JP2004184866A - 定倍率可変焦点光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】定倍率で焦点を連続的に変化できる定倍率可変焦点光学系を提供する。
【解決手段】固定取付部材11と可動取付部材12とを対向させて設け、固定取付部材11に第1プリズム7を取り付けると共に、可動取付部材12に第2プリズム8を取り付け、第1プリズム7の傾斜面7aと第2プリズム8の傾斜面8aとを微小間隔9で対向させ、可動取付部材12に取り付けた第2プリズム8を、固定取付部材11に取り付けた第1プリズム7に対して、第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隔9を維持したまま平行移動させて、第1プリズム7の厚さt1と第2プリズム8の厚さt2との合計厚さを連続的に変化させて、定倍率で焦点を連続的に変化させる。
【選択図】 図2
【解決手段】固定取付部材11と可動取付部材12とを対向させて設け、固定取付部材11に第1プリズム7を取り付けると共に、可動取付部材12に第2プリズム8を取り付け、第1プリズム7の傾斜面7aと第2プリズム8の傾斜面8aとを微小間隔9で対向させ、可動取付部材12に取り付けた第2プリズム8を、固定取付部材11に取り付けた第1プリズム7に対して、第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隔9を維持したまま平行移動させて、第1プリズム7の厚さt1と第2プリズム8の厚さt2との合計厚さを連続的に変化させて、定倍率で焦点を連続的に変化させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は定倍率可変焦点光学系に関し、より詳しくは、焦点合わせを行って定位置に像を結ばせる可変焦点光学系において、結像倍率を一定にして焦点合わせを行うことができる定倍率可変焦点光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
対象物の状態を観察する場合、図4に示すように、台座30に対象物31を載置し、支柱32にリニアガイド33を介してCCDカメラ34やレンズ35などの撮像手段36を昇降自在に取り付け、リニアガイド33により撮像手段36をパルスモータなどの駆動モータ37で昇降させて、対象物31の各部分に焦点を合わせて観察するようにしている。あるいは、撮像手段36を支柱32に固定しておいて、対象物31を載置したX−Y−Zテーブルなどの台座30をパルスモータ(図示省略)により昇降させて、対象物31の各部分に焦点を合わせて観察するようにしている。
【0003】
ところが、重量の大きな撮像手段36や台座30を昇降させるためには、駆動モータ37も大型、かつ大重量になり、その昇降動作時に振動を発生し易く、高精度の観察が困難になることがあるという問題点があった。
【0004】
また、この種観察装置には、通常、対象物31を照明する照明装置(図示省略)が設けられるが、撮像手段36や台座30を昇降させると、照明装置と対象物31との位置関係が変化して、良好な照明状態が得られなくなり、観察に支障を来たすことがあるという問題点もあった。
【0005】
そこで、図5および図6に示すように、X−Y−Zステージ40の上に対象物41を載置し、その上方にCCDカメラなどの撮像手段を含む光学系42を配置し、対象物41と光学系42との間に、異なる厚さの平行平面ガラス43を円周方向に多数配置した円盤44を、駆動モータ45によって回転自在に構成し、前記各平行平面ガラス43の中心を光軸が通るようにした高速焦点移動機構も提案されている。
【0006】
図5および図6において、平行平面ガラス43の位置をタイミングセンサ46で検出し、このタイミングセンサ46の出力と光学系42の出力に基づいて、各平行平面ガラス43の結像を並列処理プロセッサ47で処理し、この並列処理プロセッサ47の出力は前記光学系42およびX−Y−Zステージ40を制御するステージコントローラ48に与えられる。(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
【非特許文献1】
「半導体産業における三次元計測」石原満宏、光技術コンタクト、Vol.39,No.2(2001)P.29−35(P.32−34、図7,図8)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の非特許文献1に記載された高速焦点移動機構では、可変焦点のために厚さが異なる多数の平行平面ガラス43が必要であるのみならず、これらの平行平面ガラス43を取り付けた円盤44を駆動モータ45によって回転させなければならず、しかも、タイミングセンサ46、並列処理プロセッサ47などを必要とするため構成が複雑、かつ、大型、高価になるという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明は、現時点で入手が容易な構成部品を用いて焦点距離を連続的に変化させることが可能な定倍率可変焦点光学系を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載された定倍率可変焦点光学系は、撮像手段と対象物との間に介在される定倍率可変焦点光学系であって、第1プリズムと、第2プリズムとを、傾斜面どうしを微小間隔で対向させて配置し、少なくとも一方のプリズムを傾斜面に沿って移動可能にして、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変して定倍率で焦点を可変にしたことを特徴とするものである。
【0011】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムと第2プリズムとを相対的に連続的に移動させることによって、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを連続的に変化させることができ、定倍率で焦点を連続的に変化させることができる。しかも、プリズムは現在、市場で容易、かつ、安価に入手可能なものであるため、容易に安価な定倍率可変焦点光学系の実現が可能である。
【0012】
本発明の請求項2に記載された定倍率可変焦点光学系は、前記第1プリズムが傾斜面を下方にして固定され、前記第2プリズムが傾斜面を上側にして移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムを固定し、第2プリズムのみを第1プリズムに対して移動させることによって、第1プリズムと第2プリズムとの合計厚さを変化させることができるので、簡単な機構により、定倍率で焦点を連続的に変化させることができる。
【0014】
本発明の請求項3に記載された定倍率可変焦点光学系は、撮像手段を取り付けた保持部材と、対象物を載置する台座とを有し、前記保持部材に第1プリズムを固定取付部材を介して固定すると共に、前記第1プリズムの傾斜面に微小間隙で対向する傾斜面を有する第2プリズムを可動取付部材に取り付け、この可動取付部材をプリズムの傾斜面に沿って移動させることによって、前記第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変にしたことを特徴とするものである。
【0015】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、保持部材に取り付けた撮像手段や、対象物を載置した台座を昇降する場合に比較して、著しく軽量な第2プリズムを移動させるので、駆動系が小型、かつ簡単にできるのみならず、軽量のため慣性が小さいので高速動作が可能で、しかも、第2プリズムの移動による振動がないか、あっても著しく小さいために、焦点の変動がないか、あっても極めて小さい。そのため、高精度の観察が短時間で可能になる。
【0016】
本発明の請求項4に記載された定倍率可変焦点光学系は、前記固定取付部材と可動取付部材とに、第1,第2プリズムを微小間隙で取り付けると共に、スライダを摺動可能に取り付けたことを特徴とするものである。
【0017】
上記定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムを取り付けた固定取付部材と、第2プリズムを取り付けた可動取付部材とが、スライダを介して相互にスライド可能であるため、簡単な機構で、第1プリズムに対して第2プリズムを円滑に移動させることが可能であり、小型、かつ、安価な定倍率可変焦点光学系を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明定倍率可変焦点光学系の実施形態について説明する。図1(A)は本発明の定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の概略正面図で、図1(B)は図1(A)の円A内の微小間隙部分の部分拡大正面図を示す。図1において、1は観察する対象物2を載置した台座で、3は対象物1の上方に配置された撮像手段4およびレンズ5を保持する保持部材の一例の支柱である。6は定倍率可変焦点光学系で、第1プリズム7と第2プリズム8とが、傾斜面7a,8aどうしを微小間隙9で対向させてあり、第2プリズム8が第1プリズム7の傾斜面7aに沿って、すなわち、微小間隙9を維持したまま移動可能に構成されている。
【0019】
図2は図1の定倍率可変焦点光学系6の具体的な構成を示し、10は第1プリズム7に対して第2プリズム8を移動可能に組み付けたものを、支柱3に取り付けるための取付部材で、この取付部材10は、第1プリズム7を取り付けた略クランク状の固定取付部材11と、この略クランク状の固定取付部材11に対向して、第2プリズム8を取り付けた略逆クランク状の可動取付部材12とを有する。
【0020】
前記固定取付部材11および可動取付部材12は、それぞれ一端部に第1プリズム7および第2プリズム8が取り付けられ、他端部に摺動抵抗が小さい、例えば、鉄ないしステンレスからなるスライダ13,14が取り付けてある。
【0021】
そして、図2の第1,第2プリズム7,8を取り付けた固定取付部材11および可動取付部材12が、前記第1,第2プリズム7,8の平面部7b,8bが、光軸15に対して垂直になるように、前記図1の対象物2と撮像手段4との間に配置されている。
【0022】
図1において、対象物2と撮像手段4との間隔寸法L1は一定であり、また、支柱3に固定された第1プリズム7の平面部7bと、撮像手段4との間隔寸法L2も一定であり、さらに光軸15における第1プリズム7の厚さ寸法t1、微小間隙9の間隙寸法gも一定である。これに対して、第2プリズム8を第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隙9(間隙寸法g)を一定に維持して移動させると、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2が変化する。
【0023】
すなわち、図3(A)(B)に示すように、第2プリズム8を第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隙9(間隙寸法g)を維持して連続的に移動させると、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2を連続的に変化させることができる。また、第2プリズム8の移動に伴って、対象物2と第2プリズム8の平面部8bとの間隔寸法L3も変化する。なお、微小間隙9の存在によって、第1プリズム7の光軸15と、第2プリズム8の光軸15とは若干オフセットされるが、そのオフセット量は小さく、しかも、第2プリズム8の移動に拘わらずオフセット量は一定であるので、対象物2の表面観察には全く支障がない。したがって、対象物2および撮像手段4を固定にしたままで、対象物2と撮像手段4との間の光路長を連続的に変化させて、焦点を連続的に変化させることができる。
【0024】
第1プリズム7および第2プリズム8の傾斜面7a,8aと平面部7b,8bとのなす傾斜角度θを小さくすると、第2プリズム7の傾斜面方向への移動量に対する光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2の変化が小さくなり、焦点をより高精度で変化できる利点があるが、反面、第2プリズム8の移動量が増大するので、その移動範囲を考慮した設計が必要になる。また、傾斜角度θを大きくすると、第2プリズム7の傾斜面方向への移動量に対する光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2の変化が大きくなり、焦点を大きく変化できる利点があるが、反面、微小な凹凸を有する対象物に対しては、第2プリズム8の移動量の厳密な制御が要求されるし、微小間隙9の間隙寸法gが大きくなるので、この微小間隙9部分での光軸15の屈折が大きくなり、光軸のオフセットが大きくなる。したがって、傾斜角度θは、用途に応じて適宜設定すればよい。半導体チップ(ダイ)などの観察においては、15〜20°程度が適当である。
【0025】
以上のように、定倍率可変焦点光学系6においては、駆動モータ(図示省略)によって、可動取付部材12を固定取付部材11に対して平行移動させると、第1プリズム7と第2プリズム8とが微小間隙9を維持したまま、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2を連続的に変化させることができ、定倍率で焦点を連続的に変化させることが可能な定倍率可変焦点光学系が実現できる。
【0026】
なお、上記実施形態は、特定の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、図2の上側の取付部材11を可動取付部材として第2プリズム8を取り付け、下側の取付部材12を固定取付部材として第1プリズム7を取り付けてもよい。
【0027】
また、上記実施形態に記載した固定取付部材11および可動取付部材12は、略クランク状の構成のものについて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、上面から見てH字形の取付部材を用いて、一方の凹部にプリズムを取り付け、他方の凹部にスライダを取り付けるようにしてもよい。
【0028】
また、定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の設置場所などの条件によっては、第1プリズム7および第2プリズム8の両方を可動取付部材に取り付けるようにしてもよい。そのようにすると、構成は若干複雑になるが、光軸15における第1プリズム7の厚さ寸法t1および第2プリズム8の厚さ寸法t2の両方を変化させることができるので、所定の焦点可変に要するプリズムの移動量を小さくすることができる利点がある。なお、このように第1,第2プリズム7,8の両方を可動取付部材に取り付ける場合、第1,第2プリズム7,8を別々の駆動モータで駆動するようにしてもよいが、1個の駆動モータで互いに相反する方向に駆動するようにすることによって、駆動モータの使用数を低減して、構成を簡易かつ安価にできると共に、第1,第2プリズム7,8の移動量に対する焦点の変化率を一定にできる。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の定倍率可変焦点光学系は、撮像手段と対象物との間に介在される定倍率可変焦点光学系であって、第1プリズムと、第2プリズムとを、傾斜面どうしを微小間隔で対向させて配置し、少なくとも一方のプリズムを傾斜面に沿って移動可能にして、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変して定倍率で焦点を可変にしたことを特徴とするものであるから、第1プリズムと第2プリズムの少なくとも一方を移動させることによって、対象物と撮像手段との間隔を変更することなく、すなわち、定倍率で連続的に焦点を変化できる定倍率可変焦点光学系を提供することができる。また、この定倍率可変焦点光学系は、従来の多数の平行平面ガラスを円盤に取り付け、この円盤を回転させるものに比較して、小型、軽量かつ、安価であり、現在、市場に出回っている入手容易なプリズムによって、容易、かつ、安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の概略正面図、
(B)は(A)の微小間隙部分Aにおける拡大正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系の正面図である。
【図3】(A)は本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系のプリズム部分の拡大正面図、
(B)は(A)の定倍率可変焦点光学系における第2プリズムを移動させた場合の状態を示すプリズム部分の拡大正面図である。
【図4】従来の可変焦点観察装置の側面図である。
【図5】従来の他の可変焦点観察装置における概略正面図である。
【図6】図5の可変焦点観察装置における高速焦点移動機構の斜視図である。
【符号の説明】
1 台座
2 対象物
3 保持部材(支柱)
4 撮像手段
5 レンズ
6 定倍率可変焦点光学系
7 第1プリズム
7a,8a 傾斜面
7b,8b 平面部
8 第2プリズム
9 微小隙間
10 取付部材
11 固定取付部材
12 可動取付部材
13,14 スライダ
15 光軸
L1 対象物と撮像手段との間隔寸法
L2 第1プリズムの平面部と撮像手段との間隔寸法
t1 第1プリズムの厚さ寸法
t2 第2プリズムの厚さ寸法
g 第1プリズムと第2プリズムの間隙寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は定倍率可変焦点光学系に関し、より詳しくは、焦点合わせを行って定位置に像を結ばせる可変焦点光学系において、結像倍率を一定にして焦点合わせを行うことができる定倍率可変焦点光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
対象物の状態を観察する場合、図4に示すように、台座30に対象物31を載置し、支柱32にリニアガイド33を介してCCDカメラ34やレンズ35などの撮像手段36を昇降自在に取り付け、リニアガイド33により撮像手段36をパルスモータなどの駆動モータ37で昇降させて、対象物31の各部分に焦点を合わせて観察するようにしている。あるいは、撮像手段36を支柱32に固定しておいて、対象物31を載置したX−Y−Zテーブルなどの台座30をパルスモータ(図示省略)により昇降させて、対象物31の各部分に焦点を合わせて観察するようにしている。
【0003】
ところが、重量の大きな撮像手段36や台座30を昇降させるためには、駆動モータ37も大型、かつ大重量になり、その昇降動作時に振動を発生し易く、高精度の観察が困難になることがあるという問題点があった。
【0004】
また、この種観察装置には、通常、対象物31を照明する照明装置(図示省略)が設けられるが、撮像手段36や台座30を昇降させると、照明装置と対象物31との位置関係が変化して、良好な照明状態が得られなくなり、観察に支障を来たすことがあるという問題点もあった。
【0005】
そこで、図5および図6に示すように、X−Y−Zステージ40の上に対象物41を載置し、その上方にCCDカメラなどの撮像手段を含む光学系42を配置し、対象物41と光学系42との間に、異なる厚さの平行平面ガラス43を円周方向に多数配置した円盤44を、駆動モータ45によって回転自在に構成し、前記各平行平面ガラス43の中心を光軸が通るようにした高速焦点移動機構も提案されている。
【0006】
図5および図6において、平行平面ガラス43の位置をタイミングセンサ46で検出し、このタイミングセンサ46の出力と光学系42の出力に基づいて、各平行平面ガラス43の結像を並列処理プロセッサ47で処理し、この並列処理プロセッサ47の出力は前記光学系42およびX−Y−Zステージ40を制御するステージコントローラ48に与えられる。(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
【非特許文献1】
「半導体産業における三次元計測」石原満宏、光技術コンタクト、Vol.39,No.2(2001)P.29−35(P.32−34、図7,図8)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の非特許文献1に記載された高速焦点移動機構では、可変焦点のために厚さが異なる多数の平行平面ガラス43が必要であるのみならず、これらの平行平面ガラス43を取り付けた円盤44を駆動モータ45によって回転させなければならず、しかも、タイミングセンサ46、並列処理プロセッサ47などを必要とするため構成が複雑、かつ、大型、高価になるという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明は、現時点で入手が容易な構成部品を用いて焦点距離を連続的に変化させることが可能な定倍率可変焦点光学系を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載された定倍率可変焦点光学系は、撮像手段と対象物との間に介在される定倍率可変焦点光学系であって、第1プリズムと、第2プリズムとを、傾斜面どうしを微小間隔で対向させて配置し、少なくとも一方のプリズムを傾斜面に沿って移動可能にして、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変して定倍率で焦点を可変にしたことを特徴とするものである。
【0011】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムと第2プリズムとを相対的に連続的に移動させることによって、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを連続的に変化させることができ、定倍率で焦点を連続的に変化させることができる。しかも、プリズムは現在、市場で容易、かつ、安価に入手可能なものであるため、容易に安価な定倍率可変焦点光学系の実現が可能である。
【0012】
本発明の請求項2に記載された定倍率可変焦点光学系は、前記第1プリズムが傾斜面を下方にして固定され、前記第2プリズムが傾斜面を上側にして移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムを固定し、第2プリズムのみを第1プリズムに対して移動させることによって、第1プリズムと第2プリズムとの合計厚さを変化させることができるので、簡単な機構により、定倍率で焦点を連続的に変化させることができる。
【0014】
本発明の請求項3に記載された定倍率可変焦点光学系は、撮像手段を取り付けた保持部材と、対象物を載置する台座とを有し、前記保持部材に第1プリズムを固定取付部材を介して固定すると共に、前記第1プリズムの傾斜面に微小間隙で対向する傾斜面を有する第2プリズムを可動取付部材に取り付け、この可動取付部材をプリズムの傾斜面に沿って移動させることによって、前記第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変にしたことを特徴とするものである。
【0015】
上記の定倍率可変焦点光学系によれば、保持部材に取り付けた撮像手段や、対象物を載置した台座を昇降する場合に比較して、著しく軽量な第2プリズムを移動させるので、駆動系が小型、かつ簡単にできるのみならず、軽量のため慣性が小さいので高速動作が可能で、しかも、第2プリズムの移動による振動がないか、あっても著しく小さいために、焦点の変動がないか、あっても極めて小さい。そのため、高精度の観察が短時間で可能になる。
【0016】
本発明の請求項4に記載された定倍率可変焦点光学系は、前記固定取付部材と可動取付部材とに、第1,第2プリズムを微小間隙で取り付けると共に、スライダを摺動可能に取り付けたことを特徴とするものである。
【0017】
上記定倍率可変焦点光学系によれば、第1プリズムを取り付けた固定取付部材と、第2プリズムを取り付けた可動取付部材とが、スライダを介して相互にスライド可能であるため、簡単な機構で、第1プリズムに対して第2プリズムを円滑に移動させることが可能であり、小型、かつ、安価な定倍率可変焦点光学系を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明定倍率可変焦点光学系の実施形態について説明する。図1(A)は本発明の定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の概略正面図で、図1(B)は図1(A)の円A内の微小間隙部分の部分拡大正面図を示す。図1において、1は観察する対象物2を載置した台座で、3は対象物1の上方に配置された撮像手段4およびレンズ5を保持する保持部材の一例の支柱である。6は定倍率可変焦点光学系で、第1プリズム7と第2プリズム8とが、傾斜面7a,8aどうしを微小間隙9で対向させてあり、第2プリズム8が第1プリズム7の傾斜面7aに沿って、すなわち、微小間隙9を維持したまま移動可能に構成されている。
【0019】
図2は図1の定倍率可変焦点光学系6の具体的な構成を示し、10は第1プリズム7に対して第2プリズム8を移動可能に組み付けたものを、支柱3に取り付けるための取付部材で、この取付部材10は、第1プリズム7を取り付けた略クランク状の固定取付部材11と、この略クランク状の固定取付部材11に対向して、第2プリズム8を取り付けた略逆クランク状の可動取付部材12とを有する。
【0020】
前記固定取付部材11および可動取付部材12は、それぞれ一端部に第1プリズム7および第2プリズム8が取り付けられ、他端部に摺動抵抗が小さい、例えば、鉄ないしステンレスからなるスライダ13,14が取り付けてある。
【0021】
そして、図2の第1,第2プリズム7,8を取り付けた固定取付部材11および可動取付部材12が、前記第1,第2プリズム7,8の平面部7b,8bが、光軸15に対して垂直になるように、前記図1の対象物2と撮像手段4との間に配置されている。
【0022】
図1において、対象物2と撮像手段4との間隔寸法L1は一定であり、また、支柱3に固定された第1プリズム7の平面部7bと、撮像手段4との間隔寸法L2も一定であり、さらに光軸15における第1プリズム7の厚さ寸法t1、微小間隙9の間隙寸法gも一定である。これに対して、第2プリズム8を第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隙9(間隙寸法g)を一定に維持して移動させると、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2が変化する。
【0023】
すなわち、図3(A)(B)に示すように、第2プリズム8を第1プリズム7の傾斜面7aに沿って微小間隙9(間隙寸法g)を維持して連続的に移動させると、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2を連続的に変化させることができる。また、第2プリズム8の移動に伴って、対象物2と第2プリズム8の平面部8bとの間隔寸法L3も変化する。なお、微小間隙9の存在によって、第1プリズム7の光軸15と、第2プリズム8の光軸15とは若干オフセットされるが、そのオフセット量は小さく、しかも、第2プリズム8の移動に拘わらずオフセット量は一定であるので、対象物2の表面観察には全く支障がない。したがって、対象物2および撮像手段4を固定にしたままで、対象物2と撮像手段4との間の光路長を連続的に変化させて、焦点を連続的に変化させることができる。
【0024】
第1プリズム7および第2プリズム8の傾斜面7a,8aと平面部7b,8bとのなす傾斜角度θを小さくすると、第2プリズム7の傾斜面方向への移動量に対する光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2の変化が小さくなり、焦点をより高精度で変化できる利点があるが、反面、第2プリズム8の移動量が増大するので、その移動範囲を考慮した設計が必要になる。また、傾斜角度θを大きくすると、第2プリズム7の傾斜面方向への移動量に対する光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2の変化が大きくなり、焦点を大きく変化できる利点があるが、反面、微小な凹凸を有する対象物に対しては、第2プリズム8の移動量の厳密な制御が要求されるし、微小間隙9の間隙寸法gが大きくなるので、この微小間隙9部分での光軸15の屈折が大きくなり、光軸のオフセットが大きくなる。したがって、傾斜角度θは、用途に応じて適宜設定すればよい。半導体チップ(ダイ)などの観察においては、15〜20°程度が適当である。
【0025】
以上のように、定倍率可変焦点光学系6においては、駆動モータ(図示省略)によって、可動取付部材12を固定取付部材11に対して平行移動させると、第1プリズム7と第2プリズム8とが微小間隙9を維持したまま、光軸15における第2プリズム8の厚さ寸法t2を連続的に変化させることができ、定倍率で焦点を連続的に変化させることが可能な定倍率可変焦点光学系が実現できる。
【0026】
なお、上記実施形態は、特定の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、図2の上側の取付部材11を可動取付部材として第2プリズム8を取り付け、下側の取付部材12を固定取付部材として第1プリズム7を取り付けてもよい。
【0027】
また、上記実施形態に記載した固定取付部材11および可動取付部材12は、略クランク状の構成のものについて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、上面から見てH字形の取付部材を用いて、一方の凹部にプリズムを取り付け、他方の凹部にスライダを取り付けるようにしてもよい。
【0028】
また、定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の設置場所などの条件によっては、第1プリズム7および第2プリズム8の両方を可動取付部材に取り付けるようにしてもよい。そのようにすると、構成は若干複雑になるが、光軸15における第1プリズム7の厚さ寸法t1および第2プリズム8の厚さ寸法t2の両方を変化させることができるので、所定の焦点可変に要するプリズムの移動量を小さくすることができる利点がある。なお、このように第1,第2プリズム7,8の両方を可動取付部材に取り付ける場合、第1,第2プリズム7,8を別々の駆動モータで駆動するようにしてもよいが、1個の駆動モータで互いに相反する方向に駆動するようにすることによって、駆動モータの使用数を低減して、構成を簡易かつ安価にできると共に、第1,第2プリズム7,8の移動量に対する焦点の変化率を一定にできる。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の定倍率可変焦点光学系は、撮像手段と対象物との間に介在される定倍率可変焦点光学系であって、第1プリズムと、第2プリズムとを、傾斜面どうしを微小間隔で対向させて配置し、少なくとも一方のプリズムを傾斜面に沿って移動可能にして、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変して定倍率で焦点を可変にしたことを特徴とするものであるから、第1プリズムと第2プリズムの少なくとも一方を移動させることによって、対象物と撮像手段との間隔を変更することなく、すなわち、定倍率で連続的に焦点を変化できる定倍率可変焦点光学系を提供することができる。また、この定倍率可変焦点光学系は、従来の多数の平行平面ガラスを円盤に取り付け、この円盤を回転させるものに比較して、小型、軽量かつ、安価であり、現在、市場に出回っている入手容易なプリズムによって、容易、かつ、安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系を組み込んだ観察装置の概略正面図、
(B)は(A)の微小間隙部分Aにおける拡大正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系の正面図である。
【図3】(A)は本発明の実施形態に係る定倍率可変焦点光学系のプリズム部分の拡大正面図、
(B)は(A)の定倍率可変焦点光学系における第2プリズムを移動させた場合の状態を示すプリズム部分の拡大正面図である。
【図4】従来の可変焦点観察装置の側面図である。
【図5】従来の他の可変焦点観察装置における概略正面図である。
【図6】図5の可変焦点観察装置における高速焦点移動機構の斜視図である。
【符号の説明】
1 台座
2 対象物
3 保持部材(支柱)
4 撮像手段
5 レンズ
6 定倍率可変焦点光学系
7 第1プリズム
7a,8a 傾斜面
7b,8b 平面部
8 第2プリズム
9 微小隙間
10 取付部材
11 固定取付部材
12 可動取付部材
13,14 スライダ
15 光軸
L1 対象物と撮像手段との間隔寸法
L2 第1プリズムの平面部と撮像手段との間隔寸法
t1 第1プリズムの厚さ寸法
t2 第2プリズムの厚さ寸法
g 第1プリズムと第2プリズムの間隙寸法
Claims (4)
- 撮像手段と対象物との間に介在される定倍率可変焦点光学系であって、
第1プリズムと、第2プリズムとを、傾斜面どうしを微小間隔で対向させて配置し、少なくとも一方のプリズムを傾斜面に沿って移動可能にして、第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変して定倍率で焦点を可変にしたことを特徴とする定倍率可変焦点光学系。 - 前記第1プリズムが傾斜面を下方にして固定され、前記第2プリズムが傾斜面を上側にして移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定倍率可変焦点光学系。
- 撮像手段を取り付けた保持部材と、対象物を載置する台座とを有し、前記保持部材に第1プリズムを固定取付部材を介して固定すると共に、前記第1プリズムの傾斜面に微小間隙で対向する傾斜面を有する第2プリズムを可動取付部材に取り付け、この可動取付部材をプリズムの傾斜面に沿って移動させることによって、前記第1プリズムと第2プリズムの合計厚さを可変にしたことを特徴とする定倍率可変焦点光学系。
- 前記固定取付部材と可動取付部材とに、第1,第2プリズムを微小間隙で取り付けると共に、スライダを摺動可能に取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の定倍率可変焦点光学系。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013117377A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-06-13 | Chiba Univ | 断層像測定装置 |
JP2014228619A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 結像光学系、撮像装置、及び内視鏡 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002354024A patent/JP2004184866A/ja not_active Withdrawn
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