JP2004178858A - 燃料電池システム - Google Patents

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勝司 山下
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Abstract

【課題】制御サスペンションを考慮して適正に燃料電池の発電パワーを制御する。
【解決手段】制御部600は圧力センサ514の検出結果からシリンダ510内の圧力を取得し、ストロークセンサ516の検出結果からシリンダ510に対するピストン512の相対的な速度を取得する。取得したシリンダ510内の圧力とピストン512の速度の積を算出して、制御サスペンション500の負荷パワーの値を取得する。取得した制御サスペンション500の負荷パワーに対して、FC200により過不足なく発電パワーを供給するために、その取得した負荷パワーをFC200に対する発電パワー要求値に設定する。制御部600は、その設定した発電パワー要求値に基づいて、FC200から出力されるべきFC電流の要求値を導き出し、その要求値に基づいて、FC200において必要な水素の量を導き出す。その導出した必要水素量に基づいて、改質器100において必要となるメタンの量および水の量を導き出す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御サスペンションを搭載した車両に用いられる燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護,省エネルギに優れた燃料電池システムは、次世代の車両用エネルギ源として、大変期待されており、乗用車用や路線パス用のシステムが活発に開発されている。
【0003】
一般的に、車両用の燃料電池システムにおいては、制御部が、車両全体で必要な負荷パワー(例えば、走行負荷,補機負荷など)の値を求めて、そのパワーを供給するために必要な燃料電池での発電パワー(すなわち、電力)を決定する。そして、制御部では、その決定した発電パワーに応じて、燃料電池に対する入力量(すなわち、水素量,酸素量)を決定し、さらに、燃料電池システムが改質器搭載タイプのシステムである場合には、その水素量を得るために必要な改質燃料量(例えば、その改質が天然ガス〔CNG〕改質である場合は、メタンガス量)を順次決定する。
【0004】
このように、燃料電池システム(改質器搭載タイプ)における基本入力と基本出力は、改質燃料量と発電パワー(電力)であり、燃料電池システムでは、負荷パワーに対して、発電パワーを過不足なく供給することが望ましい。
【0005】
なお、従来において、この種の燃料電池システムとして関連するものには、例えば、下記の特許文献1,2に記載のものなどが挙げられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−31521号公報
【特許文献2】
特開平3−276573号公報
【0007】
一方、また近年では、油圧や空気圧を用いた制御サスペンションも開発されている。このような制御サスペンションは、コンベンショナルサスペンションに比較して、路面の凹凸やドライバの運転操作に対する乗り心地や車体姿勢を画期的に向上させることが可能であるが、油圧や空気圧を調整するために、油圧源や空気圧源であるポンプを駆動するためのモータが必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、制御サスペンションを搭載した車両においては、制御サスペンションのモータが新たな補機負荷となるため、そのような車両用の燃料電池システムとしては、制御サスペンションを考慮して、如何に燃料電池の発電パワーを制御するかが問題となる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、制御サスペンションを考慮して適正に燃料電池の発電パワーを制御することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池システムは、車両に用いられる燃料電池システムであって、
水素リッチなガスの供給を受けて、電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池からの発電パワーを受けて、モータによってシリンダに流体を供給させると共に、前記シリンダ内で前記流体の圧力によってピストンを往復動させることにより、車体の安定化を図る制御サスペンションと、
該制御サスペンションでの負荷パワーの値を取得し、該負荷パワーの値に基づいて、前記燃料電池に供給される前記ガスの量を制御する制御部と、
を備えることを要旨とする。
【0011】
このように、本発明の燃料電池システムでは、制御サスペンションでの負荷パワーの値を取得し、その負荷パワーの値に基づいて、燃料電池に供給される水素リッチなガスの量を制御するようにしている。なお、本発明において、水素リッチなガスには、当然に、純水素も含まれる。
【0012】
従って、本発明の燃料電池システムによれば、制御サスペンションを考慮して適正に燃料電池の発電パワーを制御することができ、制御サスペンションの負荷パワーに対して、燃料電池により発電パワーを可能な限り不足なく供給することができる。
【0013】
本発明の燃料電池システムにおいて、改質燃料の供給を受けて、改質反応により前記ガスを生成して、前記燃料電池に供給する改質器をさらに備え、
前記制御部は、前記負荷パワーの値に基づいて、前記改質器に供給される前記改質燃料の量を制御することにより、前記燃料電池に供給される前記ガスの量を制御するようにしてもよい。
【0014】
このように改質器を備える場合でも、上記制御によって、改質器での応答遅れを防ぐことが可能となる。
【0015】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記制御サスペンションにおける前記シリンダ内の圧力と該シリンダに対する前記ピストンの相対的な速度とから、前記負荷パワーの値を取得することが好ましい。
【0016】
シリンダ内の圧力とピストンの速度から制御サスペンションでの仕事量を算出できるので、その仕事量として負荷パワーの値を容易に取得することができる。
【0017】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記車両の乗員の数に基づいて前記車両の総重量を算出し、該総重量から前記シリンダ内の圧力を取得するようにしてもよい。
【0018】
こうすることにより、乗員の数に応じて変換するシリンダ内の圧力を容易に取得することができる。
【0019】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記車両の旋回時に、前記車両のステアリング角と車速から、前記シリンダ内の圧力の増分を導き出し、該増分を加味した前記シリンダ内の圧力を取得するようにしてもよい。なお、本発明において、増分には、負の値の増分、すなわち、減分も含まれる。
【0020】
こうすることにより、車両の旋回時における増分も考慮して、シリンダ内の圧力を取得することができる。
【0021】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、ロードマップ情報と前記車両の現在位置の情報に基づいて、前記ステアリング角を取得するようにしてもよい。
【0022】
こうすることにより、道路のコーナ部が接近してきた場合に、車両がそのコーナ部に差し掛かるときのステアリング角を、予測値として取得することができる。
【0023】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記車両に対する、走行中の路面変位から、前記ピストンの速度を取得するようにしてもよい。
【0024】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記車両に対する、該車両の前方を走行する他の車両の車体変位から、前記ピストンの速度を取得するようにしもよい。
【0025】
前方を走行する車両の車体変位の変化から、これから走行する路面の状態を把握して、所定時間後のピストンの速度を予測値として取得することができる。従って、制御サスペンションにおける負荷パワーを予測しながら、燃料電池の発電パワーを制御することができる。
【0026】
なお、本発明は、上記した燃料電池システムなどの装置発明の態様に限ることなく、燃料電池制御方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例の構成:
B.各構成要素の機能および動作:
C.制御部による制御内容:
D.変形例:
D−1.シリンダ圧力取得のための変形例:
D−1−1.変形例1:
D−1−2.変形例2:
D−1−3.変形例3:
D−2.ピストン速度取得のための変形例:
D−2−1.変形例4:
D−2−2.変形例5:
D−2−3.変形例6:
D−2−4.変形例7:
D−3.その他の変形例:
【0028】
A.実施例の構成:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図1に示す燃料電池システムは、車両用の燃料電池システムであって、改質器搭載タイプである。車両は、制御サスペンションを搭載しており、図1に示す燃料電池システムには、その制御サスペンションが組み込まれる。
【0029】
従って、この燃料電池システムは、改質燃料としてメタンを主成分とする天然ガスを用い、その天然ガスから水素リッチな改質ガスを生成し、この生成した改質ガスを利用して発電を行い、補機負荷である、制御サスペンションのモータに電力を供給する。
【0030】
この燃料電池システムは、主として、改質燃料と水から水素リッチな改質ガスを生成する改質器100と、改質ガスとエアの供給を受けて電気化学反応により起電力(パワー)を発生する燃料電池(以下、FCと略す。)200と、そのFC200に並列に接続され、電力を供給または回収する2次電池300と、FC200または2次電池300からの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ400と、路面の凹凸やドライバの運転操作に対して車体を安定化させるための制御サスペンション500と、CPUなどで構成される制御部600と、を備えている。
【0031】
このうち、改質器100は、改質燃料および水の供給を受けてこれらを気化・昇温させる蒸発部102と、メタンを主成分とする天然ガスなどの燃焼燃料を受けてそれを燃焼させることにより、蒸発部102で要する熱を発生する燃焼部104と、燃焼部104で発生した熱を蒸発部102に伝える熱交換器106と、蒸発部102で気化された改質燃料から水素リッチな改質ガスを改質反応により生成する改質部108と、改質部108で生成された改質ガス中の一酸化炭素(CO)濃度を酸化反応により低減するCO酸化部110と、を備えている。
【0032】
FC200は、改質ガスが供給される水素極202と、エアが供給される酸素極204と、を備えている。
【0033】
制御サスペンション500は、インバータ400から電力(パワー)の供給を受けて後述のポンプ504を駆動するモータ502と、後述のタンク506内のオイルを汲み上げて圧力をかけて供給する油圧源としてのポンプ504と、オイルを貯蔵するタンク506と、タンク506からポンプ504を介して後述の制御弁508にオイルを供給するための油流路505aと、制御弁508と後述のシリンダ510との間でオイルの供給/回収を行うための油流路505bと、制御弁508からタンク506にオイルを回収するための油流路505cと、油流路505aから油流路505bに流れるオイルの流量,油流路505bから油流路505cに流れるオイルの流量を調整して、シリンダ510における作動油圧を制御する制御弁508と、車体姿勢の調整や路面の凹凸による衝撃の吸収を行うシリンダ510およびピストン512と、シリンダ510内の圧力を検出する圧力センサ514と、ピストン512の変位を検出するストロークセンサ516と、サスペンションアーム518と、を備えている。
【0034】
サスペンションアーム518は、一端がピボット518aによって回動自在に車体700に取り付けられており、他端がピボット518bによって回動自在に車輪800に接続されている。また、シリンダ510の上端はピボット510aによって回動自在に車体700に取り付けられており、ピストン512の下端はピボット512aによって回動自在にサスペンションアーム518の中央部に取り付けられている。また、圧力センサ514は、シリンダ510の内部に取り付けられており、ストロークセンサ516は、ピストン512の近傍に取り付けられている。
【0035】
なお、車両は、通常、車輪800を4つ有しているため、実際には、制御サスペンション500は、それら車輪800毎にそれぞれ設けられている。
【0036】
その他、蒸発部102には、改質燃料を供給するための改質燃料流路52と、水を供給するための水流路54が接続されている。改質燃料流路52には、流量制御弁58と、流量センサ60が設けられており、水流路54には、流量制御弁62と、流量センサ64が設けられている。また、燃焼部104には、燃焼燃料を供給するための燃焼燃料流路56が接続されており、その燃焼燃料流路56には、流量制御弁66が設けられている。
【0037】
また、燃焼部104,改質部108,CO酸化部110およびFC200には、酸化ガスであるエアを圧縮して供給するブロア68,70,72および74がそれぞれ接続されている。
【0038】
B.各構成要素の機能および動作:
流量制御弁58および流量制御弁62は、それぞれ、図示せざる制御線によって制御部600に接続されており、制御部600からの制御信号に基づいて、蒸発部102に供給される改質燃料の量および水の量を調節する。また、流量センサ60および流量センサ64は、それぞれ、図示せざる検出線を介して制御部600に接続されており、蒸発部102に実際に供給されている改質燃料の量および水の量を検出して、その検出結果を制御部600に送信する。
【0039】
蒸発部102は、水流路54を介して供給される水を気化させて、改質燃料流路52を介して供給される改質燃料である天然ガス(メタンなど)と混合し、天然ガスと水蒸気とから成る原燃料ガスを生成し、これを所定の温度に昇温して、改質部108に供給する。
【0040】
また、蒸発部102には、天然ガスおよび水を気化・昇温させるための熱源として、内部に燃焼触媒を備えた燃焼部104が併設されている。この燃焼部104には、燃焼燃料流路56を介して天然ガスなどの燃焼燃料が供給されると共に、ブロワ68によって酸化ガスであるエアが供給される。流量制御弁66は、図示せざる制御線によって制御部600に接続されており、制御部600からの制御信号に基づいて、燃焼部104に供給される燃焼燃料の量を調節する。
【0041】
燃焼部104では、燃焼燃料が供給されると、この燃料とエアとを用いて触媒上で燃焼反応が進行し、所望の熱を発生する。燃焼部104と蒸発部102との間には熱交換器106が設けられており、この熱交換器106によって燃焼部104で発生した熱が蒸発部102に伝えられる。
【0042】
改質部108は、内部に改質触媒を備えており、供給された天然ガスと水蒸気とから成る原燃料ガスを水蒸気改質反応によって改質して、水素リッチな改質ガスを生成し、CO酸化部110に供給する。天然ガスの主成分はメタンであり、改質触媒としては、例えば、ニッケル触媒を用いることができる。水蒸気改質反応は、式(1)に従って起こる。
【0043】
CH+2HO → 4H+CO (1)
【0044】
改質部108では、水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを生成しているが、改質部108には、さらに、ブロワ70によって、酸化ガスであるエアが供給されており、天然ガス(メタン)の部分酸化反応によっても、水素の生成がなされている。この場合、水蒸気改質反応で要する熱を、部分酸化反応で生じる熱によって賄うことが可能となる。
【0045】
CO酸化部110は、改質部108で生成された改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減して、FC200に供給する。改質部108で生成された改質ガスは、所定量の一酸化炭素を含有しており、FC200にこのまま供給されると、改質ガス中の一酸化炭素によって触媒が被毒して、電気化学反応が阻害されるからである。CO酸化部110で進行する反応は、改質ガス中に豊富に含まれる水素に優先して、一酸化炭素を酸化する一酸化炭素選択酸化反応である。このため、CO酸化部110には、ブロア72によって、酸化ガスであるエアが供給されていると共に、一酸化炭素の選択酸化触媒である白金触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒、金触媒、あるいはこれらを第1元素とした合金触媒を担持した担体が充填されている。
【0046】
FC200は、改質器100から水素リッチな改質ガスの供給を受けると共に、ブロア74によって酸化ガスであるエアの供給を受けて、水素極202と酸素極204において、下記に示すような反応式に従って、電気化学反応を起こし、電力を発生させる。
【0047】
即ち、水素極202に水素リッチな改質ガスが、酸素極204に酸化ガスであるエアがそれぞれ供給されると、水素極側では式(2)の反応が、酸素極側では式(3)の反応がそれぞれ起こり、FC全体としては、式(4)の反応が行なわれる。
【0048】
→ 2H+2e (2)
2H+2e+(1/2)O → HO (3)
+(1/2)O → HO (4)
【0049】
また、FC200は、複数の単セルが積層されたスタック構造となっており、1つの単セルは、電解質膜(図示せず)と、それを両側から挟み込む拡散電極である水素極202及び酸素極204と、さらにそれらを両側から挟み込む2枚のセパレータ(図示せず)と、で構成されている。セパレータの両面には、凹凸が形成されており、挟み込んだ水素極202と酸素極204との間で、単セル内ガス流路を形成している。このうち、水素極202との間で形成される単セル内ガス流路には、前述したごとく供給された改質ガスが、酸素極204との間で形成される単セル内ガス流路には、酸化ガスが、それぞれ流れている。そして、上記電気化学反応に供された改質ガスおよび酸化ガスは、オフガスとして排出される。
【0050】
2次電池300は、FC200による発電パワーに過不足が発生した場合に、放電または充電によって、過渡的にその過不足分を供給または回収する。
【0051】
FC200などで発生される電圧は直流電圧であるのに対し、制御サスペンション500におけるモータ502で用いられる電圧は交流電圧である。そのため、FC200などとモータ502との間には、インバータ400が設けられており、これによって、FC200などで発生された直流電圧を交流電圧に変換している。
【0052】
モータ502は、FC200などからインバータ400を介して供給される電力(パワー)によって、ポンプ504を駆動する。ポンプ504は、タンク506内に貯蔵されたオイルを汲み上げ、所望の圧力(供給圧)を加えて、油流路505aを介して制御弁508に供給する。このとき、モータ502は、ポンプ504からの供給圧がシリンダ510内の圧力よりも常に高圧となるよう、制御される。
【0053】
制御弁508は、図示せざる制御線によって制御部600に接続されており、制御部600からの制御信号に基づいて、シリンダ510に対し、油圧制御によってオイルの出し入れを行うことにより、ピストン512の上下動を生じさせる。制御弁508は、電磁式制御弁であり、シリンダ510にオイルを供給するときは、ポンプ504側を開き、タンク506側を閉じて、ポンプ504によって加えられた圧力によって、オイルを油流路505aから油流路505bを介してシリンダ510に供給する。また、シリンダ510からオイルを回収するときは、ポンプ504側を閉じ、タンク506側を開いて、シリンダ510内の圧力によって、オイルを油流路505b,505cを介してタンク506に回収する。
【0054】
シリンダ510およびピストン512は、車輪800とサスペンションアーム518との間で、シリンダ510内でピストン512が上下動することによって、車体700の姿勢を調整したり、路面の凹凸による衝撃を吸収したりする。具体的には、ピボット518bの部分では、路面から車輪800に受ける力によってサスペンションアーム518に対し上下方向に力が加わり、これに対し、ピボット512aの部分では、シリンダ510およびピストン512が、油圧によってサスペンションアーム518に対し上記力とは反対向きの力を加えて、車体700を安定化させる。そして、路面の凹凸により車輪800に衝撃が加わった場合は、シリンダ510内でピストン512を上下動させて、その衝撃を吸収して、乗員に乗り心地良さを与える。また、車両がカーブを曲がる際に、4つの車輪800のうち、内輪側が浮き上がり、外輪側が沈んで、車体700の水平姿勢が保たれない場合は、外輪側において、ピストン512を下げて車体700を上げ、内輪側において、ピストン512を上げて車体700を下げ、車体700全体の水平姿勢を保つ。
【0055】
圧力センサ514およびストロークセンサ516は、それぞれ、図示せざる検出線を介して制御部600に接続されており、圧力センサ514はシリンダ510内の圧力を検出し、ストロークセンサ516はピストン512の変位を検出して、それら検出結果を制御部600に送信する。
【0056】
制御部600は、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU(図示せず)や、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM(図示せず)や、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM(図示せず)や、流量センサ60,64、圧力センサ514およびストロークセンサ516等の各種センサからの検出結果などを入力すると共に、CPUでの演算結果に応じて流量制御弁58,62,66、ブロア68〜74および制御弁508などの制御対象に制御信号を出力する入出力ポートなどを備えている。制御部600は、このように各種の信号を入出力することによって、FCシステム全体の運転状態を制御する。具体的には、例えば、圧力センサ514およびストロークセンサ516などから得られた検出結果に基づいて、制御弁508などを制御することにより、シリンダ510における油圧を制御して、車体700の姿勢の変化を抑えたり、路面からの振動入力を低減したりする。
【0057】
以上のように、本実施例のFCシステムでは、FC200によって得られる発電パワーを、補機負荷である制御サスペンション500のモータ502に供給し、そのモータ502によってポンプ504を駆動して、ポンプ504からの供給圧が、シリンダ510内の圧力よりも常に高圧になるようにしている。
【0058】
C.制御部による制御内容:
そこで、このような制御サスペンション500の負荷パワーに対して、FC200により発電パワーを可能な限り過不足なく供給するために、制御部600は、次のよう制御を行っている。
【0059】
図2は図1のFCシステムにおける制御部600の制御手順を示すフローチャートである。図2に示す制御ルーチンは、制御部600によって一定時間毎に繰り返される。
【0060】
図2に示す制御ルーチンが開始されると、制御部600は、圧力センサ514からの検出結果を入力して、シリンダ510内の圧力を取得する(ステップS102)。また、制御部600は、ストロークセンサ516からの検出結果を入力して、シリンダ510に対するピストン512の変位を導き出し、その変位を時間について微分して、シリンダ510に対するピストン512の相対的な速度(以下、単に、ピストン512の速度という)を取得する(ステップS104)。なお、シリンダ510内の圧力,ピストン512の速度共に、各車輪についての制御サスペンション500毎にそれぞれ取得する。そして、第i車輪(但し、i=1,2,3,4)について取得したシリンダ510内の圧力をPi[Pa]とし、ピストン512の速度Vi[m/s]とする。
【0061】
次に、制御部600は、取得したシリンダ510内の圧力とピストン512の速度の積を算出して、制御サスペンション500の負荷パワー(すなわち、モータ502に供給すべきパワー)の値を取得する(ステップS106)。すなわち、全ての制御サスペンション500の負荷パワーの値をPest[J/s]とすると、その値は、式(5)によって求められる。
【0062】
Pest=Σ(Fi×Vi) (5)
ここで、Σはi=1,2,3,4の合計を表す。
【0063】
次に、制御部600は、取得した制御サスペンション500の負荷パワーに対して、FC200により過不足なく発電パワーを供給するために、その取得した負荷パワー値PestをFC200に対する発電パワー要求値Preq[J/s]に設定する(ステップS108)。
【0064】
続いて、制御部600は、その設定した発電パワー要求値Preqに基づいて、FC200から出力されるべきFC電流の要求値を導き出す(ステップS110)。すなわち、FC電流の要求値をIfc[A]とすると、その値は、機械電気変換を考慮して、式(6)によって求められる。
【0065】
Ifc=Km2e×Preq/Vfc (6)
ここで、Km2eは機械電気変換効率等を含む定数であり、Vfc[V]はFC200から出力されるFC電圧である。なお、このFC電圧は、例えば、FC200の出力に電圧センサを設けて、その電圧センサの検出値を用いてもよいし、近似的なノミナル定数を用いてもよい。
【0066】
さらに、制御部600は、その導出したFC電流の要求値Ifcに基づいて、FC200において、発電によりFC電流としてその値Ifcを出力させる際に必要な水素の量を導き出す(ステップS112)。その必要水素量をFh[mol/s]とすると、その値は、前述の式(2)に基づいて、式(7)によって求められる。
【0067】
Fh=Ifc×Kfch/(2×F) (7)
ここで、Kfchは水素利用率の逆数であり、Fはファラデ定数を表す。なお、水素利用率は、FC200に供給される水素量のうち、実際に発電に使用される水素量の割合である。
【0068】
次に、制御部600は、その導出した必要水素量Fhに基づいて、改質器100において、改質によりその量Fhの水素を生成するのに必要となるメタンの量および水の量を導き出す(ステップS114)。その必要メタン量をFm[mol/s]、必要水量をFw[mol/s]とすると、それらの値は、前述の式(1)に基づいて、式(8),(9)によって求められる。
【0069】
Fm=Fh/4 (8)
Fw=Fh/2 (9)
【0070】
続いて、制御部600は、その導出した必要メタン量Fmに基づいて、改質器100にその量Fmのメタンを供給するために必要な改質燃料の供給量目標値を導き出す(ステップS116)。その供給量目標値をFrk[mol/s]とすると、その値は、式(10)によって求められる。
【0071】
Frk=Km2k×Fm (10)
ここで、Km2kは補正係数である。改質燃料として用いる天然ガスには、或る一定割合の窒素が混入しているため、その量をこの係数によって補正するのである。
【0072】
次に、制御部600は、流量センサ60からの検出結果を入力して、改質器100に供給されている改質燃料の量Fk[mol/s]を取得する(ステップS118)。 続いて、制御部600は、導出した改質燃料の供給量目標値Frkと取得した現在の改質燃料の供給量Fkとに基づいて、改質燃料を改質器100に供給するための流量制御弁58に対する指令値を導き出す(ステップS120)。その指令値(電圧)をVkfc[V]とすると、その値は、フィードフォワード制御と、フィードバック制御であるPI制御と、を組み合わせて、式(11)の如く求められる。
【0073】
Vkfc=Vkfc0+Kp×(Frk−Fk)+Ki×(Frk−Fk)(11)
ここで、Vkfc0は初期フィードフォワード値であり、Kp,Kiはフィードバック制御器のパラメータである。なお、右辺において、1項目がフィードフォワード制御の項であり、2項目がフィードフォワード制御のP制御の項であり、3項目がフィードバック制御のI制御の項である。
【0074】
改質器100の特性として、反応量が多くなるほど(すなわち、改質燃料の供給量が多くなるほど)、蒸発部102の流入口部での圧力が高くなる傾向がある。改質燃料は圧縮性液体であるため、このような圧力変化は、流量制御弁58に影響を与える。従って、流量制御弁58をフィードフォワードで制御するだけでは、所望通りの供給量を精密に制御することが困難となる。そこで、本実施例では、このようなフィードフォワード制御の欠点を補って、供給量制御の精度を向上させるために、上記したようなフィードバック制御も併せて行うようにしている。
【0075】
最後に、制御部600は、導出した指令値Vkfcを流量制御弁58に与えて、流量制御弁58を制御し、所望量(すなわち、供給量目標値Frkに近い量)の改質燃料を改質器100に供給させる(ステップS122)。この結果、改質器100には、必要メタン量Fmに近い量のメタンが供給されて、水素リッチな改質ガスの生成に用いられ、さらに、改質器100からFC200には、改質ガスとして、必要水素量Fhに近い量の水素が供給されることになる。従って、FC200では、供給された水素を、所定の割合(すなわち、水素利用率)で電気化学反応に供して、発電パワー要求値Preqに近い値の発電パワーを発電する。
【0076】
以上説明したように、本実施例では、制御サスペンション500における負荷パワーの値を取得し、その取得した負荷パワーの値をFC200に対する発電パワー要求値として設定して、FC200において必要とされる水素量や、改質器100において必要とされる改質燃料の量などを決定し、その決定した量に基づいて改質器100に供給する改質燃料の量を制御し、延いては、FC200に供給される水素の量を制御し、結果として、FC200における発電パワーを制御している。従って、本実施例によれば、制御サスペンション500を考慮して適正にFC200の発電パワーを制御することができ、制御サスペンション500の負荷パワーに対して、FC200により発電パワーを可能な限り過不足なく供給することができる。
【0077】
また、本実施例では、制御サスペンション500の負荷パワーに対するFC200の発電パワーの過不足を低減することができるので、過渡的にその過不足分を供給または回収するための2次電池300の容量を小さくすることができ、その分、システム全体の低コスト化,小型化を図ることができる。
【0078】
また、本実施例では、FC200を、制御サスペンション500の負荷パワーの変化に対応して、必要なときに必要な量のみ発電させているため、改質器100やFC200だけでなく、制御サスペンション500におけるモータ502やポンプ504などの耐久時間も延長させることができると共に、改質器100に供給する改質燃料の量も必要最小限で済むため、燃費の向上につながり、また、改質器100から余分な改質ガスも発生させないため、改質ガス中に存在する二酸化炭素の排出量も低減することができる。
【0079】
また、本実施例では、FC200に対する発電パワーの制御として、制御サスペンション500の負荷パワー、言い換えれば、モータ502での消費電力の予測値を用いた見込み制御が主体となっているため、ハイゲインのフィードバック制御は必要としない。従って、ハンチングなどを発生させることなく、システムの安定性を向上させることができる。
を向上させることができる。
【0080】
D.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0081】
D−1.シリンダ圧力取得のための変形例:
D−1−1.変形例1:
上記した実施例においては、シリンダ510内の圧力を、圧力センサ514の検出結果に基づいて取得していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のように、取得するようにしてもよい。
【0082】
一般に、シリンダ510内の圧力は車両の重量と相関があり、その車両の重量は乗員の数に応じて変化する。そこで、この変形例では、車両に取り付けたシートベルトロックセンサや着座センサによって乗員の数を検出し、その検出結果に基づいてシリンダ510内の圧力を取得する。
【0083】
具体的には、まず、制御部600は、シートベルトロックセンサ(図示せず)や着座センサ(図示せず)からの検出結果を入力し、乗員の数N[人]を把握する。次に、制御部600は、その乗員の数Nを用いて車両の総質量を算出する。車両の総質量は、車両質量と乗員質量との和によって求められるため、車両の総質量をM[kg]とすると、その値は、式(12)によって求められる。
【0084】
M=Mv+Mh×N (12)
ここで、Mv[kg]は車両の質量であり、Mh[kg]は乗員1人当たりの標準質量である。
【0085】
次に、制御部600は、求めた車両総質量Mから各制御サスペンションの軸力、すなわち、シリンダ510全体に加わる力を算出する。第i車輪(但し、i=1,2,3,4)についての制御サスペンション軸力をFi[N]とすると、その値は、式(13)によって求められる。
【0086】
Fi=(M×g)×Ki (13)ここで、gは重力加速度であり、従って、M×gが車両の総重量[kg重]となる。また、Kiは、前後左右の4つの車輪に対する重量配分比(通常、車両の左右では、重量配分比は1:1、前後では3:2である。)やサスペンションアーム比(具体的には、ピボット512a,510a間の長さとピボット512a,512b間の長さの比)などに基づいて導き出される係数である。なお、上述したシートベルトロックセンサや着座センサの検出結果から、車両内での乗員の配置が把握できるので、その配置に基づいて上記重量配分比を決定した上で、上記係数を導き出すようにしてもよい。
【0087】
そして、制御部600は、算出した制御サスペンション軸力Fiに基づいて、各制御サスペンションにおけるシリンダ510内の圧力を取得する。すなわち、第i車輪についてのシリンダ510内の圧力を前述したとおりPi[Pa]とすると、その値は、式(14)によって求められる。
【0088】
Pi=Fi/Ap (14)
ここで、Ap[m]はピストン512の受圧面積である。
【0089】
以上のように、この変形例では、シートベルトロックセンサや着座センサの検出結果を基に車両の重量を算出して、シリンダ510内の圧力を取得するようにしている。
【0090】
D−1−2.変形例2:
上記した変形例1においては、単に、車両の重量からシリンダ510内の圧力を取得していたが、実際には、車両の動きによって、シリンダ510内の圧力は変化する。例えば、車両が直進しているときに比較して、車両が旋回しているときには、横加速度に基づくロールによって、シリンダ510内の圧力は増大する。そこで、この変形例では、車両の旋回時における増分も考慮して、シリンダ510内の圧力を取得する。
【0091】
具体的には、まず、制御部600は、角度センサ(図示せず)などから車両のステアリング角δ[deg]を検出すると共に、車速センサ(図示せず)などから車両の速度V[kg/s]を検出する。次に、制御部600は、予め、用意されたマップMAPに基づいて、検出したステアリング角δおよび車速Vから、各制御サスペンションの軸力の増分値を算出する。第i車輪(但し、i=1,2,3,4)についての制御サスペンション軸力の増分値をFic[N]とすると、その値は、式(15)によって求められる。
【0092】
Fic=MAP(δ,V) (15)
【0093】
ここで、上記マップMAPは、図3に示すように、車速Vをパラメータとして、ステアリング角δに対する制御サスペンション軸力の増分値Ficを表すマップであり、図3(A)に示すような旋回外輪(すなわち、旋回時に外側となる2つの車輪)についてのマップと、図3(B)に示すような旋回内輪(すなわち、旋回時に内側となる2つの車輪)についてのマップと、がそれぞれ用意されている。このようなマップMAPは、車両における運動力学に基づいて決定される。
【0094】
そして、制御部600は、各制御サスペンション毎に、変形例1で取得したシリンダ510内の圧力値Fiに、算出した増分値Ficを加算し、式(16)に示すように、旋回時の増分も加味したシリンダ510内の圧力Fi’[N]を取得する。
【0095】
Fi’=Fi+Fic (16)
【0096】
以上のようにして、この変形例では、車両の旋回時における増分も考慮して、シリンダ510内の圧力を取得することができる。
【0097】
D−1−3.変形例3:
上記した変形例2においては、車両のステアリング角δを角度センサにより検出していたが、車両に搭載されたGPS(全地球測位システム:Grobal Positioning System)によるナビゲーションシステムを用いて、ステアリング角δを取得してもよい。すなわち、制御部600は、ナビゲーションシステム(図示せず)から、ロードマップ情報と、GPSによって検出される車両の現在位置の情報と、を入力し、それらの情報に基づいて、車両に接近してくる道路のコーナ部の曲率を算出し、その算出した曲率と、車速センサから得られた車速Vと、を用いて、ステアリング角δを算出する。
【0098】
このようにして、この変形例では、コーナ部が接近してきた場合に、車両がそのコーナ部に差し掛かるときのステアリング角δを、予測値として取得することができる。
【0099】
D−2.ピストン速度取得のための変形例:
D−2−1.変形例4:
上記した実施例においては、ストロークセンサ516を用いて、ピストン512の変位を導き出していたが、ピボット512aの部分に角度センサを設け、その角度センサからピストン512の振れ角を得て、その振れ角に基づいて、ピストン512の変位を導き出すようにしてもよい。
【0100】
D−2−2.変形例5:
上記した実施例においては、ストロークセンサ516の検出結果から、ピストン512の変位を導き出し、その変位を時間について微分して、ピストン512の速度を取得していたが、ストロークセンサ516の代わりに、ピボット510aの部分とピボット512aの部分にそれぞれ加速度センサを設け、それら2つの加速度センサの検出値の差分として、シリンダ510に対するピストン512の相対的な加速度を求め、その加速度を時間について積分することにより、ピストン512の速度を取得するようにしてもよい。
【0101】
D−2−3.変形例6:
一般に、ピストン512の速度は車両が走行している路面の状態(悪路,良路)と相関があるので、この変形例では、車両に取り付けた非接触距離センサによって路面変位を検出し、その検出結果に基づいてピストン512の速度を取得する。
【0102】
具体的には、まず、制御部600は、非接触距離センサ(図示せず)からの検出結果を入力し、路面変位を取得する。非接触距離センサは、例えば、車両のフロントバンパの下に取り付けられた超音波センサによって構成され、超音波により路面までの距離を測定し、その距離を路面変位Zr[m]として出力する。
【0103】
次に、制御部600は、この路面変位Zrに基づいて、各制御サスペンションにおけるピストン512の速度を取得する。すなわち、第i車輪(但し、i=1,2,3,4)についての制御サスペンションのピストン512の速度を、上述したとおりVi[m/s]とすると、その値は、制御サスペンションの周波数的な動特性を示す伝達関数TF1を用いて、式(17)によって求められる。
【0104】
Vi=TF1(s)×Zr (17)
ここで、sはラプラス演算子である。
【0105】
上記伝達関数TF1は、制御サスペンションの動特性として、図4のような特性を示す伝達関数である。式(17)に示すように、この伝達関数TF1の入力は路面変位Zrであり、出力はピストン速度Viであり、ゲインはVi(出力)/Zr(入力)である。一般に、路面変位は変動する周波数が高いため、動特性としては、図4に示すように、ばね下共振点にピークを持つような特性を用いる。
【0106】
以上のように、この変形例では、非接触距離センサによって路面変位を検出し、その検出結果に基づいてピストン512の速度を取得するようにしている。
【0107】
D−2−4.変形例7:
上記した変形例6においては、路面変位に基づいてピストン512の速度を検出するようにしていたが、代わりに、自己の車両に対して、前方を走行する他の車両の車体の変位を検出し、その検出結果に基づいてピストン512の速度を取得するようにしてもよい。具体的には、前方の車両の挙動を検出するための画像センサとして、自己の車両におけるフロントパンパにカメラを取り付けて、走行中に、そのカメラで前方の車両をリアルタイムで撮影する。制御部600は、その撮影された画像を取り込んで、2値化により輪郭抽出を行い、前方の車両について、車体の変位Zb[m]を導き出す。
【0108】
次に、制御部600は、この車体変位Zbに基づいて、各制御サスペンションにおけるピストン512の速度を取得する。すなわち、各制御サスペンションのピストン512の速度Vi[m/s]は、制御サスペンションの周波数的な動特性を示す伝達関数TF2を用いて、式(18)によって求められる。
【0109】
Vi=TF2(s)×Zb (18)
ここで、sはラプラス演算子である。
【0110】
上記伝達関数TF2は、制御サスペンションの動特性として、図5のような特性を示す伝達関数である。式(18)に示すように、この伝達関数TF2の入力は車体変位Zbであり、出力はピストン速度Viであり、ゲインはVi(出力)/Zb(入力)である。一般に、車体変位は変動する周波数が低いため、動特性としては、図5に示すように、ばね上共振点にピークを持つような特性を用いる。
【0111】
以上のように、この変形例では、画像センサによって前方を走行する他の車両の車体変位を検出し、その車両の車体変位の変化から、これから自己の車両が走行する路面の状態を把握して、所定時間後のピストンの速度を予測値として取得することができる。従って、制御サスペンション500における負荷パワーを予測しながら、FC200の発電パワーを制御することができる。
【0112】
D−3.その他の変形例:
上記した実施例においては、本発明を改質器搭載タイプのFCシステムに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別で生成された水素リッチな改質ガスや、高圧タンクに蓄えられた純水素などを直接、FC200に供給するようなシステムに適用できることは言うまでもない。
【0113】
この場合、制御部600は、例えば、制御サスペンション500における負荷パワーの値を取得し、その取得した負荷パワーの値をFC200に対する発電パワー要求値として設定して、FC200において必要とされる水素量を決定し、その決定した量に基づいて、FC200に供給される水素の量を制御し、結果として、FC200における発電パワーを制御するようにする。
【0114】
上記した実施例においては、制御サスペンション500は、シリンダ510にオイルを供給し、油圧によってピストン512を上下動させて、車体の安定化を図っているが、シリンダにエアを供給し、空気圧によってピストンを上下動させて、車体の安定化を図るようにしてもよい。
【0115】
上記した実施例においては、改質燃料として、天然ガスを用いたが、プロパンガスや、エタノール,メタノールなどのアルコールや、ガソリン,灯油などの石油系燃料や、アルデヒド,エーテルなどを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのFCシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のFCシステムにおける制御部600の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】変形例2において、車速Vをパラメータとして、ステアリング角δに対する制御サスペンション軸力の増分値Ficを表すマップの例を示す説明図である。
【図4】変形例6において用いる伝達関数によって表される制御サスペンションの動特性を示す説明図である。
【図5】変形例7において用いる伝達関数によって表される制御サスペンションの動特性を示す説明図である。
【符号の説明】
52…改質燃料流路
54…水流路
56…燃焼燃料流路
58…流量制御弁
60…流量センサ
62…流量制御弁
64…流量センサ
66…流量制御弁
68…ブロワ
70…ブロワ
72…ブロア
74…ブロア
100…改質器
102…蒸発部
104…燃焼部
106…熱交換器
108…改質部
110…CO酸化部
202…水素極
204…酸素極
400…インバータ
500…制御サスペンション
502…モータ
504…ポンプ
505a…油流路
505b…油流路
505c…油流路
506…タンク
508…制御弁
510…シリンダ
510a…ピボット
512…ピストン
512a…ピボット
512b…ピボット
514…圧力センサ
516…ストロークセンサ
518…サスペンションアーム
518a…ピボット
518b…ピボット
600…制御部
700…車体
800…車輪

Claims (8)

  1. 車両に用いられる燃料電池システムであって、
    水素リッチなガスの供給を受けて、電気化学反応により発電する燃料電池と、
    該燃料電池からの発電パワーを受けて、モータによってシリンダに流体を供給させると共に、前記シリンダ内で前記流体の圧力によってピストンを往復動させることにより、車体の安定化を図る制御サスペンションと、
    該制御サスペンションでの負荷パワーの値を取得し、該負荷パワーの値に基づいて、前記燃料電池に供給される前記ガスの量を制御する制御部と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    改質燃料の供給を受けて、改質反応により前記ガスを生成して、前記燃料電池に供給する改質器をさらに備え、
    前記制御部は、前記負荷パワーの値に基づいて、前記改質器に供給される前記改質燃料の量を制御することにより、前記燃料電池に供給される前記ガスの量を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記制御サスペンションにおける前記シリンダ内の圧力と該シリンダに対する前記ピストンの相対的な速度とから、前記負荷パワーの値を取得することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記車両の乗員の数に基づいて前記車両の総重量を算出し、該総重量から前記シリンダ内の圧力を取得することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記車両の旋回時に、前記車両のステアリング角と車速から、
    前記シリンダ内の圧力の増分を導き出し、該増分を加味した前記シリンダ内の圧力を取得することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、ロードマップ情報と前記車両の現在位置の情報に基づいて、前記ステアリング角を取得することを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記車両に対する、走行中の路面変位から、前記ピストンの速度を取得することを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記車両に対する、該車両の前方を走行する他の車両の車体変位から、前記ピストンの速度を取得することを特徴とする燃料電池システム。
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