JP2004175687A - 皮膚バリアー機能回復促進剤 - Google Patents

皮膚バリアー機能回復促進剤 Download PDF

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光洋 傳田
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Abstract

【課題】新規皮膚バリアー機能回復促進剤の提供。
【解決手段】本発明は、細胞内サイクリックAMP(cAMP)の活性又はその産生を抑制する化合物を含有する皮膚バリアー機能回復促進剤及び皮膚バリアー機能回復促進活性を有する物質のスクリーニング方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞内サイクリックAMP(cAMP)の活性又は産生を抑制する化合物を含有する皮膚バリアー機能回復促進剤及び皮膚バリアー機能回復促進活性を有する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の皮膚疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、接触性皮膚炎等に見られる肌荒れ症状においては、皮膚からの水分の消失が、健常な皮膚に比べて盛んであることが知られている。このいわゆる経皮水分蒸散量(TEWL)の増加には、皮膚内において水分の保持やバリアーとしての機能を担っていると考えられる成分の減少が関与しているものと考えられてきた。
【0003】
従来、皮膚疾患や肌荒れに対して改善・予防効果を有する有効成分として、水分保持機能や皮膚バリアー機能を担う皮膚内成分を皮膚に補充するという観点から、NMF(Natural Moisturizing Factor)としてのアミノ酸や、角質細胞間脂質としての脂質類、その他ヒアルロン酸等のムコ多糖あるいはこれらの類似物質が、安全性も高いことから、化粧料や皮膚外用剤に配合されている。
【0004】
また、最近では、皮膚バリアー機能を担う皮膚内成分の生合成を活性化させるような特定の物質が、肌荒れに対して改善効果を有するという報告もなされている(特開平9−2952号公報)。
【0005】
肌荒れ改善・予防効果を有する物質については多くの研究がなされてきたが、皮膚バリアー機能の改善若しくは回復効果を有する物質についての研究は十分ではなく、皮膚バリアー機能に対する改善効果と肌荒れ改善・予防効果との関係は明らかになっていないため、肌荒れ改善・予防効果がある物質が必ずしも皮膚バリアー機能に対する改善効果があるとは限らない。
【0006】
一方、皮膚バリアー機能が低下すると、皮膚の皮膚機能が低下し、皮膚増殖性異常等が起こることが報告されている。特に、高齢者の場合は、低下した皮膚バリアー機能の回復には長い時間がかかり、加齢に伴う皮膚の皮膚機能の低下による皮膚増殖性異常等を防止するために有効な新規の皮膚バリアー機能回復促進剤に開発が要望されていた。
【0007】
ところで、哺乳動物の皮膚細胞表層にも、神経細胞表層において認められる各種神経細胞受容体と同等のものが存在することが近年見出されている(Genever,et.al. The Journal of Investigative Dermatology (1999), Vol.112, pp.337−341)。神経細胞の化学的シナプスにおける情報伝達を担う神経細胞におけるこのような興奮性受容体及び抑制性受容体の作用機序についてはかなり解明されるに至っているが、皮膚細胞におけるそれらの働きについてはほとんど研究されていなかった。
【0008】
本発明者は以前に興奮性細胞受容体のアンタゴニスト又は抑制性細胞受容体のアゴニストが皮膚バリアー機能回復促進に有効であることを見出し、かかるアンタゴニスト又はアゴニストを含有する皮膚バリアー機能回復促進剤に関する特許出願も提出されている(特願2002−119361)。興奮性細胞受容体のアンタゴニスト又は抑制性細胞受容体のアゴニストは細胞のイオンチャネルの開閉を担い、細胞内塩素イオンの流入や細胞外へのカルシウム、ナトリウムイオンの流出が皮膚バリアー機能の回復に関与するものと考えられている。
【0009】
神経細胞内のシグナル分子の活性化の引き金の一つと考えられている代謝型受容体も細胞のイオンチャネルの開閉に関与する(脳神経の科学I(岩波書店)1998)。代謝型受容体は細胞質側でGTP結合タンパク質(Gタンパク質)と連携しており、Gタンパク質連携受容体とも呼ばれる。Gタンパク質はα、β、γのサブユニットから成り、リガンド(例えばこの受容体がβ−アドレナリン受容体なら、アドレナリン)が受容体に結合するとαサブユニットと結合していたGDPがGTPに置換されて分離し、この分離したα−GTPがアデニル酸シクラーゼを活性化し、その結果cAMPが産生される。cAMPはイオンチャネルに作用し、細胞内へのCa2+の流入を引き起こし、細胞内Ca2+のレベルを上昇させる。
【非特許文献1】
Genever, et.al. The Journal of Investigative Dermatology (1999), Vol.112, pp.337−341
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、cAMPが細胞内Ca2+のレベルを上昇させる働きを有することから、cAMPの活性や産生の抑制が皮膚バリアー機能の回復、促進につながり、新たな機構に基づく皮膚バリアー機能回復促進剤の開発が可能であるかを検討した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
その結果、本発明者は、細胞内cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物が皮膚バリアー機能回復促進に有効であることを見出した。
【0012】
従って、本発明は、第一の態様において、細胞内cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物を含有することを特徴とする、皮膚バリアー機能回復促進剤を提供する。
【0013】
好ましくは、この細胞内cAMPの活性を抑制する化合物はcAMPアンタゴニストである。このcAMPアンタゴニストは例えばcAMP Rp((R)−アデノシン,サイクリック3′,5′−(ハイドロジェンホスホロチオエート)トリエチルアンモニウム)であってよい。
【0014】
前記cAMPの産生を抑制する化合物はメラトニン受容体、ドーパミン受容体2、3及び4型、セロトニン受容体5−HT1、ムスカリン受容体2及び4型、カンナビノイド受容体、代謝型グルタミン酸受容体2及び3型並びにオピオイド受容体から成る群から選ばれるGタンパク質連携受容体のアゴニストであってもよい。
【0015】
好ましくは、前記アゴニストはメラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)、ブロモクリプチン((5′α)−2−ブロモ−12′−ヒドロキシ−2′−(1−メチルエチル)−5′−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3′,6′−18−トリオンメシレート)、(−)−キンピロール塩酸塩((4aR−trans)−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩)、(+)−PD128907((S)−(+)−(4aR,10bR)−3,4,4a,10b−テトラヒドロ−4−プロピル−2H,5H−[1]ベンゾピラノ−[4,3−b]−1,4−オキサジン−9−オール)、PD168077(N−(メチル−4−(2−シアノフェニル)ピペラジニル−3−メチルベンズアミド)、(R)−(+)−8−ヒドロキシDPAT((2R)−(+)−8−ヒドロキシ−2−(ジ−n−プロピルアミノ)テトラリン)、8−ヒドロキシPIPAT((RS)−trans−8−ヒドロキシ−2−[N−n−プロピル−N−(3′−ヨード−2′プロペニル)アミノ]テトラリン)、MDL73005EF(8−[2−(1,4−ベンゾジオキサン−2−イルメチルアミノ)エチル]−8−アザスピロ[4,5]デカン−7,9−ジオン)、BP−554(1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]−4−フェニル−ピペラジン)、5−カルボキシアミドトリプタミン、アセクリジン、オキソトレモリン、ACEA(アラキドニル−2′−クロロエチルアミドN−(2−クロロエチル)−5Z,8Z,11Z,14Z−エイコサテトラエナミド)、ACPA(アラキドニルシクロプロピルアミドN−(シクロプロピル)−5Z,8Z,11Z,14Z−エイコサテトラエナミド)、CP55940((−)−cis−3−[2−ヒドロキシ−4−(1,1−ジメチルヘプチル)フェニル]−trans−4−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサノール)、HU210((6aR)−trans−3−(1,1−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール)、DCG−IV((2S,2′R,3′R)−2−(2′,3′−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン)、L−CCG−I((2S,1′S,2′S)−2−(カルボキシシクロプロピル)グリシン、L−AP4(L−(+)−2−アミノ−4−ホスホノ酪酸)、(S)−3,4−DCPG((S)−3,4−ジカルボキシフェニルグリシン)、エンドモルフィン、DAMGO([D−Ala NMe−Phe ,Gly−ol ]−エンケファリンDAGO)、SNC80((+)−4−[(αR)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル]−N,N−ジエチルベンズアミド)、U−50488(trans−(±)−3,4−ジクロロ−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゼンアセトアミド)、SB205607(2−メチル−4aa−(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,3,4,4a,5,12,12aα−オクタヒドロキノリノ[2,3,3−g]イソキノリン)、BRL−52537((±)−1−(3,4−ジクロロフェニル)アセチル−2−(1−ピロリジニル)メチルピペリジン)から成る群から選ばれる。
【0016】
さらには、前記cAMPの産生を抑制する化合物はドーパミン受容体1及び5型、セロトニン受容体5−HT4及び5−HT7、アドレナリン受容体β型から成る群から選ばれるGタンパク質連携受容体のアンタゴニストであってもよい。
【0017】
好ましくは、前記アンタゴニストは
SCH23390((R)−(+)−7−クロロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン)、CY208−243((−)−(6aR,12bR)−4,6,6a,7,8,12b−ヘキサヒドロ−7−メチルインドロ[4,3−a]フェナンスリジン)、GR113808(1−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸,[1−[2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル]−4−ピペリジニル]メチルエステル)、RS39604(1−[4−アミノ−5−クロロ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)メチルオキシ]−3−[1−[2−メチルスルホニルアミノ]エチル]ピペリジン−4−イル]プロパン−1−オン)、RS23597−190(3−(ピペリジン−1−イル)プロピル4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシベンゾエート)、SB203186(1−ピペリジニルエチル−1H−インドール−3−カルボン酸)、ピモジド、ICI−118,551((±)−1−[2,3−(ジヒドロ−7−メチル−1H−インデン−4−イル)オキシ]−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−ブタノール)、ベタキソロール、から成る群から選ばれる。
【0018】
第二の態様において、本発明は皮膚バリアー機能回復活促進化合物をスクリーニングする方法であって、皮膚バリアー機能回復活促進化合物の候補となる化合物を哺乳動物細胞に作用させ、しかる後に当該細胞内cAMP濃度を測定し、当該細胞内cAMP濃度を低下させる化合物を皮膚バリアー機能回復活促進化合物として選定することを含んで成る方法を提供する。
【0019】
第三の態様において、本発明は肌改善方法であって、皮膚に細胞内cAMPの産生を抑制する化合物を含有する皮膚外用剤を塗布して皮膚バリアー機能を回復促進させることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
cAMP(サイクリックアデノシン3’,5’−一リン酸;環状AMP)はアドレナリンやグルカゴンなどの血糖上昇ホルモンがグリコーゲンホスホリラーゼの活性化に作用する際の媒介因子として働き、また種々の外界情報を標的細胞内に伝達するメッセンジャーを担う。副腎皮質刺激ホルモン、黄体形成ホルモン等各種ホルモンやプロスタグランジン等の生理活性物質がcAMPを増加させる。cAMPは、生体内では膜に局在するアデニル酸シクラーゼによってATPから合成される。冒頭においても述べたとおり、細胞表層上のGタンパク質連携受容体もcAMPの生産に関与する。即ち、その受容体のリガンドが受容体に結合するとG−タンパク質を構成するαサブユニットと結合していたGDPがGTPに置換されて分離し、この分離したα−GTPがアデニル酸シクラーゼを活性化し、その結果cAMPが産生される。cAMPはイオンチャネルに作用し、細胞内へのCa2+の流入を引き起こし、細胞内Ca2+のレベルを上昇させる。尚、cAMPはプロテインキナーゼAを活性化し、プロテインキナーゼAがイオンチャネルに作用もする。AMPはホスホジエステラーゼによって5’−AMPへと分解される。
【0021】
本発明は、細胞内cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物が皮膚バリアー機能回復促進に有効であることの発見に基づくものである。
【0022】
細胞内cAMPの活性を抑制するアンタゴニストには以下の化合物が挙げられる:cAMP Rp((R)−アデノシン,サイクリック3′,5′−(ハイドロジェンホスホロチオエート)トリエチルアンモニウム),9−シクロペンチルアデニン、2′,5′−ジデオキシアデノシン、2′,5′−ジデオキシアデノシン3′−ジホスフェート、2,5′−ジデオキシアデノシン3′−モノホスフェート、MDL−12,330A塩酸塩、SQ22,536他。
【0023】
Gタンパク質連携受容体には、cAMPの産生を抑制する受容体(Gi/Goタンパク質活性化、アデニル酸シクラーゼ活性化型受容体)と、cAMPの産生を促進する受容体(Gqタンパク質活性化、アデニル酸シクラーゼ活性化型受容体)とがある。
【0024】
本発明において細胞内cAMPの産生を効果的に抑制する化合物には、(1)cAMPの産生を抑制する受容体のアゴニスト及び(2)cAMPの産生を促進する受容体のアンタゴニストが挙げられる。(1)のアゴニストは対応の受容体に結合することで受容体を活性化し、ひいてはカルシウムイオンの細胞内流入を抑え、その結果cAMPの産生を抑える働きを有する。他方、(2)のアンタゴニストは、対応の受容体に結合するなどしてその受容体の活性化を抑え、cAMPの産生を結果として抑える働きを有する。
【0025】
cAMPの産生を抑制する受容体の例には、メラトニン受容体;ドーパミン受容体2、3及び4型;セロトニン受容体5−HT1;ムスカリン受容体2及び4型;カンナビノイド受容体;代謝型グルタミン酸受容体2及び3型;並びにオピオイド受容体等がある。そして、これらの受容体のアゴニスト、即ちこれらの受容体に結合し、その結果cAMPの産生を抑制する働きを有するアゴニストには以下の化合物が挙げられる:
【0026】
・メラトニン受容体のアゴニスト:メラトニン;
・ドーパミン受容体2、3及び4型のアゴニスト:ブロモクリプチン、−)−キンピロール塩酸塩、(+)−PD128907、PD168077;
・セロトニン受容体5−HT1のアゴニスト:(R)−(+)−8−ヒドロキシDPAT、8−ヒドロキシPIPAT、MDL73005EF、BP−554、5−カルボキシアミドトリプタミン;
・ムスカリン受容体2及び4型のアゴニスト:アセクリジン、オキソトレモリン;
・カンナビノイド受容体のアゴニスト:ACEA、ACPA、CP55940、HU210、
・代謝型グルタミン酸受容体2及び3型のアゴニスト:DCG−IV、L−CCG−I、L−AP4、(S)−3,4−DCPG;
・オピオイド受容体のアゴニスト:エンドモルフィン、DAMGO、SNC80、U−50488、SB205607、BRL−52537
【0027】
cAMPの産生を促進する受容体の例にはドーパミン受容体1及び5型、セロトニン受容体5−HT4及び5−HT7、アドレナリン受容体β型が挙げられる。そして、これらの受容体のアンタゴニスト、即ちこれらの受容体に結合等し、その結果cAMPの産生を抑制する働きを有するアンタゴニストには以下の化合物が挙げられる:
【0028】
・ドーパミン受容体1及び5型受容体のアンタゴニスト:SCH23390、CY208−243;、
・セロトニン受容体5−HT4及び5−HT7受容体のアンタゴニスト:GR113808、RS39604、RS23597−190、SB203186、ピモジド;
・アドレナリン受容体β型のアンタゴニスト:ICI−118,551、ベタキソロール
【0029】
本発明は、上記Gタンパク質連携受容体、そのアンタゴニスト又はアゴニストに限定されず、その他のGタンパク質連携受容体、そのアンタゴニスト又はアゴニスト、並びに将来その存在が見出されるGタンパク質連携受容体、そのアンタゴニスト又はアゴニストにも及ぶものと理解されるべきである。
【0030】
皮膚バリアー機能回復促進効果試験
本発明において、皮膚バリアー機能回復促進効果は様々な方法で評価することができ、例えば、哺乳動物(例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ等)の皮膚にテープストリッピングを施すことによって破壊された皮膚バリアー機能がもとの状態へ回復していく過程を経皮水分蒸散量(TEWL)を指標として評価することにより、定量的又は定性的に測定することができる。かかる測定は、例えば下記の通りにして実施することができる。
【0031】
1.水分蒸散量測定装置によりヘアレスマウス背部付近の経皮水分蒸散量(TEWL)を測定する。この際の値をTEWLの回復率100%とする。
2.皮膚のバリアーを、セロファンテープ等を使用し、ヘアレスマウスの表皮角層を剥がすことにより破壊する。このときTEWLの値が約800〜900となるまでこの作業を繰り返すのが好ましい。角層を剥がした後の測定値から角層を剥がす前の測定値を差し引いた値を、最もダメージの深い状態、即ち回復率0%とする。
3.試験試料を適宜の濃度(例えば1mM)で適量(例えば100μl)にて適当な基材、例えばプラスチックラップの上に載せ、哺乳動物の背部に貼付し、適当な時間(例えば5分)経過後、それを剥がす。
4.適当な時間(例えば0、2、4、6時間)経過後、水分蒸散量測定装置によりTEWLを測定する。角層除去時と同様、各時間の測定値から角層除去前のTEWL値を差し引き、回復率を算出する。
即ち、回復率は下記の式に従いもとめることができる:
【数1】
Figure 2004175687
【0032】
本発明において、「皮膚バリアー機能の回復を促進する」とは、皮膚のテープストリッピング直後の経皮水分蒸散量(TEWL)の値を0%、テープストリッピング前の値を100%として、各測定時間におけるTEWLの値が、コントロールと比較した場合に明らかに有意差が認められ、TEWL回復率を促進させる効果を有することを意味し、Andrewらの方法(J Invest Dermatol,86;598,1986)に従って、4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液をしみ込ませたCotton ballにより皮膚を処理して判定を行ういわゆる肌荒れ改善防止効果とは異なる。
【0033】
皮膚厚み測定試験
皮膚バリアー機能回復促進効果は皮膚の厚みの測定に基づき行なうこともできる。皮膚に乾燥刺激を与えると皮膚組織が損傷して皮膚バリアー機能が低下し、その結果表皮細胞の増殖異常により皮膚の厚みが増大する。従って、皮膚のバリアー機能の低下は皮膚の厚みの組織学的観察により測定することができる。かかる組織学的観察は、例えば次のようにして実施してよい。哺乳動物、好ましくはヘアレスマウスを乾燥条件、例えば室温、湿度10%以下の環境にて前もって飼育し、TEWLが所望の程度、例えば2.5〜3.5mg/cm/h程度になるまでアセトンを用いて皮膚のバリアーを破壊する。次に、被験物質をその処置皮膚に滴下し、しかる後に上記環境下にて適当な時間飼育して乾燥刺激を与えた後、処置した部分の皮膚を採取し、そしてその皮膚試料を染色等して顕微鏡観察により表皮の厚みを計測する。
【0034】
本発明に係るcAMPの活性又はその産生を抑制する化合物は皮膚バリアー機能を回復促進させることで、乾燥刺激により惹起される表皮増殖異常を有意に抑制し、さらには皮膚の厚みを減少させることさえもできる。
【0035】
スクリーニング方法
皮膚バリアー機能回復促進化合物をスクリーニングする方法は、cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物の候補となる化合物を選定し、当該化合物を哺乳動物の皮膚に塗布して当該皮膚の経皮水分蒸散量を減少させる化合物を選定することにより実施できる。
【0036】
このようにして選定されたcAMPの活性又はその産生を抑制する化合物の候補となる化合物を上述の皮膚バリアー機能回復促進効果試験にかけ、経皮水分蒸散量を減少させる化合物又は乾燥刺激を受けた当該皮膚の厚みを減少させるもしくはその増大を抑制する化合物を選定することにより、cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物をスクリーニングすることができる。
【0037】
本発明の皮膚バリアー機能回復促進化合物、即ち、cAMPの活性又はその産生を抑制する化合物は、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等の化粧料、医薬品、医薬部外品に配合されて、好ましくは皮膚外用剤として皮膚に適用することが出来る。その配合量は特に制限がないが、これらの基剤全量に基づき0.001mM〜1M、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mM程度であろう。
【0038】
【実施例】
皮膚バリアー機能回復促進効果試験方法
以降の各実験において、皮膚バリアー機能回復促進効果は、ヘアレスマウス(Type HR−1, HOSHINO, Japan)の皮膚にテープストリッピングを施すことによって破壊された皮膚バリアー機能がもとの状態へ回復していく過程を経皮水分蒸散量(TEWL)を指標とし、以下の通り評価した。
【0039】
1.水分蒸散量測定装置MEECO(Meeco社製, Warrington, PA, USA)によりヘアレスマウス背部付近の経皮水分蒸散量(TEWL)を測定する。この際の値をTEWLの回復率100%とする。
【0040】
2.皮膚のバリアーを、セロファンテープを使用し、ヘアレスマウスの表皮角層を剥がすことにより破壊する。このときTEWLの値が約800〜900となるまでこの作業を繰り返す。角層を剥がした後の測定値から角層を剥がす前の測定値を差し引いた値を、最もダメージの深い状態、即ち回復率0%とする。
【0041】
3.試験試料を100μlにてプラスチックラップの上に載せ、背部に貼付し、5分後、それを剥がす。
【0042】
4.0、2、4、6又は0、1、3、6時間経過後、MEECOによりTEWLを測定する。角層除去時と同様、各時間の測定値から角層除去前のTEWL値を差し引き、回復率をもとめる。
即ち、回復率は下記の式に従い算出する:
【数2】
Figure 2004175687
【0043】
実施例1
cAMPと皮膚バリアー機能回復との関係の検討
実験1
フォルスコリンはアデニル酸シクラーゼの触媒ユニットを直接活性化して細胞内cAMP濃度を上昇させる働きを有することが知られている。
フォルスコリン(トクリス社)の水溶液(1mM)を上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図1に示す。対照として、水のみを塗布した試験(コントロール)及びフォルスコリンとカルシウムチャネル阻害剤、ベラパミル(トクリス社)との混合水溶液を塗布した試験(フォルスコリン+ベラパミル)(各1mM)の結果も示す。
【0044】
コントロールの結果との比較により明らかな通り、フォルスコリンの塗布により皮膚バリアーの機能回復は阻害された。また、このフォルスコリンのバリアー機能回復阻害効果はベラパミルにより中和されることがわかる。ベラパミルはカルシウムチャネルを阻害して細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑える働きがある。従って、フォルスコリンによる皮膚バリアー機能の回復の阻害は、cAMPの産生の上昇に伴う細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を誘導するフォルスコリンの作用によるものと示唆された。
【0045】
実験2
次に、cAMPの活性を抑制するcAMPアンタゴニスト(cAMPRp)
(トクリス社)(1mM)の水溶液を上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図2に示す。対照として、水のみを塗布した試験(コントロール)及びフォルスコリン(1mM)を塗布した試験(フォルスコリン)の結果も示す。
コントロールやフォルスコリンの結果との比較により明らかなとおり、cAMPアンタゴニストを塗布すると皮膚のバリアー機能回復は有意に促進された。実験1の結果を合わせると、cAMPの活性を抑制して細胞内へのカルシウムイオンの流入を抑えることで、皮膚のバリアー機能の回復を有意に促進させることができることが明らかとなった。従って、cAMPの活性を抑制すれば、皮膚バリアー機能の回復を促進させることができることがわかる。
【0046】
実験3
cAMPの活性の抑制による皮膚バリアー機能の回復促進を組織学的観察により確認した。
詳しくは、ヘアレスマウスを温度22〜25℃、湿度10%以下の環境にて前もって飼育し、TEWLが2.5〜3.5mg/cm/hになるまでアセトンを用いてヘアレスマウス背部皮膚のバリアーを破壊し、次いでcAMPアンタゴニストCAMPRp(1mM)の水溶液を200μl皮膚に滴下し、しかる後に上記環境下にて48時間飼育して乾燥刺激を与えた後、処置した部分の皮膚を採取した。4%のパラフォルムアルデヒドで固定後、パラフィン包埋し、4μmの切片にし、ヘマトキシリン−エオシン染色し、顕微鏡観察した。その結果を図3(A)に示す。コントロールとして、アセトン処理の後、水のみを塗布した実験も行った(B)。
【0047】
図中、白い層状の部分が脂質層である。脂質層は角質層の主要構成成分であり、皮膚バリアー機能を司る(Ellias P. M. et al, Skin Pharmacol. Appl. SkinPhysiol. 14: S28−34, 2001)。コントロールと比べ、cAMPアンタゴニストで処置した場合の方が明らかに脂質層の増大が認められることから、cAMPアンタゴニスト処置により皮膚バリアー機能が回復することが組織学的観察によっても明らかにされた。
【0048】
実施例2
cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体と皮膚バリアー機能との関係の検討
実験1
cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体であるメラトニン受容体及びセロトニン受容体5−HT1のそれぞれのアゴニスト、メラトニン(トクリス社)(1mM)及びセロトニン5−HT1(トクリス社)(1mM)の水溶液をそれぞれ上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図4に示す。対照として、水のみを塗布した試験(コントロール)の結果も示す。
【0049】
コントロールの結果との比較により明らかな通り、メラトニン又はセロトニン5−HT1の塗布により皮膚バリアーの機能回復は有意に促進された。
【0050】
実験2
cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体であるドーパミン受容体2,3型のアゴニスト、ブロモクリプチン(トクリス社)(10μM)及びこの受容体のアンタゴニスト、L−741,626(トクリス社)(1mM)の水溶液をそれぞれ上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図5に示す。対照として、エタノールのみを塗布した試験の結果(1%又は10%EtOH)も示す。
【0051】
エタノールの結果との比較により明らかな通り、ドーパミン受容体2型のアゴニスト、ブロモクリプチンの塗布により皮膚バリアーの機能回復は有意に促進されるが(A)、アンタゴニスト、L−741,626の塗布では皮膚バリアーの機能回復は阻害された(B)。
【0052】
実験3
cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体である代謝型グルタミン酸受容体のアゴニスト、L−CCG−1(トクリス社)(10μM)、並びにこの受容体のアンタゴニスト、EGLU(トクリス社)(10μM)及びMCPG(トクリス社)(10μM)をそれぞれ上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図6に示す。対照として、水のみを塗布した試験(コントロール)の結果も示す。
【0053】
コントロールの結果との比較により明らかな通り、代謝型グルタミン酸受容体のアゴニスト、L−CCG−1の塗布により皮膚バリアーの機能回復は促進されるが、アンタゴニスト、EGLU及びMCPGの塗布ではコントロールの結果と有意差がなく、皮膚バリアーの機能回復促進は認められなかった。
【0054】
実験1〜3の結果から、cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体のアゴニストが皮膚バリアーの機能の回復促進効果を有することが明らかである。
【0055】
実施例3
cAMPの産生を促進するGタンパク質連携受容体と皮膚バリアー機能との関係の検討
cAMPの産生を促進するGタンパク質連携受容体であるドーパミン受容体1,5型のアンタゴニスト、SCH23390(トクリス社)(1mM)及びこの受容体のアゴニスト、SKF38393(トクリス社)(1mM)の水溶液をそれぞれ上記試験方法に記載の通りにしてヘアレスマウスの表皮に塗布し、TEWL試験を行った。その結果を図7に示す。対照として、水のみを塗布した試験(水)及びエタノールのみを塗布した試験(EtOH)の結果も示す。
水やエタノールの結果との比較により明らかな通り、ドーパミン受容体1,5型のアンタゴニスト、SCH23390の塗布により皮膚バリアーの機能回復は有意に促進されるが、アゴニスト、SKF38393の塗布では皮膚バリアーの機能回復は阻害された。
【0056】
この結果から、cAMPの産生を促進するGタンパク質連携受容体のアンタゴニストが皮膚バリアーの機能の回復促進効果を有することが明らかである。
【0057】
実施例4
皮膚厚み測定試験
前述の通り、皮膚に乾燥刺激を与えると皮膚組織が損傷して皮膚バリアー機能が低下し、その結果表皮増殖異常により皮膚の厚みが増大する。従って、ドーパミン受容体2,3型のアゴニスト、ブロモクリプチン(トクリス社)(1mM)及びこの受容体のアンタゴニスト、L−741,626(トクリス社)(1mM)の水溶液の皮膚の厚みに対する効果を組織学的観察した。
【0058】
ヘアレスマウスを温度22〜25℃、湿度10%以下の環境にて前もって飼育した。TEWLが2.5〜3.5mg/cm/hになるまでアセトンを用いてヘアレスマウス背部皮膚のバリアーを破壊した。次いでブロモクリプチン(B.C)の水溶液、L−741,626(L)の水溶液をそれぞれ200μl皮膚に滴下し、しかる後に上記環境下にて48時間飼育して乾燥刺激を与えた後、処置した部分の皮膚を採取した。対照として、未処置(コントロール)、水のみを塗布(水)、ブロモクリプチンとL−741,626との混合水溶液(各1mM)を塗布(L+B.C.)する実験も行った。パラフォルムアルデヒドで固定後、パラフィン包埋し、4μmの切片にし、ヘマトキシリン−エオシン染色し、顕微鏡にて表皮の厚みを計測した。その結果を図8に示す。
【0059】
水やドーパミン受容体2,3型のアンタゴニストL−741,626(L)で処置すると、未処置の場合(コントロール)と比べ、皮膚の厚みが有意に増大し、乾燥刺激により惹起される表皮増殖異常が有意に促進された。そして、この受容体のアゴニスト、ブロモクリプチンで処置した場合(B.C.)では、皮膚の厚みは未処置の場合(コントロール)との差がほとんどなく(有意差なし)、乾燥刺激を受けた皮膚のバリアー機能の回復が促進されているのが明らかにされた。また、アゴニスト(ブロモクリプチン)にアンタゴニスト(L−741,626)を混合すると皮膚の厚みは水を塗布した場合と同程度にまで増大し(L+B.C.)、アゴニストによる表皮増殖異常抑制効果が解消されてしまうこともわかる。
【0060】
【発明の効果】
以上の結果から、cAMPの活性又は生産を抑制することで皮膚バリアー機能の回復を促進させることができ、またcAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体のアゴニスト及びcAMPの産生を促進するGタンパク質連携受容体のアンタゴニストが皮膚バリアー機能の回復促進に有効であることが明らかにされた。本願発明に従うと、新規且つ有効な皮膚バリアー機能回復促進剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォルスコリンと皮膚バリアー機能との関係。
【図2】cAMPアンタゴニストと皮膚バリアー機能回復との関係。
【図3】cAMPアンタゴニストが皮膚バリアー機能の回復を促進することを示す、図面に代わる組織学的観察写真。(A)はcAMPアンタゴニストで処理した場合、(B)はコントロールである。
【図4】cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体のアゴニスト、メラトニン(A)及び5−HT1A(B)が皮膚バリアー機能の回復を促進することを示す図。
【図5】cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体(ドーパミン受容体2,3型)のアゴニスト、ブロモクリプチンが皮膚バリアー機能の回復を促進し(A)、この受容体のアンタゴニスト、L−741,626が皮膚バリアー機能の回復を遅延させる(B)ことを示す図。
【図6】cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体(代謝型グルタミン酸受容体)のアゴニスト、C−CCG−1が皮膚バリアー機能の回復を促進し、この受容体のアンタゴニスト、EGLU及びMCPGが皮膚バリアー機能の回復を遅延させることを示す図。
【図7】cAMPの産生を促進するGタンパク質連携受容体(ドーパミン受容体1,5型)のアンタゴニスト、SCH23390が皮膚バリアー機能の回復を促進し、この受容体のアゴニスト、SKF38393が皮膚バリアー機能の回復を遅延させることを示す図。
【図8】cAMPの産生を抑制するGタンパク質連携受容体(ドーパミン受容体2,3型)のアゴニスト及びアンタゴニストと乾燥刺激を与えた皮膚の厚みとの関係。

Claims (9)

  1. 細胞内サイクリックAMP(cAMP)の活性又はその産生を抑制する化合物を含有することを特徴とする、皮膚バリアー機能回復促進剤。
  2. 細胞内cAMPの活性を抑制する化合物がcAMPアンタゴニストである、請求項1記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  3. 前記cAMPアンタゴニストがcAMP Rp((R)−アデノシン,サイクリック3′,5′−(ハイドロジェンホスホロチオエート)トリエチルアンモニウム)である、請求項2記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  4. 細胞内cAMPの産生を抑制する化合物がメラトニン受容体、ドーパミン受容体2、3及び4型、セロトニン受容体5−HT1、ムスカリン受容体2及び4型、カンナビノイド受容体、代謝型グルタミン酸受容体2及び3型並びにオピオイド受容体から成る群から選ばれるGタンパク質連携受容体のアゴニストである、請求項1記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  5. 前記アゴニストがメラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)、ブロモクリプチン((5′α)−2−ブロモ−12′−ヒドロキシ−2′−(1−メチルエチル)−5′−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3′,6′−18−トリオンメシレート)、(−)−キンピロール塩酸塩((4aR−trans)−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩)、(+)−PD128907((S)−(+)−(4aR,10bR)−3,4,4a,10b−テトラヒドロ−4−プロピル−2H,5H−[1]ベンゾピラノ−[4,3−b]−1,4−オキサジン−9−オール)、PD168077(N−(メチル−4−(2−シアノフェニル)ピペラジニル−3−メチルベンズアミド)、(R)−(+)−8−ヒドロキシDPAT((2R)−(+)−8−ヒドロキシ−2−(ジ−n−プロピルアミノ)テトラリン)、8−ヒドロキシPIPAT((RS)−trans−8−ヒドロキシ−2−[N−n−プロピル−N−(3′−ヨード−2′プロペニル)アミノ]テトラリン)、MDL73005EF(8−[2−(1,4−ベンゾジオキサン−2−イルメチルアミノ)エチル]−8−アザスピロ[4,5]デカン−7,9−ジオン)、BP−554(1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]−4−フェニル−ピペラジン)、5−カルボキシアミドトリプタミン、アセクリジン、オキソトレモリン、ACEA(アラキドニル−2′−クロロエチルアミドN−(2−クロロエチル)−5Z,8Z,11Z,14Z−エイコサテトラエナミド)、ACPA(アラキドニルシクロプロピルアミドN−(シクロプロピル)−5Z,8Z,11Z,14Z−エイコサテトラエナミド)、CP55940((−)−cis−3−[2−ヒドロキシ−4−(1,1−ジメチルヘプチル)フェニル]−trans−4−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサノール)、HU210((6aR)−trans−3−(1,1−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール)、DCG−IV((2S,2′R,3′R)−2−(2′,3′−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン)、L−CCG−I((2S,1′S,2′S)−2−(カルボキシシクロプロピル)グリシン、L−AP4(L−(+)−2−アミノ−4−ホスホノ酪酸)、(S)−3,4−DCPG((S)−3,4−ジカルボキシフェニルグリシン)、エンドモルフィン、DAMGO([D−Ala NMe−Phe ,Gly−ol ]−エンケファリンDAGO)、SNC80((+)−4−[(αR)−α−((2S,5R)−4−アリル−2,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−3−メトキシベンジル]−N,N−ジエチルベンズアミド)、U−50488(trans−(±)−3,4−ジクロロ−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゼンアセトアミド)、SB205607(2−メチル−4aa−(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,3,4,4a,5,12,12aα−オクタヒドロキノリノ[2,3,3−g]イソキノリン)、BRL−52537((±)−1−(3,4−ジクロロフェニル)アセチル−2−(1−ピロリジニル)メチルピペリジン)
    から成る群から選ばれる、請求項4記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  6. 細胞内cAMPの産生を抑制する化合物がドーパミン受容体1及び5型、セロトニン受容体5−HT4及び5−HT7、アドレナリン受容体β型から成る群から選ばれるGタンパク質連携受容体のアンタゴニストである、請求項1記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  7. 前記アンタゴニストが
    SCH23390((R)−(+)−7−クロロ−8−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン)、CY208−243((−)−(6aR,12bR)−4,6,6a,7,8,12b−ヘキサヒドロ−7−メチルインドロ[4,3−a]フェナンスリジン)、GR113808(1−メチル−1H−インドール−3−カルボン酸,[1−[2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル]−4−ピペリジニル]メチルエステル)、RS39604(1−[4−アミノ−5−クロロ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)メチルオキシ]−3−[1−[2−メチルスルホニルアミノ]エチル]ピペリジン−4−イル]プロパン−1−オン)、RS23597−190(3−(ピペリジン−1−イル)プロピル4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシベンゾエート)、SB203186(1−ピペリジニルエチル−1H−インドール−3−カルボン酸)、ピモジド、ICI−118,551((±)−1−[2,3−(ジヒドロ−7−メチル−1H−インデン−4−イル)オキシ]−3−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−ブタノール)、ベタキソロール、から成る群から選ばれる、請求項4記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
  8. 皮膚バリアー機能回復活促進化合物をスクリーニングする方法であって、皮膚バリアー機能回復活促進化合物の候補となる化合物を哺乳動物細胞に作用させ、しかる後に当該細胞内cAMP濃度を測定し、当該細胞内cAMP濃度を低下させる化合物を皮膚バリアー機能回復活促進化合物として選定することを含んで成る方法。
  9. 肌改善方法であって、皮膚に細胞内cAMPの産生を抑制する化合物を含有する皮膚外用剤を塗布して皮膚バリアー機能を回復促進させることを特徴とする、方法。
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