JP2004185222A - 植物病害防除用微生物資材提案システム - Google Patents
植物病害防除用微生物資材提案システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を容易に提案する。
【解決手段】農業生産者が生産しようとする地域および植物種、作型、栽培期間における気象の情報、農地の周辺情報をホストコンピュータ2に入力し、データベース10,12,15,18,20、22から所定データを抽出し、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率を、植物病害抽出手段11、リスク率演算手段17および微生物資材抽出手段19で求めてホストコンピュータ2から出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】農業生産者が生産しようとする地域および植物種、作型、栽培期間における気象の情報、農地の周辺情報をホストコンピュータ2に入力し、データベース10,12,15,18,20、22から所定データを抽出し、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率を、植物病害抽出手段11、リスク率演算手段17および微生物資材抽出手段19で求めてホストコンピュータ2から出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業分野における植物病害に対して、その防除に好適な微生物資材を提案する植物病害防除用微生物資材提案システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
農業生産において、農業生産を効率的に行うためには、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等に応じて、各種の農業資材を適切に利用することが必要である。しかし、使用する農業資材の種類の選択は、これまで主として農業事業者が個別に入手する情報と個人の経験、勘に基づいたものが多いのが現状であり、種々の情報を体系的に集めて判断することはきわめて難しい。
【0003】
そのため、従来、上述のような農業資材の種類の選択を助けるシステムとして、「農業資材判別方法」(特許文献1)、「農業ビジネス支援システム」(特許文献2)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−41599号公報
【特許文献2】
特開2002−215717号公報
【0005】
特許文献1では、気象に関する情報、農作物に関する情報、農地の土壌に関する情報、農産物の生育状況に関する情報および農業資材に関する情報を含む農産物栽培情報ファイルの内容に、栽培する農作物ならびに地域の情報および現在の農作物の状況の情報を照合し、ファイル内の対応する農産物の生育状況に応じて最適化された農業資材の種類とその使用法を判別するとしている。
【0006】
また、特許文献2では、データ管理センターに農業に関するデータを蓄積したデータベースを備えさせ、農地別の気象データとか、農地の土壌温度や湿度やpHなどといった農地の土壌の特性を示すデータなどを収集し、それらのデータとデータベースに蓄積されたデータを分析し解析して対象農地の最適化アドバイスを行うとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、無農薬や減農薬による農作物の生産に移行される傾向にあり、植物病害の予測および微生物資材の選択は、農家にとって死活問題である。しかしながら、特許文献1において、農業資材の一例として微生物資材が挙げられているものの、いずれの公知例も、植物病害の発生予測をどのように行うか、また、その植物病害に対してどのような微生物資材を使用するかといったことに関して何ら開示されていず、実用性に欠ける欠点があった。
【0008】
特に、微生物資材は、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等によってその効果が変動するという問題点があり、その効果効用には、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等に応じてその効果を予測する必要があるが、種々の情報を体系的に集めて判断することはきわめて難しかった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を容易に提案できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、農業生産者がより利用しやすいように提案できるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、植物病害の発生予測をよりわかりやすく提案できるようにすることを目的とし、請求項4に係る発明は、微生物資材を使用した際の効果をも提案できるようにすることを目的とし、請求項5に係る発明は、発生予測および効果予測を視覚的に認識しやすいようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
ホストコンピュータと、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報を前記ホストコンピュータに入力する入力装置と、
予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率を前記ホストコンピュータから出力する出力装置と、
を備えた植物病害防除用微生物資材提案システムであって、
前記ホストコンピュータには、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型に対応して発生が予想される植物病害のデータとして植物種・植物病害のデータを格納した植物種・植物病害データベースと、
各植物病害に対応して、各植物病害の発生に関連の深い要因を格納した植物病害発生要因データベースと、
各植物病害に対応して、それぞれの要因に対応して発生リスク度を数値化した重み付け係数を格納した発生リスク度データベースと、
各植物病害ごとにそれぞれの情報に対応して防除に有効な微生物資材のデータを格納した微生物資材データベースと、
入力された生産しようとする地域、植物種および作型に基づいて前記植物種・植物病害データベースから予測される植物病害を抽出するとともに抽出した植物病害を前記出力装置に出力する植物病害抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因データベースから植物病害発生要因を抽出する植物病害発生要因抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因抽出手段で抽出された要因の情報を入手し、前記発生リスク度データベースからの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度を演算するリスク度演算手段と、
前記リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を前記出力装置に出力するリスク率演算手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記微生物資材データベースから有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を前記出力装置に出力する微生物資材抽出手段とを備えて構成する。
【0011】
ここで対象とする植物病害は、農業生産上問題となる病害であれば特に限定されるものではない。具体的には、フザリウム(Fusarium)属、バーティシリウム(Verticillium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタナリア(Alternaria)属、シュードモナス病害(Pseudomonas)属による病害などが挙げられる。さらに具体的にはキュウリつる割れ病、メロンつる割れ病、ダイコン萎黄病、ピーマン実腐病、イチゴ萎黄病、ホウレンソウ立ち枯れ病、ネギ乾腐病、ナス半枯病、レタス根腐病、トマトいちょう病、ユリ茎腐病、サクラソウ萎ちょう病、カーネーション萎ちょう病ナス半身いちょう病、トマト半身いちょう病、ピーマン半身いちょう病、キュウリ半身いちょう病、ダイコン黒点病、ハクサイ黄化病、イチゴ半身いちょう病、ホウレンソウいちょう病、フキ半身いちょう病、ウド半身いちょう病、オクラ半身いちょう病、キク半身いちょう病、ピチウム病害としては、ホウレンソウ立ち枯れ病、メロン苗立ち枯れ病、キンギョソウ苗立ち枯れ病、ホウレンソウ株腐病、トマト苗立ち枯れ病、カーネーション茎腐病、カラー株腐れ病、ニチニチソウ苗立ち枯れ病、ネギ黒紋病、カーネーション斑点病、トルコギキョウ花らい腐敗病、ナス青枯れ病、トマト青枯れ病などが挙げられる。
【0012】
また、ここで対象とする微生物資材としては、農業生産上植物病害防除を目的として使用される資材であれば特に限定されるものではない。具体的には、放線菌利用資材、細菌利用資材、非病原性微生物利用微生物資材、共生微生物利用資材などが挙げられ、さらに具体的には、スプレストマイセス属菌利用微生物資材、スポリキタヤ属菌利用微生物資材、ストレプトバーティシリウム属菌利用微生物資材、フランキア菌利用微生物資材、シュードモナス菌利用資材、バチルス菌利用資材、VA菌根菌利用資材、根粒菌利用微生物資材、窒素固定化菌利用微生物資材などが挙げられる。
【0013】
放線菌利用資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0014】
細菌利用資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0015】
非病原性微生物利用微生物資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属などの微生物による病害や、キュウリモザイクウィルス、タバコモザイクウィルス、カンキツモザイクウィルス、ダイズモザイクウィルスなどのウィルスによる病害の防除に有効である。
【0016】
共生微生物利用資材は、VA菌根菌が共生するナス科、マメ科、キク科、イネ科、ウリ科、ユリ科、シソ科、カンキツ科、バラ科、ヤマノイモ科、ヒルガオ科、セリ科、トケイソウ科、ケシ科などに属する植物や根粒菌が共生するマメ科に属する植物、フランキア菌が共生するカバノキ科、ヤマモモ科に属する植物のバーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0017】
ここで使用する情報は、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報であれば特に限定されるものではない。具体的には、農業生産者が生産しようとする地域の情報としては、都道府県や市町村、地区名などが挙げられる。
植物の種類としては、ハクサイ、キャベツ、トマト、ナス、ネギなどの植物種名や品種名(例えば、ハクサイの場合、「優黄」、「春笑」、「鮮黄」、「良慶」、「夏宝」、「オレンジクイン」、「黄ごころ」)などが挙げられる。
作型としては、露地栽培、ハウス栽培、雨よけ栽培、マルチ栽培、トンネル栽培、促成栽培、半促成栽培、抑制栽培、半抑制栽培、栽培春穫り、夏穫り栽培、秋穫り栽培、冬穫り栽培などが挙げられる。
栽培期間における気象に関する情報としては、平均最高気温予測、平均最低気温予測、降水量予測、日照時間予測などが挙げられ、更に、育苗期間中の気象に関する情報、圃場定植後の気象に関する情報、収穫期の気象に関する情報など分割した情報も利用できる。
農地土壌に関する情報としては、農地土壌中の病原菌数、pH、水分率、保水性、有機質含有量、有用微生物菌数などが挙げられる。
農作物の栽培履歴に関する情報としては、農作物の栽培履歴、農薬・化学肥料の使用履歴、過去の植物病害発生状況などが挙げられる。
農地の周辺情報としては、周辺地域の植物病害発生状況などが挙げられる。
【0018】
(作用・効果)
請求項1に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、農業生産者および微生物資材提供者が、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報をホストコンピュータに入力し、それにより、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率をホストコンピュータから出力し、農業生産者に好適な微生物資材を提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、所定の項目を入力するだけで、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を容易に提案できる。
一方、農業生産者は、具体的な微生物資材を調べたり種々の検討を加えなくても、植物病害および発生リスク率に基づいて微生物資材を購入するかどうかを容易に判断することができ、適切かつ容易に微生物資材を選択でき、極めて有用である。
【0019】
また、請求項2に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
微生物資材ごとの単位面積あたりの価格のデータを格納した価格データベースと、
前記価格データベースから対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を前記出力装置に出力する価格算出手段とを備えて構成する。
【0020】
(作用・効果)
請求項2に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、植物病害の防除に適した微生物資材を価格とともに提案することができる。
したがって、農業生産者は、前述した発生リスク率や植物の生産量などを加味し、採算ベースに見合うかどうかといったことを考慮しながら微生物資材の購入を判断することができ、極めて利用しやすくて有用である。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1または2に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、重み付け係数が、各情報そのものに対する要因重要度と、各情報において区分された状態ごとの要因危険度とからなり、リスク度演算手段が、発生リスク度を下記(1)式に基づいて演算するように構成する。
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
【0022】
(作用・効果)
請求項3に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、発生リスク度を数値化して提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、植物病害の発生予測を簡単によりわかりやすく説明できて販売を促進でき、一方、農業生産者は、植物病害の発生予測状況を把握しやすく、適確な判断のもとで購入しやすくて有用である。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項3に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
ホストコンピュータに、
微生物資材に対し、それを使用したときの各情報に対する発生リスク度のリスク軽減率を相関づけたデータを格納したリスク軽減率データベースと、
微生物資材抽出手段による微生物資材の抽出に伴い、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、前記リスク軽減率データベースから抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算する効果予測値演算手段とを備え、
前記効果予測値演算手段で演算された植物病害防除効果予測値を出力装置に出力するように構成する。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
【0024】
(作用・効果)
請求項4に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、微生物資材を使用した場合の植物病害防除効果予測値を数値化して提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、微生物資材による防除効果を簡単によりわかりやすく説明できて販売を促進でき、一方、農業生産者は、微生物資材による防除効果を把握しやすく、適確な判断のもとで購入しやすくて有用である。
【0025】
また、請求項5に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項4に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度および植物病害防除効果予測値を、放射状にプロットして表示させるリスクチャート表示手段を備えたものである植物病害防除用微生物資材提案システム。
【0026】
(作用・効果)
請求項5に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、発生リスク度と植物病害防除効果予測値を図形化して表示することができる。したがって、微生物資材の提供者側は、植物病害の発生予測と防除効果予測とを農業生産者に視覚的にわからせやすくでき、効率良く販売できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る植物病害防除用微生物資材提案システムの実施例を示す概略構成図であり、1は、農家や農協などに設置されるパーソナルコンピュータを示している。
【0028】
2は、微生物資材を販売提供する微生物資材の提供者側のホストコンピュータであり、そのホストコンピュータ2にデータ入出力用コンピュータ3が入力装置4および出力装置5を介して接続されている。データ入出力用コンピュータ3にはプリンタ6が接続されている。
【0029】
パーソナルコンピュータ1とホストコンピュータ2とがインターネット7を介して接続されるとともに、インターネット7に農業試験所などに設置されている試験所用コンピュータ8や気象予報機関などに設置されている気象予報機関用コンピュータ9が接続されている。
【0030】
上記構成により、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報を、パーソナルコンピュータ1を通じてホストコンピュータ2に入力し、これに対して、微生物資材の提供者が、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率などをホストコンピュータ2からパーソナルコンピュータ1に出力できるようになっている。
【0031】
ここで使用する栽培期間における気象に関する情報は、農業生産者が気象予報機関用コンピュータ9にインターネット7などを通じてアクセスして入手し、それを入力するものでも、農業生産者が植物の生産地域と作型を入力するに伴い、微生物資材の提供者側が気象予報機関用コンピュータ9にインターネット7などを通じてアクセスして入手し、それを入力するものでも良い。
【0032】
ここで使用する栽培期間における農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報は、農業生産者が入力するか、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータを入力すれば良い。
【0033】
ホストコンピュータ2には、図2のブロック図に示すように、植物種・植物病害データベース10、植物病害抽出手段11、植物病害発生要因データベース12、植物病害発生要因抽出手段13、植物病害発生要因入手手段14、発生リスク度データベース15、リスク度演算手段16、リスク率演算手段17、微生物資材データベース18、微生物資材抽出手段19、価格データベース20、価格抽出手段21、リスク軽減率データベース22、効果予測値演算手段23およびリスクチャート表示手段24が備えられている。
【0034】
植物種・植物病害データベース10には、植物の種類、作型に対応して発生が予想される植物病害のデータとして植物種・植物病害のデータが格納されている。植物病害抽出手段11では、入力された生産しようとする地域、植物種および作型に基づいて植物種・植物病害データベース10から予測される植物病害を抽出するとともに抽出した植物病害を出力装置5に出力するようになっている。
【0035】
植物病害発生要因のデータベース12には、各植物病害の発生に関連の深い要因が格納されている。植物病害発生要因抽出手段13では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対して、植物病害の発生に関連の深い要因を抽出するようになっている。具体的には、都道府県や市町村、地区名など農業生産者が生産しようとする地域の情報、品種名など植物の種類の情報、露地栽培、ハウス栽培、雨よけ栽培、マルチ栽培、トンネル栽培、促成栽培、半促成栽培、抑制栽培、半抑制栽培、春穫り栽培、夏穫り栽培、秋穫り栽培、冬穫り栽培などの作型の情報、栽培期間における平均最高気温予測、平均最低気温予測、降水量予測、日照時間予測など気象に関する情報、さらに、育苗期間中の気象に関する情報、圃場定植後の気象に関する情報、収穫期の気象に関する情報など分割した気象に関する情報、農地土壌中の病原菌数、pH、水分率、保水性、有機質含有量、有用微生物菌数など農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴、農薬・化学肥料の使用履歴、過去の植物病害発生状況など農作物の栽培履歴の関する情報、周辺地域の植物病害発生状況など農地の周辺情報から病害の発生に関連の深い要因を抽出するようになっている。そして、抽出された要因に関して、農家からの入力、インターネットなどを通じての探索、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータの探索によって、情報を入手するように構成されている。
【0036】
発生リスク度データベース15には、各植物病害ごとにそれぞれの情報に対応して発生リスク度を数値化した重み付け係数が格納されている。
リスク度演算手段16では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対し、入力された情報に基づいて、発生リスク度データベース15からの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度を演算するようになっている。
そして、重み付け係数が、各情報そのものに対する要因重要度と、各情報において区分された状態ごとの要因危険度とから構成され、リスク度演算手段16において、発生リスク度を下記(1)式に基づいて演算するように構成されている。
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
【0037】
リスク率演算手段17では、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を出力装置5に出力するようになっている。標準状態とは、平年の気象条件の状態で、植物病害の発生状況が異常でなかった年の平均値である。植物病害の発生の標準状態は、植物病害の種類によって大きく異なるが、一般的には、発病率として1〜5%程度の状態を言う。
【0038】
微生物資材データベース18には、各植物病害それぞれに対応して防除に有効な微生物資材のデータが格納されている。
微生物資材抽出手段19では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対し、微生物資材データベース18から有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を出力装置5に出力するようになっている。
【0039】
価格データベース20には、微生物資材ごとの単位面積あたりの価格のデータが格納されている。
価格算出手段21では、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、価格データベース20から対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を出力装置5に出力するようになっている。
【0040】
リスク軽減率データベース22には、微生物資材に対し、それを使用したときの各情報に対する発生リスク度のリスク軽減率を相関づけたデータが格納されている。
効果予測値演算手段23では、微生物資材抽出手段19による微生物資材の抽出に伴い、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、リスク軽減率データベース22から抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段16で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算するとともに、演算された植物病害防除効果予測値を出力装置5に出力するようになっている。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
【0041】
リスクチャート表示手段24では、リスク度演算手段17で演算された各情報に対する発生リスク度および植物病害防除効果予測値を、放射状にプロットして表示させるようになっている。
【0042】
次に、図3のフローチャートを用い、はくさい黄化病を対象とした具体例について説明する。
農業生産者が生産しようとする地域として「長野県」、植物の種類として「はくさい」および作型として「露地栽培」、「夏穫り栽培」の情報を入力する(S1)。
【0043】
入力された生産しようとする地域としての「長野県」、植物の種類としての「はくさい」および作型としての「露地栽培」、「夏穫り栽培」の情報に基づき、植物病害抽出手段11により、植物種・植物病害データベース10から予想される植物病害として、「はくさい黄化病」を抽出するとともに抽出した植物病害を出力装置5に出力する(S2)。
【0044】
植物病害抽出手段11で抽出された「はくさい黄化病」に対し、植物病害発生要因抽出手段13により、植物病害発生要因のデータベース12から、「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因として、「品種」、「栽培期間中の平均最高気温予測」、「農地土壌中の病原菌数」、「農地土壌のpH」、「農業生産者が生産しようとする農地での過去の植物病害発生状況」、「農作物の栽培履歴」、「農薬・化学肥料の使用履歴」、「生産地域の植物病害発生状況」を抽出するとともに抽出した植物病害発生要因を出力装置5に出力する(S3)。
【0045】
植物病害発生要因抽出手段13により抽出された「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因に対し、植物病害発生要因入手手段14により、農業生産者による入力データ、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータ、気象予報機関保有データをインターネットなどを通じたアクセスやデータベースの探索などにより入手し、それを出力装置5に出力する(S4)。
【0046】
植物病害発生要因入手手段14により入手された「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因の情報に対し、リスク度演算手段16により、「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因に基づいて、発生リスク度データーベース15からの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度および発生リスク率を演算して出力装置5に出力する(S5〜8)。
すなわち、発生リスク度データベース15において、重み付け係数としての、各情報そのものについてのはくさい黄化病に対する要因重要度が、表1に示すように格納され、格納されたデータから各情報に対応する要因重要度を抽出する(S5)。
【0047】
【表1】
【0048】
また、重み付け係数としての、各情報において区分された状態ごとの要因危険度が、表2に示すように格納され(ここでは、農業生産者の植物の生産地域の栽培期間中の予測平均最高気温、農業生産者が植物を生産しようとする農地土壌での過去の植物病害発生状況、農地土壌中の病原菌数について例示する)、格納されたデータから各情報に対応する要因危険度を抽出する(S6)。
【0049】
【表2】
【0050】
また、他の情報においても、各情報において区分された状態ごとの要因危険度が格納され、それらの要因重要度と要因危険度を、下記(1)式
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
に当てはめ、リスク度演算手段16において、はくさい黄化病に対する発生リスク度を演算し、表3に示す値を得て出力する(S7)。nは、標準状態を特定するための数値であり、0以上の数値が設定されるものであり、ここでは、n=1としている。要因重要度は、抽出された植物病害の発生への影響が最も大きい要因を1、影響が無いものを0と評価し、その他要因を対象植物病害の発生リスクへの影響度合いから0から1の間で設定される。要因危険度は、対象植物病害の発生可能性が最も大きい条件を+1、最も小さい条件を−1と評価し、その他の条件を対象植物病害の発生への影響度合いから−1から+1の間で設定される。出力に際しては、リスクチャート表示手段24により、図4の(b)に示すように、図4の(a)の標準状態とともに、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度を、放射状にプロットして表示するように出力する。
【0051】
【表3】
【0052】
その後、リスク率演算手段17により、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を出力装置5に出力する(S8)。発生リスク率は、8個の情報の合計ポイント(9.7)を標準状態のポイント(8)で余算して(9.7/8≒1.21)求める。出力に際しては、図5のグラフに示すように、発病率を縦軸に、発生リスク率を横軸にして、病害発生最大値および病害発生最小値とともに表示する。
【0053】
次いで、微生物資材抽出手段19により、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害である「はくさい黄化病」に対し、微生物資材データベース18から防除に有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を出力装置5に出力する(S9)。ここで抽出される微生物資材は、通常複数個であるが1個の場合もある。
【0054】
更に、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、価格算出手段21により、価格データベース20から対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を出力装置5に出力する(S10)。
【0055】
しかる後、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、効果予測値演算手段23により、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、リスク軽減率データベース22から抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段16で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算し、演算された植物病害防除効果予測値を出力装置5に出力する(S9)。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
すなわち、リスク軽減率データベース22において、リスク軽減率が表4に示すように格納され(ここでは、ストレプトマイセス菌OG−012菌資材を利用した場合の農業生産者の植物の生産地域の栽培期間中の予測平均最高気温、農業生産者が植物を生産しようとする農地土壌での過去の植物病害発生状況、農地土壌中の病原菌数について例示する)、それらを抽出して演算し、表5に示すような植物病害防除効果予測値を得る。また、得られた植物病害防除効果予測値を、図4の(c)に示すように、リスクチャート表示手段24により、放射状にプロットして表示するように出力する(S11)。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
また、効果度合いを判りやすくするために、前述の発生リスク率に相当するものを、8個の情報の効果予測値の合計ポイント(5.73)を標準状態のポイント(8)で余算して(5.73/8≒0.72)求めて出力し、図6のグラフに示すように、発病率を縦軸に、効果予測値(図5の発生リスク率に相当する)を横軸にして、病害発生最大値および病害発生最小値とともに表示する。
ストレプトマイセス菌OG−012菌資材を利用した場合の効果についてまとめれば、表6に示すようになる。
【0059】
【表6】
【0060】
以上のデータを出力表示し、それに基づいて農業生産者に微生物資材を購入するかどうかの判断を促す。
【0061】
上記実施例では、農業生産者あるいは農協などのパーソナルコンピュータ1からインターネット7を通じて各情報を入力するとともに、微生物資材提供者側からのデータを受けるようにしているが、例えば、農業生産者から、固定電話や携帯電話、あるいはファクシミリなどにより各情報を入力してもらい、それらの情報を微生物資材提供者が、データ入出力コンピュータ3により入力し、得られたデータを固定電話や携帯電話、あるいはファクシミリなどにより農業生産者に送るようにするものでも良い。
また、データ入出力コンピュータ3は、新規なデータをデータベースに入力したり、データベースに格納されたデータの修正や消去などを行うのにも使用されるものである。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムによれば、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型をホストコンピュータに入力し、それにより、予想される植物病害を抽出し、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報からその植物病害の発生に係わる要因を抽出し、抽出された要因の情報を探索、入手することで、予想される植物病害、その植物病害の発生リスク率、その植物病害の防除に使用すべき微生物資材やその微生物資材の防除効果予測値をホストコンピュータから出力し、好適な微生物資材を選択することができる。したがって、微生物資材の提供者は、所定の情報を入力するだけで、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を提案することができる。
一方、農業生産者は、具体的な微生物資材を調べずに、植物病害やその発生リスク率、およびその植物病害に対する微生物資材の防除効果予測に基づいて、微生物資材の購入を判断することができ、適切かつ容易に微生物資材を選択でき、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物病害防除用微生物資材提案システムの実施例を示す概略構成図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】フローチャートである。
【図4】リスクチャートである。
【図5】発病率と発生リスク率との相関を示すグラフである。
【図6】発病率と効果予測値(発生リスク率)との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
2…ホストコンピュータ
4…入力装置
5…出力装置
10…植物種・植物病害データベース
11…植物病害抽出手段
12…植物病害発生要因データベース
13…植物病害発生要因抽出手段
14…植物病害発生要因入手手段
15…発生リスク度データベース
16…リスク度演算手段
17…リスク率演算手段
18…微生物資材データベース
19…微生物資材抽出手段
20…価格データベース
21…価格算出手段
22…リスク率軽減データベース
23…効果予測値演算手段
24…リスクチャート表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業分野における植物病害に対して、その防除に好適な微生物資材を提案する植物病害防除用微生物資材提案システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
農業生産において、農業生産を効率的に行うためには、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等に応じて、各種の農業資材を適切に利用することが必要である。しかし、使用する農業資材の種類の選択は、これまで主として農業事業者が個別に入手する情報と個人の経験、勘に基づいたものが多いのが現状であり、種々の情報を体系的に集めて判断することはきわめて難しい。
【0003】
そのため、従来、上述のような農業資材の種類の選択を助けるシステムとして、「農業資材判別方法」(特許文献1)、「農業ビジネス支援システム」(特許文献2)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−41599号公報
【特許文献2】
特開2002−215717号公報
【0005】
特許文献1では、気象に関する情報、農作物に関する情報、農地の土壌に関する情報、農産物の生育状況に関する情報および農業資材に関する情報を含む農産物栽培情報ファイルの内容に、栽培する農作物ならびに地域の情報および現在の農作物の状況の情報を照合し、ファイル内の対応する農産物の生育状況に応じて最適化された農業資材の種類とその使用法を判別するとしている。
【0006】
また、特許文献2では、データ管理センターに農業に関するデータを蓄積したデータベースを備えさせ、農地別の気象データとか、農地の土壌温度や湿度やpHなどといった農地の土壌の特性を示すデータなどを収集し、それらのデータとデータベースに蓄積されたデータを分析し解析して対象農地の最適化アドバイスを行うとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、無農薬や減農薬による農作物の生産に移行される傾向にあり、植物病害の予測および微生物資材の選択は、農家にとって死活問題である。しかしながら、特許文献1において、農業資材の一例として微生物資材が挙げられているものの、いずれの公知例も、植物病害の発生予測をどのように行うか、また、その植物病害に対してどのような微生物資材を使用するかといったことに関して何ら開示されていず、実用性に欠ける欠点があった。
【0008】
特に、微生物資材は、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等によってその効果が変動するという問題点があり、その効果効用には、気象条件、農地の土壌条件および農作物栽培条件等に応じてその効果を予測する必要があるが、種々の情報を体系的に集めて判断することはきわめて難しかった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を容易に提案できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、農業生産者がより利用しやすいように提案できるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、植物病害の発生予測をよりわかりやすく提案できるようにすることを目的とし、請求項4に係る発明は、微生物資材を使用した際の効果をも提案できるようにすることを目的とし、請求項5に係る発明は、発生予測および効果予測を視覚的に認識しやすいようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
ホストコンピュータと、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報を前記ホストコンピュータに入力する入力装置と、
予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率を前記ホストコンピュータから出力する出力装置と、
を備えた植物病害防除用微生物資材提案システムであって、
前記ホストコンピュータには、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型に対応して発生が予想される植物病害のデータとして植物種・植物病害のデータを格納した植物種・植物病害データベースと、
各植物病害に対応して、各植物病害の発生に関連の深い要因を格納した植物病害発生要因データベースと、
各植物病害に対応して、それぞれの要因に対応して発生リスク度を数値化した重み付け係数を格納した発生リスク度データベースと、
各植物病害ごとにそれぞれの情報に対応して防除に有効な微生物資材のデータを格納した微生物資材データベースと、
入力された生産しようとする地域、植物種および作型に基づいて前記植物種・植物病害データベースから予測される植物病害を抽出するとともに抽出した植物病害を前記出力装置に出力する植物病害抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因データベースから植物病害発生要因を抽出する植物病害発生要因抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因抽出手段で抽出された要因の情報を入手し、前記発生リスク度データベースからの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度を演算するリスク度演算手段と、
前記リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を前記出力装置に出力するリスク率演算手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記微生物資材データベースから有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を前記出力装置に出力する微生物資材抽出手段とを備えて構成する。
【0011】
ここで対象とする植物病害は、農業生産上問題となる病害であれば特に限定されるものではない。具体的には、フザリウム(Fusarium)属、バーティシリウム(Verticillium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタナリア(Alternaria)属、シュードモナス病害(Pseudomonas)属による病害などが挙げられる。さらに具体的にはキュウリつる割れ病、メロンつる割れ病、ダイコン萎黄病、ピーマン実腐病、イチゴ萎黄病、ホウレンソウ立ち枯れ病、ネギ乾腐病、ナス半枯病、レタス根腐病、トマトいちょう病、ユリ茎腐病、サクラソウ萎ちょう病、カーネーション萎ちょう病ナス半身いちょう病、トマト半身いちょう病、ピーマン半身いちょう病、キュウリ半身いちょう病、ダイコン黒点病、ハクサイ黄化病、イチゴ半身いちょう病、ホウレンソウいちょう病、フキ半身いちょう病、ウド半身いちょう病、オクラ半身いちょう病、キク半身いちょう病、ピチウム病害としては、ホウレンソウ立ち枯れ病、メロン苗立ち枯れ病、キンギョソウ苗立ち枯れ病、ホウレンソウ株腐病、トマト苗立ち枯れ病、カーネーション茎腐病、カラー株腐れ病、ニチニチソウ苗立ち枯れ病、ネギ黒紋病、カーネーション斑点病、トルコギキョウ花らい腐敗病、ナス青枯れ病、トマト青枯れ病などが挙げられる。
【0012】
また、ここで対象とする微生物資材としては、農業生産上植物病害防除を目的として使用される資材であれば特に限定されるものではない。具体的には、放線菌利用資材、細菌利用資材、非病原性微生物利用微生物資材、共生微生物利用資材などが挙げられ、さらに具体的には、スプレストマイセス属菌利用微生物資材、スポリキタヤ属菌利用微生物資材、ストレプトバーティシリウム属菌利用微生物資材、フランキア菌利用微生物資材、シュードモナス菌利用資材、バチルス菌利用資材、VA菌根菌利用資材、根粒菌利用微生物資材、窒素固定化菌利用微生物資材などが挙げられる。
【0013】
放線菌利用資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0014】
細菌利用資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0015】
非病原性微生物利用微生物資材は、バーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属などの微生物による病害や、キュウリモザイクウィルス、タバコモザイクウィルス、カンキツモザイクウィルス、ダイズモザイクウィルスなどのウィルスによる病害の防除に有効である。
【0016】
共生微生物利用資材は、VA菌根菌が共生するナス科、マメ科、キク科、イネ科、ウリ科、ユリ科、シソ科、カンキツ科、バラ科、ヤマノイモ科、ヒルガオ科、セリ科、トケイソウ科、ケシ科などに属する植物や根粒菌が共生するマメ科に属する植物、フランキア菌が共生するカバノキ科、ヤマモモ科に属する植物のバーティシリウム(Verticilium)属、フザリウム(Fusarium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタマリア(Altemaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属などの微生物による病害やネコブセンチュウ類による病害の防除に有効である。
【0017】
ここで使用する情報は、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報であれば特に限定されるものではない。具体的には、農業生産者が生産しようとする地域の情報としては、都道府県や市町村、地区名などが挙げられる。
植物の種類としては、ハクサイ、キャベツ、トマト、ナス、ネギなどの植物種名や品種名(例えば、ハクサイの場合、「優黄」、「春笑」、「鮮黄」、「良慶」、「夏宝」、「オレンジクイン」、「黄ごころ」)などが挙げられる。
作型としては、露地栽培、ハウス栽培、雨よけ栽培、マルチ栽培、トンネル栽培、促成栽培、半促成栽培、抑制栽培、半抑制栽培、栽培春穫り、夏穫り栽培、秋穫り栽培、冬穫り栽培などが挙げられる。
栽培期間における気象に関する情報としては、平均最高気温予測、平均最低気温予測、降水量予測、日照時間予測などが挙げられ、更に、育苗期間中の気象に関する情報、圃場定植後の気象に関する情報、収穫期の気象に関する情報など分割した情報も利用できる。
農地土壌に関する情報としては、農地土壌中の病原菌数、pH、水分率、保水性、有機質含有量、有用微生物菌数などが挙げられる。
農作物の栽培履歴に関する情報としては、農作物の栽培履歴、農薬・化学肥料の使用履歴、過去の植物病害発生状況などが挙げられる。
農地の周辺情報としては、周辺地域の植物病害発生状況などが挙げられる。
【0018】
(作用・効果)
請求項1に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、農業生産者および微生物資材提供者が、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報をホストコンピュータに入力し、それにより、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率をホストコンピュータから出力し、農業生産者に好適な微生物資材を提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、所定の項目を入力するだけで、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を容易に提案できる。
一方、農業生産者は、具体的な微生物資材を調べたり種々の検討を加えなくても、植物病害および発生リスク率に基づいて微生物資材を購入するかどうかを容易に判断することができ、適切かつ容易に微生物資材を選択でき、極めて有用である。
【0019】
また、請求項2に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
微生物資材ごとの単位面積あたりの価格のデータを格納した価格データベースと、
前記価格データベースから対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を前記出力装置に出力する価格算出手段とを備えて構成する。
【0020】
(作用・効果)
請求項2に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、植物病害の防除に適した微生物資材を価格とともに提案することができる。
したがって、農業生産者は、前述した発生リスク率や植物の生産量などを加味し、採算ベースに見合うかどうかといったことを考慮しながら微生物資材の購入を判断することができ、極めて利用しやすくて有用である。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1または2に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、重み付け係数が、各情報そのものに対する要因重要度と、各情報において区分された状態ごとの要因危険度とからなり、リスク度演算手段が、発生リスク度を下記(1)式に基づいて演算するように構成する。
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
【0022】
(作用・効果)
請求項3に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、発生リスク度を数値化して提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、植物病害の発生予測を簡単によりわかりやすく説明できて販売を促進でき、一方、農業生産者は、植物病害の発生予測状況を把握しやすく、適確な判断のもとで購入しやすくて有用である。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項3に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
ホストコンピュータに、
微生物資材に対し、それを使用したときの各情報に対する発生リスク度のリスク軽減率を相関づけたデータを格納したリスク軽減率データベースと、
微生物資材抽出手段による微生物資材の抽出に伴い、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、前記リスク軽減率データベースから抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算する効果予測値演算手段とを備え、
前記効果予測値演算手段で演算された植物病害防除効果予測値を出力装置に出力するように構成する。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
【0024】
(作用・効果)
請求項4に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、微生物資材を使用した場合の植物病害防除効果予測値を数値化して提案することができる。
したがって、微生物資材の提供者側は、微生物資材による防除効果を簡単によりわかりやすく説明できて販売を促進でき、一方、農業生産者は、微生物資材による防除効果を把握しやすく、適確な判断のもとで購入しやすくて有用である。
【0025】
また、請求項5に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項4に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度および植物病害防除効果予測値を、放射状にプロットして表示させるリスクチャート表示手段を備えたものである植物病害防除用微生物資材提案システム。
【0026】
(作用・効果)
請求項5に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムの構成によれば、発生リスク度と植物病害防除効果予測値を図形化して表示することができる。したがって、微生物資材の提供者側は、植物病害の発生予測と防除効果予測とを農業生産者に視覚的にわからせやすくでき、効率良く販売できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る植物病害防除用微生物資材提案システムの実施例を示す概略構成図であり、1は、農家や農協などに設置されるパーソナルコンピュータを示している。
【0028】
2は、微生物資材を販売提供する微生物資材の提供者側のホストコンピュータであり、そのホストコンピュータ2にデータ入出力用コンピュータ3が入力装置4および出力装置5を介して接続されている。データ入出力用コンピュータ3にはプリンタ6が接続されている。
【0029】
パーソナルコンピュータ1とホストコンピュータ2とがインターネット7を介して接続されるとともに、インターネット7に農業試験所などに設置されている試験所用コンピュータ8や気象予報機関などに設置されている気象予報機関用コンピュータ9が接続されている。
【0030】
上記構成により、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報を、パーソナルコンピュータ1を通じてホストコンピュータ2に入力し、これに対して、微生物資材の提供者が、予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率などをホストコンピュータ2からパーソナルコンピュータ1に出力できるようになっている。
【0031】
ここで使用する栽培期間における気象に関する情報は、農業生産者が気象予報機関用コンピュータ9にインターネット7などを通じてアクセスして入手し、それを入力するものでも、農業生産者が植物の生産地域と作型を入力するに伴い、微生物資材の提供者側が気象予報機関用コンピュータ9にインターネット7などを通じてアクセスして入手し、それを入力するものでも良い。
【0032】
ここで使用する栽培期間における農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報は、農業生産者が入力するか、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータを入力すれば良い。
【0033】
ホストコンピュータ2には、図2のブロック図に示すように、植物種・植物病害データベース10、植物病害抽出手段11、植物病害発生要因データベース12、植物病害発生要因抽出手段13、植物病害発生要因入手手段14、発生リスク度データベース15、リスク度演算手段16、リスク率演算手段17、微生物資材データベース18、微生物資材抽出手段19、価格データベース20、価格抽出手段21、リスク軽減率データベース22、効果予測値演算手段23およびリスクチャート表示手段24が備えられている。
【0034】
植物種・植物病害データベース10には、植物の種類、作型に対応して発生が予想される植物病害のデータとして植物種・植物病害のデータが格納されている。植物病害抽出手段11では、入力された生産しようとする地域、植物種および作型に基づいて植物種・植物病害データベース10から予測される植物病害を抽出するとともに抽出した植物病害を出力装置5に出力するようになっている。
【0035】
植物病害発生要因のデータベース12には、各植物病害の発生に関連の深い要因が格納されている。植物病害発生要因抽出手段13では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対して、植物病害の発生に関連の深い要因を抽出するようになっている。具体的には、都道府県や市町村、地区名など農業生産者が生産しようとする地域の情報、品種名など植物の種類の情報、露地栽培、ハウス栽培、雨よけ栽培、マルチ栽培、トンネル栽培、促成栽培、半促成栽培、抑制栽培、半抑制栽培、春穫り栽培、夏穫り栽培、秋穫り栽培、冬穫り栽培などの作型の情報、栽培期間における平均最高気温予測、平均最低気温予測、降水量予測、日照時間予測など気象に関する情報、さらに、育苗期間中の気象に関する情報、圃場定植後の気象に関する情報、収穫期の気象に関する情報など分割した気象に関する情報、農地土壌中の病原菌数、pH、水分率、保水性、有機質含有量、有用微生物菌数など農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴、農薬・化学肥料の使用履歴、過去の植物病害発生状況など農作物の栽培履歴の関する情報、周辺地域の植物病害発生状況など農地の周辺情報から病害の発生に関連の深い要因を抽出するようになっている。そして、抽出された要因に関して、農家からの入力、インターネットなどを通じての探索、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータの探索によって、情報を入手するように構成されている。
【0036】
発生リスク度データベース15には、各植物病害ごとにそれぞれの情報に対応して発生リスク度を数値化した重み付け係数が格納されている。
リスク度演算手段16では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対し、入力された情報に基づいて、発生リスク度データベース15からの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度を演算するようになっている。
そして、重み付け係数が、各情報そのものに対する要因重要度と、各情報において区分された状態ごとの要因危険度とから構成され、リスク度演算手段16において、発生リスク度を下記(1)式に基づいて演算するように構成されている。
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
【0037】
リスク率演算手段17では、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を出力装置5に出力するようになっている。標準状態とは、平年の気象条件の状態で、植物病害の発生状況が異常でなかった年の平均値である。植物病害の発生の標準状態は、植物病害の種類によって大きく異なるが、一般的には、発病率として1〜5%程度の状態を言う。
【0038】
微生物資材データベース18には、各植物病害それぞれに対応して防除に有効な微生物資材のデータが格納されている。
微生物資材抽出手段19では、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害に対し、微生物資材データベース18から有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を出力装置5に出力するようになっている。
【0039】
価格データベース20には、微生物資材ごとの単位面積あたりの価格のデータが格納されている。
価格算出手段21では、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、価格データベース20から対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を出力装置5に出力するようになっている。
【0040】
リスク軽減率データベース22には、微生物資材に対し、それを使用したときの各情報に対する発生リスク度のリスク軽減率を相関づけたデータが格納されている。
効果予測値演算手段23では、微生物資材抽出手段19による微生物資材の抽出に伴い、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、リスク軽減率データベース22から抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段16で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算するとともに、演算された植物病害防除効果予測値を出力装置5に出力するようになっている。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
【0041】
リスクチャート表示手段24では、リスク度演算手段17で演算された各情報に対する発生リスク度および植物病害防除効果予測値を、放射状にプロットして表示させるようになっている。
【0042】
次に、図3のフローチャートを用い、はくさい黄化病を対象とした具体例について説明する。
農業生産者が生産しようとする地域として「長野県」、植物の種類として「はくさい」および作型として「露地栽培」、「夏穫り栽培」の情報を入力する(S1)。
【0043】
入力された生産しようとする地域としての「長野県」、植物の種類としての「はくさい」および作型としての「露地栽培」、「夏穫り栽培」の情報に基づき、植物病害抽出手段11により、植物種・植物病害データベース10から予想される植物病害として、「はくさい黄化病」を抽出するとともに抽出した植物病害を出力装置5に出力する(S2)。
【0044】
植物病害抽出手段11で抽出された「はくさい黄化病」に対し、植物病害発生要因抽出手段13により、植物病害発生要因のデータベース12から、「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因として、「品種」、「栽培期間中の平均最高気温予測」、「農地土壌中の病原菌数」、「農地土壌のpH」、「農業生産者が生産しようとする農地での過去の植物病害発生状況」、「農作物の栽培履歴」、「農薬・化学肥料の使用履歴」、「生産地域の植物病害発生状況」を抽出するとともに抽出した植物病害発生要因を出力装置5に出力する(S3)。
【0045】
植物病害発生要因抽出手段13により抽出された「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因に対し、植物病害発生要因入手手段14により、農業生産者による入力データ、農業試験場や農業協同組合が測定した測定結果や保有するデータ、微生物資材の提供者が測定した測定結果や保有するデータ、気象予報機関保有データをインターネットなどを通じたアクセスやデータベースの探索などにより入手し、それを出力装置5に出力する(S4)。
【0046】
植物病害発生要因入手手段14により入手された「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因の情報に対し、リスク度演算手段16により、「はくさい黄化病」の発生に関連の深い要因に基づいて、発生リスク度データーベース15からの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度および発生リスク率を演算して出力装置5に出力する(S5〜8)。
すなわち、発生リスク度データベース15において、重み付け係数としての、各情報そのものについてのはくさい黄化病に対する要因重要度が、表1に示すように格納され、格納されたデータから各情報に対応する要因重要度を抽出する(S5)。
【0047】
【表1】
【0048】
また、重み付け係数としての、各情報において区分された状態ごとの要因危険度が、表2に示すように格納され(ここでは、農業生産者の植物の生産地域の栽培期間中の予測平均最高気温、農業生産者が植物を生産しようとする農地土壌での過去の植物病害発生状況、農地土壌中の病原菌数について例示する)、格納されたデータから各情報に対応する要因危険度を抽出する(S6)。
【0049】
【表2】
【0050】
また、他の情報においても、各情報において区分された状態ごとの要因危険度が格納され、それらの要因重要度と要因危険度を、下記(1)式
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1)
に当てはめ、リスク度演算手段16において、はくさい黄化病に対する発生リスク度を演算し、表3に示す値を得て出力する(S7)。nは、標準状態を特定するための数値であり、0以上の数値が設定されるものであり、ここでは、n=1としている。要因重要度は、抽出された植物病害の発生への影響が最も大きい要因を1、影響が無いものを0と評価し、その他要因を対象植物病害の発生リスクへの影響度合いから0から1の間で設定される。要因危険度は、対象植物病害の発生可能性が最も大きい条件を+1、最も小さい条件を−1と評価し、その他の条件を対象植物病害の発生への影響度合いから−1から+1の間で設定される。出力に際しては、リスクチャート表示手段24により、図4の(b)に示すように、図4の(a)の標準状態とともに、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度を、放射状にプロットして表示するように出力する。
【0051】
【表3】
【0052】
その後、リスク率演算手段17により、リスク度演算手段16で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を出力装置5に出力する(S8)。発生リスク率は、8個の情報の合計ポイント(9.7)を標準状態のポイント(8)で余算して(9.7/8≒1.21)求める。出力に際しては、図5のグラフに示すように、発病率を縦軸に、発生リスク率を横軸にして、病害発生最大値および病害発生最小値とともに表示する。
【0053】
次いで、微生物資材抽出手段19により、植物病害抽出手段11で抽出された植物病害である「はくさい黄化病」に対し、微生物資材データベース18から防除に有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を出力装置5に出力する(S9)。ここで抽出される微生物資材は、通常複数個であるが1個の場合もある。
【0054】
更に、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、価格算出手段21により、価格データベース20から対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を出力装置5に出力する(S10)。
【0055】
しかる後、微生物資材抽出手段19で抽出された微生物資材に対し、効果予測値演算手段23により、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、リスク軽減率データベース22から抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段16で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算し、演算された植物病害防除効果予測値を出力装置5に出力する(S9)。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2)
すなわち、リスク軽減率データベース22において、リスク軽減率が表4に示すように格納され(ここでは、ストレプトマイセス菌OG−012菌資材を利用した場合の農業生産者の植物の生産地域の栽培期間中の予測平均最高気温、農業生産者が植物を生産しようとする農地土壌での過去の植物病害発生状況、農地土壌中の病原菌数について例示する)、それらを抽出して演算し、表5に示すような植物病害防除効果予測値を得る。また、得られた植物病害防除効果予測値を、図4の(c)に示すように、リスクチャート表示手段24により、放射状にプロットして表示するように出力する(S11)。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
また、効果度合いを判りやすくするために、前述の発生リスク率に相当するものを、8個の情報の効果予測値の合計ポイント(5.73)を標準状態のポイント(8)で余算して(5.73/8≒0.72)求めて出力し、図6のグラフに示すように、発病率を縦軸に、効果予測値(図5の発生リスク率に相当する)を横軸にして、病害発生最大値および病害発生最小値とともに表示する。
ストレプトマイセス菌OG−012菌資材を利用した場合の効果についてまとめれば、表6に示すようになる。
【0059】
【表6】
【0060】
以上のデータを出力表示し、それに基づいて農業生産者に微生物資材を購入するかどうかの判断を促す。
【0061】
上記実施例では、農業生産者あるいは農協などのパーソナルコンピュータ1からインターネット7を通じて各情報を入力するとともに、微生物資材提供者側からのデータを受けるようにしているが、例えば、農業生産者から、固定電話や携帯電話、あるいはファクシミリなどにより各情報を入力してもらい、それらの情報を微生物資材提供者が、データ入出力コンピュータ3により入力し、得られたデータを固定電話や携帯電話、あるいはファクシミリなどにより農業生産者に送るようにするものでも良い。
また、データ入出力コンピュータ3は、新規なデータをデータベースに入力したり、データベースに格納されたデータの修正や消去などを行うのにも使用されるものである。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の植物病害防除用微生物資材提案システムによれば、農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型をホストコンピュータに入力し、それにより、予想される植物病害を抽出し、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報からその植物病害の発生に係わる要因を抽出し、抽出された要因の情報を探索、入手することで、予想される植物病害、その植物病害の発生リスク率、その植物病害の防除に使用すべき微生物資材やその微生物資材の防除効果予測値をホストコンピュータから出力し、好適な微生物資材を選択することができる。したがって、微生物資材の提供者は、所定の情報を入力するだけで、農業生産者に、植物病害の発生予測を容易に行うとともに、その植物病害の防除に有効な微生物資材を提案することができる。
一方、農業生産者は、具体的な微生物資材を調べずに、植物病害やその発生リスク率、およびその植物病害に対する微生物資材の防除効果予測に基づいて、微生物資材の購入を判断することができ、適切かつ容易に微生物資材を選択でき、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物病害防除用微生物資材提案システムの実施例を示す概略構成図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】フローチャートである。
【図4】リスクチャートである。
【図5】発病率と発生リスク率との相関を示すグラフである。
【図6】発病率と効果予測値(発生リスク率)との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
2…ホストコンピュータ
4…入力装置
5…出力装置
10…植物種・植物病害データベース
11…植物病害抽出手段
12…植物病害発生要因データベース
13…植物病害発生要因抽出手段
14…植物病害発生要因入手手段
15…発生リスク度データベース
16…リスク度演算手段
17…リスク率演算手段
18…微生物資材データベース
19…微生物資材抽出手段
20…価格データベース
21…価格算出手段
22…リスク率軽減データベース
23…効果予測値演算手段
24…リスクチャート表示手段
Claims (5)
- ホストコンピュータと、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型、栽培期間における気象に関する情報、農地土壌に関する情報、農作物の栽培履歴に関する情報、農地の周辺情報を前記ホストコンピュータに入力する入力装置と、
予測される植物病害、その植物病害に使用すべき微生物資材、植物病害の発生リスク率を前記ホストコンピュータから出力する出力装置と、
を備えた植物病害防除用微生物資材提案システムであって、
前記ホストコンピュータには、
農業生産者が生産しようとする地域および植物の種類、作型に対応して発生が予想される植物病害のデータとして植物種・植物病害のデータを格納した植物種・植物病害データベースと、
各植物病害に対応して、各植物病害の発生に関連の深い要因を格納した植物病害発生要因データベースと、
各植物病害に対応して、それぞれの要因に対応して発生リスク度を数値化した重み付け係数を格納した発生リスク度データベースと、
各植物病害ごとにそれぞれの情報に対応して防除に有効な微生物資材のデータを格納した微生物資材データベースと、
入力された生産しようとする地域、植物種および作型に基づいて前記植物種・植物病害データベースから予測される植物病害を抽出するとともに抽出した植物病害を前記出力装置に出力する植物病害抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因データベースから植物病害発生要因を抽出する植物病害発生要因抽出手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記植物病害発生要因抽出手段で抽出された要因の情報を入手し、前記発生リスク度データベースからの重み付け係数を割り当てて各情報に対する発生リスク度を演算するリスク度演算手段と、
前記リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度に基づいて、標準状態からの発生リスク率を演算するとともに演算した発生リスク率を前記出力装置に出力するリスク率演算手段と、
前記植物病害抽出手段で抽出された植物病害に対し、前記微生物資材データベースから有効な微生物資材を抽出するとともに抽出した微生物資材を前記出力装置に出力する微生物資材抽出手段と、
を備えていることを特徴とする植物病害防除用微生物資材提案システム。 - 請求項1に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
微生物資材ごとの単位面積あたりの価格のデータを格納した価格データベースと、
前記価格データベースから対応する微生物資材を処理した場合の価格を算出するとともに算出した価格を前記出力装置に出力する価格算出手段と、
を備えている植物病害防除用微生物資材提案システム。 - 請求項1または2に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、重み付け係数が、各情報そのものに対する要因重要度と、各情報において区分された状態ごとの要因危険度とからなり、リスク度演算手段が、発生リスク度を下記(1)式に基づいて演算するものである植物病害防除用微生物資材提案システム。
発生リスク度=n+要因重要度×要因危険度、 (n≧0)……(1) - 請求項3に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
ホストコンピュータに、
微生物資材に対し、それを使用したときの各情報に対する発生リスク度のリスク軽減率を相関づけたデータを格納したリスク軽減率データベースと、
微生物資材抽出手段による微生物資材の抽出に伴い、各情報に対する微生物資材使用による植物病害防除効果予測値を、前記リスク軽減率データベースから抽出したリスク軽減率とリスク度演算手段で演算された発生リスク度とから下記(2)式に基づいて演算する効果予測値演算手段とを備え、
前記効果予測値演算手段で演算された植物病害防除効果予測値を出力装置に出力するものである植物病害防除用微生物資材提案システム。
植物病害防除効果予測値=発生リスク度×(1−リスク軽減率)……(2) - 請求項4に記載の植物病害防除用微生物資材提案システムにおいて、
リスク度演算手段で演算された各情報に対する発生リスク度および植物病害防除効果予測値を、放射状にプロットして表示させるリスクチャート表示手段を備えたものである植物病害防除用微生物資材提案システム。
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