は、表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。これにより、表示装置の表示状態は、「通常カラー表示モード」において表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態となる。
【0067】
<1−4−3.モノクロ表示モード>
また、表示モードが「モノクロ表示モード」の場合(符号P3)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「画素加算モード」に設定される。これにより、CCD31からは水平640×垂直480画素からなる画像信号が出力される。
【0068】
前述したように、この画像信号の一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当する。しかしながら、隣接する複数の画素の加算により色成分のベイヤー配列は崩れ、結果として画像信号の色の情報は失われることとなる。つまり、画像信号に含まれる各信号値は、色成分に関連のない階調値のみを有することとなる。このため、画像信号の各信号値は輝度成分値Yに相当することから、輝度成分値Yとしてそのまま利用される。換言すれば、数1の変換マトリクスにおける変換特性値としての係数kを「0」(k=0)とした場合と等価になる。
【0069】
したがって、この画像信号に対しては色に関する処理は必要なくなることから、画像処理制御部52の制御により画像処理部34のWB補正部61、画素補間部62および色変換部64は非能動化される。このため、画像信号が画像処理部34に入力されると、そのままγ補正部63に入力されてγ補正のみがなされる。また、画像信号の解像度は、表示装置の表示解像度と一致するため、解像度変換部65も非能動化される。これにより、画像信号はそのまま表示用画像として表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。表示用画像は輝度成分値Yのみを有し、色差成分値Cr,Cbは0であるため無彩度のモノクロ画像となる。このことから、表示装置の表示状態は、モノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態となる。
【0070】
<1−4−4.記録動作中>
また、記録動作中の場合(符号P4)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「全画素出力モード」に設定される。これにより、CCD31からは全画素、すなわち、水平2560×垂直1920画素からなる画像信号が出力される。この画像信号は、画素の色成分の配列がベイヤー配列であり、色の情報を有している。その後は、「通常カラー表示モード」とほぼ同様の処理が行われる。
【0071】
すなわち、画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされ、γ補正部63においてγ補正される。続いて、画像処理制御部52の制御により、色変換部64にて係数k=1となる変換マトリクスが用いられ、各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65においてファンクションダイヤル12等により設定された「画像サイズ」に合わせて解像度が変換されて記録用画像とされる。生成されたカラーの記録用画像は、画像圧縮部36に入力され圧縮された後、メモリカード91に記録される。
【0072】
<1−5.表示モード設定処理>
次に、上述したような表示モードから一の表示モードを設定する表示モード設定処理(図8:ステップS5)について説明する。
【0073】
一般に、表示装置の表示状態はカラー表示であることが好ましいため、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、通常、表示モードを「通常カラー表示モード」に設定するようにしている。
【0074】
ただし、被写体の輝度BVが極端に低下した場合は、画像信号の信号値が低下するため、AGC回路による信号値の増幅率が増加される。このため、画像信号中のノイズも増幅されることとなり、ライブビュー表示において被写体の状態の把握が困難となる。このことから、本実施の形態のデジタルカメラ1は、被写体の輝度BVが極端に低下した場合は、表示モードを「モノクロ表示モード」に設定するようにしている。「モノクロ表示モード」においては、CCD31の出力モードが「画素加算モード」に設定されるため、画像信号の一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当する。このため、ノイズの増加を伴うことなく画像信号の信号値を高めることができ、ノイズの少ない表示用画像を表示装置に表示することができることとなる。
【0075】
しかしながら、表示モードを「通常カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間のみで変化させると、表示装置の表示状態が、カラー表示状態からモノクロ表示状態、あるいは、モノクロ表示状態からカラー表示状態に突然変化することとなる。このような表示状態の変化は、ユーザに対して視覚上の違和感を与えることとなる。このため、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、表示モードを変更すべく被写体の輝度BVが変化した場合は、一旦、表示モードを「低彩度カラー表示モード」に設定し、被写体の輝度BVがさらに変化したときに、表示モードを目的とする表示モードに設定するようにしている。以下、このような表示モードを設定する処理について具体的に説明する。
【0076】
図9は、表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS11)。
【0077】
次に、被写体の輝度BVが2つの閾値、すなわち、第1基準値および第2基準値と比較される(ステップS12)。2つの閾値の関係は第1基準値<第2基準値となっており、本実施の形態においては第1基準値は「−2」、第2基準値は「−1」(いずれもAPEX表示におけるBV換算値)に設定されている。なお、これらの基準値の具体値は一例であり、他の値としてもよい。
【0078】
被写体の輝度BVが第2基準値以上の場合は、被写体の輝度BVが比較的高くノイズが大きく増幅されることはないため、表示モードは「通常カラー表示モード」に設定される(ステップS13)。これにより、表示装置の表示状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態(以下、「通常カラー表示状態」という。)となる。
【0079】
一方、被写体の輝度BVが第1基準値未満の場合は、被写体の輝度BVが比較的低くノイズが大きく増幅されることとなるため、表示モードは「モノクロ表示モード」に設定される(ステップS15)。これにより、表示装置の表示状態は、ノイズが少ないモノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態となる。
【0080】
また、被写体の輝度BVが、第1基準値以上、かつ、第2基準値未満の場合は、表示モードが「低輝度カラー表示モード」に設定される(ステップS14)。これにより、表示装置の表示状態は、低彩度のカラーの表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態となる。
【0081】
図10は、図9の表示モード設定処理により、被写体の輝度BVの変化に応じて、表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。図10において横軸は時間であり、符号T0〜T8はそれぞれ時点を示している。また、図10の上部は被写体の輝度BVの変化の一例を示しており、下部は設定される表示モードを示している。
【0082】
図に示すように、被写体の輝度BVが低下する場合は、被写体の輝度BVが第2基準値(−1)未満となった時点T2で、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。そして、さらに被写体の輝度BVが第1基準値(−2)未満となった時点T4で、表示モードが「低彩度カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更される。
【0083】
このように表示モードを「通常カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更すべく被写体の輝度BVが低下したときにおいては、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される前に、一旦「低彩度カラー表示モード」に変更される。したがって、表示装置の表示状態が、通常カラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変更されることはなく、一旦それらの中間的な低彩度カラー表示状態に変更された後、モノクロ表示状態に変更される。
【0084】
一方、被写体の輝度BVが上昇する場合は、被写体の輝度BVが第1基準値(−2)以上となった時点T5で、表示モードが「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。そして、さらに被写体の輝度BVが第2基準値(−1)以上となった時点T7で、表示モードが「低彩度カラー表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更される。
【0085】
このように表示モードを「モノクロ表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更すべく被写体の輝度BVが上昇したときにおいても、表示モードが「通常カラー表示モード」に変更される前に、一旦「低彩度カラー表示モード」に変更される。したがって、表示装置の表示状態が、モノクロ表示状態から通常カラー表示状態に突然変更されることはなく、一旦それらの中間的な低彩度カラー表示状態に変更された後、通常カラー表示状態に変更される。
【0086】
このように表示装置の表示状態は段階的に変更され、表示状態の変化を自然とすることができる。その結果、表示装置の表示状態の変化による視覚上の違和感を軽減することができることとなる。
【0087】
以上、第1の実施の形態について説明してきたが、本実施の形態のデジタルカメラにおいては、表示装置の表示状態を、通常カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更すべく被写体の輝度が変化したとき、表示装置の表示状態を目的とする表示状態とする前に、通常カラー表示状態で表示される表示用画像の彩度とモノクロ表示状態で表示される表示用画像の彩度との間の彩度を有する表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態に変更する。このため、表示装置の表示状態を段階的に変化させることができ、視覚上の違和感を軽減することができる。
【0088】
また、「低彩度カラー表示モード」においては、一般的なデジタルカメラが有している色変換部64における色差成分値の補正量(係数k)を変更することにより、表示用画像の彩度を調整し、表示装置の表示状態を低彩度カラー表示状態にしている。このため、低彩度の表示用画像を生成するために特別な回路などが不要であるため、デジタルカメラを小型化することができる。これとともに、一般的なデジタルカメラの簡単な仕様変更のみで本実施の形態のデジタルカメラ1を実現することができる。
【0089】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、被写体の輝度BVを2つの閾値(第2基準値および第1基準値)と比較し、その大小のみによって表示モードを設定していた。このような制御を行った場合、被写体の輝度BVが閾値近傍の値であると、表示モードが頻繁に変更される可能性がある。
【0090】
図11は、被写体の輝度BVが「−1」(第2基準値)の近傍の値となる場合に、第1の実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図11の上部は、図10と同様に、被写体の輝度BVの変化を示しており、下部は設定される表示モードを示している。また、符号T20〜T30はそれぞれ時点を示している。
【0091】
図11の例においては、被写体の輝度BVが第2基準値(−1)の近傍で頻繁に変化し、第2基準値に対して大あるいは小となることが繰り返されている。このように被写体の輝度BVが変化した場合は、図に示すように表示モードが「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」との間で頻繁に変更される。同様に、被写体の輝度BVが第1基準値(−2)の近傍で頻繁に変化した場合は、表示モードが「低彩度カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間で頻繁に変更されることとなる。
【0092】
このように表示モードが頻繁に変更される(すなわち、表示装置の表示状態が頻繁に変更される)と、表示装置の表示にちらつきが生じ、ユーザに対して視覚上の違和感や不快感を与えることとなる。本実施の形態のデジタルカメラでは、このような表示モードの変更の頻度を減少させて、視覚上の違和感をさらに低減させるようにしている。本実施の形態のデジタルカメラ1の構成および動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、表示モード設定部53によりなされる表示モード設定処理(図8:ステップS5)のみが相違する。このため以下では、主として表示モード設定処理について説明する。
【0093】
図12は、本実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS21)。次に、現在の表示モードがいずれの表示モードであるかが判定され(ステップS22)、表示モードに応じて、被写体の輝度BVが所定の閾値と比較される。
【0094】
本実施の形態では、被写体の輝度BVは4つの閾値、すなわち、第1ないし第4閾値と比較される。4つの閾値の関係は、第1閾値<第2閾値<第3閾値<第4閾値となっており、本実施の形態においては第1閾値は「−2」、第2閾値は「−1.5」、第3閾値は「−1」、第4閾値は「−0.5」(いずれもAPEX表示におけるBV換算値)に設定されている。なお、これらの閾値の具体値は一例であり、他の値としてもよい。
【0095】
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合は、被写体の輝度BVが第3閾値未満であるかが判定される(ステップS23)。そして、被写体の輝度BVが第3閾値以上であれば、表示モードは「通常カラー表示モード」に維持され(ステップS27)、被写体の輝度BVが第3閾値未満であれば、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に変更される(ステップS28)。
【0096】
また、表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合は、まず、被写体の輝度BVが第4閾値以上であるかが判定される(ステップS24)。被写体の輝度BVが第4閾値以上であれば、表示モードは「通常カラー表示モード」に変更される(ステップS27)。一方、被写体の輝度BVが第4閾値未満であれば、さらに、被写体の輝度BVが第1閾値未満であるかが判定される(ステップS25)。そして、被写体の輝度BVが第1閾値未満であれば、表示モードは「モノクロ表示モード」に変更され(ステップS29)、被写体の輝度BVが第1閾値以上であれば表示モードは「低彩度カラー表示モード」に維持される(ステップS28)。
【0097】
また、表示モードが「モノクロ表示モード」である場合は、被写体の輝度BVが第2閾値未満であるかが判定される(ステップS26)。そして、被写体の輝度BVが第2閾値未満であれば、表示モードは「モノクロ表示モード」に維持され(ステップS29)、被写体の輝度BVが第2閾値以上であれば、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に変更される(ステップS28)。
【0098】
図13は、被写体の輝度BVと、図12の表示モード設定処理によって設定される表示モードとの関係を示す図である。
【0099】
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合に被写体の輝度が低下したときは、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)未満となったとき、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更され、さらに被写体の輝度BVが第1閾値(−2)未満となったとき、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。一方、表示モードが「モノクロ表示モード」の場合に被写体の輝度が上昇したときは、被写体の輝度BVが第2閾値(−1.5)以上となったとき、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更され、さらに被写体の輝度BVが第4閾値(−0.5)以上となったとき、表示モードが「通常カラー表示モード」に変更される。
【0100】
つまり、被写体の輝度BVの変化に対する表示モードの変化の追随が遅れるように(すなわち、これらの変化の関係が一種のヒステリシスを有するように)、表示モードが設定されることとなる。これにより、被写体の輝度BVが多少変化しても表示モードが変更されにくくなり、表示モード(すなわち、表示装置の表示状態)が変更される頻度を低下させることができるわけである。その結果、表示装置の表示状態の変化による視覚上の違和感をさらに軽減することができることとなる。
【0101】
より具体的には、表示モードを「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更する際に参照される第3閾値(−1)は、表示モードを「低彩度カラー表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更する際に参照される第4閾値(−0.5)よりも小である。したがって、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)まで低下して、一旦、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更された場合は、被写体の輝度BVが多少上昇しても第4閾値(−0.5)まで上昇しない限りは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。これにより、「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」との間で表示モードが変更される頻度を低下させることができることとなる。
【0102】
また同様に、表示モードを「低彩度カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更する際に参照される第1閾値(−2)は、表示モードを「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更する際に参照される第2閾値(−1.5)よりも小である。したがって、被写体の輝度BVが第2閾値(−1.5)まで上昇して、一旦、表示モードが「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更された場合は、被写体の輝度BVが多少低下しても第2閾値(−1.5)まで低下しない限りは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。これにより、「低彩度カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間で表示モードが変更される頻度を低下させることができることとなる。
【0103】
図14は、図11と同様に被写体の輝度BVが変化した場合に、本実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図に示すように、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)まで低下した時点T21において、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。その後は、被写体の輝度BVが第4閾値(−0.5)以上、あるいは、第1閾値(−2)未満となるまで、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。このため、時点T21〜T29のように、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)の近傍で頻繁に変化したときにおいても、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に維持される。そして、被写体の輝度BVが第1閾値(−2)未満となった時点T30で、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。
【0104】
これと同様に、被写体の輝度BVがいずれの閾値の近傍で頻繁に変化した場合であっても、表示モードは維持されることとなる。これにより、表示装置の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感を軽減することができるわけである。
【0105】
以上、第2の実施の形態について説明してきたが、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第1閾値より小となったとき、表示装置の表示状態がモノクロ表示状態に変更される。また、表示手段の表示状態がモノクロ表示状態の場合は、被写体の輝度が第2閾値より大となったとき、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更される。第1閾値は、第2閾値より小であることから、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0106】
また、表示装置の表示状態が通常カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第3閾値より小となったとき、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更される。また、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第4閾値より大となったとき、表示装置の表示状態が通常カラー表示状態に変更される。第3閾値は、第4閾値より小であることから、表示手段の表示状態が通常カラー表示状態と低彩度カラー表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0107】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、表示モードを変更する際に参照する閾値を、被写体の輝度BVが上昇するときと低下するときとで相違させることで、表示モードが変更される頻度を低下させていた。本実施の形態のデジタルカメラは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に設定された場合は、その状態を所定時間以上維持することで、表示モードが変更される頻度を低下させるようにしている。本実施の形態のデジタルカメラ1の構成および動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、表示モード設定部53によりなされる表示モード設定処理(図8:ステップS5)のみが相違する。このため以下では、主として表示モード設定処理について説明する。
【0108】
図15は、本実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS31)。次に、被写体の輝度BVが、前回の表示モード設定処理から閾値を超えて変化したか否かが判定される(ステップS32)。
【0109】
本実施の形態においては、被写体の輝度BVは一の閾値と比較される。この閾値は、本実施の形態においては「−1」(APEX表示におけるBV換算値)に設定されている。この閾値の具体値はあくまで一例であり、他の値としてもよい。また、本実施の形態においては、表示モード設定処理を行う毎に、導出された被写体の輝度BVがRAM42に記憶されるようになっている(ステップS40)。そして、ステップS32では、今回の表示モード設定処理において導出された被写体の輝度(以下、「現在輝度」という。)と、前回の表示モード設定処理において導出された被写体の輝度(以下、「前回輝度」という。)と、閾値とが比較される。
【0110】
具体的には、現在輝度が閾値未満、かつ、前回輝度が閾値以上の場合は、被写体の輝度BVが閾値を超えて低下しているため、ステップS32にてYesと判定される。また、現在輝度が閾値以上、かつ、前回輝度が閾値未満の場合も、被写体の輝度BVが閾値を超えて上昇しているため、ステップS32にてYesと判定される。その他の場合は、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化していないため、ステップS32にてNoと判定される。
【0111】
ステップS32にてYesと判定された場合は、タイマ25が計時を開始するとともに(ステップS33)、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に設定される(ステップS34)。
【0112】
一方、ステップS32にてNoと判定された場合は、現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」であるか否かが判定される(ステップS35)。現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」である場合は、さらに、タイマ25の計時時間が所定時間(例えば、1秒)を経過したか否かが判定される(ステップS36)。ここで、タイマ25の計時時間が、所定時間を経過していないとき(ステップS36にてNo)には、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される(ステップS34)。
【0113】
また、現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」でない場合(ステップS35にてNo)、あるいは、タイマ25の計時時間が所定時間を経過した場合(ステップS36にてYes)は、被写体の輝度(現在輝度)BVが閾値(−1)と比較される(ステップS37)。そして、被写体の輝度BVが閾値以上であれば、表示モードが「通常カラー表示モード」に設定され(ステップS38)、被写体の輝度BVが閾値未満であれば、表示モードが「モノクロ表示モード」に設定される(ステップS39)。表示モードが設定されると、次回の表示モード設定処理にて前回輝度として使用できるように、被写体の輝度BVがRAM42に記憶される(ステップS40)。
【0114】
本実施の形態では、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化したときのみ、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更される。また、タイマ25の計時時間は、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化した時点からの経過時間である。したがって、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更されたときは、被写体の輝度にかかわらず所定時間は表示モードの状態が「低彩度カラー表示モード」に維持される。そして、タイマ25の計時時間が所定時間を経過した時点において、改めて被写体の輝度BVが判定され、表示モードが被写体の輝度BVに応じて設定されることとなる。
【0115】
また、被写体の輝度BVの閾値を超える変化が時間的に連続して生じた場合は、被写体の輝度BVが閾値を超える度に、タイマ25の計時時間がリセットされる(ステップS33)。このため、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に所定時間以上維持されることもある。
【0116】
このように、本実施の形態では、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更されたときは、被写体の輝度にかかわらず、所定時間以上、表示モードの状態が「低彩度カラー表示モード」に維持されることから、表示モードの変更の頻度を低下させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0117】
図16は、図11と同様に被写体の輝度BVが変化した場合に、本実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図に示すように、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて低下した時点T21において、タイマ25の計時が開始されるとともに、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。
【0118】
その後、タイマ25の計時時間が所定時間WTを経過するまで表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持されるが、所定時間WTを経過する前の時点T22において、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて上昇している。このため、この時点T22においてタイマ25の計時時間がリセットされて新たな計時が開始され、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される。以降同様に時点T29まで、タイマ25の計時時間が所定時間WTを経過する前に、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて変化しているため、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される。そして、時点T29から所定時間WTが経過した時点T31において被写体の輝度BVが判定され、被写体の輝度BVが閾値(−1)以下であるため、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。このように本実施の形態においても、被写体の輝度BVが閾値(−1)の近傍で頻繁に変化したときは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持されるため、視覚上の違和感を軽減することができることとなる。
【0119】
以上、第3の実施の形態について説明を行ったが、本実施の形態のデジタルカメラ1では、表示装置の表示状態を低彩度カラー表示状態に変更したとき、被写体の輝度BVにかかわらず、表示状態を低彩度カラー表示状態に所定時間以上維持する。このため、表示装置の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0120】
<4.第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。上記実施の形態のデジタルカメラは、カラーの記録用画像を記録するものであったが、本実施の形態のデジタルカメラは、記録用画像を記録するための記録モードとして、カラーの記録用画像を記録するカラー記録モードと、モノクロの記録用画像を記録するモノクロ記録モードとを備えている。
【0121】
本実施の形態のデジタルカメラ1の構成は、第1の実施の形態と同様である。ユーザは、メニューボタン18を押下した際に表示される設定メニューを参照しつつ十字キー17を操作することによって、カラー記録モードとモノクロ記録モードとのうちから一の記録モードを選択することができる。記録モードとしてカラー記録モードが選択された場合は、上記実施の形態と同様の動作がなされる。この動作は、第1ないし第3の実施の形態のいずれでもよい。
【0122】
また、記録モードとして、モノクロ記録モードが選択された場合においても、上記実施の形態とほぼ同様の動作がなされる。ただし、色空間を変換する際において係数k=0となる変換マトリクスが用いられる。
【0123】
すなわち、記録動作中においては、画像処理制御部52の制御により、色変換部64において係数k=0となる変換マトリクスが用いられ、画像信号の各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65において解像度が変換されて記録用画像とされる。この記録用画像は、色差成分値Cr,Cbが0であるため、無彩度のモノクロ画像となる。そして、このモノクロの記録用画像が、画像圧縮部36に入力され圧縮された後、メモリカード91に記録される。
【0124】
一方、ライブビュー表示動作中においては、上記実施の形態と同様に、表示モード設定処理がなされる。この表示モード設定処理は、第1ないし第3の実施の形態のいずれであってもよい。ただし、表示モードが「通常カラー表示モード」あるいは「低彩度カラー表示モード」に設定されたときにおいては、色変換部64において係数k=0となる変換マトリクスが用いられる。このため、画像信号に対する処理内容が「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」とで同一とされ、双方ともにモノクロの表示用画像が生成されることとなる。もちろん、表示モードが「モノクロ表示モード」に設定されたときは、CCD31の出力モードが「画素加算モード」に設定され、ノイズが少ないモノクロの表示用画像が生成されることとなる。
【0125】
したがって、表示装置の表示状態は、表示モードがいずれの表示モードに設定されていた場合であっても、モノクロの表示用画像を表示する状態が維持されることとなる。つまり、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたときは、被写体の輝度にかかわらず、表示装置の表示状態がモノクロの表示用画像を表示する状態に維持されるわけである。
【0126】
このように、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたとき、表示装置の表示状態をモノクロの表示用画像を表示する状態に維持するため、視覚上においては表示装置の表示状態が大きく変更されないこととなる。その結果、視覚上の違和感を無くすことができることとなる。
【0127】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態では、通常カラー表示状態で表示される表示用画像の彩度と、モノクロ表示状態で表示される表示用画像の彩度との間の彩度を有する表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態は、一段階のみであったが、複数の段階があってもよい。つまり、互いに異なる彩度の表示用画像を表示する複数の低彩度カラー表示状態モードを、表示モードとして備えておく。そして、被写体の輝度BVが低下する(上昇する)に従って、より彩度の低い(高い)表示用画像を表示する低彩度カラー表示モードに表示モードを漸次変更する。これにより、表示装置の表示状態が漸次的に変化することとなり、さらに効果的に視覚上の違和感を軽減することができる。
【0129】
また、上記実施の形態では、被写体の輝度に応じて、表示装置に表示される表示用画像の彩度が変更されるものであったが、例えば、表示用画像の輝度、コントラスト、色合い等が画像表示特性として各状態間で変更されるものであってもよい。これらを分類すれば、表示の「強度」に関する特性(輝度、コントラストなど)と、カラー表示特性(彩度や色合いなど)とが、その主なものであるが、どのような表示特性を制御対象とするかは他のものであってもよい。
【0130】
また、上記実施の形態のデジタルカメラ1は静止画像を取得するものであったが、動画像を取得するものであってもよい。
【0131】
◎なお、上述した具体的実施の形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0132】
(1) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像手段は、
二次元配列に配置され露光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積する複数の画素、を備え、かつ、
前記画像信号を出力する出力モードとして、一の画素ごとの電荷に相当する信号を出力する通常モードと、前記二次元配列の一の配列方向に隣接する所定数の画素の電荷を加算したものに相当する信号を出力する画素加算モードと、を備えるものであり、
前記制御手段は、前記被写体の輝度が所定の閾値より低下したとき、前記撮像手段の出力モードを前記画素加算モードにすることにより、前記表示手段の表示状態を前記モノクロ表示状態にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【0133】
これによれば、被写体の輝度が所定の閾値より低下したとき、出力モードを画素加算モードにすると、撮像手段から出力される画像のノイズを低減することができる。このため、被写体の輝度が比較的低い場合であっても、ノイズの少ない表示用画像を表示手段に表示することができる。
【0134】
(2) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
カラーの記録用画像を記録するカラー記録モードと、モノクロの記録用画像を記録するモノクロ記録モードとのうちから一の記録モードの選択をユーザから受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録モードとして前記モノクロ記録モードが選択されたとき、前記被写体の輝度にかかわらず、前記表示手段の表示状態をモノクロの表示用画像を表示する状態に維持することを特徴とするデジタルカメラ。
【0135】
これによれば、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたとき、表示手段の表示状態がモノクロの表示用画像を表示する状態に維持されるため、視覚上において表示手段の表示状態が大きく変更されず、視覚上の違和感を無くすことができる。
【0136】
(3) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記画像信号の信号値を、輝度成分値と色差成分値とに変換しつつ前記色差成分値を補正する変換手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記変換手段の前記色差成分値の補正量を変更することにより前記表示用画像の彩度を調整し、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【0137】
これによれば、変換手段の色差成分値の補正量を変更することにより、表示手段の表示状態を低彩度カラー表示状態にするため、低彩度カラー表示状態で表示される低彩度の表示用画像を生成するために特別な回路などが不要であり、デジタルカメラを小型化することができる。
【0138】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし5の発明によれば、被写体の状態が変化して表示手段の表示状態が第1状態から第2状態に変更される際においては、表示手段の表示状態が、第1状態から中間的な第3状態に変更された後、さらに第2状態に変更される。このため、表示状態が変更されるときの視覚上の違和感を軽減することができる。
【0139】
また特に、請求項2の発明によれば、表示手段の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に変更された場合における大きな視覚上の違和感を軽減することができる。
【0140】
また特に、請求項3の発明によれば、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0141】
また特に、請求項4の発明によれば、表示手段の表示状態がカラー表示状態と低彩度カラー表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0142】
また特に、請求項5の発明によれば、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更されると、その状態に所定時間以上維持されるため、表示手段の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図である。
【図3】デジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図4】CCDの受光部の画素配列の一例を示す図である。
【図5】「通常間引モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。
【図6】「画素加算モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。
【図7】画像処理部の機能構成を示す図である。
【図8】撮影モードの動作の流れを示す図である。
【図9】第1の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図10】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図11】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図13】被写体の輝度と表示モードとの関係を示す図である。
【図14】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図15】第3の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図16】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
4 全体制御部
25 タイマ
34 画像処理部
37 輝度演算部
51 撮像制御部
52 画像処理制御部
53 表示モード設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示用画像を表示する表示手段を有するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラにおいては、撮影待機状態においてライブビュー表示を行うために、液晶ディスプレイ(LCD)や電子ビューファインダ(EVF)などの表示装置が採用されている。ライブビュー表示を行う際には、CCDなどの撮像素子において露光が行われ、撮像素子から出力される画像信号から表示用画像が生成され、この表示用画像を表示装置が表示するという動作が所定時間ごとに繰り返される。ユーザは、このようなライブビュー表示を視認することにより、撮像する構図を所望のものに決定することができる。
【0003】
また一般に、デジタルカメラにおいては、被写体の輝度が比較的低く、撮像素子から出力される画像信号の十分な信号値(画素値)が得られない場合は、その信号値を増幅するようにしている。しかしながら、信号値を増幅した場合には画像信号中のノイズも増幅されることから、信号値を過度に増幅すると、ノイズによりライブビュー表示の視認性が悪化する可能性がある。
【0004】
従来、この問題を解消するため、ライブビュー表示中において被写体の輝度がある閾値より低くなったとき、撮像素子中の隣接する複数の画素の電荷を加算する画素加算を行うデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このデジタルカメラでは、電荷の加算により画像信号の信号値を高めることができるため、信号値を大きく増幅する必要が無くなり、ライブビュー表示におけるノイズが低減されるようになっている。
【0005】
その他、この出願に関連する先行技術文献情報として特許文献2がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−285684号公報
【特許文献2】
特開2000−152163号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像素子の各画素は一の色成分のみの値を取得するため、上記のように隣接する複数の画素の電荷を加算する画素加算を行うと、画像信号における色情報は失われてしまう。したがって、画素加算を行った場合は、ライブビュー表示中においてカラーの表示用画像を表示することができず、モノクロの表示用画像が表示されることとなる。
【0008】
このことから、従来のデジタルカメラのように、被写体の輝度に応じて画素加算を行う動作に切り替えると、表示装置の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変化するため、ユーザに対して視覚上の違和感を与えることとなる。その結果、構図の失敗やシャッターチャンスを逃すなどの問題が生じる可能性があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表示手段の表示状態が変更されるときの視覚上の違和感を軽減することができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、被写体に係る画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号を処理して得られる表示用画像を表示する表示手段とを有するデジタルカメラであって、前記被写体の状態を検出する検出手段と、前記被写体の状態の変化に基づいて、表示される表示用画像の特性が相違する第1状態と第2状態との間で、前記表示手段の表示状態を変更可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態を前記第1状態から前記第2状態に変更すべく前記被写体の状態が変化したとき、前記表示手段の表示状態を前記第2状態に変更する前に、前記第1状態で表示される表示用画像の特性と前記第2状態で表示される表示用画像の特性との間の特性を有する表示用画像を表示する第3状態に変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、前記検出手段により検出される前記被写体の状態は、前記被写体の輝度であり、前記第1状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態であり、前記第2状態は、モノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態であり、前記第3状態は、前記カラー表示状態において表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第1閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記モノクロ表示状態に変更し、前記表示手段の表示状態が前記モノクロ表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第2閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更するものであり、前記第1閾値は、前記第2閾値より小であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態が前記カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第3閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更し、前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第4閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記カラー表示状態に変更するものであり、前記第3閾値は、前記第4閾値より小であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更したとき、前記被写体の輝度にかかわらず、前記表示状態を前記低彩度カラー表示状態に所定時間以上維持することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.デジタルカメラの構成>
図1および図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図であり、図1は正面図、図2は背面図に相当する。
【0017】
デジタルカメラ1の正面側には、被写体の光像を結像するためのレンズ群を備えた撮影レンズ2、および、デジタルカメラ1をユーザが保持するためのグリップ部9が設けられる。このグリップ部9の上部には、撮像に係る動作の開始指示をユーザから受け付けるためのシャッタボタン11が設けられる。
【0018】
シャッタボタン11の上方には、電源のオン/オフを切り替えるとともに、「撮影モード」と「再生モード」との間で動作モードを切り替えるダイヤル式のメインスイッチ14が設けられる。撮影モードは被写体を撮影して記録用画像を生成し記録媒体に記録する動作モードであり、再生モードは記録された画像を再生表示する動作モードである。
【0019】
グリップ部9の逆側の側面上方には、「画像サイズ」、「露出モード」および「ドライブモード」等の項目を設定するためのファンクションダイヤル12が設けられている。ファンクションダイヤル12によって所望の項目にセットした後、グリップ部9上部の選択ダイヤル13を回転させることにより、セットされた項目の設定内容を順次変更することができる。
【0020】
デジタルカメラ1の背面側には、ライブビュー表示、記録された画像の再生表示および設定メニューの表示等を行うためのカラーの表示装置である電子ビューファインダ(以下、「EVF」という。)21および液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)22が設けられている。EVF21とLCD22とには同一内容の表示用画像が表示されるが、省電力化を図るため、表示用画像はEVF21とLCD22との双方同時には表示されず、いずれか一方のみに表示されるようになっている。いずれの表示装置に表示用画像を表示するかは、EVF21の右方に設けられるディスプレイ切り替えレバー19により指定される。
【0021】
LCD22の右方にはメニューボタン18および十字キー17が設けられる。十字キー17は上スイッチ17U、下スイッチ17D、左スイッチ17Lおよび右スイッチ17Rからなる4連スイッチ、ならびに、その中央の決定ボタン17Cから構成される。メニューボタン18を押下すると表示装置に設定メニューが表示され、設定メニューを参照しつつ十字キー17を操作することによって、デジタルカメラ1の各種の設定を行うことができる。
【0022】
また、デジタルカメラ1の内部にはカードスロット29が設けられ、デジタルカメラ1の側面から記録媒体であるメモリカード91を挿入して装着できる。撮影モードにおいて生成される記録用画像は、このメモリカード91に記録される。
【0023】
<1−2.デジタルカメラの内部構成>
デジタルカメラ1の各種の動作制御は、内部に設けられる全体制御部によって実現される。図3は、全体制御部4を含む、デジタルカメラ1の主たる内部構成を機能ブロックを用いて示す図である。
【0024】
CCD31は、被写体に係る画像信号を出力する撮像素子であり、撮影レンズ2により結像された被写体の光像を光電変換して電荷を蓄積する受光部、蓄積された電荷を転送する垂直転送部および水平転送部、ならびに、電荷を信号(電圧)に変換して出力する出力部等から構成される。
【0025】
受光部は、露光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積する複数の画素から構成される。各画素にはそれぞれ、R(赤)G(緑)B(青)のいずれかのカラーフィルタが貼付されており、各画素はRGBのうちの一の色成分のみに係る電荷を蓄積する。図4は、CCD31の受光部の画素配列の一例を示す図である。図4に示すように受光部の画素配列は、水平(横)2560×垂直(縦)1920画素の二次元配列となっている。各画素に貼付されたカラーフィルタ(色成分)の配列はベイヤー配列となっており、近傍4画素領域31aには、Gフィルタの画素が2つ、Rフィルタの画素が1つ、Bフィルタの画素が1つ含まれている。なお、受光部に貼付されるカラーフィルタとしては、C(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)の組み合わせからなる補色系のカラーフィルタを採用してもよい。
【0026】
CCD31からの画像信号の出力は、タイミングジェネレータ24から送信される種々の信号(駆動パルス)に応じて行われる。具体的には、駆動パルスに応じて、受光部の各画素に蓄積された電荷が読み出されて垂直転送部へ転送された後、一の水平方向の画素列(以下、「水平画素列」という。)ごとに水平転送部に転送される。そして、リセットゲートパルスに応じて、電荷が変換された信号(画像信号)が一画素ごとに出力部から出力される。
【0027】
また、CCD31は、画像信号を出力する様々な出力モードを備えており、種々の出力手法により画像信号を出力することができる。このような出力モードには、全画素(水平2560×垂直1920画素)の信号を画像信号として出力する「全画素出力モード」と、間引きにより垂直方向の画素数が削減された信号を画像信号として出力する「間引出力モード」とがある。さらに、「間引出力モード」には、一の画素ごとの電荷に相当する信号からなる画像信号を出力する「通常間引モード」と、水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した結果に相当する信号からなる画像信号を出力する「画素加算モード」とがある。
【0028】
図5および図6は、「間引出力モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。図5は出力モードが「通常間引モード」の場合を示しており、図6は出力モードが「画素加算モード」の場合を示している。図中の符号L0〜符号L16はそれぞれCCD31の水平画素列を示しており、水平画素列L0がCCD31の端部の水平画素列である。以下、水平画素列L0から、第0水平画素列L0、第1水平画素列L1、第2水平画素列L2…と称する。
【0029】
図5に示すように、出力モードが「通常間引モード」の場合は、水平画素列が1/4の割合に間引かれつつ、各画素の電荷が転送される。転送された電荷は、リセットゲートパルスに応じて一の画素毎に信号に変換される。これにより、垂直方向の画素数が1/4に削減された水平2560×垂直480画素からなる画像信号がCCD31から出力される。ただし、出力される水平画素列の間隔は一定ではなく、画像信号においても画素の色成分の配列がベイヤー配列となるように調整される。具体的には、第0水平画素列L0、第5水平画素列L5、第8水平画素列L8、第13水平画素列L13…と、図5中ハッチングにて示した水平画素列が出力される。
【0030】
一方、図6に示すように、出力モードが「画素加算モード」の場合においては、「通常間引モード」と同様にして垂直方向の画素数が1/4に削減されるが、リセットゲートパルスの発生周期は「通常間引きモード」に比べて4倍の周期とされる。このため、電荷は水平方向に隣接する4画素ごとに信号に変換される。すなわち、図6中ハッチングにて示した画素の電荷に対して水平方向に隣接する3つの画素の電荷が加算され、この加算された電荷が信号に変換されることとなる。これにより、画像信号における一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当することとなる。また、画像信号における水平方向の画素数も1/4に削減されることから、水平640×垂直480画素からなる画像信号がCCD31から出力される。
【0031】
このような各出力モードにおける動作を含むCCD31の動作は、タイミングジェネレータ24から送信される信号によって制御される。タイミングジェネレータ24は、全体制御部4からの信号に基づいてCCD31に対して各種の信号を送信することとなる。
【0032】
図3に戻り、信号処理部32は、CDS(相関二重サンプリング)回路およびAGC(オートゲインコントロール)回路等をその内部に有し、CCD31から出力される画像信号(アナログ信号)に所定の信号処理を施す。具体的には、CDS回路により画像信号のノイズの低減が行われ、AGC回路により画像信号の信号値の増幅が行われる。
【0033】
A/D変換部33は、アナログ信号である画像信号を、各画素ごとに例えば12ビットのデジタル信号に変換する。デジタル信号とされた画像信号は、画像処理部34および輝度演算部37に入力される。
【0034】
画像処理部34は、画像信号に対して各種の画像処理を行い、ライブビュー表示に用いるための表示用画像、あるいは、メモリカード91に記録するための記録用画像を生成する。図7は、画像処理部34の機能構成を機能ブロックを用いて示す図である。
【0035】
WB(ホワイトバランス)補正部61は、ホワイトバランス補正を行うものであり、撮影光源の分光特性に応じて生じる画像信号の色バランスの偏りを、変換テーブルを用いて補正する。補正に用いる変換テーブルは、全体制御部4から画像信号ごとに入力される。
【0036】
画素補間部62は、画像信号の各信号値(画素値)の色成分値を補間する。すなわち、画像信号の各信号値はRGBのうち一の色成分値のみを有しているため、全ての色成分値を有するように、周辺画素の色成分値に基づいて残りの色成分値が求められる。これにより、画像信号のカラー化がなされる。
【0037】
γ補正部63は、γ補正を行うものであり、画像信号の階調特性を、表示装置のγ特性に適合するように補正テーブルを用いて補正する。補正に用いる補正テーブルは、全体制御部4から画像信号ごとに入力される。
【0038】
色変換部64は、変換マトリクスを用いて色空間の変換を行い、RGBの3つの色成分値からなる画像信号の各信号値(画素値)を、YCrCb値(輝度成分値Yと色差成分値Cr,Cb)に変換する。これとともに、色差成分値Cr,Cbを補正して、画像信号の彩度の調整を行う。本実施の形態では、次の数1に示す変換式によって信号値の色空間の変換が行われる。
【0039】
【数1】
【0040】
数1に示すように、色差成分値Cr,Cbに係る変換マトリクス中の変換係数には、色差成分値Cr,Cbを補正するための係数kが含まれている。この係数kを変更することは、色差成分値Cr,Cbの補正量を変更することに相当し、さらに画像信号の彩度を変更することに相当する。すなわち、この係数kを大とすれば色差成分値Cr,Cbが大となるため画像信号の彩度が高くなり、逆に、係数kを小とすれば色差成分値Cr,Cbが小となるため画像信号の彩度が低くなる。係数kは、デジタルカメラ1の動作状態に応じて全体制御部4により設定される。
【0041】
解像度変換部65は、画像信号に含まれる画素を間引いて、画像信号の解像度を、目的とする解像度に変換する。本実施の形態においてEVF21およびLCD22の表示解像度は、水平640×垂直480画素となっている。このため、表示用画像を生成する場合は、水平640×垂直480画素となるように画像信号の解像度が変換される。また、記録用画像を生成する場合は、ファンクションダイヤル12等により設定された「画像サイズ」に合わせて、画像信号の解像度が変換される。
【0042】
図3に戻り、画像処理部34により生成された表示用画像は表示切替部35に入力され、一方、記録用画像は画像圧縮部36に入力される。表示切替部35は、ディスプレイ切り替えレバー19により指定された表示装置(EVF21またはLCD22)に対して表示用画像を送信して、該表示装置に表示用画像を表示させる。また、画像圧縮部36は、記録用画像を例えばJPEG方式などの圧縮方式にて圧縮した後、メモリカード91に記録する。
【0043】
輝度演算部37は、A/D変換部33から入力された画像信号に基づいて、被写体の輝度を導出する。輝度演算部37により導出された被写体の輝度は、全体制御部4に入力される。なお、以下の説明においては、輝度演算部37により導出される被写体の輝度を、APEX表示におけるBV(ブライトネスバリュー)換算値で表現し、被写体の輝度に記号BVを用いる。
【0044】
レンズ駆動部23は、全体制御部4から入力される信号に基づいて、撮影レンズ2の内部に含まれる部材、例えば、被写体像の合焦状態を調節するレンズ群や入射光量を調節する絞り等の駆動を行う。
【0045】
操作部材10は、上述したシャッタボタン11、ファンクションダイヤル12、メニューボタン18および十字キー17等を一の機能ブロックとして示したものである。操作部材10の操作内容は信号として全体制御部4に入力される。また、タイマ25は、全体制御部4からの信号に基づいて計時を行い、計時結果を全体制御部4に入力する。
【0046】
全体制御部4は、マイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部4は、各種演算処理を行うCPU41と、演算を行うための作業領域となるRAM42と、制御プログラム等が記憶されるROM43とを備え、上述したデジタルカメラ1の各部の動作を統括的に制御する。
【0047】
全体制御部4の各種の機能は、予めROM43内に記憶される制御プログラムに従ってCPU41が演算処理を行うことにより実現される。なお、ROM43はEPROMなどの追記が可能な不揮発性メモリで構成されており、メモリカード91からの読出などにより、新たな制御プログラムをROM43に格納(インストール)することも可能とされている。図3において撮像制御部51、画像処理制御部52および表示モード設定部53は、制御プログラムに従ってCPU41が演算動作を行うことにより実現される機能の一部を機能ブロックとして模式的に示している。
【0048】
撮像制御部51は、撮像に係る制御を行うものであり、露出制御機能、フォーカス制御機能、および、出力モード変更機能を有している。
【0049】
露出制御機能は、画像信号の明るさが適正になるように露出制御(AE)を行う機能である。具体的には、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVに基づいて、シャッタスピードおよび絞り値が設定される。デジタルカメラ1においてはシャッタ方式として電子シャッタ方式が採用され、シャッタスピードはCCD31の露光時間(電荷蓄積時間)に相当する。このため、設定されたシャッタスピードは、信号としてタイミングジェネレータ24に出力され、CCD31は設定された露光時間だけ露光するように制御される。一方、設定された絞り値はレンズ駆動部23に出力され、設定された絞り値に相当する開口径となるように撮影レンズ2内の絞りが駆動される。また、被写体が低輝度で露光不足となる場合は、露出制御機能により信号処理部32のAGC回路による信号値の増幅率が増加される。
【0050】
フォーカス制御機能は、CCD31の受光面における被写体の光像が合焦状態となるように撮影レンズ2内のレンズ群を移動させるフォーカス制御(AF)を行う機能である。具体的には、レンズ駆動部23に信号を送信してレンズ群を駆動させつつ画像信号のコントラストを監視し、画像信号のコントラストが最も高くなる位置にレンズ群を移動させる。
【0051】
出力モード変更機能は、デジタルカメラ1の動作状態に応じて、CCD31の出力モードを「全画素出力モード」、「通常間引モード」および「画素加算モード」の間で変更する機能である。出力モードを変更する場合は、その旨を示す信号がタイミングジェネレータ24に送信される。これにより、CCD31は、変更された出力モードの動作を行うように制御される。
【0052】
画像処理制御部52は、デジタルカメラ1の動作状態に応じて、画像処理部34の処理内容を制御する。具体的には、WB補正部61で使用する変換テーブルや、γ補正部63で使用する補正テーブルを画像処理部34に入力するとともに、色変換部64における係数kや、解像度変換部65が目的とする解像度を設定する。また、デジタルカメラ1の動作状態によっては、画像処理部34の各部を選択的に非能動化させる。
【0053】
表示モード設定部は、ライブビュー表示を行う際の表示装置(EVF21およびLCD22)の表示モードを設定する。本実施の形態の表示モードには、カラーの表示用画像を表示させる「通常カラー表示モード」と、「通常カラー表示モード」で表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する「低彩度カラー表示モード」と、モノクロ(彩度が無く階調のみがある状態:グレースケール)の表示用画像を表示する「モノクロ表示モード」とがある。このような表示モードは、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVに基づいて設定される。
【0054】
<1−3.デジタルカメラの基本動作>
次に、デジタルカメラ1の撮影モードにおける基本的な動作について説明する。図8は、撮影モードの動作の流れを示す図である。
【0055】
デジタルカメラ1は、動作モードが撮影モードに設定されると、撮影待機状態となり、被写体の状態を示す表示用画像を時間的に連続して表示装置に表示するライブビュー表示動作が行われる。すなわち、ライブビュー表示のためにCCD31にて露光が行われ(ステップS1)、CCD31から出力される画像信号に対して画像処理部34などにより所定の処理がなされて表示用画像(ライブビュー画像)が生成され(ステップS2)、生成された表示用画像が表示装置(EVF21またはLCD22)に表示される(ステップS3)。このようなライブビュー表示動作は、シャッタボタン11が押下されるまで(ステップS4にてNoの間)、所定の時間間隔で(例えば、1/30秒ごとに)繰り返される。
【0056】
また、このライブビュー表示動作中においては、輝度演算部37から入力される被写体の輝度BVが常時監視され、被写体の輝度BVに基づいて表示モードを設定する処理(表示モード設定処理:ステップS5)が表示モード設定部53により繰り返し行われる。これにより、被写体の輝度BVに応じて、適宜、表示モードが変更設定され、設定された表示モードに従ったライブビュー表示動作(ステップS1〜S3)がなされることとなる(詳細は後述)。
【0057】
シャッタボタン11が押下されると(ステップS4にてYes)、撮像制御部51により露出制御(AE)およびフォーカス制御(AF)がなされる(ステップS6)。これにより、シャッタスピードおよび絞り値が設定されるとともに、被写体の光像が合焦状態とされる。
【0058】
続いて、記録用の画像信号を取得するために、設定された露光時間CCD31にて露光が行われる(ステップS7)。そして、CCD31から出力される画像信号に対して画像処理部34などにより所定の処理がなされて記録用画像が生成される(ステップS8)。生成された記録用画像は、画像圧縮部36により圧縮され、メモリカード91に記録される(ステップS9)。記録用画像の記録がなされると、再度、ステップS1に戻り、ライブビュー表示動作が行われることとなる。
【0059】
<1−4.画像信号の処理内容>
次に、上記のようなライブビュー表示動作中(ステップS1〜S3)および記録動作中(ステップS7〜S9)それぞれの画像信号に対する処理内容について図7を参照しつつ説明する。図7において、符号P1,P2,P3で示す矢印はそれぞれライブビュー表示動作中における画像信号の処理の流れを示し、符号P1は表示モードが「通常カラー表示モード」の場合、符号P2は表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合、符号P3は表示モードが「モノクロ表示モード」の場合をそれぞれ示している。それぞれの表示モードにおいて詳述するように、これらはカラー表示特性(具体的には彩度表現特性)が異なる3つの状態となっている。また、符号P4で示す矢印は記録動作中における画像信号の処理の流れを示している。以下、それぞれについて説明する。
【0060】
<1−4−1.通常カラー表示モード>
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合(符号P1)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「通常間引モード」に設定される。これにより、CCD31からは水平2560×垂直480画素からなる画像信号が出力される。この画像信号は、画素の色成分の配列がベイヤー配列であり、色の情報を有している。
【0061】
画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされる。さらに、γ補正部63においてγ補正された後、色変換部64にて各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。この色空間の変換時においては、画像処理制御部52の制御により、数1の変換マトリクスの係数kが「1」(k=1)とされる。
【0062】
続いて、画像信号は、解像度変換部65において水平640×垂直480画素に変換されて表示用画像とされる。そして、生成された表示用画像は、表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。これにより、表示装置の表示状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態となる。
【0063】
<1−4−2.低彩度カラー表示モード>
また、表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合(符号P2)は、上述した「通常カラー表示モード」の場合とほぼ同様の処理がなされるが、色空間の変換時において用いられる特性値としての数1の変換マトリクスの係数kが「0.5」(k=0.5)とされる。
【0064】
すなわち、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「通常間引モード」に設定され、CCD31からは水平2560×垂直480画素からなる画像信号が出力される。画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされ、γ補正部63においてγ補正される。
【0065】
続いて、画像処理制御部52の制御により、色変換部64にて係数k=0.5となる変換マトリクスが用いられ、各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65において解像度が変換されて表示用画像とされる。この表示用画像は、「通常カラー表示モード」の表示用画像と比較して、色差成分値Cr,Cbが小となり、彩度は低くなる。
【0066】
生成された表示用画像は、表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。これにより、表示装置の表示状態は、「通常カラー表示モード」において表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態となる。
【0067】
<1−4−3.モノクロ表示モード>
また、表示モードが「モノクロ表示モード」の場合(符号P3)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「画素加算モード」に設定される。これにより、CCD31からは水平640×垂直480画素からなる画像信号が出力される。
【0068】
前述したように、この画像信号の一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当する。しかしながら、隣接する複数の画素の加算により色成分のベイヤー配列は崩れ、結果として画像信号の色の情報は失われることとなる。つまり、画像信号に含まれる各信号値は、色成分に関連のない階調値のみを有することとなる。このため、画像信号の各信号値は輝度成分値Yに相当することから、輝度成分値Yとしてそのまま利用される。換言すれば、数1の変換マトリクスにおける変換特性値としての係数kを「0」(k=0)とした場合と等価になる。
【0069】
したがって、この画像信号に対しては色に関する処理は必要なくなることから、画像処理制御部52の制御により画像処理部34のWB補正部61、画素補間部62および色変換部64は非能動化される。このため、画像信号が画像処理部34に入力されると、そのままγ補正部63に入力されてγ補正のみがなされる。また、画像信号の解像度は、表示装置の表示解像度と一致するため、解像度変換部65も非能動化される。これにより、画像信号はそのまま表示用画像として表示切替部35に入力され、指定された表示装置に表示される。表示用画像は輝度成分値Yのみを有し、色差成分値Cr,Cbは0であるため無彩度のモノクロ画像となる。このことから、表示装置の表示状態は、モノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態となる。
【0070】
<1−4−4.記録動作中>
また、記録動作中の場合(符号P4)は、CCD31の出力モードは撮像制御部51により「全画素出力モード」に設定される。これにより、CCD31からは全画素、すなわち、水平2560×垂直1920画素からなる画像信号が出力される。この画像信号は、画素の色成分の配列がベイヤー配列であり、色の情報を有している。その後は、「通常カラー表示モード」とほぼ同様の処理が行われる。
【0071】
すなわち、画像信号が画像処理部34に入力されると、WB補正部61にてホワイトバランス補正され、画素補間部62により色成分値が補間されて各信号値がRGB値とされ、γ補正部63においてγ補正される。続いて、画像処理制御部52の制御により、色変換部64にて係数k=1となる変換マトリクスが用いられ、各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65においてファンクションダイヤル12等により設定された「画像サイズ」に合わせて解像度が変換されて記録用画像とされる。生成されたカラーの記録用画像は、画像圧縮部36に入力され圧縮された後、メモリカード91に記録される。
【0072】
<1−5.表示モード設定処理>
次に、上述したような表示モードから一の表示モードを設定する表示モード設定処理(図8:ステップS5)について説明する。
【0073】
一般に、表示装置の表示状態はカラー表示であることが好ましいため、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、通常、表示モードを「通常カラー表示モード」に設定するようにしている。
【0074】
ただし、被写体の輝度BVが極端に低下した場合は、画像信号の信号値が低下するため、AGC回路による信号値の増幅率が増加される。このため、画像信号中のノイズも増幅されることとなり、ライブビュー表示において被写体の状態の把握が困難となる。このことから、本実施の形態のデジタルカメラ1は、被写体の輝度BVが極端に低下した場合は、表示モードを「モノクロ表示モード」に設定するようにしている。「モノクロ表示モード」においては、CCD31の出力モードが「画素加算モード」に設定されるため、画像信号の一画素分の信号値(画素値)は、CCD31の水平方向に隣接する4画素分の電荷を加算した値に相当する。このため、ノイズの増加を伴うことなく画像信号の信号値を高めることができ、ノイズの少ない表示用画像を表示装置に表示することができることとなる。
【0075】
しかしながら、表示モードを「通常カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間のみで変化させると、表示装置の表示状態が、カラー表示状態からモノクロ表示状態、あるいは、モノクロ表示状態からカラー表示状態に突然変化することとなる。このような表示状態の変化は、ユーザに対して視覚上の違和感を与えることとなる。このため、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、表示モードを変更すべく被写体の輝度BVが変化した場合は、一旦、表示モードを「低彩度カラー表示モード」に設定し、被写体の輝度BVがさらに変化したときに、表示モードを目的とする表示モードに設定するようにしている。以下、このような表示モードを設定する処理について具体的に説明する。
【0076】
図9は、表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS11)。
【0077】
次に、被写体の輝度BVが2つの閾値、すなわち、第1基準値および第2基準値と比較される(ステップS12)。2つの閾値の関係は第1基準値<第2基準値となっており、本実施の形態においては第1基準値は「−2」、第2基準値は「−1」(いずれもAPEX表示におけるBV換算値)に設定されている。なお、これらの基準値の具体値は一例であり、他の値としてもよい。
【0078】
被写体の輝度BVが第2基準値以上の場合は、被写体の輝度BVが比較的高くノイズが大きく増幅されることはないため、表示モードは「通常カラー表示モード」に設定される(ステップS13)。これにより、表示装置の表示状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態(以下、「通常カラー表示状態」という。)となる。
【0079】
一方、被写体の輝度BVが第1基準値未満の場合は、被写体の輝度BVが比較的低くノイズが大きく増幅されることとなるため、表示モードは「モノクロ表示モード」に設定される(ステップS15)。これにより、表示装置の表示状態は、ノイズが少ないモノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態となる。
【0080】
また、被写体の輝度BVが、第1基準値以上、かつ、第2基準値未満の場合は、表示モードが「低輝度カラー表示モード」に設定される(ステップS14)。これにより、表示装置の表示状態は、低彩度のカラーの表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態となる。
【0081】
図10は、図9の表示モード設定処理により、被写体の輝度BVの変化に応じて、表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。図10において横軸は時間であり、符号T0〜T8はそれぞれ時点を示している。また、図10の上部は被写体の輝度BVの変化の一例を示しており、下部は設定される表示モードを示している。
【0082】
図に示すように、被写体の輝度BVが低下する場合は、被写体の輝度BVが第2基準値(−1)未満となった時点T2で、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。そして、さらに被写体の輝度BVが第1基準値(−2)未満となった時点T4で、表示モードが「低彩度カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更される。
【0083】
このように表示モードを「通常カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更すべく被写体の輝度BVが低下したときにおいては、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される前に、一旦「低彩度カラー表示モード」に変更される。したがって、表示装置の表示状態が、通常カラー表示状態からモノクロ表示状態に突然変更されることはなく、一旦それらの中間的な低彩度カラー表示状態に変更された後、モノクロ表示状態に変更される。
【0084】
一方、被写体の輝度BVが上昇する場合は、被写体の輝度BVが第1基準値(−2)以上となった時点T5で、表示モードが「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。そして、さらに被写体の輝度BVが第2基準値(−1)以上となった時点T7で、表示モードが「低彩度カラー表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更される。
【0085】
このように表示モードを「モノクロ表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更すべく被写体の輝度BVが上昇したときにおいても、表示モードが「通常カラー表示モード」に変更される前に、一旦「低彩度カラー表示モード」に変更される。したがって、表示装置の表示状態が、モノクロ表示状態から通常カラー表示状態に突然変更されることはなく、一旦それらの中間的な低彩度カラー表示状態に変更された後、通常カラー表示状態に変更される。
【0086】
このように表示装置の表示状態は段階的に変更され、表示状態の変化を自然とすることができる。その結果、表示装置の表示状態の変化による視覚上の違和感を軽減することができることとなる。
【0087】
以上、第1の実施の形態について説明してきたが、本実施の形態のデジタルカメラにおいては、表示装置の表示状態を、通常カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更すべく被写体の輝度が変化したとき、表示装置の表示状態を目的とする表示状態とする前に、通常カラー表示状態で表示される表示用画像の彩度とモノクロ表示状態で表示される表示用画像の彩度との間の彩度を有する表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態に変更する。このため、表示装置の表示状態を段階的に変化させることができ、視覚上の違和感を軽減することができる。
【0088】
また、「低彩度カラー表示モード」においては、一般的なデジタルカメラが有している色変換部64における色差成分値の補正量(係数k)を変更することにより、表示用画像の彩度を調整し、表示装置の表示状態を低彩度カラー表示状態にしている。このため、低彩度の表示用画像を生成するために特別な回路などが不要であるため、デジタルカメラを小型化することができる。これとともに、一般的なデジタルカメラの簡単な仕様変更のみで本実施の形態のデジタルカメラ1を実現することができる。
【0089】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、被写体の輝度BVを2つの閾値(第2基準値および第1基準値)と比較し、その大小のみによって表示モードを設定していた。このような制御を行った場合、被写体の輝度BVが閾値近傍の値であると、表示モードが頻繁に変更される可能性がある。
【0090】
図11は、被写体の輝度BVが「−1」(第2基準値)の近傍の値となる場合に、第1の実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図11の上部は、図10と同様に、被写体の輝度BVの変化を示しており、下部は設定される表示モードを示している。また、符号T20〜T30はそれぞれ時点を示している。
【0091】
図11の例においては、被写体の輝度BVが第2基準値(−1)の近傍で頻繁に変化し、第2基準値に対して大あるいは小となることが繰り返されている。このように被写体の輝度BVが変化した場合は、図に示すように表示モードが「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」との間で頻繁に変更される。同様に、被写体の輝度BVが第1基準値(−2)の近傍で頻繁に変化した場合は、表示モードが「低彩度カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間で頻繁に変更されることとなる。
【0092】
このように表示モードが頻繁に変更される(すなわち、表示装置の表示状態が頻繁に変更される)と、表示装置の表示にちらつきが生じ、ユーザに対して視覚上の違和感や不快感を与えることとなる。本実施の形態のデジタルカメラでは、このような表示モードの変更の頻度を減少させて、視覚上の違和感をさらに低減させるようにしている。本実施の形態のデジタルカメラ1の構成および動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、表示モード設定部53によりなされる表示モード設定処理(図8:ステップS5)のみが相違する。このため以下では、主として表示モード設定処理について説明する。
【0093】
図12は、本実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS21)。次に、現在の表示モードがいずれの表示モードであるかが判定され(ステップS22)、表示モードに応じて、被写体の輝度BVが所定の閾値と比較される。
【0094】
本実施の形態では、被写体の輝度BVは4つの閾値、すなわち、第1ないし第4閾値と比較される。4つの閾値の関係は、第1閾値<第2閾値<第3閾値<第4閾値となっており、本実施の形態においては第1閾値は「−2」、第2閾値は「−1.5」、第3閾値は「−1」、第4閾値は「−0.5」(いずれもAPEX表示におけるBV換算値)に設定されている。なお、これらの閾値の具体値は一例であり、他の値としてもよい。
【0095】
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合は、被写体の輝度BVが第3閾値未満であるかが判定される(ステップS23)。そして、被写体の輝度BVが第3閾値以上であれば、表示モードは「通常カラー表示モード」に維持され(ステップS27)、被写体の輝度BVが第3閾値未満であれば、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に変更される(ステップS28)。
【0096】
また、表示モードが「低彩度カラー表示モード」の場合は、まず、被写体の輝度BVが第4閾値以上であるかが判定される(ステップS24)。被写体の輝度BVが第4閾値以上であれば、表示モードは「通常カラー表示モード」に変更される(ステップS27)。一方、被写体の輝度BVが第4閾値未満であれば、さらに、被写体の輝度BVが第1閾値未満であるかが判定される(ステップS25)。そして、被写体の輝度BVが第1閾値未満であれば、表示モードは「モノクロ表示モード」に変更され(ステップS29)、被写体の輝度BVが第1閾値以上であれば表示モードは「低彩度カラー表示モード」に維持される(ステップS28)。
【0097】
また、表示モードが「モノクロ表示モード」である場合は、被写体の輝度BVが第2閾値未満であるかが判定される(ステップS26)。そして、被写体の輝度BVが第2閾値未満であれば、表示モードは「モノクロ表示モード」に維持され(ステップS29)、被写体の輝度BVが第2閾値以上であれば、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に変更される(ステップS28)。
【0098】
図13は、被写体の輝度BVと、図12の表示モード設定処理によって設定される表示モードとの関係を示す図である。
【0099】
表示モードが「通常カラー表示モード」の場合に被写体の輝度が低下したときは、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)未満となったとき、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更され、さらに被写体の輝度BVが第1閾値(−2)未満となったとき、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。一方、表示モードが「モノクロ表示モード」の場合に被写体の輝度が上昇したときは、被写体の輝度BVが第2閾値(−1.5)以上となったとき、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更され、さらに被写体の輝度BVが第4閾値(−0.5)以上となったとき、表示モードが「通常カラー表示モード」に変更される。
【0100】
つまり、被写体の輝度BVの変化に対する表示モードの変化の追随が遅れるように(すなわち、これらの変化の関係が一種のヒステリシスを有するように)、表示モードが設定されることとなる。これにより、被写体の輝度BVが多少変化しても表示モードが変更されにくくなり、表示モード(すなわち、表示装置の表示状態)が変更される頻度を低下させることができるわけである。その結果、表示装置の表示状態の変化による視覚上の違和感をさらに軽減することができることとなる。
【0101】
より具体的には、表示モードを「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更する際に参照される第3閾値(−1)は、表示モードを「低彩度カラー表示モード」から「通常カラー表示モード」に変更する際に参照される第4閾値(−0.5)よりも小である。したがって、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)まで低下して、一旦、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更された場合は、被写体の輝度BVが多少上昇しても第4閾値(−0.5)まで上昇しない限りは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。これにより、「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」との間で表示モードが変更される頻度を低下させることができることとなる。
【0102】
また同様に、表示モードを「低彩度カラー表示モード」から「モノクロ表示モード」に変更する際に参照される第1閾値(−2)は、表示モードを「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更する際に参照される第2閾値(−1.5)よりも小である。したがって、被写体の輝度BVが第2閾値(−1.5)まで上昇して、一旦、表示モードが「モノクロ表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更された場合は、被写体の輝度BVが多少低下しても第2閾値(−1.5)まで低下しない限りは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。これにより、「低彩度カラー表示モード」と「モノクロ表示モード」との間で表示モードが変更される頻度を低下させることができることとなる。
【0103】
図14は、図11と同様に被写体の輝度BVが変化した場合に、本実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図に示すように、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)まで低下した時点T21において、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。その後は、被写体の輝度BVが第4閾値(−0.5)以上、あるいは、第1閾値(−2)未満となるまで、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持される。このため、時点T21〜T29のように、被写体の輝度BVが第3閾値(−1)の近傍で頻繁に変化したときにおいても、表示モードは「低彩度カラー表示モード」に維持される。そして、被写体の輝度BVが第1閾値(−2)未満となった時点T30で、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。
【0104】
これと同様に、被写体の輝度BVがいずれの閾値の近傍で頻繁に変化した場合であっても、表示モードは維持されることとなる。これにより、表示装置の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感を軽減することができるわけである。
【0105】
以上、第2の実施の形態について説明してきたが、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第1閾値より小となったとき、表示装置の表示状態がモノクロ表示状態に変更される。また、表示手段の表示状態がモノクロ表示状態の場合は、被写体の輝度が第2閾値より大となったとき、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更される。第1閾値は、第2閾値より小であることから、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0106】
また、表示装置の表示状態が通常カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第3閾値より小となったとき、表示装置の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更される。また、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態の場合は、被写体の輝度が第4閾値より大となったとき、表示装置の表示状態が通常カラー表示状態に変更される。第3閾値は、第4閾値より小であることから、表示手段の表示状態が通常カラー表示状態と低彩度カラー表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0107】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、表示モードを変更する際に参照する閾値を、被写体の輝度BVが上昇するときと低下するときとで相違させることで、表示モードが変更される頻度を低下させていた。本実施の形態のデジタルカメラは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に設定された場合は、その状態を所定時間以上維持することで、表示モードが変更される頻度を低下させるようにしている。本実施の形態のデジタルカメラ1の構成および動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、表示モード設定部53によりなされる表示モード設定処理(図8:ステップS5)のみが相違する。このため以下では、主として表示モード設定処理について説明する。
【0108】
図15は、本実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。まず、ライブビュー表示のためにCCD31から出力される画像信号から、輝度演算部37により被写体の輝度BVが導出される(ステップS31)。次に、被写体の輝度BVが、前回の表示モード設定処理から閾値を超えて変化したか否かが判定される(ステップS32)。
【0109】
本実施の形態においては、被写体の輝度BVは一の閾値と比較される。この閾値は、本実施の形態においては「−1」(APEX表示におけるBV換算値)に設定されている。この閾値の具体値はあくまで一例であり、他の値としてもよい。また、本実施の形態においては、表示モード設定処理を行う毎に、導出された被写体の輝度BVがRAM42に記憶されるようになっている(ステップS40)。そして、ステップS32では、今回の表示モード設定処理において導出された被写体の輝度(以下、「現在輝度」という。)と、前回の表示モード設定処理において導出された被写体の輝度(以下、「前回輝度」という。)と、閾値とが比較される。
【0110】
具体的には、現在輝度が閾値未満、かつ、前回輝度が閾値以上の場合は、被写体の輝度BVが閾値を超えて低下しているため、ステップS32にてYesと判定される。また、現在輝度が閾値以上、かつ、前回輝度が閾値未満の場合も、被写体の輝度BVが閾値を超えて上昇しているため、ステップS32にてYesと判定される。その他の場合は、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化していないため、ステップS32にてNoと判定される。
【0111】
ステップS32にてYesと判定された場合は、タイマ25が計時を開始するとともに(ステップS33)、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に設定される(ステップS34)。
【0112】
一方、ステップS32にてNoと判定された場合は、現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」であるか否かが判定される(ステップS35)。現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」である場合は、さらに、タイマ25の計時時間が所定時間(例えば、1秒)を経過したか否かが判定される(ステップS36)。ここで、タイマ25の計時時間が、所定時間を経過していないとき(ステップS36にてNo)には、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される(ステップS34)。
【0113】
また、現在の表示モードが「低彩度カラー表示モード」でない場合(ステップS35にてNo)、あるいは、タイマ25の計時時間が所定時間を経過した場合(ステップS36にてYes)は、被写体の輝度(現在輝度)BVが閾値(−1)と比較される(ステップS37)。そして、被写体の輝度BVが閾値以上であれば、表示モードが「通常カラー表示モード」に設定され(ステップS38)、被写体の輝度BVが閾値未満であれば、表示モードが「モノクロ表示モード」に設定される(ステップS39)。表示モードが設定されると、次回の表示モード設定処理にて前回輝度として使用できるように、被写体の輝度BVがRAM42に記憶される(ステップS40)。
【0114】
本実施の形態では、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化したときのみ、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更される。また、タイマ25の計時時間は、被写体の輝度BVが閾値を超えて変化した時点からの経過時間である。したがって、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更されたときは、被写体の輝度にかかわらず所定時間は表示モードの状態が「低彩度カラー表示モード」に維持される。そして、タイマ25の計時時間が所定時間を経過した時点において、改めて被写体の輝度BVが判定され、表示モードが被写体の輝度BVに応じて設定されることとなる。
【0115】
また、被写体の輝度BVの閾値を超える変化が時間的に連続して生じた場合は、被写体の輝度BVが閾値を超える度に、タイマ25の計時時間がリセットされる(ステップS33)。このため、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に所定時間以上維持されることもある。
【0116】
このように、本実施の形態では、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に変更されたときは、被写体の輝度にかかわらず、所定時間以上、表示モードの状態が「低彩度カラー表示モード」に維持されることから、表示モードの変更の頻度を低下させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0117】
図16は、図11と同様に被写体の輝度BVが変化した場合に、本実施の形態の表示モード設定処理を行ったときの表示装置の表示状態を示す図である。図に示すように、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて低下した時点T21において、タイマ25の計時が開始されるとともに、表示モードが「通常カラー表示モード」から「低彩度カラー表示モード」に変更される。
【0118】
その後、タイマ25の計時時間が所定時間WTを経過するまで表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持されるが、所定時間WTを経過する前の時点T22において、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて上昇している。このため、この時点T22においてタイマ25の計時時間がリセットされて新たな計時が開始され、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される。以降同様に時点T29まで、タイマ25の計時時間が所定時間WTを経過する前に、被写体の輝度BVが閾値(−1)を超えて変化しているため、表示モードが「低彩度カラー表示モード」のまま維持される。そして、時点T29から所定時間WTが経過した時点T31において被写体の輝度BVが判定され、被写体の輝度BVが閾値(−1)以下であるため、表示モードが「モノクロ表示モード」に変更される。このように本実施の形態においても、被写体の輝度BVが閾値(−1)の近傍で頻繁に変化したときは、表示モードが「低彩度カラー表示モード」に維持されるため、視覚上の違和感を軽減することができることとなる。
【0119】
以上、第3の実施の形態について説明を行ったが、本実施の形態のデジタルカメラ1では、表示装置の表示状態を低彩度カラー表示状態に変更したとき、被写体の輝度BVにかかわらず、表示状態を低彩度カラー表示状態に所定時間以上維持する。このため、表示装置の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0120】
<4.第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。上記実施の形態のデジタルカメラは、カラーの記録用画像を記録するものであったが、本実施の形態のデジタルカメラは、記録用画像を記録するための記録モードとして、カラーの記録用画像を記録するカラー記録モードと、モノクロの記録用画像を記録するモノクロ記録モードとを備えている。
【0121】
本実施の形態のデジタルカメラ1の構成は、第1の実施の形態と同様である。ユーザは、メニューボタン18を押下した際に表示される設定メニューを参照しつつ十字キー17を操作することによって、カラー記録モードとモノクロ記録モードとのうちから一の記録モードを選択することができる。記録モードとしてカラー記録モードが選択された場合は、上記実施の形態と同様の動作がなされる。この動作は、第1ないし第3の実施の形態のいずれでもよい。
【0122】
また、記録モードとして、モノクロ記録モードが選択された場合においても、上記実施の形態とほぼ同様の動作がなされる。ただし、色空間を変換する際において係数k=0となる変換マトリクスが用いられる。
【0123】
すなわち、記録動作中においては、画像処理制御部52の制御により、色変換部64において係数k=0となる変換マトリクスが用いられ、画像信号の各信号値がRGB値からYCrCb値に変換される。そして、画像信号は、解像度変換部65において解像度が変換されて記録用画像とされる。この記録用画像は、色差成分値Cr,Cbが0であるため、無彩度のモノクロ画像となる。そして、このモノクロの記録用画像が、画像圧縮部36に入力され圧縮された後、メモリカード91に記録される。
【0124】
一方、ライブビュー表示動作中においては、上記実施の形態と同様に、表示モード設定処理がなされる。この表示モード設定処理は、第1ないし第3の実施の形態のいずれであってもよい。ただし、表示モードが「通常カラー表示モード」あるいは「低彩度カラー表示モード」に設定されたときにおいては、色変換部64において係数k=0となる変換マトリクスが用いられる。このため、画像信号に対する処理内容が「通常カラー表示モード」と「低彩度カラー表示モード」とで同一とされ、双方ともにモノクロの表示用画像が生成されることとなる。もちろん、表示モードが「モノクロ表示モード」に設定されたときは、CCD31の出力モードが「画素加算モード」に設定され、ノイズが少ないモノクロの表示用画像が生成されることとなる。
【0125】
したがって、表示装置の表示状態は、表示モードがいずれの表示モードに設定されていた場合であっても、モノクロの表示用画像を表示する状態が維持されることとなる。つまり、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたときは、被写体の輝度にかかわらず、表示装置の表示状態がモノクロの表示用画像を表示する状態に維持されるわけである。
【0126】
このように、本実施の形態のデジタルカメラ1においては、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたとき、表示装置の表示状態をモノクロの表示用画像を表示する状態に維持するため、視覚上においては表示装置の表示状態が大きく変更されないこととなる。その結果、視覚上の違和感を無くすことができることとなる。
【0127】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態では、通常カラー表示状態で表示される表示用画像の彩度と、モノクロ表示状態で表示される表示用画像の彩度との間の彩度を有する表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態は、一段階のみであったが、複数の段階があってもよい。つまり、互いに異なる彩度の表示用画像を表示する複数の低彩度カラー表示状態モードを、表示モードとして備えておく。そして、被写体の輝度BVが低下する(上昇する)に従って、より彩度の低い(高い)表示用画像を表示する低彩度カラー表示モードに表示モードを漸次変更する。これにより、表示装置の表示状態が漸次的に変化することとなり、さらに効果的に視覚上の違和感を軽減することができる。
【0129】
また、上記実施の形態では、被写体の輝度に応じて、表示装置に表示される表示用画像の彩度が変更されるものであったが、例えば、表示用画像の輝度、コントラスト、色合い等が画像表示特性として各状態間で変更されるものであってもよい。これらを分類すれば、表示の「強度」に関する特性(輝度、コントラストなど)と、カラー表示特性(彩度や色合いなど)とが、その主なものであるが、どのような表示特性を制御対象とするかは他のものであってもよい。
【0130】
また、上記実施の形態のデジタルカメラ1は静止画像を取得するものであったが、動画像を取得するものであってもよい。
【0131】
◎なお、上述した具体的実施の形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0132】
(1) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像手段は、
二次元配列に配置され露光量に応じた電荷をそれぞれ蓄積する複数の画素、を備え、かつ、
前記画像信号を出力する出力モードとして、一の画素ごとの電荷に相当する信号を出力する通常モードと、前記二次元配列の一の配列方向に隣接する所定数の画素の電荷を加算したものに相当する信号を出力する画素加算モードと、を備えるものであり、
前記制御手段は、前記被写体の輝度が所定の閾値より低下したとき、前記撮像手段の出力モードを前記画素加算モードにすることにより、前記表示手段の表示状態を前記モノクロ表示状態にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【0133】
これによれば、被写体の輝度が所定の閾値より低下したとき、出力モードを画素加算モードにすると、撮像手段から出力される画像のノイズを低減することができる。このため、被写体の輝度が比較的低い場合であっても、ノイズの少ない表示用画像を表示手段に表示することができる。
【0134】
(2) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
カラーの記録用画像を記録するカラー記録モードと、モノクロの記録用画像を記録するモノクロ記録モードとのうちから一の記録モードの選択をユーザから受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記記録モードとして前記モノクロ記録モードが選択されたとき、前記被写体の輝度にかかわらず、前記表示手段の表示状態をモノクロの表示用画像を表示する状態に維持することを特徴とするデジタルカメラ。
【0135】
これによれば、記録モードとしてモノクロ記録モードが選択されたとき、表示手段の表示状態がモノクロの表示用画像を表示する状態に維持されるため、視覚上において表示手段の表示状態が大きく変更されず、視覚上の違和感を無くすことができる。
【0136】
(3) 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記画像信号の信号値を、輝度成分値と色差成分値とに変換しつつ前記色差成分値を補正する変換手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記変換手段の前記色差成分値の補正量を変更することにより前記表示用画像の彩度を調整し、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【0137】
これによれば、変換手段の色差成分値の補正量を変更することにより、表示手段の表示状態を低彩度カラー表示状態にするため、低彩度カラー表示状態で表示される低彩度の表示用画像を生成するために特別な回路などが不要であり、デジタルカメラを小型化することができる。
【0138】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし5の発明によれば、被写体の状態が変化して表示手段の表示状態が第1状態から第2状態に変更される際においては、表示手段の表示状態が、第1状態から中間的な第3状態に変更された後、さらに第2状態に変更される。このため、表示状態が変更されるときの視覚上の違和感を軽減することができる。
【0139】
また特に、請求項2の発明によれば、表示手段の表示状態がカラー表示状態からモノクロ表示状態に変更された場合における大きな視覚上の違和感を軽減することができる。
【0140】
また特に、請求項3の発明によれば、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態とモノクロ表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0141】
また特に、請求項4の発明によれば、表示手段の表示状態がカラー表示状態と低彩度カラー表示状態との間で変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【0142】
また特に、請求項5の発明によれば、表示手段の表示状態が低彩度カラー表示状態に変更されると、その状態に所定時間以上維持されるため、表示手段の表示状態が変更される頻度を減少させることができ、視覚上の違和感をさらに軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図である。
【図3】デジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図4】CCDの受光部の画素配列の一例を示す図である。
【図5】「通常間引モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。
【図6】「画素加算モード」における画像信号の出力手法を説明するための図である。
【図7】画像処理部の機能構成を示す図である。
【図8】撮影モードの動作の流れを示す図である。
【図9】第1の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図10】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図11】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図13】被写体の輝度と表示モードとの関係を示す図である。
【図14】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【図15】第3の実施の形態の表示モード設定処理の流れを示す図である。
【図16】被写体の輝度の変化に応じて表示装置の表示状態が変更される様子を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
4 全体制御部
25 タイマ
34 画像処理部
37 輝度演算部
51 撮像制御部
52 画像処理制御部
53 表示モード設定部
Claims (5)
- 被写体に係る画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号を処理して得られる表示用画像を表示する表示手段とを有するデジタルカメラであって、
前記被写体の状態を検出する検出手段と、
前記被写体の状態の変化に基づいて、表示される表示用画像の特性が相違する第1状態と第2状態との間で、前記表示手段の表示状態を変更可能な制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記表示手段の表示状態を前記第1状態から前記第2状態に変更すべく前記被写体の状態が変化したとき、前記表示手段の表示状態を前記第2状態に変更する前に、前記第1状態で表示される表示用画像の特性と前記第2状態で表示される表示用画像の特性との間の特性を有する表示用画像を表示する第3状態に変更することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記検出手段により検出される前記被写体の状態は、前記被写体の輝度であり、
前記第1状態は、カラーの表示用画像を表示するカラー表示状態であり、
前記第2状態は、モノクロの表示用画像を表示するモノクロ表示状態であり、前記第3状態は、前記カラー表示状態において表示される表示用画像よりも低彩度の表示用画像を表示する低彩度カラー表示状態であることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御手段は、
前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第1閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記モノクロ表示状態に変更し、
前記表示手段の表示状態が前記モノクロ表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第2閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更するものであり、
前記第1閾値は、前記第2閾値より小であることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御手段は、
前記表示手段の表示状態が前記カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第3閾値より小となったとき、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更し、
前記表示手段の表示状態が前記低彩度カラー表示状態の場合は、前記被写体の輝度が第4閾値より大となったとき、前記表示手段の表示状態を前記カラー表示状態に変更するものであり、
前記第3閾値は、前記第4閾値より小であることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御手段は、前記表示手段の表示状態を前記低彩度カラー表示状態に変更したとき、前記被写体の輝度にかかわらず、前記表示状態を前記低彩度カラー表示状態に所定時間以上維持することを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2004068852A1 (ja) * | 2003-01-29 | 2006-05-25 | オリンパス株式会社 | 撮像装置 |
JP2006310969A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Olympus Imaging Corp | 撮像装置 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353885A patent/JP2004187145A/ja active Pending
Cited By (3)
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