JP2004181722A

JP2004181722A - Method for manufacturing resin molded product

Info

Publication number: JP2004181722A
Application number: JP2002349896A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Sugiyama; 慎一杉山; Sanenari Naito; 実成内藤; Isao Takeshita; 功竹下
Original assignee: Pacific Industrial Co Ltd
Current assignee: Pacific Industrial Co Ltd
Priority date: 2002-12-02
Filing date: 2002-12-02
Publication date: 2004-07-02

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for easily manufacturing a resin molded product suitably bringing about a brilliant design regardless of the shape of a substrate. <P>SOLUTION: A center emblem 1 wherein a decorative film 20 is integraly molded on the surface of the substrate 10 is manufactured by insert molding using the decorative film 20 preliminarily processed into a desired shape as an insert component. The decorative film 20 is constituted by laminating a backing layer, a first adhesive layer, a metal vapor deposition layer, a second adhesive layer, an intermediate film layer and an outer protective film layer successively from a rear layer. As a result, the center emblem 1 sutably bringing about the brilliant design can be easily manufactured regardless of the shape of the substrate 10. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のホイール回りの意匠性を向上させるためのホイールキャップ又はセンターエンブレム等の樹脂成形品の製造方法に関し、より詳しくは、メッキ調の外観を有する樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動車に用いられている樹脂成形品のうち、メッキ調の外観を有するものとしては、ホイールキャップやセンターエンブレム等が代表的である。そして、これらメッキ調を有する樹脂成形品によって、ホイール回りの意匠性の向上が図られている。
【０００３】
従来のセンターエンブレムを図８に従って説明する。図８に示すように、センターエンブレム１００は、円板状の天板部１０１、その天板部１０１を囲むリング部１０２、そのリング部１０２から下方に延出された複数の爪部１０３、それら爪部１０３を当該センターエンブレム１００の外側へ付勢するバックアップリング１０４を備えている。そして、爪部１０３を介してセンターエンブレム１００が図示しないホイールのインロー部に形成された穴に装着されると、その穴が当該センターエンブレム１００で覆われる。このとき、バックアップリング１０４の付勢力により、ホイールに対するセンターエンブレム１００の抜けが防止される。
【０００４】
ところで、天板部１０１の中央部には、ロゴマーク部１０１ａが周囲の天板部１０１よりも上方に突出されて形成されている。そして、このロゴマーク部１０１ａを含む天板部１０１の表面全体及びリング部１０２の表面大半は、メッキ調の外観を有している。そして、このようなメッキ調の外観（光輝意匠）を醸し出すために、従来から各種の方法が用いられている。
【０００５】
まず、第１の方法としては、樹脂材料を用いた射出成形により基材を製造した後、その基材の表面に樹脂メッキ（いわゆるプラメッキ）を施す方法が挙げられる。
【０００６】
次に、第２の方法としては、樹脂材料を用いた射出成形と同時に、メッキ調の外観を有する箔を基材の表面に転写する、いわゆるインモールド転写成形による方法が挙げられる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００７】
次に、第３の方法としては、樹脂材料を用いた射出成形により基材を製造した後、その基材の表面に高光輝塗料を塗装する方法が挙げられる。
【０００８】
【特許文献１】
特開平７−８０８９１号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第１の方法では、射出成形後に多くの工程（一般的に洗浄工程を含めて２０〜３０工程）が必要であることから、加工時間が長くなる。その結果、製造コストの高騰を招く問題がある。また、メッキ処理では化学的に活性度の高い薬品を用いることから作業環境が悪く、廃液処理も必要である。このため、メッキ処理にかかる設備とともに、公害対策として廃液処理にかかる設備も必要となる。その結果、設備コストの高騰を招く問題がある。
【００１０】
さらに、メッキ処理に先立って、樹脂材料を用いた射出成形により基材を製造する場合には、後のメッキ処理に対応可能な樹脂材料、つまり一般的な汎用の樹脂材料と比較して高価な樹脂材料又は高グレードの樹脂材料を選定する必要がある。特に、センターエンブレム等は自動車のホイール回りに用いられることから、高剛性かつ高耐熱性の樹脂材料が要求される。その結果、選定条件を満足する樹脂材料が制約されて材料コストの高騰を招く問題がある。
【００１１】
また、メッキ処理に伴って金属のメッキ膜が基材の表面に付着して樹脂が硬化すると、樹脂本来の柔軟性が損なわれることになる。このため、特に、メッキ膜が前記爪部１０３に付着した状態で、センターエンブレム１００に急激な衝撃力が加わると、爪部１０３が損傷される虞がある。そこで、メッキ処理に先立って爪部１０３をマスキングすることも考えられるが、マスキング工程の追加に伴うコストの高騰を招く問題がある。ちなみに、前記バックアップリング１０４は、メッキ膜の付着に伴って損なわれた爪部１０３の柔軟性を代用する目的で設けられたものである。
【００１２】
これらのように第１の方法では、様々な要因によるコストの高騰を招く問題がある。
一方、第２の方法では、メッキ調の外観を有する箔が転写される基材の表面が複雑な立体形状をなしている場合に、箔が基材の表面に追従され難く、箔に「シワ」や「破れ」が生じる可能性がある。このように第２の方法では、基材の形状が制約される問題がある。
【００１３】
他方、第３の方法では、まず基材の表面性状を調えるためのプライマー塗装を行った後、高温で乾燥させる。そして、金属を含むベース溶液を吹き付けて一定時間放置した後、クリア塗装を行う。このように第３の方法では、射出成形後に多くの工程が必要であることから、加工時間が長くなる。その結果、製造コストの高騰を招く問題がある。また、有機溶剤の使用、塗装カスの発生を免れないことから作業環境が悪く、廃液処理も必要である。このため、塗装処理にかかる設備とともに、公害対策として廃液処理にかかる設備も必要となる。その結果、設備コストの高騰を招く問題がある。
【００１４】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出される樹脂成形品を容易に製造することが可能な樹脂成形品の製造方法を提供することにある。また、他の目的は、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有する樹脂成形品を低コストにて製造することが可能な樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１に記載の発明では、樹脂材料により射出成形される基材の表面に、メッキ調を有する加飾フィルムをインサート成形により一体成形する。
【００１６】
従って、請求項１に記載の発明によれば、予め所望形状に加工された加飾フィルムをインサート部品として用いたインサート成形により、基材の表面に加飾フィルムが一体成形された樹脂成形品が製造される。このため、加飾フィルムの表面側に位置する金型の内面形状を当該加飾フィルムの表面形状に対応させて形成しておけば、加飾フィルムの裏面に対して溶融樹脂を射出して硬化させるのみで、好適に樹脂成形品（インサート成形品）を製造し得る。換言すれば、加飾フィルムの表面が前記金型の内面形状に沿って密着された状態で射出成形（インサート成形）が行われることから、従来のインモールド転写成形による方法で射出成形品を製造する場合とは異なり、積極的に加飾フィルムを基材の表面に追従させる必要はない。その結果、加飾フィルムに「シワ」や「破れ」が生じる余地はない。加えて、メッキ調の外観を醸し出すためにメッキ処理や塗装処理を行う必要もない。
【００１７】
請求項２に記載の発明では、請求項１に記載の樹脂成形品の製造方法において、インサート成形に先立って、シート状の加飾フィルムを所望形状に加工する予備成形を行う。
【００１８】
従って、請求項２に記載の発明によれば、予備成形により加飾フィルムを複雑な立体形状にも成形し得る。そして、このように予備成形された加飾フィルム（インサート部品）を用いたインサート成形が可能であり、基材の形状が制約されることはない。
【００１９】
請求項３に記載の発明では、請求項２に記載の樹脂成形品の製造方法において、被トリミング部を有する形状に予備成形された加飾フィルムに対してプレス加工によりトリミングを行った後、これら予備成形及びプレス加工により所望形状に加工された加飾フィルムを用いたインサート成形を行う。
【００２０】
従って、請求項３に記載の発明によれば、シート状の加飾フィルムは、まず予備成形により被トリミング部を有する形状に加工された後、プレス加工によりトリミングされて所望形状に加工される。そして、これら予備成形及びプレス加工により所望形状に加工された加飾フィルムを用いたインサート成形が行われる。このようにメッキ処理や塗装処理は一切行われないことから、メッキ膜の厚みムラや塗装ムラが生じる余地はない。換言すれば、均一な厚みで複雑な立体形状にも加工され得る加飾フィルムを用いたインサート成形が可能となる。このため、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出される樹脂成形品を容易に製造することが可能となる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した一実施形態について図面を用いて説明する。
図１はセンターエンブレム１の斜視図であり、図２はセンターエンブレム１の断面図である。センターエンブレム１は、基材１０と、その基材１０の表面形状に沿って設けられた加飾フィルム２０とを備えている。
【００２２】
基材１０は、円板状の天板部１１、その天板部１１を囲むリング部１２、そのリング部１２から下方に延出された複数の爪部１３を備えている。天板部１１の中央部には、ロゴマーク部１１ａが周囲の天板部１１よりも上方に突出されて形成されている。そして、このロゴマーク部１１ａの周囲の天板部１１は、ロゴマーク部１１ａからリング部１２に向かう程、なだらかな曲線状に下方傾斜されている。そして、ロゴマーク部１１ａを含む天板部１１の表面全体及びリング部１２の表面大半に亘って、加飾フィルム２０が設けられている。
【００２３】
この加飾フィルム２０は、前記基材１０の天板部１１、ロゴマーク部１１ａ、リング部１２にそれぞれ対応する天板被覆部２１、ロゴマーク被覆部２１ａ、リング被覆部２２を備えている。尚、図１及び図２においては図示されていないが、天板被覆部２１の表面には、ロゴマーク被覆部２１ａの表面を除いて、シボ等の微細な凹凸面が形成されている。厳密に言えば、天板部１１の表面にも、ロゴマーク部１１ａの表面を除いて、シボ等の微細な凹凸面が形成されている。このため、センターエンブレム１はメッキ調の外観を有し、特に、ロゴマーク被覆部２１ａの表面とその周囲の天板被覆部２１の表面とでは、シボの有無の関係から光輝感が異なる。その結果、ロゴマーク被覆部２１ａの表面にあっては、その周囲の天板被覆部２１の表面と比較して際立った光輝意匠、つまり高光輝感が醸し出されている。
【００２４】
図３に示すように、加飾フィルム２０は、裏層から順にバッキング層２０ａ、第１接着層２０ｂ、金属蒸着層２０ｃ、第２接着層２０ｄ、中間フィルム層２０ｅ、外部保護フィルム層２０ｆが積層されている。
【００２５】
ここで、基材１０及び加飾フィルム２０を構成する各層２０ａ〜２０ｆに好適な材料を列挙する。
まず、基材１０に好適な樹脂材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂等も挙げられる。そして、これら樹脂材料（熱可塑性樹脂材料）のうち、成形加工が容易で、かつ屋外暴露性及び機械的特性に優れたアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合系樹脂を基材１０に用いる構成が好ましい。
【００２６】
次に、バッキング層２０ａに好適な樹脂材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。そして、バッキング層２０ａと前記基材１０とは、後述するインサート成形により互いに密着されることから、基材１０の樹脂材料と同類系の樹脂材料からなる樹脂シートをバッキング層２０ａに用いる構成が好ましい。このように構成すれば、基材１０とバッキング層２０ａとの間に好適な高い接着強度（密着性）が得られる。
【００２７】
次に、金属蒸着層２０ｃに好適な金属材料としては、アルミニウム、クロム、インジウム、又は前記金属材料を含んだ合金等が挙げられる。
次に、中間フィルム層２０ｅ及び外部保護フィルム層２０ｆに好適な樹脂材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。そして、これら樹脂材料のうち、成形加工が容易で、かつ屋外暴露性及び機械的特性に優れたアクリル系樹脂からなる樹脂シートを中間フィルム層２０ｅ及び外部保護フィルム層２０ｆに用いる構成が好ましい。特に、加飾フィルム２０には金属蒸着層２０ｃが設けられていることから、中間フィルム層２０ｅ及び外部保護フィルム層２０ｆは、金属蒸着層２０ｃの腐食防止用保護シートとしての機能を有している。
【００２８】
次に、第１接着層２０ｂ及び第２接着層２０ｄに好適な樹脂材料としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。そして、加飾フィルム２０は、後述するインサート成形時には高温環境下かつ伸縮環境下で使用される。また、加飾フィルム２０を備えたセンターエンブレム１が自動車のホイール回りに装着されると、加飾フィルム２０は、自動車の走行時には回転環境下等で使用されることになる。これらのことから、上記したいずれかの樹脂材料のバインダーを用いた第１接着層２０ｂ及び第２接着層２０ｄにより、バッキング層２０ａと金属蒸着層２０ｃとの剥離強度、中間フィルム層２０ｅと金属蒸着層２０ｃとの剥離強度を、それぞれ６ニュートン単位平方メートル以上とする構成が好ましい。
【００２９】
次に、センターエンブレム１の製造方法について説明する。
まず、平坦な円形シート状の加飾フィルム２０を予備成形により所望形状に加工する。具体的には、図４に示すように、予備成形として真空成形型３０を用いた真空成形を行う。ここで、真空成形型３０には、ロゴマーク対応突部３１ａを有する丘陵部３１、その丘陵部３１を囲む隆起部３２、その隆起部３２を囲む台座部３３が形成されている。尚、隆起部３２の表面と台座部３３の表面との中間位置には、円滑面３４が形成されている。
【００３０】
そして、加飾フィルム２０を図示しないクランプで把持しながら加熱し、当該加飾フィルム２０を軟化させて塑性変形可能とする。その後、この軟化された加飾フィルム２０に向かって真空成形型３０を上昇させて複数の真空孔３５を介して真空吸引する。すると、軟化された加飾フィルム２０が真空成形型３０の表面形状に沿って密着される。
【００３１】
やがて、加飾フィルム２０が冷却されて硬化されると、図４に示す形状となる。具体的には、この硬化された加飾フィルム２０には、天板被覆部２１、ロゴマーク被覆部２１ａ、リング被覆部２２が形成される。加えて、リング被覆部２２の周囲には、リング状の被トリミング部２３が形成される。尚、リング被覆部２２と被トリミング部２３との中間位置には、円滑面３４に沿った円滑部２４が形成される。
【００３２】
次に、このように硬化された加飾フィルム２０に対してプレス加工を行う。具体的には、リング被覆部２２と被トリミング部２３との中間位置よりも若干被トリミング部２３側の位置、つまり円滑部２４を越えた位置で加飾フィルム２０を切断する。その結果、図５に示すように、円滑部２４から短く外側へ延びる端部２５を有する形状にトリミングされたインサート部品（加飾フィルム２０）が製造される。
【００３３】
次に、このように予備成形及びプレス加工により所望形状に加工された加飾フィルム２０を用いたインサート成形を行う。具体的には、図６に示すように、キャビ型４０及びコア型５０を用いてインサート成形を行う。ここで、キャビ型４０には、ロゴマーク対応凹部４１ａを有するシボ面４１、そのシボ面４１を囲む深底面４２が凹設されている。尚、実際のシボ面４１は、微細な凹凸が組み合わされて構成されているが、説明の便宜上、図６ではシボ面４１を拡大して図示してある。
【００３４】
一方、コア型５０は、コア型本体５０ａ及び複数のスライド金型５０ｂを備えている。コア型本体５０ａの中央部には、ロゴマーク対応突部５１ａを有する丘陵部５１、その丘陵部５１を囲む隆起部５２が形成されている。そして、コア型本体５０ａと複数のスライド金型５０ｂとの間の空間により、コア型５０には複数の爪対応凹部５３が形成されている。
【００３５】
そして、インサート部品（加飾フィルム２０）のロゴマーク被覆部２１ａがロゴマーク対応凹部４１ａに対応するように位置決めを行いながら、当該加飾フィルム２０を吸引してキャビ型４０に装填する。その結果、加飾フィルム２０の表面は、キャビ型４０の内面に密着される。その後、このキャビ型４０を下降させてコア型５０に対して型締めする。そして、図示しない射出成形機のノズルから溶融樹脂が射出されると、その溶融樹脂はゲート５４を介してキャビ型４０とコア型５０との間のキャビティ内に導入される。尚、この溶融樹脂は、硬化後に基材１０となるものである。
【００３６】
このように溶融樹脂がキャビティ内に導入されることに伴って、加飾フィルム２０の裏面は、溶融樹脂からキャビ型４０の内面側に向かって圧力を受ける。このため、加飾フィルム２０の表面は、キャビ型４０の内面形状に沿って密着（転写）される。その結果、天板被覆部２１の表面には、ロゴマーク被覆部２１ａの表面を除いて、シボが形成される。また、円滑部２４及び端部２５は、深底面４２の形状に沿って伸ばされる。加えて、溶融樹脂が有している熱により、加飾フィルム２０の最裏層であるバッキング層２０ａの一部が溶融される。そして、溶融樹脂（基材１０）とバッキング層２０ａとは、上記したように同類系の樹脂材料を用いていることから、両者は好適に密着される。
【００３７】
やがて、キャビティ内の溶融樹脂が冷却されて硬化されると、キャビ型４０をコア型５０に対して型開きするとともに、複数のスライド金型５０ｂをスライドさせて、樹脂成形品（インサート成形品）を取り出す。そして、このインサート成形品が図１及び図２に示すセンターエンブレム１である。尚、このセンターエンブレム１が図２に１点鎖線で示すホイールＨに装着されると、加飾フィルム２０の端部２５は、ホイールＨ内に達して隠れるようになっている。
【００３８】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
（１）予め所望形状に加工された加飾フィルム２０をインサート部品として用いたインサート成形により、基材１０の表面に加飾フィルム２０が一体成形されたセンターエンブレム１が製造される。このため、加飾フィルム２０の表面側に位置するキャビ型４０の内面形状を当該加飾フィルム２０の表面形状に対応させて形成しておけば、加飾フィルム２０の裏面に対して溶融樹脂を射出して硬化させるのみで、好適にセンターエンブレム１を製造し得る。
【００３９】
換言すれば、加飾フィルム２０の表面が前記キャビ型４０の内面形状に沿って密着された状態で射出成形（インサート成形）が行われることから、従来のインモールド転写成形による方法で射出成形品を製造する場合とは異なり、積極的に加飾フィルム２０を基材１０の表面に追従させる必要はない。その結果、加飾フィルム２０に「シワ」や「破れ」が生じる余地はない。従って、基材１０の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出されるセンターエンブレム１を容易に製造することができる。
【００４０】
（２）加えて、メッキ調の外観を醸し出すためにメッキ処理や塗装処理を行う必要もない。従って、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有するセンターエンブレム１を低コストにて製造することができる。
【００４１】
（３）メッキ処理が行われないことから、爪部１３は樹脂本来の柔軟性が維持される。このため、従来とは異なり、バックアップリング１０４（図８参照）を省略することができる。従って、センターエンブレム１の構成、特にホイールＨに対する保持構造を簡素化することによるコストダウンを図ることができる。また、爪部１３の柔軟性が維持されるが故に、ホイールＨからセンターエンブレム１を取り外す場合に爪部１３が損傷される虞を極力抑制することができる。従って、センターエンブレム１の信頼性を向上させることができる。
【００４２】
（４）インサート成形に先立って、シート状の加飾フィルム２０を所望形状に加工する予備成形が行われる。このため、予備成形により加飾フィルム２０を複雑な立体形状にも成形し得る。そして、このように予備成形された加飾フィルム２０（インサート部品）を用いたインサート成形が可能であり、基材１０の形状が制約されることはない。従って、複雑な立体形状をなすセンターエンブレム１を容易に製造することができる。
【００４３】
（５）シート状の加飾フィルム２０は、まず予備成形により被トリミング部２３を有する形状に加工された後、プレス加工によりトリミングされて所望形状に加工される。そして、これら予備成形及びプレス加工により所望形状に加工された加飾フィルム２０を用いたインサート成形が行われる。このようにメッキ処理や塗装処理は一切行われないことから、メッキ膜の厚みムラや塗装ムラが生じる余地はない。換言すれば、均一な厚みで複雑な立体形状にも加工され得る加飾フィルム２０を用いたインサート成形が可能となる。このため、基材１０の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出されるセンターエンブレム１を容易に製造することができる。
【００４４】
（６）加飾フィルム２０は、裏層から順にバッキング層２０ａ、第１接着層２０ｂ、金属蒸着層２０ｃ、第２接着層２０ｄ、中間フィルム層２０ｅ、外部保護フィルム層２０ｆが積層されている。そして、基材１０の樹脂材料と同類系の樹脂材料からなる樹脂シートをバッキング層２０ａに用いている。このため、基材１０とバッキング層２０ａとは好適に密着される。従って、センターエンブレム１が過酷な環境下で使用された場合でも、加飾フィルム２０が基材１０から剥離されることはなく、好適な光輝意匠を維持することができる。また、第１接着層２０ｂ及び第２接着層２０ｄを備えていることからも同様の効果が得られる。
【００４５】
（７）金属蒸着層２０ｃとしてアルミニウムやクロムの蒸着層を用い、中間フィルム層２０ｅ及び外部保護フィルム層２０ｆが金属蒸着層２０ｃの腐食防止用保護シートとしての機能を有している。このため、経年変化による腐食や酸化が発生し難く、しかも隣層との密着性も高く、さらにはセンターエンブレム１の軽量化及びリサイクル性に大いに貢献することができる。よって、センターエンブレム１が有する光輝意匠を長年に亘って維持することができる。このことは長年に亘って好適な光輝意匠が要求される車両用樹脂成形品（センターエンブレム１）にあっては、非常に有効である。
【００４６】
（８）ロゴマーク被覆部２１ａの表面とその周囲の天板被覆部２１の表面とでは、シボの有無の関係から光輝感が異なる。その結果、ロゴマーク被覆部２１ａの表面にあっては、その周囲の天板被覆部２１の表面と比較して際立った光輝意匠、つまり高光輝感を醸し出すことができる。
【００４７】
（９）加飾フィルム２０の端部２５は、ホイールＨ内に達して隠れるようになっている。このため、ホイールＨ回りの見映えを向上させることができる。
（１０）インサート部品（加飾フィルム２０）のロゴマーク被覆部２１ａがロゴマーク対応凹部４１ａに対応するように位置決めを行いながら、当該加飾フィルム２０を吸引してキャビ型４０に装填している。このように位置決めを行うことにより、位置ズレによる不良品の発生を著しく低減させることができる。換言すれば、センターエンブレム１の生産性を向上することができる。また、ロゴマーク対応凹部４１ａを設けているが故に、射出成形時にロゴマーク被覆部２１ａに対して過度のストレスが付与されることはない。従って、金属蒸着層２０ｃにクラックや破断が発生することはなく、このようなことからも不良品の発生を低減させることができる。
【００４８】
（１１）予めシボ面４１が形成されたキャビ型４０を用いてインサート成形を行っていることから、センターエンブレム１に対して容易かつ確実にシボを形成することができる。
【００４９】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ロゴマーク部１１ａが周囲の天板部１１よりも下方に凹設された構成としてもよい。
【００５０】
・加飾フィルム２０を構成する各層２０ａ〜２０ｆの厚さは、樹脂成形品（前記実施形態ではセンターエンブレム１）の用途に要求される性能に応じて適宜変更することが可能である。
【００５１】
・加飾フィルム２０に絵柄を形成する場合には、中間フィルム層２０ｅ又は外部保護フィルム層２０ｆにシルク印刷又はグラビア印刷等を予め施しておけばよい。
【００５２】
・自動車用の樹脂成形品は、極めて過酷な環境下（高温高湿環境下、低温低湿環境下、回転環境下、振動環境下、伸縮環境下、衝撃環境下等）で用いられることもある。このため、加飾フィルム２０の各層間に高い剥離強度が要求されることになる。そこで、中間フィルム層２０ｅと外部保護フィルム層２０ｆとの間に、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等のバインダーを用いた第３接着層を追加した構成としてもよい。
【００５３】
・予備成形として真空成形の代わりに圧空成形を行う構成としてもよい。
・樹脂成形品（前記実施形態ではセンターエンブレム１）の表面にシボを施さない場合には、図６に示すシボ面４１を有するキャビ型４０に代えて、図７に示す曲線状の緩斜面１４１を有するキャビ型１４０を用いればよい。
【００５４】
さらに、上記実施形態より把握される技術的思想について、以下にそれらの効果と共に記載する。
〔１〕樹脂材料により射出成形される基材の表面に、裏層から順にバッキング層、第１接着層、金属蒸着層、第２接着層、中間フィルム層、外部保護フィルム層が少なくとも積層された加飾フィルムをインサート成形により一体成形する樹脂成形品の製造方法。このように構成すれば、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出される樹脂成形品を容易に製造することができる。また、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有する樹脂成形品を低コストにて製造することができる。
【００５５】
〔２〕樹脂材料により射出成形される基材の表面に、裏層から順にバッキング層、第１接着層、金属蒸着層、第２接着層、中間フィルム層、外部保護フィルム層が少なくとも積層された加飾フィルムをインサート成形により一体成形する車両用樹脂成形品の製造方法。このように構成すれば、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出される車両用樹脂成形品を容易に製造することができる。また、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有する車両用樹脂成形品を低コストにて製造することができる。尚、自動車のホイール回りの意匠性を向上させるための車両用樹脂成形品の例としては、前記実施形態のセンターエンブレム１、ホイールキャップ、センターオーナメント等が挙げられる。また、ホイール回り以外に用いられる車両用樹脂成形品の例としては、自動車の前部又は後部に設けられるエンブレム、バックドアガーニッシュ等が挙げられる。
【００５６】
〔３〕樹脂材料により射出成形される基材の表面に、裏層から順にバッキング層、第１接着層、金属蒸着層、第２接着層、中間フィルム層、外部保護フィルム層が少なくとも積層された加飾フィルムをインサート成形により一体成形するセンターエンブレムの製造方法。このように構成すれば、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出されるセンターエンブレムを容易に製造することができる。また、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有するセンターエンブレムを低コストにて製造することができる。
【００５７】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項１〜請求項３に記載の発明によれば、基材の形状に拘わらず、好適に光輝意匠が醸し出される樹脂成形品を容易に製造することができる。また、メッキ処理や塗装処理を一切必要とせず、メッキ調の外観を有する樹脂成形品を低コストにて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】センターエンブレムの斜視図。
【図２】センターエンブレムの断面図。
【図３】加飾フィルムの断面図。
【図４】真空成形による予備成形を説明するための断面図。
【図５】プレス加工によりトリミングされたインサート部品の断面図。
【図６】インサート成形を説明するための断面図。
【図７】別の実施形態で用いるキャビ型を説明するための断面図。
【図８】従来のセンターエンブレムの斜視図。
【符号の説明】
１…樹脂成形品としてのセンターエンブレム、１０…基材、２０…加飾フィルム、２０ａ…バッキング層、２０ｂ…第１接着層、２０ｃ…金属蒸着層、２０ｄ…第２接着層、２０ｅ…中間フィルム層、２０ｆ…外部保護フィルム層、２３…被トリミング部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing a resin molded product such as a wheel cap or a center emblem for improving the design around a wheel of an automobile, and more particularly to a method of manufacturing a resin molded product having a plated appearance. is there.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, wheel caps, center emblems, and the like are typical examples of resin molded products used in automobiles that have a plated appearance. And the improvement of the design around a wheel is achieved by the resin molded product which has these plating tone.
[0003]
A conventional center emblem will be described with reference to FIG. As shown in FIG. 8, the center emblem 100 includes a disc-shaped top plate portion 101, a ring portion 102 surrounding the top plate portion 101, a plurality of claw portions 103 extending downward from the ring portion 102, and A backup ring 104 that urges the claw portion 103 to the outside of the center emblem 100 is provided. When the center emblem 100 is attached to a hole formed in the inlay portion of the wheel (not shown) via the claw portion 103, the hole is covered with the center emblem 100. At this time, the urging force of the backup ring 104 prevents the center emblem 100 from coming off the wheel.
[0004]
Incidentally, a logo mark portion 101 a is formed at the center portion of the top plate portion 101 so as to protrude upward from the surrounding top plate portion 101. And the whole surface of the top plate part 101 including this logo mark part 101a and most of the surface of the ring part 102 have a plating-like appearance. In order to bring about such a plating-like appearance (bright design), various methods have been conventionally used.
[0005]
First, as a first method, there is a method in which a substrate is manufactured by injection molding using a resin material, and then the surface of the substrate is subjected to resin plating (so-called pla plating).
[0006]
Next, as a second method, there is a method by so-called in-mold transfer molding in which a foil having a plating-like appearance is transferred to the surface of a substrate simultaneously with injection molding using a resin material (for example, a patent Reference 1).
[0007]
Next, as a third method, there is a method in which a base material is manufactured by injection molding using a resin material, and then a highly bright paint is applied to the surface of the base material.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-7-80891
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the first method, since many steps (generally 20 to 30 steps including a cleaning step) are required after injection molding, the processing time becomes long. As a result, there is a problem that causes an increase in manufacturing cost. In addition, the plating process uses chemically active chemicals, so the working environment is poor and waste liquid treatment is also required. For this reason, the facility concerning a waste liquid process is also needed as a pollution measure with the equipment concerning a plating process. As a result, there is a problem that causes an increase in equipment cost.
[0010]
Furthermore, prior to the plating process, when a base material is manufactured by injection molding using a resin material, it is more expensive than a resin material that can be used for a subsequent plating process, that is, a general-purpose resin material. It is necessary to select a resin material or a high-grade resin material. Particularly, since the center emblem and the like are used around the wheel of an automobile, a resin material having high rigidity and high heat resistance is required. As a result, there is a problem that the resin material that satisfies the selection condition is restricted and the material cost increases.
[0011]
In addition, when the metal plating film adheres to the surface of the base material and the resin is cured along with the plating process, the inherent flexibility of the resin is impaired. For this reason, in particular, when the impact force is applied to the center emblem 100 in a state where the plating film adheres to the claw portion 103, the claw portion 103 may be damaged. Therefore, it is conceivable to mask the nail portion 103 prior to the plating process, but there is a problem that the cost increases due to the addition of the masking process. Incidentally, the backup ring 104 is provided for the purpose of substituting the flexibility of the claw portion 103 that has been lost due to the adhesion of the plating film.
[0012]
As described above, the first method has a problem that the cost is increased due to various factors.
On the other hand, in the second method, when the surface of the base material to which the foil having a plating-like appearance is transferred has a complicated three-dimensional shape, the foil is difficult to follow the surface of the base material. "Or" Tear "may occur. Thus, in the second method, there is a problem that the shape of the base material is restricted.
[0013]
On the other hand, in the third method, first, primer coating for adjusting the surface properties of the substrate is performed, and then drying is performed at a high temperature. And after spraying the base solution containing a metal and leaving it for a fixed time, clear coating is performed. Thus, in the third method, since many steps are necessary after injection molding, the processing time becomes long. As a result, there is a problem that causes an increase in manufacturing cost. In addition, the use of organic solvents and the generation of paint residue are inevitable, so the working environment is poor and waste liquid treatment is also necessary. For this reason, in addition to the equipment related to the coating treatment, the equipment related to the waste liquid treatment is required as a countermeasure against pollution. As a result, there is a problem that causes an increase in equipment cost.
[0014]
The present invention has been made paying attention to such problems, and the purpose thereof is to easily produce a resin molded article that can suitably produce a brilliant design regardless of the shape of the substrate. Another object of the present invention is to provide a method for producing a resin molded product. Another object of the present invention is to provide a method for producing a resin molded product that does not require any plating treatment or coating treatment and that can produce a resin molded product having a plating-like appearance at a low cost. .
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the invention described in claim 1, a decorative film having a plating tone is integrally formed by insert molding on the surface of a base material injection-molded with a resin material.
[0016]
Therefore, according to the first aspect of the present invention, there is provided a resin molded product in which the decorative film is integrally formed on the surface of the base material by insert molding using the decorative film processed into a desired shape in advance as an insert part. Manufactured. For this reason, if the inner surface shape of the mold located on the surface side of the decorative film is formed corresponding to the surface shape of the decorative film, the molten resin is injected and cured on the back surface of the decorative film. Thus, a resin molded product (insert molded product) can be suitably produced. In other words, since injection molding (insert molding) is performed in a state where the surface of the decorative film is in close contact with the inner surface shape of the mold, an injection molded product is manufactured by a conventional in-mold transfer molding method. Unlike the case where it does, it is not necessary to make a decorative film follow the surface of a base material positively. As a result, there is no room for wrinkles or tears on the decorative film. In addition, it is not necessary to perform a plating process or a coating process in order to create a plating-like appearance.
[0017]
In invention of Claim 2, in the manufacturing method of the resin molded product of Claim 1, prior to insert molding, preforming which processes a sheet-like decorative film into a desired shape is performed.
[0018]
Therefore, according to the invention described in claim 2, the decorative film can be formed into a complicated three-dimensional shape by preforming. And insert molding using the decorative film (insert part) preformed in this way is possible, and the shape of the base material is not restricted.
[0019]
In invention of Claim 3, in the manufacturing method of the resin molded product of Claim 2, after trimming by press processing with respect to the decorative film preformed in the shape which has a to-be-trimmed part, these Insert molding is performed using a decorative film processed into a desired shape by pre-forming and pressing.
[0020]
Therefore, according to the invention described in claim 3, the sheet-like decorative film is first processed into a shape having a trimmed portion by preforming, and then trimmed by pressing to be processed into a desired shape. And insert molding using the decorative film processed into the desired shape by these preforming and pressing is performed. Since no plating process or coating process is performed in this way, there is no room for unevenness in the thickness of the plating film or uneven coating. In other words, insert molding using a decorative film that can be processed into a complicated three-dimensional shape with a uniform thickness is possible. For this reason, it becomes possible to easily manufacture a resin molded article that suitably brings out a glitter design regardless of the shape of the substrate.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a perspective view of the center emblem 1, and FIG. 2 is a cross-sectional view of the center emblem 1. The center emblem 1 includes a base material 10 and a decorative film 20 provided along the surface shape of the base material 10.
[0022]
The base material 10 includes a disk-shaped top plate portion 11, a ring portion 12 surrounding the top plate portion 11, and a plurality of claw portions 13 extending downward from the ring portion 12. A logo mark portion 11 a is formed at the center portion of the top plate portion 11 so as to protrude upward from the surrounding top plate portion 11. And the top plate part 11 around this logo mark part 11a is inclined downwardly in a gentle curve shape toward the ring part 12 from the logo mark part 11a. And the decoration film 20 is provided over the whole surface of the top-plate part 11 containing the logo mark part 11a, and the surface most of the ring part 12. As shown in FIG.
[0023]
The decorative film 20 includes a top plate covering portion 21, a logo mark covering portion 21a, and a ring covering portion 22 corresponding to the top plate portion 11, the logo mark portion 11a, and the ring portion 12 of the base material 10, respectively. Although not shown in FIGS. 1 and 2, a fine uneven surface such as a texture is formed on the surface of the top plate covering portion 21 except for the surface of the logo mark covering portion 21a. Strictly speaking, fine uneven surfaces such as wrinkles are formed on the surface of the top plate portion 11 except for the surface of the logo mark portion 11a. For this reason, the center emblem 1 has a plating-like appearance. In particular, the surface of the logo mark covering portion 21a and the surface of the surrounding top plate covering portion 21 have different glitter due to the presence or absence of wrinkles. As a result, on the surface of the logo mark covering portion 21a, an outstanding radiance design, that is, a high radiance feeling, is produced compared to the surface of the surrounding top plate covering portion 21.
[0024]
As shown in FIG. 3, the decorative film 20 includes a backing layer 20a, a first adhesive layer 20b, a metal deposition layer 20c, a second adhesive layer 20d, an intermediate film layer 20e, and an external protective film layer 20f in order from the back layer. Has been.
[0025]
Here, the material suitable for each layer 20a-20f which comprises the base material 10 and the decorating film 20 is enumerated.
First, examples of suitable resin materials for the substrate 10 include polyethylene resins, polypropylene resins, acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer resins, polyvinyl chloride resins, and polycarbonate resins. Moreover, polyamide-type resin, polyacetal-type resin, polybutylene terephthalate-type resin, polyethylene terephthalate-type resin, polyimide-type resin, etc. are also mentioned. Of these resin materials (thermoplastic resin materials), it is preferable to use an acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer resin for the base material 10 that is easy to mold and has excellent outdoor exposure and mechanical properties.
[0026]
Next, examples of a resin material suitable for the backing layer 20a include polyester resins, polypropylene resins, polyethylene resins, polyvinyl chloride resins, acrylic resins, polyamide resins, and the like. And since the backing layer 20a and the said base material 10 mutually adhere | attach by insert molding mentioned later, the structure which uses the resin sheet which consists of a resin material similar to the resin material of the base material 10 for the backing layer 20a is preferable. . If comprised in this way, suitable high adhesive strength (adhesion) is obtained between the base material 10 and the backing layer 20a.
[0027]
Next, examples of a metal material suitable for the metal vapor deposition layer 20c include aluminum, chromium, indium, and alloys containing the metal material.
Next, examples of suitable resin materials for the intermediate film layer 20e and the external protective film layer 20f include polyester resins, polypropylene resins, polyethylene resins, polyvinyl chloride resins, acrylic resins, polyamide resins, and the like. . Of these resin materials, a configuration in which a resin sheet made of an acrylic resin that is easy to mold and has excellent outdoor exposure and mechanical properties is used for the intermediate film layer 20e and the external protective film layer 20f is preferable. In particular, since the decorative film 20 is provided with the metal vapor deposition layer 20c, the intermediate film layer 20e and the external protective film layer 20f have a function as a protection sheet for preventing corrosion of the metal vapor deposition layer 20c. .
[0028]
Next, examples of resin materials suitable for the first adhesive layer 20b and the second adhesive layer 20d include acrylic resins and styrene resins. The decorative film 20 is used in a high temperature environment and a stretchable environment at the time of insert molding described later. Further, when the center emblem 1 including the decorative film 20 is mounted around the wheel of the automobile, the decorative film 20 is used in a rotating environment or the like when the automobile is running. For these reasons, the first adhesive layer 20b and the second adhesive layer 20d using the binder of any of the resin materials described above allow the peel strength between the backing layer 20a and the metal deposition layer 20c, the intermediate film layer 20e, and the metal deposition. A configuration in which the peel strength from the layer 20c is 6 Newton units square meter or more is preferable.
[0029]
Next, a method for manufacturing the center emblem 1 will be described.
First, the flat circular sheet-like decorative film 20 is processed into a desired shape by preforming. Specifically, as shown in FIG. 4, vacuum forming using a vacuum forming die 30 is performed as preliminary forming. Here, the vacuum forming die 30 is formed with a hill part 31 having a logo mark corresponding protrusion 31a, a raised part 32 surrounding the hill part 31, and a pedestal part 33 surrounding the raised part 32. A smooth surface 34 is formed at an intermediate position between the surface of the raised portion 32 and the surface of the pedestal portion 33.
[0030]
Then, the decorative film 20 is heated while being held by a clamp (not shown), and the decorative film 20 is softened to be plastically deformable. Thereafter, the vacuum mold 30 is raised toward the softened decorative film 20 and vacuum suction is performed through the plurality of vacuum holes 35. Then, the softened decorative film 20 is brought into close contact with the surface shape of the vacuum mold 30.
[0031]
Eventually, when the decorative film 20 is cooled and cured, the shape shown in FIG. 4 is obtained. Specifically, a top plate covering portion 21, a logo mark covering portion 21a, and a ring covering portion 22 are formed on the cured decorative film 20. In addition, a ring-shaped trimmed portion 23 is formed around the ring covering portion 22. A smooth portion 24 along the smooth surface 34 is formed at an intermediate position between the ring covering portion 22 and the trimmed portion 23.
[0032]
Next, the decorative film 20 thus cured is pressed. Specifically, the decorative film 20 is cut at a position slightly closer to the trimmed portion 23 than the intermediate position between the ring covering portion 22 and the trimmed portion 23, that is, at a position beyond the smooth portion 24. As a result, as shown in FIG. 5, an insert part (decorative film 20) trimmed into a shape having an end 25 that extends shortly from the smooth portion 24 to the outside is manufactured.
[0033]
Next, insert molding using the decorative film 20 processed into a desired shape by preforming and pressing is performed. Specifically, as shown in FIG. 6, insert molding is performed using a mold 40 and a core 50. Here, the cavity mold 40 is provided with a textured surface 41 having a logo mark corresponding recess 41 a and a deep bottom surface 42 surrounding the textured surface 41. The actual textured surface 41 is configured by combining fine irregularities, but for convenience of explanation, the textured surface 41 is shown enlarged in FIG.
[0034]
On the other hand, the core mold 50 includes a core mold body 50a and a plurality of slide molds 50b. In the central part of the core-type main body 50a, a hill part 51 having a logo mark corresponding protrusion 51a and a raised part 52 surrounding the hill part 51 are formed. A plurality of claw-corresponding recesses 53 are formed in the core mold 50 by a space between the core mold body 50a and the plurality of slide molds 50b.
[0035]
Then, the decorative film 20 is sucked and loaded into the mold 40 while positioning so that the logo mark covering portion 21a of the insert part (decorative film 20) corresponds to the concave portion 41a corresponding to the logo mark. As a result, the surface of the decorative film 20 is in close contact with the inner surface of the mold 40. Thereafter, the mold 40 is lowered and clamped to the core mold 50. When molten resin is injected from a nozzle of an injection molding machine (not shown), the molten resin is introduced into a cavity between the mold 40 and the core mold 50 through the gate 54. In addition, this molten resin becomes the base material 10 after hardening.
[0036]
As the molten resin is introduced into the cavity as described above, the back surface of the decorative film 20 receives pressure from the molten resin toward the inner surface side of the mold 40. For this reason, the surface of the decorative film 20 is closely attached (transferred) along the inner surface shape of the mold 40. As a result, wrinkles are formed on the surface of the top plate covering portion 21 except for the surface of the logo mark covering portion 21a. Further, the smooth portion 24 and the end portion 25 are extended along the shape of the deep bottom surface 42. In addition, a part of the backing layer 20a that is the backmost layer of the decorative film 20 is melted by the heat of the molten resin. And since molten resin (base material 10) and the backing layer 20a use the similar resin material as above-mentioned, both are closely_contact | adhered suitably.
[0037]
Eventually, when the molten resin in the cavity is cooled and cured, the mold 40 is opened with respect to the core mold 50, and a plurality of slide molds 50b are slid to form a resin molded product (insert molded product). Take out. And this insert molded product is the center emblem 1 shown in FIG.1 and FIG.2. When the center emblem 1 is attached to the wheel H indicated by a one-dot chain line in FIG. 2, the end portion 25 of the decorative film 20 reaches the inside of the wheel H and is hidden.
[0038]
As described above, according to the present embodiment, the following operations and effects can be obtained.
(1) The center emblem 1 in which the decorative film 20 is integrally formed on the surface of the base material 10 is manufactured by insert molding using the decorative film 20 that has been processed into a desired shape in advance as an insert part. For this reason, if the inner surface shape of the mold 40 located on the surface side of the decorative film 20 is formed so as to correspond to the surface shape of the decorative film 20, the molten resin is applied to the back surface of the decorative film 20. The center emblem 1 can be suitably manufactured only by injection and curing.
[0039]
In other words, since injection molding (insert molding) is performed in a state where the surface of the decorative film 20 is in close contact with the inner surface shape of the mold 40, an injection molded product is obtained by a conventional in-mold transfer molding method. Unlike the case of manufacturing, there is no need to positively follow the decorative film 20 to the surface of the substrate 10. As a result, there is no room for “wrinkles” or “breaks” in the decorative film 20. Therefore, regardless of the shape of the substrate 10, the center emblem 1 from which a brilliant design is suitably created can be easily manufactured.
[0040]
(2) In addition, it is not necessary to perform a plating process or a coating process in order to create a plating-like appearance. Therefore, the center emblem 1 having a plating-like appearance can be manufactured at a low cost without requiring any plating or painting.
[0041]
(3) Since the plating process is not performed, the nail | claw part 13 maintains resin original softness | flexibility. Therefore, unlike the conventional case, the backup ring 104 (see FIG. 8) can be omitted. Therefore, the cost can be reduced by simplifying the structure of the center emblem 1, particularly the holding structure for the wheel H. Further, since the flexibility of the claw portion 13 is maintained, the possibility that the claw portion 13 is damaged when the center emblem 1 is removed from the wheel H can be suppressed as much as possible. Therefore, the reliability of the center emblem 1 can be improved.
[0042]
(4) Prior to insert molding, pre-molding for processing the sheet-like decorative film 20 into a desired shape is performed. For this reason, the decorative film 20 can be formed into a complicated three-dimensional shape by preforming. And the insert molding using the decorative film 20 (insert part) preformed in this way is possible, and the shape of the base material 10 is not restricted. Therefore, the center emblem 1 having a complicated three-dimensional shape can be easily manufactured.
[0043]
(5) The sheet-like decorative film 20 is first processed into a shape having the trimmed portion 23 by preforming, and then trimmed by pressing to be processed into a desired shape. And insert molding using the decorative film 20 processed into a desired shape by these preforming and pressing is performed. Since no plating process or coating process is performed in this way, there is no room for unevenness in the thickness of the plating film or uneven coating. In other words, insert molding using the decorative film 20 that can be processed into a complicated three-dimensional shape with a uniform thickness is possible. For this reason, regardless of the shape of the base material 10, the center emblem 1 in which a brilliant design is suitably created can be easily manufactured.
[0044]
(6) The decorative film 20 has a backing layer 20a, a first adhesive layer 20b, a metal deposition layer 20c, a second adhesive layer 20d, an intermediate film layer 20e, and an external protective film layer 20f laminated in order from the back layer. And the resin sheet which consists of a resin material similar to the resin material of the base material 10 is used for the backing layer 20a. For this reason, the base material 10 and the backing layer 20a are suitably adhered. Therefore, even when the center emblem 1 is used in a harsh environment, the decorative film 20 is not peeled off from the base material 10 and a suitable glitter design can be maintained. Moreover, the same effect is acquired from having the 1st contact bonding layer 20b and the 2nd contact bonding layer 20d.
[0045]
(7) A vapor deposition layer of aluminum or chromium is used as the metal vapor deposition layer 20c, and the intermediate film layer 20e and the external protective film layer 20f function as a protection sheet for preventing corrosion of the metal vapor deposition layer 20c. For this reason, corrosion and oxidation due to secular change hardly occur, the adhesiveness with the adjacent layer is high, and the center emblem 1 can greatly contribute to weight reduction and recyclability. Therefore, the glitter design which the center emblem 1 has can be maintained for many years. This is very effective for a resin molded product for vehicles (center emblem 1) for which a suitable glitter design is required for many years.
[0046]
(8) The glitter feeling differs between the surface of the logo mark covering portion 21a and the surface of the surrounding top plate covering portion 21 due to the presence or absence of wrinkles. As a result, on the surface of the logo mark covering portion 21a, it is possible to bring out an outstanding radiance design, that is, a high radiance feeling, as compared with the surface of the surrounding top plate covering portion 21.
[0047]
(9) The end portion 25 of the decorative film 20 reaches the inside of the wheel H and is hidden. For this reason, the appearance around the wheel H can be improved.
(10) While positioning so that the logo mark covering portion 21a of the insert part (decorative film 20) corresponds to the logo mark corresponding concave portion 41a, the decorative film 20 is sucked and loaded into the mold 40. . By performing positioning in this way, it is possible to remarkably reduce the occurrence of defective products due to misalignment. In other words, the productivity of the center emblem 1 can be improved. Moreover, since the logo mark corresponding | compatible recessed part 41a is provided, an excessive stress is not provided with respect to the logo mark coating | coated part 21a at the time of injection molding. Therefore, no cracks or breaks occur in the metal vapor-deposited layer 20c, and the occurrence of defective products can be reduced due to this.
[0048]
(11) Since insert molding is performed using the mold 40 on which the textured surface 41 is formed in advance, the texture can be easily and reliably formed on the center emblem 1.
[0049]
In addition, the said embodiment can also be changed and actualized as follows.
-It is good also as a structure by which the logo mark part 11a was recessed below the surrounding top-plate part 11. FIG.
[0050]
-The thickness of each layer 20a-20f which comprises the decorating film 20 can be suitably changed according to the performance requested | required by the use of the resin molded product (center emblem 1 in the said embodiment).
[0051]
In the case of forming a pattern on the decorative film 20, silk printing or gravure printing or the like may be performed in advance on the intermediate film layer 20e or the external protective film layer 20f.
[0052]
-Resin molded products for automobiles may be used in extremely harsh environments (high-temperature and high-humidity environments, low-temperature and low-humidity environments, rotating environments, vibrating environments, stretching environments, impact environments, etc.). For this reason, a high peel strength is required between the respective layers of the decorative film 20. Therefore, a configuration may be adopted in which a third adhesive layer using a binder such as an acrylic resin, a styrene resin, or a polyvinyl chloride resin is added between the intermediate film layer 20e and the external protective film layer 20f.
[0053]
-It is good also as a structure which performs pressure forming instead of vacuum forming as preliminary forming.
In the case where the surface of the resin molded product (center emblem 1 in the above embodiment) is not textured, the curved gentle slope 141 shown in FIG. 7 is used instead of the mold 40 having the textured surface 41 shown in FIG. A cavity mold 140 having the above may be used.
[0054]
Furthermore, the technical idea grasped from the above embodiment will be described below together with the effects thereof.
[1] At least a backing layer, a first adhesive layer, a metal vapor deposition layer, a second adhesive layer, an intermediate film layer, and an external protective film layer are laminated in this order from the back layer on the surface of a base material that is injection-molded with a resin material. A method for producing a resin molded product in which a decorative film is integrally formed by insert molding. If comprised in this way, regardless of the shape of a base material, the resin molded product from which a brilliant design is suitably produced can be manufactured easily. In addition, a resin molded product having a plating-like appearance can be produced at low cost without requiring any plating treatment or painting treatment.
[0055]
[2] At least a backing layer, a first adhesive layer, a metal vapor-deposited layer, a second adhesive layer, an intermediate film layer, and an external protective film layer were laminated in this order from the back layer on the surface of the base material injection-molded with a resin material. The manufacturing method of the resin molded product for vehicles which integrally molds a decorative film by insert molding. If comprised in this way, regardless of the shape of a base material, the resin molded product for vehicles in which a brilliant design is suitably produced can be manufactured easily. In addition, a resin molded product for a vehicle having a plating-like appearance can be produced at low cost without requiring any plating treatment or painting treatment. In addition, as an example of the resin molded product for vehicles for improving the design property around the wheel of a motor vehicle, the center emblem 1, the wheel cap, the center ornament, etc. of the said embodiment are mentioned. Moreover, as an example of the resin molded product for vehicles used other than the periphery of a wheel, the emblem provided in the front part or rear part of a motor vehicle, a back door garnish, etc. are mentioned.
[0056]
[3] At least a backing layer, a first adhesive layer, a metal vapor deposition layer, a second adhesive layer, an intermediate film layer, and an external protective film layer are laminated in this order from the back layer on the surface of a base material that is injection-molded with a resin material. A method of manufacturing a center emblem in which a decorative film is integrally formed by insert molding. If comprised in this way, regardless of the shape of a base material, the center emblem which brings out a lustrous design suitably can be manufactured easily. Moreover, the center emblem which has a plating-like external appearance can be manufactured at low cost without requiring any plating treatment or painting treatment.
[0057]
【The invention's effect】
Since this invention is comprised as mentioned above, there exist the following effects.
According to the first to third aspects of the invention, it is possible to easily manufacture a resin molded article that suitably produces a brilliant design regardless of the shape of the substrate. In addition, a resin molded product having a plating-like appearance can be produced at low cost without requiring any plating treatment or painting treatment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a center emblem.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a center emblem.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a decorative film.
FIG. 4 is a cross-sectional view for explaining preforming by vacuum forming.
FIG. 5 is a cross-sectional view of an insert part trimmed by press working.
FIG. 6 is a cross-sectional view for explaining insert molding.
FIG. 7 is a sectional view for explaining a mold used in another embodiment.
FIG. 8 is a perspective view of a conventional center emblem.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Center emblem as a resin molded product, 10 ... Base material, 20 ... Decorating film, 20a ... Backing layer, 20b ... First adhesive layer, 20c ... Metal vapor deposition layer, 20d ... Second adhesive layer, 20e ... Intermediate film Layer, 20f ... external protective film layer, 23 ... trimmed portion.

Claims

A method for producing a resin molded product, in which a decorative film having a plating tone is integrally formed by insert molding on the surface of a substrate that is injection-molded with a resin material.

The manufacturing method of the resin molded product of Claim 1 WHEREIN: Prior to insert molding, the manufacturing method of the resin molded product which performs the preforming which processes a sheet-like decorative film into a desired shape.

In the manufacturing method of the resin molded product of Claim 2, after trimming by press work with respect to the decorative film preformed in the shape which has a to-be-trimmed part, it is made into a desired shape by these pre-molding and press work. The manufacturing method of the resin molded product which performs insert molding using the processed decoration film.