JP2004180098A - 直交偶高調波ミキサ - Google Patents
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Abstract
【課題】スプリアス発生を小さくすること等を可能にする直交偶高調波ミキサを提供する。
【解決手段】入力RF信号が、NPNトランジスタQ1とQ4のベースに、差動に供給される。90度の位相差を有する局発信号Iと局発信号Qが、NPNトランジスタQ2とQ4のベースと、トランジスタQ6とQ7のベースに、供給される。なお、局発信号IとQの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【選択図】 図1
【解決手段】入力RF信号が、NPNトランジスタQ1とQ4のベースに、差動に供給される。90度の位相差を有する局発信号Iと局発信号Qが、NPNトランジスタQ2とQ4のベースと、トランジスタQ6とQ7のベースに、供給される。なお、局発信号IとQの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の無線装置に関し、特にアンテナ周波数帯の高周波数(以下、RF信号という。また(特許請求の範囲)では、入力信号という)から、ベースバンド周波数信号へ直接周波数変換を行う直交偶高調波ミキサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にハーモニックミキサは、局発信号の高次の項と入力RF信号の項の結合項から出力信号が発生することになっている。そして、Balanced Harmonic Mixerでは、NPNトランジスタのエミッタ結合差動増幅器の非線形性を利用して、局発信号の2次の項とRF信号の積の項から出力信号を得ている。
【0003】
Balanced Harmonic Mixerの具体的回路は、図5のように構成される。そして、入力RF信号は差動で入力され、局発信号は単層で入力されるのが基本形となっている(例えば、特許文献1 参照)。
【0004】
ただ、局発信号が、単層入力だと、半導体集積回路(IC)化の際、特性が取りづらいので、局発信号を差動入力にした構成を採用することが多い。実際さまざまなシステムのダイレクトコンバージョン向けICでもこの構成が採用されている。これを、図6に示す。
【0005】
図5も図6も、局発信号が単層入力か差動入力かの違いを除けば、解析に差はない。
【0006】
今、入力局発信号をVLO(t)、およびRF信号入力端に入力される変調信号をVRF(t)とし、2次のハーモニックミキサを仮定すると、局発信号とRF信号は、それぞれ(数1)とあらわされる。
【0007】
【数1】
(数1)において、VLは、局発信号の振幅成分、VR(t)は、変調波の振幅変調成分、θ(t)は、変調波の位相変調成分、ω0は、変調波のキャリアの角周波数を表している。
【0008】
一般に、図7に示すようなNPNトランジスタのエミッタ結合差動増幅器の入出力特性は、DCで、(数2)となる。
【0009】
【数2】
(数2)において、ΔVは、差動入力電圧、ΔIは、差動増幅器の出力電流、VTは、熱電圧である。
【0010】
図5のBalanced Harmonic Mixerの場合、出力電圧ΔIは、(数3)の(3)式となる。
【0011】
【数3】
ここでVLOは2VTよりも小さいとし、(数3)の(3)式では、高次の項は十分小さいとして、省略した。
【0012】
(数3)の(3)式の中でアンダーラインが引かれた項が、ハーモニックミキサとしての振る舞いを示す項であり、局発信号の2次の項とRF信号の項の積により、変調信号成分が出力される。より具体的には、(数1)の(1)式の表現を用いて、(数4)の(4)式が得られる。
【0013】
【数4】
(数4)の中で、アンダーラインを引いた第一項が、変調波信号として取り扱われる。
【0014】
(数3)の(3)式と(数4)の(4)式より、Balanced Harmonic Mixerの本来出力として取扱いたい項を書き出すと、(数5)の(5)式となる。
【0015】
【数5】
(数5)の(5)式より、期待通りに変調波のみに周波数変換されていることがわかる。
【0016】
【特許文献1】
特開平9−205382号公報(4頁の段落(0003)から段落(0006)迄)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(数3)の(3)式と(数4)の(4)式において、出力信号として取り出したいアンダーラインを引いた項以外にも多数の項が存在し、これらは全て、出力周波数とは異なる周波数でのスプリアスという形で表れることになる。
【0018】
特に、(数3)の(3)式から分かるように、RF信号のレベルがよほど大きくない限り、(数3)の(3)式の中で最も大きな項は、出力信号を生じる項ではなく、第一項目の(I・VRF(t))/VTであり、これが出力信号以上のレベルで存在していることになる。
【0019】
これらのスプリアスは、単に電力の無駄というだけでなく、相互変調によってそれぞれ結合し、出力信号の帯域(CD)に折り返すことで、DCオフセットや2次歪の原因になってしまう。例えば、最もレベルの大きい(数3)の(3)式の第一項と、RF信号のリーク成分が結合すると、DC帯域にスプリアスが発生することになる。また(数3)の(3)式の第一項と第二項が結合すると、同様にDC帯域にスプリアスが発生することになる。
【0020】
また、これら多数のスプリアスは、DCオフセットだけでなくIP3(3次の相互変調歪)等、他の相互変調歪の原因にもなり、これがBalanced Harmonic Mixerの最大の欠点になる。
【0021】
このため、Balanced Harmonic Mixerを採用したICでもDCオフセット問題や2次歪問題が焦点となり、この問題を解決するため、Balanced Harmonic Mixerに続くフィルタブロックに通常は入れないハイパスフィルタをいれ、DCオフセット問題を解決するなどの対策がとられることとなった。
【0022】
この結果、フィルタブロックの設計がよりいっそう困難になり、回路規模が大きくなったり、消費電流が増えたりし、ひいては商品価値の低下という問題が生じた。
【0023】
また、多数のスプリアス項が存在し、それらの多くが局発信号の振幅(VLO)に依存するため、スプリアス特性を悪化させずにゲインをある程度以上とらなければならない結果、局発信号にAGCをかけ、局発信号の振幅を一定にしなければならなくなった点も、見逃がすことができない問題点である。
【0024】
以上、Balanced Harmonic Mixerの欠点をまとめると、以下のようになる。
【0025】
(1)多数のスプリアスが発生し、相互変調歪が生じる。
【0026】
(2)(1)の結果、2次歪によるDC帯域への折り返しで、受信精度が悪化する。
【0027】
(3)出力信号よりも大きなスプリアス項が存在し、電力の無駄が多い。
【0028】
(4)多数のスプリアスは局発信号の振幅に依存し、スプリアス特性が局発信号に依存する。
【0029】
(5)(1)から(4)までの対策のため、オフセットキャンセル用のハイパスフィルタや、局発信号の振幅安定のためのAGC回路を必要とし、結果的に回路規模が大ききなったり、消費電流が増えたりするといった、問題を招く。
【0030】
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、スプリアス発生を小さくすること等を可能にする直交偶高調波ミキサを提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
(第1の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのベースと、前記第4と第5のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのベースに供給することを特徴とする。
【0032】
(第2の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのゲートと、前記第4と第5のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのゲートに供給することを特徴とする。
【0033】
(第3の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースと、前記第6と第7のトランジスタのベースに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのベースと前記第8のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのベースと前記第5のトランジスタのベースに、差動に供給することを特徴とする。
【0034】
(第4の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートと、前記第6と第7のトランジスタのゲートに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのゲートと前記第8のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのゲートと前記第5のトランジスタのゲートに、差動に供給することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1に、本発明の直交偶高調波ミキサの第1の実施例の構成を示す。図に従って、構成を説明する。
【0036】
NPNトランジスタQ1とQ2で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ3とQ4で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ5とQ6で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ7とQ8で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0037】
トランジスタQ1とQ8のベースとトランジスタQ4とQ5のベースに、RF信号として、(数6)の差動信号が供給される。
【0038】
【数6】
トランジスタQ2とQ3のベースとトランジスタQ6とQ7のベースに、(数7)で示す如く、お互いが90度の位相差を持つ、局発信号Iと局発信号Qが供給される。但し、局発信号Iと局発信号Qの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【0039】
【数7】
トランジスタQ1とQ3とQ5とQ7のコレクタは、+出力端に接続されている。トランジスタQ2とQ4とQ6とQ8のコレクタは、−出力端に接続されている。
【0040】
前記の(数3)の(3)式と同様な変形をして、(数8)の(8)式という結果が得られる。
【0041】
【数8】
(数8)の(8)式は、(数3)の(3)式に比べて大幅な打消しが起こっている。更に、(8)式では、アンダーラインを引いた部分が打ち消しあって、0になり、(3)式で存在した(数9)の項が存在しないことが注目すべき点である。
【0042】
【数9】
(数6)の(6)式と(数7)の(7)式の表現を使うと、(数8)の(8)式は、(数10)の(9)式のように簡単になる。
【0043】
【数10】
(数10)の(9)式で、アンダーラインを引いた項が、出力信号として取り出すべき項で、その他がスプリアスの原因となる項である。
【0044】
(9)式は、一見わかりずらいが、従来のBalanced Harmonic Mixerの結果である(数3)の(3)式と(数4)の(4)式に比べて、スプリアスとなる項は数が格段に少なく、レベルも小さい。そして、最も大きな振幅を持つのが、出力信号の項と、第二項目のイメージの項である。
【0045】
本実施例の直交偶高調波ミキサの利点をまとめると、次のようになる。
【0046】
(1)期待される出力信号に比べて、発生するスプリアスが非常に小さい。
【0047】
(2)(1)の結果、スプリアスによる相互変調効果が小さく、相互変調歪特性が良好である。
【0048】
(3)2次歪による折り返しが小さいため、受信精度特性が良好である。
【0049】
(4)DCオフセットが小さい結果、後段のフィルタブロックに対する負担が小さい。
【0050】
(5)(1)〜(4)の結果、消費電流を低減でき、商品価値が高い製品が期待できる。
【0051】
次に、直交復調器の簡単な構成を、図2に示す。直交復調器は、図1の回路構成を、2個使用する。入力RF信号は、各回路構成に差動で供給される。一方の回路構成には、0度の局発信号Iと90度の局発信号Qが供給される。他方の回路構成には、45度の局発信号Iと135度の局発信号Qが供給される。一方の回路構成の出力Iと他方の回路構成の出力Qは、90度の位相差を有する。
【0052】
これまでは、NPNバイポーラトランジスタを採用した構成であったが、これらに代わり、PNPトランジスタを採用しても良い。また、バイポーラトランジスタの代わりに、非線形素子であるMOSトランジスタを採用しても良い。
【0053】
(第2の実施例)
図3に、本発明の直交偶高調波ミキサの第2の実施例の構成を示す。本実施例は、第1の実施例より実際的な回路構成である。図に従って、構成を説明する。
【0054】
NPNトランジスタQ1とQ2とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0055】
NPNトランジスタQ3とQ4とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ5とQ6とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ7とQ8とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0056】
トランジスタQ1のベースとトランジスタQ8のベースに、局発信号Iを差動に供給する。トランジスタQ4のベースとQ5のベースに、局発信号Qを差動に供給する。局発信号IとQは、第1の実施例と同様、90度の位相差を持つ。
【0057】
トランジスタQ2とQ3のベースと、トランジスタQ6とQ7のベースに、単層のRF信号を供給する。但し、局発信号IとQの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【0058】
トランジスタQ1とQ3とQ6とQ8のコレクタは、+出力端に接続されている。トランジスタQ2とQ4とQ5とQ7のコレクタは、−出力端に接続されている。
【0059】
基本的な解析は、第1に実施例の直交偶高調波ミキサとまったく同じで、結果も(数8)の(8)式、(数10)の(9)式のものをそのまま用いることが出来る。
【0060】
第1の実施例の直交偶高調波ミキサに対する第2の実施例の利点は、次のように考えられる。
【0061】
低雑音増幅器を単層で使う場合、2次高調波の影響は無視できず、この効果を考慮した場合、入力RF信号は、(数11)の(10)式という形で表現できる。ここでεは、十分小さい値で、電圧の逆数のディメンションを持っている。
【0062】
【数11】
ところが、本実施例の直交偶高調波ミキサでは、(10)式を用いることになるので、εが一次の次数でDC周波数帯域に折り返してくる項が、一つもなくなることになる。
【0063】
この結果、低雑音増幅器など前段につく回路の2次歪が原因によるDC帯域への折り返しが大幅に抑えることになる。
【0064】
次に、直交復調器の簡単な構成を、図4に示す。直交復調器は、図3の回路構成を、2個使用する。入力RF信号は、各回路構成に単層で供給される。一方の回路構成には、0度の局発信号Iは差動に、90度の局発信号Qは差動に供給される。他方の回路構成には、45度の局発信号Iは差動に、135度の局発信号Qは差動に供給される。一方の回路構成の出力Iと他方の回路構成の出力Qは、90度の位相差を有する。
【0065】
これまでは、NPNバイポーラトランジスタを採用した構成であったが、これらに代わり、PNPトランジスタを採用しても良い。また、バイポーラトランジスタの代わりに、非線形素子であるMOSトランジスタを採用しても良い。
【0066】
【発明の効果】
本発明の直交偶高調波ミキサによれば、以下の効果を有する。
【0067】
(1)期待される出力信号に比べて、発生するスプリアスが非常に小さい。
【0068】
(2)(1)の結果、スプリアスによる相互変調効果が小さく、相互変調歪特性が良好である。
【0069】
(3)2次歪による折り返しが小さいため、受信精度特性が良好である。
【0070】
(4)DCオフセットが小さい結果、後段のフィルタブロックに対する負担が小さい。
【0071】
(5)(1)〜(4)の結果、消費電流を低減でき、商品価値が高い製品が期待できる。
【0072】
(6)低雑音増幅器など前段につく回路の2次歪が原因によるDC帯域への折り返しが大幅に抑えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直交偶高調波ミキサの第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】図1の回路構成を利用して直交復調器を構成した場合の構成を、概略的に示す図である。
【図3】本発明の直交偶高調波ミキサの第2の実施例の構成を示す図である。
【図4】図3の回路構成を利用して直交復調器を構成した場合の構成を、概略的に示す図である。
【図5】従来の技術であるBalanced Harmonic Mixer(Single Balanced Harmonic Mixer)の構成を示す図である。
【図6】従来の技術であるBalanced Harmonic Mixer(Double Balanced Harmonic Mixer)の構成を示す図である。
【図7】一般の差動増幅器の構成を示す図である。
【符号の説明】
Q1〜Q8・・NPNトランジスタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の無線装置に関し、特にアンテナ周波数帯の高周波数(以下、RF信号という。また(特許請求の範囲)では、入力信号という)から、ベースバンド周波数信号へ直接周波数変換を行う直交偶高調波ミキサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にハーモニックミキサは、局発信号の高次の項と入力RF信号の項の結合項から出力信号が発生することになっている。そして、Balanced Harmonic Mixerでは、NPNトランジスタのエミッタ結合差動増幅器の非線形性を利用して、局発信号の2次の項とRF信号の積の項から出力信号を得ている。
【0003】
Balanced Harmonic Mixerの具体的回路は、図5のように構成される。そして、入力RF信号は差動で入力され、局発信号は単層で入力されるのが基本形となっている(例えば、特許文献1 参照)。
【0004】
ただ、局発信号が、単層入力だと、半導体集積回路(IC)化の際、特性が取りづらいので、局発信号を差動入力にした構成を採用することが多い。実際さまざまなシステムのダイレクトコンバージョン向けICでもこの構成が採用されている。これを、図6に示す。
【0005】
図5も図6も、局発信号が単層入力か差動入力かの違いを除けば、解析に差はない。
【0006】
今、入力局発信号をVLO(t)、およびRF信号入力端に入力される変調信号をVRF(t)とし、2次のハーモニックミキサを仮定すると、局発信号とRF信号は、それぞれ(数1)とあらわされる。
【0007】
【数1】
(数1)において、VLは、局発信号の振幅成分、VR(t)は、変調波の振幅変調成分、θ(t)は、変調波の位相変調成分、ω0は、変調波のキャリアの角周波数を表している。
【0008】
一般に、図7に示すようなNPNトランジスタのエミッタ結合差動増幅器の入出力特性は、DCで、(数2)となる。
【0009】
【数2】
(数2)において、ΔVは、差動入力電圧、ΔIは、差動増幅器の出力電流、VTは、熱電圧である。
【0010】
図5のBalanced Harmonic Mixerの場合、出力電圧ΔIは、(数3)の(3)式となる。
【0011】
【数3】
ここでVLOは2VTよりも小さいとし、(数3)の(3)式では、高次の項は十分小さいとして、省略した。
【0012】
(数3)の(3)式の中でアンダーラインが引かれた項が、ハーモニックミキサとしての振る舞いを示す項であり、局発信号の2次の項とRF信号の項の積により、変調信号成分が出力される。より具体的には、(数1)の(1)式の表現を用いて、(数4)の(4)式が得られる。
【0013】
【数4】
(数4)の中で、アンダーラインを引いた第一項が、変調波信号として取り扱われる。
【0014】
(数3)の(3)式と(数4)の(4)式より、Balanced Harmonic Mixerの本来出力として取扱いたい項を書き出すと、(数5)の(5)式となる。
【0015】
【数5】
(数5)の(5)式より、期待通りに変調波のみに周波数変換されていることがわかる。
【0016】
【特許文献1】
特開平9−205382号公報(4頁の段落(0003)から段落(0006)迄)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(数3)の(3)式と(数4)の(4)式において、出力信号として取り出したいアンダーラインを引いた項以外にも多数の項が存在し、これらは全て、出力周波数とは異なる周波数でのスプリアスという形で表れることになる。
【0018】
特に、(数3)の(3)式から分かるように、RF信号のレベルがよほど大きくない限り、(数3)の(3)式の中で最も大きな項は、出力信号を生じる項ではなく、第一項目の(I・VRF(t))/VTであり、これが出力信号以上のレベルで存在していることになる。
【0019】
これらのスプリアスは、単に電力の無駄というだけでなく、相互変調によってそれぞれ結合し、出力信号の帯域(CD)に折り返すことで、DCオフセットや2次歪の原因になってしまう。例えば、最もレベルの大きい(数3)の(3)式の第一項と、RF信号のリーク成分が結合すると、DC帯域にスプリアスが発生することになる。また(数3)の(3)式の第一項と第二項が結合すると、同様にDC帯域にスプリアスが発生することになる。
【0020】
また、これら多数のスプリアスは、DCオフセットだけでなくIP3(3次の相互変調歪)等、他の相互変調歪の原因にもなり、これがBalanced Harmonic Mixerの最大の欠点になる。
【0021】
このため、Balanced Harmonic Mixerを採用したICでもDCオフセット問題や2次歪問題が焦点となり、この問題を解決するため、Balanced Harmonic Mixerに続くフィルタブロックに通常は入れないハイパスフィルタをいれ、DCオフセット問題を解決するなどの対策がとられることとなった。
【0022】
この結果、フィルタブロックの設計がよりいっそう困難になり、回路規模が大きくなったり、消費電流が増えたりし、ひいては商品価値の低下という問題が生じた。
【0023】
また、多数のスプリアス項が存在し、それらの多くが局発信号の振幅(VLO)に依存するため、スプリアス特性を悪化させずにゲインをある程度以上とらなければならない結果、局発信号にAGCをかけ、局発信号の振幅を一定にしなければならなくなった点も、見逃がすことができない問題点である。
【0024】
以上、Balanced Harmonic Mixerの欠点をまとめると、以下のようになる。
【0025】
(1)多数のスプリアスが発生し、相互変調歪が生じる。
【0026】
(2)(1)の結果、2次歪によるDC帯域への折り返しで、受信精度が悪化する。
【0027】
(3)出力信号よりも大きなスプリアス項が存在し、電力の無駄が多い。
【0028】
(4)多数のスプリアスは局発信号の振幅に依存し、スプリアス特性が局発信号に依存する。
【0029】
(5)(1)から(4)までの対策のため、オフセットキャンセル用のハイパスフィルタや、局発信号の振幅安定のためのAGC回路を必要とし、結果的に回路規模が大ききなったり、消費電流が増えたりするといった、問題を招く。
【0030】
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、スプリアス発生を小さくすること等を可能にする直交偶高調波ミキサを提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
(第1の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのベースと、前記第4と第5のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのベースに供給することを特徴とする。
【0032】
(第2の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのゲートと、前記第4と第5のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのゲートに供給することを特徴とする。
【0033】
(第3の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースと、前記第6と第7のトランジスタのベースに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのベースと前記第8のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのベースと前記第5のトランジスタのベースに、差動に供給することを特徴とする。
【0034】
(第4の解決手段)
本発明の直交偶高調波ミキサは、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートと、前記第6と第7のトランジスタのゲートに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのゲートと前記第8のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのゲートと前記第5のトランジスタのゲートに、差動に供給することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1に、本発明の直交偶高調波ミキサの第1の実施例の構成を示す。図に従って、構成を説明する。
【0036】
NPNトランジスタQ1とQ2で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ3とQ4で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ5とQ6で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ7とQ8で、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0037】
トランジスタQ1とQ8のベースとトランジスタQ4とQ5のベースに、RF信号として、(数6)の差動信号が供給される。
【0038】
【数6】
トランジスタQ2とQ3のベースとトランジスタQ6とQ7のベースに、(数7)で示す如く、お互いが90度の位相差を持つ、局発信号Iと局発信号Qが供給される。但し、局発信号Iと局発信号Qの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【0039】
【数7】
トランジスタQ1とQ3とQ5とQ7のコレクタは、+出力端に接続されている。トランジスタQ2とQ4とQ6とQ8のコレクタは、−出力端に接続されている。
【0040】
前記の(数3)の(3)式と同様な変形をして、(数8)の(8)式という結果が得られる。
【0041】
【数8】
(数8)の(8)式は、(数3)の(3)式に比べて大幅な打消しが起こっている。更に、(8)式では、アンダーラインを引いた部分が打ち消しあって、0になり、(3)式で存在した(数9)の項が存在しないことが注目すべき点である。
【0042】
【数9】
(数6)の(6)式と(数7)の(7)式の表現を使うと、(数8)の(8)式は、(数10)の(9)式のように簡単になる。
【0043】
【数10】
(数10)の(9)式で、アンダーラインを引いた項が、出力信号として取り出すべき項で、その他がスプリアスの原因となる項である。
【0044】
(9)式は、一見わかりずらいが、従来のBalanced Harmonic Mixerの結果である(数3)の(3)式と(数4)の(4)式に比べて、スプリアスとなる項は数が格段に少なく、レベルも小さい。そして、最も大きな振幅を持つのが、出力信号の項と、第二項目のイメージの項である。
【0045】
本実施例の直交偶高調波ミキサの利点をまとめると、次のようになる。
【0046】
(1)期待される出力信号に比べて、発生するスプリアスが非常に小さい。
【0047】
(2)(1)の結果、スプリアスによる相互変調効果が小さく、相互変調歪特性が良好である。
【0048】
(3)2次歪による折り返しが小さいため、受信精度特性が良好である。
【0049】
(4)DCオフセットが小さい結果、後段のフィルタブロックに対する負担が小さい。
【0050】
(5)(1)〜(4)の結果、消費電流を低減でき、商品価値が高い製品が期待できる。
【0051】
次に、直交復調器の簡単な構成を、図2に示す。直交復調器は、図1の回路構成を、2個使用する。入力RF信号は、各回路構成に差動で供給される。一方の回路構成には、0度の局発信号Iと90度の局発信号Qが供給される。他方の回路構成には、45度の局発信号Iと135度の局発信号Qが供給される。一方の回路構成の出力Iと他方の回路構成の出力Qは、90度の位相差を有する。
【0052】
これまでは、NPNバイポーラトランジスタを採用した構成であったが、これらに代わり、PNPトランジスタを採用しても良い。また、バイポーラトランジスタの代わりに、非線形素子であるMOSトランジスタを採用しても良い。
【0053】
(第2の実施例)
図3に、本発明の直交偶高調波ミキサの第2の実施例の構成を示す。本実施例は、第1の実施例より実際的な回路構成である。図に従って、構成を説明する。
【0054】
NPNトランジスタQ1とQ2とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0055】
NPNトランジスタQ3とQ4とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ5とQ6とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。NPNトランジスタQ7とQ8とで、エミッタ結合差動増幅器を構成する。
【0056】
トランジスタQ1のベースとトランジスタQ8のベースに、局発信号Iを差動に供給する。トランジスタQ4のベースとQ5のベースに、局発信号Qを差動に供給する。局発信号IとQは、第1の実施例と同様、90度の位相差を持つ。
【0057】
トランジスタQ2とQ3のベースと、トランジスタQ6とQ7のベースに、単層のRF信号を供給する。但し、局発信号IとQの周波数は、RF信号の周波数の半分である。
【0058】
トランジスタQ1とQ3とQ6とQ8のコレクタは、+出力端に接続されている。トランジスタQ2とQ4とQ5とQ7のコレクタは、−出力端に接続されている。
【0059】
基本的な解析は、第1に実施例の直交偶高調波ミキサとまったく同じで、結果も(数8)の(8)式、(数10)の(9)式のものをそのまま用いることが出来る。
【0060】
第1の実施例の直交偶高調波ミキサに対する第2の実施例の利点は、次のように考えられる。
【0061】
低雑音増幅器を単層で使う場合、2次高調波の影響は無視できず、この効果を考慮した場合、入力RF信号は、(数11)の(10)式という形で表現できる。ここでεは、十分小さい値で、電圧の逆数のディメンションを持っている。
【0062】
【数11】
ところが、本実施例の直交偶高調波ミキサでは、(10)式を用いることになるので、εが一次の次数でDC周波数帯域に折り返してくる項が、一つもなくなることになる。
【0063】
この結果、低雑音増幅器など前段につく回路の2次歪が原因によるDC帯域への折り返しが大幅に抑えることになる。
【0064】
次に、直交復調器の簡単な構成を、図4に示す。直交復調器は、図3の回路構成を、2個使用する。入力RF信号は、各回路構成に単層で供給される。一方の回路構成には、0度の局発信号Iは差動に、90度の局発信号Qは差動に供給される。他方の回路構成には、45度の局発信号Iは差動に、135度の局発信号Qは差動に供給される。一方の回路構成の出力Iと他方の回路構成の出力Qは、90度の位相差を有する。
【0065】
これまでは、NPNバイポーラトランジスタを採用した構成であったが、これらに代わり、PNPトランジスタを採用しても良い。また、バイポーラトランジスタの代わりに、非線形素子であるMOSトランジスタを採用しても良い。
【0066】
【発明の効果】
本発明の直交偶高調波ミキサによれば、以下の効果を有する。
【0067】
(1)期待される出力信号に比べて、発生するスプリアスが非常に小さい。
【0068】
(2)(1)の結果、スプリアスによる相互変調効果が小さく、相互変調歪特性が良好である。
【0069】
(3)2次歪による折り返しが小さいため、受信精度特性が良好である。
【0070】
(4)DCオフセットが小さい結果、後段のフィルタブロックに対する負担が小さい。
【0071】
(5)(1)〜(4)の結果、消費電流を低減でき、商品価値が高い製品が期待できる。
【0072】
(6)低雑音増幅器など前段につく回路の2次歪が原因によるDC帯域への折り返しが大幅に抑えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直交偶高調波ミキサの第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】図1の回路構成を利用して直交復調器を構成した場合の構成を、概略的に示す図である。
【図3】本発明の直交偶高調波ミキサの第2の実施例の構成を示す図である。
【図4】図3の回路構成を利用して直交復調器を構成した場合の構成を、概略的に示す図である。
【図5】従来の技術であるBalanced Harmonic Mixer(Single Balanced Harmonic Mixer)の構成を示す図である。
【図6】従来の技術であるBalanced Harmonic Mixer(Double Balanced Harmonic Mixer)の構成を示す図である。
【図7】一般の差動増幅器の構成を示す図である。
【符号の説明】
Q1〜Q8・・NPNトランジスタ。
Claims (4)
- 差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのベースと、前記第4と第5のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのベースに供給することを特徴とする直交偶高調波ミキサ。 - 差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第1と第8のトランジスタのゲートと、前記第4と第5のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートに供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第6と第7のトランジスタのゲートに供給することを特徴とする直交偶高調波ミキサ。 - 差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのベースと、前記第6と第7のトランジスタのベースに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのベースと前記第8のトランジスタのベースに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのベースと前記第5のトランジスタのベースに、差動に供給することを特徴とする直交偶高調波ミキサ。 - 差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第1と第2のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第3と第4のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第5と第6のトランジスタと、
差動増幅器を構成し、非線形特性を有する第7と第8のトランジスタと、を具備し、
入力信号を、前記第2と第3のトランジスタのゲートと、前記第6と第7のトランジスタのゲートに、単層に供給し、
前記入力信号の周波数の半分の周波数である第1の局発信号を、前記第1のトランジスタのゲートと前記第8のトランジスタのゲートに、差動に供給し、
前記第1の局発信号と90度の位相差を有し、前記入力信号の周波数の半分の周波数である第2の局発信号を、前記第4のトランジスタのゲートと前記第5のトランジスタのゲートに、差動に供給することを特徴とする直交偶高調波ミキサ。
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JP2002345440A JP2004180098A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 直交偶高調波ミキサ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006006239A1 (ja) * | 2004-07-14 | 2006-01-19 | Fujitsu Limited | 移相回路及び位相補正方法 |
KR101079194B1 (ko) | 2009-06-08 | 2011-11-03 | 부산대학교 산학협력단 | 저전압 믹서 회로 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345440A patent/JP2004180098A/ja active Pending
Cited By (3)
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WO2006006239A1 (ja) * | 2004-07-14 | 2006-01-19 | Fujitsu Limited | 移相回路及び位相補正方法 |
US7443220B2 (en) | 2004-07-14 | 2008-10-28 | Fujitsu Limited | Phase shift circuit and phase correcting method |
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