JP2004173877A - 排煙口のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】配煙ダクト11の短管12と排煙口本体13の隙間Sを簡単かつ効率的にシールすることができるシール構造を提供する。
【解決手段】排煙ダクト11から下方に延び、下端が開口している短管12と、その短管内に隙間Sをあけて挿入される、上端が開口している筒状の排煙口本体13と、上端が前記排煙口本体13の上部外面に固定され、下部が下方に垂れて短管12と排煙口本体13との間に介在される柔軟性を備えた耐熱性のシート15とからなるシール構造10。耐熱性のシート15は、炭素繊維の織布から構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】排煙ダクト11から下方に延び、下端が開口している短管12と、その短管内に隙間Sをあけて挿入される、上端が開口している筒状の排煙口本体13と、上端が前記排煙口本体13の上部外面に固定され、下部が下方に垂れて短管12と排煙口本体13との間に介在される柔軟性を備えた耐熱性のシート15とからなるシール構造10。耐熱性のシート15は、炭素繊維の織布から構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排煙口のシール構造に関する。さらに詳しくは、排煙ダクトから下方に延びる短管の内面と、その短管内に下側から挿入される排煙ダンパなどの排煙口本体の外面との間の隙間をシールする構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】新・排煙設備技術指針(財団法人日本建築センター1987年版 平成7年4月20日第7刷発行)第67頁
【0003】
従来の建物の天井に取り付ける排煙設備は、たとえば図4に示すように、コンクリートスラブ101に吊り下げ金具102で吊り下げられた排煙ダクト103と、その排煙ダクトの下面から下方に突出する短管104と、その短管に挿入され、短管104の内面の吊り金具に固定される排煙口105とから構成されている。排煙口105は、筒状の排煙口本体106と、その排煙口本体106の下端開口107を開閉するダンパ108あるいはスリットなどの開閉機構とからなる。排煙ダクト103および排煙口本体106は断面矩形状である。
【0004】
このような排煙設備100は、部屋109に火災が発生したとき、排煙ダンパ108を手動開放装置により開き、リミットスイッチの信号により排煙ダクト103の延長された末端に設置された排煙ファンを作動させることにより部屋の煙を排出し、部屋の中の人が避難する間、煙による被害から保護するためのものである。複数の排煙口を持つダクトでは、所定風量を確保するため、排煙ダクト103と短管104の隙間はシリコーンシーラントなどのシール材112でシールし、排煙口本体106のフランジ110と天井ボード111の間には、ウレタンパッキンなどのシール部材113を介在させてシールして、部屋の中の排煙を効率的に行うようにしている。
【0005】
他方、短管104と排煙口本体106の間の隙間114は、排煙口本体106の水平方向の位置調整が必要であるので、一般的に10〜20mm程度であり、天井目地合わせや施工精度によるばらつきも大きい。そのため、たとえば短管104の下端を天井ボード111の開口115から下方に延ばし、その下端をシール部材113に当接させてシールしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしシール部材113は排煙口本体106と天井ボード111との間のシールであり、短管104の長さにばらつきがあるため、短管104とシール部材113の間でのシールは充分でない。また、このようにすると、天井ボード111の開口115がかなり大きくなる。そこで本発明者は、短管104内に排煙口105を取り付けた後、短管104の上面から排煙口本体106の上端縁の間を、耐熱性があるアルミ箔のテープ(図4の想像線116参照)で目貼りすることによりシールすることを見出した。この方法によれば、天井裏から隙間114を通って矢印Pのように空気が吸い込まれることをかなり防止することができる。なお、この目貼りについては、前述の非特許文献1には記載されていない。
【0007】
ところがアルミ箔のテープ116で目貼りする場合、短管104の上端縁4辺と短管内面の4面を目貼りするので、手間がかかる。さらにダンパ108を開いた状態で下側から行う天井面での作業となるので、いっそう厄介である。また、短管104の下端外面と天井ボード111との間にアルミ箔のテープでシールすることも考えられるが、この方法も手間がかかると同時に美観上の問題がある。本発明は前記従来の排煙設備における配管ダクトの短管104と排煙口本体106の隙間を簡単かつ効率的にシールすることができるシール構造を提供することを技術課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の排煙口のシール構造(請求項1)は、排煙ダクトから下方に延び、下端が開口している短管と、その短管内に隙間をあけて挿入される上端が開口している筒状の排煙口本体と、上端が前記排煙口本体の上部外面に固定され、下部が下方に垂れて短管と排煙口本体との間に介在される柔軟性を備えた耐熱性のシートとからなることを特徴としている。このようなシール構造においては、前記耐熱性のシートが、炭素繊維の織布から構成するのが好ましい(請求項2)。
【0009】
【作用および発明の効果】
本発明の排煙口のシール構造(請求項1)では、通常の状態では耐熱性のシートは排煙口本体の外面に沿って垂れ下がっている。そのため、シートと短管の間には隙間があいている。しかし一旦火災が生じて排煙ダクトのファンが作動し、排煙ダクト内に空気が吸引され始めると、前記隙間を通る空気の流れによってその部位の静圧が下がり、シートの表裏面の圧力差により、シートが短管の内面側に当接する。そしてその後は排煙ダクト側の負圧および天井裏側の正圧によってシートが短管の内面に押しつけられる。そのため、隙間がシールされ、空気の吸い込みを防ぐことができる。
【0010】
上記のようにこのシール構造では、シートを排煙口本体の外側に取り付けているので、シートの取り付け作業は排煙口の取り付け前にあらかじめ行っておくことができ、その状態で排煙口を短管内に装着することができる。そのため、取り付け作業が簡単であり、天井内作業も不要である。
【0011】
前記シートを炭素繊維の織布ないし不織布から構成する場合(請求項2)は、高温になっても消失することなく柔軟性が維持され、シール効果が維持される。また、軽量であるので、空気の流れによって容易に持ち上がり、隙間を塞ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の排煙口のシール構造を説明する。図1は本発明のシール構造の一実施形態を示す断面図、図2はそのシール構造における排煙口の取り付け前の状態を示す斜視図、図3は図1のシール構造の作用を示す要部拡大断面図である。
【0013】
図1に示す排煙口のシール構造10は、排煙ダクト11から下方に延びる短管12と、その短管内に隙間Sをあけて挿入されて固定される排煙口本体13とを備えている。排煙口本体13の上部外面には、図2に示すように、押さえ板14によって耐熱性のシート15の上端が固定されており、シート15は排煙口本体13の外面に沿って垂れ下がっている。
【0014】
前記排煙ダクト11および短管12は、従来のものと同じものであり、亜鉛メッキ鋼板などの金属板を断面矩形状の筒体に曲げ成形したものである。排煙口本体13は短管12の内部に隙間Sをあけて挿入される断面矩形状の筒体であり、亜鉛メッキ鋼板などの金属板を折り曲げて形成されている。隙間Sは、たとえば5〜10mm程度、とくに5mm程度が好ましい。排煙口本体13の上端は内向きに折り曲げたフランジ16とされている。また排煙口本体13は、短管12の内面に取り付けたブラケット17と前記内向きのフランジ16の間に設けられる吊りボルト18によって、高さ方向の位置を調節できるように短管12に取り付けられている。ただし他の方法で取り付けてもよい。
【0015】
排煙口本体13の下端は外向きに折り曲げたフランジ20とされており、そのフランジ20の外縁は上向きに折り曲げられている。その外向きのフランジ20と天井ボード21との間には、ポリウレタンあるいは耐熱性ゴムなどからなるシール部材22が介在されている。この実施形態では、短管12の下端は天井ボード21の上部に配置されており、短管12の下端はシール部材22に当接されていない。
【0016】
前記排煙口本体13の下端部の開口24は、たとえば軸25で回動自在に支持されるパネル状のダンパ26によって閉じられている。ダンパ26は、たとえばバネ(図示していない)で開く方向(矢印Op方向)に付勢されると共に、拘束機構によって、バネに抗して開口部を閉じる位置に拘束されている。
【0017】
前記拘束機構は、ソレノイドアクチュエータあるいは手動操作のワイヤによって、遠隔操作で、拘束を解除できるように構成している。排煙口本体13、軸25、ダンパ26、バネ、拘束機構などは、従来公知の排煙口27を構成している。なお、ダンパに代えて開閉自在のスリットなどを採用する場合もある。
【0018】
前記シート15は、耐熱性が高く柔軟なもの、たとえば炭素繊維の織布あるいは不織布が用いられる。炭素繊維の織布でシート15を構成する場合、1m2当たりの重量が300〜900g程度のものが用いられる。耐熱性の程度は200〜250℃の熱風に曝した状態で20分以上、変形したり破損せずに耐える程度である。また、シートは空気を透過させにくいもの、たとえば圧力差0.5〜1kPaで透過量が排煙口定格風量の0.5%以下のものが好ましい。炭素繊維の織布に代えて、ガラス繊維、シリカ繊維などの耐熱性が高い鉱物繊維の織布なども採用することができる。
【0019】
シート15を押さえる押さえ板14は金属製の幅が狭い板であり、複数本のネジ28によって排煙口本体13に取り付ける。シート15は排煙口本体13の外面4面にそれぞれ独立した状態で取り付ける。なお、取り付け位置は、排煙口本体13の上下方向の途中に取り付けてもよいが、シート15の長さ(上下寸法)をできるだけ長くしてシール作用を確実にするため、上端に取り付けるのが好ましい。押さえ板14を途中の位置に設ける場合でも、4面の押さえ板14は同じ高さに揃える方が好ましい。
【0020】
上記のように構成されるシール構造10は、通常の状態では図1に示すようにシート15が排煙口本体13の外面に沿って垂れ下がっている。そのため、シート15と短管12の間には隙間S1(図3参照)があいている。しかし一旦火災が生じてダンパ26を開くことにより排煙ダクト11のファンが作動し、排煙ダクト11内に空気が吸引され始める。そのときの風量は、通常は10m/sec程度である。それにより図3の矢印Pのように隙間Sに風が流れ、隙間S1を通る空気の流れによってその部位の静圧が下がり、シート15が短管12の内面側に吸い付けられるようにして当接する。
【0021】
そしてその後は排煙ダクト11側の負圧および天井裏側の正圧によってシート15の下部が持ち上がり、短管12の内面に押しつけられる。そのため、排煙口本体13の外面と短管12の内面の間の隙間Sがシールされ、天井裏からの空気の吸い込みを防ぐことができる。
【0022】
ついで排煙ダクト11内の防火ダンパが閉じるなどして排煙ダクト11の空気の流れがなくなると、前述の圧力差がなくなり、再びシート15が垂れ下がる。火事が消火されて排煙ダクトの作動が停止したときも同様である。したがってその後、メンテナンスをしたり交換するために排煙口本体13を短管12から取り外すときも容易に取り外すことができる。このように上記のシール構造10では、空気の流れが生じてシール作用が必要なときのみシート15が隙間Sを塞ぐシール作用を奏し、不必要なときはシール作用を奏しない。
【0023】
なお、排煙口本体13の角の部分では、シート15同士の間に隙間があるので、この部分から空気が漏れる。しかし4枚のシート15は、それぞれ押さえ板14のすぐ下の位置で短管12の外面に当接するので、シート15同士の隙間はきわめて小さい。そのため漏れ量は排煙口定格風量の0.5%程度であり、ほとんど無視することができる。
【0024】
またこのシール構造10では、シート15を排煙口本体13の外側に取り付けているので、図3のように取り付け前の排煙口本体13の外面に取り付けておくことができ、取り付け作業は容易である。また天井内作業も不要である。さらにシート15を炭素繊維の織布ないし不織布から構成する場合は、高温になっても柔軟性が維持され、シール効果が維持される。また、軽量であるので、空気の流れによって容易に持ち上がり、隙間を塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】そのシール構造における排煙口の取り付け前の状態を示す斜視図である。
【図3】図1のシール構造の作用を示す要部拡大断面図である。
【図4】従来の排煙設備の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 シール構造
11 排煙ダクト
12 短管
S 隙間
13 排煙口本体
14 押さえ板
15 シート
16 フランジ
17 ブラケット
18 吊りボルト
20 フランジ
21 天井ボード
22 シール部材
24 開口
25 軸
26 ダンパ
27 排煙口
28 ネジ
S1 隙間
P 空気の流れ
【発明の属する技術分野】
本発明は排煙口のシール構造に関する。さらに詳しくは、排煙ダクトから下方に延びる短管の内面と、その短管内に下側から挿入される排煙ダンパなどの排煙口本体の外面との間の隙間をシールする構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】新・排煙設備技術指針(財団法人日本建築センター1987年版 平成7年4月20日第7刷発行)第67頁
【0003】
従来の建物の天井に取り付ける排煙設備は、たとえば図4に示すように、コンクリートスラブ101に吊り下げ金具102で吊り下げられた排煙ダクト103と、その排煙ダクトの下面から下方に突出する短管104と、その短管に挿入され、短管104の内面の吊り金具に固定される排煙口105とから構成されている。排煙口105は、筒状の排煙口本体106と、その排煙口本体106の下端開口107を開閉するダンパ108あるいはスリットなどの開閉機構とからなる。排煙ダクト103および排煙口本体106は断面矩形状である。
【0004】
このような排煙設備100は、部屋109に火災が発生したとき、排煙ダンパ108を手動開放装置により開き、リミットスイッチの信号により排煙ダクト103の延長された末端に設置された排煙ファンを作動させることにより部屋の煙を排出し、部屋の中の人が避難する間、煙による被害から保護するためのものである。複数の排煙口を持つダクトでは、所定風量を確保するため、排煙ダクト103と短管104の隙間はシリコーンシーラントなどのシール材112でシールし、排煙口本体106のフランジ110と天井ボード111の間には、ウレタンパッキンなどのシール部材113を介在させてシールして、部屋の中の排煙を効率的に行うようにしている。
【0005】
他方、短管104と排煙口本体106の間の隙間114は、排煙口本体106の水平方向の位置調整が必要であるので、一般的に10〜20mm程度であり、天井目地合わせや施工精度によるばらつきも大きい。そのため、たとえば短管104の下端を天井ボード111の開口115から下方に延ばし、その下端をシール部材113に当接させてシールしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしシール部材113は排煙口本体106と天井ボード111との間のシールであり、短管104の長さにばらつきがあるため、短管104とシール部材113の間でのシールは充分でない。また、このようにすると、天井ボード111の開口115がかなり大きくなる。そこで本発明者は、短管104内に排煙口105を取り付けた後、短管104の上面から排煙口本体106の上端縁の間を、耐熱性があるアルミ箔のテープ(図4の想像線116参照)で目貼りすることによりシールすることを見出した。この方法によれば、天井裏から隙間114を通って矢印Pのように空気が吸い込まれることをかなり防止することができる。なお、この目貼りについては、前述の非特許文献1には記載されていない。
【0007】
ところがアルミ箔のテープ116で目貼りする場合、短管104の上端縁4辺と短管内面の4面を目貼りするので、手間がかかる。さらにダンパ108を開いた状態で下側から行う天井面での作業となるので、いっそう厄介である。また、短管104の下端外面と天井ボード111との間にアルミ箔のテープでシールすることも考えられるが、この方法も手間がかかると同時に美観上の問題がある。本発明は前記従来の排煙設備における配管ダクトの短管104と排煙口本体106の隙間を簡単かつ効率的にシールすることができるシール構造を提供することを技術課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の排煙口のシール構造(請求項1)は、排煙ダクトから下方に延び、下端が開口している短管と、その短管内に隙間をあけて挿入される上端が開口している筒状の排煙口本体と、上端が前記排煙口本体の上部外面に固定され、下部が下方に垂れて短管と排煙口本体との間に介在される柔軟性を備えた耐熱性のシートとからなることを特徴としている。このようなシール構造においては、前記耐熱性のシートが、炭素繊維の織布から構成するのが好ましい(請求項2)。
【0009】
【作用および発明の効果】
本発明の排煙口のシール構造(請求項1)では、通常の状態では耐熱性のシートは排煙口本体の外面に沿って垂れ下がっている。そのため、シートと短管の間には隙間があいている。しかし一旦火災が生じて排煙ダクトのファンが作動し、排煙ダクト内に空気が吸引され始めると、前記隙間を通る空気の流れによってその部位の静圧が下がり、シートの表裏面の圧力差により、シートが短管の内面側に当接する。そしてその後は排煙ダクト側の負圧および天井裏側の正圧によってシートが短管の内面に押しつけられる。そのため、隙間がシールされ、空気の吸い込みを防ぐことができる。
【0010】
上記のようにこのシール構造では、シートを排煙口本体の外側に取り付けているので、シートの取り付け作業は排煙口の取り付け前にあらかじめ行っておくことができ、その状態で排煙口を短管内に装着することができる。そのため、取り付け作業が簡単であり、天井内作業も不要である。
【0011】
前記シートを炭素繊維の織布ないし不織布から構成する場合(請求項2)は、高温になっても消失することなく柔軟性が維持され、シール効果が維持される。また、軽量であるので、空気の流れによって容易に持ち上がり、隙間を塞ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の排煙口のシール構造を説明する。図1は本発明のシール構造の一実施形態を示す断面図、図2はそのシール構造における排煙口の取り付け前の状態を示す斜視図、図3は図1のシール構造の作用を示す要部拡大断面図である。
【0013】
図1に示す排煙口のシール構造10は、排煙ダクト11から下方に延びる短管12と、その短管内に隙間Sをあけて挿入されて固定される排煙口本体13とを備えている。排煙口本体13の上部外面には、図2に示すように、押さえ板14によって耐熱性のシート15の上端が固定されており、シート15は排煙口本体13の外面に沿って垂れ下がっている。
【0014】
前記排煙ダクト11および短管12は、従来のものと同じものであり、亜鉛メッキ鋼板などの金属板を断面矩形状の筒体に曲げ成形したものである。排煙口本体13は短管12の内部に隙間Sをあけて挿入される断面矩形状の筒体であり、亜鉛メッキ鋼板などの金属板を折り曲げて形成されている。隙間Sは、たとえば5〜10mm程度、とくに5mm程度が好ましい。排煙口本体13の上端は内向きに折り曲げたフランジ16とされている。また排煙口本体13は、短管12の内面に取り付けたブラケット17と前記内向きのフランジ16の間に設けられる吊りボルト18によって、高さ方向の位置を調節できるように短管12に取り付けられている。ただし他の方法で取り付けてもよい。
【0015】
排煙口本体13の下端は外向きに折り曲げたフランジ20とされており、そのフランジ20の外縁は上向きに折り曲げられている。その外向きのフランジ20と天井ボード21との間には、ポリウレタンあるいは耐熱性ゴムなどからなるシール部材22が介在されている。この実施形態では、短管12の下端は天井ボード21の上部に配置されており、短管12の下端はシール部材22に当接されていない。
【0016】
前記排煙口本体13の下端部の開口24は、たとえば軸25で回動自在に支持されるパネル状のダンパ26によって閉じられている。ダンパ26は、たとえばバネ(図示していない)で開く方向(矢印Op方向)に付勢されると共に、拘束機構によって、バネに抗して開口部を閉じる位置に拘束されている。
【0017】
前記拘束機構は、ソレノイドアクチュエータあるいは手動操作のワイヤによって、遠隔操作で、拘束を解除できるように構成している。排煙口本体13、軸25、ダンパ26、バネ、拘束機構などは、従来公知の排煙口27を構成している。なお、ダンパに代えて開閉自在のスリットなどを採用する場合もある。
【0018】
前記シート15は、耐熱性が高く柔軟なもの、たとえば炭素繊維の織布あるいは不織布が用いられる。炭素繊維の織布でシート15を構成する場合、1m2当たりの重量が300〜900g程度のものが用いられる。耐熱性の程度は200〜250℃の熱風に曝した状態で20分以上、変形したり破損せずに耐える程度である。また、シートは空気を透過させにくいもの、たとえば圧力差0.5〜1kPaで透過量が排煙口定格風量の0.5%以下のものが好ましい。炭素繊維の織布に代えて、ガラス繊維、シリカ繊維などの耐熱性が高い鉱物繊維の織布なども採用することができる。
【0019】
シート15を押さえる押さえ板14は金属製の幅が狭い板であり、複数本のネジ28によって排煙口本体13に取り付ける。シート15は排煙口本体13の外面4面にそれぞれ独立した状態で取り付ける。なお、取り付け位置は、排煙口本体13の上下方向の途中に取り付けてもよいが、シート15の長さ(上下寸法)をできるだけ長くしてシール作用を確実にするため、上端に取り付けるのが好ましい。押さえ板14を途中の位置に設ける場合でも、4面の押さえ板14は同じ高さに揃える方が好ましい。
【0020】
上記のように構成されるシール構造10は、通常の状態では図1に示すようにシート15が排煙口本体13の外面に沿って垂れ下がっている。そのため、シート15と短管12の間には隙間S1(図3参照)があいている。しかし一旦火災が生じてダンパ26を開くことにより排煙ダクト11のファンが作動し、排煙ダクト11内に空気が吸引され始める。そのときの風量は、通常は10m/sec程度である。それにより図3の矢印Pのように隙間Sに風が流れ、隙間S1を通る空気の流れによってその部位の静圧が下がり、シート15が短管12の内面側に吸い付けられるようにして当接する。
【0021】
そしてその後は排煙ダクト11側の負圧および天井裏側の正圧によってシート15の下部が持ち上がり、短管12の内面に押しつけられる。そのため、排煙口本体13の外面と短管12の内面の間の隙間Sがシールされ、天井裏からの空気の吸い込みを防ぐことができる。
【0022】
ついで排煙ダクト11内の防火ダンパが閉じるなどして排煙ダクト11の空気の流れがなくなると、前述の圧力差がなくなり、再びシート15が垂れ下がる。火事が消火されて排煙ダクトの作動が停止したときも同様である。したがってその後、メンテナンスをしたり交換するために排煙口本体13を短管12から取り外すときも容易に取り外すことができる。このように上記のシール構造10では、空気の流れが生じてシール作用が必要なときのみシート15が隙間Sを塞ぐシール作用を奏し、不必要なときはシール作用を奏しない。
【0023】
なお、排煙口本体13の角の部分では、シート15同士の間に隙間があるので、この部分から空気が漏れる。しかし4枚のシート15は、それぞれ押さえ板14のすぐ下の位置で短管12の外面に当接するので、シート15同士の隙間はきわめて小さい。そのため漏れ量は排煙口定格風量の0.5%程度であり、ほとんど無視することができる。
【0024】
またこのシール構造10では、シート15を排煙口本体13の外側に取り付けているので、図3のように取り付け前の排煙口本体13の外面に取り付けておくことができ、取り付け作業は容易である。また天井内作業も不要である。さらにシート15を炭素繊維の織布ないし不織布から構成する場合は、高温になっても柔軟性が維持され、シール効果が維持される。また、軽量であるので、空気の流れによって容易に持ち上がり、隙間を塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】そのシール構造における排煙口の取り付け前の状態を示す斜視図である。
【図3】図1のシール構造の作用を示す要部拡大断面図である。
【図4】従来の排煙設備の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 シール構造
11 排煙ダクト
12 短管
S 隙間
13 排煙口本体
14 押さえ板
15 シート
16 フランジ
17 ブラケット
18 吊りボルト
20 フランジ
21 天井ボード
22 シール部材
24 開口
25 軸
26 ダンパ
27 排煙口
28 ネジ
S1 隙間
P 空気の流れ
Claims (2)
- 排煙ダクトから下方に延び、下端が開口している短管と、
その短管内に隙間をあけて挿入される上端が開口している筒状の排煙口本体と、上端が前記排煙口本体の上部外面に固定され、下部が下方に垂れて短管と排煙口本体との間に介在される柔軟性を備えた耐熱性のシート
とからなる排煙口のシール構造。 - 前記耐熱性のシートが、炭素繊維の織布ないし不織布からなる請求項1記載の排煙口のシール構造。
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---|---|---|---|
JP2002343102A JP2004173877A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | 排煙口のシール構造 |
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JP2002343102A Pending JP2004173877A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | 排煙口のシール構造 |
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2002
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