JP2004180241A - アナログスイッチ回路 - Google Patents

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Takao Kaminishi
孝雄 神西
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Abstract

【課題】本発明はPMOSFETのトランジスタサイズを大きくすることなく、オン抵抗を低く抑え、小型、安価で高性能なアナログスイッチ回路を提供する。
【解決手段】CMOSアナログスイッチ1は、アナログ信号入力端子4からアナログ信号の入力される充電時に、PMOSトランジスタ3のバックゲートBとソースSとの間のスイッチ9がオンし、PMOSトランジスタ3のバックゲートBとドレインDとの間のスイッチ10がオフして、当該バックゲートBをアナログ信号入力端子4にのみ接続し、アナログ信号出力端子5にアナログ信号を出力する放電時に、スイッチ9がオフし、スイッチ10がオンして、当該バックゲートBをアナログ信号出力端子5にのみ接続し、CMOSアナログスイッチ1のオフ時に、PMOSトランジスタ3のバックゲートBと高電位電源VDDとの間のスイッチ8がオンして、当該バックゲートBを高電位電源VDDに接続する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログスイッチ回路に関し、詳細には、PMOSFETのトランジスタサイズを大きくすることなく、オン抵抗を低く抑え、小型、安価で、高性能なアナログスイッチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−46108号公報
アナログスイッチ回路、特に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )のアナログスイッチは、一般的に、図2に示すように構成されており、PMOSFET101とNMOSFET102のソース及びドレインがそれぞれ共通接続されていて、ソースは、アナログ入力信号の入力端子103に、ドレインは、アナログ出力信号の出力端子104にそれぞれ接続される。また、PMOSFET101のゲートは、アナログスイッチオン/オフ制御信号の入力端子105にインバータ106を介して接続され、NMOSFET102のゲートは、アナログスイッチオン/オフ制御信号の入力端子105に直接接続されている。NMOSFET102のバックゲート、すなわち、P−ウエル層は、最低電位VSSに接続され、PMOSFET101のバックゲート、すなわち、シリコン基板は、最高電位VDDに、接続される。
【0003】
この従来のCMOSアナログスイッチは、アナログスイッチオン/オフ制御信号のオン制御信号が入力端子105に与えられると、NMOSFET102のゲート電位がアナログスイッチオン制御信号の電位となり、NMOSFET102が導通状態となると同時に、アナログスイッチオン制御信号がインバータ106で反転されてPMOSFET101のゲートに与えられて、当該ゲート電位がアナログスイッチオン制御信号の反転電位となり、PMOSFET101も導通状態となる。したがって、アナログスイッチは、導通状態となり、アナログ信号入力端子103からアナログ信号出力端子104へ信号が伝達される。
【0004】
次に、アナログスイッチオン/オフ制御信号のオフ制御信号が入力端子105に与えられると、NMOSFET102のゲート電圧がアナログスイッチオフ制御信号の電位となり、NMOSFET102が非導通状態となると同時に、アナログスイッチオフ制御信号がインバータ106で反転されてPMOSFET101のゲートに与えられて、当該ゲート電位がアナログスイッチオフ制御信号の反転電位となり、PMOSFET101も非導通状態となる。したがって、アナログスイッチは、非導通状態となって、アナログ信号入力端子103からアナログ信号出力端子104への信号の伝達が中止される。
【0005】
ところが、従来のCMOSアナログスイッチは、通常、出力へのノイズの影響を考慮して、PMOSFET101とNMOSFET102を同一のトランジスタサイズとしており、このようにPMOSFET101とNMOSFET102を同一のトランジスタサイズとすると、PMOSFET101の導通時の抵抗(以下、オン抵抗という。)がNMOSFET102のオン抵抗よりも大きくなる。
【0006】
そして、従来、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのソース及びドレイン同士をそれぞれ共通接続し、前記ソースをアナログ信号入力端子に、前記ドレインをアナログ信号出力端子に接続し、前記NMOSトランジスタのゲートを第1の制御信号入力端子に、前記PMOSトランジスタのゲートを第2の制御信号入力端子に接続してなるCMOSアナログスイッチにおいて、前記NMOSトランジスタをゲート,ソース,バックゲート同士がそれぞれ共通接続された第1及び第2のNMOSトランジスタで構成し、前記共通接続されたソースとバックゲートとをさらに接続し、前記第1のNMOSトランジスタのドレインを前記アナログ信号入力端子に、前記第2のNMOSトランジスタのドレインを前記アナログ信号出力端子に、前記共通接続されたゲートを前記第1の制御信号入力端子にそれぞれ接続したCMOSアナログスイッチが提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
すなわち、この従来のCMOSアナログスイッチは、図3に示すように、2つのNMOSトランジスタ111、112と1つのPMOSトランジスタ113とを用いて回路構成されており、第1のNMOSFET111のドレインはアナログ信号入力端子114に接続され、ゲートは、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子115に直接接続されている。そして、第1のNMOSFET111のソースとバックゲートは、第2のNMOSFET112のソースとバックゲートとに共通接続されている。
【0008】
そして、第2のNMOSFET112のドレインは、アナログ出力信号の出力端子116に接続され、第2のNMOSFET112のゲートは、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子115にインバータ117を介して接続されている。
【0009】
PMOSFET113のソースは、アナログ信号入力端子114に接続され、ゲートはインバータ117を介してアナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子115に接続されている。また、PMOSFET113のドレインはアナログ信号出力端子116に接続され、バックゲートは、最高電位VDDに接続されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の特許文献1記載のアナログスイッチにあっては、2つのNMOSトランジスタ111、112と1つのPMOSトランジスタ113とを用いて回路構成されているため、トランジスタを2つ直列に接続する必要があり、低いオン抵抗を得るにはトランジスタサイズを大きくしなければならないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、2つのトランジスタを直列に接続することなく、また、PMOSFETのトランジスタサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えるアナログスイッチ回路を提供することを目的としている。
【0012】
具体的には、請求項1記載の発明は、そのバックゲートが高電位の電源に接続されているPMOSトランジスタとそのバックゲートが低電位の電源に接続されているNMOSトランジスタのソースとドレイン同士が共通接続され、当該共通接続されているソースがアナログ信号入力端子に、当該共通接続されているドレインが容量負荷の接続されているアナログ信号出力端子に、それぞれ接続され、PMOSトランジスタのゲートとNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ入力されるスイッチ制御信号に応じてオンして、アナログ信号入力端子からのアナログ信号を充電した後、アナログ信号出力端子に出力し、スイッチ制御信号に応じてオフして、アナログ信号入力端子とアナログ信号出力端子との導通を遮断し、容量負荷を駆動するに際して、アナログ信号入力端子からアナログ信号の入力される充電時に、PMOSトランジスタのバックゲートとソースとの間に配設された入力側スイッチ手段がオンし、PMOSトランジスタのバックゲートとドレインとの間に配設された出力側スイッチ手段がオフして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号入力端子にのみ接続し、アナログ信号出力端子にアナログ信号を出力する放電時に、入力側スイッチ手段がオフし、出力側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号出力端子にのみ接続し、当該アナログスイッチ回路のオフ時に、PMOSトランジスタのバックゲートと高電位電源との間に配設された電源側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートを高電位電源に接続することにより、2つのトランジスタを直列に接続することなく、また、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保ち、小型かつ安価で高性能なアナログスイッチ回路を提供することを目的としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、入力側スイッチ手段が、充電時と放電時を示す充放電期間信号とスイッチ制御信号とが入力される入力側ナンド回路の出力に基づいて動作し、出力側スイッチ手段が、当該放電期間信号とインバータ回路で反転されたスイッチ制御信号とが入力される出力側ナンド回路の出力に基づいて動作するものとすることにより、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保ち、より一層小型かつ安価で高性能なアナログスイッチ回路を提供することを目的としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、電源側スイッチ手段が、インバータ回路で反転されて入力されるスイッチ制御信号に基づいて動作するものとすることにより、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保ち、より一層小型かつ安価で高性能なアナログスイッチ回路を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のアナログスイッチ回路は、そのバックゲートが高電位の電源に接続されているPMOSトランジスタとそのバックゲートが低電位の電源に接続されているNMOSトランジスタのソースとドレイン同士が共通接続され、当該共通接続されているソースがアナログ信号入力端子に、当該共通接続されているドレインが容量負荷の接続されているアナログ信号出力端子に、それぞれ接続され、前記PMOSトランジスタのゲートと前記NMOSトランジスタのゲートにそれぞれ入力されるスイッチ制御信号に応じてオンして、前記アナログ信号入力端子からのアナログ信号を充電した後、前記アナログ信号出力端子に出力し、前記スイッチ制御信号に応じてオフして、前記アナログ信号入力端子と前記アナログ信号出力端子との導通を遮断し、前記容量負荷を駆動するアナログスイッチ回路において、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記共通接続されて前記アナログ信号入力端子に接続されているソースとの間に配設された入力側スイッチ手段と、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記共通接続されて前記アナログ信号出力端子に接続されているドレインとの間に配設された出力側スイッチ手段と、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記高電位電源との間に配設された電源側スイッチ手段と、を備え、前記アナログ信号入力端子からアナログ信号の入力される前記充電時に、前記入力側スイッチ手段がオンし、前記出力側スイッチ手段がオフして、前記PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号入力端子にのみ接続し、前記アナログ信号出力端子に前記アナログ信号を出力する前記放電時に、前記入力側スイッチ手段がオフし、前記出力側スイッチ手段がオンして、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記アナログ信号出力端子にのみ接続し、当該アナログスイッチ回路のオフ時に、前記電源側スイッチ手段がオンして、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記高電位電源に接続することにより、上記目的を達成している。
【0016】
上記構成によれば、そのバックゲートが高電位の電源に接続されているPMOSトランジスタとそのバックゲートが低電位の電源に接続されているNMOSトランジスタのソースとドレイン同士が共通接続され、当該共通接続されているソースがアナログ信号入力端子に、当該共通接続されているドレインが容量負荷の接続されているアナログ信号出力端子に、それぞれ接続され、PMOSトランジスタのゲートとNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ入力されるスイッチ制御信号に応じてオンして、アナログ信号入力端子からのアナログ信号を充電した後、アナログ信号出力端子に出力し、スイッチ制御信号に応じてオフして、アナログ信号入力端子とアナログ信号出力端子との導通を遮断し、容量負荷を駆動するに際して、アナログ信号入力端子からアナログ信号の入力される充電時に、PMOSトランジスタのバックゲートとソースとの間に配設された入力側スイッチ手段がオンし、PMOSトランジスタのバックゲートとドレインとの間に配設された出力側スイッチ手段がオフして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号入力端子にのみ接続し、アナログ信号出力端子にアナログ信号を出力する放電時に、入力側スイッチ手段がオフし、出力側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号出力端子にのみ接続し、当該アナログスイッチ回路のオフ時に、PMOSトランジスタのバックゲートと高電位電源との間に配設された電源側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートを高電位電源に接続するので、2つのトランジスタを直列接続することなく、また、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0017】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記アナログスイッチ回路は、前記入力側スイッチ手段が、前記充電時と前記放電時を示す充放電期間信号と前記スイッチ制御信号とが入力される入力側ナンド回路の出力に基づいて動作し、前記出力側スイッチ手段が、当該放電期間信号とインバータ回路で反転された前記スイッチ制御信号とが入力される出力側ナンド回路の出力に基づいて動作するものであってもよい。
【0018】
上記構成によれば、入力側スイッチ手段が、充電時と放電時を示す充放電期間信号とスイッチ制御信号とが入力される入力側ナンド回路の出力に基づいて動作し、出力側スイッチ手段が、当該放電期間信号とインバータ回路で反転されたスイッチ制御信号とが入力される出力側ナンド回路の出力に基づいて動作するものとしているので、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0019】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記アナログスイッチ回路は、前記電源側スイッチ手段が、インバータ回路で反転されて入力される前記スイッチ制御信号に基づいて動作するものであってもよい。
【0020】
上記構成によれば、電源側スイッチ手段が、インバータ回路で反転されて入力されるスイッチ制御信号に基づいて動作するものとしているので、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路をより一層小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
図1は、本発明のアナログスイッチ回路の一実施の形態を適用したCMOSアナログスイッチ1の概略構成図であり、CMOSアナログスイッチ1は、例えば、インクジェットプリンタの駆動回路等に用いられて、容量負荷20の駆動用に用いられる。
【0023】
図1において、CMOSアナログスイッチ1は、NMOSFET2とPMOSFET3を有し、NMOSFET2とPMOSFET3は、そのソースSとドレインDがそれぞれ共通接続されている。NMOSFET2とPMOSFET3の共通接続されたソースSは、アナログ入力信号の入力端子4に接続されており、NMOSFET2とPMOSFET3の共通接続されたドレインDは、アナログ出力信号の出力端子5にそれぞれ接続されている。アナログ出力信号出力端子5には、上記容量負荷20が接続され、CMOSアナログスイッチ1は、この容量負荷20を駆動する。
【0024】
PMOSFET3のゲートGは、アナログスイッチオン/オフ制御信号(スイッチ制御信号)の入力端子6にインバータ7を介して接続されており、NMOSFET2のゲートGは、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6に直接接続されている。NMOSFET2のバックゲートB、すなわち、P−ウエル層は、最低電位VSSに接続され、PMOSFET3のバックゲートB、すなわち、シリコン基板は、アナログスイッチ等のスイッチ(電源側スイッチ手段)8を介して最高電位VDDに、接続されている。スイッチ8には、インバータ7を介してアナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からのアナログスイッチオン/オフ制御信号が入力され、スイッチ8は、このアナログスイッチオン/オフ制御信号がオフ(L)のときに、インバータ7で反転されたアナログスイッチオン制御信号によりオンして、PMOSFET3のドレインDを最高電位VDDに接続し、アナログスイッチオン/オフ制御信号がオン(H)のときに、インバータ7で反転されたアナログスイッチオフ制御信号によりオフして、PMOSFET3のドレインDを最高電位VDDから切り離す。
【0025】
そして、PMOSFET3のバックゲートBは、アナログスイッチ等のスイッチ(入力側スイッチ手段)9を介して上記アナログ入力信号入力端子4に接続されているとともに、アナログスイッチ等のスイッチ(出力側スイッチ手段)10を介して上記アナログ出力信号出力端子5に接続されている。
【0026】
上記スイッチ9は、上記充放電期間信号の入力端子11にNAND(ナンド)12を介して接続されており、NAND(入力側ナンド回路)12には、さらに、上記アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からアナログスイッチオン/オフ制御信号が入力される。
【0027】
上記スイッチ10は、充放電期間信号入力端子11にNAND(ナンド)13及びインバータ14を介して接続されており、NAND(出力側ナンド回路)13には、さらに、上記アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からアナログスイッチオン/オフ制御信号が入力される。この充放電期間信号は、アナログ信号入力端子4からアナログ信号の入力される充電期間とアナログ信号出力端子5にアナログ信号を出力する放電期間とを示す信号である。
【0028】
そして、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からのアナログスイッチオン/オフ制御信号が、アナログスイッチオン制御信号(H)であり、充放電期間信号入力端子6からの充放電期間信号が充電期間信号(H)であると、NAND12の出力がL、NAND13の出力がHとなるため、スイッチ9がオン、スイッチ10がオフとなり、PMOSFET3のバックゲートBは、アナログ入力信号入力端子4にのみ接続される。
【0029】
また、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からのアナログスイッチオン/オフ制御信号が、アナログスイッチオン制御信号(H)であり、充放電期間信号入力端子6からの充放電期間信号が放電期間信号(L)であると、NAND12の出力がL、NAND13の出力がHとなるため、スイッチ9がオフ、スイッチ10がオンとなり、PMOSFET3のバックゲートBは、アナログ出力信号入力端子5にのみ接続される。
【0030】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態のCMOSアナログスイッチ1は、PMOSFET3のバックゲートBが充電時には入力側と接続され、放電時には出力側に接続されるものとし、CMOSアナログスイッチ1のオフ時には、PMOSFET3のバックゲートBを電源に接続されるものとして、PMOSFET3のトランジスタサイズを大きくすることなく、オン抵抗を低く抑えている。
【0031】
すなわち、CMOSアナログスイッチ1は、そのPMOSFET3のバックゲートBがスイッチ9を介してアナログ入力信号入力端子4に接続されているとともに、スイッチ10を介してアナログ出力信号出力端子5に接続されており、スイッチ9には、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からのアナログスイッチオン/オフ制御信号と充放電期間信号端子11からの充放電期間信号の入力されているNAND12の出力が入力され、また、スイッチ10には、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からのアナログスイッチオン/オフ制御信号と充放電期間信号端子11からの充放電期間信号がインバータ14を介して入力されているNAND13の出力が入力される。
【0032】
また、PMOSFET3のバックゲートBは、スイッチ8を介して最高電位VDDに、接続されており、スイッチ8には、アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子6からアナログスイッチオン/オフ制御信号がインバータ7を介して入力されている。
【0033】
そして、このCMOSアナログスイッチ1は、アナログスイッチオン/オフ制御信号がオン制御信号のとき、スイッチ8がオフしており、この状態で、充放電期間信号が充電期間信号となると、スイッチ9がオンし、スイッチ10がオフして、PMOSFET3のバックゲートBが、アナログ入力信号入力端子4にのみ接続されて、アナログ入力信号が入力される。
【0034】
次に、CMOSアナログスイッチ1は、アナログスイッチオン/オフ制御信号がオン制御信号の状態のままで、充放電期間信号が放電期間信号となると、スイッチ9がオフし、スイッチ10がオンして、PMOSFET3のバックゲートBが、アナログ出力信号出力端子5にのみ接続され、充電期間にアナログ入力信号入力端子4から入力されたアナログ入力信号がアナログ出力信号出力端子5を介して容量負荷20に出力されて、容量負荷20を駆動する。
【0035】
したがって、PMOSFET3のバックゲートBは、充電期間には入力電位となり、放電期間には出力電位となるため、バックゲートBのバイアスが高電位側と同電位となり、PMOSFET3のオン抵抗を下げることができる。
【0036】
その後、CMOSアナログスイッチ1は、アナログスイッチオン/オフ制御信号がオフ制御信号になると、スイッチ9及びスイッチ10がともにオフとなるとともに、スイッチ8がオンし、PMOSFET3のバックゲートBは、最高電位VDDに接続されて、PMOSFET3のバックゲートBのバイアスが最高電位VDDとなる。
【0037】
したがって、CMOSアナログスイッチ1は、出力電位が中間電位に保必要のある場合にも、ハイインピーダンス状態を保つことができる。
【0038】
このように、本実施の形態のCMOSアナログスイッチ1は、アナログ信号入力端子4からアナログ信号の入力される充電時に、PMOSトランジスタ3のバックゲートBとソースSとの間に配設された入力側スイッチ手段であるスイッチ9がオンし、PMOSトランジスタ3のバックゲートBとドレインDとの間に配設された出力側スイッチ手段であるスイッチ10がオフして、PMOSトランジスタ3のバックゲートBをアナログ信号入力端子4にのみ接続し、アナログ信号出力端子5にアナログ信号を出力する放電時に、スイッチ9がオフし、スイッチ10がオンして、PMOSトランジスタ3のバックゲートBをアナログ信号出力端子5にのみ接続し、CMOSアナログスイッチ1のオフ時に、PMOSトランジスタ3のバックゲートBと高電位電源VDDとの間に配設された電源側スイッチ手段であるスイッチ8がオンして、PMOSトランジスタ3のバックゲートBを高電位電源VDDに接続している。
【0039】
したがって、2つのトランジスタを直列に接続することなく、また、PMOSトランジスタ3のサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタ3のオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタ3をハイインピーダンス状態に保つことができ、CMOSアナログスイッチ1を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0040】
また、本実施の形態のCMOSアナログスイッチ1は、スイッチ9が、充電時と放電時を示す充放電期間信号とアナログスイッチオン/オフ制御信号とが入力される入力側ナンド回路であるNAND12の出力に基づいて動作し、スイッチ10が、放電期間信号とインバータ14で反転されたアナログスイッチオン/オフ制御信号とが入力される出力側ナンド回路であるNAND13の出力に基づいて動作するものとしている。
【0041】
したがって、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタ3のサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタ3のオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタ3をハイインピーダンス状態に保つことができ、CMOSアナログスイッチ1を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態のCMOSアナログスイッチ1は、スイッチ8が、インバータ7で反転されて入力されるアナログスイッチオン/オフ制御信号に基づいて動作するものとしている。
【0043】
したがって、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタ3のサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタ3のオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタ3をハイインピーダンス状態に保つことができ、CMOSアナログスイッチ1をより一層小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のアナログスイッチ回路によれば、そのバックゲートが高電位の電源に接続されているPMOSトランジスタとそのバックゲートが低電位の電源に接続されているNMOSトランジスタのソースとドレイン同士が共通接続され、当該共通接続されているソースがアナログ信号入力端子に、当該共通接続されているドレインが容量負荷の接続されているアナログ信号出力端子に、それぞれ接続され、PMOSトランジスタのゲートとNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ入力されるスイッチ制御信号に応じてオンして、アナログ信号入力端子からのアナログ信号を充電した後、アナログ信号出力端子に出力し、スイッチ制御信号に応じてオフして、アナログ信号入力端子とアナログ信号出力端子との導通を遮断し、容量負荷を駆動するに際して、アナログ信号入力端子からアナログ信号の入力される充電時に、PMOSトランジスタのバックゲートとソースとの間に配設された入力側スイッチ手段がオンし、PMOSトランジスタのバックゲートとドレインとの間に配設された出力側スイッチ手段がオフして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号入力端子にのみ接続し、アナログ信号出力端子にアナログ信号を出力する放電時に、入力側スイッチ手段がオフし、出力側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号出力端子にのみ接続し、当該アナログスイッチ回路のオフ時に、PMOSトランジスタのバックゲートと高電位電源との間に配設された電源側スイッチ手段がオンして、PMOSトランジスタのバックゲートを高電位電源に接続するので、2つのトランジスタを直列接続することなく、また、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0046】
請求項2記載の発明のアナログスイッチ回路によれば、入力側スイッチ手段が、充電時と放電時を示す充放電期間信号とスイッチ制御信号とが入力される入力側ナンド回路の出力に基づいて動作し、出力側スイッチ手段が、当該放電期間信号とインバータ回路で反転されたスイッチ制御信号とが入力される出力側ナンド回路の出力に基づいて動作するものとしているので、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路を小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【0047】
請求項3記載の発明のアナログスイッチ回路によれば、電源側スイッチ手段が、インバータ回路で反転されて入力されるスイッチ制御信号に基づいて動作するものとしているので、簡単な回路構成で、PMOSトランジスタのサイズを大きくすることなく、PMOSトランジスタのオン抵抗を低く抑えることができるとともに、出力電位が中間電位に保つ必要がある場合にも、PMOSトランジスタをハイインピーダンス状態に保つことができ、アナログスイッチ回路をより一層小型かつ安価で高性能なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアナログスイッチ回路の一実施の形態を適用したCMOSアナログスイッチの概略回路構成図。
【図2】従来の一般的なCMOSアナログスイッチの概略回路構成図。
【図3】従来の特許文献1のCMOSアナログスイッチの概略回構成路図。
【符号の説明】
1 CMOSアナログスイッチ
2 NMOSFET
3 PMOSFET
4 アナログ入力信号入力端子
5 アナログ出力信号出力端子
6 アナログスイッチオン/オフ制御信号入力端子
7 インバータ
8、9、10 スイッチ
11 充放電期間信号入力端子
12、13 NAND
14 インバータ
20 容量負荷
B バックゲート
D ドレイン
G ゲート
S ソース

Claims (3)

  1. そのバックゲートが高電位の電源に接続されているPMOSトランジスタとそのバックゲートが低電位の電源に接続されているNMOSトランジスタのソースとドレイン同士が共通接続され、当該共通接続されているソースがアナログ信号入力端子に、当該共通接続されているドレインが容量負荷の接続されているアナログ信号出力端子に、それぞれ接続され、前記PMOSトランジスタのゲートと前記NMOSトランジスタのゲートにそれぞれ入力されるスイッチ制御信号に応じてオンして、前記アナログ信号入力端子からのアナログ信号を充電した後、前記アナログ信号出力端子に出力し、前記スイッチ制御信号に応じてオフして、前記アナログ信号入力端子と前記アナログ信号出力端子との導通を遮断し、前記容量負荷を駆動するアナログスイッチ回路において、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記共通接続されて前記アナログ信号入力端子に接続されているソースとの間に配設された入力側スイッチ手段と、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記共通接続されて前記アナログ信号出力端子に接続されているドレインとの間に配設された出力側スイッチ手段と、前記PMOSトランジスタのバックゲートと前記高電位電源との間に配設された電源側スイッチ手段と、を備え、前記アナログ信号入力端子からアナログ信号の入力される前記充電時に、前記入力側スイッチ手段がオンし、前記出力側スイッチ手段がオフして、前記PMOSトランジスタのバックゲートをアナログ信号入力端子にのみ接続し、前記アナログ信号出力端子に前記アナログ信号を出力する前記放電時に、前記入力側スイッチ手段がオフし、前記出力側スイッチ手段がオンして、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記アナログ信号出力端子にのみ接続し、当該アナログスイッチ回路のオフ時に、前記電源側スイッチ手段がオンして、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記高電位電源に接続することを特徴とするアナログスイッチ回路。
  2. 前記アナログスイッチ回路は、前記入力側スイッチ手段が、前記充電時と前記放電時を示す充放電期間信号と前記スイッチ制御信号とが入力される入力側ナンド回路の出力に基づいて動作し、前記出力側スイッチ手段が、当該放電期間信号とインバータ回路で反転された前記スイッチ制御信号とが入力される出力側ナンド回路の出力に基づいて動作することを特徴とする請求項1記載のアナログスイッチ回路。
  3. 前記アナログスイッチ回路は、前記電源側スイッチ手段が、インバータ回路で反転されて入力される前記スイッチ制御信号に基づいて動作することを特徴とする請求項1または請求項2記載のアナログスイッチ回路。
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