JP2004185566A - プリント装置、プリントサーバ装置、プリントクライアント装置、プリントシステム、プリントサーバプログラム、プリントクライアントプログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保して、印刷対象のセキュリティのさらなる向上を図ること。
【解決手段】暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とするプリントサーバ装置。
【選択図】 図１
【解決手段】暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とするプリントサーバ装置。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント装置、プリントサーバ装置、プリントクライアント装置、プリントシステム、プリントサーバプログラム、プリントクライアントプログラム、及び記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
パソコンの周辺機器の代表的な例として、プリンタが挙げられる。パソコンにより生成された印刷データを、プリンタにより印刷するのである。この場合、そのパソコン（クライアントＰＣ）とそのプリンタとの間で、直接的に印刷データが授受される場合もあれば、他のパソコン（サーバＰＣ）を介して間接的に印刷データが授受される場合もある。
【０００３】
【特許文献１】
特開平７−１５２５２０号公報
【特許文献２】
特開平１１−１５０５５９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷対象のセキュリティの向上を図るため、クライアントＰＣとサーバＰＣ又はプリンタとの間で印刷データを授受する際に、印刷データを暗号化するというアイディアが存在する。しかし、この印刷データが印刷出力としてプリンタから出力されてしまうと、本人が印刷出力を取りに行くまでに、他人に見られてしまったり、他人の手に渡ってしまったりするおそれがある。すなわち、暗号化により印刷データのセキュリティは確保されているのに、印刷出力のセキュリティが確保されていないために、暗号化により印刷データのセキュリティを確保したメリットが低下してしまう。
【０００５】
したがって、本発明は、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保して、印刷対象のセキュリティのさらなる向上を図ることを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明（プリント装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明（プリント装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【０００８】
請求項３に記載の発明（プリントサーバ装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【０００９】
請求項４に記載の発明（プリントサーバ装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【００１０】
請求項５に記載の発明（プリントクライアント装置）は、印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加手段と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信手段とを備えることを特徴とする。
【００１１】
請求項６に記載の発明（プリントシステム）は、請求項１又は２に記載のプリント装置又は請求項３又は４に記載のプリントサーバ装置と、請求項５に記載のプリントクライアント装置とを備えるプリントシステムである。
【００１２】
請求項７に記載の発明（プリントサーバプログラム）は、コンピュータをプリントサーバ装置として機能させるためのプリントサーバプログラムであって、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信段階と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１３】
請求項８に記載の発明（プリントクライアントプログラム）は、コンピュータをプリントクライアント装置として機能させるためのプリントクライアントプログラムであって、印刷データを生成する印刷データ生成段階と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加段階と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１４】
請求項９に記載の発明（記録媒体）は、請求項７に記載のプリントサーバプログラム又は／及び請求項８に記載のプリントクライアントプログラムが記録された記録媒体である。
【００１５】
請求項１又は２に記載の発明（プリント装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データを印刷することにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００１６】
特に、請求項２に記載の発明（プリント装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データを印刷することにより、カードを挿入してから印刷データを印刷するまでの時間を短縮することができる。
【００１７】
請求項３又は４に記載の発明（プリントサーバ装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させることにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００１８】
特に、請求項４に記載の発明（プリントサーバ装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データをプリント装置に印刷させることにより、カードを挿入してから印刷データをプリント装置に印刷させるまでの時間を短縮することができる。
【００１９】
請求項５に記載の発明（プリントクライアント装置）では、印刷データを生成して、前記印刷データを暗号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加して、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信することにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【００２１】
図１は、本発明の実施の形態の例であるプリントシステム１１を表す。図１のプリントシステム１１は、複数台のプリントクライアント装置１２と、プリントサーバ装置１３と、プリント装置１４により構成されている。図１のプリントクライアント装置１２は例えばパソコンであり、図１のプリントサーバ装置１３は例えばサーバ用コンピュータであり、図１のプリント装置１４は例えばプリンタやディジタル複写機である。
【００２２】
図１のプリントクライアント装置１２と図１のプリントサーバ装置１３は、互いにネットワーク接続されており、図１のプリントサーバ装置１３と図１のプリント装置１４は、互いにローカル接続されている。図１のプリントクライアント装置１２には、ＩＣカードリーダ２２がローカル接続されており、図１のプリントサーバ装置１３には、ＩＣカードリーダ２３がローカル接続されている。図１のプリントクライアント装置１２と図１のプリントサーバ装置１３はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【００２３】
図２は、本発明の実施の形態の例であるプリントシステム１１を表す。図２のプリントシステム１１は、複数台のプリントクライアント装置１２と、プリント装置１４により構成されている。図２のプリントクライアント装置１２は例えばパソコンであり、図２のプリント装置１４は例えばプリンタやディジタル複写機である。
【００２４】
図２のプリントクライアント装置１２と図２のプリント装置１４は、互いにネットワーク接続されている。図２のプリントクライアント装置１２には、ＩＣカードリーダ２２がローカル接続されており、図２のプリント装置１４には、ＩＣカードリーダ２４がローカル接続されている。図２のプリントクライアント装置１２と図２のプリント装置１４はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【００２５】
これらのＩＣカードリーダには、ＩＣカードを挿入することができる。図１や図２のプリントシステム１１において使用されるＩＣカードには、暗号鍵とユーザ識別情報とが記憶されている。ユーザ識別情報は、ユーザを識別するための情報であり、ここでは３２ｂｉｔのデータである。
【００２６】
図３は、図１や図２のプリントクライアント装置１２を表す。図３のように、図１や図２のプリントクライアント装置１２は、アプリケーション３１、プリントドライバ３２、スプーラ３３、ポートモニタ３４、通信制御部３５、ＩＣカードリーダ制御部３６、印刷データ処理部３７を備える。
【００２７】
アプリケーション３１は、文書データや画像データ等を生成するためのプログラムである。プリントドライバ３２は、アプリケーション３１により生成された文書データや画像データ等から印刷データを生成するためのプログラムである。プリントドライバ３２により生成された印刷データは、スプーラ３３によりハードディスクにスプールされた後、ポートモニタ３４により印刷ポートを通じて図１のプリントサーバ装置１３又は図２のプリント装置１４に送信される。この際のネットワーク通信は、通信制御部３５によりＮＩＣを制御して行われる。
【００２８】
ＩＣカードリーダ制御部３６は、ＩＣカードリーダ２２に挿入されたＩＣカードに記憶された暗号鍵やユーザ識別情報を読み取る。さらには、読み取ったユーザ識別情報に１対１で対応するユーザＩＤを生成する。ユーザＩＤは、ここでは１６文字のアスキーコードである。
【００２９】
印刷データ処理部３７は、印刷データ暗号化部とユーザＩＤ付加部を有する。印刷データ暗号化部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により読み取られた暗号鍵により印刷データを暗号化する。ユーザＩＤ付加部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により生成されたユーザＩＤを印刷データのヘッダに付加する。印刷データが送信される前であれば、暗号化やユーザＩＤの付加はどの段階で行っても構わない。いずれにせよ、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データが送信されることになる。
【００３０】
図４は、図１のプリントサーバ装置１３を表す。図４のように、図１のプリントサーバ装置１３は、通信制御部４１、印刷データ受信部４２、印刷データ管理部４３、印刷データ解析部４４、ＩＣカードリーダ制御部４５、印刷データ処理部４６、転送制御部４７を備える。
【００３１】
印刷データ受信部４２は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを図１のプリントクライアント装置１２から受信する。この際のネットワーク通信は、通信制御部４１によりＮＩＣを制御して行われる。印刷データ管理部４３は、印刷データ受信部４２により受信された印刷データをハードディスクにスプールして管理する。ここでは、印刷データをファイルとしてハードディスクのスプールディレクトリにスプールして管理する。印刷データ解析部４４は、印刷データ受信部４２により受信された印刷データのヘッダを解析して、印刷データのヘッダに付加されたユーザＩＤを抽出する。
【００３２】
ＩＣカードリーダ制御部４５は、ＩＣカードリーダ２３に挿入されたＩＣカードに記憶された暗号鍵やユーザ識別情報を読み取る。さらには、読み取ったユーザ識別情報に１対１で対応するユーザＩＤを生成する。ユーザ識別情報とユーザＩＤとの対応関係は、図１のプリントクライアント装置１２と共通である。
【００３３】
印刷データ処理部４６は、印刷データ復号化部と印刷制御部を有する。印刷データ復号化部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により読み取られた暗号鍵により印刷データを復号化する。印刷制御部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により生成されたユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された印刷データを図１のプリント装置１４に転送して印刷させる。この際のローカル転送は、転送制御部４７によりＮＩＣを制御して行われる。なお、上記の印刷データは、ここでは印刷データ管理部４３により管理中の印刷データであり、上記のユーザＩＤは、ここでは印刷データ解析部４４により抽出されたユーザＩＤである。
【００３４】
図５は、図２のプリント装置１４を表す。図５のように、図２のプリント装置１４は、通信制御部５１、印刷データ受信部５２、印刷データ管理部５３、印刷データ解析部５４、ＩＣカードリーダ制御部５５、印刷データ処理部５６、転送制御部５７、プリントエンジン５８を備える。
【００３５】
図５の通信制御部５１・印刷データ受信部５２・印刷データ管理部５３・印刷データ解析部５４・ＩＣカードリーダ制御部５５・印刷データ処理部５６・転送制御部５７はそれぞれ、図４の通信制御部４１・印刷データ受信部４２・印刷データ管理部４３・印刷データ解析部４４・ＩＣカードリーダ制御部４５・印刷データ処理部４６・転送制御部４７に相当する。ただし、印刷データ処理部４６は印刷データを図１のプリント装置１４に転送して印刷させるのに対して、印刷データ処理部５６は印刷データをプリントエンジン５８に転送して印刷させる。すなわち、プリントエンジン５８が印刷データを印刷する。
【００３６】
図４や図５により説明したように、図１や図２のプリントシステム１１では、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により受信された印刷データは、ユーザ識別情報が記憶されたＩＣカードがＩＣカードリーダ２３・２４に挿入されて、その印刷データに付加されたユーザＩＤとそのユーザ識別情報に対応するユーザＩＤとが一致しなければ印刷されない。よって、本人が印刷出力を取りに行くまでに、他人に見られてしまったり、他人の手に渡ってしまったりすることが防止される。こうして、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００３７】
（情報処理等）
以下、図１や図２のプリントシステム１１において実行される情報処理等の例について説明する。
【００３８】
図６は、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理等に係るフローチャートである。まず、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２２に挿入して、アプリケーション３１から印刷指示（Ｓ６１）を出す。これに応じて、プリントドライバ３２が印刷データを生成（Ｓ６２）して、スプーラ３３がこの印刷データをスプール（Ｓ６３）してポートモニタ３４に転送（Ｓ６４）する。一方で、ＩＣカードリーダ制御部３６がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ６５）する。そして、印刷データ処理部３７が、Ｓ６４の印刷データをＳ６５の暗号鍵により暗号化すると共に、Ｓ６４の印刷データにＳ６５のユーザＩＤを付加（Ｓ６６）する。最後に、ポートモニタ３４が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを送信（Ｓ６７）する。
【００３９】
図７も、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理等に係るフローチャートである。図６では、Ｓ６３・Ｓ６４の後にＳ６５・Ｓ６６が続くが、図７では、Ｓ６５・Ｓ６６に相当するＳ７３・Ｓ７４の後にＳ６３・Ｓ６４に相当するＳ７５・Ｓ７６が続く。
【００４０】
図８と図９は、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により実行される情報処理等に係るフローチャートである。なお、説明の便宜のため図面の符号はプリントサーバ装置１３のものを使用する。
【００４１】
図８は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入するまでのフローチャートである。まず、印刷データ受信部４２が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを受信（Ｓ８１）する。次に、印刷データ管理部４３が、この印刷データをファイルとしてハードディスクのスプールディレクトリにスプールして管理（Ｓ８２）する。
【００４２】
図９は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入してからのフローチャートである。ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入（Ｓ９１）すると、これに応じて、ＩＣカードリーダ制御部４５がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ９２）する。次に、印刷データ解析部４４が、管理中の各印刷データをスプールディレクトリから取り出し（Ｓ９５）て、各印刷データに付加されたユーザＩＤを抽出（Ｓ９６）する。そして、印刷データ処理部４６は、Ｓ９２のユーザＩＤとＳ９６のユーザＩＤとが一致（Ｓ９７）すれば、この印刷データをＳ９２の暗号鍵により復号化した後、この印刷データを図１のプリント装置１４やプリントエンジン５８に転送（Ｓ９８）して印刷させる。
【００４３】
図１０と図１１も、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により実行される情報処理等に係るフローチャートである。なお、説明の便宜のため図面の符号はプリントサーバ装置１３のものを使用する。
【００４４】
図１０は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入するまでのフローチャートである。まず、印刷データ受信部４２が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを受信（Ｓ１０１）する。次に、印刷データ解析部４４が、この印刷データに付加されたユーザＩＤを抽出（Ｓ１０２）する。ここで、印刷データ管理部４３は、このユーザＩＤごとにこの印刷データを管理することにする。そのために、ハードディスクのスプールディレクトリの下にユーザごと（ユーザＩＤごと）のディレクトリを設定（Ｓ１０３・Ｓ１０４）するようにして、この印刷データをファイルとしてこのユーザＩＤに係るディレクトリにスプールして管理（Ｓ１０５）する。
【００４５】
図１１は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入してからのフローチャートである。ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入（Ｓ１１１）すると、これに応じて、ＩＣカードリーダ制御部４５がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ１１２）する。そして、印刷データ処理部４６は、管理中の印刷データをこのユーザＩＤに係るディレクトリから取り出し（Ｓ１１５）て、この印刷データをＳ１１２の暗号鍵により復号化した後、この印刷データを図１のプリント装置１４やプリントエンジン５８に転送（Ｓ１１６）して印刷させる。
【００４６】
図１０と図１１ではこのように、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに印刷データを管理しておくため、ユーザ認識情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された印刷データを一括的に検索することができて、ＩＣカードの挿入から印刷データの印刷までの時間を短縮することができる。これは特に、印刷データの個数やユーザの人数が多い場合や印刷速度が十分でない場合等において効果的であろう。例えば、印刷出力待ちのユーザが行列をなしてしまうような事態を防止するために効果的であろう。
【００４７】
（変形例）
図１や図２のプリントクライアント装置１２は、本発明に係る「プリントクライアント装置」の実施の形態の例である。また、コンピュータをプリントクライアント装置として機能させる情報処理プログラムであって、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理方法を当該コンピュータに実行させる情報処理プログラムは、本発明に係る「プリントクライアントプログラム」の実施の形態の例である。
【００４８】
図１のプリントサーバ装置１３は、本発明に係る「プリントサーバ装置」の実施の形態の例である。また、コンピュータをプリントサーバ装置として機能させる情報処理プログラムであって、図１のプリントサーバ装置１３により実行される情報処理方法を当該コンピュータに実行させる情報処理プログラムは、本発明に係る「プリントサーバプログラム」の実施の形態の例である。
【００４９】
さらに、これらのプリントクライアントプログラム又は／及びプリントサーバプログラムが記録されたＣＤ−ＲＯＭは、本発明に係る「記録媒体」の実施の形態の例である。
【００５０】
【発明の効果】
このように、本発明は、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保して、印刷対象のセキュリティのさらなる向上を図ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の例であるプリントシステムを表す。
【図２】本発明の実施の形態の例であるプリントシステムを表す。
【図３】図１や図２のプリントクライアント装置を表す。
【図４】図１のプリントサーバ装置を表す。
【図５】図２のプリント装置を表す。
【図６】図１や図２のプリントクライアント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図７】図１や図２のプリントクライアント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図８】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図９】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図１０】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図１１】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【符号の説明】
１１ プリントシステム
１２ プリントクライアント装置
１３ プリントサーバ装置
１４ プリント装置
２２ ＩＣカードリーダ（プリントクライアント装置用）
２３ ＩＣカードリーダ（プリントサーバ装置用）
２４ ＩＣカードリーダ（プリント装置用）
３１ アプリケーション
３２ プリントドライバ
３３ スプーラ
３４ ポートモニタ
３５ 通信制御部
３６ ＩＣカードリーダ制御部
３７ 印刷データ処理部
４１ 通信制御部
４２ 印刷データ受信部
４３ 印刷データ管理部
４４ 印刷データ解析部
４５ ＩＣカードリーダ制御部
４６ 印刷データ処理部
４７ 転送制御部
５１ 通信制御部
５２ 印刷データ受信部
５３ 印刷データ管理部
５４ 印刷データ解析部
５５ ＩＣカードリーダ制御部
５６ 印刷データ処理部
５７ 転送制御部
５８ プリントエンジン
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント装置、プリントサーバ装置、プリントクライアント装置、プリントシステム、プリントサーバプログラム、プリントクライアントプログラム、及び記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
パソコンの周辺機器の代表的な例として、プリンタが挙げられる。パソコンにより生成された印刷データを、プリンタにより印刷するのである。この場合、そのパソコン（クライアントＰＣ）とそのプリンタとの間で、直接的に印刷データが授受される場合もあれば、他のパソコン（サーバＰＣ）を介して間接的に印刷データが授受される場合もある。
【０００３】
【特許文献１】
特開平７−１５２５２０号公報
【特許文献２】
特開平１１−１５０５５９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印刷対象のセキュリティの向上を図るため、クライアントＰＣとサーバＰＣ又はプリンタとの間で印刷データを授受する際に、印刷データを暗号化するというアイディアが存在する。しかし、この印刷データが印刷出力としてプリンタから出力されてしまうと、本人が印刷出力を取りに行くまでに、他人に見られてしまったり、他人の手に渡ってしまったりするおそれがある。すなわち、暗号化により印刷データのセキュリティは確保されているのに、印刷出力のセキュリティが確保されていないために、暗号化により印刷データのセキュリティを確保したメリットが低下してしまう。
【０００５】
したがって、本発明は、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保して、印刷対象のセキュリティのさらなる向上を図ることを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明（プリント装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【０００７】
請求項２に記載の発明（プリント装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【０００８】
請求項３に記載の発明（プリントサーバ装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【０００９】
請求項４に記載の発明（プリントサーバ装置）は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする。
【００１０】
請求項５に記載の発明（プリントクライアント装置）は、印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加手段と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信手段とを備えることを特徴とする。
【００１１】
請求項６に記載の発明（プリントシステム）は、請求項１又は２に記載のプリント装置又は請求項３又は４に記載のプリントサーバ装置と、請求項５に記載のプリントクライアント装置とを備えるプリントシステムである。
【００１２】
請求項７に記載の発明（プリントサーバプログラム）は、コンピュータをプリントサーバ装置として機能させるためのプリントサーバプログラムであって、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信段階と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１３】
請求項８に記載の発明（プリントクライアントプログラム）は、コンピュータをプリントクライアント装置として機能させるためのプリントクライアントプログラムであって、印刷データを生成する印刷データ生成段階と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加段階と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１４】
請求項９に記載の発明（記録媒体）は、請求項７に記載のプリントサーバプログラム又は／及び請求項８に記載のプリントクライアントプログラムが記録された記録媒体である。
【００１５】
請求項１又は２に記載の発明（プリント装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データを印刷することにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００１６】
特に、請求項２に記載の発明（プリント装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データを印刷することにより、カードを挿入してから印刷データを印刷するまでの時間を短縮することができる。
【００１７】
請求項３又は４に記載の発明（プリントサーバ装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させることにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００１８】
特に、請求項４に記載の発明（プリントサーバ装置）では、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信して、前記印刷データを復号化して、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データをプリント装置に印刷させることにより、カードを挿入してから印刷データをプリント装置に印刷させるまでの時間を短縮することができる。
【００１９】
請求項５に記載の発明（プリントクライアント装置）では、印刷データを生成して、前記印刷データを暗号化して、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加して、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信することにより、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【００２１】
図１は、本発明の実施の形態の例であるプリントシステム１１を表す。図１のプリントシステム１１は、複数台のプリントクライアント装置１２と、プリントサーバ装置１３と、プリント装置１４により構成されている。図１のプリントクライアント装置１２は例えばパソコンであり、図１のプリントサーバ装置１３は例えばサーバ用コンピュータであり、図１のプリント装置１４は例えばプリンタやディジタル複写機である。
【００２２】
図１のプリントクライアント装置１２と図１のプリントサーバ装置１３は、互いにネットワーク接続されており、図１のプリントサーバ装置１３と図１のプリント装置１４は、互いにローカル接続されている。図１のプリントクライアント装置１２には、ＩＣカードリーダ２２がローカル接続されており、図１のプリントサーバ装置１３には、ＩＣカードリーダ２３がローカル接続されている。図１のプリントクライアント装置１２と図１のプリントサーバ装置１３はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【００２３】
図２は、本発明の実施の形態の例であるプリントシステム１１を表す。図２のプリントシステム１１は、複数台のプリントクライアント装置１２と、プリント装置１４により構成されている。図２のプリントクライアント装置１２は例えばパソコンであり、図２のプリント装置１４は例えばプリンタやディジタル複写機である。
【００２４】
図２のプリントクライアント装置１２と図２のプリント装置１４は、互いにネットワーク接続されている。図２のプリントクライアント装置１２には、ＩＣカードリーダ２２がローカル接続されており、図２のプリント装置１４には、ＩＣカードリーダ２４がローカル接続されている。図２のプリントクライアント装置１２と図２のプリント装置１４はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【００２５】
これらのＩＣカードリーダには、ＩＣカードを挿入することができる。図１や図２のプリントシステム１１において使用されるＩＣカードには、暗号鍵とユーザ識別情報とが記憶されている。ユーザ識別情報は、ユーザを識別するための情報であり、ここでは３２ｂｉｔのデータである。
【００２６】
図３は、図１や図２のプリントクライアント装置１２を表す。図３のように、図１や図２のプリントクライアント装置１２は、アプリケーション３１、プリントドライバ３２、スプーラ３３、ポートモニタ３４、通信制御部３５、ＩＣカードリーダ制御部３６、印刷データ処理部３７を備える。
【００２７】
アプリケーション３１は、文書データや画像データ等を生成するためのプログラムである。プリントドライバ３２は、アプリケーション３１により生成された文書データや画像データ等から印刷データを生成するためのプログラムである。プリントドライバ３２により生成された印刷データは、スプーラ３３によりハードディスクにスプールされた後、ポートモニタ３４により印刷ポートを通じて図１のプリントサーバ装置１３又は図２のプリント装置１４に送信される。この際のネットワーク通信は、通信制御部３５によりＮＩＣを制御して行われる。
【００２８】
ＩＣカードリーダ制御部３６は、ＩＣカードリーダ２２に挿入されたＩＣカードに記憶された暗号鍵やユーザ識別情報を読み取る。さらには、読み取ったユーザ識別情報に１対１で対応するユーザＩＤを生成する。ユーザＩＤは、ここでは１６文字のアスキーコードである。
【００２９】
印刷データ処理部３７は、印刷データ暗号化部とユーザＩＤ付加部を有する。印刷データ暗号化部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により読み取られた暗号鍵により印刷データを暗号化する。ユーザＩＤ付加部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により生成されたユーザＩＤを印刷データのヘッダに付加する。印刷データが送信される前であれば、暗号化やユーザＩＤの付加はどの段階で行っても構わない。いずれにせよ、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データが送信されることになる。
【００３０】
図４は、図１のプリントサーバ装置１３を表す。図４のように、図１のプリントサーバ装置１３は、通信制御部４１、印刷データ受信部４２、印刷データ管理部４３、印刷データ解析部４４、ＩＣカードリーダ制御部４５、印刷データ処理部４６、転送制御部４７を備える。
【００３１】
印刷データ受信部４２は、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを図１のプリントクライアント装置１２から受信する。この際のネットワーク通信は、通信制御部４１によりＮＩＣを制御して行われる。印刷データ管理部４３は、印刷データ受信部４２により受信された印刷データをハードディスクにスプールして管理する。ここでは、印刷データをファイルとしてハードディスクのスプールディレクトリにスプールして管理する。印刷データ解析部４４は、印刷データ受信部４２により受信された印刷データのヘッダを解析して、印刷データのヘッダに付加されたユーザＩＤを抽出する。
【００３２】
ＩＣカードリーダ制御部４５は、ＩＣカードリーダ２３に挿入されたＩＣカードに記憶された暗号鍵やユーザ識別情報を読み取る。さらには、読み取ったユーザ識別情報に１対１で対応するユーザＩＤを生成する。ユーザ識別情報とユーザＩＤとの対応関係は、図１のプリントクライアント装置１２と共通である。
【００３３】
印刷データ処理部４６は、印刷データ復号化部と印刷制御部を有する。印刷データ復号化部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により読み取られた暗号鍵により印刷データを復号化する。印刷制御部は、ＩＣカードリーダ制御部３６により生成されたユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された印刷データを図１のプリント装置１４に転送して印刷させる。この際のローカル転送は、転送制御部４７によりＮＩＣを制御して行われる。なお、上記の印刷データは、ここでは印刷データ管理部４３により管理中の印刷データであり、上記のユーザＩＤは、ここでは印刷データ解析部４４により抽出されたユーザＩＤである。
【００３４】
図５は、図２のプリント装置１４を表す。図５のように、図２のプリント装置１４は、通信制御部５１、印刷データ受信部５２、印刷データ管理部５３、印刷データ解析部５４、ＩＣカードリーダ制御部５５、印刷データ処理部５６、転送制御部５７、プリントエンジン５８を備える。
【００３５】
図５の通信制御部５１・印刷データ受信部５２・印刷データ管理部５３・印刷データ解析部５４・ＩＣカードリーダ制御部５５・印刷データ処理部５６・転送制御部５７はそれぞれ、図４の通信制御部４１・印刷データ受信部４２・印刷データ管理部４３・印刷データ解析部４４・ＩＣカードリーダ制御部４５・印刷データ処理部４６・転送制御部４７に相当する。ただし、印刷データ処理部４６は印刷データを図１のプリント装置１４に転送して印刷させるのに対して、印刷データ処理部５６は印刷データをプリントエンジン５８に転送して印刷させる。すなわち、プリントエンジン５８が印刷データを印刷する。
【００３６】
図４や図５により説明したように、図１や図２のプリントシステム１１では、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により受信された印刷データは、ユーザ識別情報が記憶されたＩＣカードがＩＣカードリーダ２３・２４に挿入されて、その印刷データに付加されたユーザＩＤとそのユーザ識別情報に対応するユーザＩＤとが一致しなければ印刷されない。よって、本人が印刷出力を取りに行くまでに、他人に見られてしまったり、他人の手に渡ってしまったりすることが防止される。こうして、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保されるため、印刷対象のセキュリティのさらなる向上が図られる。
【００３７】
（情報処理等）
以下、図１や図２のプリントシステム１１において実行される情報処理等の例について説明する。
【００３８】
図６は、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理等に係るフローチャートである。まず、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２２に挿入して、アプリケーション３１から印刷指示（Ｓ６１）を出す。これに応じて、プリントドライバ３２が印刷データを生成（Ｓ６２）して、スプーラ３３がこの印刷データをスプール（Ｓ６３）してポートモニタ３４に転送（Ｓ６４）する。一方で、ＩＣカードリーダ制御部３６がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ６５）する。そして、印刷データ処理部３７が、Ｓ６４の印刷データをＳ６５の暗号鍵により暗号化すると共に、Ｓ６４の印刷データにＳ６５のユーザＩＤを付加（Ｓ６６）する。最後に、ポートモニタ３４が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを送信（Ｓ６７）する。
【００３９】
図７も、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理等に係るフローチャートである。図６では、Ｓ６３・Ｓ６４の後にＳ６５・Ｓ６６が続くが、図７では、Ｓ６５・Ｓ６６に相当するＳ７３・Ｓ７４の後にＳ６３・Ｓ６４に相当するＳ７５・Ｓ７６が続く。
【００４０】
図８と図９は、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により実行される情報処理等に係るフローチャートである。なお、説明の便宜のため図面の符号はプリントサーバ装置１３のものを使用する。
【００４１】
図８は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入するまでのフローチャートである。まず、印刷データ受信部４２が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを受信（Ｓ８１）する。次に、印刷データ管理部４３が、この印刷データをファイルとしてハードディスクのスプールディレクトリにスプールして管理（Ｓ８２）する。
【００４２】
図９は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入してからのフローチャートである。ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入（Ｓ９１）すると、これに応じて、ＩＣカードリーダ制御部４５がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ９２）する。次に、印刷データ解析部４４が、管理中の各印刷データをスプールディレクトリから取り出し（Ｓ９５）て、各印刷データに付加されたユーザＩＤを抽出（Ｓ９６）する。そして、印刷データ処理部４６は、Ｓ９２のユーザＩＤとＳ９６のユーザＩＤとが一致（Ｓ９７）すれば、この印刷データをＳ９２の暗号鍵により復号化した後、この印刷データを図１のプリント装置１４やプリントエンジン５８に転送（Ｓ９８）して印刷させる。
【００４３】
図１０と図１１も、図１のプリントサーバ装置１３や図２のプリント装置１４により実行される情報処理等に係るフローチャートである。なお、説明の便宜のため図面の符号はプリントサーバ装置１３のものを使用する。
【００４４】
図１０は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入するまでのフローチャートである。まず、印刷データ受信部４２が、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データを受信（Ｓ１０１）する。次に、印刷データ解析部４４が、この印刷データに付加されたユーザＩＤを抽出（Ｓ１０２）する。ここで、印刷データ管理部４３は、このユーザＩＤごとにこの印刷データを管理することにする。そのために、ハードディスクのスプールディレクトリの下にユーザごと（ユーザＩＤごと）のディレクトリを設定（Ｓ１０３・Ｓ１０４）するようにして、この印刷データをファイルとしてこのユーザＩＤに係るディレクトリにスプールして管理（Ｓ１０５）する。
【００４５】
図１１は、ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入してからのフローチャートである。ユーザがＩＣカードをＩＣカードリーダ２３に挿入（Ｓ１１１）すると、これに応じて、ＩＣカードリーダ制御部４５がＩＣカードに記憶された暗号鍵とユーザ識別情報とを読み取り、読み取ったユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを生成（Ｓ１１２）する。そして、印刷データ処理部４６は、管理中の印刷データをこのユーザＩＤに係るディレクトリから取り出し（Ｓ１１５）て、この印刷データをＳ１１２の暗号鍵により復号化した後、この印刷データを図１のプリント装置１４やプリントエンジン５８に転送（Ｓ１１６）して印刷させる。
【００４６】
図１０と図１１ではこのように、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに印刷データを管理しておくため、ユーザ認識情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された印刷データを一括的に検索することができて、ＩＣカードの挿入から印刷データの印刷までの時間を短縮することができる。これは特に、印刷データの個数やユーザの人数が多い場合や印刷速度が十分でない場合等において効果的であろう。例えば、印刷出力待ちのユーザが行列をなしてしまうような事態を防止するために効果的であろう。
【００４７】
（変形例）
図１や図２のプリントクライアント装置１２は、本発明に係る「プリントクライアント装置」の実施の形態の例である。また、コンピュータをプリントクライアント装置として機能させる情報処理プログラムであって、図１や図２のプリントクライアント装置１２により実行される情報処理方法を当該コンピュータに実行させる情報処理プログラムは、本発明に係る「プリントクライアントプログラム」の実施の形態の例である。
【００４８】
図１のプリントサーバ装置１３は、本発明に係る「プリントサーバ装置」の実施の形態の例である。また、コンピュータをプリントサーバ装置として機能させる情報処理プログラムであって、図１のプリントサーバ装置１３により実行される情報処理方法を当該コンピュータに実行させる情報処理プログラムは、本発明に係る「プリントサーバプログラム」の実施の形態の例である。
【００４９】
さらに、これらのプリントクライアントプログラム又は／及びプリントサーバプログラムが記録されたＣＤ−ＲＯＭは、本発明に係る「記録媒体」の実施の形態の例である。
【００５０】
【発明の効果】
このように、本発明は、印刷データに加えて印刷出力のセキュリティも確保して、印刷対象のセキュリティのさらなる向上を図ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の例であるプリントシステムを表す。
【図２】本発明の実施の形態の例であるプリントシステムを表す。
【図３】図１や図２のプリントクライアント装置を表す。
【図４】図１のプリントサーバ装置を表す。
【図５】図２のプリント装置を表す。
【図６】図１や図２のプリントクライアント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図７】図１や図２のプリントクライアント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図８】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図９】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図１０】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【図１１】図１のプリントサーバ装置や図２のプリント装置により実行される情報処理等に係るフローチャートである。
【符号の説明】
１１ プリントシステム
１２ プリントクライアント装置
１３ プリントサーバ装置
１４ プリント装置
２２ ＩＣカードリーダ（プリントクライアント装置用）
２３ ＩＣカードリーダ（プリントサーバ装置用）
２４ ＩＣカードリーダ（プリント装置用）
３１ アプリケーション
３２ プリントドライバ
３３ スプーラ
３４ ポートモニタ
３５ 通信制御部
３６ ＩＣカードリーダ制御部
３７ 印刷データ処理部
４１ 通信制御部
４２ 印刷データ受信部
４３ 印刷データ管理部
４４ 印刷データ解析部
４５ ＩＣカードリーダ制御部
４６ 印刷データ処理部
４７ 転送制御部
５１ 通信制御部
５２ 印刷データ受信部
５３ 印刷データ管理部
５４ 印刷データ解析部
５５ ＩＣカードリーダ制御部
５６ 印刷データ処理部
５７ 転送制御部
５８ プリントエンジン
Claims (9)
- 暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とするプリント装置。
- 暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とするプリント装置。
- 暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とするプリントサーバ装置。
- 暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信手段と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化手段と、同一のユーザＩＤが付加された印刷データごとに前記印刷データを管理する印刷データ管理手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された管理中の前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とするプリントサーバ装置。
- 印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化手段と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加手段と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信手段とを備えることを特徴とするプリントクライアント装置。
- 請求項１又は２に記載のプリント装置又は請求項３又は４に記載のプリントサーバ装置と、請求項５に記載のプリントクライアント装置とを備えるプリントシステム。
- コンピュータをプリントサーバ装置として機能させるためのプリントサーバプログラムであって、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリントクライアント装置から受信する印刷データ受信段階と、前記印刷データを復号化する印刷データ復号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤと同一のユーザＩＤが付加された前記印刷データをプリント装置に印刷させる印刷制御段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とすることを特徴とするプリントサーバプログラム。
- コンピュータをプリントクライアント装置として機能させるためのプリントクライアントプログラムであって、印刷データを生成する印刷データ生成段階と、前記印刷データを暗号化する印刷データ暗号化段階と、接続されたカードリーダに挿入されたカードに記憶されたユーザ識別情報に対応するユーザＩＤを前記印刷データに付加するユーザＩＤ付加段階と、暗号化されると共にユーザＩＤが付加された印刷データをプリント装置又はプリントサーバ装置に送信する印刷データ送信段階とを備える情報処理方法を当該コンピュータに実行させることを特徴とするプリントクライアントプログラム。
- 請求項７に記載のプリントサーバプログラム又は／及び請求項８に記載のプリントクライアントプログラムが記録された記録媒体。
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|---|---|---|---|
| JP2002355217A JP2004185566A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | プリント装置、プリントサーバ装置、プリントクライアント装置、プリントシステム、プリントサーバプログラム、プリントクライアントプログラム、及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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