【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム引き布等を用いて構成したインフレータブルボートに関し、特に船底をシート材とエアーマットにより構成し、且つ船体を構成する左右両気胴間に気室からなるスォートを架設して成るインフレータブルボートの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のインフレータブルホート、即ち、ゴム引き布等を用いて構成するゴムボートは、川下り、遊戯用、釣り用、救助用等、多くのものが開発されている。
その中で、ゴムボートと同様に簡素な気室構造を持ちながら船足が良く、走行に伸びのあるインフレータブルボートのカヌータイプが提案されている（意匠登録８８６６９５号）。
【０００３】
図１１にて示すように、インフレータブルボートの基本構造を継承するインフレータブルボートのカヌー仕様（以下インフレータブルカヌーと称する）は、船体１００を構成する左右一対の気胴１０１を比較的狭い間隔をおいて平行状に配設してある。略円柱形に膨張する両気胴１０１の両端部には、先細状に成りつつ上方へ反り上がる船首気室１０１ａと船尾気室１０１ｂとを設け、左右気室の気室先端部同士を接合してある。
左右の気胴１０１間に形成される底面側開口部には、ゴム引き布等からなる底シート１０２と、その上に敷設するエアーマット状の底気室１０３を設けて船体の船底部１０４を構成している。
また、上記左右両気胴１０１の中央と船尾とには、抗力材と背当てとを兼ねる略円柱状のスォート１０５ａ，１０５ｂを架設してある。
【０００４】
この従来例のインフレータブルカヌーに用いたスォート１０５ａ，１０５ｂは、ゴム引き布を略円柱形状に形成して成るために強度が強く、左右両気胴１０１の間に挟み込み、端面を両気胴１０１の内側部に取り付け固定して両気胴１０１の間を連結することにより抗力材として機能し、船体の強度と剛性を高めるように機能する。また、このスォートは漕ぎ座の背当てとしても機能する。
【０００５】
【特許文献１】
特願２００１−２４２９６号
【０００６】
上記した特許文献１にはインフレータブルカヌーの気胴間に略円柱形のスォートを着脱可能に装着する構造が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上記したように構成した従来のインフレータブルカヌーは、気胴１０１と船首気室１０１ａ，船尾気室１０１ｂの底面開口を一枚の底シート１０２により被覆してある。また、同底シート１０２の上にエアーマット状の底気室１０３を敷設し、その左右両側部を両気胴１０１と上記底シート１０２の隙間に軽く挟み込むと共に、両気胴１０５ａ，１０５ｂにより上記した如く船内底部に敷設した底気室１０３を上方から押圧することにより同底気室１０３を位置決めしていた。
【０００８】
しかし、上記したように構成したインフレータブルカヌーの底気室１０３は通常の使用には支障なく定置された状態を保つ。しかし、渓流下り等流れがきつい状態での使用、または搭乗者がパドリングをしている際に足や尻との接触により水平方向、特に艇の長さ方向に加わるスラスト力により底気室１０３が底シート１０２の上を前後方向に滑って移動してしまうことがあった。
【０００９】
本発明の課題は、上記したように気胴及び船首気室、船尾気室の底部開口をシート材により被覆すると共に、そのシート材の上にエアーマットと同様な構造の底気室を敷設してボートの底部を構成し、左右両気胴間にスォートを架設して成るインフレータブルボートに関し、上記底気室（エアーマット）の移動を効果的に防止し得る構造を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明のインフレータブルボートは船体を構成する左右一対の気胴を有する。これらの気胴は、両端部同士を船首側及び船尾側において接続し、ボートの船体となるフレームを構成する。上記したように気胴からなるフレームの底部開口は、例えばゴム引き布やウレタンタ−ポリン等のシート材を貼設して被覆する。また、船内における上記シート材の上にはエアーマットを敷設し、上記シート材と同エアーマットによりボートの底部を構成している。
左右両気胴の間にはスォートを架設し、船内底面のエアーマット上に定置してある。上記エアーマットにおけるスォートの定置部には船体の全幅方向へ伸びる嵌合凹部を形成してある。この嵌合凹部に上記した如く装着したスォートの下部を嵌合し、この嵌合関係による引っ掛かりを利用してエアーマットがボート全長方向へスライド移動することを抑止する。
尚、請求項２及び請求項３記載のインフレータブルボートの説明は後述する発明の実施形態の欄で合わせて説明する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図１乃至４図に基づいて説明する。
図１，図２は、本発明のインフレータブルボートのカヌー仕様であり、（以下インフレータブルカヌーと称する）
このインフレータブルカヌーＡは、船体の左右両側に沿ってゴム引き布やウレタンターポリン等のシート材からなる断面略円形の気胴１を配設してある。左右の両気胴１は、搭乗者が座ることのできる幅を確保して２本平行状に配置してある。上記両気胴１の船首側及び船尾側の両端部には、船首気室１ａ及び船尾気室１ｂを接続し、船体の骨格となるフレームを構成してある。
【００１２】
船首気室１ａ及び船尾気室１ｂは、気胴１端部の接続部ｂから各々先細状になりつつ上方へ反り上がるように形成してある。左右一対となる船首気室１ａ及び船尾気室１ｂの先端部同士は、接続気室１ｃを介して各々一体的に接続してある。即ち、上記カヌーＡは、左右両気胴１が略水平に着水し、且つ、左右両気胴１の端部に接続した左右両船首気室１ａと、左右船尾気室１ｂとが喫水線から上方へ反り上がるように構成してある。
【００１３】
上記した左右両気胴１、船首気室１ａ及び船尾気室１ｂによって囲まれるように形成される外周フレームの底面開口部は、ゴム引き布等から成る底シート２にて全面的に被覆してある。
また、上記したように底シート２を被覆したフレームの内部には、気室内に吊り布を並列状に内設して成るエアーマット３を内装し、その外周縁部を両気胴１と上記底シート２との間に挿入して、左右両側部を嵌め込む形で装着してある（図１，図２）。
即ち、上記インフレータブルカヌーＡの底部ａは底シート２とエアーマット３とから構成されることになる。また、上記エアーマット３は気胴１と略同じ長さを有し、船内の底シート２の上に敷設した状態にて同エアーマット３の前端より船首側、及び後端側より船尾側の底面には底シート２が露呈する状態となる。
【００１４】
左右両気胴１の略中央と船尾側部位との間には抗力材及び漕座の背当てとして機能する２個のスォート４ａ，４ｂを架設し、これら両スォート４ａ，４ｂと左右両気胴１，船首気室１ａ，船尾気室１ｂとによりフレームを構成してある。
尚、上記したインフレータブルカヌーＡは、前部のスォート４ａと後部のスォート４ｂに背をもたれかけた状態で１人若しくは２人で搭乗するように構成してある。上記インフレータブルカヌーＡは図１において左側が船首となる。また、上記インフレータブルカヌーは、船首側の気胴１間に上記したスォート４ａ，４ｂと同様なスォートを架設してもよい。
【００１５】
上記したように、船内中央と船尾側とに設けたスォート４ａ，４ｂは全く同様に構成してある。よって、スォート４ａに基づいて両スォートの構造を説明する。
スォート４ａは図４乃至図７にて示すように、ゴム引き布等からなるシート材４１を略長方形に裁断する。このシート材４１は中央部４４から２枚折りにして短辺４２の接着代４２ａと左右両側の接着代４３とを適宜幅に形成する。
そして、シート材４１の片半部内面接着代の周囲３辺沿って断面Ｖ形に折ったＶテープ９ａ，９ｂ，９ｂ’（気密テープ）の片側の接着面を接着する。
Ｖテープ９ａ，９ｂ，９ｂ’は折曲部を外側へ向けた状態にて２枚に重ね合わせたシート材４１周囲３辺の接着代の内側からの剥がれを防止する。
上記したスォート４ａの上部一側にはバルブ４５を取り付け、同バルブ４５から空気の注入と排出を行なうように構成してある。尚、上記したスォート４ａは接着代４２ａが下に、そしてシート材４１の中央部４４が上になる状態で両気胴１間に装着する。
【００１６】
上記したように構成したスォート４ａは、左右両側の接着代４３の後面中央部に保持シート５１を貼着すると共に、スォート４ａの左右両側の前面部位に密着シート５２を貼着してある。上記したスォート４ａは、左右両気胴１間の所定部位に架設する如く装着し、上記した保持シート５１，接着代４３，密着シート５２を左右両気胴１の内側部１ｄに接着することにより、両気胴１に対して取り付け固定してある（図６，図７）。また、エアーマット３は、空気を抜いた状態にて、上記した如く左右両気胴１間に装着したスォート４ａ，４ｂの下部と船内底面を被覆する底シート材２との間に挿通する形で装着し、位置決めした後に気室を膨張させて装着する。
【００１７】
ところで、上記した如く船内の底面に敷設するエアーマット３は、底シート材２の定位置に敷設した状態において後部のスォート４ｂの下部が当接する位置に合わせて嵌合凹部６を形成してある。
エアーマット３に形成する嵌合凹部６は、上記した後部のスォート４ｂの下部を嵌合せしめることにより、同エアーマット３が前後方向へ移動することを防止するものであり、ゴム引き布を帯状に裁断して成る吊り布７を利用する。
吊り布７は２枚の帯状ゴム引き布７ａ，７ｂを重ね合わせ、その範囲内を略長方形状に縫製することにより構成してある図１０。上記した如く構成した吊り布７は、エアーマット３後部のスォート４ｂ下部が当接する位置の気室内面間に接着する。この際、吊り布７の上側のゴム引き布７ａをエアーマット３の気室上面に接着し、同吊り布７の下側のゴム引き布７ｂを同エアーマット３の気室下面に接着する。この際、上記吊り布７はエアーマット３の幅方向へ伸びるように貼着する（図４）。
【００１８】
勿論このように吊り布７を設置する位置において、エアーマット３の気室内に設ける各吊り布３ｃは、上記嵌合凹部６形成用の吊り布７を設置する範囲において切欠しておき、エアーマット３の吊り布３ｃと上記吊り布７とが干渉しないように構成してある（図５）。
【００１９】
上記したようにエアーマット３内部に設けた吊り布７は、同エアーマット３を膨張させた際に気室上面と気室下面との間を付着したような状態に保ち、これにより、エアーマット上面と下面とに嵌合凹部６が形成される。勿論、嵌合凹部として機能するのはエアーマット３上面側の凹部である。
また、上記した嵌合凹部６は、後部スォート４ｂの下部の円周面と略形状一致するように設定するとよい。
そして、スォート４ｂの下に収縮したエアーマット３を挿通して位置合わせし、その後、エアーマット最後部に設けたバルブ３ａから空気を入れてエアーマット３を膨張した際にスォート４ｂの下部がエアーマット３後部上面に凹設した嵌合凹部６内に形状一致した状態にて嵌合する（図５）。
【００２０】
また、図４にて示すように、上記したエアーマット３内部を幅方向へ横断するように設けた吊り布７は、エアーマット３内の左右両側の気室両端部に至る前で止めてあり、その外側に通気部３ｂを形成してある。この通気部３ｂを介してエアーマット３の気室は１気室となり、該気室内の空気が前後に移動できるように構成してある。
したがって、エアーマット３の最後部、すなわち吊り布７よりも後方にある気室が急に圧縮された場合などは、同気室内の空気が上記通気部３ｂを通過して吊り布７前方の気室へ移動し、最後部の気室を構成するシートに負担をかけないように構成してある。
また、上記したエアーマット３は気室を１気室として構成し、且つ１個のバルブ３ａ設けて構成してあるので、製造が容易であり、且つ部品点数も低減できるので製造コストの点で有利である。
【００２１】
図３にて示すように、前方のスォート４ａは、エアーマット３の中間部に定置され、同エアーマット３を上方から押圧するように設置されている。即ち、上記した如く構成したインフレータブルカヌーＡにあっては、底部ａを構成するエアーマット３が前後２個のスォート４ａ，４ｂにより上方から押し付けられて底シート２上にて保持される。これにより、走行中に受ける負荷でエアーマット３が上下に跳ねる動きを抑えることができる。また、後方のスォート４ｂの下部がエアーマット３後部の嵌合凹部６に嵌合することで前後方向に引っ掛かりが生じ、これにより走行中にエアーマット３が前後に移動してしまうような不具合を効果的に防止するとができる。
尚、上記実施例のインフレータブルカヌーＡは１個のスォート４ｂの下部をエアーマット３に形成した嵌合凹部６に嵌合することでエアーマット３の移動を防止した。しかし、本発明の主旨によれば、図９にて示すように、前後両方のスォート４ａ，４ｂの下部をエアーマット３に設けた嵌合凹部６，６’にそれぞれ嵌合することにより、嵌合による引っ掛かりを強くしてエアーマット３の移動防止力をさらに強めることもできる。
【００２２】
上記した実施例は、インフレータブルボートにおけるカヌー仕様であるが、本発明はインフレータブルボートであれば、どのような仕様のものに用いてもよい。
また、上記実施例のインフレータブルカヌーにおいては、変形枕形のスォート４ａ，４ｂを用いたが、スォートの形態はこれに限定するものではなく、略円柱状や略枕形のスォート等、気室からなるスォートで抗力材として、また背当てとして機能するものであれば既存のどのような形状のスォートを用いてもよい。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインフレータブルボートは、エアーマットにおけるスォートの定置部にボート幅方向へ伸びる嵌合凹部を形成し、左右両気胴間に架設したスォートの下面部を同嵌合凹部に嵌合し、この嵌合関係により引っ掛かりを作り、外部からスライド方向の負荷を受けた際にエアーマットがボート全長方向にスライド移動してしまうことを効果的に抑止できるものである。
よって、流れがきつい川下りや、搭乗者が激しくパドリングをしている際に足や尻等との接触により生じるボート全長方向に加わるスラスト力により、底シートのシート材の上に敷設したエアーマットが同シートの上を滑って移動してしまう不具合を防止することができる。
【００２４】
請求項２記載のインフレータブルボートは、上記請求項１記載のインフレータブルボートにあって、エアーマット上の少なくとも１箇所に嵌合凹部を形成してスォートの下部を嵌合装着すると共に、その他のエアーマット上に定置するスォートは、同エアーマットの上面に定置して押圧する状態で装着するように構成したものである。
したがって、上記した如く嵌合凹部に嵌合したスォートはその嵌合関係によりスォートの移動を抑止すると共に、その他のエアーマット上に装着して定置したスォートの押圧力によりエアーマットの浮き上がりやスラスト力を抑圧することができる。さらに、スォートに設ける嵌合凹部も１箇所に形成するだけで機能するので、製造時の手間も低減することができる。
【００２５】
請求項３記載のインフレータブルボートは、請求項１又は２記載のインフレータブルボートに関する。これに用いるエアーマットは、嵌合凹部を設ける位置にエアーマット幅方向へ伸びる吊り布を設置して嵌合凹部を構成してある。
したがって、吊り布の高さや構造、使用本数の組み合わせを変更することにより、嵌合相手となるスォートの下部形状に対応することができ、良好な嵌合状態を維持することが可能となる。
また、上記エアーットの端部には、通気部を形成して同吊り布を挟んでエアーマット内の空気の流通を可能に成したものである。よって、搭乗者の体重移動や走行中に受ける外力によりエアーマットに強い押圧力が加わった際にも上記した通気部を通過して空気が流通するので、上記したようにエアーマットに嵌合凹部を形成することによりエアーマット内部の流路が狭くなってもエアーマットを構成するシート材に無理な負荷をかけることを回避できる。
また、上記した通気部によりエアーマットを一つの気室から構成でき、さらに吸排気用のバルブも１個設けるだけで済むので、製造コストの低減を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を実施したインフレータブルカヌーを示す斜視図。
【図２】同カヌーの平面図。
【図３】同カヌーの縦断側面図。
【図４】同カヌーの船尾側のスォート部を示す縦断面図。
【図５】同カヌーのスォート部を示す縦断側面図。
【図６】スォートを示す斜視図。
【図７】気胴とスォートを示す斜視図。
【図８】スォートを装着し、エアーマットを装着する状態を示す斜視図。
【図９】２個の嵌合凹部を有するインフレータブルカヌーを示す縦断側面図。
【図１０】（ａ）は帯状のゴム引き布同士を重ね合わせる状態を示す斜視図、（ｂ）は重ね合わせた帯状ゴム引き布同士を縫製して吊り布を構成した状態を示す斜視図。
【図１１】従来のインフレータブルカヌーを示す平面図。
【符号の説明】
Ａ・・・インフレータブルカヌー
ａ・・・底部
１・・・気胴
２・・・底シート
３・・・エアーマット
３ｂ・・・通気部
４ａ，４ｂ・・・スォート
６・・・嵌合凹部
７・・・吊り布
４１・・・シート材
４２・・・短辺
４２ａ・・・接着代（短辺側）
４３・・・接着代
４４・・・中央部
５１・・・保持シート
５２・・・密着シート[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an inflatable boat using a rubberized cloth or the like, and more particularly to an inflatable boat in which the bottom of the boat is made of a sheet material and an air mat, and a suite consisting of an air chamber is erected between right and left cylinders of the hull. Improvement of inflatable boats.
[0002]
[Prior art]
Many conventional inflatable boats, that is, rubber boats formed using a rubberized cloth or the like, have been developed, such as for going down a river, playing games, fishing, and rescuing.
Among them, a canoe type of an inflatable boat that has a simple air chamber structure like a rubber boat, has a good limb, and extends in traveling has been proposed (Design Registration No. 886695).
[0003]
As shown in FIG. 11, in a canoe specification of an inflatable boat that inherits the basic structure of an inflatable boat (hereinafter, referred to as an inflatable canoe), a pair of left and right cylinders 101 constituting a hull 100 are arranged in parallel at relatively small intervals. It is arranged in a shape. At both ends of the two cylinders 101, which expand into a substantially cylindrical shape, a bow air chamber 101a and a stern air chamber 101b which are tapered upward and warp upward are provided, and the front ends of the left and right air chambers are joined. It is.
A bottom sheet 102 made of a rubberized cloth or the like and an air mat-shaped bottom air chamber 103 laid thereon are provided in a bottom side opening formed between the left and right air cylinders 101 to form a bottom 104 of the hull. Make up.
At the center of the left and right cylinders 101 and at the stern, substantially columnar slits 105a and 105b serving as a drag member and a backrest are provided.
[0004]
The inflatable canes 105a and 105b used in the conventional inflatable canoe are formed by forming a rubberized cloth into a substantially cylindrical shape, so that the strength is high. It functions as a drag material by being attached and fixed to the inner side and connecting the two cylinders 101, and functions to increase the strength and rigidity of the hull. This squat also acts as a backrest for the row seat.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application No. 2001-24296 [0006]
The above-mentioned Patent Document 1 discloses a structure in which a substantially cylindrical soot is detachably mounted between the air cylinders of an inflatable canoe.
[Problems to be solved by the invention]
[0007]
In the conventional inflatable canoe configured as described above, the bottom openings of the cylinder 101, the bow air chamber 101a, and the stern air chamber 101b are covered with a single bottom sheet 102. Further, an air mat-shaped bottom air chamber 103 is laid on the same bottom sheet 102, and both right and left sides thereof are lightly sandwiched in a gap between the both cylinders 101 and the bottom sheet 102. As described above, the bottom air chamber 103 laid on the bottom of the ship is pressed from above to position the bottom air chamber 103.
[0008]
However, the bottom air chamber 103 of the inflatable canoe configured as described above remains stationary without any trouble in normal use. However, the bottom air chamber 103 may be used due to thrust force applied in the horizontal direction, particularly in the length direction of the boat due to contact with the feet and buttocks when the occupant is paddling or when the flow is tight, such as going down a mountain stream. In some cases, the user slipped on the bottom sheet 102 in the front-rear direction and moved.
[0009]
An object of the present invention is to cover the bottom opening of the air trunk, bow air chamber, and stern air chamber with a sheet material as described above, and to lay a bottom air chamber having the same structure as an air mat on the sheet material. It is an object of the present invention to provide a structure capable of effectively preventing the movement of the bottom air chamber (air mat) with respect to an inflatable boat having a bottom portion of a boat and a strait laid between right and left air cylinders.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The inflatable boat according to the present invention has a pair of left and right air cylinders forming a hull. Both ends of these cylinders are connected to each other on the bow side and the stern side, and constitute a frame which is a hull of the boat. As described above, the bottom opening of the frame made of the air cylinder is covered with a sheet material such as a rubberized cloth or urethane tarpaulin. An air mat is laid on the sheet material in the ship, and the bottom of the boat is constituted by the sheet material and the air mat.
A suite is installed between the left and right cylinders, and is fixed on an air mat on the bottom of the ship. A fitting recess extending in the entire width direction of the hull is formed in a fixed portion of the squat in the air mat. The lower portion of the seat mounted as described above is fitted into the fitting recess, and the air mat is prevented from sliding in the full length direction of the boat by using the catch due to the fitting relationship.
The description of the inflatable boat according to the second and third aspects will be described together in the section of the embodiment of the invention described later.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
1 and 2 show a canoe specification of an inflatable boat according to the present invention (hereinafter referred to as an inflatable canoe).
In the inflatable canoe A, an air cylinder 1 having a substantially circular cross section made of a sheet material such as a rubberized cloth or urethane tarpaulin is disposed along both left and right sides of the hull. The two left and right cylinders 1 are arranged in parallel with a sufficient width to allow a passenger to sit thereon. A bow air chamber 1a and a stern air chamber 1b are connected to both ends of the both-cylinder 1 on the bow side and the stern side, respectively, to form a frame serving as a hull skeleton.
[0012]
The bow air chamber 1a and the stern air chamber 1b are formed so as to be upwardly warped upward while being tapered from the connection portion b at the end of the cylinder 1 respectively. The distal ends of the pair of left and right bow air chambers 1a and stern air chambers 1b are integrally connected via connection air chambers 1c. In other words, in the canoe A, the left and right bows 1a and the left and right sterns 1b connected to the ends of the left and right cylinders 1 and the left and right stern air chambers 1b are substantially parallel to each other. It is configured to warp upward.
[0013]
The bottom opening of the outer peripheral frame formed so as to be surrounded by the left and right cylinders 1, the bow air chamber 1a and the stern air chamber 1b is entirely covered with a bottom sheet 2 made of a rubberized cloth or the like. is there.
Further, inside the frame covered with the bottom sheet 2 as described above, an air mat 3 in which hanging cloths are provided in parallel in the air chamber is provided. It is inserted so as to be inserted between the bottom sheet 2 and both right and left sides (FIGS. 1 and 2).
That is, the bottom a of the inflatable canoe A is constituted by the bottom sheet 2 and the air mat 3. Further, the air mat 3 has substantially the same length as the air cylinder 1, and is laid on the bottom sheet 2 in the ship, with the air mat 3 on the bow side from the front end and on the stern side from the rear end side. The bottom sheet 2 is exposed on the bottom surface.
[0014]
Two squats 4a, 4b functioning as a drag material and a backrest for a row seat are erected between substantially the center of the left and right cylinders 1 and the stern side portion, and the two squats 4a, 4b and the left and right cylinders are provided. 1, a bow air chamber 1a and a stern air chamber 1b constitute a frame.
The inflatable canoe A described above is configured so that one or two people can ride with the back on the front and back sides of the suit 4a and the suit 4b. The left side of the inflatable canoe A in FIG. 1 is the bow. Further, in the inflatable canoe, a squat similar to the squats 4a and 4b may be provided between the bow-side cylinders 1.
[0015]
As described above, the slots 4a and 4b provided at the center and the stern side of the ship have exactly the same configuration. Therefore, the structure of both squats will be described based on the squats 4a.
As shown in FIGS. 4 to 7, the suite 4a cuts a sheet material 41 made of a rubberized cloth or the like into a substantially rectangular shape. The sheet material 41 is folded in two from the central portion 44, and an adhesive margin 42a on the short side 42 and an adhesive margin 43 on both left and right sides are formed to have appropriate widths.
Then, the adhesive surface on one side of the V tapes 9a, 9b, 9b '(airtight tape) folded into a V-shaped cross section along the three sides around the inner surface of the one half portion of the sheet material 41 is adhered.
The V tapes 9a, 9b, 9b 'prevent the three sides of the sheet material 41 from being peeled off from the inside of the adhesion allowance at the three sides with the bent portions facing outward.
A valve 45 is mounted on one side of the upper part of the above-mentioned suit 4a, and air is injected and discharged from the valve 45. The above-mentioned squat 4a is mounted between the two cylinders 1 with the bonding margin 42a facing down and the central portion 44 of the sheet material 41 facing up.
[0016]
In the soot 4a configured as described above, the holding sheet 51 is attached to the center of the rear surface of the bonding margin 43 on both the left and right sides, and the close contact sheet 52 is attached to the front portions on both the left and right sides of the suite 4a. The above-mentioned suit 4a is mounted so as to be installed at a predetermined position between the left and right cylinders 1 and is bonded to the inner portion 1d of the left and right cylinders 1 with the holding sheet 51, the bonding margin 43, and the close contact sheet 52. It is attached and fixed to both cylinders 1 (FIGS. 6 and 7). The air mat 3 is inserted between the lower portions of the suites 4a and 4b mounted between the left and right cylinders 1 and the bottom sheet material 2 covering the bottom surface of the ship in a state where the air is released, as described above. The air chamber is inflated and mounted after positioning and positioning.
[0017]
By the way, as described above, the air mat 3 laid on the bottom surface in the ship has the fitting concave portion 6 formed at a position where the lower portion of the rear seat 4b abuts on the bottom sheet material 2 in a fixed position. .
The fitting concave portion 6 formed in the air mat 3 is for preventing the air mat 3 from moving in the front-rear direction by fitting the lower portion of the above-mentioned rear slit 4b into a fitting shape. Is used.
The hanging cloth 7 is formed by superposing two belt-like rubberized cloths 7a and 7b, and sewing the area in a substantially rectangular shape in FIG. The hanging cloth 7 configured as described above is bonded between the air chamber surfaces at a position where the lower part of the suite 4b at the rear of the air mat 3 contacts. At this time, the upper rubberized cloth 7a of the hanging cloth 7 is bonded to the upper surface of the air chamber of the air mat 3, and the lower rubberized cloth 7b of the hanging cloth 7 is bonded to the lower surface of the air chamber of the air mat 3. At this time, the hanging cloth 7 is attached so as to extend in the width direction of the air mat 3 (FIG. 4).
[0018]
Of course, at the position where the hanging cloth 7 is installed, each hanging cloth 3c provided in the air chamber of the air mat 3 is cut out in a range where the hanging cloth 7 for forming the fitting concave portion 6 is installed, and the air mat is provided. The hanging cloth 3c of No. 3 does not interfere with the hanging cloth 7 (FIG. 5).
[0019]
As described above, the hanging cloth 7 provided inside the air mat 3 keeps a state where the upper surface of the air chamber and the lower surface of the air chamber adhere to each other when the air mat 3 is inflated. Fitting recesses 6 are formed on the upper and lower surfaces. Of course, the concave portion on the upper surface side of the air mat 3 functions as the fitting concave portion.
Further, the fitting recess 6 described above may be set so as to substantially conform to the circumferential surface of the lower portion of the rear portion 4b.
Then, the contracted air mat 3 is inserted and positioned below the squat 4b, and then the air mat 3 is inflated by injecting air from a valve 3a provided at the rear end of the squat 4b. The mat 3 is fitted into the fitting recess 6 recessed on the upper surface of the rear portion of the mat 3 in a state where the shape matches the fitting recess 6 (FIG. 5).
[0020]
As shown in FIG. 4, the hanging cloth 7 provided so as to cross the inside of the air mat 3 in the width direction is stopped before reaching the air chamber 3 on both the left and right sides. A ventilation part 3b is formed on the outside thereof. The air chamber of the air mat 3 becomes one air chamber through the ventilation part 3b, and the air in the air chamber can move back and forth.
Therefore, when the rear end of the air mat 3, that is, the air chamber behind the hanging cloth 7 is suddenly compressed, the air in the same air chamber passes through the ventilation section 3b and the air in front of the hanging cloth 7 is compressed. It moves so as not to burden the seats that make up the rearmost air chamber.
In addition, since the air mat 3 is configured such that the air chamber is configured as one air chamber and provided with one valve 3a, the manufacturing is easy and the number of parts can be reduced, so that the manufacturing cost is reduced. It is advantageous.
[0021]
As shown in FIG. 3, the front slat 4a is fixed at an intermediate portion of the air mat 3 and is installed so as to press the air mat 3 from above. That is, in the inflatable canoe A configured as described above, the air mat 3 forming the bottom a is pressed from above by the two front and rear slots 4a, 4b and held on the bottom sheet 2. Thereby, the movement of the air mat 3 bouncing up and down due to the load received during traveling can be suppressed. Further, the lower portion of the rear seat 4b is fitted into the fitting recess 6 at the rear of the air mat 3 so that the air mat 3 is caught in the front-rear direction, thereby causing the air mat 3 to move back and forth during traveling. It can be effectively prevented.
In the inflatable canoe A of the above embodiment, the lower portion of one of the slots 4b was fitted into the fitting recess 6 formed in the air mat 3 to prevent the movement of the air mat 3. However, according to the gist of the present invention, as shown in FIG. 9, the lower portions of the front and rear slots 4 a and 4 b are respectively fitted into the fitting concave portions 6 and 6 ′ provided in the air mat 3, so that the fitting is performed. It is possible to further enhance the prevention of the movement of the air mat 3 by strengthening the catch due to the joint.
[0022]
The above-described embodiment is a canoe specification for an inflatable boat, but the present invention may be used for any specification of an inflatable boat.
Further, in the inflatable canoe of the above embodiment, the deformed pillow-shaped soots 4a and 4b are used. However, the form of the swath is not limited to this, and a substantially columnar or substantially pillow-shaped soot or the like is used. Any existing shape may be used as long as it functions as a drag material and as a backrest.
[0023]
【The invention's effect】
As described above, the inflatable boat according to the present invention has a fitting recess extending in the boat width direction in the fixed portion of the swim in the air mat, and has a lower surface portion of the suit installed between the left and right cylinders, and has the same fitting recess. The air mat can be effectively prevented from sliding along the entire length of the boat when a load is applied from the outside in the sliding direction.
Therefore, the air mat laid on the sheet material of the bottom sheet due to the thrust force applied in the full length of the boat caused by the contact with feet and buttocks etc. when the flow is tight down the river or when the passenger is paddling violently Can be prevented from sliding on the sheet.
[0024]
The inflatable boat according to claim 2 is the inflatable boat according to claim 1, wherein a fitting recess is formed in at least one place on the air mat, and a lower portion of the suit is fitted and mounted, and the other air mat is provided. The soot to be fixed on the upper side is configured to be fixedly mounted on the upper surface of the air mat and pressed.
Therefore, the mat fitted to the mating recess as described above suppresses the movement of the mat due to the mating relationship, and the lift or thrust force of the air mat is increased by the pressing force of the mat mounted and fixed on the other air mat. Can be suppressed. Furthermore, since the fitting recess provided in the skirt functions only by forming it in one place, the labor at the time of manufacturing can be reduced.
[0025]
The inflatable boat according to claim 3 relates to the inflatable boat according to claim 1 or 2. The air mat used for this purpose has a fitting recess formed by installing a hanging cloth extending in the width direction of the air mat at a position where the fitting recess is provided.
Therefore, by changing the combination of the height, the structure, and the number of used hanging cloths, it is possible to cope with the lower shape of the mat as the mating partner, and it is possible to maintain a good fitting state.
A vent is formed at an end of the air mat so that air in the air mat can flow through the hanging cloth. Therefore, even when a strong pressing force is applied to the air mat due to a weight shift of the occupant or an external force received during traveling, the air flows through the ventilation section described above, so that the recess is fitted to the air mat as described above. By forming, it is possible to avoid applying an unreasonable load to the sheet material constituting the air mat even if the flow path inside the air mat becomes narrow.
In addition, the air mat can be constituted by one air chamber by the above-mentioned ventilation portion, and only one valve for intake and exhaust is required, so that the manufacturing cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an inflatable canoe embodying the present invention.
FIG. 2 is a plan view of the canoe.
FIG. 3 is a vertical side view of the canoe.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view showing a stern side squat portion of the canoe.
FIG. 5 is a longitudinal side view showing a squat portion of the canoe.
FIG. 6 is a perspective view showing a slat.
FIG. 7 is a perspective view showing a cylinder and a slat.
FIG. 8 is a perspective view showing a state in which a suit is mounted and an air mat is mounted.
FIG. 9 is a longitudinal sectional side view showing an inflatable canoe having two fitting concave portions.
10A is a perspective view showing a state in which belt-shaped rubberized cloths are overlapped with each other, and FIG. 10B is a perspective view showing a state in which the banded rubberized cloths are sewn together to form a hanging cloth.
FIG. 11 is a plan view showing a conventional inflatable canoe.
[Explanation of symbols]
A ... inflatable canoe a ... bottom 1 ... cylinder 2 ... bottom sheet 3 ... air mat 3b ... ventilation parts 4a, 4b ... suite 6 ... fitting recess 7 ... Suspended cloth 41 ... Sheet material 42 ... Short side 42a ... Adhesive margin (short side)
43 ... adhesion allowance 44 ... central part 51 ... holding sheet 52 ... adhesion sheet
