JP2004176548A - 蒸気タービンの仕切板構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気タービンの仕切板において、組立てを容易にするとともに、内輪を連結して内輪の倒れ変形を防止する。
【解決手段】下部外輪21の内周面に沿って静翼23の外周側端を配設して、静翼の内周側端が下部内輪22の外周面に沿って配設される。下部内輪の内周面にロータ軸を配置し、下部内輪と上部内輪同士を当接してリング状の内輪とする。下部内輪の平坦面にはピン部材24が植設されており、上部内輪の平坦面にはピン部材が圧入されるピン受け穴部が形成されている。そして、ピン部材をピン受け穴部に圧入して下部内輪と上部内輪とを連結する。その後、上部内輪の外周面に静翼の内周面側を配置し、さらに、静翼の外周面側に上部外輪の内周面を位置づける。
【選択図】 図1
【解決手段】下部外輪21の内周面に沿って静翼23の外周側端を配設して、静翼の内周側端が下部内輪22の外周面に沿って配設される。下部内輪の内周面にロータ軸を配置し、下部内輪と上部内輪同士を当接してリング状の内輪とする。下部内輪の平坦面にはピン部材24が植設されており、上部内輪の平坦面にはピン部材が圧入されるピン受け穴部が形成されている。そして、ピン部材をピン受け穴部に圧入して下部内輪と上部内輪とを連結する。その後、上部内輪の外周面に静翼の内周面側を配置し、さらに、静翼の外周面側に上部外輪の内周面を位置づける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンに用いられる仕切板の構造に関し、特に、蒸気タービンの軸方向への内輪の倒れ(変形及び歪)を防止することのできる仕切板の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蒸気タービンでは、動翼の間に仕切板が設けられており、この仕切板は、外輪、静翼、及び内輪を有している。そして、外輪は、その外周側が蒸気タービンの車室内壁に組み付けられる。内輪は、その内周側に蒸気タービンのロータ軸との隙間を塞ぐシール部材が配設され、外輪と内輪との間には静翼が配設される。このような仕切板においては、前述のように、内輪の内周側にロータ軸が組み込まれる関係上、組立、分解点検時の作業性を考慮して、仕切板を上下2分割の半リング(180度リング)状態としている。
【0003】
例えば、仕切板を組立てる際には、予め外輪及び内輪を2分割しておき(つまり、180度分ずつに外輪及び内輪を分割しておき)、一方の分割外輪の内周面に静翼を固定配置した後、一方の分割内輪の外周面を静翼に固定して、一方の仕切板部とする。同様にして、他方の分割外輪の内周面に静翼を固定配置した後、他方の分割内輪の外周面を静翼に固定して、他方の仕切板部とする。
【0004】
その後、一方の仕切板部の外輪外周面を車室内壁面に固定した後、前述のロータ軸を内輪内周面に配置する。そして、他方の仕切板部の内輪内周面がロータ軸に対応するようにして、他方の仕切板部を配置して、他方の仕切板部の外輪外周面を車室内壁に固定する。つまり、分割外輪及び分割内輪同士を静翼を挟持した状態で組み立てることになる。この組立に当たっては、例えば、溶接が用いられる。このようにして、2分割された仕切板部を形成した後、この仕切板部をその平坦面で密接させて、仕切板としている。
【0005】
上述のような仕切板においては、内輪はその平坦面で密接しているだけであるから、つまり、実質的に分割状態であるから、剛性が弱く、仕切板の一面側の圧力と他面側の圧力の差(入口と出口の圧力差)に応じて内輪が大きく変形することになる。つまり、分割内輪同士の密接面付近では、その変形量が大きくなって、下流側に倒れ変形してしまい、下流側に配置された動翼と接触してしまう事態となることもある。
【0006】
上述のような仕切板の構造では、分割内輪をその平坦面で固定することが極めて難しく、結果的に前述のような不具合が発生することがある。一方、外輪も2分割されているものの、前述のように車室内壁面に固定されているから、その変形は内輪程は大きくない。しかしながら、外輪もその平坦面で連結(固定)して、実質的にリング状とすることが望ましい。
【0007】
蒸気タービンの仕切板において、2分割された外輪を固定する手法として、例えば、蒸気タービンの車室に配置される180°半リング構造の下半部静翼と半リング構造の上半部静翼とを穴付きボルトによって固定し、上下静翼を合体させる。さらに、下半部静翼に、その上下にライナーを入れて、キーが車室溝に全周隙間を設けて取り付けられる。これによって、連結型静翼の半リング構造を合体するとともに、ボルト締めによって360°リング構造として、剛性を向上させるようにしている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−112204号公報(第2ページ、第1図及び第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1においては、外輪をボルト締めによって、360°リング構造としているものの、内輪同士(分割内輪同士)は連結されておらず、しかも前述のように、分割内輪同士を固定することが極めて難しく、特許文献1に記載された仕切板構造(静翼構造)を用いたとしても、内輪の倒れ変形を防止することは困難である。
【0010】
しかも、前述のように、分割内輪同士を溶接等によって固定することができない関係上、上下に2分割した内輪同士の密接面が実質的に不連続となり、密接面の位置において内輪から静翼に伝わる応力が他の部分に比べて大きくなってしまい、部分的に翼列性能を悪化させてしまうという課題もある。
【0011】
本発明の目的は、組立が容易で、しかも内輪を連結して実質的に360°のリング状態として内輪の倒れ変形を防止することのできる蒸気タービンの仕切板構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、蒸気タービンの動翼間に配置される仕切板の構造であって、内周面に沿って静翼が配置されリング状の外輪を形成する半リング状の第1及び第2の外輪部材と、外周面に沿って前記静翼が配置されリング状の内輪を形成する半リング状の第1及び第2の内輪部材と、該第1及び該第2の内輪部材を連結する連結手段とを有し、前記第1の外輪部材の内周面に沿って前記静翼の外周側端が配設され、前記静翼の内周側端が前記第1の内輪部材の外周面に沿って配設されて、前記第1及び前記第2の内輪部材同士が当接されて前記連結手段によって前記第1及び前記第2の内輪部材同士が連結され前記リング状の内輪とされるようにしたことを特徴とする蒸気タービンの仕切板構造が得られる。
【0013】
このようにして、第1の外輪部材の内周面に沿って、静翼の外周側端を配設した後、静翼の内周側端を第1の内輪部材の内周面に沿って配設して、第1及び第2の内輪部材同士を当接して、第1及び第2の内輪部材同士を連結してリング状の内輪とするようにすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、容易に第1及び第2の内輪部材同士を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0014】
本発明では、前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って係止部が形成され、前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って係合部が形成されており、前記静翼の外周側端には前記係止部に係止される静翼係合部が形成され、前記静翼の内周側端には前記係合部を係止する静翼係止部が形成されている。例えば、前記係止部は前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って延びる溝部であり、前記係合部は前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って延びる突起部であって、前記静翼係合部は前記溝部に嵌合される嵌合突起であり、前記静翼係止部は前記突起部を嵌合する嵌合溝である。
【0015】
このように、第1及び第2の外輪部材の内周面に沿って係止部を形成して、第1及び第2の内輪部材の外周面に沿って係合部を形成し、さらに、静翼の外周側端に係止部に係止される静翼係合部を形成するとともに内周側端に係合部を係止する静翼係止部を形成するようにすれば、容易に仕切板の組立を行うことができることになる。
【0016】
本発明では、前記連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面の一方に植設され該一方の当接面から突出する突出部材と、前記当接面の他方に形成され前記突出部材が挿入される穴部であり、例えば、前記突出部材はピン部材又はキーであり、前記穴部は前記ピン部材又は前記キーを受けるピン受け穴部又はキー受け穴部である。
【0017】
このように、第1及び第2の内輪部材の当接面の一方に、当該一方の当接面から突出する突出部材を植設するとともに、当接面の他方に突出部材が挿入される穴部を形成するようにすれば、容易に第1及び第2の内輪部材を連結して内輪を形成できることになる。
【0018】
本発明では、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によって前記突起部から独立する第1の突起片と、前記第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によって前記突起部から独立する第2の突起片と、前記第1及び前記第2の内輪を当接させた際前記第1及び前記第2の突起片で規定される突起体が嵌め込まれるピース部材とを有しており、例えば、前記ピース部材の線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くされる。
【0019】
このように、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によってこの突起部から独立する第1の突起片を形成するとともに、第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によってこの突起部から独立する第2の突起片を形成して、第1及び第2の内輪部材を当接させた際、第1及び第2の突起片で規定される突起体にピース部材を嵌め込むようにして、ピース部材の線膨張係数を第1及び第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、熱によってピース部材と突起体とが締めつけられることになって、連結が外れることがない。
【0020】
本発明では、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部に形成された楔状のキー溝と、該キー溝に嵌合する楔キーとを有しており、例えば、前記楔キーの線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくされる。
【0021】
このようにして、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1及び第2の内輪部材に形成された突起部に楔状のキー溝を形成して、当該キー溝に嵌合する楔キーを嵌め込むようにして、楔キーの線膨張係数を第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、楔キーがキー溝にしっかりと嵌め込まれることになって、連結が外れることがない。
【0022】
なお、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段を、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部にわたって配置される薄板と、前記薄板を前記第1及び前記第2の内輪部材に固定する固定部材とで構成するようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
まず、図1を参照して、本発明による仕切板構造の第1の例について説明する。
【0025】
図1では、仕切板11の下側半分の部分(以下、下部仕切板部と呼ぶ)12のみが示されており、この下部仕切板部12には、上側半分の部分(以下上部仕切板部と呼ぶ:図示せず)が位置づけられる。
【0026】
図示の仕切板11は、動翼(図示せず)の間に設けられ、外輪、静翼、及び内輪を有している。図1では、下部仕切板部12は下部外輪(第1の外輪部材)21及び下部内輪(第1の内輪部材)22を有しており、同様に上部仕切板部は上部外輪(第2の外輪部材)及び上部内輪(第2の内輪部材)を有している。これら、下部外輪21及び下部内輪22と上部外輪及び上部内輪は半リング状に成形されている(つまり、180°リング状体である)。
【0027】
図1に示すように、下部外輪21の内周面には、その中心部に沿って溝部(係止部)21aが形成されている。つまり、下部外輪21の内周面にはその周面に沿って、径方向外側に延びる凹状の溝部21aが形成されている。一方、下部内輪22の外周面には、その中心部に沿って突起部(係合部)22aが形成されている。つまり、下部内輪22の外周面にはその周面に沿って、径方向外側に延びる凸状の突起部22aが形成されている。なお、図示はしないが、上部外輪には同様にして、その内周面には溝部が形成され、上部内輪の外周面には突起部が形成されている。そして、後述するようにして、下部仕切板部12と上部仕切板部とを連結した際には、下部外輪21の溝部21aと上部外輪の溝部とは連続し、下部内輪22の突起部22aと上部内輪の突起部とは連続することになる。
【0028】
下部外輪21と下部内輪22との間には、静翼23が配置される。つまり、複数の静翼23が周方向に沿って配列されることになる。静翼23は、インナーシュラウド23a、ノズル23b、及びアウターシュラウド23cを有しており、ノズル23bはインナーシュラウド23a及びアウターシュラウド23cに挟持された状態となっている。そして、インナーシュラウド23aの内周面には、前述の突起部22aに嵌合する嵌合溝(静翼係止部)23dがその内周面に沿って形成され、アウターシュラウド23cの外周面には、前述の溝部21aに嵌合する嵌合突起(静翼係合部)23eがその外周面に沿って形成されている。
【0029】
また、下部内輪22の平坦面22bには、図中上方に突出するピン部材24が植設されている。図示の例では、所定の間隔をおいて3本のピン部材24が植設されている。ピン部材24を植設する際には、例えば、ドリル等で平坦面22bに穴部を形成した後、ピン部材24をこの穴部に圧入することになる。
【0030】
一方、図示はしないが、上部内輪の平坦面にはピン部材24を受けるピン受け穴部が予め形成され、このピン受け穴部にピン部材24が圧入されて、下部内輪22と上部内輪とが連結される。なお、ピン部材を上部内輪の平坦面に植設して、ピン受け穴部を下部内輪の平坦部に形成するようにしてもよい。
【0031】
上述のような仕切板を組み立てる際には、例えば、下部外輪21が車室内壁面に固定される。この固定の際には、図示しない結合部を車室内壁面及び下部外輪の外周面に形成しておき、これら結合部によって下部外輪21を車室内壁面に固定する。
【0032】
その後、下部外輪21の内周面に沿って形成された溝部21aに静翼23のアウターシュラウド23cに形成された嵌合突起23eを嵌合させて、下部外輪21の内周面に沿って静翼23を配設する。そして、下部内輪22に形成された突起部22aを、静翼23のインナーシュラウド23aに形成された嵌合溝23dに嵌合させる。
【0033】
このようにして、下部仕切板部12を形成した後、蒸気タービンのロータ軸(図示せず)が下部内輪22の内周面にシール部材(図示せず)を介して配置される。その後、上部内輪に形成されたピン受け穴部とピン部材24とを対応づけて、ピン部材24をピン受け穴部に圧入して、下部内輪22と上部内輪とを連結する。この際、ロータ軸は上部内輪の内周面に配置されることになる。
【0034】
そして、上部内輪の外周面に形成された突起部に静翼23のインナーシュラウド23aに形成された嵌合溝23dに嵌合させた後、上部外輪の内周面に沿って形成された溝部を静翼23のアウターシュラウド23cに形成された嵌合突起23eに嵌合させて、上部仕切板部を形成する。これによって、仕切板11が組み立てられることになる。
【0035】
上述のように、下部内輪及び上部内輪の外周面に突起部を形成するとももに、下部外輪及び上部外輪の内周面に溝部を設けて、静翼の内周面側に形成された嵌合溝を上記の突起部に嵌合するとともに、静翼の外周面に形成された嵌合突起を上記の溝部に嵌合して、仕切板を組み立てるようにしたから、上述のようにして、下部仕切板部を組み立てた後、上部内輪のピン受け穴部を下部内輪のピン部材に嵌合して、下部内輪と上部内輪とを連結することができ、その後、静翼及び上部外輪の順に組み立てれば、仕切板が完成することになり、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0036】
なお、内輪の外周面に溝部を設け、外輪の内周面に突起部を設けるようにしてもよい。この際には、インナーシュラウドの内周側にと嵌合突起が形成され、アウターシュラウドの外周面側に嵌合溝が形成されることになる。
【0037】
次に、図2を参照して、本発明による仕切板構造の第2の例について説明する。図2において、図1と同一の構成要素については同一の参照番号が付さされている。図示の例では、下部内輪22の平坦面22bに径方向に延び上側に突出するキー31を植設する。キー31を植設する際には、平坦面22bにキー31が圧入されるキー穴部を形成した後、キー部材をキー穴部に圧入して、キー31とする。
【0038】
一方、図示はしないが、上部内輪の平坦面にはキー31を受けるキー受け穴部が予め形成され、このキー受け穴部にキー31を圧入して、下部内輪22と上部内輪とを連結する。なお、キー31を上部内輪の平坦面に植設して、キー受け穴部を下部内輪の平坦部22bに形成するようにしてもよい。
【0039】
このようにしてしても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0040】
図3を参照して、本発明による仕切板構造の第3の例について説明する。図3では、下部内輪22及び上部内輪41のみが示されており、下部外輪、上部外輪、及び静翼は示されていない、これら外輪及び静翼の構造は図1で説明した構造であるので、ここでは、下部内輪22と上部内輪41との連結についてのみ説明することにする。
【0041】
前述のように、下部内輪22の外周面には、突起部22aが形成されている。同様に、上部内輪41の外周面にも突起部が形成されている(上部内輪41に形成された突起部を符号41aで示す)。図示のように、下部内輪22の平坦面側から所定距離下側に離れて、突起部22aには軸方向に延びる切り込み部51が形成されている。この切り込み部51の幅(軸方向に直交する方向)は予め規定されている。同様にして、上部内輪41の平坦面側から所定上側に距離離れて、突起部41aには軸方向に延びる切り込み部52が形成されている。この切り込み部52の幅は予め規定されている。
【0042】
なお、図3においては、平坦面の一端側のみが示されているが、平坦面の他端側においても同様にして切り込み部が形成されることになる。
【0043】
図1で説明したようにして、下部仕切板部を組み立てた後、下部内輪22の平坦面と上部内輪41の平坦面とが当接される。この際、突起部22aと突起部41aとは連続することになり、前述の切り込み部51及び52によって、平坦面の端部付近において、それぞれ突起部22a及び41aとは独立する突起片が形成されることになって、これら突起片によって突起体53が規定されることになる。そして、この突起体53には締結ピース部材54が嵌め込まれる(締結ピース部材54の高さ(内輪の径方向の長さ)は突起体53の高さと同一に規定されている)。
【0044】
締結ピース部材54は中空の直方体形状であり、中空部の寸法は突起体53の寸法に略等しい(中空部の寸法は突起体53の寸法よりも僅かに小さい)。そして、締結ピース部材54の肉厚は前述の切り込み部51及び52の幅に略等しい(締結ピース部材54の肉厚は切り込み部51及び52の幅よりも僅かに大きい)。
【0045】
図4に示すように、このような締結ピース部材54を突起部53に圧入すると、突起体53が締結ピース部材54に保持されることになって、下部内輪22と上部内輪41とが連結されることになる。その後、図1で説明したようにして、仕切板が組み立てられることになる。
【0046】
下部内輪22及び上部内輪41の材料として、例えば、12クロム鋼(SUS403等)又は9クロム鋼(改良9クロム鋼等)が用いられる。12クロム鋼の線膨張率αはα=9.20×10−6(1/℃)であり、9クロム鋼の線膨張率αは、α=10.5×10−6(1/℃)である。一方、締結ピース部材54の材料として、例えば、フェライト系高クロム鋼(27クロムSUS材等)を用いる。フェライト系高クロム鋼の線膨張率αは、α=9.03×10−6(1/℃)である。
【0047】
このように、締結ピース部材54の材料として、下部内輪22及び上部内輪41の材料よりも線膨張率が低い材料を用いると、内輪(つまり、突起体53)の熱膨張率の方が締結ピース部材54の熱膨張率よりも僅かに高いから、蒸気タービン駆動中においては、熱によって締結ピース部材54と突起体53とが締めつけられることになって、連結が外れることがない。
【0048】
図3及び図4で説明した例においても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0049】
図5を参照して、本発明の仕切板構造の第4の例について説明する。図5では、下部内輪22及び上部内輪41のみが示されており、下部外輪、上部外輪、及び静翼は示されていない。これら外輪及び静翼の構造は図1で説明した構造であるので、ここでは、下部内輪22と上部内輪41との連結についてのみ説明することにする。
【0050】
図6も参照して、下部内輪22の平坦面(上面)の一端において、下部内輪22の外周面には、逆L字状の溝部(第1のキー溝部)61が形成されている。この第1のキー溝部61は前述の突起部22aの表面にわたって形成されており、突起部22aの延在方向に延びる長手部61aと、長手部61aに直交して長手部61aの一端(上端)に連続する直交部61bとを有している。同様にして、上部内輪41の平坦面(下面)の一端において、上部内輪41の外周面には、L字状の溝部(第2のキー溝部)62が形成されている。この第2のキー溝部62は前述の突起部41aの表面にわたって形成されており、突起部41aの延在方向に延びる長手部62aと、長手部62aに直交して長手部62aの一端(下端)に連続する直交部62bとを有している。
【0051】
なお、図5においては、平坦面の一端側のみが示されているが、平坦面の他端側においても同様にして、下部内輪22及び上部内輪41の外周面(突起部22a及び41a)にはそれぞれ第1及び第2のキー溝部が形成されることになる。
【0052】
図1で説明したようにして、下部仕切板部を組み立てた後、下部内輪22の平坦面と上部内輪41の平坦面とが当接される。この際、突起部22aと突起部41aとは連続することになり、前述の第1及び第2のキー溝部61及び62が連続して楔状のキー溝部63となる。そして、この楔状のキー溝部63にキー溝部63の寸法に略等しい楔状のキーを圧入すれば(楔状のキーの寸法はキー溝部63の寸法よりも僅かに大きい)、下部内輪22と上部内輪41とが連結されることなり、楔状のキー溝部及び楔状のキーを用いて連結しているから、下部内輪22と上部内輪41とが外れることはない。この際、楔状のキーの表面は突起部22a及び41aの表面と一致することになる。その後、図1で説明したようにして、仕切板が組み立てられることになる。
【0053】
図3及び図4で説明したように、下部内輪22及び上部内輪41の材料として、例えば、12クロム鋼(SUS403等)又は9クロム鋼(改良9クロム鋼等)を用いた際には、楔状のキーとして、例えば、オーステナイト系高クロム鋼(18クロムSUS316等)が用いられる。オーステナイト系高クロム鋼の線膨張率αは、α=15.2×10−6(1/℃)である。
【0054】
このように、楔状のキーの材料として、下部内輪22及び上部内輪41の材料よりも線膨張率が高い材料を用いると、蒸気タービン駆動中においては、内輪の熱膨張率の方が楔状のキーの熱膨張率よりも低いから、つまり、楔状のキーのほうが内輪よりも膨張するから、楔状のキーによって下部内輪22と上部内輪41とがしっかりと連結されることになる。
【0055】
図5及び図6で説明した例においても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0056】
なお、図7に示すように、突起部22a及び41aと同一の幅を有する薄板71を用いて、下部内輪22と上部内輪41との接合(当接)部を覆うように、薄板71を被せて、薄板71をボルト72等で下部内輪22及び上部内輪41に固定するようにしてもよい。薄板71を用いれば、静翼を突起部22a及び41aに嵌合する際の支障はない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、第1の外輪部材の内周面に沿って、静翼の外周側端を配設した後、静翼の内周側端を第1の内輪部材の外周面に沿って配設して、第1及び第2の内輪部材同士を当接して、第1及び第2の内輪部材同士を連結してリング状の内輪とするようにしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、容易に第1及び第2の内輪部材同士を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないという効果がある。
【0058】
本発明では、第1及び第2の外輪部材の内周面に沿って係止部を形成して、第1及び第2の内輪部材の外周面に沿って係合部を形成し、さらに、静翼の外周側端に係止部に係止される静翼係合部を形成するとともに内周側端に係合部を係止する静翼係止部を形成するようにしたので、容易に仕切板の組立を行うことができるという効果がある。
【0059】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面の一方に、当該一方の当接面から突出する突出部材を植設するとともに、当接面の他方に突出部材が挿入される穴部を形成するようにしたから、容易に第1及び第2の内輪部材を連結して内輪を形成できるという効果がある。
【0060】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によってこの突起部から独立する第1の突起片を形成するとともに、第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によってこの突起部から独立する第2の突起片を形成して、第1及び第2の内輪部材を当接させた際、第1及び第2の突起片で規定される突起体にピース部材を嵌め込むようにして、ピース部材の線膨張係数を第1及び第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、熱によってピース部材と突起体とが締めつけられることになって、連結が外れることがないという効果がある。
【0061】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1及び第2の内輪部材に形成された突起部に楔状のキー溝を形成して、当該キー溝に嵌合する楔キーを嵌め込むようにして、楔キーの線膨張係数を第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、楔キーがキー溝にしっかりと嵌め込まれることになって、連結が外れることがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気タービン仕切構造の第1の例を部分的に示す斜視図である。
【図2】本発明による蒸気タービン仕切構造の第2の例を部分的に示す斜視図である。
【図3】本発明による蒸気タービン仕切構造の第3の例を部分的に示す斜視図である。
【図4】図3に示す蒸気タービン仕切構造における連結部分を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明による蒸気タービン仕切構造の第4の例を部分的に示す斜視図である。
【図6】図3に示す蒸気タービン仕切構造における楔キー溝を拡大して示す側面図である。
【図7】本発明による蒸気タービン仕切構造のさらに他の例を部分的に示す側面図である。
【符号の説明】
11 仕切板
12 下部仕切板部
21 下部外輪(第1の外輪部材)
22 下部内輪(第1の内輪部材)
21a 溝部
22a 突起部
23 静翼
23a インナーシュラウド
23b ノズル
23c アウターシュラウド
23d 嵌合溝
23e 嵌合突起
24 ピン部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンに用いられる仕切板の構造に関し、特に、蒸気タービンの軸方向への内輪の倒れ(変形及び歪)を防止することのできる仕切板の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蒸気タービンでは、動翼の間に仕切板が設けられており、この仕切板は、外輪、静翼、及び内輪を有している。そして、外輪は、その外周側が蒸気タービンの車室内壁に組み付けられる。内輪は、その内周側に蒸気タービンのロータ軸との隙間を塞ぐシール部材が配設され、外輪と内輪との間には静翼が配設される。このような仕切板においては、前述のように、内輪の内周側にロータ軸が組み込まれる関係上、組立、分解点検時の作業性を考慮して、仕切板を上下2分割の半リング(180度リング)状態としている。
【0003】
例えば、仕切板を組立てる際には、予め外輪及び内輪を2分割しておき(つまり、180度分ずつに外輪及び内輪を分割しておき)、一方の分割外輪の内周面に静翼を固定配置した後、一方の分割内輪の外周面を静翼に固定して、一方の仕切板部とする。同様にして、他方の分割外輪の内周面に静翼を固定配置した後、他方の分割内輪の外周面を静翼に固定して、他方の仕切板部とする。
【0004】
その後、一方の仕切板部の外輪外周面を車室内壁面に固定した後、前述のロータ軸を内輪内周面に配置する。そして、他方の仕切板部の内輪内周面がロータ軸に対応するようにして、他方の仕切板部を配置して、他方の仕切板部の外輪外周面を車室内壁に固定する。つまり、分割外輪及び分割内輪同士を静翼を挟持した状態で組み立てることになる。この組立に当たっては、例えば、溶接が用いられる。このようにして、2分割された仕切板部を形成した後、この仕切板部をその平坦面で密接させて、仕切板としている。
【0005】
上述のような仕切板においては、内輪はその平坦面で密接しているだけであるから、つまり、実質的に分割状態であるから、剛性が弱く、仕切板の一面側の圧力と他面側の圧力の差(入口と出口の圧力差)に応じて内輪が大きく変形することになる。つまり、分割内輪同士の密接面付近では、その変形量が大きくなって、下流側に倒れ変形してしまい、下流側に配置された動翼と接触してしまう事態となることもある。
【0006】
上述のような仕切板の構造では、分割内輪をその平坦面で固定することが極めて難しく、結果的に前述のような不具合が発生することがある。一方、外輪も2分割されているものの、前述のように車室内壁面に固定されているから、その変形は内輪程は大きくない。しかしながら、外輪もその平坦面で連結(固定)して、実質的にリング状とすることが望ましい。
【0007】
蒸気タービンの仕切板において、2分割された外輪を固定する手法として、例えば、蒸気タービンの車室に配置される180°半リング構造の下半部静翼と半リング構造の上半部静翼とを穴付きボルトによって固定し、上下静翼を合体させる。さらに、下半部静翼に、その上下にライナーを入れて、キーが車室溝に全周隙間を設けて取り付けられる。これによって、連結型静翼の半リング構造を合体するとともに、ボルト締めによって360°リング構造として、剛性を向上させるようにしている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−112204号公報(第2ページ、第1図及び第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1においては、外輪をボルト締めによって、360°リング構造としているものの、内輪同士(分割内輪同士)は連結されておらず、しかも前述のように、分割内輪同士を固定することが極めて難しく、特許文献1に記載された仕切板構造(静翼構造)を用いたとしても、内輪の倒れ変形を防止することは困難である。
【0010】
しかも、前述のように、分割内輪同士を溶接等によって固定することができない関係上、上下に2分割した内輪同士の密接面が実質的に不連続となり、密接面の位置において内輪から静翼に伝わる応力が他の部分に比べて大きくなってしまい、部分的に翼列性能を悪化させてしまうという課題もある。
【0011】
本発明の目的は、組立が容易で、しかも内輪を連結して実質的に360°のリング状態として内輪の倒れ変形を防止することのできる蒸気タービンの仕切板構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、蒸気タービンの動翼間に配置される仕切板の構造であって、内周面に沿って静翼が配置されリング状の外輪を形成する半リング状の第1及び第2の外輪部材と、外周面に沿って前記静翼が配置されリング状の内輪を形成する半リング状の第1及び第2の内輪部材と、該第1及び該第2の内輪部材を連結する連結手段とを有し、前記第1の外輪部材の内周面に沿って前記静翼の外周側端が配設され、前記静翼の内周側端が前記第1の内輪部材の外周面に沿って配設されて、前記第1及び前記第2の内輪部材同士が当接されて前記連結手段によって前記第1及び前記第2の内輪部材同士が連結され前記リング状の内輪とされるようにしたことを特徴とする蒸気タービンの仕切板構造が得られる。
【0013】
このようにして、第1の外輪部材の内周面に沿って、静翼の外周側端を配設した後、静翼の内周側端を第1の内輪部材の内周面に沿って配設して、第1及び第2の内輪部材同士を当接して、第1及び第2の内輪部材同士を連結してリング状の内輪とするようにすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、容易に第1及び第2の内輪部材同士を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0014】
本発明では、前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って係止部が形成され、前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って係合部が形成されており、前記静翼の外周側端には前記係止部に係止される静翼係合部が形成され、前記静翼の内周側端には前記係合部を係止する静翼係止部が形成されている。例えば、前記係止部は前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って延びる溝部であり、前記係合部は前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って延びる突起部であって、前記静翼係合部は前記溝部に嵌合される嵌合突起であり、前記静翼係止部は前記突起部を嵌合する嵌合溝である。
【0015】
このように、第1及び第2の外輪部材の内周面に沿って係止部を形成して、第1及び第2の内輪部材の外周面に沿って係合部を形成し、さらに、静翼の外周側端に係止部に係止される静翼係合部を形成するとともに内周側端に係合部を係止する静翼係止部を形成するようにすれば、容易に仕切板の組立を行うことができることになる。
【0016】
本発明では、前記連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面の一方に植設され該一方の当接面から突出する突出部材と、前記当接面の他方に形成され前記突出部材が挿入される穴部であり、例えば、前記突出部材はピン部材又はキーであり、前記穴部は前記ピン部材又は前記キーを受けるピン受け穴部又はキー受け穴部である。
【0017】
このように、第1及び第2の内輪部材の当接面の一方に、当該一方の当接面から突出する突出部材を植設するとともに、当接面の他方に突出部材が挿入される穴部を形成するようにすれば、容易に第1及び第2の内輪部材を連結して内輪を形成できることになる。
【0018】
本発明では、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によって前記突起部から独立する第1の突起片と、前記第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によって前記突起部から独立する第2の突起片と、前記第1及び前記第2の内輪を当接させた際前記第1及び前記第2の突起片で規定される突起体が嵌め込まれるピース部材とを有しており、例えば、前記ピース部材の線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くされる。
【0019】
このように、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によってこの突起部から独立する第1の突起片を形成するとともに、第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によってこの突起部から独立する第2の突起片を形成して、第1及び第2の内輪部材を当接させた際、第1及び第2の突起片で規定される突起体にピース部材を嵌め込むようにして、ピース部材の線膨張係数を第1及び第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、熱によってピース部材と突起体とが締めつけられることになって、連結が外れることがない。
【0020】
本発明では、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部に形成された楔状のキー溝と、該キー溝に嵌合する楔キーとを有しており、例えば、前記楔キーの線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくされる。
【0021】
このようにして、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1及び第2の内輪部材に形成された突起部に楔状のキー溝を形成して、当該キー溝に嵌合する楔キーを嵌め込むようにして、楔キーの線膨張係数を第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくすれば、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、楔キーがキー溝にしっかりと嵌め込まれることになって、連結が外れることがない。
【0022】
なお、前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段を、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部にわたって配置される薄板と、前記薄板を前記第1及び前記第2の内輪部材に固定する固定部材とで構成するようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
まず、図1を参照して、本発明による仕切板構造の第1の例について説明する。
【0025】
図1では、仕切板11の下側半分の部分(以下、下部仕切板部と呼ぶ)12のみが示されており、この下部仕切板部12には、上側半分の部分(以下上部仕切板部と呼ぶ:図示せず)が位置づけられる。
【0026】
図示の仕切板11は、動翼(図示せず)の間に設けられ、外輪、静翼、及び内輪を有している。図1では、下部仕切板部12は下部外輪(第1の外輪部材)21及び下部内輪(第1の内輪部材)22を有しており、同様に上部仕切板部は上部外輪(第2の外輪部材)及び上部内輪(第2の内輪部材)を有している。これら、下部外輪21及び下部内輪22と上部外輪及び上部内輪は半リング状に成形されている(つまり、180°リング状体である)。
【0027】
図1に示すように、下部外輪21の内周面には、その中心部に沿って溝部(係止部)21aが形成されている。つまり、下部外輪21の内周面にはその周面に沿って、径方向外側に延びる凹状の溝部21aが形成されている。一方、下部内輪22の外周面には、その中心部に沿って突起部(係合部)22aが形成されている。つまり、下部内輪22の外周面にはその周面に沿って、径方向外側に延びる凸状の突起部22aが形成されている。なお、図示はしないが、上部外輪には同様にして、その内周面には溝部が形成され、上部内輪の外周面には突起部が形成されている。そして、後述するようにして、下部仕切板部12と上部仕切板部とを連結した際には、下部外輪21の溝部21aと上部外輪の溝部とは連続し、下部内輪22の突起部22aと上部内輪の突起部とは連続することになる。
【0028】
下部外輪21と下部内輪22との間には、静翼23が配置される。つまり、複数の静翼23が周方向に沿って配列されることになる。静翼23は、インナーシュラウド23a、ノズル23b、及びアウターシュラウド23cを有しており、ノズル23bはインナーシュラウド23a及びアウターシュラウド23cに挟持された状態となっている。そして、インナーシュラウド23aの内周面には、前述の突起部22aに嵌合する嵌合溝(静翼係止部)23dがその内周面に沿って形成され、アウターシュラウド23cの外周面には、前述の溝部21aに嵌合する嵌合突起(静翼係合部)23eがその外周面に沿って形成されている。
【0029】
また、下部内輪22の平坦面22bには、図中上方に突出するピン部材24が植設されている。図示の例では、所定の間隔をおいて3本のピン部材24が植設されている。ピン部材24を植設する際には、例えば、ドリル等で平坦面22bに穴部を形成した後、ピン部材24をこの穴部に圧入することになる。
【0030】
一方、図示はしないが、上部内輪の平坦面にはピン部材24を受けるピン受け穴部が予め形成され、このピン受け穴部にピン部材24が圧入されて、下部内輪22と上部内輪とが連結される。なお、ピン部材を上部内輪の平坦面に植設して、ピン受け穴部を下部内輪の平坦部に形成するようにしてもよい。
【0031】
上述のような仕切板を組み立てる際には、例えば、下部外輪21が車室内壁面に固定される。この固定の際には、図示しない結合部を車室内壁面及び下部外輪の外周面に形成しておき、これら結合部によって下部外輪21を車室内壁面に固定する。
【0032】
その後、下部外輪21の内周面に沿って形成された溝部21aに静翼23のアウターシュラウド23cに形成された嵌合突起23eを嵌合させて、下部外輪21の内周面に沿って静翼23を配設する。そして、下部内輪22に形成された突起部22aを、静翼23のインナーシュラウド23aに形成された嵌合溝23dに嵌合させる。
【0033】
このようにして、下部仕切板部12を形成した後、蒸気タービンのロータ軸(図示せず)が下部内輪22の内周面にシール部材(図示せず)を介して配置される。その後、上部内輪に形成されたピン受け穴部とピン部材24とを対応づけて、ピン部材24をピン受け穴部に圧入して、下部内輪22と上部内輪とを連結する。この際、ロータ軸は上部内輪の内周面に配置されることになる。
【0034】
そして、上部内輪の外周面に形成された突起部に静翼23のインナーシュラウド23aに形成された嵌合溝23dに嵌合させた後、上部外輪の内周面に沿って形成された溝部を静翼23のアウターシュラウド23cに形成された嵌合突起23eに嵌合させて、上部仕切板部を形成する。これによって、仕切板11が組み立てられることになる。
【0035】
上述のように、下部内輪及び上部内輪の外周面に突起部を形成するとももに、下部外輪及び上部外輪の内周面に溝部を設けて、静翼の内周面側に形成された嵌合溝を上記の突起部に嵌合するとともに、静翼の外周面に形成された嵌合突起を上記の溝部に嵌合して、仕切板を組み立てるようにしたから、上述のようにして、下部仕切板部を組み立てた後、上部内輪のピン受け穴部を下部内輪のピン部材に嵌合して、下部内輪と上部内輪とを連結することができ、その後、静翼及び上部外輪の順に組み立てれば、仕切板が完成することになり、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0036】
なお、内輪の外周面に溝部を設け、外輪の内周面に突起部を設けるようにしてもよい。この際には、インナーシュラウドの内周側にと嵌合突起が形成され、アウターシュラウドの外周面側に嵌合溝が形成されることになる。
【0037】
次に、図2を参照して、本発明による仕切板構造の第2の例について説明する。図2において、図1と同一の構成要素については同一の参照番号が付さされている。図示の例では、下部内輪22の平坦面22bに径方向に延び上側に突出するキー31を植設する。キー31を植設する際には、平坦面22bにキー31が圧入されるキー穴部を形成した後、キー部材をキー穴部に圧入して、キー31とする。
【0038】
一方、図示はしないが、上部内輪の平坦面にはキー31を受けるキー受け穴部が予め形成され、このキー受け穴部にキー31を圧入して、下部内輪22と上部内輪とを連結する。なお、キー31を上部内輪の平坦面に植設して、キー受け穴部を下部内輪の平坦部22bに形成するようにしてもよい。
【0039】
このようにしてしても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0040】
図3を参照して、本発明による仕切板構造の第3の例について説明する。図3では、下部内輪22及び上部内輪41のみが示されており、下部外輪、上部外輪、及び静翼は示されていない、これら外輪及び静翼の構造は図1で説明した構造であるので、ここでは、下部内輪22と上部内輪41との連結についてのみ説明することにする。
【0041】
前述のように、下部内輪22の外周面には、突起部22aが形成されている。同様に、上部内輪41の外周面にも突起部が形成されている(上部内輪41に形成された突起部を符号41aで示す)。図示のように、下部内輪22の平坦面側から所定距離下側に離れて、突起部22aには軸方向に延びる切り込み部51が形成されている。この切り込み部51の幅(軸方向に直交する方向)は予め規定されている。同様にして、上部内輪41の平坦面側から所定上側に距離離れて、突起部41aには軸方向に延びる切り込み部52が形成されている。この切り込み部52の幅は予め規定されている。
【0042】
なお、図3においては、平坦面の一端側のみが示されているが、平坦面の他端側においても同様にして切り込み部が形成されることになる。
【0043】
図1で説明したようにして、下部仕切板部を組み立てた後、下部内輪22の平坦面と上部内輪41の平坦面とが当接される。この際、突起部22aと突起部41aとは連続することになり、前述の切り込み部51及び52によって、平坦面の端部付近において、それぞれ突起部22a及び41aとは独立する突起片が形成されることになって、これら突起片によって突起体53が規定されることになる。そして、この突起体53には締結ピース部材54が嵌め込まれる(締結ピース部材54の高さ(内輪の径方向の長さ)は突起体53の高さと同一に規定されている)。
【0044】
締結ピース部材54は中空の直方体形状であり、中空部の寸法は突起体53の寸法に略等しい(中空部の寸法は突起体53の寸法よりも僅かに小さい)。そして、締結ピース部材54の肉厚は前述の切り込み部51及び52の幅に略等しい(締結ピース部材54の肉厚は切り込み部51及び52の幅よりも僅かに大きい)。
【0045】
図4に示すように、このような締結ピース部材54を突起部53に圧入すると、突起体53が締結ピース部材54に保持されることになって、下部内輪22と上部内輪41とが連結されることになる。その後、図1で説明したようにして、仕切板が組み立てられることになる。
【0046】
下部内輪22及び上部内輪41の材料として、例えば、12クロム鋼(SUS403等)又は9クロム鋼(改良9クロム鋼等)が用いられる。12クロム鋼の線膨張率αはα=9.20×10−6(1/℃)であり、9クロム鋼の線膨張率αは、α=10.5×10−6(1/℃)である。一方、締結ピース部材54の材料として、例えば、フェライト系高クロム鋼(27クロムSUS材等)を用いる。フェライト系高クロム鋼の線膨張率αは、α=9.03×10−6(1/℃)である。
【0047】
このように、締結ピース部材54の材料として、下部内輪22及び上部内輪41の材料よりも線膨張率が低い材料を用いると、内輪(つまり、突起体53)の熱膨張率の方が締結ピース部材54の熱膨張率よりも僅かに高いから、蒸気タービン駆動中においては、熱によって締結ピース部材54と突起体53とが締めつけられることになって、連結が外れることがない。
【0048】
図3及び図4で説明した例においても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0049】
図5を参照して、本発明の仕切板構造の第4の例について説明する。図5では、下部内輪22及び上部内輪41のみが示されており、下部外輪、上部外輪、及び静翼は示されていない。これら外輪及び静翼の構造は図1で説明した構造であるので、ここでは、下部内輪22と上部内輪41との連結についてのみ説明することにする。
【0050】
図6も参照して、下部内輪22の平坦面(上面)の一端において、下部内輪22の外周面には、逆L字状の溝部(第1のキー溝部)61が形成されている。この第1のキー溝部61は前述の突起部22aの表面にわたって形成されており、突起部22aの延在方向に延びる長手部61aと、長手部61aに直交して長手部61aの一端(上端)に連続する直交部61bとを有している。同様にして、上部内輪41の平坦面(下面)の一端において、上部内輪41の外周面には、L字状の溝部(第2のキー溝部)62が形成されている。この第2のキー溝部62は前述の突起部41aの表面にわたって形成されており、突起部41aの延在方向に延びる長手部62aと、長手部62aに直交して長手部62aの一端(下端)に連続する直交部62bとを有している。
【0051】
なお、図5においては、平坦面の一端側のみが示されているが、平坦面の他端側においても同様にして、下部内輪22及び上部内輪41の外周面(突起部22a及び41a)にはそれぞれ第1及び第2のキー溝部が形成されることになる。
【0052】
図1で説明したようにして、下部仕切板部を組み立てた後、下部内輪22の平坦面と上部内輪41の平坦面とが当接される。この際、突起部22aと突起部41aとは連続することになり、前述の第1及び第2のキー溝部61及び62が連続して楔状のキー溝部63となる。そして、この楔状のキー溝部63にキー溝部63の寸法に略等しい楔状のキーを圧入すれば(楔状のキーの寸法はキー溝部63の寸法よりも僅かに大きい)、下部内輪22と上部内輪41とが連結されることなり、楔状のキー溝部及び楔状のキーを用いて連結しているから、下部内輪22と上部内輪41とが外れることはない。この際、楔状のキーの表面は突起部22a及び41aの表面と一致することになる。その後、図1で説明したようにして、仕切板が組み立てられることになる。
【0053】
図3及び図4で説明したように、下部内輪22及び上部内輪41の材料として、例えば、12クロム鋼(SUS403等)又は9クロム鋼(改良9クロム鋼等)を用いた際には、楔状のキーとして、例えば、オーステナイト系高クロム鋼(18クロムSUS316等)が用いられる。オーステナイト系高クロム鋼の線膨張率αは、α=15.2×10−6(1/℃)である。
【0054】
このように、楔状のキーの材料として、下部内輪22及び上部内輪41の材料よりも線膨張率が高い材料を用いると、蒸気タービン駆動中においては、内輪の熱膨張率の方が楔状のキーの熱膨張率よりも低いから、つまり、楔状のキーのほうが内輪よりも膨張するから、楔状のキーによって下部内輪22と上部内輪41とがしっかりと連結されることになる。
【0055】
図5及び図6で説明した例においても、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、下部内輪及び上部内輪を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがない。
【0056】
なお、図7に示すように、突起部22a及び41aと同一の幅を有する薄板71を用いて、下部内輪22と上部内輪41との接合(当接)部を覆うように、薄板71を被せて、薄板71をボルト72等で下部内輪22及び上部内輪41に固定するようにしてもよい。薄板71を用いれば、静翼を突起部22a及び41aに嵌合する際の支障はない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、第1の外輪部材の内周面に沿って、静翼の外周側端を配設した後、静翼の内周側端を第1の内輪部材の外周面に沿って配設して、第1及び第2の内輪部材同士を当接して、第1及び第2の内輪部材同士を連結してリング状の内輪とするようにしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板の組み立てることができるばかりでなく、容易に第1及び第2の内輪部材同士を連結することができ、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないという効果がある。
【0058】
本発明では、第1及び第2の外輪部材の内周面に沿って係止部を形成して、第1及び第2の内輪部材の外周面に沿って係合部を形成し、さらに、静翼の外周側端に係止部に係止される静翼係合部を形成するとともに内周側端に係合部を係止する静翼係止部を形成するようにしたので、容易に仕切板の組立を行うことができるという効果がある。
【0059】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面の一方に、当該一方の当接面から突出する突出部材を植設するとともに、当接面の他方に突出部材が挿入される穴部を形成するようにしたから、容易に第1及び第2の内輪部材を連結して内輪を形成できるという効果がある。
【0060】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によってこの突起部から独立する第1の突起片を形成するとともに、第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によってこの突起部から独立する第2の突起片を形成して、第1及び第2の内輪部材を当接させた際、第1及び第2の突起片で規定される突起体にピース部材を嵌め込むようにして、ピース部材の線膨張係数を第1及び第2の内輪部材の線膨張係数よりも低くしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、熱によってピース部材と突起体とが締めつけられることになって、連結が外れることがないという効果がある。
【0061】
本発明では、第1及び第2の内輪部材の当接面を境として、第1及び第2の内輪部材に形成された突起部に楔状のキー溝を形成して、当該キー溝に嵌合する楔キーを嵌め込むようにして、楔キーの線膨張係数を第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きくしたから、溶接等の固定を行う必要がなく、容易に仕切板を組み立てることができ、第1及び第2の内輪部材を容易に連結することができて、内輪自体の剛性が高まって、内輪に倒れ変形が生じることがないばかりでなく、蒸気タービン駆動中においては、楔キーがキー溝にしっかりと嵌め込まれることになって、連結が外れることがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気タービン仕切構造の第1の例を部分的に示す斜視図である。
【図2】本発明による蒸気タービン仕切構造の第2の例を部分的に示す斜視図である。
【図3】本発明による蒸気タービン仕切構造の第3の例を部分的に示す斜視図である。
【図4】図3に示す蒸気タービン仕切構造における連結部分を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明による蒸気タービン仕切構造の第4の例を部分的に示す斜視図である。
【図6】図3に示す蒸気タービン仕切構造における楔キー溝を拡大して示す側面図である。
【図7】本発明による蒸気タービン仕切構造のさらに他の例を部分的に示す側面図である。
【符号の説明】
11 仕切板
12 下部仕切板部
21 下部外輪(第1の外輪部材)
22 下部内輪(第1の内輪部材)
21a 溝部
22a 突起部
23 静翼
23a インナーシュラウド
23b ノズル
23c アウターシュラウド
23d 嵌合溝
23e 嵌合突起
24 ピン部材
Claims (10)
- 蒸気タービンの動翼間に配置される仕切板の構造であって、内周面に沿って静翼が配置されリング状の外輪を形成する半リング状の第1及び第2の外輪部材と、
外周面に沿って前記静翼が配置されリング状の内輪を形成する半リング状の第1及び第2の内輪部材と、
該第1及び該第2の内輪部材を連結する連結手段とを有し、
前記第1の外輪部材の内周面に沿って前記静翼の外周側端が配設され、前記静翼の内周側端が前記第1の内輪部材の外周面に沿って配設されて、前記第1及び前記第2の内輪部材同士が当接され、前記連結手段によって前記第1及び前記第2の内輪部材同士が連結されて、前記リング状の内輪とされるようにしたことを特徴とする蒸気タービンの仕切板構造。 - 前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って係止部が形成され、前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って係合部が形成されており、
前記静翼の外周側端には前記係止部に係止される静翼係合部が形成され、前記静翼の内周側端には前記係合部を係止する静翼係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの仕切板構造。 - 前記係止部は前記第1及び前記第2の外輪部材の内周面に沿って延びる溝部であり、前記係合部は前記第1及び前記第2の内輪部材の外周面に沿って延びる突起部であって、
前記静翼係合部は前記溝部に嵌合される嵌合突起であり、前記静翼係止部は前記突起部を嵌合する嵌合溝であることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンの仕切板構造。 - 前記連結手段は、前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面の一方に植設され該一方の当接面から突出する突出部材と、前記当接面の他方に形成され前記突出部材が挿入される穴部とを有することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの仕切板構造。
- 前記突出部材はピン部材又はキーであり、前記穴部は前記ピン部材又は前記キーを受けるピン受け穴部又はキー受け穴部であることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービンの仕切板構造。
- 前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、
前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として、前記第1の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第1の切り込み部によって前記突起部から独立する第1の突起片と、
前記第2の内輪部材に形成された突起部を横切る方向に形成された第2の切り込み部によって前記突起部から独立する第2の突起片と、
前記第1及び前記第2の内輪を当接させた際前記第1及び前記第2の突起片で規定される突起体が嵌め込まれるピース部材とを有することを特徴とする請求項3に記載の蒸気タービンの仕切板構造。 - 前記ピース部材の線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも低いことを特徴とする請求項6に記載の蒸気タービンの仕切板構造。
- 前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、
前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部に形成された楔状のキー溝と、
該キー溝に嵌合する楔キーとを有することを特徴とする請求項3に記載の蒸気タービンの仕切板構造。 - 前記楔キーの線膨張係数は前記第1及び前記第2の内輪部材の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の蒸気タービンの仕切板構造。
- 前記第1及び前記第2の内輪部材を連結する連結手段は、
前記第1及び前記第2の内輪部材の当接面を境として前記第1及び前記第2の内輪部材に形成された突起部にわたって配置される薄板と、
前記薄板を前記第1及び前記第2の内輪部材に固定する固定部材とを有することをと特徴とする請求項3に記載の蒸気タービンの仕切板構造。
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