JP2004183150A - Filament nonwoven fabric and fiber product using the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィット性を有する長繊維不織布に関する。更に詳細にはフィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好で、優れた風合、燃焼時の有害ガス発生がなく、かつリサイクル可能である繊維製品としての用途に最適な長繊維不織布およびこれを用いた繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からカーペットやマット等にスリップ防止性を付与する方法として、これらの裏側に粘着性成分をコーティングしたり付着したりする方法が知られている。しかしながらこれらの方法では全面に粘着性成分が被覆しているため粘着性が強すぎて互いの面がブロッキングしたり風合いが悪いという問題があり不満足な物であった。
【0003】
また、弾性重合体に非弾性重合体を添加混合しメルトブロー不織布としたすべり止めシートが提案されている。(例えば特許文献1参照。)
しかし、これは添加混合の場合すべり止め効果はあるものの、粘着性の問題がなお未解決であるため、やはりブロッキングが起こり、製品ロールを繰出す段階での取り扱いが困難であり、製品として使用できない場合もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−18908号公報(第2〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、フィット性とアンチブロッキング性のバランスが良好で、かつ優れた風合いをもつフィット性が良好な長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品を提供することにある。「フィット性」とは、不織布が充分なすべり止め性能と密着性を持っていることをいう。このような性能には、繊維の粘着性成分が大きく関与しているが、粘着性成分を用いると不織布取り扱いの際にブロッキング現象が起こる。そこで、粘着性成分を用いながらもアンチブロッキング性が良好な不織布、すなわち、ある程度の粘着性を持ちながらブロッキング現象を抑えた不織布を提供することが本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、粘着性成分と非粘着性成分が30/70容積%〜95/5容積%で構成される長繊維不織布であり、かつ粘着性成分と非粘着性成分其々が繊維表面にて連続した層をなす複合繊維からなり、かつ下記特性を満足する長繊維不織布、及びこれを用いた繊維製品によって課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
・非粘着性成分周囲長率:10〜90%
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(該長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
【0007】
本発明は以下によって構成される。
(1)粘着性成分と非粘着性成分が30/70容積%〜95/5容積%で構成され、かつ粘着性成分と非粘着性成分其々が繊維表面にて連続した層をなす複合繊維からなり、かつ下記特性を有する長繊維不織布。
・非粘着性成分周囲長率:10〜90%
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(該長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
【0008】
(2)粘着性成分が下記成分から選ばれる少なくとも1種を含む前記(1)項に記載の長繊維不織布。
▲1▼主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロック(A)を少なくとも1個、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロック(B)を少なくとも1個有しかつ共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
▲2▼共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
▲3▼エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もしくはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
▲4▼共役ジエン重合体を水素添加して得られるオレフィン重合体。
▲5▼アモルファス・ポリプロピレン
【0009】
(3)粘着性成分が下記▲1▼である前記(1)項に記載の長繊維不織布。
▲1▼主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロック(A)を少なくとも1個、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロック(B)を少なくとも1個有しかつ共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(4)粘着性成分が下記▲2▼である前記(1)項に記載の長繊維不織布。
▲2▼共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(5)粘着性成分が下記▲3▼である前記(1)項に記載の長繊維不織布。
▲3▼エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もしくはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(6)粘着性成分が下記▲4▼である前記(1)項に記載の長繊維不織布。
▲5▼アモルファス・ポリプロピレン
(7)粘着性成分が下記▲5▼である前記(1)項に記載の長繊維不織布。
【0010】
(8)非粘着性成分がポリオレフィン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂の群から選ばれる少なくとも1種からなる前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の長繊維不織布。
(9)粘着性成分と非粘着性成分が50/50容積%〜95/5容積%で構成され、かつ粘着性成分と非粘着性成分其々が繊維表面にて連続した層をなす複合繊維からなり、かつ下記特性を満足する前記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の長繊維不織布。
・非粘着性成分周囲長率:10〜70%
・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(該長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下 (25℃、相対湿度65%)
【0011】
(10)長繊維不織布が、メルトブロー不織布である前記(1)〜(9)のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(11)長繊維不織布が、スパンボンド不織布である前記(1)〜(9)のいずれか1項記載の長繊維不織布。
【0012】
(12)前記(1)項から前記(11)のいずれか1項に記載の長繊維不織布に、前記長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェッブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層してなる積層化長繊維不織布。
(13)前記(1)項から前記(11)項に記載の長繊維不織布または前記(12)項に記載の積層化長繊維不織布を用いた繊維製品。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着性成分として、これまで公知の粘着性成分を用いることができる。その中でも上記(2)に記載の▲1▼〜▲5▼の群から選ばれる少なくとも1種の成分が粘着性と紡糸性の点から好ましい。
【0014】
粘着性成分▲1▼は、主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体である。尚、主としてとは、重合体ブロックを構成する化合物が、重合体ブロックの少なくとも50重量%を占めることを示す。
前記スチレンブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン等が例示され、特にスチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が例示され、特にブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体は、化合物の安定性、紡糸性等の点から共役ジエン部分の二重結合の80%以上が水素添加されていることが好ましい。具体的には、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等のブロック共重合体が挙げられる。より具体的には、クレイトンポリマージャパン(株)製「KRATON G」、クラレ(株)製「SEPTON」、JSR(株)製「JSR DYNARON」(「」内は、いずれも商品名)等が挙げられる。
【0015】
粘着性成分▲2▼は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体である。前記スチレンジエン共重合体を構成する共役ジエン化合物のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエンが挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。また、前記スチレンジエン共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンであり、更に好ましくはスチレンである。
水添スチレンジエン共重合体は、少なくとも1種の共役ジエンと3〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体であって、分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が10以下であり、かつ前記共重合体を構成するジエン部のビニル結合含有率が10〜90重量%である共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも80%が水素添加された共重合体である。より具体的には、JSR(株)製「JSR DYNARON」(「」内は、商品名)等が挙げられる。
【0016】
粘着性成分▲3▼は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体である。
前記α−オレフィンとは、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。前記α−オレフィンの中では、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。本発明では、これらを組合わせたエチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく利用できる。また本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体は、曳糸性の点から1.5〜4の分子量分布(Mw/Mn)であることが好ましい。具体的には、デュポンダウエラストマージャパン(株)製「エンゲージ」、三井化学(株)製「タフマー」(「」内はいずれも商品名))が例示される。また本発明で用いられるオレフィン共重合体はメタロセン触媒によって製造された共重合体であってもよい。尚、α−オレフィンに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴムが例示される。
【0017】
粘着性成分▲4▼は、共役ジエン重合体を水素添加して得られるオレフィン重合体である。前記オレフィン重合体を構成する共役ジエン重合体のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエンが挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの共役ジエンを重合した後、水素添加し製造されたオレフィン重合体も含まれる。
また、本発明のオレフィン重合体には、CEBCと呼ばれるオレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体のようなブロックタイプも含まれる。
【0018】
粘着性成分▲5▼は、アモルファス・ポリプロピレンである。前記アモルファス・ポリプロピレンとは、その結晶化度が約65J/gまたはそれ以下を持つものを示す。結晶化度または融解熱(ΔHf)は、米国試験材料学会(ASTM)D−3417に従ったDSCにより測定できる。
本発明では、米国特許第5,948,720号、米国特許第5,723,546号、欧州特許第0475307B1号及び欧州特許第0475306B1号に記載されているプロピレンベースのアモルファスポリマーが好ましく利用できる。具体的には、アモルファス・ポリプロピレンとしては、アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、アモルファス・プロピレンホモポリマー、アモルファス・ブチレン−プロピレンコポリマーが例示できる。これらの重合体は、約0.87g/cm3から0.89g/cm3の密度を持ち、張力係数が約3.44Pa(ASTM D−638)未満、及び/または、伸び(%)が約900より大きいことが必要である。しかし、これら以外の様々なアモルファス・プロピレンコポリマーを本発明に用いても構わない。この点については、ステレオブロックポリマーが、本発明の実施のために特に好ましい態様である。「ステレオブロックポリマー」の用語は、目標とする結晶化度を達成するために制御された領域立体規則性または立体配列を持つポリマー材料を言う。重合中に立体配列を制御することにより、アタクチック・イソタクチック・ステレオブロックを達成することが可能である。ポリオレフィン・ステレオブロックポリマーを生成する方法は、従来技術で既知であり、以下の論文に記載されている。サイエンス誌267号(1995年1月)の217ページから219ページに記載のG.コーテス及びR.ウェイマス著「振動立体制御:熱可塑性エラストマー・ポリプロピレン合成の戦略」、及び、サイエンス誌267号(1995年1月)の191ページに記載のK.ワゲナー著「振動触媒:プラスチックの新しい展開」である。また、ステレオブロックポリマー及びそれらの製造方法は、米国特許第5,549,080号、及び米国特許第5,208,304号に記載されている。上記の通り、アルファオレフィンの結晶化度を制御することにより、独特の張力係数、及び/または、伸びの特性を示すポリマーが可能になる。例えば市販の好適なポリマーには、ハンツマン・コーポレーションからレクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズがある。
【0019】
本発明の非粘着性成分には、公知の非粘着性成分を用いることができる。その中でもポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂の群から選ばれる非粘着性成分の少なくとも1種を含む成分が好ましい。非粘着性成分は、それ自体には粘着性がなく、特にメルトブロー法にて紡糸しやすい成形性容易な樹脂である。中でもポリオレフィン樹脂は、得られる不織布が良好な風合と滑り性を示し、コストと成形性の点から好ましく利用できる。それらの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレンが好ましく利用できる。
【0020】
本発明で用いられる非粘着性成分には、本発明の効果を阻害しない範囲で付加的な添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。そのような添加剤としては、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤(粘度を増すための添加剤で、粘着性を増すものではない)、艶消剤、着色剤、ゴム等の柔軟性付与剤、その他、各種の改良剤等が挙げられる。また、本発明に用いられる粘着性成分にも、非粘着性成分と同様に上記の添加剤が配合されていてもよい。さらに粘着性成分には、本発明の効果であるフィット性とアンチブロッキング性のバランスを阻害することのない範囲で粘着性付与剤が添加されていてもよい。粘着性付与剤としては、種々添加剤が使用可能であるが、温度安定性が高い水素添加炭化水素樹脂が好ましく利用できる。ただし、非粘着性成分には、粘着性の付与されるような添加物は加えてはならない。
【0021】
なお、本発明の長繊維不織布は、長繊維から構成される。具体的には、300mmを超える繊維長の繊維が好ましい。したがって、カード法によるウェブ状態を経て不織布化される短繊維不織布は含まれない。長繊維不織布を製造する方法としては、例えば、溶融した熱可塑性樹脂を紡糸し、延伸、開繊、捕集及び絡合を行って不織布を形成するスパンボンド法、溶融した熱可塑性樹脂を高温高圧空気と共に噴射し開繊配列して不織布を形成するメルトブロー法、熱可塑性樹脂の長繊維束を延伸し、捲縮付与後に開繊及び拡幅を行って不織布を形成するトウ開繊法等が挙げられる。なかでも、生産性、製造コスト、生産の容易性、風合の点からスパンボンド法とメルトブロー法が好ましく、メルトブロー法が特に好ましい。
【0022】
本発明の長繊維不織布は、粘着性成分と非粘着性成分で構成される繊維からなる長繊維不織布であり、かつ粘着性成分と非粘着性成分其々が繊維表面にて連続した層をなす複合繊維からなる長繊維不織布である。
【0023】
本発明の粘着性成分と非粘着性成分其々が繊維表面にて連続した層をなす複合繊維からなる長繊維不織布は、繊維表面にて粘着性成分と非粘着性成分が必ず繊維表面に露出していればよく、並列型、芯成分の一部が表面に露出した偏心芯鞘型、多層並列型が代表であるが、これらに限定するものではない。
非粘着性成分の周囲長率(全繊維周囲長に対する占有率)は10〜90%である。非粘着性成分の周囲長率が10%以上のとき、粘着性成分によるブロッキングを抑えることができる。また、非粘着性成分の周囲長率が90%以下のとき、非粘着性成分によるフィット性の低下を抑えることができる。従って非粘着性成分の周囲長率が10〜90%が最もフィット性とアンチブロッキング性のバランスの良い範囲であり、さらに好ましくは10〜80%である。
【0024】
本発明の粘着性成分と非粘着性成分の繊維中の容積割合は、粘着性成分/非粘着性成分=30/70容積%〜95/5容積%である。粘着性成分が30容量%以上のとき、フィット性は非常に良好となる。また、非粘着性成分が5容量%以上のとき、アンチブロッキング性が非常に良好となる。従って粘着性成分/非粘着性成分=30/70容積%〜95/5容積%、好ましくは40/60容積%〜95/5容積%である。より好ましくは、50/50容積%〜90/10容積%である。
【0025】
本発明の長繊維不織布を構成する繊維の成分は、少なくとも粘着性成分と非粘着性成分の2成分以上であれば良く、種類の異なる粘着性成分を加えた3成分、4成分、またはそれ以上でも構わないが製造コストまた生産性の点から2成分が有利である。
【0026】
本発明の長繊維不織布を構成する繊維の断面形状は、紡糸性を損なわないならば特に限定されない。具体的には円形断面、異形(非円形)断面または中空断面等が挙げられる。
【0027】
本発明の長繊維不織布は、0.40以上(25℃.相対湿度65%)の静摩擦係数を有する。静摩擦係数の測定には、JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」の3.2傾斜方法を用いた。これによって算出された静摩擦係数が0.40より小さいと、例えばカーペット下敷きに用いた場合、人間の歩行の際に容易にカーペットが滑ってしまいフィット性効果が不充分となる。好ましくは、静摩擦係数0.60以上である。
【0028】
本発明の長繊維不織布同士を貼り合わせたときの剥離強度は3N/25mm(25℃、相対湿度65%)以下である。本発明は、粘着性成分と非粘着性成分とが繊維中および不織布中に混在することに特徴がある。粘着性成分と非粘着性成分とを樹脂の状態で混合した後に紡糸して製造した防滑性不織布は既に存在する。しかし、樹脂混合の場合、粘着性成分に非粘着性成分を混合することによりアンチブロッキング性を向上できるものの、全繊維表面のほとんどが粘着性を有する表面で構成されているので、充分なアンチブロッキング性が得られない。したがって本発明の長繊維不織布では、非粘着性成分が単独で繊維中および不織布中に存在することで本発明の効果が充分に発揮されることを最大の特徴とする。
【0029】
本発明において、非粘着性成分の主な役割は、アンチブロッキング性の向上である。粘着性成分の容積比率(粘着性成分/非粘着性成分)が増大する(非粘着性成分の容積比率が減少する)と、フィット性(静摩擦係数および密着性)が増大する反面、アンチブロッキング性を良好に保つためには、非粘着性成分の容積比率を増大(粘着性成分の容積比率を減少)させなければならない。アンチブロッキング性を向上させながらフィット性を良好に保つためには、両成分のバランスが重要となる。
【0030】
アンチブロッキング性は、重ね合わせた2枚の長繊維不織布を剥がす時の強度(以下、剥離強度という)が小さい程優れ、3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である必要がある。さらに好ましくは、剥離強度が2.5N/mm以下(25℃、相対湿度65%)、最も好ましくは2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である。剥離強度が小さければ、ロール状に捲かれた不織布を更に製品に加工する際の繰出性が良好となる。逆に剥離強度が大きいと、繰出す際に強い力が必要になる。また、ブロッキングが顕著な場合には、剥離時に不織布の破断が生じる。たとえ破断が生じなくても、剥離時に不織布は伸長してしまい、その後の加工に使用できなくなる。特に、アンチブロッキング性が悪いと、夏場の保管時に高温と積載によって繊維間に膠着が発生しやすくなり、ロール状に捲かれた不織布を繰出す際の操作性が悪くなるという問題も発生する。
【0031】
本発明の長繊維不織布の目付は、特に限定されないが、2〜300g/m2が好ましく、より好ましくは5〜200g/m2、更に好ましくは10〜150g/m2である。また目的に応じて熱処理加工しても構わない。一般に、熱処理は使用される粘着性成分の軟化点と非粘着性成分の軟化点との間の温度で行われる。熱処理の方法としては、加熱エンボスロールによる熱圧着法、加熱空気によるエアスルー法、赤外線ランプによる方法等の公知の方法が使用できる。また、ソニックボンド加工、ウォータージェット加工、ニードルパンチ加工、レジンボンド加工のいずれか一つ以上の加工を行っても構わない。
【0032】
本発明の長繊維不織布の繊維径は、特に限定されないが、1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜20μm、更に好ましくは2〜15μmである。繊維径が30μm以下のとき、不織布の風合とフィット性は非常に良好となる。また、繊維径が1μm以上のとき、充分な繊維強力を示し、毛羽立ちも起こらずかつ製造コストも適度に抑えられるので好ましい。
【0033】
本発明においては、得られた長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層して積層化長繊維不織布として用いることができる。積層に使用される材料は、特に限定はなく、目的によっていずれの材料とも積層可能である。そのような材料の例として、穴あけ加工フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、エラストマーフィルム、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、エアーレイド不織布、ポイントボンド不織布、エアースルー不織布等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明の長繊維不織布または積層不織布を用いた繊維製品としては、例えば手袋、テーブルクロス、玄関マットの裏材、家具の防滑材、食品搬送用下敷き布、カーペットの裏材等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における測定結果は下記の方法で行った。
【0036】
(剥離強度)
長繊維不織布の任意の箇所から縦100mm、横100mmのサイズに複数枚切り取り、これを試験片として用いる。前記試験片を2枚重ね合わせた、その上に縦100mm横100mmのアルミ板を載せ、更にその上に合計5kgとなる様に荷重を掛け、50℃のオーブン中に放置する。これを24時間放置後、25℃/相対湿度65%の室内に取り出し、幅25mmに切り、不織布同士を長尺方向の一端から50mmの長さまで手で剥がす。(株)島津製作所製オートグラフAG−G(商品名)を用い、剥がした不織布の両端を50mmに設定した上下のチャックにそれぞれ固定した。引張速度100mm/分で不織布同士が完全に剥がれてしまうまで引張り、強度を測定し、その平均値を剥離強度(N/25mm)とした(N=5)。剥離強度が小さいほどアンチブロッキング性が良好であると判断した。
【0037】
(静摩擦係数)
JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」の3.2傾斜方法を用いた。
【0038】
(非粘着性成分周囲長率)
長繊維不織布を構成する繊維の長さ方向に対して垂直に切断された断面を走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて観察し、繊維全体の周囲長と繊維表面に露出する非粘着性成分の周囲長を画像解析装置にて実際に測定した。非粘着性成分周囲長/繊維周囲長の値を百分率%にて求めた。数値は5本の繊維の平均値である。
【0039】
本発明において使用した材料の略号と内容は以下の通りである。
非粘着性成分
A−1:ポリプロピレン、チッソポリプロCS3300((商品名)、チッソ(株)製)。
A−2:ポリエチレンテレフタレート、K101((商品名)、カネボウ(株)製)
A−3:ナイロン6、UBE NYLON 1011FB((商品名)、宇部興産(株)製)。
【0040】
粘着性成分
B−1:スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、KRATON G 1657((商品名)、クレイトンポリマージャパン(株)製)。
B−2:水添スチレンジエン共重合体、DYNARON 2324P((商品名)、JSR(株)製)。
B−3:エチレン−オクテン共重合体、エンゲージ8401((商品名)、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)
B−4:水添ジエン共重合体、DYNARON 6200P((商品名)、JSR(株)製)
B−5:アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、レクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズ W201((商品名)、ハンツマン・コーポレーション製)。メルトフローレート19g/10分、張力係数6、密度0.88g/cm3。
【0041】
実施例1
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、サイドバイサイドタイプ紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取機からなる装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、ギアポンプを構成比率である非粘着性成分/粘着性成分が30/70となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.13g/分の紡糸速度で溶融原料樹脂を吐出させ、吐出した繊維に98kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気を400℃に加熱した気流の空気でポリエステル製ネットの速度が2m/分で走行している捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーとしては、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付60g/m2のメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0042】
また、実施例1で得られたメルトブロー不織布をテーブルクロスとして用いた。実際にテーブルに被せその上に食器を載せた。テーブルを角度30°に傾けたが、食器、テーブルクロス共動くことはなく、優れたフィット性を示した。
【0043】
また、実施例1で得られたメルトブロー不織布を玄関マットの下に敷いて用いた。1ヶ月間使用したところ、玄関マットは移動することもなく、優れたフィット性を示した。
【0044】
実施例2
原料樹脂は実施例1と同様のものを用い、ギアポンプを、非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が20/80となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0045】
また、実施例2で得られたメルトブロー不織布に、事前に用意したポリプロピレンスパンボンド不織布50g/m2を重ね合わせ、圧着面積率17%のポイントボンド加工を行い積層化メルトブロー不織布を製造した。得られた積層化メルトブロー不織布は、フィット性とアンチブロッキング性の良好であることに加え、ポリプロピレンスパンボンド不織布により腰のあるものであった。更に、得られた積層化メルトブロー不織布のフィット面(実施例2で得られた不織布側)を床側に向けてカーペットとして用いたところ、カーペットは移動することがなく、優れたフィット性を示した。
【0046】
また、実施例2でメルトブロー不織布を用い、超音波ミシンにより手袋を作製した。この手袋を着用し、ビール瓶の持ち運びに使用したところ、ビール瓶が握った手から落下し難く、安全に持ち運ぶことができ、優れたフィット性を示した。
【0047】
実施例3
実施例1と同様の原料樹脂を用い、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が10/90となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0048】
実施例4
実施例1と同様の原料樹脂を用い、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が5/95となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0049】
実施例5
実施例1と同様の原料樹脂を用い、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が50/50となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0050】
実施例6
実施例1と同様の原料樹脂を用い、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が70/30となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0051】
実施例7
非粘着性成分としてA−2、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を300℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が30/70となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させたこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0052】
実施例8
非粘着性成分としてA−3、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を290℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が30/70となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させたこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0053】
実施例9
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−2をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が30/70となるように設定し溶融原料樹脂を吐出させたこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0054】
実施例10
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−3をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られた弾性不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0055】
実施例11
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−4をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られた弾性不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0056】
実施例12
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−5をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られた弾性不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0057】
実施例13
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1を長繊維不織布の原料成分として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、サイドバイサイドタイプ紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、ギアポンプを構成比率の非粘着性成分/粘着性成分が20容積%/80容積%となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.57g/分の紡糸速度で溶融原料樹脂を吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPa(ゲージ圧)になるように調整した。捕集コンベアー上のウェッブを上下ロール温度90℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付60g/m2の長繊維不織布を得た。得られた長繊維不織布の物性測定結果を表3に示す。この長繊維不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
【0058】
比較例1
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。押出機投入前にA−1/B−1の比率が10/90(容積%)となるようにA−1とB−2の樹脂同士を予め混合(ブレンド)し、270℃の温度にて溶融させ、単孔当り0.13g/分の紡糸速度で溶融原料樹脂を吐出させたこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表3に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が10容積%ではあるが、樹脂が混合しているため剥離強度が3.5N/25mmと高く、満足する性能ではなかった。
【0059】
比較例2
原料樹脂に粘着性成分B−1のみを用い、比較例2に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表3に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が含まれていないため、剥離強度が4N/25mmと高く、満足する性能ではなかった。
【0060】
比較例3
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が1/99となるように設定したこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表3に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が1容積%であるため剥離強度が3.5N/25mmと高く、満足する性能ではなかった。
【0061】
比較例4
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。ギアポンプを非粘着性成分/粘着性成分の比率(容積%)が80/20となるように設定したこと以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表3に示す。このメルトブロー不織布は、粘着性成分が20容積%であるため静摩擦係数が0.36と低く、満足する性能ではなかった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】
本発明は、長繊維不織布および積層化長繊維不織布は、フィット性とアンチブロッキング性のバランスが良好で、優れた風合、燃焼時の有害ガス発生がなく、かつリサイクル可能である繊維製品としての用途に最適である。特に非粘着性成分が粘着性成分と樹脂混合させられることなく、繊維の一部に含むことにより従来の長繊維不織布では得られないようなフィット性とアンチブロッキング性のバランスが良好で、優れた風合いを併せて具備する長繊維不織布を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a long-fiber nonwoven fabric having a fit property. More specifically, a long-fiber nonwoven fabric that has a good balance between fit and anti-blocking properties, has an excellent feel, does not generate harmful gas during combustion, and is ideal for use as a recyclable textile product It relates to the textile products used.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a method for imparting anti-slip properties to carpets, mats, and the like, a method of coating or adhering an adhesive component on the back side thereof has been known. However, these methods are unsatisfactory because the entire surface is coated with a tacky component, so that the tackiness is too strong and the surfaces are blocked or the texture is poor.
[0003]
Further, a non-slip sheet has been proposed in which a non-elastic polymer is added to and mixed with an elastic polymer to form a melt blown nonwoven fabric. (For example, see Patent Document 1)
However, although this has an anti-slip effect in the case of addition and mixing, since the problem of tackiness is still unresolved, blocking also occurs, it is difficult to handle at the stage of drawing out the product roll, and it can not be used as a product There were cases.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-11-18908 (pages 2-3)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a long-fiber nonwoven fabric which has a good balance between fit and anti-blocking properties and has good texture and good fit, and a fiber product using the same. "Fitness" means that the nonwoven fabric has sufficient non-slip performance and adhesion. Such performance is greatly affected by the adhesive component of the fiber, but the use of the adhesive component causes a blocking phenomenon when handling the nonwoven fabric. Therefore, it is an object of the present invention to provide a nonwoven fabric having good anti-blocking properties while using a tacky component, that is, a nonwoven fabric having a certain degree of tackiness while suppressing the blocking phenomenon.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies and found that the long-fiber nonwoven fabric is composed of 30/70 volume% to 95/5 volume% of the adhesive component and the non-adhesive component, and the adhesive component and the non-adhesive component. They have found that the problem is solved by a long-fiber nonwoven fabric, which is composed of a conjugate fiber that forms a continuous layer on the fiber surface, and that satisfies the following characteristics, and a fiber product using the same. Completed the invention.
-Perimeter ratio of non-adhesive component: 10 to 90%
-Static friction coefficient: 0.40 or more (25 ° C, relative humidity 65%)
-Peel strength (when the long-fiber nonwoven fabrics are overlapped): 3 N / 25 mm or less (25 ° C, 65% relative humidity)
[0007]
The present invention is constituted by the following.
(1) Composite fiber in which the adhesive component and the non-adhesive component are composed of 30/70% by volume to 95/5% by volume, and each of the adhesive component and the non-adhesive component forms a continuous layer on the fiber surface. And a long-fiber nonwoven fabric having the following characteristics:
-Perimeter ratio of non-adhesive component: 10 to 90%
-Static friction coefficient: 0.40 or more (25 ° C, relative humidity 65%)
-Peel strength (when the long-fiber nonwoven fabrics are overlapped): 3 N / 25 mm or less (25 ° C, 65% relative humidity)
[0008]
(2) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component contains at least one selected from the following components.
{Circle around (1)} It has at least one polymer block (A) mainly composed of an aromatic vinyl compound, at least one polymer block (B) mainly composed of a conjugated diene compound, and has a double conjugated diene portion. A styrene block copolymer in which the bond is saturated by 80% or more.
{Circle around (2)} A hydrogenated styrene diene copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion of a random copolymer of a conjugated diene compound and an aromatic vinyl compound is saturated by 80% or more.
(3) A copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or a copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms.
(4) An olefin polymer obtained by hydrogenating a conjugated diene polymer.
5) Amorphous polypropylene
[0009]
(3) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component is the following (1).
{Circle around (1)} It has at least one polymer block (A) mainly composed of an aromatic vinyl compound, at least one polymer block (B) mainly composed of a conjugated diene compound, and has a double conjugated diene portion. A styrene block copolymer in which the bond is saturated by 80% or more.
(4) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component is the following (2).
{Circle around (2)} A hydrogenated styrene diene copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion of a random copolymer of a conjugated diene compound and an aromatic vinyl compound is saturated by 80% or more.
(5) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component is the following (3).
(3) A copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or a copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms.
(6) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component is the following (4).
5) Amorphous polypropylene
(7) The long-fiber nonwoven fabric according to the above (1), wherein the adhesive component is the following (5).
[0010]
(8) The long-fiber nonwoven fabric according to any one of the above (1) to (7), wherein the non-tacky component comprises at least one selected from the group consisting of a polyolefin resin, a polyester resin, and a polyamide resin.
(9) Composite fiber in which the adhesive component and the non-adhesive component are composed of 50/50% by volume to 95/5% by volume, and each of the adhesive component and the non-adhesive component forms a continuous layer on the fiber surface. The long-fiber nonwoven fabric according to any one of the above items (1) to (8), comprising:
-Perimeter ratio of non-adhesive component: 10 to 70%
-Static friction coefficient: 0.60 or more (25 ° C, relative humidity 65%)
-Peel strength (when the long-fiber nonwoven fabrics are overlapped): 2 N / 25 mm or less (25 ° C, 65% relative humidity)
[0011]
(10) The long-fiber nonwoven fabric according to any one of (1) to (9), wherein the long-fiber nonwoven fabric is a melt-blown nonwoven fabric.
(11) The long-fiber nonwoven fabric according to any one of (1) to (9), wherein the long-fiber nonwoven fabric is a spunbonded nonwoven fabric.
[0012]
(12) The long-fiber nonwoven fabric according to any one of the above (1) to (11), wherein at least one selected from a film other than the long-fiber nonwoven fabric, a nonwoven fabric, a web, a woven fabric, a knit, a paper, and a fiber bundle is used. A laminated long-fiber nonwoven fabric obtained by laminating one kind.
(13) A fiber product using the long-fiber nonwoven fabric according to the above (1) to (11) or the laminated long-fiber nonwoven fabric according to the above (12).
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Known adhesive components can be used as the adhesive component of the present invention. Among them, at least one component selected from the groups (1) to (5) described in the above (2) is preferable from the viewpoint of adhesiveness and spinnability.
[0014]
The adhesive component (1) has at least one polymer block (A) mainly composed of an aromatic vinyl compound, and has at least one polymer block (B) mainly composed of a conjugated diene compound. And a styrene block copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion is saturated by 80% or more. Here, "mainly" means that the compound constituting the polymer block accounts for at least 50% by weight of the polymer block.
Examples of the aromatic vinyl compound constituting the styrene block copolymer include styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene, and p-tert-butylstyrene, and styrene is particularly preferred. These aromatic vinyl compounds may be used alone or in combination of two or more. Examples of the conjugated diene compound constituting the styrene block copolymer include 1,3-butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, and 2,3-dimethyl-1,3-butadiene. Isoprene is preferred. These may be used alone or in combination of two or more. The styrene block copolymer preferably has 80% or more of the double bonds of the conjugated diene hydrogenated from the viewpoint of the stability of the compound and the spinnability. Specifically, blocks such as styrene-ethylene butylene-styrene block copolymer (SEBS), styrene-ethylene propylene-styrene block copolymer (SEPS), and styrene-ethylene butylene-olefin crystal block copolymer (SEBC) And copolymers. More specifically, "KRATON G" manufactured by Clayton Polymer Japan Co., Ltd., "SEPTON" manufactured by Kuraray Co., Ltd., "JSR DYNARON" manufactured by JSR Co., Ltd. (where "" is a brand name) and the like are listed. Can be
[0015]
The adhesive component (2) is a hydrogenated styrene diene copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion of a random copolymer of a conjugated diene compound and an aromatic vinyl compound is saturated by 80% or more. Examples of the monomer of the conjugated diene compound constituting the styrene diene copolymer include 1,3-butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, 2,2-dimethylbutadiene, and 3-ethylbutadiene. Preferred are 1,3-butadiene, isoprene and 1,3-pentadiene, and more preferred is 1,3-butadiene. Examples of the aromatic vinyl compound constituting the styrene diene copolymer include styrene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, p-ethylstyrene, and vinylnaphthalene. Preferred are styrene, p-methylstyrene and p-ethylstyrene, and more preferred is styrene.
The hydrogenated styrene diene copolymer is a copolymer of at least one conjugated diene and 3 to 50% by weight of an aromatic vinyl compound, and has a molecular weight distribution (Mw / Mn = weight average molecular weight / number average molecular weight). Is 10 or less, and at least 80% of olefinically unsaturated bonds of a copolymer in which a vinyl bond content of a diene part constituting the copolymer is 10 to 90% by weight are hydrogenated. It is. More specifically, "JSR DYNARON" (trade name) is a product of JSR Corporation.
[0016]
The adhesive component (3) is a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or a copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms.
Examples of the α-olefin include propylene, 1-butene, 3-methyl-1-butene, 4-methyl-1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-heptene, Examples thereof include 1-octene, 1-nonene, and 1-decene. Among the α-olefins, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene and 1-octene are particularly preferred. These α-olefins can be used alone or in combination of two or more. In the present invention, an ethylene-α-olefin copolymer such as an ethylene-octene copolymer and an ethylene-butene copolymer obtained by combining these can be preferably used. Further, the copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or the copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms used in the present invention is 1.5% from the viewpoint of spinnability. The molecular weight distribution (Mw / Mn) is preferably 4 to 4. Specific examples include "Engage" manufactured by DuPont Dow Elastomer Japan KK and "Tuffmer" manufactured by Mitsui Chemicals, Inc. ("" is a trade name). Further, the olefin copolymer used in the present invention may be a copolymer produced by a metallocene catalyst. In addition, a terpolymer obtained by adding a diene monomer for crosslinking to an α-olefin is also included, and specific examples thereof include an ethylene-propylene-diene rubber and an ethylene-butene-diene rubber.
[0017]
The adhesive component (4) is an olefin polymer obtained by hydrogenating a conjugated diene polymer. Examples of the monomer of the conjugated diene polymer constituting the olefin polymer include 1,3-butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, 2,2-dimethylbutadiene, and 3-ethylbutadiene. Preferred are 1,3-butadiene, isoprene and 1,3-pentadiene, and more preferred is 1,3-butadiene. Olefin polymers produced by polymerizing these conjugated dienes and then hydrogenating them are also included.
Further, the olefin polymer of the present invention includes a block type such as an olefin crystal-ethylene butylene-olefin crystal block copolymer called CEBC.
[0018]
The adhesive component (5) is amorphous polypropylene. The amorphous polypropylene refers to one having a crystallinity of about 65 J / g or less. Crystallinity or heat of fusion (ΔHf) can be measured by DSC according to American Society for Testing and Materials (ASTM) D-3417.
In the present invention, propylene-based amorphous polymers described in U.S. Pat. No. 5,948,720, U.S. Pat. No. 5,723,546, EP 0475307B1 and EP 0475306B1 can be preferably used. Specifically, examples of the amorphous polypropylene include an amorphous ethylene-propylene copolymer, an amorphous propylene homopolymer, and an amorphous butylene-propylene copolymer. These polymers are about 0.87 g / cm 3 To 0.89 g / cm 3 And a tensile modulus of less than about 3.44 Pa (ASTM D-638) and / or an elongation (%) of greater than about 900. However, various other amorphous propylene copolymers may be used in the present invention. In this regard, stereoblock polymers are a particularly preferred embodiment for the practice of the present invention. The term "stereoblock polymer" refers to a polymeric material that has a controlled domain stereoregularity or configuration to achieve a targeted crystallinity. By controlling the stereo configuration during the polymerization, it is possible to achieve atactic isotactic stereoblocks. Methods for producing polyolefin stereoblock polymers are known in the prior art and are described in the following articles: See G. Science 267 (January 1995), pages 217 to 219. Courtes and R.A. Weymouth, "Vibration Stereocontrol: Strategy for Synthesizing Thermoplastic Elastomer / Polypropylene", and K. K., described in page 191 of Science Magazine 267 (January 1995). Wagener, "Vibration Catalysts: New Developments in Plastics." Also, stereoblock polymers and methods for their manufacture are described in U.S. Patent No. 5,549,080 and U.S. Patent No. 5,208,304. As noted above, controlling the crystallinity of the alpha olefin allows for polymers that exhibit unique tensile modulus and / or elongation properties. For example, suitable commercially available polymers include Lexflex Flexible Polyolefins from Huntsman Corporation.
[0019]
Known non-tacky components can be used for the non-tacky component of the present invention. Among them, a component containing at least one non-adhesive component selected from the group consisting of polyolefin resin, polyester resin and polyamide resin is preferable. The non-tacky component is a resin having no tackiness per se and easy to form, particularly easy to be spun by a melt blow method. Among them, the polyolefin resin is preferably used from the viewpoint of cost and moldability, since the obtained nonwoven fabric exhibits good feeling and slipperiness. Among them, polypropylene and polyethylene can be preferably used.
[0020]
Additional additives may be added to the non-tacky component used in the present invention, if necessary, as long as the effects of the present invention are not impaired. Examples of such additives include various stabilizers, ultraviolet absorbers, thickening and branching agents (additives for increasing viscosity and not increasing tackiness), matting agents, coloring agents, rubber and other soft materials. And various other improvers. In addition, the above-mentioned additives may be blended in the adhesive component used in the present invention, similarly to the non-adhesive component. Further, a tackifier may be added to the tacky component within a range that does not impair the balance between the fit property and the antiblocking property of the present invention. As the tackifier, various additives can be used, but a hydrogenated hydrocarbon resin having high temperature stability can be preferably used. However, additives that impart tackiness must not be added to the non-tacky component.
[0021]
The long-fiber nonwoven fabric of the present invention is composed of long fibers. Specifically, a fiber having a fiber length exceeding 300 mm is preferable. Therefore, short fiber nonwoven fabrics that are converted into nonwoven fabrics through a web state by the card method are not included. As a method for producing a long-fiber nonwoven fabric, for example, a spunbond method in which a molten thermoplastic resin is spun and stretched, opened, collected and entangled to form a nonwoven fabric, and the molten thermoplastic resin is subjected to high-temperature high-pressure Melt blow method in which a nonwoven fabric is formed by jetting with air to form a nonwoven fabric, tow spreading method in which a long fiber bundle of a thermoplastic resin is stretched, and then spread and widened after crimping is applied to form a nonwoven fabric, and the like. . Among them, the spun bond method and the melt blow method are preferred from the viewpoints of productivity, production cost, ease of production, and feeling, and the melt blow method is particularly preferred.
[0022]
The long-fiber nonwoven fabric of the present invention is a long-fiber nonwoven fabric composed of a fiber composed of an adhesive component and a non-adhesive component, and each of the adhesive component and the non-adhesive component forms a continuous layer on the fiber surface. It is a long-fiber nonwoven fabric made of a conjugate fiber.
[0023]
The long-fiber nonwoven fabric composed of a conjugate fiber in which the adhesive component and the non-adhesive component each form a continuous layer on the fiber surface of the present invention is such that the adhesive component and the non-adhesive component are always exposed on the fiber surface Typical examples include a parallel type, an eccentric core-sheath type in which a part of the core component is exposed on the surface, and a multilayer parallel type, but are not limited thereto.
The perimeter ratio of the non-tacky component (occupation ratio to the entire fiber perimeter) is 10 to 90%. When the peripheral length ratio of the non-adhesive component is 10% or more, blocking by the adhesive component can be suppressed. Further, when the peripheral length ratio of the non-adhesive component is 90% or less, it is possible to suppress a decrease in fit due to the non-adhesive component. Therefore, the peripheral length ratio of the non-adhesive component is 10 to 90%, which is the most suitable range of the balance between the fitting property and the antiblocking property, and more preferably 10 to 80%.
[0024]
The volume ratio of the adhesive component and the non-adhesive component in the fiber of the present invention is 30/70% by volume to 95/5% by volume. When the adhesive component is 30% by volume or more, the fit becomes very good. Further, when the non-adhesive component is 5% by volume or more, the antiblocking property becomes very good. Therefore, the adhesive component / non-adhesive component = 30/70% by volume to 95/5% by volume, preferably 40/60% by volume to 95/5% by volume. More preferably, it is 50/50% by volume to 90/10% by volume.
[0025]
The components of the fiber constituting the long-fiber nonwoven fabric of the present invention may be at least two components of a tacky component and a non-tacky component, and may be three components, four components, or more in which different types of tacky components are added. However, two components are advantageous in terms of production cost and productivity.
[0026]
The cross-sectional shape of the fibers constituting the long-fiber nonwoven fabric of the present invention is not particularly limited as long as spinnability is not impaired. Specific examples include a circular cross section, an irregular (non-circular) cross section, and a hollow cross section.
[0027]
The long-fiber nonwoven fabric of the present invention has a static friction coefficient of 0.40 or more (25 ° C., 65% relative humidity). For the measurement of the static friction coefficient, a 3.2 inclination method of JIS P 8147 “Test method for friction coefficient of paper and paperboard” was used. If the calculated static friction coefficient is smaller than 0.40, for example, when used as a carpet underlay, the carpet slips easily when a human walks, and the fit effect becomes insufficient. Preferably, the coefficient of static friction is 0.60 or more.
[0028]
The peel strength when the long fiber nonwoven fabrics of the present invention are bonded to each other is 3 N / 25 mm (25 ° C., 65% relative humidity) or less. The present invention is characterized in that an adhesive component and a non-adhesive component are mixed in a fiber and a nonwoven fabric. A non-slip nonwoven fabric produced by mixing an adhesive component and a non-adhesive component in a resin state and then spinning the same exists already. However, in the case of resin mixing, although the anti-blocking property can be improved by mixing the non-tacky component with the tacky component, since most of the entire fiber surface is composed of a tacky surface, sufficient anti-blocking is achieved. I can not get the nature. Therefore, the long-fiber nonwoven fabric of the present invention is most characterized in that the effect of the present invention is sufficiently exerted when the non-tacky component is present alone in the fiber and the nonwoven fabric.
[0029]
In the present invention, the main role of the non-tacky component is to improve the anti-blocking property. When the volume ratio of the adhesive component (adhesive component / non-adhesive component) increases (the volume ratio of the non-adhesive component decreases), the fit (static friction coefficient and adhesion) increases, but the anti-blocking property In order to keep good, it is necessary to increase the volume ratio of the non-tacky component (decrease the volume ratio of the tacky component). In order to maintain good fit while improving anti-blocking properties, the balance between both components is important.
[0030]
The anti-blocking property is excellent as the strength at the time of peeling off the two long-fiber nonwoven fabrics (hereinafter, referred to as peel strength) is smaller, and needs to be 3 N / 25 mm or less (25 ° C., 65% relative humidity). More preferably, the peel strength is 2.5 N / mm or less (25 ° C., 65% relative humidity), and most preferably 2 N / 25 mm or less (25 ° C., 65% relative humidity). If the peel strength is low, the unwinding property of the non-woven fabric wound into a roll when the non-woven fabric is further processed into a product is improved. Conversely, if the peel strength is high, a strong force is required when feeding. When blocking is remarkable, breakage of the nonwoven fabric occurs at the time of peeling. Even if a break does not occur, the nonwoven fabric elongates at the time of peeling and cannot be used for subsequent processing. In particular, if the anti-blocking property is poor, agglomeration between the fibers is likely to occur due to high temperature and loading during storage in summer, and there is also a problem that the operability when unwinding the rolled nonwoven fabric is deteriorated.
[0031]
Although the basis weight of the long-fiber nonwoven fabric of the present invention is not particularly limited, it is 2 to 300 g / m2. 2 Is more preferable, and more preferably 5 to 200 g / m 2 , More preferably 10 to 150 g / m 2 It is. Heat treatment may be performed according to the purpose. Generally, the heat treatment is performed at a temperature between the softening point of the tacky component used and the softening point of the non-tacky component. As the heat treatment method, known methods such as a thermocompression bonding method using a heated embossing roll, an air through method using heated air, and a method using an infrared lamp can be used. Further, any one or more of sonic bond processing, water jet processing, needle punch processing, and resin bond processing may be performed.
[0032]
The fiber diameter of the long-fiber nonwoven fabric of the present invention is not particularly limited, but is preferably 1 to 30 μm, more preferably 1 to 20 μm, and further preferably 2 to 15 μm. When the fiber diameter is 30 μm or less, the feeling and fit of the nonwoven fabric become very good. Further, when the fiber diameter is 1 μm or more, it is preferable because sufficient fiber strength is exhibited, fluffing does not occur, and the production cost can be moderately suppressed.
[0033]
In the present invention, the obtained long-fiber nonwoven fabric is laminated with at least one selected from films, nonwoven fabrics, webs, woven fabrics, knits, papers, and fiber bundles other than the long-fiber nonwoven fabric and used as a laminated long-fiber nonwoven fabric. be able to. The material used for lamination is not particularly limited, and can be laminated with any material depending on the purpose. Examples of such materials include perforated films, polypropylene films, polyethylene films, elastomer films, spunbond nonwovens, meltblown nonwovens, spunlace nonwovens, airlaid nonwovens, point-bonded nonwovens, air-through nonwovens, and the like. However, the present invention is not limited to this.
[0034]
Examples of the fiber product using the long-fiber nonwoven fabric or the laminated nonwoven fabric of the present invention include gloves, tablecloths, backing materials for doormats, anti-slip materials for furniture, underlaying materials for food transport, carpet backing materials, and the like. Is not limited to these.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. The measurement results in the following Examples and Comparative Examples were measured by the following methods.
[0036]
(Peel strength)
A plurality of pieces of 100 mm in length and 100 mm in width are cut out from an arbitrary portion of the long fiber nonwoven fabric and used as a test piece. An aluminum plate having a length of 100 mm and a width of 100 mm is placed on the two test pieces, and a load of 5 kg in total is placed thereon, and the test piece is left in an oven at 50 ° C. After leaving it for 24 hours, it is taken out into a room at 25 ° C./65% relative humidity, cut into a width of 25 mm, and the nonwoven fabrics are manually peeled off from one end in the longitudinal direction to a length of 50 mm. Using an Autograph AG-G (trade name) manufactured by Shimadzu Corporation, both ends of the peeled nonwoven fabric were fixed to upper and lower chucks each set to 50 mm. The nonwoven fabric was pulled at a pulling speed of 100 mm / min until it completely peeled off, the strength was measured, and the average value was taken as the peel strength (N / 25 mm) (N = 5). It was determined that the smaller the peel strength, the better the antiblocking property.
[0037]
(Static friction coefficient)
The 3.2 tilt method of JIS P 8147 “Test method for friction coefficient of paper and paperboard” was used.
[0038]
(Non-adhesive component perimeter ratio)
The cross section cut perpendicularly to the length direction of the fiber constituting the long-fiber nonwoven fabric is observed with a scanning electron microscope (manufactured by JEOL Ltd.), and the entire length of the fiber and the surface of the fiber are exposed. The perimeter of the non-tacky component was actually measured by an image analyzer. The value of non-tacky component perimeter / fiber perimeter was determined as a percentage. The numerical values are average values of five fibers.
[0039]
Abbreviations and contents of the materials used in the present invention are as follows.
Non-stick component
A-1: polypropylene, Chisso Polypro CS3300 (trade name, manufactured by Chisso Corporation).
A-2: Polyethylene terephthalate, K101 ((trade name), manufactured by Kanebo Corporation)
A-3: Nylon 6, UBE NYLON 1011FB (trade name, manufactured by Ube Industries, Ltd.).
[0040]
Adhesive component
B-1: Styrene-ethylenebutylene-styrene block copolymer, KRATON G 1657 (trade name, manufactured by Clayton Polymer Japan Ltd.).
B-2: Hydrogenated styrene diene copolymer, DYNARON 2324P (trade name, manufactured by JSR Corporation).
B-3: Ethylene-octene copolymer, Engage 8401 ((trade name), manufactured by Dupont Dow Elastomer Japan KK)
B-4: hydrogenated diene copolymer, DYNARON 6200P ((trade name), manufactured by JSR Corporation)
B-5: Amorphous ethylene-propylene copolymer, Lexflex Flexible Polyolefins W201 (trade name, manufactured by Huntsman Corporation). Melt flow rate 19g / 10min, tension coefficient 6, density 0.88g / cm 3 .
[0041]
Example 1
A-1 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. Two extruders having a screw (30 mm diameter), a heating element, and a gear pump, side-by-side type spinneret (hole diameter 0.3 mm, number of holes 501, effective width 500 mm), compressed air generator and air heater, polyester A melt-blown nonwoven fabric was manufactured using an apparatus including a collecting conveyor equipped with a net and a winder. The non-tacky component and the viscous component are charged into each extruder, and the raw material resin is heated and melted at 270 ° C. and the viscous component at 230 ° C. by a heating element. The adhesive component / adhesive component is set to be 30/70, the molten resin is discharged from the spinneret at a spinning speed of 0.13 g / min per single hole, and 98 kPa (gage pressure) is applied to the discharged fibers. The compressed air of (2) was blown onto a collection conveyor running at a speed of 2 m / min with a polyester net at a flow rate of 400 ° C. The collection conveyor was set at a distance of 25 cm from the spinneret. The blown air was removed by a suction device provided on the back side of the collection conveyor. The nonwoven fabric conveyed by the collection conveyor is wound into a roll by a winder, and has a basis weight of 60 g / m. 2 Was obtained. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0042]
Further, the melt-blown nonwoven fabric obtained in Example 1 was used as a table cloth. I put it on the table and put the tableware on it. Although the table was tilted at an angle of 30 °, the tableware and the tablecloth did not move, indicating an excellent fit.
[0043]
Further, the melt-blown nonwoven fabric obtained in Example 1 was used under a door mat. When used for one month, the door mat did not move and showed an excellent fit.
[0044]
Example 2
The same raw material resin as in Example 1 was used, and the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was 20/80 to discharge the molten raw material resin. A melt-blown nonwoven fabric was manufactured under processing conditions and a manufacturing apparatus conforming to. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0045]
Further, the melt-blown nonwoven fabric obtained in Example 2 was added to the previously prepared polypropylene spunbond nonwoven fabric at 50 g / m 2. 2 Were laminated and subjected to point bonding at a compression bonding area ratio of 17% to produce a laminated melt-blown nonwoven fabric. The obtained laminated melt-blown nonwoven fabric had good fit and anti-blocking properties, and was stiff with a polypropylene spunbond nonwoven fabric. Furthermore, when the fit surface of the obtained laminated melt-blown nonwoven fabric (the nonwoven fabric obtained in Example 2) was used as a carpet with the carpet facing the floor, the carpet did not move and showed an excellent fit. .
[0046]
Further, gloves were produced by an ultrasonic sewing machine using the melt-blown nonwoven fabric in Example 2. When the gloves were worn and used to carry the beer bottle, the beer bottle was hard to fall from the grasped hand, could be safely carried, and exhibited excellent fit.
[0047]
Example 3
Using the same raw material resin as in Example 1, the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was 10/90, and the molten raw material resin was discharged. A melt blown nonwoven fabric was manufactured according to processing conditions and a manufacturing apparatus. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0048]
Example 4
Using the same raw material resin as in Example 1, the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was 5/95, and the molten raw material resin was discharged. A melt blown nonwoven fabric was manufactured according to processing conditions and a manufacturing apparatus. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0049]
Example 5
Using the same raw material resin as in Example 1, the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was 50/50, and the molten raw material resin was discharged. A melt blown nonwoven fabric was manufactured according to processing conditions and a manufacturing apparatus. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0050]
Example 6
Using the same raw material resin as in Example 1, the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was 70/30, and the molten raw material resin was discharged. A melt blown nonwoven fabric was manufactured according to processing conditions and a manufacturing apparatus. Table 1 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0051]
Example 7
A-2 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. The raw material resin is heated and melted at 300 ° C. for the non-adhesive component and 230 ° C. for the adhesive component by the heating element, and the gear pump is set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component is 30/70. A melt-blown nonwoven fabric was manufactured under the processing conditions and the manufacturing apparatus according to Example 1 except that the molten raw material resin was discharged. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0052]
Example 8
A-3 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. The raw material resin is heated and melted at 290 ° C. for the non-adhesive component and 230 ° C. for the adhesive component by the heating element, and the gear pump is set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component is 30/70. A melt-blown nonwoven fabric was manufactured under the processing conditions and the manufacturing apparatus according to Example 1 except that the molten raw material resin was discharged. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0053]
Example 9
A-1 was used as a non-adhesive component and B-2 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. The raw material resin is heated and melted at 270 ° C. for the non-adhesive component and 230 ° C. for the adhesive component by the heating element, and the gear pump is set so that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component is 30/70. A melt-blown nonwoven fabric was manufactured under the processing conditions and the manufacturing apparatus according to Example 1 except that the molten raw material resin was discharged. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0054]
Example 10
A-1 was used as the non-adhesive component and B-3 was used as the raw material resin for the melt-blown nonwoven fabric as the adhesive component. A melt blown nonwoven fabric was manufactured under processing conditions and a manufacturing apparatus in accordance with Example 1. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained elastic nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0055]
Example 11
A-1 was used as a non-adhesive component and B-4 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. A melt blown nonwoven fabric was manufactured under processing conditions and a manufacturing apparatus in accordance with Example 1. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained elastic nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0056]
Example 12
A-1 was used as a non-adhesive component and B-5 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. A melt blown nonwoven fabric was manufactured under processing conditions and a manufacturing apparatus in accordance with Example 1. Table 2 shows the measurement results of physical properties of the obtained elastic nonwoven fabric. This melt-blown nonwoven exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0057]
Example 13
A-1 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material component of a long-fiber nonwoven fabric as an adhesive component. Two extruders having a screw (40 mm diameter), a heating element, and a gear pump, a side-by-side type spinneret (hole diameter: 0.4 mm, 120 holes), an air sucker, a charging method spreader, and a collecting conveyor equipped with a polyester net. A spunbond nonwoven fabric was manufactured using an apparatus including a point bond processing machine and a winder. The non-sticky component and the sticky component are put into each extruder, and the raw material resin is heated and melted at 270 ° C for the non-sticky component and 230 ° C for the sticky component by the heating element. The molten component resin is ejected from the spinneret at a spinning speed of 0.57 g / min per single hole, and the ejected fiber is fed to an air soccer. Immediately after the introduction, the fiber was spread by a charging method fiber spreader and collected on a collection conveyor. The air pressure of air soccer was adjusted to be 196 kPa (gauge pressure). The web on the collection conveyor was put into a point bond processing machine (compression bonding area ratio of 15%) in which the upper and lower rolls were heated to a temperature of 90 ° C., and the processed nonwoven fabric was wound into a roll by a winder, and the basis weight was 60 g / m 2. 2 Was obtained. Table 3 shows the measurement results of physical properties of the obtained long-fiber nonwoven fabric. This long-fiber nonwoven fabric exhibited good fit and anti-blocking properties.
[0058]
Comparative Example 1
A-1 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. Before feeding the extruder, the resins of A-1 and B-2 are preliminarily mixed (blended) so that the ratio of A-1 / B-1 is 10/90 (vol%), and at a temperature of 270 ° C. A melt-blown nonwoven fabric was manufactured under the same processing conditions and manufacturing apparatus as in Example 1, except that the molten raw material resin was discharged at a spinning speed of 0.13 g / min per single hole. Table 3 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. Although this non-adhesive component was 10% by volume, the melt-blown nonwoven fabric had a high peel strength of 3.5 N / 25 mm due to the resin mixed therein, and was not a satisfactory performance.
[0059]
Comparative Example 2
Using only the adhesive component B-1 as the raw material resin, a melt-blown nonwoven fabric was produced under the processing conditions and production equipment in accordance with Comparative Example 2. Table 3 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. Since this non-adhesive component was not contained in this melt blown nonwoven fabric, the peel strength was as high as 4 N / 25 mm, and the performance was not satisfactory.
[0060]
Comparative Example 3
A-1 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. A melt blown nonwoven fabric was manufactured under the processing conditions and the manufacturing apparatus according to Example 1, except that the ratio (volume%) of the non-adhesive component / adhesive component was set to 1/99. Table 3 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. Since the non-adhesive component was 1% by volume, the melt blown nonwoven fabric had a high peel strength of 3.5 N / 25 mm, which was not a satisfactory performance.
[0061]
Comparative Example 4
A-1 was used as a non-adhesive component and B-1 was used as a raw material resin for a melt-blown nonwoven fabric as an adhesive component. Melt blown nonwoven fabrics were produced under the processing conditions and production equipment according to Example 1, except that the gear pump was set so that the ratio (volume%) of the non-tacky component / tacky component was 80/20. Table 3 shows the measurement results of physical properties of the obtained melt-blown nonwoven fabric. Since the melt-blown nonwoven fabric had an adhesive component of 20% by volume, the coefficient of static friction was as low as 0.36, and was not satisfactory.
[0062]
[Table 1]
[0063]
[Table 2]
[0064]
[Table 3]
[0065]
【The invention's effect】
The present invention provides a long-fiber nonwoven fabric and a laminated long-fiber nonwoven fabric having a good balance between fit and anti-blocking properties, excellent feeling, no harmful gas generated during combustion, and a recyclable fiber product. Ideal for use. In particular, the non-adhesive component is not mixed with the adhesive component and the resin, and has a good balance between fit and anti-blocking properties that cannot be obtained with conventional long-fiber nonwoven fabrics by including in a part of the fiber, and is excellent. It is possible to provide a long-fiber nonwoven fabric having a texture.
Claims (13)
・非粘着性成分周囲長率:10〜90%
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(該長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)The adhesive component and the non-adhesive component are composed of 30/70% by volume to 95/5% by volume, and each of the adhesive component and the non-adhesive component is composed of a composite fiber forming a continuous layer on the fiber surface. And a long-fiber nonwoven fabric having the following characteristics.
-Perimeter ratio of non-adhesive component: 10 to 90%
-Static friction coefficient: 0.40 or more (25 ° C, relative humidity 65%)
-Peel strength (when the long-fiber nonwoven fabrics are overlapped): 3 N / 25 mm or less (25 ° C, 65% relative humidity)
▲1▼主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロック(A)を少なくとも1個、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロック(B)を少なくとも1個有しかつ共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
▲2▼共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
▲3▼エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もしくはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
▲4▼共役ジエン重合体を水素添加して得られるオレフィン重合体。
▲5▼アモルファス・ポリプロピレンThe long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component contains at least one selected from the following (1) to (5).
{Circle around (1)} It has at least one polymer block (A) mainly composed of an aromatic vinyl compound, at least one polymer block (B) mainly composed of a conjugated diene compound, and has a double conjugated diene portion. A styrene block copolymer in which the bond is saturated by 80% or more.
{Circle around (2)} A hydrogenated styrene diene copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion of a random copolymer of a conjugated diene compound and an aromatic vinyl compound is saturated by 80% or more.
(3) A copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or a copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms.
(4) An olefin polymer obtained by hydrogenating a conjugated diene polymer.
5) Amorphous polypropylene
▲1▼主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロック(A)を少なくとも1個、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロック(B)を少なくとも1個有しかつ共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。2. The long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component is the following (1).
{Circle around (1)} It has at least one polymer block (A) mainly composed of an aromatic vinyl compound, at least one polymer block (B) mainly composed of a conjugated diene compound, and has a double conjugated diene portion. A styrene block copolymer in which the bond is saturated by 80% or more.
▲2▼共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。The long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component is the following (2).
{Circle around (2)} A hydrogenated styrene diene copolymer in which the double bond of the conjugated diene portion of a random copolymer of a conjugated diene compound and an aromatic vinyl compound is saturated by 80% or more.
▲3▼エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もしくはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。The long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component is the following (3).
(3) A copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms or a copolymer of propylene and an α-olefin having 4 to 10 carbon atoms.
▲4▼共役ジエン重合体を水素添加して得られるオレフィン重合体。The long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component is the following (4).
(4) An olefin polymer obtained by hydrogenating a conjugated diene polymer.
▲5▼アモルファス・ポリプロピレンThe long-fiber nonwoven fabric according to claim 1, wherein the adhesive component is the following (5).
5) Amorphous polypropylene
・非粘着性成分周囲長率:10〜70%
・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(該長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下 (25℃、相対湿度65%)The adhesive component and the non-adhesive component are composed of 50/50% by volume to 95/5% by volume, and each of the adhesive component and the non-adhesive component comprises a composite fiber forming a continuous layer on the fiber surface, The long-fiber nonwoven fabric according to any one of claims 1 to 8, which has the following characteristics.
-Perimeter ratio of non-adhesive component: 10 to 70%
-Static friction coefficient: 0.60 or more (25 ° C, relative humidity 65%)
-Peel strength (when the long-fiber nonwoven fabrics are overlapped): 2 N / 25 mm or less (25 ° C, 65% relative humidity)
Priority Applications (1)
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