【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク原盤の製造方法及び光ディスク原盤に関し、特に記録領域全面に渡って均一な案内溝、ピットを形成可能な光ディスク原盤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特公平6−73192号公報
通常の光ディスク原盤の製造方法は、先ず精密に研磨、洗浄されたガラス基板にフォトレジストを均一になるように塗布して熱処理を行う。フォトレジストが塗布されたガラス基板を、所定のフォーマットに従って光変調されたレーザ集光ビームで露光しプリピットや案内溝などの潜像をフォトレジスト上に作成する。これを現像し、水洗することによってフォトレジスト層に所定の凸凹を作成する。それをもとに、表面に導電性金属薄膜処理を行い、メッキ作業を行ってスタンパと呼ばれる金型を作製する。このスタンパがディスク成形基板のレプリカ用の型となる。
【0003】
光情報記憶媒体には、回転駆動方式で区分すると、主に線速度が常に一定となる等線速方式(以下CLV方式と略す)と回転数が常に一定となる等角速度方式(以下CAV方式と略す)に分けられる。それに伴い、光情報記憶媒体の原盤製作時にもCLV方式で露光する場合とCAV方式で露光する場合がある。CLV方式で原盤の露光を行う場合、露光は全面に渡って一定線速度となるようにターンテーブルの制御を行い、そのため露光面内で一定の幅の案内溝やピットを作成しようとする時は、一定の露光パワーを保ってレーザ光の照射を行う。
【0004】
ところがCAV方式で原盤の露光を行う場合、ターンテーブルの回転速度が一定角速度のため、露光する半径値によって線速度が変わる。一定光量で露光を行うとフォトレジストへの単位面積当たりの露光量が変化するため、露光面内で一定の幅の案内溝やピットを形成する場合には、半径値によって露光パワーを変化させる必要がある。原盤の各点の線速度はその点の光ディスクの中心からの距離に比例するため、例えば案内溝やピットを形成するためのレーザビーム強度は図5に示すように光ディスクの中心からの距離に比例した強度とする。上記特許文献1では、特にピットを形成する場合には、レーザビーム強度が中心からの距離に単なる比例でなく、内周側での強度を高めて再生信号が内周部で小さくなる不具合を軽減させるような対策がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォトレジスト層に露光を行う集光されたレーザビームの強度分布は、通常図6の(a)に示すようにガウス分布をしている。CAV方式で露光を行う場合は、内周部では露光線速が遅いため露光パワーを小さく、外周部では露光線速が早いため露光パワーを大きくする。小さなレーザパワーで長く露光した場合(内周)と大きなレーザパワーで短く露光した場合(外周)では、単位面積当たりの露光量は同じにはなるが、強度プロファイルとしては全く同じにはならず、内周、外周で形状に差が生じてしまう。つまり、図6の(b)からわかるように、同じ露光量にしても小さなレーザパワーで長く露光した場合の方が大きなレーザパワーで露光した場合よりも現像後に形成される案内溝61、ピットの斜面がだれた形状(α<β)になる。
【0006】
また、集光ビームが実際には完全なガウスビームにはなっておらず、特に露光面のパワーを上げていくと、図7の(a)に示すようなビームの裾部分にサイドビーム(図中破線で囲んだ部分)が生じてくることがある。この場合には、現像後には図7の(b)に示すように、ビーム強度が大きい時、サイドビームの影響により現像されずに残った部分(ランド部)の角が欠けたような形になってしまう。
【0007】
このように、溝幅を原盤内全面に渡って一定にしようとレーザパワーを変えて行った場合、内周と外周で案内溝、ピットの形状が変わってしまうと、これによりトラッキング制御に誤動作が生じたり、読み取られるデータに誤りを生じたりする原因となる。
【0008】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、CAV方式で露光を行う際、記録領域全面に渡って均一な案内溝、ピットを形成することができる光ディスク原盤の製造方法及び光ディスク原盤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の光ディスク原盤の製造方法によれば、原盤上に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、第1の熱処理を行う第1の熱処理工程と、感光性樹脂層に所定のパターンでレーザビームを集光して露光し、潜像を形成する露光工程と、現像、純水洗浄することによって感光性樹脂層に露光によるパターンを形成する現像工程と、パターン形成後に第2の熱処理を行う第2の熱処理工程とを有する。そして、露光工程で溝又はピットを角速度一定で回転させて潜像を形成する場合、第1の熱処理工程で行う熱処理の温度を原盤の中心からの距離によって異なる温度とすることに特徴がある。よって、角速度一定で回転させて露光行うために光情報記憶媒体の中心からの距離によって案内溝、ピットの形状が異なっている場合、熱処理の温度を異なる温度とすることにより、半径値によって感光性樹脂層の感度を変えることができ、原盤内全面で均一な案内溝、ピットの形状にすることができる。
【0010】
また、第1の熱処理工程における熱処理の温度を原盤内の外周部より内周部を低くする。これは外周部よりも内周部の方が案内溝、ピットの斜面の角度が緩やかになるため、内周部のフォトレジスト感度を外周部より高くすることによって、内外周での形状の差を減少させることができる。
【0011】
更に、露光領域における原盤内の内周部と外周部の熱処理の温度差を30℃以下とすることにより、通常のフォトレジストにおいて露光領域全面に渡って案内溝、ピット形成に適切な露光感度とすることができる。
【0012】
また、原盤の熱伝導率が10W/(m・K)以上の材質を原盤材料とすることにより、正確かつ早く内外周での第1の熱処理工程での温度差をつけることができる。
【0013】
更に、感光性樹脂層形成工程によって感光性樹脂層の形成された原盤を予め温度勾配をもった熱源上に接触させることによって第1の熱処理工程を行うことにより、第1の熱処理工程における原盤の温度を目的の温度に正確に到達させることが可能になる。
【0014】
また、第1の熱処理工程は、同心円状に等温かつ半径方向に温度勾配を持つことが可能な平坦な加熱プレートを用いて行うことにより、目的の熱処理を容易に行うことができる。
【0015】
更に、第2の熱処理工程での温度を第1の熱処理工程での最高温度よりも高くすることにより、感光性樹脂層と原盤の密着性強度を面内で均一にすることができる。
【0016】
また、別の発明として上記記載の光ディスク原盤の製造方法によって作成された光ディスク原盤に特徴がある。よって、記録領域全面に渡って均一な案内溝、ピット形状の光ディスク原盤を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の光ディスク原盤の製造方法によれば、原盤上に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、第1の熱処理を行う第1の熱処理工程と、感光性樹脂層に所定のパターンでレーザビームを集光して露光し、潜像を形成する露光工程と、現像、純水洗浄することによって感光性樹脂層に露光によるパターンを形成する現像工程と、パターン形成後に第2の熱処理を行う第2の熱処理工程とを有する。そして、露光工程で溝又はピットを角速度一定で回転させて潜像を形成する場合、第1の熱処理工程で行う熱処理の温度を原盤の中心からの距離によって異なる温度とする。
【0018】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る光ディスク原盤の製造方法による製造工程を示す断面図である。同図において、先ず円形の原盤11を用意し、表面の精密な研磨を行う。その後、原盤の表面の洗浄をO2雰囲気中でのUV照射と高圧の純水を表面に当てる方法によって行う。O2雰囲気中でのUV照射はO3やOを発生させることによって原盤表面の有機物を除去することが目的である。このようにして洗浄された原盤11にプライマー処理を行い、図1の(a)に示すように、その後感光性樹脂層であるフォトレジスト層12の塗布をスピンコート法によって行う。その後、原盤の熱処理を行う。本実施例での熱処理は図1の(b)に示すようにホットプレート装置13上に原盤11を載せることによって行う。通常このプリベークの工程は、フォトレジスト層中の溶媒を揮発させて、露光時の感度を安定させるために行っている。本実施例では、後述するように、この熱処理温度を原盤の半径値によって異なる温度に設定するという方法をとる。
【0019】
ここで使用されるホットプレート装置13は、任意の点を中心として同心円状に等温にすることができ、半径方向には温度差がつけられるような構成になっている。例えば、図2に示すように、円形のホットプレート21の下に導線22が複数のリング状に独立に設けられており、この導線に流す電流を制御することによって各半径値におけるホットプレート21の温度を決定できる。ここでホットプレート21自体の熱伝導率が低いと温度分布にムラができたり目的の温度にするのに時間がかかったりするため、熱伝導率の高い材質、例えば銅、アルミニウム、銀などを用いる。このようにしてホットプレート装置13は、図2の下図に示すような半径値に対する温度分布を発生させる。
【0020】
図1の(b)に示すように、ホットプレート装置13上に温度分布を発生させる熱処理装置の上に、フォトレジスト層12が塗布された原盤11を載せる。ホットプレート装置13の温度は、フォトレジスト層12の種類により異なるが、本実施例の場合露光領域で90℃〜110℃とした。つまり、内周部で90℃、外周部で110℃とし半径値によって単調に温度が増加していくような設定とした。ここで使用される原盤11の材質であるが、図2のホットプレート21の材質と同様熱伝導率の高い材質が好ましい。これはホットプレート21の温度をその上に形成されたフォトレジスト層12まで直接伝えるためである。また、このプリベーク温度が長くなると全面に渡ってフォトレジスト層12の感度が下がってしまい、適切な形状のパターンが形成できなくなるので、早くホットプレート装置13の温度を伝える必要がある。ここで通常は原盤材料としてはソーダガラスがよく使用されるが、ソーダガラスを原盤材料として使用した場合、目的の熱処理温度にするのに時間がかかり意図する溝形状が得られないという問題が発生する。そのため、原盤材料は熱伝導率が10W/(m・K)以上の材質とした。具体的にはアルミニウム、真鍮、ステンレス、鉄、銅、ニッケルなどの金属系のものであれば問題はない。ソーダガラスの熱伝導率は約0.6W/(m・K)である。
【0021】
このようにプリベークの工程を行うことにより、図6の(b)に示すように、露光する線速の違いによって案内溝又はピットの斜面の角度α(β)が大きく変わってしまうという問題を軽減することが可能になる。この角度の絶対値は案内溝やピットの深さ、幅によって大きく変わるが、斜面角度α(β)の内外周での変動の割合は、通常の一定温度でのプリベーク工程による処理の場合に比較して半分以下にすることができることがわかった。具体例を示すと、図6の(b)において深さ160nm、溝幅300nmの案内溝61を形成した場合の斜面角度α(β)は約60°になるが、内外周での斜面角度の変動は10%以下に抑制が可能である。ここで、斜面角度α(β)の測定はAFM(原子間力顕微鏡)を用いて行った。
【0022】
また、上述した図7に示したような、集光ビームのガウスビーム形状からのずれによる現像後の案内溝又はピットの形状のくずれを防止することができる。これは、レーザパワーを上げていった場合に光学系の問題からサイドビームが顕著になりやすくなるが、レーザパワーの大きい外周部での熱処理温度を高くすることにより、現像後の形状のだれを抑制することが可能になる。
【0023】
このようにしてプリベーク工程が行われた原盤を室温まで冷却し、露光作業を行う。先ず、原盤11を後述する原盤露光機のターンテーブルに載せ、図1の(c)に示すように、ガスレーザによるビーム14を対物レンズ15によってフォトレジスト層12上に集光させ、露光を行う。このときターンテーブルは露光領域全面に渡って一定回転数で回転している。ここで原盤用露光機の概略図を図3に示す。ガスレーザ30から出射レーザ光39は、スタビライザー31を通り、光変調器32及び光偏向器33で変調されて偏向される。フォーマッタ34では、角速度一定(CAV)露光用に作成された信号を光変調器32と光偏光器33に送っている。ビームエキスパンダ35でビーム径を調整した後、対物レンズ36でレーザ光を原盤37上で集光させる。原盤37はターンテーブル38に載せられ、回転数一定になるように回転している。このようにして、図1の(c)に示すように、フォトレジスト層12上に露光による潜像16を形成した後、図1の(d)に示すように、スピンコータでアルカリ現像液によって現像させ、純水リンス、高速回転させて乾燥させてフォトレジスト層12上に案内溝、ピットを形成する。
【0024】
その後、原盤11とフォトレジスト層12の密着力を高めるためにポストベークを行う。このポストベークは原盤内一定温度にして行い、設定温度はプリベーク温度の最高温度よりも高くする。これにより、原盤11とフォトレジスト層12の密着性強度を面内全面に渡って均一にすることができる。具体的には、ポストベークは130℃程度が好ましい。
【0025】
次に、図1の(e)に示すように、ガラス基板に形成されたフォトレジスト層12のパターン上に、Niの導電性薄膜17を形成する。この導電性薄膜形成方法としては、スパッタリング法が簡便かつ精密に行える。そして、図1の(f)に示すように、導電性薄膜17を電極としてさらにNiによって厚さ約300μmになるように電鋳を行う。その後、図1の(g)に示すように、このNi板18をガラス基板から剥離する。剥離後、Ni板18上に残留したフォトレジスト層12を剥離液によって除去し、さらにUVオゾン処理を行う。その後、裏面研磨、内外径加工を行って、光ディスク成形基板を作成するための型となるスタンパのマスタ19が完成する。
【0026】
図4は本発明の光ディスク原盤の製造方法によって製造された原盤を用いて光ディスク成形基板を形成する金型の構造を示す断面図である。同図に示す金型を用いて、射出成形により光ディスク成形基板を形成する。詳細には、固定金型41と可動金型43との接合部に形成されるキャビティ45内に上述した本発明の光ディスク原盤の製造方法によって製造された光ディスク用スタンパのマスタ42を固定し、そのキャビティ45内に可動金型43に設けられたノズル44から溶融樹脂を射出充填し、固定金型41と可動金型43との間で圧縮する。その後、固定金型41と可動金型43とを分離して冷却固化後樹脂を取り出すことによって、光ディスク成形基板46が得られる。
【0027】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ディスク原盤の製造方法によれば、原盤上に感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、第1の熱処理を行う第1の熱処理工程と、感光性樹脂層に所定のパターンでレーザビームを集光して露光し、潜像を形成する露光工程と、現像、純水洗浄することによって感光性樹脂層に露光によるパターンを形成する現像工程と、パターン形成後に第2の熱処理を行う第2の熱処理工程とを有する。そして、露光工程で溝又はピットを角速度一定で回転させて潜像を形成する場合、第1の熱処理工程で行う熱処理の温度を原盤の中心からの距離によって異なる温度とすることに特徴がある。よって、角速度一定で回転させて露光行うために光情報記憶媒体の中心からの距離によって案内溝、ピットの形状が異なっている場合、熱処理の温度を異なる温度とすることにより、半径値によって感光性樹脂層の感度を変えることができ、原盤内全面で均一な案内溝、ピットの形状にすることができる。
【0029】
また、第1の熱処理工程における熱処理の温度を原盤内の外周部より内周部を低くする。これは外周部よりも内周部の方が案内溝、ピットの斜面の角度が緩やかになるため、内周部のフォトレジスト感度を外周部より高くすることによって、内外周での形状の差を減少させることができる。
【0030】
更に、露光領域における原盤内の内周部と外周部の熱処理の温度差を30℃以下とすることにより、通常のフォトレジストにおいて露光領域全面に渡って案内溝、ピット形成に適切な露光感度とすることができる。
【0031】
また、原盤の熱伝導率が10W/(m・K)以上の材質を原盤材料とすることにより、正確かつ早く内外周での第1の熱処理工程での温度差をつけることができる。
【0032】
更に、感光性樹脂層形成工程によって感光性樹脂層の形成された原盤を予め温度勾配をもった熱源上に接触させることによって第1の熱処理工程を行うことにより、第1の熱処理工程における原盤の温度を目的の温度に正確に到達させることが可能になる。
【0033】
また、第1の熱処理工程は、同心円状に等温かつ半径方向に温度勾配を持つことが可能な平坦な加熱プレートを用いて行うことにより、目的の熱処理を容易に行うことができる。
【0034】
更に、第2の熱処理工程での温度を第1の熱処理工程での最高温度よりも高くすることにより、感光性樹脂層と原盤の密着性強度を面内で均一にすることができる。
【0035】
また、別の発明として上記記載の光ディスク原盤の製造方法によって作成された光ディスク原盤に特徴がある。よって、記録領域全面に渡って均一な案内溝、ピット形状の光ディスク原盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光ディスク原盤の製造方法による製造工程を示す断面図である。
【図2】ホットプレート装置の構成と温度分布を示す図である。
【図3】原盤露光機の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の光ディスク原盤の製造方法によって製造された原盤を用いて光ディスク成形基板を形成する金型の構造を示す断面図である。
【図5】CAV露光を行う場合の半径値に対するレーザビーム強度の関係を示す特性図である。
【図6】露光パワーを変えたときの集光ビームの強度分布と現像後の形状を示す図である。
【図7】露光パワーを変えたときの集光ビームの強度分布と現像後の形状を示す図である。
【符号の説明】
11;原盤、12;フォトレジスト層、13;ホットプレート装置、
14;レーザビーム、15;対物レンズ、16;潜像、17;導電性薄膜、
18;Ni板、19;マスタ、21;ホットプレート、22;導線、
30;ガスレーザ、31;スタビライザー、32;光変調器、33;光偏向器、
34;フォーマッタ、35;ビームエキスパンダ、36;対物レンズ、
37;露光原盤、38;ターンテーブル、39;レーザビーム光路、
41;固定金型、42;光ディスク用スタンパのマスタ、
43;可動金型、44;ノズル、45;キャビティ、
46;光ディスク成形基板、61;案内溝。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing an optical disk master and an optical disk master, and more particularly to a method of manufacturing an optical disk master capable of forming uniform guide grooves and pits over the entire recording area.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1] Japanese Patent Publication No. 6-73192 In a normal method of manufacturing an optical disk master, first, a photoresist is uniformly applied to a precisely polished and cleaned glass substrate, and heat treatment is performed. The glass substrate coated with the photoresist is exposed to a laser condensed beam light-modulated according to a predetermined format to form latent images such as prepits and guide grooves on the photoresist. This is developed and washed with water to form predetermined irregularities in the photoresist layer. Based on this, the surface is treated with a conductive metal thin film, and plating is performed to produce a mold called a stamper. This stamper serves as a replica mold for the disk-formed substrate.
[0003]
Optical information storage media can be classified into two types according to the rotational drive method: a constant linear velocity method in which the linear velocity is always constant (hereinafter abbreviated as CLV method) and a constant angular velocity method in which the rotational speed is always constant (hereinafter referred to as the CAV method) Abbreviated). Accordingly, there is a case where the optical information storage medium is exposed by the CLV method and a case where the exposure is performed by the CAV method at the time of producing the master disk. When exposing a master using the CLV method, the turntable is controlled so that the exposure has a constant linear velocity over the entire surface. Therefore, when trying to create guide grooves or pits with a constant width in the exposure surface, Irradiation of laser light is performed while maintaining a constant exposure power.
[0004]
However, when the master is exposed by the CAV method, the rotation speed of the turntable is a constant angular speed, so that the linear speed changes according to the radius value to be exposed. Exposure with a constant amount of light changes the amount of exposure to the photoresist per unit area, so when forming guide grooves or pits with a constant width on the exposure surface, it is necessary to change the exposure power according to the radius value There is. Since the linear velocity of each point on the master is proportional to the distance from the center of the optical disk at that point, for example, the laser beam intensity for forming the guide grooves and pits is proportional to the distance from the center of the optical disk as shown in FIG. Strength. In Patent Document 1, especially when a pit is formed, the intensity of the laser beam is not simply proportional to the distance from the center, but the intensity on the inner peripheral side is increased to reduce the problem that the reproduced signal becomes smaller at the inner peripheral portion. Measures have been taken to make it happen.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the intensity distribution of the focused laser beam for exposing the photoresist layer usually has a Gaussian distribution as shown in FIG. In the case of performing exposure by the CAV method, the exposure power is small at the inner peripheral portion because the exposure linear velocity is slow, and the exposure power is large at the outer peripheral portion because the exposure linear speed is high. When the exposure is long with a small laser power (inner circumference) and when the exposure is shorter with a large laser power (outer circumference), the exposure amount per unit area is the same, but the intensity profile is not exactly the same, A difference occurs in the shape between the inner circumference and the outer circumference. In other words, as can be seen from FIG. 6B, even when the exposure amount is the same, the guide groove 61 and the pit of the pit formed after development are longer when exposed with a small laser power for a long time than when exposed with a large laser power. The shape becomes a sloped slope (α <β).
[0006]
In addition, the focused beam is not actually a complete Gaussian beam. In particular, when the power of the exposure surface is increased, the side beam (see FIG. (A part surrounded by a middle broken line) may occur. In this case, after the development, as shown in FIG. 7B, when the beam intensity is large, the corners of the portions (land portions) left undeveloped due to the influence of the side beam are cut off. turn into.
[0007]
As described above, when the laser power is changed to keep the groove width constant over the entire surface of the master, if the shapes of the guide grooves and pits on the inner circumference and the outer circumference change, this causes a malfunction in the tracking control. Or cause errors in the data to be read.
[0008]
The present invention is intended to solve these problems, and a method of manufacturing an optical disc master capable of forming uniform guide grooves and pits over the entire recording area when performing exposure by a CAV method, and an optical disc master. The purpose is to provide.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, according to the method for manufacturing an optical disc master of the present invention, a photosensitive resin layer forming step of forming a photosensitive resin layer on the master and a first heat treatment step of performing a first heat treatment And an exposure step of forming a latent image by condensing and exposing a laser beam on the photosensitive resin layer in a predetermined pattern, and a developing step of forming a pattern by exposure on the photosensitive resin layer by developing and washing with pure water. And a second heat treatment step of performing a second heat treatment after pattern formation. When a latent image is formed by rotating grooves or pits at a constant angular velocity in the exposure step, the temperature of the heat treatment performed in the first heat treatment step is different depending on the distance from the center of the master. Therefore, if the shape of the guide grooves and pits is different depending on the distance from the center of the optical information storage medium in order to perform exposure while rotating at a constant angular velocity, the temperature of the heat treatment is set to a different temperature, so that the photosensitivity is determined by the radius value. The sensitivity of the resin layer can be changed, and uniform guide grooves and pits can be formed over the entire surface of the master.
[0010]
Further, the temperature of the heat treatment in the first heat treatment step is set lower at the inner periphery than at the outer periphery in the master. This is because the guide groove and the slope of the pit become gentler at the inner peripheral part than at the outer peripheral part. Can be reduced.
[0011]
Furthermore, by setting the temperature difference between the heat treatment of the inner peripheral portion and the outer peripheral portion of the master in the exposure region to 30 ° C. or less, the guide sensitivity and the exposure sensitivity suitable for forming the guide grooves and pits over the entire exposure region in the ordinary photoresist are improved. can do.
[0012]
Further, by using a material having a thermal conductivity of 10 W / (m · K) or more of the master as a master material, it is possible to accurately and quickly provide a temperature difference in the first heat treatment step between the inner and outer circumferences.
[0013]
Further, by performing the first heat treatment step by bringing the master on which the photosensitive resin layer is formed in the photosensitive resin layer forming step into contact with a heat source having a temperature gradient in advance, the master in the first heat treatment step is processed. It is possible to accurately reach the target temperature.
[0014]
In addition, the first heat treatment step can be easily performed by using a flat heating plate that is concentrically isothermal and can have a temperature gradient in the radial direction.
[0015]
Further, by making the temperature in the second heat treatment step higher than the maximum temperature in the first heat treatment step, the adhesive strength between the photosensitive resin layer and the master can be made uniform within the plane.
[0016]
Another aspect of the present invention is characterized by an optical disc master produced by the above-described method for manufacturing an optical disc master. Therefore, it is possible to provide an optical disc master having a uniform guide groove and pit shape over the entire recording area.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
According to the method for manufacturing an optical disc master of the present invention, a photosensitive resin layer forming step of forming a photosensitive resin layer on the master, a first heat treatment step of performing a first heat treatment, An exposure step of forming a latent image by condensing and exposing a laser beam with a pattern, a developing step of forming a pattern by exposure on the photosensitive resin layer by developing and washing with pure water, and a second step after forming the pattern. And a second heat treatment step of performing heat treatment. When a latent image is formed by rotating grooves or pits at a constant angular velocity in the exposure step, the temperature of the heat treatment performed in the first heat treatment step is set to be different depending on the distance from the center of the master.
[0018]
【Example】
FIG. 1 is a sectional view showing a manufacturing process by a method for manufacturing an optical disk master according to one embodiment of the present invention. In the figure, first, a circular master 11 is prepared, and the surface is precisely polished. Thereafter, the surface of the master is washed by UV irradiation in an O 2 atmosphere and applying high-pressure pure water to the surface. The purpose of UV irradiation in an O 2 atmosphere is to remove organic substances on the surface of the master by generating O 3 and O. The thus-cleaned master 11 is subjected to a primer treatment, and thereafter, as shown in FIG. 1A, a photoresist layer 12 as a photosensitive resin layer is applied by spin coating. After that, heat treatment of the master is performed. The heat treatment in the present embodiment is performed by placing the master 11 on a hot plate device 13 as shown in FIG. Usually, this pre-bake step is performed in order to volatilize the solvent in the photoresist layer and stabilize the sensitivity at the time of exposure. In this embodiment, as described later, a method is employed in which the heat treatment temperature is set to a different temperature depending on the radius value of the master.
[0019]
The hot plate device 13 used here can be concentrically heated at an arbitrary point as a center, and has a configuration in which a temperature difference is provided in a radial direction. For example, as shown in FIG. 2, a conductive wire 22 is independently provided in a plurality of rings below a circular hot plate 21. By controlling a current flowing through this conductive wire, the hot plate 21 at each radius value is controlled. The temperature can be determined. Here, if the thermal conductivity of the hot plate 21 itself is low, the temperature distribution becomes uneven or it takes time to reach the target temperature. Therefore, a material having a high thermal conductivity, such as copper, aluminum, or silver, is used. . In this way, the hot plate device 13 generates a temperature distribution with respect to the radius value as shown in the lower diagram of FIG.
[0020]
As shown in FIG. 1B, the master 11 on which the photoresist layer 12 has been applied is placed on a heat treatment device for generating a temperature distribution on the hot plate device 13. Although the temperature of the hot plate device 13 varies depending on the type of the photoresist layer 12, in the present embodiment, the temperature was set to 90 ° C. to 110 ° C. in the exposure region. That is, the temperature was set to 90 ° C. in the inner peripheral portion and 110 ° C. in the outer peripheral portion, so that the temperature monotonously increased depending on the radius value. The material of the master 11 used here is preferably a material having a high thermal conductivity like the material of the hot plate 21 in FIG. This is for directly transmitting the temperature of the hot plate 21 to the photoresist layer 12 formed thereon. If the pre-bake temperature increases, the sensitivity of the photoresist layer 12 decreases over the entire surface, making it impossible to form a pattern having an appropriate shape. Therefore, it is necessary to transmit the temperature of the hot plate device 13 quickly. Here, usually, soda glass is often used as a master material.However, when soda glass is used as a master material, it takes time to reach a desired heat treatment temperature, and a problem that an intended groove shape cannot be obtained occurs. I do. Therefore, the master material was a material having a thermal conductivity of 10 W / (m · K) or more. Specifically, there is no problem as long as the material is a metal-based material such as aluminum, brass, stainless steel, iron, copper, and nickel. The thermal conductivity of soda glass is about 0.6 W / (m · K).
[0021]
By performing the pre-baking process in this manner, as shown in FIG. 6B, the problem that the angle α (β) of the guide groove or the pit slope greatly changes due to the difference in the linear velocity for exposure is reduced. It becomes possible to do. Although the absolute value of this angle varies greatly depending on the depth and width of the guide groove and pit, the rate of change of the slope angle α (β) at the inner and outer perimeters is compared with the case of processing by the normal pre-bake process at a constant temperature. And found that it could be less than half. As a specific example, in FIG. 6B, when the guide groove 61 having a depth of 160 nm and a groove width of 300 nm is formed, the slope angle α (β) is about 60 °. The fluctuation can be suppressed to 10% or less. Here, the slope angle α (β) was measured using an AFM (atomic force microscope).
[0022]
Further, it is possible to prevent the shape of the guide groove or the pit after development due to the deviation of the focused beam from the Gaussian beam shape as shown in FIG. 7 described above. This is because when the laser power is increased, the side beam tends to become remarkable due to the problem of the optical system.However, by increasing the heat treatment temperature at the outer peripheral portion where the laser power is large, the shape droop after development is reduced. It becomes possible to suppress.
[0023]
The master on which the pre-baking process has been performed in this manner is cooled to room temperature, and an exposure operation is performed. First, the master 11 is placed on a turntable of a master exposing machine to be described later, and as shown in FIG. 1C, a beam 14 by a gas laser is focused on the photoresist layer 12 by an objective lens 15 to perform exposure. At this time, the turntable is rotating at a constant speed over the entire exposure area. FIG. 3 shows a schematic view of an exposure machine for a master. A laser beam 39 emitted from the gas laser 30 passes through a stabilizer 31 and is modulated and deflected by an optical modulator 32 and an optical deflector 33. The formatter 34 sends a signal created for constant angular velocity (CAV) exposure to the optical modulator 32 and the optical polarizer 33. After adjusting the beam diameter by the beam expander 35, the laser light is focused on the master 37 by the objective lens 36. The master 37 is placed on a turntable 38 and rotates so that the number of rotations is constant. In this way, as shown in FIG. 1C, after forming the latent image 16 by exposure on the photoresist layer 12, as shown in FIG. 1D, the latent image 16 is developed with an alkali developing solution by a spin coater. Then, it is rinsed with pure water, rotated at high speed, and dried to form guide grooves and pits on the photoresist layer 12.
[0024]
Thereafter, post-baking is performed to increase the adhesion between the master 11 and the photoresist layer 12. This post-bake is performed at a constant temperature in the master, and the set temperature is set higher than the maximum pre-bake temperature. Thus, the adhesion strength between the master 11 and the photoresist layer 12 can be made uniform over the entire surface. Specifically, the post-baking is preferably performed at about 130 ° C.
[0025]
Next, as shown in FIG. 1E, a conductive thin film 17 of Ni is formed on the pattern of the photoresist layer 12 formed on the glass substrate. As a method for forming the conductive thin film, a sputtering method can be simply and precisely performed. Then, as shown in FIG. 1F, electroforming is performed using Ni as the conductive thin film 17 so as to have a thickness of about 300 μm. Thereafter, as shown in FIG. 1G, the Ni plate 18 is peeled off from the glass substrate. After the peeling, the photoresist layer 12 remaining on the Ni plate 18 is removed with a peeling solution, and a UV ozone treatment is further performed. Thereafter, the back surface is polished and the inner and outer diameters are processed, so that a stamper master 19 serving as a mold for forming an optical disk molded substrate is completed.
[0026]
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a structure of a mold for forming an optical disk molded substrate using the master manufactured by the method for manufacturing an optical disk master according to the present invention. An optical disk molded substrate is formed by injection molding using the mold shown in FIG. Specifically, a master 42 of an optical disk stamper manufactured by the above-described method of manufacturing an optical disk master is fixed in a cavity 45 formed at a joint between the fixed die 41 and the movable die 43, The molten resin is injected and filled into the cavity 45 from a nozzle 44 provided in the movable mold 43, and compressed between the fixed mold 41 and the movable mold 43. Thereafter, the fixed mold 41 and the movable mold 43 are separated from each other, and after cooling and solidifying, the resin is taken out, whereby the optical disc molded substrate 46 is obtained.
[0027]
It should be noted that the present invention is not limited to the above embodiment, and it goes without saying that various modifications and substitutions can be made within the scope of the claims.
[0028]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for manufacturing an optical disc master of the present invention, a photosensitive resin layer forming step of forming a photosensitive resin layer on the master, a first heat treatment step of performing a first heat treatment, Exposure by condensing a laser beam on the photosensitive resin layer in a predetermined pattern and exposing, a developing step of forming a latent image by developing, developing, forming a pattern by exposure to the photosensitive resin layer by washing with pure water, A second heat treatment step of performing a second heat treatment after the pattern formation. When a latent image is formed by rotating grooves or pits at a constant angular velocity in the exposure step, the temperature of the heat treatment performed in the first heat treatment step is different depending on the distance from the center of the master. Therefore, if the shape of the guide grooves and pits is different depending on the distance from the center of the optical information storage medium in order to perform exposure while rotating at a constant angular velocity, the temperature of the heat treatment is set to a different temperature, so that the photosensitivity is determined by the radius value. The sensitivity of the resin layer can be changed, and uniform guide grooves and pits can be formed over the entire surface of the master.
[0029]
Further, the temperature of the heat treatment in the first heat treatment step is set lower at the inner periphery than at the outer periphery in the master. This is because the guide groove and the slope of the pit become gentler at the inner peripheral part than at the outer peripheral part. Can be reduced.
[0030]
Furthermore, by setting the temperature difference between the heat treatment of the inner periphery and the outer periphery of the master in the exposure area to 30 ° C. or less, the guide sensitivity and the exposure sensitivity suitable for forming the guide grooves and pits over the entire exposure area in the ordinary photoresist are improved. can do.
[0031]
Further, by using a material having a thermal conductivity of 10 W / (m · K) or more of the master as the master material, it is possible to accurately and quickly make a temperature difference in the first heat treatment step between the inner and outer circumferences.
[0032]
Further, by performing the first heat treatment step by bringing the master on which the photosensitive resin layer is formed in the photosensitive resin layer forming step into contact with a heat source having a temperature gradient in advance, the master in the first heat treatment step is processed. It is possible to accurately reach the target temperature.
[0033]
In addition, the first heat treatment step can be easily performed by using a flat heating plate that is concentrically isothermal and can have a temperature gradient in the radial direction.
[0034]
Further, by making the temperature in the second heat treatment step higher than the maximum temperature in the first heat treatment step, the adhesive strength between the photosensitive resin layer and the master can be made uniform within the plane.
[0035]
Another aspect of the present invention is characterized by an optical disc master produced by the above-described method for manufacturing an optical disc master. Therefore, it is possible to provide an optical disc master having a uniform guide groove and pit shape over the entire recording area.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a manufacturing process according to a method for manufacturing an optical disc master according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a configuration and a temperature distribution of a hot plate device.
FIG. 3 is a block diagram illustrating a configuration of a master exposure machine.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a structure of a mold for forming an optical disk molded substrate using the master manufactured by the method for manufacturing an optical disk master according to the present invention.
FIG. 5 is a characteristic diagram showing a relationship between a radius value and a laser beam intensity when performing CAV exposure.
FIG. 6 is a diagram showing the intensity distribution of a focused beam and the shape after development when the exposure power is changed.
FIG. 7 is a diagram showing the intensity distribution of a focused beam and the shape after development when the exposure power is changed.
[Explanation of symbols]
11; master, 12; photoresist layer, 13; hot plate device,
14; laser beam; 15; objective lens; 16; latent image; 17; conductive thin film;
18; Ni plate, 19; master, 21; hot plate, 22;
30; gas laser, 31; stabilizer, 32; optical modulator, 33; optical deflector,
34; formatter, 35; beam expander, 36; objective lens,
37; exposure master, 38; turntable, 39; laser beam optical path,
41: fixed mold, 42: master of stamper for optical disc,
43; movable mold, 44; nozzle, 45; cavity,
46: optical disk molded substrate, 61: guide groove.