JP2004168818A

JP2004168818A - Biaxially oriented styrenic resin film

Info

Publication number: JP2004168818A
Application number: JP2002333260A
Authority: JP
Inventors: Yoshiyuki Tatsuki; 芳幸田附; Koichi Yasugata; 公一安形
Original assignee: Asahi Kasei Life and Living Corp
Current assignee: Asahi Kasei Corp
Priority date: 2002-11-18
Filing date: 2002-11-18
Publication date: 2004-06-17

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a biaxially oriented polystyrenic film not only having excellent laminated sheet moldability including laminating processing suitability and even high-speed formability as accuracy of a printing position after lamination but also reducing migration of a styrenic low-molecular weight component to a food, etc., and affording a food packaging container without emitting malodors by reducing the residual amount of the styrenic low-molecular weight component in a film after orienting and suitable for laminating applications. <P>SOLUTION: The biaxially oriented polystyrenic film is obtained by biaxially orienting a resin consisting essentially of a styrenic resin. The film is characterized as follows. The Vicat softening temperature is 103-135°C and the tensile modulus of elasticity is 3-13MPa in both the longitudinal and the transverse directions at 120°C measured according to the ASTM-D882 method. The thermal stress shrinkage stress measured according to the ASTM-D1504 method is 400-2,000kPa in both the longitudinal and the transverse directions. The styrenic low-molecular weight component remaining in the film is 50-3,000ppm. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン系樹脂からなる２軸延伸フィルムに関する。特に、ポリスチレンペーパー（以下ＰＳＰ）やハイインパクトポリスチレンシート（以下ＨＩＰＳシート）などの樹脂シート基材と積層（以下ラミネート）を行い、次いで、それを加熱２次成形して、例えば、食品トレイやどんぶりなどの包装容器とするような用途に適したスチレン系樹脂２軸延伸フィルムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
スチレン系樹脂２軸延伸フィルムは、フィルムの持つ高光沢、透明性と腰の強さの特徴から、食品包装分野や、封筒窓材用途で使用されている。食品包装分野ではＰＳＰやＨＩＰＳシートなどの樹脂シート基材とのラミネート用途に広く使用されており、ポリスチレン系の樹脂シート基材と同素材でリサイクルし易いことも使用される理由である。特に、該ラミネート用途の中でも、樹脂シート基材とラミネートして一体化したシートを、食品トレイなどの容器に熱成形する用途に広く使用されている。
これらのポリスチレン系樹脂からなるフィルムには、スチレン系単量体やスチレン系２量体、スチレン系３量体などの低分子量成分が含まれる。フィルム中に含まれる低分子量成分は、僅かな量であるが成形加工性および製品性能の点で好ましくない影響を及ぼす。
【０００３】
例えば、スチレン系樹脂フィルムとＰＳＰとのラミネートシートを食品トレイやどんぶりなどの容器へ二次加工を行う際、低分子量成分が成形加工中に揮発して金型や加工機器に付着、あるいは成形体表面に直接付着することによって製品を汚し、美観を損ね商品価値が低下する等の問題が起こる場合がある。このため、成形加工時のシート予熱温度を低く設定する、金型や機器の清掃頻度を増やす等の対策が取られるが、これらの対応は生産性や成形性低下の要因となり、弊害もある。また、成形された最終製品の性能の点では、スチレン系樹脂中に低分子量成分が多く含まれると、製品の剛性、特に加熱時の剛性低下を来たし、耐熱性が低くなることがある。
【０００４】
また、スチレン製容器からスチレン系樹脂中に含まれる低分子量成分が溶出または揮発する場合もある。例えば、東京衛研年報５０、２０８頁−２１４頁（１９９９）では、各種スチレン製容器について、油脂および脂肪性食品を想定した擬似溶媒としてｎ−ヘプタンを用いた場合のスチレン系低分子量成分の溶出試験が行なわれており、スチレン単量体、２量体、３量体が溶出するスチレン製容器も存在することが報告されている。
【０００５】
スチレン系低分子量成分の含有量やｎ−ヘプタンへの低分子量成分溶出量を低減したスチレン系樹脂や該樹脂で成形加工したシートとして、特開２００２−１２１３４３号公報に芳香族モノビニル系樹脂に３−アリールベンゾフラノンを少量添加した非発泡シートに関し、樹脂中の芳香族モノビニル系単量体が１００ｐｐｍ以下、芳香族モノビニル系単量体、２量体、３量体の残存合計量が４０００ｐｐｍ以下であるものが、熱安定性、成形性に優れ、成形品の色調が良好で、臭気が少なくなることが開示されている。
また、特開２００１−３４２２０８号公報は、有機リチウム開始剤を用いたアニオン重合により得た樹脂を成形加工したスチレン系樹脂シートに関し、モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量が１０００ｐｐｍ未満の樹脂が、シート成形性、二次加工性に優れ、且つ最終製品の印刷性および高温剛性にも優れることが開示されている。
【０００６】
さらに、特開２００２−５３７１９号公報は、スチレン系重合体と共役ジエン結合単位を含むスチレン系ブロック共重合体との組成物に関するもので、分子量１４０〜４００の範囲のスチレン系低分子量成分を１０００ｐｐｍ未満にすることで、ｎ−ヘプタンへの溶出量を低減、揮発性を極めて少なくできると共に、耐衝撃性、加工性、加工安定性も改良できることが開示されている。
しかし、これらの低分子量成分が少ないスチレン系樹脂フィルムにはいくつかの問題点があり、現在広く用いられるには至っていない。従来技術の問題点について、以下に具体的に説明する。
【０００７】
特開２００２−１２１３４３号公報は、低分子量成分が少ないスチレン系樹脂を利用したシートであるが、低分子量成分が少ないスチレン系樹脂を単にシート状に成形加工したものであり、延伸されていないことから脆く、実用上で問題がある。
特開２００１−３４２２０８号公報は、低分子量成分が少ないスチレン系樹脂を延伸したシートであり、２軸延伸することが開示されている。該特許公報に記載の樹脂を用いて公知の方法でフィルムを製造すると低分子量成分の残存量が少なくなると推定されるが、得たフィルムをＰＳＰやＨＩＰＳシートとのラミネート加工に供するような思想はなく、またフィルム加工条件は通常のものであり、フィルムの特性についても何ら言及されていない。
【０００８】
特開２００２−５３７１９号公報は、低分子量成分が少ないスチレン系樹脂組成物を延伸したシートであり、２軸延伸することが開示され、シート中に残留する低分子量成分量についても低減できることが開示されている。しかしながら、該特許公報では樹脂組成物中にゴム成分としてジエン系の共重合成分を含んでいることから、弊害がある。つまり、ジエン系成分を含むと製造装置内での滞留部分での熱履歴によりゲル化や炭化が進み、フィルム中にゲル、炭化物が混入することがあるため、特に食品容器などの用途には不適応である。また、ゴム成分を含むことはフィルムの透明性や光沢を悪化する要因になり、光沢感や美観を重視するような用途にも不適応である。
【０００９】
ラミネート用途に適したポリスチレン系フィルムに関し、特開平９−１２３３２２号公報は、ポリスチレンとスチレンと脂肪族カルボン酸エステルとの共重合体（スチレンブチルアクリレート共重合ポリマーなど）からなるフィルムであり、１２０℃における破断伸度と弾性率が適正範囲にある場合においてラミネートシートの成形性に優れることが開示されている。
しかしながら、該特許公報はフィルムとしてのビカット軟化温度を下げることで成形性等を向上させているが、生産性の観点から問題を有する。近年では効率面からラミネートシートの成形加工はハイショットサイクルで行うことが一般的で、成形温度は、より高温側の方向になっている。つまり、該特許公報に記載されているフィルムのようにビカット軟化温度が低い場合は、フィルムの収縮が急激に起こるため、製品にシワの発生や表面のフィルムの浮きが発生する問題がある。
【００１０】
このように従来の技術では、ラミネートシートの成形性が良くなるためのフィルム物性についてのみ開示されているものの、高速成形性までを含めたラミネートシート成形性、印刷位置の正確性に代表されるラミネート加工適性に適したフィルムとその延伸方法については未だ開示されておらず、さらに、押出し・延伸工程内で低分子量成分を増加させずにスチレン系樹脂２軸延伸フィルムを得る方法についても開示されていないものである。
【００１１】
【特許文献１】
特開平９−１２３３２２号公報
【特許文献２】
特開２００１−３１０４６号公報
【特許文献３】
特開２０００−１０３９２２号公報
【特許文献４】
特開２０００−１５９９２０号公報
【特許文献５】
特開２０００−２１８７４２号公報
【特許文献６】
特開２０００−２７３２３０号公報
【特許文献７】
特開２００１−２６６１９号公報
【特許文献８】
特開２００１−２２０４７７号公報
【特許文献９】
特開２００１−２９４７２１号公報
【特許文献１０】
特開２００１−３４１２４６号公報
【特許文献１１】
特開２００１−３４２２０８号公報
【特許文献１２】
特開２００２−５３７１９号公報
【特許文献１３】
特開２００２−７９６２３号公報
【特許文献１４】
特開２００２−１０４３６６号公報
【特許文献１５】
特開２００２−１２１３４３号公報
【特許文献１６】
特開２００２−２１２２３３号公報
【非特許文献１】
東京衛研年報５０、２０８頁−２１４頁（１９９９）
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
ラミネート後の印刷位置の正確性としてのラミネート加工適性、高速成形性までを含めたラミネートシート成形性に優れるだけでなく、延伸後のフィルム中におけるスチレン系低分子量成分の残存量を少なくすることで食品等へのスチレン系低分子量成分の移行を低減、臭気が発生しない食品包装容器を得ることができる、ラミネート用途に適したスチレン系樹脂２軸延伸フィルムを提供することである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明では、スチレン系樹脂を２軸延伸することによって初めて、本発明の開示する特定の製造条件下において、スチレン系樹脂中に残存する低分子量成分を増加させることなく延伸フィルム化することができ、かつ、ラミネート加工適性やラミネートシート成形性を具備したラミネート用途にも適したフィルムが得られることを見出した。
【００１４】
すなわち、本発明は下記の通りである。
１．スチレン系モノマー、ダイマーおよびトリマーからなるスチレン系低分子量成分（以下、単にスチレン系低分子量成分という）の含有量が５０〜３０００ｐｐｍであって、ビカット軟化温度が１０３〜１３０℃、ＡＳＴＭ−Ｄ８８２法に準じて測定した１２０℃における引張弾性率が縦横共に３〜１３ＭＰａであり、ＡＳＴＭ−Ｄ１５０４法に準じて測定した加熱収縮応力が縦横共に４００〜２０００ＫＰａであることを特徴とするスチレン系樹脂２軸延伸フィルム。
２．スチレン系低分子量成分の含有量が１００〜２０００ｐｐｍであることを特徴とする１．に記載のスチレン系樹脂２軸延伸フィルム。
３．スチレン系低分子量成分のｎ−ヘプタンによる溶出量が１００ｐｐｂ以下である１．〜２．のいずれかに記載のスチレン系樹脂２軸延伸フィルム。
４．スチレン系樹脂が、ハイインパクトポリスチレンを１〜１０重量％含むことを特徴とする１．〜３．のいずれかに記載のスチレン系樹脂２軸延伸フィルム。
【００１５】
５．スチレン系低分子量成分が５０〜３０００ｐｐｍであるスチレン系樹脂を、インフレーション延伸法により延伸倍率３．５〜１２倍、ダイス温度がスチレン系樹脂のビカット軟化温度＋５５〜＋９５℃、延伸温度が下記式（３）を満たす条件で２軸延伸することを特徴とするスチレン系樹脂２軸延伸フィルムの製造方法。
Ｔｖ＋４５≦Ｔｉｅ≦Ｔｖ＋７０（３）
ただし、Ｔｉｅはダイス温度以下である
Ｔｖ：スチレン系樹脂のビカット軟化温度（℃）
Ｔｉｅ：インフレーション延伸法での延伸温度（℃）
【００１６】
６．スチレン系低分子量成分が５０〜３０００ｐｐｍであるスチレン系樹脂を、テンター延伸法により延伸倍率が２〜８倍、ダイス温度がスチレン系樹脂のビカット軟化温度＋５５〜＋９５℃、延伸温度が下記式（４）を満たす条件で２軸延伸することを特徴とするスチレン系樹脂２軸延伸フィルムの製造方法。
Ｔｖ＋２０≦Ｔｔｅ≦Ｔｖ＋４０（４）
ただし、Ｔｔｅはダイス温度以下である
Ｔｖ：スチレン系樹脂のビカット軟化温度（℃）
Ｔｔｅ：テンター延伸法での延伸温度（℃）
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明について、特に好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。
まず、本発明に用いるスチレン系樹脂について説明する。
該スチレン系樹脂は、スチレン単独の重合体、もしくは本発明の要件と特性を損なわない範囲であればスチレン単量体を５０重量％以上含有すれば共重合体であってもかまわない。共重合成分としては、具体的にはα−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、ｍ−メチルスチレン、ｐ−メチルスチレン、ｔ−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体、メチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸、ハロゲン含有ビニルモノマーなどが挙げられ、これらの単量体を単独または２種以上混合して用いることができる。本発明では、これらのスチレン系樹脂を単独または２種類以上混合してもかまわないが、該スチレン系樹脂は、剛性および透明性の観点からポリスチレン樹脂を好ましくは５０重量％以上、さらには７０重量％以上含有することが好ましい。
【００１８】
本発明では、スチレン系樹脂の製法に関しては特に限定されないが、樹脂組成物中に含まれるスチレン系低分子量成分が５０〜３０００ｐｐｍでなくてはならない。また、より好ましくは１００〜２０００ｐｐｍであり、更に好ましくは１００〜１０００ｐｐｍである。スチレン系低分子量成分が３０００ｐｐｍを越えると、フィルム製造時にフィルムの表面汚れが発生しやすくなると共に、フィルム中での残存量も多くなり、ｎ−ヘプタンへのスチレン系低分子量成分の溶出量が多くなってしまう。この条件を満たすスチレン系樹脂を得る方法としては、以下のような例がある。スチレン系樹脂の重合法として有機リチウムを用いたアニオン重合による方法、重合時の熱履歴において熱的処理時間が短いもの、重合時に重合系内に存在する酸素量を低減したもの、低分子量物の脱揮時の真空度を高くしたもの、およびこれらの方法で得たスチレン系樹脂に熱安定剤を加えたもの等である。具体例としては、スチレン樹脂として、エー・アンド・エムスチレン（株）製のＡ＆Ｍポリスチレン（登録商標）Ｇ０００２等がある。
【００１９】
該スチレン系樹脂の分子量としては、ＧＰＣにより測定した重量平均分子量が、好ましくは１６〜５０万、より好ましくは１８〜４０万である。該平均分子量が５０万以下のスチレン系樹脂を用いることで、押出し延伸加工に十分な流動性が得られ、溶融押出、延伸成膜が大きな支障がなく行え、また１６万以上のスチレン系樹脂を用いることで、延伸安定性とフィルムに十分な配向度を与えることができる。
該スチレン系樹脂には、本発明の要件と特性を損なわない限り、ハイインパクトポリスチレンを１０重量％までの範囲で含んでいても構わない。２〜７重量％であると、耐衝撃性の改善効果を充分に得られる上、フィルムの光沢と透明性にも優れ、ｎ−ヘプタンへの溶出量も少なく維持できるので、好ましい。より好ましくは３〜５重量％である。
【００２０】
本発明では、フィルム中に残存するスチレン系低分子量成分は、５０〜３０００ｐｐｍであることが必要である。好ましくは、スチレン系低分子量成分が１００〜２０００ｐｐｍ、さらに好ましくは、１００〜１０００ｐｐｍである。スチレン系低分子量成分が３０００ｐｐｍを越えると、フィルムをラミネート加工や成形加工する際、ラミネート製品や成形品の表面汚れが発生しやすくなるため、ラミネートロール温度およびラミネート製品の成形温度を下げることや、成形サイクルを長くする等の対応が必要となったりするため好ましくない。また、ｎ−ヘプタンへの溶出量も多くなるため好ましくない。反対にスチレン系低分子量成分が５０ｐｐｍ未満である場合は、フィルムが脆くなるため好ましくない。
【００２１】
スチレン系低分子量成分とは、スチレン系モノマーとダイマー、トリマーをあわせたものであり、スチレン系樹脂がスチレン単独である場合では、ダイマーとは、１，３−ジフェニルプロパン、ｃｉｓ−１，２−ジフェニルシクロブタン、２，４−ジフェニル−１−ブテン、ｔｒａｎｓ−１，２−ジフェニルシクロブタンである。また同様に、トリマーとは、２，４，６−トリフェニル−１−ヘキセン、１ｅ−フェニル−４ｅ−（１´−フェニルエチル）テトラリン、１ａ−フェニル−４ｅ−（１´−フェニルエチル）テトラリン、１ａ−フェニル−４ａ−（１´−フェニルエチル）テトラリン、１ｅ−フェニル−４ａ−（１´−フェニルエチル）テトラリンである。
【００２２】
本発明のスチレン系樹脂フィルムにおいて、ｎ−ヘプタンへのスチレン系低分子量成分の溶出量は１００ｐｐｂ以下が好ましい。より好ましくは５０ｐｐｂ以下である。更に好ましくは、３０ｐｐｂ以下である。ｎ−ヘプタンへの溶出量がこの範囲であれば、容器から食品へのスチレン系低分子量成分の移行量が少なく、異臭発生等の問題がおこりにくい。
本発明では、スチレン系樹脂フィルムの加熱収縮応力および高温弾性率を適正範囲にすることにより、得られるラミネートシートの成形性も具備しつつ、加えてラミネート加工適性が良好となることを明らかにした。すなわち、ラミネート適性は、ラミネート時の温度とテンションに耐える適度な抵抗力として、フィルムの加熱収縮応力が適正範囲にある必要がある。また、ラミネートシートの成形性については、成形時のシート伸びの指標としての１２０℃での弾性率を適正範囲にする必要がある。
【００２３】
本発明においては、フィルムの加熱収縮応力（１２０℃のシリコーンオイル浴中で測定したピーク応力値）は、縦横ともに４００〜２０００ＫＰａの必要がある。より好ましくは、５００〜１６００ＫＰａである。フィルムの加熱収縮応力が、４００ＫＰａ未満の場合は、ラミネート加工時の温度とテンションに対してフィルム自身が伸びやすくなりすぎるため、フィルムの印刷模様が長くなる方向に位置ズレが大きくなる。フィルムの伸びを抑えるためには、かかるテンションを下げる、加工速度を抑える等の対応をとる必要があるが、ラミネート製品に気泡やシワが入り易くなるので品質が悪くなったり、生産性が悪くなったりするため好ましくない。反対に、２０００ＫＰａを越える場合は、過大な収縮応力によりフィルムの収縮が起こり、印刷模様が短くなる方向に位置ズレが大きくなる。そのため、フィルムに掛かるテンションを上げる、ラミネート温度を上げるなどの対応をとるが、フィルムの破れ、伸び斑（収縮斑）による印刷模様の乱れ、ラミネートシートの表面性悪化などの弊害を伴い好ましくない。
【００２４】
また、本発明でのフィルムの１２０℃における引張弾性率（ＡＳＴＭ−Ｄ８８２法に準じて測定）は、フィルムからなるラミネートシートの成形性から、１２０℃での引張弾性率が３〜１３ＭＰａである。好ましくは５〜１０ＭＰａである。１２０℃の引張弾性率が１３ＭＰａを越えた場合は、ラミネート製品の成形時におけるフィルムの伸びが不足するため、フィルム破れや型決まり性不足などの成形不良になりやすい。また、成形不良を改善するために成形温度を上げる、成形サイクルを長くするなどの対応をとった場合は、過予熱による成形品表面の悪化、成形品の変形や生産性の低下を伴い好ましくない。
【００２５】
本発明におけるフィルムの加熱収縮応力と１２０℃における引張弾性率を達成するためには、フィルムの製造時において適度な延伸配向をかけることが好ましい。そのためには、スチレン系樹脂自身の特性としては分子量とビカット軟化温度、フィルムの製造条件としては延伸温度と延伸倍率について、本発明において明示した適正範囲にあることが好ましい。
【００２６】
本発明におけるフィルムのビカット軟化温度は１０３〜１３０℃である。ラミネートシートの高速成形性から、好ましくは１０５〜１２０℃である。ビカット軟化温度が１０３℃未満の場合は、ラミネートシートの予熱温度の高温化に伴い、フィルムの浮き、シワが発生しやすくなり、成形品の品質を悪くするため好ましくない。また、１３０℃を越える場合は、成形性が悪くなる、ＰＳＰとのラミネートシートの成形時ではラミネートシートの二次発泡が大きくなり、設計通りの製品が得られなくなる等の問題が起こるため、好ましくない。
【００２７】
以下、本発明の製造方法について説明する。
本発明のスチレン系樹脂２軸延伸フィルムの２軸延伸方法としては、該スチレン系樹脂を溶融してＴ−ダイなどから押出し、原反を延伸ロールで縦延伸した後にテンターで横延伸するテンター法、またはサーキュラーダイから押出し、インフレーション延伸する方法のいずれでも良い。
【００２８】
インフレーション延伸法では、延伸倍率は、縦方向および横方向それぞれに３．５〜１２倍であり、延伸配向の付与によるポリスチレン系フィルムの特徴である腰の強さの発現と延伸の均一性の観点から、特に５〜１０倍の範囲が好ましい。延伸倍率が３．５倍未満の場合は、延伸配向度が低すぎるため、フィルムの耐衝撃性が低くなり、ラミネート加工時にフィルムが切れやすくなるため、好ましくない。耐衝撃性の付与については、汎用のポリスチレン（低分子量成分を多く含むもの）よりも低分子量成分の少ないポリスチレンの方が耐衝撃性に劣る傾向があるのため、本発明においては重要である。
【００２９】
延伸倍率以外の延伸条件としては、本発明ではダイス温度を該スチレン系樹脂のビカット軟化温度＋５５〜９５℃の範囲にすることが好ましく、そうすることにより延伸開始点における樹脂温度（以下、延伸温度）を特定の範囲にすることができる。
前記ダイス温度の範囲は、延伸前の押出し時における熱履歴とダイスでのせん断による樹脂の熱分解を抑制するための適正範囲である。一般的な方法においては、押出し機内でのせん断による発熱等によりポリスチレン樹脂の低分子量成分が増加することは知られており、ベント口付きの押出し機が用いられ、低分子量成分を脱揮しているのが現状である。また、成形加工性の観点から、押出し機内の樹脂温度よりもダイス温度の方が高温としているのが通常である。これは、ダイス内での滞留時間が短いことから、成形加工性を優先したものである。
【００３０】
しかしながら、本発明者らは、ダイス温度がオリゴマーの発生に寄与していることを発見した。すなわち、ダイス温度がビカット軟化温度＋９５を超えると、急激に低分子量成分が増加することを見出した。そして、ダイス温度が低い条件下においても、低分子量成分が増加せずに延伸でき、かつ、ラミネート用フィルムに適したフィルムが得られる延伸加工条件を見出した。ダイス温度が該スチレン系樹脂のビカット軟化温度＋９５℃を越える温度である場合は、熱分解により低分子量成分の増加を来たし、本発明の要件であるフィルム中に残存する低分子量成分量を達成しにくくなる。
【００３１】
また、生成した低分子量成分がダイスなどの製造装置を汚したり、フィルムに付着して汚したりする場合がある。反対に、ビカット軟化温度＋５５℃未満の低温の場合は、ダイス内での樹脂圧力が高くなりすぎるので、押出し量を下げる対応が必要となり、生産性が低下しやすい。また、ダイス温度に準じて延伸温度も低くなるため、フィルムに過剰な延伸配向がかかり、本発明の要件にあるフィルム物性が得られにくく、ラミネート加工性やラミネートシートの成形性が不十分となる場合がある。
本発明では、ダイス温度のコントロールに加え、延伸温度も一定範囲とすることが好ましい。
【００３２】
インフレーション延伸法での延伸温度は、ビカット軟化温度＋４５〜７０℃が好ましい。この範囲から外れる場合は、本発明の要件であるフィルム物性が得られにくくなる。延伸温度が高温側に外れる場合は、フィルムの延伸配向度が低くなることでフィルムが脆くなりやすく、ラミネート加工時の印刷位置ズレも起こりやすい。さらに、延伸時の溶融張力が低いので、インフレーションバブルの安定性が不十分となり、フィルムの厚み斑が起こりやすくなる。また、延伸温度が低温側に外れる場合は、フィルムの延伸配向度が高くなりラミネート加工性やラミネートシートの成形性が不十分となり、所定の延伸倍率や厚みとするための延伸が出来なくなることもある。
【００３３】
テンター延伸法では、延伸倍率は、縦方向および横方向それぞれに２〜８倍が好ましく、延伸配向の付与によるポリスチレン系フィルムの特徴である腰の強さの発現と延伸の均一性の観点から、特に３〜６倍の範囲が好ましい。延伸倍率が２倍未満の場合は、延伸配向度が低すぎるため、フィルムの耐衝撃性が低くなるのでラミネート加工時にフィルムが切れやすくなる。反対に延伸倍率が８倍を越える場合は、配向度が高くなりラミネート加工時にフィルムの収縮が起こりやすい。
【００３４】
テンター延伸法での延伸温度は、該ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度＋２０〜４０℃が好ましい。この範囲から外れる場合は、本発明の要件であるフィルム物性が得られにくくなる。延伸温度が高温側に外れる場合は、フィルムの延伸配向度が低くなることでフィルムが脆くなりやすく、ラミネート加工時の印刷位置ズレも起こりやすくなる。さらに、延伸時の溶融張力が低いので、延伸の安定性が不十分となりフィルムの厚み斑が起こりやすくなる。また、延伸温度が低温側に外れる場合は、フィルムの延伸配向度が高くなりラミネート加工性やラミネートシートの成形性が不十分となる。
【００３５】
本発明において、スチレン系樹脂に熱安定剤、酸化防止剤などの安定剤を添加することも、フィルム製造時や後加工時の低分子量成分増加を抑制する点では効果的である。熱安定剤、酸化防止剤の例としては、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒンダードアミン系安定剤などがあり、本発明の要件と特性を損なわない範囲であればこれらの安定剤を配合してもかまわない。
本発明のスチレン系樹脂２軸延伸フィルムには、上記の安定剤以外に、紫外線吸収剤、無機系微粒子や有機系微粒子などの微粒子状アンチブロッキング剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤など、公知の添加剤を、本発明の要件と特性を損なわない範囲で配合することが可能である。
【００３６】
本発明における、延伸後のフィルム厚みは、好ましくは５〜５０００μｍであり、ラミネート加工性の点からは、より好ましくは１０〜１５０μｍ、さらに好ましくは１５〜５０μｍであるが、本発明では特に限定されるものではない。
本発明のフィルムの光沢度（ＡＳＴＭ−Ｄ２４５７法に準じて測定）は、ラミネート製品と成形品の外観から、１４０％以上であることが好ましい。より好ましくは、１６０％以上である。光沢度が１４０％未満の場合は、容器表面の艶がなくなる。
【００３７】
本発明のフィルムには、ラミネート加工時の相手基材との接着性の向上、ラミネート製品や成形品の帯電防止性、防曇性、離型性などの機能を付与する目的で、本発明の要件と特性を損なわない範囲であれば表面処理を施しても良い。ここで言う表面処理とは、フィルム表面に対するコロナ処理などの親水化処理や、界面活性剤や防曇剤、帯電防止剤、シリコーンのような離型剤などのフィルム表面へのコーティングであり、これらの処理を単独または２種以上組合せても良い。
【００３８】
【実施例】
次に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例で用いた、評価の測定方法と判定基準について以下に説明する。
【００３９】
（１）フィルム中に残存するスチレン系低分子量成分の含有量
低分子量成分の含有量は、スチレン系モノマー、ダイマー、トリマーについて下記方法で定量を行った。
試料調整：フィルム１ｇをメチルエチルケトンに溶解。メタノールを加え、ポリマーを沈殿させて分離、上澄み液をＧＣで測定した。
ＧＣ測定条件
機器：Ａｇｉｌｅｎｔ製ＧＣ６８９０（登録商標）
検出方法：ＦＩＤ
カラム：ＨＰ−１（商標、１００％ジメチルシロキサン）
長さ３０ｍ、膜厚０．２５μｍ、内径０．３２ｍｍφ
カラム温度：４０℃−２分−２０℃／分−２６０℃−５分
注入口温度：２００℃
検出器温度：３２０℃
キャリアガス：ヘリウム
低分子量成分量により以下の評価基準で判定した。
◎：２０００ｐｐｍ以下
○：２００１〜３０００ｐｐｍ
×：３０００ｐｐｍを越える
【００４０】
（２）ｎ−ヘプタンへのスチレン系低分子量成分の溶出量
ｎ−ヘプタンへの溶出条件
抽出法：片面抽出法
抽出溶媒量：フィルム１ｃｍ^２当たり２ｍｌ
抽出温度：２５℃
抽出時間：１時間
ｎ−ヘプタン中の低分子量成分（スチレン系モノマー、ダイマー、トリマー）を（１）と同様の方法でＧＣ６８９０を使用して定量した。
ｎ−ヘプタンへの溶出量により以下の評価基準で判定した
◎：５０ｐｐｂ以下
○：５１〜１００ｐｐｂ
×：１００ｐｐｂを越える
【００４１】
（３）加熱収縮応力
ＡＳＴＭ−Ｄ−１５０４に準拠し、２軸延伸フィルムおよびシートの縦方向と横方向のそれぞれについて、１２０℃のシリコーンオイル浴中で、配向緩和応力のピーク値を測定し、整数値に四捨五入して求めた。
（４）高温引張弾性率（１２０℃）
ＡＳＴＭ−Ｄ８８２法に準拠して測定した。高温測定のため、引張試験機以外に恒温槽を使用し、測定温度を１２０℃に調整した。１２０℃の測定温度における引張弾性率を測定し（１０〜３０％伸びの間）、小数点以下一桁の値に四捨五入して求めた。
【００４２】
（５）ビカット軟化温度
ＡＳＴＭ−Ｄ−１５２５に準じて測定した。（荷重１ｋｇ／ｃｍ^２、昇温速度２℃／ｍｉｎ）
（６）光沢度
ＡＳＴＭ−Ｄ−２４５７に準拠して、入光角度を２軸延伸フィルム表面に対して４５°の条件で測定したフィルムの光沢度を、整数値に四捨五入して求めた。
光沢度の評価基準については、１４０％以上の場合は、ラミネート用フィルムとしての光沢が良いフィルムであり○、１２０〜１３９％はやや光沢が劣るフィルムであり△、１１９％以下は光沢が悪く×とした。
【００４３】
（７）ラミネート適性（ラミネート時の位置ズレ性）
熱ラミネート法で実施：６００ｍｍ巾のサンプルフィルム（印刷品）と厚み２．５ｍｍのＰＳＰ（平均発泡倍率１４倍、巾６３０ｍｍ）を、熱圧着ローラー（ロール表面温度１６５℃の加熱ロール、直径４００ｍｍ、ロール巾１．３ｍ、ロール速度１０ｍ／分）を装備した熱ラミネート機でラミネートする。その際のフィルムテンションは、３５０Ｎ（フィルム巾６１０ｍｍ当たり）とした。フィルムには１ｍｍ間隔の碁盤目印刷を施しておき、ラミネート後の寸法変化量（下記計算式、ただし、数値は絶対値とする）を５ｍ間隔で１０回測定し、その平均値について、以下の基準で評価した。
ΔＬ＝（Ｌ２−Ｌ１）
ここで、ΔＬは寸法変化量（ｍｍ）、Ｌ１はラミネート前の碁盤目１０００個分の長さ（＝１０００ｍｍ）、Ｌ２はラミネート後の碁盤目１０００個分長さ（ｍｍ）である。
○：寸法変化量が、３０ｍｍ未満
△：寸法変化量が、３０〜５０ｍｍ
×：寸法変化量が、５０ｍｍ以上
【００４４】
（８）ラミネート製品の成形性
ラミネート時の位置ズレ性評価で作製したラミネート品について、真空成形機（シート巾６３０ｍｍ、加熱ゾーン２ゾーン、遠赤外線ヒータ輻射加熱式）により、予熱時間４秒、金型温度８４℃の条件で、予熱温度（ヒータ温度設定）２７０℃、２８０℃、２９０℃の３水準で成形を行った。成形性の指標として、フィルムの破れ性と型決まり性について、下記基準により評価した。成形は、各条件でそれぞれ１８ショット行い、スタートから５ショット目までと最後から２ショット目までを除く、１１ショット分（成形品９９個分）を評価対象サンプルとした。
（ａ）フィルム破れ性
○：全ての成形品で、フィルム破れがなかった
△：１〜５個の成形品で、フィルム破れが発生した
×：５個以上の成形品で、フィルム破れが発生した
（ｂ）型決まり性
○：全ての成形品で、金型通りに成形できた
△：１〜５個の成形品で、金型通りに成形できなかった
×：６個以上の成形品で、金型通りに成形できなかった
【００４５】
（９）成形品の外観
上記７．の成形温度２９０℃の条件で得た成形品９９個全てについて検査を行い、最も外観の悪い成形品の目視判定結果により、以下の評価基準で判定した。
○：表面のシワ、汚れ、曇りがなく美麗である
△：表面のシワ、汚れまたは曇りが少しある
×：表面のシワ、汚れまたは曇りが多い
【００４６】
（実施例１〜１４および比較例１〜１２）
次に実施例および比較例におけるフィルムの延伸方法と延伸条件について説明する。
実施例１〜７および比較例１〜８は、表１に記載の樹脂を用い、表２に記載の樹脂組成と延伸条件（ダイス温度、延伸温度、延伸倍率）でインフレーション法により２軸延伸した。
【００４７】
＜インフレーション法＞
Ｌ／Ｄ＝４５の６０ｍｍφスクリューを有するサーキュラーダイ付き押出機で押出したチューブをインフレーションして冷却し、所望のフィルムとして巻取る。この際、フィルム厚みはダイス径と延伸倍率で適宜調節した。
実施例８〜１４および比較例９〜１５は、表１に記載の樹脂を用い、表３に記載の樹脂組成と延伸条件（ダイス温度、延伸温度、延伸倍率）でテンター法により２軸延伸した。
＜テンター法＞
Ｌ／Ｄ＝３２の６５ｍｍφのスクリューを有する押出機で、Ｔダイから押出したパリソンをロール加熱式縦延伸機で延伸した後、テンターにより横延伸して冷却してフィルムを巻取って所望のフィルムを得る。フィルムの厚みはダイスリット巾と延伸倍率により適宜調整した。
【００４８】
＜各実施例のおよび各比較例の評価＞
各実施例および各比較例の評価結果については、表２および表３に示す。
（実施例１〜実施例７）
実施例１〜実施例７は、本発明の要件をみたす条件のものであり、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムである。これらは、フィルム物性が本発明の要件を満たし、フィルム中のスチレン系低分子量成分の含有量とｎ−ヘプタンへの溶出量が極めて少なく、ラミネート適性（印刷位置ズレ性）およびラミネートシートの成形性（フィルム破れ性、型決まり性）、成形品の外観にも優れたものであった。
【００４９】
（比較例１）
比較例１は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、樹脂中に含有する低分子量成分の多いスチレン系樹脂を原料としたものである。ラミネート適性と成形性は良好であるが、フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多く、成形品の外観にも劣るものである。
【００５０】
（比較例２）
比較例２は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、ダイス温度と延伸温度が本発明の要件から低温側へ外れたものであり、原料樹脂は実施例１と同じである。延伸開始温度が低すぎるため延伸を安定に行えず、フィルムを得ることが出来なかった。
（比較例３）
比較例３は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、ダイス温度と延伸温度が本発明の要件から高温側へ外れたものであり、原料樹脂は実施例１と同じである。フィルム物性が本発明の要件から外れると共に、フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多くなり、ラミネート適性、成形品の外観に劣るものである。
【００５１】
（比較例４）
比較例４は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸倍率が本発明の要件から低倍率側へ外れたものであり、原料樹脂は実施例１と同じである。フィルム物性が本発明の要件から外れ、ラミネート適性に劣るものである。
（比較例５）
比較例５は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、原料樹脂組成中に低分子量成分を多く含むポリスチレンを４０重量％含むものである。フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多くなり、成形品の外観にも劣るものである。
【００５２】
（比較例６）
比較例６は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、原料樹脂組成中にスチレンブタジエンブロック共重合体を３０重量％含むものである。フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多く、成形品の外観にも劣るものである。
（比較例７）
比較例７は、インフレーション２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、原料樹脂組成中にスチレン−ブチルアクリレート共重合体を３０重量％含むものである。ラミネート加工適性、ラミネートシートの成形性は良好である。しかしながら、フィルムのビカット軟化温度が１００℃以下であることから、成形時において、表面にシワが発生し、成形品の外観が悪くなってしまった。また、残留低分子量成分が多く、ｎ−ヘプタンへの溶出量も多くなってしまった。
【００５３】
（実施例８〜１４）
実施例８〜実施例１４は、本発明の要件をみたす条件のものであり、テンター２軸延伸法での延伸フィルムである。これらは、フィルム物性が本発明の要件を満たし、フィルム中のスチレン系低分子量成分の含有量とｎ−ヘプタンへの溶出量が極めて少なく、ラミネート適性およびラミネートシートの成形性、成形品の外観にも優れたものであった。
（比較例８）
比較例８は、テンター２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、樹脂中に含有する低分子量成分の多いスチレン系樹脂を原料としたものである。ラミネート適性と成形性は良好であるが、フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多く、成形品の外観にも劣るものである。
【００５４】
（比較例９）
比較例９は、テンター２軸延伸法での延伸フィルムであり、ダイス温度と延伸温度が本発明の要件から低温側へ外れたものであり、原料樹脂は実施例１と同じである。フィルム物性が本発明の要件を外れ、ラミネート適性、ラミネートシートの成形性に劣るものである。
（比較例１０）
比較例１０は、テンター２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸倍率が本発明の要件から低倍率側へ外れたものであり、原料樹脂は実施例１と同じである。フィルム物性が本発明の要件から外れ、ラミネート適性に劣るものである。
【００５５】
（比較例１１）
比較例１１は、テンター２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、原料樹脂組成中に低分子量成分を多く含むポリスチレンを４０重量％含むものである。フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多くなり、成形品の外観にも劣るものである。
（比較例１２）
比較例１２は、テンター２軸延伸法での延伸フィルムであり、延伸条件は本発明の要件を満たすが、原料樹脂組成中にスチレンブタジエンブロック共重合体を３０重量％含むものである。フィルム中の低分子量成分の含有量、ｎ−ヘプタンへの溶出量が多く、成形品の外観にも劣るものである。
【００５６】
【表１】

【００５７】
【表２】

【００５８】
【表３】

【００５９】
【発明の効果】
本発明のスチレン系樹脂２軸延伸フィルムは、延伸後のフィルム中に残存するスチレン系低分子量成分量を低減することにより、成形性や剛性の点で問題の少ないラミネート容器を提供できる上、ゲルなどによる品質悪化がなく、光沢、透明性に優れる。また、本発明のフィルムは、２軸延伸してフィルムに適度な延伸配向度を付与したことにより低分子量成分の少ないスチレン系樹脂の問題点であった耐衝撃性についても改善すると共に、ラミネート加工時の寸法安定性、ラミネート製品の成形性、成形品の外観にも優れるラミネート用途に適したポリスチレン系２軸延伸フィルムを提供できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a biaxially stretched film made of a styrene resin. In particular, lamination (hereinafter, lamination) with a resin sheet base material such as polystyrene paper (hereinafter, PSP) or high-impact polystyrene sheet (hereinafter, HIPS sheet) is performed, followed by heating and secondary molding, for example, in a food tray or bowl. The present invention relates to a styrene-based resin biaxially stretched film suitable for use as a packaging container.
[0002]
[Prior art]
Styrene-based resin biaxially stretched films are used in the field of food packaging and envelope window materials due to the high gloss, transparency and stiffness of the film. In the field of food packaging, it is widely used for lamination with resin sheet base materials such as PSP and HIPS sheets, and the reason is that the same material as polystyrene-based resin sheet base materials is easily recycled. In particular, among the laminating applications, a sheet laminated and integrated with a resin sheet substrate is widely used for thermoforming into a container such as a food tray.
Films made of these polystyrene resins contain low molecular weight components such as styrene monomers, styrene dimers, and styrene trimers. The low molecular weight component contained in the film, although in a small amount, has an unfavorable effect on moldability and product performance.
[0003]
For example, when secondary processing a laminated sheet of styrene resin film and PSP into a container such as a food tray or a bowl, the low molecular weight components volatilize during the molding process and adhere to the mold or processing equipment, or the molded product Direct adhesion to the surface may cause problems such as soiling the product, impairing aesthetics and reducing commercial value. For this reason, measures such as setting the sheet preheating temperature low during molding and increasing the frequency of cleaning the molds and equipment are taken. However, these measures cause a decrease in productivity and moldability, and also have an adverse effect. In terms of the performance of the molded final product, if the styrene resin contains a large amount of low molecular weight components, the rigidity of the product, particularly the rigidity at the time of heating, is reduced, and the heat resistance may be reduced.
[0004]
Further, the low molecular weight component contained in the styrene resin may be eluted or volatilized from the styrene container. For example, in the Tokyo Institute of Technology Annual Report 50, pp. 208-214 (1999), elution of styrene-based low molecular weight components when n-heptane is used as a pseudo solvent for fats and oils and fatty foods in various styrene containers. Tests have been conducted, and it has been reported that there are styrene containers from which styrene monomers, dimers and trimers are eluted.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-121343 discloses an aromatic monovinyl resin as a styrene resin having a reduced content of a styrene low molecular weight component or a reduced amount of the low molecular weight component dissolved in n-heptane. A non-foamed sheet to which a small amount of arylbenzofuranone is added, the aromatic monovinyl monomer in the resin is 100 ppm or less, and the residual total amount of the aromatic monovinyl monomer, dimer and trimer is 4000 ppm or less. It is disclosed that some of them have excellent heat stability and moldability, have good color tone of molded articles, and reduce odor.
JP-A-2001-342208 relates to a styrene-based resin sheet obtained by molding and processing a resin obtained by anionic polymerization using an organic lithium initiator, wherein a resin having a total amount of monomers, dimers and trimers of less than 1000 ppm is a sheet. It is disclosed that it has excellent moldability and secondary workability, and also has excellent printability and high-temperature rigidity of a final product.
[0006]
Furthermore, JP-A-2002-53719 relates to a composition of a styrene-based polymer and a styrene-based block copolymer containing a conjugated diene bond unit, and contains 1000 ppm of a styrene-based low molecular weight component having a molecular weight of 140 to 400. It is disclosed that by making the amount less than n, the amount of elution into n-heptane can be reduced, the volatility can be extremely reduced, and the impact resistance, processability, and process stability can be improved.
However, these styrenic resin films having a low content of low molecular weight components have some problems and have not been widely used at present. The problems of the prior art will be specifically described below.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-121343 discloses a sheet using a styrene-based resin having a low low molecular weight component. However, the sheet is formed by simply forming a styrene-based resin having a low low molecular weight component into a sheet shape, and is not stretched. And brittle, causing problems in practical use.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-342208 discloses a sheet obtained by stretching a styrene-based resin having a small amount of low molecular weight components, and discloses that the sheet is biaxially stretched. It is presumed that when a film is produced by a known method using the resin described in the patent publication, the residual amount of low molecular weight components is reduced, but the idea of subjecting the obtained film to lamination with a PSP or HIPS sheet has been considered. No, film processing conditions are normal, and no mention is made of film properties.
[0008]
JP-A-2002-53719 discloses a sheet obtained by stretching a styrene-based resin composition having a small amount of low-molecular-weight components, and discloses that the biaxial stretching is performed, and that the amount of low-molecular-weight components remaining in the sheet can also be reduced. Have been. However, this patent publication has an adverse effect because the resin composition contains a diene-based copolymer component as a rubber component. In other words, if a diene-based component is contained, gelation and carbonization will proceed due to the heat history in the stagnant portion in the production equipment, and gels and carbides may be mixed into the film, and this is not suitable for applications such as food containers. Be an adaptation. In addition, inclusion of a rubber component causes deterioration of the transparency and gloss of the film, and is not suitable for applications where importance is placed on glossiness and aesthetics.
[0009]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-123322 relates to a polystyrene film suitable for laminating applications, which is a film made of a copolymer of polystyrene, styrene and an aliphatic carboxylic acid ester (such as a styrene butyl acrylate copolymer). It is disclosed that when the elongation at break and the modulus of elasticity are within appropriate ranges, the laminate sheet is excellent in moldability.
However, although this patent publication improves the formability and the like by lowering the Vicat softening temperature of the film, it has a problem from the viewpoint of productivity. In recent years, from the viewpoint of efficiency, the forming process of a laminate sheet is generally performed in a high shot cycle, and the forming temperature is in the direction of a higher temperature. That is, when the Vicat softening temperature is low as in the film described in this patent publication, the film shrinks rapidly, and thus there is a problem that wrinkles are generated on the product and the film is lifted on the surface.
[0010]
As described above, in the conventional technology, although only the film properties for improving the moldability of the laminate sheet are disclosed, the laminate represented by the laminate sheet moldability including high-speed moldability and the accuracy of the printing position are disclosed. A film suitable for processability and a stretching method thereof have not been disclosed yet, and a method of obtaining a styrene-based resin biaxially stretched film without increasing a low molecular weight component in an extrusion / stretching process has also been disclosed. Not something.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-9-123322
[Patent Document 2]
JP 2001-31046 A
[Patent Document 3]
JP-A-2000-103922
[Patent Document 4]
JP 2000-159920 A
[Patent Document 5]
JP 2000-218742 A
[Patent Document 6]
JP-A-2000-273230
[Patent Document 7]
JP 2001-26619 A
[Patent Document 8]
JP 2001-220577 A
[Patent Document 9]
JP 2001-294721 A
[Patent Document 10]
JP 2001-341246 A
[Patent Document 11]
JP 2001-342208 A
[Patent Document 12]
JP-A-2002-53719
[Patent Document 13]
JP-A-2002-79623
[Patent Document 14]
JP-A-2002-104366
[Patent Document 15]
JP-A-2002-121343
[Patent Document 16]
JP 2002-212233 A
[Non-patent document 1]
Tokyo Institute of Technology Annual Report 50, pp. 208-214 (1999)
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
It not only excels in laminate sheet formability, including lamination processability as a printing position accuracy after lamination and high-speed moldability, but also reduces the residual amount of styrene-based low molecular weight components in the film after stretching. An object of the present invention is to provide a biaxially stretched styrene-based resin film suitable for laminating applications, which can reduce the transfer of a styrene-based low-molecular-weight component to foods and the like and can obtain a food packaging container free from odor.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have made intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, have accomplished the present invention. That is, in the present invention, for the first time, by biaxially stretching a styrene-based resin, it is possible to form a stretched film without increasing the low molecular weight components remaining in the styrene-based resin under the specific production conditions disclosed in the present invention. It has been found that a film suitable for laminating applications having laminating suitability and laminate sheet formability can be obtained.
[0014]
That is, the present invention is as follows.
1. The content of a styrene-based low molecular weight component composed of a styrene-based monomer, a dimer and a trimer (hereinafter, simply referred to as a styrene-based low-molecular weight component) is 50 to 3000 ppm, the Vicat softening temperature is 103 to 130 ° C, and the ASTM-D882 method is used. Biaxial stretching of a styrene-based resin characterized in that the tensile modulus at 120 ° C. measured in accordance with ASTM-D1504 is in the range of 3 to 13 MPa in both longitudinal and transverse directions, and the heat shrinkage stress measured in accordance with the ASTM-D1504 method is in the range of 400 to 2000 KPa. the film.
2. 1. The content of a styrene-based low molecular weight component is 100 to 2000 ppm. 2. The biaxially stretched film of styrene resin described in 1.
3. The amount of styrene-based low molecular weight components eluted with n-heptane is 100 ppb or less. ~ 2. The biaxially stretched styrene resin film according to any one of the above.
4. 1. The styrene resin contains 1 to 10% by weight of high impact polystyrene. ~ 3. The biaxially stretched styrene resin film according to any one of the above.
[0015]
5. A styrene-based resin having a styrene-based low molecular weight component of 50 to 3000 ppm is stretched by an inflation stretching method at a draw ratio of 3.5 to 12 times, a die temperature is a Vicat softening temperature of the styrene-based resin +55 to + 95 ° C, and a stretching temperature is represented by the following formula ( 3) A method for producing a biaxially stretched styrene-based resin film, characterized in that the film is biaxially stretched under a condition satisfying 3).
Tv + 45 ≦ Tie ≦ Tv + 70 (3)
However, Tie is below the die temperature
Tv: Vicat softening temperature of styrene resin (° C)
Tie: stretching temperature in inflation stretching method (° C)
[0016]
6. A styrene-based resin having a styrene-based low molecular weight component of 50 to 3,000 ppm is stretched by a tenter stretching method at a draw ratio of 2 to 8 times, a die temperature is +55 to + 95 ° C of the styrene-based resin, and a stretching temperature is represented by the following formula (4). A method for producing a biaxially stretched styrene-based resin film, characterized in that the film is biaxially stretched under the conditions satisfying (1).
Tv + 20 ≦ Tte ≦ Tv + 40 (4)
However, Tte is below the die temperature
Tv: Vicat softening temperature of styrene resin (° C)
Tte: stretching temperature in the tenter stretching method (° C)
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention will be specifically described below, focusing on particularly preferred embodiments.
First, the styrene resin used in the present invention will be described.
The styrene resin may be a polymer of styrene alone or a copolymer containing at least 50% by weight of a styrene monomer as long as the requirements and characteristics of the present invention are not impaired. Specific examples of the copolymerization component include α-methylstyrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, t-butylstyrene, styrene derivatives such as chlorostyrene, methyl acrylate, butyl acrylate and the like. Acrylic acid, halogen-containing vinyl monomers and the like can be mentioned, and these monomers can be used alone or in combination of two or more. In the present invention, these styrenic resins may be used alone or in combination of two or more. However, the styrenic resin is preferably a polystyrene resin in an amount of 50% by weight or more, more preferably 70% by weight, from the viewpoint of rigidity and transparency. % Is preferable.
[0018]
In the present invention, the method for producing the styrene resin is not particularly limited, but the styrene low molecular weight component contained in the resin composition must be 50 to 3000 ppm. Further, the content is more preferably 100 to 2000 ppm, and still more preferably 100 to 1000 ppm. When the styrene-based low molecular weight component exceeds 3,000 ppm, the film surface is liable to be stained during the production of the film, the residual amount in the film is increased, and the amount of the styrene-based low molecular weight component eluted into n-heptane is increased. turn into. Examples of a method for obtaining a styrene resin satisfying this condition include the following examples. As a method of polymerizing styrene-based resin, a method using anionic polymerization using organolithium, one with a short thermal treatment time in the thermal history during polymerization, one with a reduced amount of oxygen present in the polymerization system during polymerization, one with a low molecular weight These include those with a higher degree of vacuum during devolatilization, those obtained by adding a heat stabilizer to the styrene resin obtained by these methods, and the like. A specific example of the styrene resin is A & M Polystyrene (registered trademark) G0002 manufactured by A & M Styrene Co., Ltd.
[0019]
As the molecular weight of the styrene resin, the weight average molecular weight measured by GPC is preferably 160,000 to 500,000, more preferably 180,000 to 400,000. By using a styrene-based resin having an average molecular weight of 500,000 or less, sufficient fluidity can be obtained for extrusion and stretching, and melt extrusion and stretched film formation can be performed without any great trouble. By using this, it is possible to give stretching stability and a sufficient degree of orientation to the film.
The styrene resin may contain high-impact polystyrene in a range of up to 10% by weight as long as the requirements and characteristics of the present invention are not impaired. When the content is 2 to 7% by weight, the effect of improving the impact resistance can be sufficiently obtained, the film is excellent in gloss and transparency, and the amount of elution to n-heptane can be kept small. More preferably, it is 3 to 5% by weight.
[0020]
In the present invention, the styrene-based low molecular weight component remaining in the film needs to be 50 to 3000 ppm. Preferably, the styrene-based low molecular weight component is 100 to 2000 ppm, more preferably 100 to 1000 ppm. When the styrene-based low molecular weight component exceeds 3000 ppm, when laminating or forming a film, surface contamination of a laminated product or a molded product is liable to occur. It is not preferable because it is necessary to take measures such as lengthening the molding cycle. In addition, the amount of elution into n-heptane increases, which is not preferable. Conversely, if the styrene-based low molecular weight component is less than 50 ppm, the film becomes brittle, which is not preferable.
[0021]
The styrene-based low molecular weight component is a combination of a styrene-based monomer, a dimer, and a trimer. When the styrene-based resin is styrene alone, the dimer is 1,3-diphenylpropane, cis-1,2-. Diphenylcyclobutane, 2,4-diphenyl-1-butene, and trans-1,2-diphenylcyclobutane. Similarly, the trimer is 2,4,6-triphenyl-1-hexene, 1e-phenyl-4e- (1′-phenylethyl) tetralin, 1a-phenyl-4e- (1′-phenylethyl) tetralin 1e-phenyl-4a- (1′-phenylethyl) tetralin and 1e-phenyl-4a- (1′-phenylethyl) tetralin.
[0022]
In the styrene resin film of the present invention, the amount of the styrene low molecular weight component eluted into n-heptane is preferably 100 ppb or less. More preferably, it is 50 ppb or less. More preferably, it is 30 ppb or less. If the amount of elution to n-heptane is within this range, the amount of the styrene-based low molecular weight component transferred from the container to the food is small, and problems such as generation of an unusual odor hardly occur.
In the present invention, it has been clarified that by setting the heat shrinkage stress and the high-temperature elastic modulus of the styrene-based resin film in appropriate ranges, the obtained laminate sheet also has good moldability while having good moldability. . That is, lamination aptitude requires that the heat shrinkage stress of the film be in an appropriate range as an appropriate resistance to withstand the temperature and tension during lamination. As for the moldability of the laminate sheet, it is necessary to set the elastic modulus at 120 ° C. as an index of sheet elongation at the time of molding to an appropriate range.
[0023]
In the present invention, the heat shrinkage stress (peak stress value measured in a silicone oil bath at 120 ° C.) of the film needs to be 400 to 2000 KPa in both the vertical and horizontal directions. More preferably, it is 500 to 1600 KPa. When the heat shrinkage stress of the film is less than 400 KPa, the film itself becomes too easily stretched with respect to the temperature and the tension during the laminating process, so that the positional deviation increases in the direction in which the print pattern of the film becomes longer. In order to suppress film elongation, it is necessary to take measures such as lowering the tension and reducing the processing speed.However, air bubbles and wrinkles are likely to enter the laminated product, resulting in poor quality and poor productivity. Is not preferred. On the other hand, when it exceeds 2,000 KPa, the film shrinks due to excessive shrinkage stress, and the positional deviation increases in the direction in which the print pattern becomes shorter. For this reason, measures such as increasing the tension applied to the film and increasing the laminating temperature are taken, but this is not preferable because it has adverse effects such as tearing of the film, irregularities in the printed pattern due to stretch unevenness (shrinkage unevenness), and deterioration in the surface properties of the laminate sheet.
[0024]
In addition, the tensile modulus at 120 ° C (measured according to the ASTM-D882 method) of the film of the present invention is 3 to 13 MPa at 120 ° C from the moldability of a laminate sheet made of the film. Preferably it is 5-10 MPa. When the tensile elastic modulus at 120 ° C. exceeds 13 MPa, elongation of the film at the time of forming a laminated product is insufficient. In addition, when measures such as raising the molding temperature or lengthening the molding cycle in order to improve molding defects are accompanied by deterioration of the molded product surface due to excessive preheating, deformation of the molded product or reduction in productivity, it is not preferable. .
[0025]
In order to achieve the heat shrinkage stress of the film and the tensile modulus at 120 ° C. in the present invention, it is preferable to apply an appropriate stretching orientation during the production of the film. For that purpose, it is preferable that the molecular weight and the Vicat softening temperature as the characteristics of the styrene resin itself, and the stretching temperature and the stretching ratio as the film production conditions are within the appropriate ranges specified in the present invention.
[0026]
The Vicat softening temperature of the film in the present invention is from 103 to 130 ° C. From the high-speed moldability of a laminated sheet, it is preferably 105 to 120 ° C. If the Vicat softening temperature is less than 103 ° C., the preheat temperature of the laminate sheet is increased, so that the film is likely to float and wrinkle, and the quality of the molded product is deteriorated. When the temperature exceeds 130 ° C., the moldability is deteriorated, and when the laminate sheet is formed with the PSP, secondary foaming of the laminate sheet increases, and a problem such that a product as designed cannot be obtained occurs. Absent.
[0027]
Hereinafter, the manufacturing method of the present invention will be described.
As a method of biaxially stretching the styrene-based resin biaxially stretched film of the present invention, the styrene-based resin is melted and extruded from a T-die or the like, and the raw fabric is longitudinally stretched by a stretching roll and then transversely stretched by a tenter. Or a method of extrusion from a circular die and inflation stretching.
[0028]
In the inflation stretching method, the stretching ratio is 3.5 to 12 times in each of the longitudinal direction and the transverse direction. Therefore, a range of 5 to 10 times is particularly preferable. When the stretching ratio is less than 3.5 times, the degree of stretching orientation is too low, so that the impact resistance of the film is lowered and the film is easily cut during lamination, which is not preferable. For imparting impact resistance, polystyrene having a low molecular weight component tends to be inferior in impact resistance to general-purpose polystyrene (containing a large amount of low molecular weight component), and is important in the present invention.
[0029]
As stretching conditions other than the stretching ratio, in the present invention, the die temperature is preferably in the range of the Vicat softening temperature of the styrenic resin + 55 to 95 ° C., whereby the resin temperature at the stretching start point (hereinafter referred to as the stretching temperature) ) Can be in a specific range.
The range of the die temperature is an appropriate range for suppressing the thermal history at the time of extrusion before stretching and the thermal decomposition of the resin due to shearing at the die. In a general method, it is known that the low molecular weight component of the polystyrene resin increases due to heat generation due to shearing in the extruder, and an extruder with a vent port is used, and the low molecular weight component is devolatilized. That is the current situation. Further, from the viewpoint of moldability, the die temperature is usually higher than the resin temperature in the extruder. This prioritizes the formability because of the short residence time in the die.
[0030]
However, the present inventors have discovered that the die temperature contributes to oligomer generation. That is, it has been found that when the die temperature exceeds the Vicat softening temperature +95, the low molecular weight components increase rapidly. Further, the present inventors have found out stretching conditions under which the film can be stretched without increasing the low molecular weight component even under the condition of a low die temperature, and a film suitable for a film for lamination can be obtained. If the die temperature is higher than the Vicat softening temperature of the styrenic resin + 95 ° C., the low molecular weight component increases due to thermal decomposition, and the low molecular weight component remaining in the film, which is a requirement of the present invention, is achieved. It becomes difficult.
[0031]
In addition, the produced low molecular weight component may stain a manufacturing device such as a die or adhere to a film to stain. Conversely, when the temperature is low, that is, lower than the Vicat softening temperature + 55 ° C., the resin pressure in the die becomes too high, so that it is necessary to reduce the extrusion amount, and the productivity tends to decrease. Further, since the stretching temperature is also reduced according to the die temperature, excessive stretching orientation is applied to the film, and the film properties required for the present invention are hardly obtained, and the laminating processability and the moldability of the laminated sheet become insufficient. There are cases.
In the present invention, in addition to controlling the die temperature, it is preferable that the stretching temperature is also within a certain range.
[0032]
The stretching temperature in the inflation stretching method is preferably Vicat softening temperature + 45 to 70 ° C. When the content is out of this range, it is difficult to obtain the film properties required for the present invention. When the stretching temperature deviates from the high temperature side, the film tends to be brittle due to a low degree of stretching orientation of the film, and a printing position shift during lamination processing is apt to occur. Furthermore, since the melt tension at the time of stretching is low, the stability of the inflation bubble becomes insufficient, and the thickness unevenness of the film tends to occur. Further, when the stretching temperature is deviated to a lower temperature side, the stretching orientation degree of the film becomes high, the laminating processability and the moldability of the laminated sheet become insufficient, and it may not be possible to perform stretching for obtaining a predetermined stretching ratio or thickness. is there.
[0033]
In the tenter stretching method, the stretching ratio is preferably 2 to 8 times in each of the longitudinal direction and the transverse direction, and from the viewpoint of the expression of the stiffness and the uniformity of stretching, which are characteristics of the polystyrene-based film by imparting the stretching orientation. Particularly, a range of 3 to 6 times is preferable. When the stretching ratio is less than 2 times, the degree of stretching orientation is too low, and the impact resistance of the film is lowered. On the other hand, when the stretching ratio exceeds 8 times, the degree of orientation increases and the film tends to shrink during lamination.
[0034]
The stretching temperature in the tenter stretching method is preferably the Vicat softening temperature of the polystyrene resin + 20 to 40 ° C. When the content is out of this range, it is difficult to obtain the film properties required for the present invention. When the stretching temperature deviates from the high temperature side, the degree of stretching orientation of the film is low, so that the film is apt to be brittle, and the printing position shift during lamination is likely to occur. Furthermore, since the melt tension at the time of stretching is low, the stability of stretching is insufficient and unevenness in the thickness of the film is likely to occur. On the other hand, when the stretching temperature deviates from the low temperature side, the degree of stretching orientation of the film increases, and the laminating processability and the moldability of the laminate sheet become insufficient.
[0035]
In the present invention, addition of a stabilizer such as a heat stabilizer and an antioxidant to the styrene resin is also effective in suppressing an increase in low molecular weight components during film production and post-processing. Examples of heat stabilizers and antioxidants include phenol-based, amine-based, phosphorus-based, sulfur-based, and hindered amine-based stabilizers. These stabilizers may be used as long as the requirements and characteristics of the present invention are not impaired. It may be mixed.
The biaxially stretched styrene-based resin film of the present invention includes, in addition to the above stabilizers, known ultraviolet absorbers, fine-particle antiblocking agents such as inorganic fine particles and organic fine particles, lubricants, coloring agents, antistatic agents, and the like. Can be blended within a range that does not impair the requirements and characteristics of the present invention.
[0036]
In the present invention, the film thickness after stretching is preferably 5 to 5000 μm, and from the viewpoint of laminating processability, is more preferably 10 to 150 μm, and still more preferably 15 to 50 μm, but is not particularly limited in the present invention. Not something.
The glossiness (measured according to the ASTM-D2457 method) of the film of the present invention is preferably 140% or more in view of the appearance of the laminated product and the molded product. More preferably, it is 160% or more. When the glossiness is less than 140%, the surface of the container is not glossy.
[0037]
The film of the present invention, for the purpose of imparting functions such as improvement of adhesion to a mating substrate during lamination, antistatic properties of laminated products and molded products, antifogging properties, mold release properties, etc. Surface treatment may be performed as long as requirements and characteristics are not impaired. The surface treatment referred to herein is a hydrophilic treatment such as a corona treatment on the film surface, a surfactant, an antifogging agent, an antistatic agent, and a coating on the film surface such as a release agent such as silicone. May be used alone or in combination of two or more.
[0038]
【Example】
Next, the present invention will be described with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
First, the evaluation measurement method and determination criteria used in the examples and comparative examples are described below.
[0039]
(1) Content of styrene-based low molecular weight components remaining in the film
The content of the low molecular weight component was determined for the styrene monomer, dimer and trimer by the following method.
Sample preparation: 1 g of film was dissolved in methyl ethyl ketone. Methanol was added to precipitate and separate the polymer, and the supernatant was measured by GC.
GC measurement conditions
Equipment: GC6890 (registered trademark) manufactured by Agilent
Detection method: FID
Column: HP-1 (trademark, 100% dimethylsiloxane)
Length 30m, film thickness 0.25μm, inner diameter 0.32mmφ
Column temperature: 40 ° C-2 minutes-20 ° C / min-260 ° C-5 minutes
Inlet temperature: 200 ° C
Detector temperature: 320 ° C
Carrier gas: helium
It was determined according to the following evaluation criteria based on the amount of the low molecular weight component.
A: 2000 ppm or less
：: 2001 to 3000 ppm
×: exceeds 3000 ppm
[0040]
(2) Elution amount of styrene-based low molecular weight components into n-heptane
Elution conditions for n-heptane
Extraction method: Single-sided extraction method
Extraction solvent amount: film 1cm ² 2ml per
Extraction temperature: 25 ° C
Extraction time: 1 hour
Low molecular weight components (styrene-based monomer, dimer, trimer) in n-heptane were quantified using GC6890 in the same manner as in (1).
It was determined based on the following evaluation criteria based on the amount of elution into n-heptane.
◎: 50 ppb or less
：: 51 to 100 ppb
×: Exceeds 100 ppb
[0041]
(3) Heat shrinkage stress
According to ASTM-D-1504, the peak value of the orientation relaxation stress was measured in a silicone oil bath at 120 ° C. in each of the longitudinal direction and the transverse direction of the biaxially stretched film and sheet, and the result was rounded to an integer. I asked.
(4) High temperature tensile modulus (120 ° C)
It measured based on ASTM-D882 method. For high temperature measurement, a constant temperature bath was used in addition to the tensile tester, and the measurement temperature was adjusted to 120 ° C. The tensile modulus at a measurement temperature of 120 ° C. was measured (between 10 and 30% elongation), and the value was rounded off to one decimal place.
[0042]
(5) Vicat softening temperature
It measured according to ASTM-D-1525. (Load 1kg / cm ² , Heating rate 2 ° C / min)
(6) Glossiness
In accordance with ASTM-D-2457, the glossiness of the film measured at a light incident angle of 45 ° with respect to the biaxially stretched film surface was rounded off to an integer value.
Regarding the evaluation criterion of the glossiness, when it is 140% or more, the film is a film having good gloss as a laminating film, ○, 120 to 139% is a film having a slightly poor gloss, and 119% or less has poor gloss. And
[0043]
(7) Suitability for lamination (positional misalignment during lamination)
Performed by the heat lamination method: A sample film (printed product) having a width of 600 mm and a PSP having a thickness of 2.5 mm (average expansion ratio: 14 times, width: 630 mm) are bonded to a thermocompression roller (a heating roll having a roll surface temperature of 165 ° C., a diameter of 400 mm, and a roll). Laminating with a heat laminating machine equipped with a width of 1.3 m and a roll speed of 10 m / min). The film tension at that time was 350 N (per film width of 610 mm). The film was subjected to cross-cut printing at 1 mm intervals, and the dimensional change after lamination (the following formula, where the numerical values are absolute values) was measured 10 times at 5 m intervals, and the average value was calculated as follows. Evaluation was based on criteria.
ΔL = (L2-L1)
Here, ΔL is the dimensional change (mm), L1 is the length (= 1000 mm) of 1,000 grids before lamination, and L2 is the length (mm) of 1000 grids after lamination.
：: dimensional change is less than 30 mm
Δ: Dimensional change is 30 to 50 mm
×: dimensional change is 50 mm or more
[0044]
(8) Formability of laminated products
The laminated product produced by the evaluation of the displacement during lamination was evaluated by a vacuum forming machine (sheet width 630 mm, heating zone 2 zones, far-infrared heater radiation heating type) under the conditions of a preheating time of 4 seconds and a mold temperature of 84 ° C. Molding was performed at three levels of preheating temperature (heater temperature setting) of 270 ° C., 280 ° C., and 290 ° C. As an index of the formability, the tearability and mold regularity of the film were evaluated according to the following criteria. The molding was performed 18 shots under each condition, and 11 shots (99 molded articles) were used as evaluation samples, excluding the fifth shot from the start and the second shot from the end.
(A) Film tearability
：: No film breakage in all molded products
Δ: Film breakage occurred in 1 to 5 molded products
×: Film breakage occurred in 5 or more molded products
(B) Formality
：: All molded products could be molded according to the mold
Δ: 1 to 5 molded products could not be molded according to the mold
×: Six or more molded products could not be molded as per the mold
[0045]
(9) Appearance of molded product
7 above. All of the 99 molded products obtained at a molding temperature of 290 ° C. were inspected, and the visual evaluation results of the molded products having the worst appearance were evaluated according to the following evaluation criteria.
：: beautiful without wrinkles, dirt, or fogging on the surface
Δ: Some wrinkles, dirt or cloudiness on the surface
×: Many wrinkles, dirt or cloudiness on the surface
[0046]
(Examples 1 to 14 and Comparative Examples 1 to 12)
Next, the stretching method and stretching conditions of the film in the examples and comparative examples will be described.
Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1 to 8 were biaxially stretched by the inflation method using the resins shown in Table 1 under the resin composition and stretching conditions (die temperature, stretching temperature, stretching ratio) shown in Table 2. .
[0047]
<Inflation method>
The tube extruded with a circular die extruder having a 60 mmφ screw with L / D = 45 is inflated, cooled and wound up as a desired film. At this time, the film thickness was appropriately adjusted by the die diameter and the draw ratio.
Examples 8 to 14 and Comparative Examples 9 to 15 were biaxially stretched by the tenter method using the resins shown in Table 1 under the resin composition and stretching conditions (die temperature, stretching temperature, stretching ratio) shown in Table 3. .
<Tenter method>
A parison extruded from a T-die is stretched by a roll-heated longitudinal stretching machine with an extruder having a screw of 65 mmφ with L / D = 32, then transversely stretched by a tenter, cooled and wound up to obtain a desired film. Get. The thickness of the film was appropriately adjusted according to the die slit width and the stretching ratio.
[0048]
<Evaluation of each example and each comparative example>
Tables 2 and 3 show the evaluation results of each example and each comparative example.
(Examples 1 to 7)
Examples 1 to 7 are conditions satisfying the requirements of the present invention, and are stretched films by an inflation biaxial stretching method. In these, the film physical properties satisfy the requirements of the present invention, the content of styrene-based low molecular weight components in the film and the amount of elution to n-heptane are extremely small, the suitability for lamination (printing misalignment) and the moldability of the laminate sheet. (Film breakability, moldability) and the appearance of the molded product were also excellent.
[0049]
(Comparative Example 1)
Comparative Example 1 is a stretched film obtained by the inflation biaxial stretching method, which satisfies the requirements of the present invention under stretching conditions, but uses a styrene-based resin containing a large amount of low molecular weight components contained in the resin as a raw material. Although the suitability for lamination and moldability are good, the content of low molecular weight components in the film and the amount of elution into n-heptane are large, and the appearance of the molded product is also poor.
[0050]
(Comparative Example 2)
Comparative Example 2 is a stretched film obtained by the inflation biaxial stretching method, in which the die temperature and the stretching temperature deviate from the requirements of the present invention toward a lower temperature side, and the raw material resin is the same as in Example 1. Since the stretching start temperature was too low, stretching could not be performed stably, and a film could not be obtained.
(Comparative Example 3)
Comparative Example 3 is a stretched film by the inflation biaxial stretching method, in which the die temperature and the stretching temperature deviate from the requirements of the present invention toward the high temperature side, and the raw material resin is the same as in Example 1. The physical properties of the film deviate from the requirements of the present invention, and the content of low molecular weight components in the film and the amount of elution into n-heptane increase, resulting in poor lamination suitability and appearance of the molded product.
[0051]
(Comparative Example 4)
Comparative Example 4 is a stretched film by the inflation biaxial stretching method, in which the stretching ratio deviates from the requirement of the present invention toward the lower magnification side, and the raw material resin is the same as in Example 1. Film properties deviate from the requirements of the present invention and are poor in laminating suitability.
(Comparative Example 5)
Comparative Example 5 is a stretched film formed by the inflation biaxial stretching method. The stretching condition satisfies the requirements of the present invention, but the resin composition contains 40% by weight of polystyrene containing a large amount of low molecular weight components. The content of the low molecular weight component in the film and the amount of elution into n-heptane are increased, and the appearance of the molded product is poor.
[0052]
(Comparative Example 6)
Comparative Example 6 is a stretched film obtained by the inflation biaxial stretching method. The stretching condition satisfies the requirements of the present invention, but the styrene-butadiene block copolymer contains 30% by weight in the raw material resin composition. The content of the low molecular weight component in the film and the amount of elution into n-heptane are large, and the appearance of the molded product is poor.
(Comparative Example 7)
Comparative Example 7 is a stretched film obtained by the inflation biaxial stretching method. The stretching condition satisfies the requirements of the present invention, but the styrene-butyl acrylate copolymer is contained in the raw resin composition in an amount of 30% by weight. The suitability for lamination and the moldability of the laminate sheet are good. However, since the Vicat softening temperature of the film was 100 ° C. or less, wrinkles occurred on the surface during molding, and the appearance of the molded article was deteriorated. Further, the residual low molecular weight component was large, and the amount of elution into n-heptane was also increased.
[0053]
(Examples 8 to 14)
Examples 8 to 14 are conditions satisfying the requirements of the present invention, and are stretched films by a tenter biaxial stretching method. These have the properties of the film satisfying the requirements of the present invention, the content of the styrene-based low molecular weight component in the film and the amount of elution into n-heptane are extremely small, and the lamination suitability and the moldability of the laminate sheet, the appearance of the molded product are improved. Was also excellent.
(Comparative Example 8)
Comparative Example 8 is a stretched film by a tenter biaxial stretching method, and the stretching condition satisfies the requirements of the present invention, but a styrene-based resin containing a large amount of low molecular weight components contained in the resin is used as a raw material. Although the suitability for lamination and moldability are good, the content of low molecular weight components in the film and the amount of elution into n-heptane are large, and the appearance of the molded product is also poor.
[0054]
(Comparative Example 9)
Comparative Example 9 is a stretched film by a tenter biaxial stretching method, in which the die temperature and the stretching temperature deviate from the requirements of the present invention toward a lower temperature side, and the raw material resin is the same as in Example 1. Film properties deviate from the requirements of the present invention, and are inferior in suitability for lamination and moldability of a laminated sheet.
(Comparative Example 10)
Comparative Example 10 is a stretched film by the tenter biaxial stretching method, in which the stretching ratio deviates from the requirement of the present invention to the lower magnification side, and the raw material resin is the same as in Example 1. Film properties deviate from the requirements of the present invention and are poor in laminating suitability.
[0055]
(Comparative Example 11)
Comparative Example 11 is a stretched film by a tenter biaxial stretching method, and the stretching conditions satisfy the requirements of the present invention, but include 40% by weight of polystyrene containing a large amount of low molecular weight components in the raw resin composition. The content of the low molecular weight component in the film and the amount of elution into n-heptane are increased, and the appearance of the molded product is poor.
(Comparative Example 12)
Comparative Example 12 is a stretched film formed by a tenter biaxial stretching method. The stretching condition satisfies the requirements of the present invention, but the styrene-butadiene block copolymer contains 30% by weight in the raw resin composition. The content of the low molecular weight component in the film and the amount of elution into n-heptane are large, and the appearance of the molded product is poor.
[0056]
[Table 1]

[0057]
[Table 2]

[0058]
[Table 3]

[0059]
【The invention's effect】
The biaxially stretched styrene-based resin film of the present invention can provide a laminate container with less problems in terms of moldability and rigidity by reducing the amount of styrene-based low molecular weight components remaining in the stretched film, as well as gel. There is no deterioration in quality due to such factors as excellent gloss and transparency. Further, the film of the present invention is biaxially stretched to impart an appropriate degree of stretching orientation to the film, thereby improving the impact resistance, which was a problem of a styrene-based resin having a low low molecular weight component, and laminating the film. It is possible to provide a biaxially stretched polystyrene film suitable for use in lamination, which is excellent in dimensional stability at the time, moldability of a laminated product, and appearance of the molded product.

Claims

The styrene-based monomer, the content of the styrene-based low-molecular weight component composed of a dimer and a trimer is 50 to 3000 ppm, the Vicat softening temperature is 103 to 130 ° C, and the tensile modulus at 120 ° C measured according to the ASTM-D882 method is A biaxially stretched styrene-based resin film having a length and width of 3 to 13 MPa and a heat shrinkage stress of 400 to 2000 KPa in both length and width measured according to the ASTM-D1504 method.

The biaxially stretched styrene resin film according to claim 1, wherein the content of the styrene low molecular weight component is 100 to 2000 ppm.

The biaxially stretched styrene-based resin film according to any one of claims 1 to 2, wherein the amount of the styrene-based low molecular weight component eluted with n-heptane is 100 ppb or less.

The styrene resin biaxially stretched film according to any one of claims 1 to 3, wherein the styrene resin contains 1 to 10% by weight of high impact polystyrene.

A styrene-based resin having a styrene-based low molecular weight component of 50 to 3000 ppm is stretched by an inflation stretching method at a draw ratio of 3.5 to 12 times, a die temperature is a Vicat softening temperature of the styrene-based resin +55 to + 95 ° C, and a stretching temperature is represented by the following formula ( 1) A method for producing a biaxially stretched styrene-based resin film, wherein the film is biaxially stretched under a condition satisfying 1).
Tv + 45 ≦ Tie ≦ Tv + 70 (1)
Here, Tie is lower than the die temperature Tv: Vicat softening temperature of styrene resin (° C)
Tie: stretching temperature in inflation stretching method (° C)

A styrene-based resin having a styrene-based low molecular weight component of 50 to 3000 ppm was stretched by a tenter stretching method at a draw ratio of 2 to 8 times, a die temperature was set to a Vicat softening temperature of the styrene-based resin +55 to + 95 ° C, and a stretching temperature was represented by the following formula (2). A method for producing a biaxially stretched styrene-based resin film, characterized in that the film is biaxially stretched under the conditions satisfying (1).
Tv + 20 ≦ Tte ≦ Tv + 40 (2)
Here, Tte is equal to or lower than the die temperature. Tv: Vicat softening temperature of styrene resin (° C.)
Tte: stretching temperature in the tenter stretching method (° C)