JP2004167396A - Coating film capable of preventing and removing scribble and poster - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速道路の橋脚や桁、歩道橋、電柱、壁面、街灯の柱等の建築構造物への落書きおよび貼り紙の防止方法、およびそのために用いる落書き除去性および貼り紙の剥離性に優れた塗膜に関する。また本発明は、落書きされた面から落書きを剥がし取ることのできる塗膜を形成する塗料およびその塗料を用いる落書き除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物等への落書きによる被害は古くから存在するが、最近は不安定な生活環境から来るストレスの蓄積から悪質な落書きが増えており、また激しい商戦に伴う貼り紙が増えている。加えてインクやペイントの種類の増加やその特性の高度化、および易接着性の粘着剤の発展によって、一旦形成された落書きや貼り紙の除去はますます困難になってきている。この問題に対して、落書きや貼り紙を防止したり、取り除く方法も種々工夫されてきている。
【0003】
落書きや貼り紙を防止する方法として、落書きや貼り紙がなされてもそれらを容易に除去することのできる塗料が開発されている。このような塗料の場合、多くは塗膜の耐候性が弱く、1〜2年程度で塗膜の滑性や撥水性が低下して落書き、貼り紙防止機能が悪くなるという点で効果は十分でない。また、長期間の落書き防止効果を維持させるためにシリコンオイルやワックスなどの滑剤や撥水剤を塗膜に配合しているが、経時で塗膜表面にこれ等の滑剤や撥水剤が露出するため汚れが付きやすいなど美感上の問題がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、一旦書かれた落書きを除去する方法としては、溶剤や洗剤で拭き取る方法や合成樹脂クリヤーを塗布して、クリヤー側に落書きを付着させてクリヤー塗膜と一緒に剥がし取る方法がある。落書きを付着させてクリヤー塗膜と一緒に落書きを剥がし取る方法(例えば、特許文献2、非特許文献1)としては、塗膜で剥ぎ取る時に塗膜が切れることや、伸び率が大き過ぎて膜が伸び作業が手間となるなどの問題がある。
上記のように、落書きや貼り紙を取り除き易くする方法も、書かれた落書きを除去する方法も現時点では満足なものはなく、より優れた方法が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−151540号公報
【特許文献2】
特開平11−131022号公報
【非特許文献1】
「レジガードFAリニュー」(大日本塗料(株);商品名)(1993年3月作成)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期にわたって落書きや貼り紙に対して優れた除去性を有し、且つ汚れがつきにくい塗膜を提供することを意図してなされたものである。また本発明は、一旦なされた落書きを容易に除去する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下塗りとしてのエポキシ樹脂系プライマー、中塗りとしての湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料および上塗りとしての常温硬化型シリコーン樹脂クリヤーからなる塗膜構成を有し、上塗りに撥水剤および滑剤を含有しないことを特徴とする落書きインク除去性および貼り紙剥離性に優れた塗膜に関する。
詳しくは、本発明は、塗膜面の水接触角が100°(20℃)以上で且つ鉛筆引っかき値がH以上である上記の落書き除去性および貼り紙剥離性に優れた塗膜に関する。
特に、本発明は、中塗り湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料中に平均粒径1〜500μmの骨材を中塗り塗料固形分の5〜30重量%となる量で配合した上記の貼り紙剥離性に優れた塗膜に関する。
また、本発明は、物体表面に上記の落書き除去性および貼り紙剥離性に優れた塗膜を形成することを特徴とする構造物への落書きまたは貼り紙の防止方法に関する。
更に、本発明は、アクリル系またはアクリルスチレン系合成樹脂エマルジョン塗料に塗料固形分に対して0.5〜5.0重量%の繊維状パルプ粉末を配合したことを特徴とする塗料であって、落書きされた物体面上に塗布し、塗膜形成後に塗膜を引き剥がすことにより塗膜面に落書きを転写除去することができる性質を有する落書き剥離性塗料に関する。
詳しくは、本発明は、塗膜が20℃での引張強度150〜400N/cm2、伸び10〜60%を有する上記の塗料に関する。
更にまた、本発明は、落書きされた物体面上に上記の落書き剥離性に優れた塗布を塗布し、塗膜が形成された後この塗膜を引き剥がすことにより落書きを除去する方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、ひとつには、壁面等の構造物などになされる落書きや貼り紙が付きにくく、また落書きや貼り紙がされた場合に落書きを除去しやすく、貼り紙を剥離しやすい塗膜およびこの塗膜を用いた落書きや貼り紙の防止方法に関する。もうひとつには、落書き上に塗布し、造膜後その膜を剥がすことにより落書きをその膜とともに剥離して取り除くことのできる塗料、およびこの塗料を用いて落書きを除去する方法に関する。
【0009】
本発明において、落書きとは、構造物等の物体に油性のラッカースプレーやマジックインクなどで書かれた図や文字等であり、水洗等の簡単な作業では除去できないものを言う。
また、貼り紙とは、構造物等に糊で貼り付けられた紙を言い、この紙は予め糊剤の付いた紙も含む。
【0010】
本発明の落書き除去性および貼り紙剥離性に優れた塗膜は、下塗り、中塗りおよび上塗りの少なくとも3層からなる。
下塗り材にはエポキシ樹脂系プライマーを使用する。エポキシ樹脂系プライマーは落書きの対象となる物体である金属やコンクリート、モルタル等、あるいはそこに既に付着している古い塗膜などへの付着性が優れている点で本発明にとって好ましい。特に、一般的に使用される常温乾燥型の2液型塗料が好ましい。
このエポキシ系プライマーの組成は、液状や固形のビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤をビヒクルとして着色顔料、体質顔料、防錆顔料、添加剤などを配合した公知の塗料でよく、必要であれば石油樹脂などを配合した変性エポキシ樹脂塗料なども使用することができる。
【0011】
中塗り材は、下塗りのエポキシ系プライマーおよび上塗りの常温硬化型シリコーン樹脂クリヤーにともに良好な付着性を有することが必要であり、湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料を使用する。
中塗り塗料として、常温乾燥型シリコーン樹脂クリヤーはエポキシ系プライマーとの付着性が極めて悪く、また中塗にアクリルウレタン樹脂塗料やポリエステルウレタン樹脂塗料を用いると下塗りとは良好な付着性を示すが、上塗に用いる常温乾燥型シリコーン樹脂クリヤーとは付着性が悪く、いずれも本発明の中塗り材としては好ましくない。
湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料とは、一般に第3級アミノ基含有アクリル樹脂(主剤)とエポキシ含有シリコン化合物(硬化剤)を混合し、空気中の水分を取り入れて常温硬化させるものを言う。
【0012】
本発明では、いずれの湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料をも使用することができるが、中でも第3級アミノ基含有アクリル樹脂を主剤として、エポキシ含有シリコン化合物を硬化剤とする2液型塗料が特に好ましい。
例えば、大日本インキ化学工業(株)から発売されているもので、使用する前に主剤と硬化剤を混合して塗布すれば常温で乾燥できる塗料等が利用できる。この樹脂は速乾性で本明細書で説明する下塗りのエポキシ樹脂系プライマーや上塗の常温乾燥型乾燥型シリコーン樹脂クリヤーとも良好な付着性を有しており、中塗りとしては最適な材料である。そのような商品として次のものを例示する事ができる:
市販樹脂:大日本インキ化学工業(株)
(主剤)第3級アミノ基含有アクリル樹脂:アクリディックYY466、A9550
(硬化剤)エポキシ基含有シリコン化合物:アクリディックA9586、BZ−1163
【0013】
またこの中塗りは通常は色付けの面から、顔料を配合したエナメル塗料を使用することが好ましい。エナメル塗料は第3級アミノ基含有アクリル樹脂に着色顔料、体質顔料、添加剤などを配合してサンドミルなどの分散機で規定の粒度に分散して製造される。
【0014】
本発明の上塗り材には常温硬化型シリコーン樹脂クリヤーを使用する。常温硬化型シリコーン樹脂とは、三官能基を有する一般的なポリオルガノシロキサン樹脂であり、官能基としてはシラノール基(主剤)、アルコキシ基(硬化剤)があり、これらを混合することにより触媒下で脱アルコール反応が起こり硬化するものをいう。
この常温硬化型シリコーン樹脂クリヤーは主剤と硬化剤とからなる2液型塗料である。主剤は一般式(I)で表されるシラノ―ル樹脂
【0015】
【化1】
【0016】
〔式中、R1はメチル基、R2はフェニル基を示し、nは6〜10の整数を表す〕
と末端にシラノール基を持つジオールを併用させた樹脂で市販のシラノール樹脂としてはTSR−116、TSR−127、TSR−144、TSR−145(いずれも東芝シリコーン(株)製)で、ジオールとしてはYF3800、YF3804、XC96−723(いずれも東芝シリコーン(株)製)等を用いることができる。
【0017】
硬化剤は一般式(II)で表されるアルコキシレジン
【化2】
〔式中、R1はメチル基を示し、nは3〜7の整数を表す〕
と触媒の混合物で、市販のアルコキシレジンとしてはXC96−B0446、XR31−B1410(いずれも東芝シリコーン(株)製)、触媒としてはCR−15、TSL−8345(いずれも東芝シリコーン(株)製)等のγ−アミノプロピルトリエトキシシランまたはジブチル錫ラウレート系触媒等を利用できる。
これらの樹脂を配合することで上塗りとして高硬度で水接触角の高い塗膜が得られる。
【0018】
本発明で、上塗りとして特に好ましい、落書き除去性の優れた塗料配合は次のものである:
〔上塗り塗料の配合の1例〕
シラノ―ルレジン 100重量部
アルコキシレジン 80〜100重量部
ジオール 10〜30重量部
触媒 5〜10重量部。
尚、上塗は落書き除去性や貼り紙除去性をアップさせるためにクリヤーで使用することが好ましい。このため色相は中塗の色によって決まる。
【0019】
本発明の上塗りには、撥水剤や滑剤等を含有しない。そのため従来の落書き防止塗料とちがって、撥水剤のブリーディングによる汚れの付きやすさや経時での落書き除去性の低下等の欠点がないという特徴がある。
またこのような上塗りを使用することにより、本発明の落書き除去性および貼り紙の剥離性に優れた塗膜の塗膜面の20℃での水接触角を100°以上で、且つ鉛筆引っかき値がH以上とすることができる。この特性も本発明の塗膜の特徴のひとつである。
【0020】
本発明の落書き除去性および貼り紙剥離性に優れた塗膜は、上記のような構成を持つことによって、その上に落書きや貼り紙が付きにくく、落書きや貼り紙を防止でき、またこの上に落書きされた場合に容易にその落書きを除去することができるし、また貼り紙がされた場合にも容易にその紙を剥がして跡に汚れが残らないようにすることができる。
落書きを除去するには、例えばラッカーシンナーを含ませた布切れを用いて落書きされた箇所を拭き取るようにして落書きを落とせばよい。また貼り紙を除去するには、例えば貼り紙の端から引っ張るように剥がすと貼り紙は簡単に取れる。取れにくい場合は貼り紙の端にテープを貼り、テープと一緒に剥がすと貼り紙は簡単に剥がすことができる。もし糊などの汚れが残った場合はテープを貼り付け、剥がすと、糊などの汚れはこのテープと一緒に除去できる。
【0021】
本発明の貼り紙の剥離性に優れた塗膜には、その中塗り湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料中に粒径範囲1〜500μmの骨材を中塗り塗料固形分の5〜30重量%となる量で配合することが好ましく、こうすることによりさらに貼り紙の剥離を容易にすることができる。これらの骨材の大きさはより好ましくは100〜500μmである。また塗膜中へのより好ましい配合量は10〜25重量%である。
このような骨材の例としては、プラスチックビーズ、ガラスビーズやシラスバルーン等の軽量骨材等が挙げられる。市販のプラスチックビーズとしては、例えばテクノポリマー(積水化学(株)製)、ファインパール(住友化学(株)製)、タフチック(東洋紡績(株)製)等が、またシラスバルーンとしては、例えばウインライトWB(イヂチ化成(株)製)、中空バルーンHFB(堺商事(株)製)等が例示できる。
【0022】
本発明は、また、アクリル系またはアクリルスチレン系合成樹脂エマルジョン塗料に塗料の塗膜形成成分に対して0.5〜5.0重量%の繊維状パルプ粉末を配合したことを特徴とする塗料であって、落書きされた物体面上に塗布し、塗膜形成後に塗膜を引き剥がすことにより塗膜面に落書きを転写除去することができる性質を有する、落書き剥離性塗料を提供する。
この塗料は、造膜後、塗膜が20℃での引張強度150〜400N/cm2、伸び10〜60%を有することが好ましい。また塗膜が20℃での引張強度300〜400N/cm2、伸び15〜40%を有することが更に好ましい。
【0023】
ここで言う合成樹脂エマルジョンは常温で造膜性を有するものであればいずれも使用することができるが、好ましくはアクリル系またはアクリルスチレン系樹脂のエマルジョンである。このような合成樹脂エマルジョンは市販されており、例えば、アクリル系ではモビニール#700、#727、#745(いずれもクラリアントポリマー(株)製)、ヨドゾールAD81(日本NSC(株)製)、ボンコート990(大日本インキ化学工業(株)製)等、アクリルスチレン系ではモビニール#707、#860、#870(いずれもクラリアントポリマー(株)製)、ヨドゾールGD86(日本NSC(株)製)、ボンコート8450(大日本インキ化学工業(株)製)等を使用することができる。
【0024】
落書き剥離性塗料としての合成樹脂エマルジョン塗料に配合する繊維状パルプ粉末としては、木材や綿等の天然パルプ、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の化学繊維またはポリアミド、ポリエステル、ビニロン、アクリル等の合成繊維を粉末にしたものがいずれも使用できる。繊維状パルプ粉末は長さが0.5〜3.0mmのものが好ましく、0.5〜2.0mmのものがより好ましい。
このような繊維状パルプ粉末は上記の天然パルプ、あるいは再生、化学または合成繊維を化学的処理、物理的処理を施すことによって不純物を取り除き、且つ一定の長さに分級することによって得ることができる。
特に好ましいパルプ粉末は木材を化学薬品処理して得られる木材パルプで、一般的には紙の強度を向上させるために製紙に用いられるものを使用することができる。このようなパルプ粉末は市販されており、例えば、長さ0.5〜1.5mmの「PKパルプ1m/m」((株)北辰製)等がある。
【0025】
これらのパルプ粉末は、合成樹脂エマルジョン塗料の造膜成分に対して0.5〜5重量%、好ましくは2〜4重量%の範囲で配合する。パルプ粉末をこの範囲より増すことにより膜強度は上がるが伸び率が低下して塗料粘度も上昇して塗装作業性が悪くなる。
【0026】
この塗料を落書きされた物体面上に塗布し、塗膜が形成された後この塗膜を引き剥がすことにより、落書きは塗膜面に転写されて塗膜とともに容易に除去することができる。本発明においては、塗膜は短時間で形成され、所定の引張強度および伸びを有するようになるため、塗布後数時間には十分引き剥がしができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に且つ具体的に説明する。
(1)落書き防止効果
実施例 1〜3
まず下塗りとして次に記載のエポキシ樹脂系塗料を、主剤と硬化剤を混合後、基材であるスレート上に固形分として100g/m2となるように塗布した。
〔下塗り塗料配合〕(数値は重量%を表す)。
【0028】
下塗りが硬化した後、その上に中塗りとして次に記載の湿気硬化型シリコンアクリル樹脂塗料を、主剤と硬化剤を混合後、固形分として100g/m2となるように塗布した。
〔中塗り塗料配合〕(数値は重量%を表す)。
【0029】
中塗りが硬化した後、その上に上塗りとして表2に記載の常温硬化型シリコーン樹脂クリヤー(配合I〜III)を、主剤と硬化剤を混合後、固形分として50g/m2となるように塗布した。こうして基材上に落書きインクの除去性に優れた3層からなる塗膜を形成した。
【0030】
形成された落書き除去性塗膜上に、それぞれマジックインクおよびラッカスプレーで落書きを行い、ラッカースプレーのハジキ性および除去性を評価した。
実施例1〜3の塗膜構成を表1に、および落書き防止性(ハジキ性)および除去性の結果も表1に記載した。
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表1および表2に記載した上塗り塗膜の水接触角および鉛筆引っかき値の評価方法、および表1に記載したマジックインキおよびラッカースプレーのハジキ性および除去性の評価方法を以下に記載する。
〔上塗り塗膜の性能評価方法〕
1)接触角:
評価装置としてウエハー洗浄度評価装置CA−S 150型(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
2)鉛筆引っかき値:
JIS K 5400 8.4.1に準じて評価した。
【0033】
〔落書き除去性の評価方法および評価基準〕
1)落書きのハジキ性:
塗面にマジックインキまたはまたはラッカースプレーで落書きし、ハジキの程度を目視により評価した。
評価の基準
◎ 非常によくはじく
○ はじく
△ わずかにはじく
× はじかない。
2)落書きの除去性:
落書きをラッカーシンナーを含ませた布切れを用いて落書きを拭き取る方法で除去し、除去の程度を目視により評価した。
評価の基準
◎ 残留インクの痕跡なし
○ ごくわずかに痕跡あり
△ 痕跡あり
× 除去できない。
【0034】
比較例 1〜2
上塗り塗料として表2の配合IVおよびVをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして落書き除去性塗膜を形成し、同様にしてマジックインクおよびラッカースプレーのハジキ性および除去性を評価した。結果を表1に記載した。
【0035】
比較例 3
塗装を施していない基材スレートの上に直接落書きして除去性を評価した。実施例1と同様にして落書き除去を試みたが、落書きは全く取れなかった。
【0036】
(2)貼り紙防止効果
実施例 4〜7
基材であるスレート上に、表3に示した下塗り塗料、中塗り塗料および上塗りクリヤー塗料を実施例1と同様にして順次塗布して貼り紙除去性塗膜を形成した。実施例4〜6の中塗り塗膜には骨材が含有されている。下塗り、中塗りおよび上塗りクリヤーのそれぞれの塗料の塗布量は、それぞれ固形分として100g/m2、100g/m2および50g/m2であった。
形成された貼り紙除去性塗膜上に、表3に記載の各種テープまたはシートを貼り付け、下記に示す方法でこの紙の剥離試験を行った。
剥離試験の結果も表3に記載した。
【0037】
【表3】
【0038】
〔貼り紙の剥離性評価法〕
塗面に、貼り紙としてセロファンテープ、布ガムテープおよび糊付きタックシートを貼り付け、その剥がれ易さを感覚的に評価し、次に基準によって判定した。
評価基準
◎:テープ(またはシート)が塗面にくっつかない
○:テープ(またはシート)は塗面に付くが、簡単に剥がれる
△:テープ(またはシート)を剥がすのにやや力が要る
×:テープ(またはシート)を剥がせない。
【0039】
比較例 4
中塗り塗料および上塗りクリヤーとして表3に記載の市販品を用いた以外は実施例4と同様にして基材上に塗膜を形成し、同様にして貼り紙の剥離性を評価した。結果を表3に示した。糊付きタックシート、セロファンテープは強く引っ張ると途中で破れ、剥がすことができなかった。また、布ガムテープは剥離できなかった。
【0040】
(3)落書き剥離性塗料による落書きの除去
実施例 8〜11
基材であるスレート上に、表4に示した下塗り塗料、中塗り塗料および上塗りクリヤー塗料を実施例1と同様にして順次塗布して本発明の落書き除去性塗膜を形成した。下塗り、中塗りおよび上塗りクリヤーのそれぞれの塗料の塗布量は、それぞれ固形分として100g/m2、100g/m2および50g/m2であった。
次に、形成された落書き除去性塗膜上に、マジックインクまたはラッカースプレーにより落書きをして1日放置した。この上に表5に記載した配合VIまたは配合VIIの落書き剥離性塗料(合成樹脂エマルジョン系塗料)を固形分で300〜400g/m2となるように塗布し、3時間常温乾燥した。
落書き剥離性塗料が乾燥した後、その塗膜を端の方から剥がして、落書きの除去性を次の基準に基づいて評価した。評価結果を表4に記載した。
【0041】
〔落書き剥離性塗料による落書き剥離性の評価基準〕
○:合成樹脂エマルジョン系塗料(落書き剥離性塗料)の塗膜全面を簡単に剥離でき、この塗膜に落書きが移行して塗面の落書きが除去できる
△:合成樹脂エマルジョン系塗料(落書き剥離性塗料)の塗膜を剥がす時に塗膜が伸びて切れるが、落書きは除去できる
×:合成樹脂エマルジョン系塗料(落書き剥離性塗料)の塗膜を剥がすことができない。
【0042】
比較例 5
落書き剥離性塗料として表5の配合VIIIを用いた以外は実施例8と同様にして、落書きの上に剥離性塗膜を形成し、落書きの除去性を評価した。その結果、剥離性塗膜の伸びが大きく、引張強度が低いため剥離時に塗膜が伸び、途中で塗膜が切れ、完全には剥がすことができなかった。
【0043】
比較例 6
落書き除去性塗膜として表4に記載するように中塗りに市販のアクリルウレタン樹脂塗料、上塗りに市販のアクリルウレタン樹脂クリヤーを用いた以外は実施例8と同様にして、落書きの上に剥離性塗膜を形成し、落書きの除去性を評価した。この場合は、剥離性塗膜を下の塗膜から剥がすことができず、落書きの除去はできなかった。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】
本発明の落書き除去性および貼り紙剥離性塗膜を構造物等に形成することによって落書き除去性や貼り紙を防止することができ、落書き除去性や貼り紙がなされたとしても容易に除去することができる。また落書きの上に本発明の落書き剥離性塗料を塗布し、硬化した塗膜を引き剥がすことにより、落書きをこの上に転写して塗膜とともに落書きを取り除くことができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for preventing graffiti and sticking on architectural structures such as piers and girders, pedestrian bridges, utility poles, wall surfaces, and pillars of street lamps on highways, and a coating for removing graffiti and having excellent peelability of sticking paper used therefor. About the membrane. Further, the present invention relates to a paint for forming a coating film capable of peeling off graffiti from a graffitied surface and a graffiti removing method using the paint.
[0002]
[Prior art]
Damage to buildings and the like caused by graffiti has been around for a long time, but recently, vicious graffiti has increased due to the accumulation of stress from unstable living environments, and the number of stickers accompanying intense business warfare has also increased. In addition, with the increase in the types of inks and paints, the sophistication of their properties, and the development of adhesives with easy adhesion, it has become increasingly difficult to remove graffiti and stickers once formed. To solve this problem, various methods have been devised for preventing or removing graffiti and sticking paper.
[0003]
As a method of preventing graffiti and stickers, paints have been developed that can easily remove graffiti and stickers even if they are made. In the case of such paints, in many cases, the weather resistance of the coating film is weak, and in about 1 to 2 years, the effect is not sufficient in that the lubricity and water repellency of the coating film decrease and the graffiti and the function of preventing sticking paper deteriorate. . In order to maintain the effect of preventing graffiti for a long time, lubricants and water repellents such as silicone oil and wax are added to the coating, but these lubricants and water repellents are exposed to the surface of the coating over time. Therefore, there is an aesthetic problem such as dirt being easily formed (for example, Patent Document 1).
[0004]
Further, as a method of removing the written graffiti, there is a method of wiping with a solvent or a detergent or a method of applying a synthetic resin clear, attaching the graffiti to the clear side, and peeling it off together with the clear coating film. As a method of attaching graffiti and peeling off the graffiti together with the clear coating film (for example, Patent Literature 2 and Non-Patent Literature 1), when the coating is peeled off, the coating film breaks or the elongation is too large. There is a problem that the film is stretched and the work is troublesome.
As described above, there is no satisfactory method for removing graffiti or stickers or removing written graffiti at present, and a better method is required.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-151540 [Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-13022 [Non-Patent Document 1]
"Regiguard FA Renew" (Dainippon Paint Co., Ltd .; trade name) (March 1993)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to provide a coating film having excellent removability for graffiti and sticking paper for a long period of time, and which is hardly stained. The present invention also provides a method for easily removing graffiti once made.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has a coating composition comprising an epoxy resin primer as an undercoat, a moisture-curable silicone acrylic resin paint as an intermediate coat, and a room temperature-curable silicone resin clear as an overcoat, and a water repellent and a lubricant in the overcoat. The present invention relates to a coating film excellent in removing graffiti ink and exfoliating adhesive paper, which is characterized by not containing.
More specifically, the present invention relates to the above-mentioned coating film excellent in graffiti removal property and adhesive sheet peeling property in which the water contact angle of the coating film surface is 100 ° (20 ° C.) or more and the pencil scratch value is H or more.
In particular, the present invention relates to the above-mentioned adhesive paper releasability, in which an aggregate having an average particle size of 1 to 500 μm is blended in the intermediate coating moisture-curable silicone acrylic resin coating in an amount of 5 to 30% by weight of the solid of the intermediate coating. Regarding excellent coatings.
Further, the present invention relates to a method for preventing graffiti or sticking on a structure, which comprises forming a coating film excellent in the above-described graffiti removing property and sticking sheet peeling property on the surface of an object.
Further, the present invention is a paint characterized in that a fibrous pulp powder of 0.5 to 5.0% by weight based on the solid content of the paint is blended with an acrylic or acrylic styrene synthetic resin emulsion paint, The present invention relates to a graffiti-releasable paint having the property of being able to be applied on a graffitied object surface and peeling off the paint film after forming the paint film to transfer and remove graffiti on the paint film surface.
More specifically, the present invention relates to the above coating material, wherein the coating film has a tensile strength at 20 ° C. of 150 to 400 N / cm 2 and an elongation of 10 to 60%.
Furthermore, the present invention relates to a method for applying a coating excellent in graffiti releasability on a graffitied object surface and removing the graffiti by peeling off the coating after the coating is formed.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
One aspect of the present invention is a coating film and a coating film which are hard to be attached with graffiti or a sticker made on a structure such as a wall surface, easily remove the graffiti when the graffiti or the sticker is made, and easily peel off the sticker. The present invention relates to a method for preventing graffiti and sticking papers using the method. The other relates to a paint that can be applied on graffiti and then peeled off after the film is formed to remove graffiti together with the film, and a method of removing graffiti using this paint.
[0009]
In the present invention, graffiti is a figure or a character written on an object such as a structure with an oil-based lacquer spray or magic ink, and cannot be removed by a simple operation such as washing with water.
Further, the pasting paper refers to a paper pasted to a structure or the like with glue, and this paper also includes a paper to which a glue is previously attached.
[0010]
The coating film of the present invention, which has excellent graffiti removal properties and adhesive sheet peeling properties, comprises at least three layers: an undercoat, an intermediate coat and an overcoat.
An epoxy resin primer is used for the undercoat material. Epoxy resin-based primers are preferred for the present invention in that they have excellent adhesion to objects such as metals, concrete, mortar, etc., which are objects of graffiti, or to old coatings already adhered thereto. In particular, a commonly used two-pack type of room temperature drying type paint is preferred.
The composition of the epoxy-based primer may be a known paint containing a liquid or solid bisphenol-type epoxy resin and an amine-based curing agent as a vehicle and a coloring pigment, an extender pigment, a rust-preventive pigment, additives, and the like, if necessary. A modified epoxy resin paint containing a petroleum resin or the like can also be used.
[0011]
The intermediate coating material needs to have good adhesion to both the undercoating epoxy primer and the overcoating room-temperature-curable silicone resin clear, and a moisture-curable silicone acrylic resin paint is used.
As an intermediate coating, room temperature drying type silicone resin clear has extremely poor adhesion to the epoxy primer, and when an acrylic urethane resin coating or polyester urethane resin coating is used for the intermediate coating, it shows good adhesion to the undercoat, but the top coating The room temperature drying type silicone resin clear used in the above has poor adhesion, and any of them is not preferable as the intermediate coating material of the present invention.
The moisture-curable silicone acrylic resin paint generally means a mixture of a tertiary amino group-containing acrylic resin (base) and an epoxy-containing silicone compound (curing agent), taking in moisture in the air and curing at room temperature.
[0012]
In the present invention, any moisture-curable silicone acrylic resin paint can be used. Among them, a two-pack paint containing a tertiary amino group-containing acrylic resin as a main component and an epoxy-containing silicone compound as a curing agent is particularly preferred. preferable.
For example, a paint sold by Dainippon Ink and Chemicals, Inc., which can be dried at room temperature if a main agent and a curing agent are mixed and applied before use, can be used. This resin is fast drying and has good adhesion to the undercoating epoxy resin primer and the overcoating room temperature drying type dry silicone resin clear described in this specification, and is an optimal material for the intermediate coating. The following can be illustrated as such products:
Commercial resin: Dainippon Ink and Chemicals, Inc.
(Main ingredient) Tertiary amino group-containing acrylic resin: Acrydic YY466, A9550
(Curing agent) Epoxy group-containing silicon compound: Acridic A9586, BZ-1163
[0013]
In addition, it is preferable to use an enamel coating compounded with a pigment for the intermediate coating from the viewpoint of coloring. The enamel paint is manufactured by blending a tertiary amino group-containing acrylic resin with a color pigment, extender, additives, and the like, and dispersing the mixture to a prescribed particle size using a disperser such as a sand mill.
[0014]
The room temperature curing type silicone resin clear is used for the overcoating material of the present invention. Room temperature-curable silicone resin is a general polyorganosiloxane resin having three functional groups. The functional groups include a silanol group (main agent) and an alkoxy group (curing agent). Means that a dealcoholation reaction takes place and cures.
This room temperature-curable silicone resin clear is a two-pack type paint comprising a main agent and a curing agent. The main agent is a silanol resin represented by the general formula (I).
Embedded image
[0016]
[Wherein, R 1 represents a methyl group, R 2 represents a phenyl group, and n represents an integer of 6 to 10]
And TSR-116, TSR-127, TSR-144, and TSR-145 (all manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) as commercially available silanol resins. YF3800, YF3804, XC96-723 (all manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) and the like can be used.
[0017]
The curing agent is an alkoxy resin represented by the general formula (II):
[Wherein, R 1 represents a methyl group, and n represents an integer of 3 to 7]
XC96-B0446 and XR31-B1410 (all manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) as commercial alkoxy resins, and CR-15 and TSL-8345 (all manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd.) as catalysts Γ-aminopropyltriethoxysilane or dibutyltin laurate catalyst.
By blending these resins, a coating film having a high hardness and a high water contact angle can be obtained as an overcoat.
[0018]
In the present invention, paint compositions with excellent graffiti removal properties which are particularly preferred as topcoats are:
[One example of blending of top coat]
Silanol resin 100 parts by weight Alkoxy resin 80-100 parts by weight Diol 10-30 parts by weight Catalyst 5-10 parts by weight.
In addition, it is preferable to use a clear coat in order to improve the graffiti removal property and the adhesive paper removal property. For this reason, the hue is determined by the color of the middle coat.
[0019]
The top coat of the present invention does not contain a water repellent, a lubricant and the like. Therefore, unlike the conventional anti-graffiti paint, there is a feature that there are no drawbacks such as easiness of soiling due to bleeding of the water repellent and a decrease in the removability of the graffiti over time.
In addition, by using such a top coat, the water contact angle at 20 ° C. of the coating surface of the coating film having excellent graffiti removal property and exfoliation property of the pasty paper of the present invention at 20 ° C. is 100 ° or more, and a pencil scratch value is obtained. H or more. This property is also one of the characteristics of the coating film of the present invention.
[0020]
The coating film of the present invention, which has excellent graffiti removal property and peeling property, has the above-mentioned structure, so that it is difficult for graffiti and sticking to stick thereon, and graffiti and sticking can be prevented. The graffiti can be easily removed in the event that the paper is pasted, and the paper can be easily peeled off when the paper is pasted, so that no dirt remains on the marks.
To remove the graffiti, the graffiti may be dropped by, for example, wiping off the graffitied portion using a piece of cloth containing lacquer thinner. In order to remove the sticky paper, for example, the sticker can be easily removed by pulling it off from the end of the sticky paper. When it is difficult to remove, the tape can be easily peeled off by sticking the tape to the end of the paper and peeling it off together with the tape. If dirt such as glue remains, a tape is attached and removed, and the dirt such as glue can be removed together with the tape.
[0021]
The coating film having excellent peelability of the adhesive paper of the present invention has an aggregate having a particle size range of 1 to 500 μm in the intermediate coating moisture-curable silicone acrylic resin coating in an amount of 5 to 30% by weight of the solid content of the intermediate coating. It is preferable to mix them in an amount, so that the peeling of the paper can be further facilitated. The size of these aggregates is more preferably from 100 to 500 μm. Further, a more preferable blending amount in the coating film is 10 to 25% by weight.
Examples of such aggregates include lightweight aggregates such as plastic beads, glass beads, and shirasu balloons. Examples of commercially available plastic beads include Technopolymer (manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.), Fine Pearl (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.), and Tuftic (manufactured by Toyobo Co., Ltd.). Light WB (produced by Ichi Kasei Co., Ltd.) and hollow balloon HFB (produced by Sakai Shoji Co., Ltd.) can be exemplified.
[0022]
The present invention also provides a paint characterized in that 0.5 to 5.0% by weight of fibrous pulp powder is blended with an acrylic or acrylic styrene synthetic resin emulsion paint with respect to the coating film forming component of the paint. The present invention provides a graffiti-releasable paint having the property of being able to be applied on a graffitied object surface and peeling off the paint film after forming the paint film to transfer and remove graffiti on the paint film surface.
After coating, the coating preferably has a tensile strength at 20 ° C. of 150 to 400 N / cm 2 and an elongation of 10 to 60%. More preferably, the coating film has a tensile strength at 20 ° C. of 300 to 400 N / cm 2 and an elongation of 15 to 40%.
[0023]
As the synthetic resin emulsion referred to here, any one having a film-forming property at room temperature can be used, but an emulsion of an acrylic resin or an acrylic styrene resin is preferable. Such synthetic resin emulsions are commercially available. For example, acrylic resins such as Movinyl # 700, # 727, and # 745 (all manufactured by Clariant Polymer Co., Ltd.), Iodozol AD81 (manufactured by NSC Japan), Boncoat 990 (Dai Nippon Ink Chemical Industry Co., Ltd.) and other acrylic styrene-based Movinyl # 707, # 860, # 870 (all manufactured by Clariant Polymer Co., Ltd.), Iodosol GD86 (Nippon NSC Co., Ltd.), Boncoat 8450 (Manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc.) and the like can be used.
[0024]
As fibrous pulp powder to be mixed with synthetic resin emulsion paint as graffiti peelable paint, natural pulp such as wood and cotton, recycled fiber such as rayon, synthetic fiber such as acetate, or synthetic fiber such as polyamide, polyester, vinylon, and acrylic Any of powdered fibers can be used. The fibrous pulp powder preferably has a length of 0.5 to 3.0 mm, more preferably 0.5 to 2.0 mm.
Such a fibrous pulp powder can be obtained by removing impurities by subjecting the above-mentioned natural pulp or regenerated, chemical or synthetic fiber to a chemical treatment or a physical treatment, and classifying it into a certain length. .
A particularly preferred pulp powder is wood pulp obtained by treating wood with chemicals, and those generally used in papermaking to improve paper strength can be used. Such pulp powder is commercially available, for example, “PK pulp 1 m / m” (manufactured by Hokushin Co., Ltd.) having a length of 0.5 to 1.5 mm.
[0025]
These pulp powders are blended in an amount of 0.5 to 5% by weight, preferably 2 to 4% by weight, based on the film forming component of the synthetic resin emulsion paint. Increasing the pulp powder from this range increases the film strength, but decreases the elongation, increases the viscosity of the paint, and deteriorates coating workability.
[0026]
By applying this paint on the graffitied object surface and peeling off the paint film after the paint film is formed, the graffiti is transferred to the paint film surface and can be easily removed together with the paint film. In the present invention, since the coating film is formed in a short time and has a predetermined tensile strength and elongation, it can be sufficiently peeled off within several hours after application.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail and specifically with reference to examples.
(1) Graffiti prevention effect
Example 1-3
First, as an undercoat, the following epoxy resin-based paint was mixed with a main agent and a curing agent, and then applied on a slate as a base material so as to have a solid content of 100 g / m 2 .
[Undercoat paint formulation] (numerical values represent% by weight).
[0028]
After the undercoat was cured, a moisture-curable silicone acrylic resin paint described below was applied as an intermediate coat thereon so that the main component and the curing agent were mixed to give a solid content of 100 g / m 2 .
[Formulation of intermediate coating] (numerical values represent% by weight).
[0029]
After the middle coat is cured, the room-temperature-curable silicone resin clear (formulations I to III) shown in Table 2 as a top coat is mixed thereon, and the main component and the curing agent are mixed so that the solid content becomes 50 g / m 2. Applied. In this manner, a three-layer coating film having excellent removability of graffiti ink was formed on the substrate.
[0030]
Graffiti was applied to the formed graffiti-removable coating film with Magic Ink and Lacquer Spray, respectively, and the repellency and removability of the lacquer spray were evaluated.
Table 1 shows the coating compositions of Examples 1 to 3, and Table 1 also shows the results of anti-graffiti (repelling) and removability.
[Table 1]
[0031]
[Table 2]
[0032]
The methods for evaluating the water contact angle and pencil scratch value of the overcoated film described in Tables 1 and 2 and the methods for evaluating the repellency and removability of the magic ink and lacquer spray described in Table 1 are described below.
(Performance evaluation method of top coat)
1) Contact angle:
The measurement was performed using a wafer cleaning degree evaluation apparatus CA-S150 type (manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.) as an evaluation apparatus.
2) Pencil scratch value:
The evaluation was performed in accordance with JIS K 5400 8.4.1.
[0033]
[Evaluation method and evaluation criteria for graffiti removal property]
1) The repellency of graffiti:
The painted surface was scribbled with magic ink or lacquer spray, and the degree of repelling was visually evaluated.
Criteria for evaluation ◎ Repels very well ○ Repels Slightly rejects × Does not repel.
2) Removability of graffiti:
The graffiti was removed by a method of wiping the graffiti using a piece of cloth containing lacquer thinner, and the degree of removal was visually evaluated.
Evaluation criteria ◎ No trace of residual ink ○ Very slight trace △ Trace × Cannot be removed.
[0034]
Comparative example 1-2
A graffiti-removing coating film was formed in the same manner as in Example 1 except that Formulations IV and V in Table 2 were used as the overcoat paint, and the repellency and removability of the magic ink and the lacquer spray were evaluated in the same manner. The results are shown in Table 1.
[0035]
Comparative example 3
Gravitation was performed directly on the uncoated base material slate to evaluate the removability. An attempt was made to remove graffiti in the same manner as in Example 1, but no graffiti was obtained.
[0036]
(2) Adhesive prevention effect
Example 4-7
On the slate as the base material, the undercoat paint, the intermediate paint, and the clear top paint shown in Table 3 were sequentially applied in the same manner as in Example 1 to form a paint-removable coating film. Aggregates are contained in the intermediate coating films of Examples 4 to 6. Priming, coating amount of each paint intermediate coat and clear top were respectively 100 g / m 2 as a solid content, 100 g / m 2 and 50 g / m 2.
Various tapes or sheets shown in Table 3 were applied to the formed adhesive-paper-removable coating film, and the paper was subjected to a peeling test by the following method.
The results of the peel test are also shown in Table 3.
[0037]
[Table 3]
[0038]
(Evaluation method for peelability of pasted paper)
A cellophane tape, a cloth gum tape, and a tack sheet with glue were adhered to the coated surface as a sticking paper, and the ease of peeling was sensuously evaluated, and then judged based on criteria.
Evaluation criteria ◎: The tape (or sheet) does not stick to the painted surface ○: The tape (or sheet) adheres to the painted surface, but peels off easily △: A little force is required to peel off the tape (or sheet) ×: The tape (or sheet) cannot be removed.
[0039]
Comparative example 4
A coating film was formed on a substrate in the same manner as in Example 4 except that the commercially available products shown in Table 3 were used as the intermediate coating paint and the overcoat clear, and the peelability of the pasted paper was evaluated in the same manner. The results are shown in Table 3. The glued tack sheet and cellophane tape were torn in the middle when pulled strongly and could not be peeled off. The cloth gum tape could not be peeled off.
[0040]
(3) Graffiti removal with graffiti peelable paint
Example 8-11
An undercoat, an intermediate paint and an overcoat clear paint shown in Table 4 were sequentially applied on a slate as a substrate in the same manner as in Example 1 to form a graffiti-removable coating film of the present invention. Priming, coating amount of each paint intermediate coat and clear top were respectively 100 g / m 2 as a solid content, 100 g / m 2 and 50 g / m 2.
Next, the graffiti was applied to the formed graffiti-removing coating film by magic ink or lacquer spray and left for one day. A graffiti-releasable paint (synthetic resin emulsion paint) of Formula VI or Formula VII described in Table 5 was applied thereon so as to have a solid content of 300 to 400 g / m 2, and dried at room temperature for 3 hours.
After the graffiti peelable paint was dried, the paint film was peeled off from the edge, and the graffiti removal property was evaluated based on the following criteria. Table 4 shows the evaluation results.
[0041]
[Evaluation criteria for graffiti peelability with graffiti peelable paint]
○: The entire surface of the synthetic resin emulsion paint (graffiti peelable paint) can be easily peeled off, and the graffiti can be transferred to this paint film to remove the graffiti on the painted surface. △: Synthetic resin emulsion paint (graffiti peelability) The paint film is stretched and cut when the paint film is peeled off, but the graffiti can be removed. X: The paint film of the synthetic resin emulsion paint (graffiti peelable paint) cannot be peeled.
[0042]
Comparative example 5
A peelable coating film was formed on the graffiti in the same manner as in Example 8 except that the blend VIII in Table 5 was used as the graffiti peelable paint, and the graffiti removal property was evaluated. As a result, the peelable coating film had a large elongation and a low tensile strength, so that the coating film was stretched at the time of peeling, the coating film was cut off on the way, and could not be completely removed.
[0043]
Comparative example 6
As described in Table 4, a graffiti-removing coating film was peelable on graffiti in the same manner as in Example 8 except that a commercially available acrylic urethane resin paint was used for the middle coat and a commercially available acrylic urethane resin clear was used for the top coat. A coating film was formed and the removability of graffiti was evaluated. In this case, the releasable coating film could not be peeled off from the lower coating film, and the graffiti could not be removed.
[0044]
[Table 4]
[0045]
[Table 5]
[0046]
【The invention's effect】
By forming the graffiti-removing and adhering-removable coating film of the present invention on a structure or the like, graffiti-removing or adhering paper can be prevented, and even if graffiti-removing or adhering is performed, it can be easily removed. . The graffiti can be transferred onto the graffiti by removing the cured paint film by applying the graffiti peelable paint of the present invention on the graffiti and removing the graffiti together with the paint film.
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