JP2004176261A - 排水管のごみ詰まり防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建造物の排水用の縦管1にh字状の分岐管3を設け、該h字状の分岐管3を下方への排水管とし、該縦管1の下端に開閉蓋5を設けると共に、該縦管1のh字状分岐部4の下側1aをごみ溜めとし、排水縦管1がごみ詰まりするのを防止する。横排水管の場合は、適当な場所にごみ溜め管1aを垂下させる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、集合住宅などのような建造物において、排水管がごみ詰まりするのを防止する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平7−38266号公報に記載されているように、建物の屋上やベランダからの排水中に含まれた固形物などが縦管を通じて下水道に通ずる排水管に流入し、排水管を詰まらせることがあるので、その際の掃除を容易にするために、縦管と排水管の間に排水管カバーを被着する構造が知られている。
【0003】この構造は、時々排水管カバーを外して、縦管の下端に開けてある掃除用の切り欠きから、排水管の中を掃除することで、排水管が詰まるのを防止するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造では、地中に埋めてある排水管中に縦管からごみが流入してから、排水管カバーを外して、排水管中に流れ込んだごみを取り出すため、掃除が困難であり、排水管中に流れ込んだごみを確実に掃除することは不可能に近い。
【0005】そのため、地中に埋設された排水管が詰まった場合は、詰まっている位置が判別不能なこともあって、排水管の全長を掘り起こして点検し、詰まっているか所を見つけて、掃除する必要がある。その結果、作業が大がかりとなるほか、多大な時間と人件費が必要となる。
【0006】したがって、縦管から地中の排水管にごみが流れ込む前に、地上で縦管中のごみを排除し、掃除できることが望まれる。また、簡単な作業で容易にごみを掃除できることが望ましい。
【0007】本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、建造物の縦管中のごみを地上で容易に掃除可能な構造を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、建造物の排水用の縦管にh字状の分岐管を設け、該h字状の分岐管を下方への排水管とし、該縦管の下端に開閉蓋を設けると共に、該縦管のh字状分岐部の下側をごみ溜めとすることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造である。
【0009】このように、建造物の縦管にh字状の分岐管を設け、h字状の分岐管を下方への排水管とし、該縦管の下端に開閉蓋を設けると共に、該縦管のh字状分岐部の下側をごみ溜めとする構造になっているため、縦管中を流下して来たごみは、該縦管の下部のごみ溜め中に流れ込んで堆積し溜まる。そのため、ごみを含まない排水のみが、h字状の分岐管にオーバーフローして下方の排水管に流れ落ちることになる。
【0010】したがって、地中に埋設されている地中排水管までごみが到来する前に、地上の縦管のごみ溜め中にごみが溜まることになる。そして、このごみ溜めは、下端の開閉蓋を外すだけで、溜まっているごみが一斉に溜まり水と一緒に落下するため、ごみ溜め中の掃除は至って簡単である。
【0011】請求項2は、請求項1に記載の縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより下側において、該スラブの下面寄りに配設されていることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造である。
【0012】このように、縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより下側において、該スラブの下面寄りの高さに配設されているため、バケツなどの容器を持ち上げて、縦管のごみ溜めの下側に配置した状態で、開閉蓋を外すだけで、ごみ溜め中のごみを容易に排出できる。
【0013】請求項3は、請求項1に記載の縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより上側において、該スラブの上面寄りに配設されていることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造である。
【0014】このように、縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより上側において、該スラブの上面寄りの高さに配設されているため、バケツなどの容器を高い位置まで持ち上げなくても、スラブ上で、縦管のごみ溜めの下側にバケツなどを置いただけで、開閉蓋を外して、ごみ溜め中のごみを容易に排出できる。
【0015】請求項4は、建造物に付随する横管にごみ溜め部を垂下させておき、該ごみ溜め部の下端に開閉蓋を設けてなることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造である。
【0016】このように、建造物に付随する横管にごみ溜め部を垂下させておき、該ごみ溜め部の下端に開閉蓋を設けた構造になっているため、横管中を排水と共にごみが流れる際に、ごみはごみ溜め部中に流れ込んで堆積するため、時々ごみ溜め部の下端の開閉蓋を開けて、溜まったごみを溜まり水と一緒に排出させるだけで、横管中や横管の下流側にごみが溜まったりするのを未然に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明による排水管のごみ詰まり防止構造が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による排水管のごみ詰まり防止構造の実施形態を示す縦断面図である。
【0018】Sはベランダなどのスラブであり、排水用の縦管1が上下方向に貫通している。通常、各ベランダのスラブS上では、縦管1の下端部に周知の鋳物製のストレーナ2を設けてある。したがって、木の葉や紙切れなどのような比較的大きなごみは、このストレーナ2で阻止されるため、ベランダ上の土砂などがストレーナ2を通過して、縦管1中に流れ込むことになる。
【0019】この縦管1には、スラブSの下側において、h字状の分岐管3を連結してある。そして、この分岐管3の下部3aが下階への排水縦管となる。すなわち、下階のベランダのスラブS1上のストレーナ2の上端まで屈曲して連結されている。
【0020】スラブSの下部における縦管1は、h字状の分岐部4より下側がごみ溜め管1aとなっている。そして、このごみ溜め管1aの下端は、開閉蓋5で閉鎖されている。分岐部4から開閉蓋5までの高さは、例えば50cm前後が適している。したがって、下階のベランダのスラブS1から開閉蓋5までの高さは、250cm程度の高さとなる。
【0021】このような構造において、上階のストレーナ2を通過して流れ落ちて来た土砂などのごみは、そのままごみ溜め管1a中に流れ込んで沈下し、沈殿する。したがって、土砂などのごみ以外の排水は、分岐管3側にオーバーフローして、h字状の分岐管3中に流れ込み、次いで下端のストレーナ2中を通過して、下階の縦管1中に流れ落ちる。
【0022】このように、土砂などのごみはごみ溜め管1a中に流れ込んで沈殿し堆積するため、例えば年に1〜2回程度の頻度で、開閉蓋5を開けると、ごみ溜め管1a中に溜まっているごみが、ごみ溜め管1a中に溜まっている水と一緒にドサッと落下し、排出される。したがって、ごみ溜め管1aの下側にバケツなどを持ち上げて置けば、排出されたごみと溜まり水を一緒に受けることができる。
【0023】開閉蓋5は、その外周にオネジを形成しておき、ごみ溜め管1aの下部内周にメネジを形成しておけば、開閉蓋5は容易に着脱できる。10は開閉操作用のつまみである。なお、このようにネジ式の開閉蓋付きの管が市販されているので、この市販品を縦管1の下端に接着したりして固設してもよい。また、この縦管1の下部の外側にフック6を接着したりして固定しておけば、バケツなどの取っ手を引っ掛けることができるので、一人で容易に開閉蓋5を外してごみをバケツ中に排出することができる。
【0024】また、分岐部4は市販のT字状のジョイント管を使用でき、90度の曲部は、市販の曲管を使用できる。これらの各管の材質は特に限定されないが、塩化ビニール管が適している。各管の直径も特に限定されないが、例えば50〜150mm程度が適している。
【0025】図示例では、縦管1は、集合住宅のベランダなどのスラブSを貫通しており、h字状の分岐管3が、スラブSの下面寄りの高さに配設されている。したがって、ごみ溜め管1aの開閉蓋5を外す場合は、高い場所までバケツなどの容器を上げる必要がある。そこで、ごみ溜め管1aを下階のベランダのスラブS1の付近まで下げ、スラブS1の上側の例えば1m程度の高さに、h字状の分岐部4を設けることもできる。この場合は、スラブS1上で、低い位置にバケツなどを置けるので、作業が容易になる。
【0026】図示例では、h字状の分岐管3の下端3aからストレーナ2に至る部分3bは、ごみ溜め管1aの開閉蓋5の真下に位置しているが、分岐管3の下端3aの真下にストレーナ2を配置することもできる。この場合は、ごみ溜め管1aの開閉蓋5の真下のスラブS1上に直接バケツなどを置くことができ、最も簡便になる。
【0027】本発明の思想は、図2のように、横管にも適用できる。7は横管であり、その適当な場所に、T字状のジョイント8を介して、図1のごみ溜め管1aに相当する管1aを垂下させてある。図1のように、このごみ溜め管1aの下端に開閉蓋5を設けてもよいが、図示例では、大量のごみを溜められるように、ごみ溜め管1aの下側に、より大径のごみ溜め部9を連結してある。
【0028】なお、横管7は、水平方向に敷設された勾配付きの排水管であればよく、設置場所などは特に限定されない。ただし、ごみ溜め管1aを垂下させたり、開閉蓋5を開閉するスペースを要する。
【0029】この構造において、横管7中を排水が流れる際に、排水中に土砂などが混ざっている場合は、土砂などは、ごみ溜め管1aからごみ溜め部9中に流れ落ちて沈下沈殿して堆積する。したがって、頃合いを見計らって、年に1〜2回あるいは3〜4年に1回程度の頻度でごみ溜め部9の開閉蓋5を開けて、ごみ溜め部9中に溜まったごみを排出することによって、横管7にごみが溜まったり、ごみで詰まったりするのを未然に防止できる。あるいは、横管7の下流側にごみが堆積して詰まったりするのを防止できる。
【0030】なお、図1の場合も、ごみ溜め管1aの下部に、図2のように大型のごみ溜め部9を連結してもよい。また、ごみ溜め部は、必ずしも管状である必要はなく、管状以外の形状にしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1のように、建造物の縦管にh字状の分岐管を設け、h字状の分岐管を下方への排水管とし、該縦管の下端に開閉蓋を設けると共に、該縦管のh字状分岐部の下側をごみ溜めとする構造になっているため、縦管中を流下して来たごみは、該縦管の下部のごみ溜め中に流れ込んで堆積し溜まる。そのため、ごみを含まない排水のみが、h字状の分岐管にオーバーフローして下方の排水管に流れ落ちることになる。
【0032】したがって、地中に埋設されている地中排水管までごみが到来する前に、地上の縦管のごみ溜め中にごみが溜まることになる。そして、このごみ溜めは、下端の開閉蓋を外すだけで、溜まっているごみが一斉に溜まり水と一緒に落下するため、ごみ溜め中の掃除は至って簡単である。
【0033】請求項2のように、縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより下側において、該スラブの下面寄りの高さに配設されているため、バケツなどの容器を持ち上げて、縦管のごみ溜めの下側に配置した状態で、開閉蓋を外すだけで、ごみ溜め中のごみを容易に排出できる。
【0034】請求項3のように、縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより上側において、該スラブの上面寄りの高さに配設されているため、バケツなどの容器を高い位置まで持ち上げなくても、スラブ上で、縦管のごみ溜めの下側にバケツなどを置いただけで、開閉蓋を外して、ごみ溜め中のごみを容易に排出できる。
【0035】請求項4のように、建造物に付随する横管にごみ溜め部を垂下させておき、該ごみ溜め部の下端に開閉蓋を設けた構造になっているため、横管中を排水と共にごみが流れる際に、ごみはごみ溜め部中に流れ込んで堆積するため、時々ごみ溜め部の下端の開閉蓋を開けて、溜まったごみを溜まり水と一緒に排出させるだけで、横管中や横管の下流側にごみが溜まったりするのを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排水管のごみ詰まり防止構造の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明を横排水管に適用した実施形態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 排水用の縦管
1a ごみ溜め管
S ベランダのスラブ
2 ストレーナ
3 h字状の分岐管
3a 分岐管の下部
4 h字状の分岐部
5 開閉蓋
6 フック
7 排水用の横管
8 T字状ジョイント
9 大径のごみ溜め部
10 操作つまみ
Claims (4)
- 建造物の排水用の縦管にh字状の分岐管を設け、該h字状の分岐管を下方への排水管とし、該縦管の下端に開閉蓋を設けると共に、該縦管のh字状分岐部の下側をごみ溜めとすることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造。
- 前記の縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより下側において、該スラブの下面寄りの高さに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の排水管のごみ詰まり防止構造。
- 前記の縦管が建造物のスラブを貫通しており、前記のh字状分岐部が、該スラブより上側において、該スラブの上面寄りの高さに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の排水管のごみ詰まり防止構造。
- 建造物に付随する横管にごみ溜め部を垂下させておき、該ごみ溜め部の下端に開閉蓋を設けてなることを特徴とする排水管のごみ詰まり防止構造。
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JP2002340181A JP2004176261A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 排水管のごみ詰まり防止構造 |
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JP2004176261A true JP2004176261A (ja) | 2004-06-24 |
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CN105155655A (zh) * | 2015-08-04 | 2015-12-16 | 浙江沪新不锈钢制造有限公司 | 多功能排污管 |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002340181A patent/JP2004176261A/ja active Pending
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