【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱材として好適に使用されるスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、環境適合性に優れ、かつ高断熱性能を有し、さらには断熱建材用途に適合した難燃性、強度物性を保有するスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スチレン系樹脂押出発泡体は施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材等として汎用されて来た。
スチレン系樹脂発泡体の優れた断熱特性を得るため、発泡剤としてフロン142b、フロン134aに代表されるフロン類を用いる技術が過去の多くの先行特許で提案されている。
しかし近年、オゾン層問題、地球温暖化問題が注目されており、フロン類は、可能ならば代替していくことが望まれているため、フロン類から炭化水素化合物への発泡剤の代替が検討されている。
【0003】
フロン類以外の発泡剤を用いたスチレン系樹脂発泡体および製造方法として、スチレン系樹脂に、プロパン、ブタンまたはそれらの混合物70〜100重量%と、メチルクロライド、エチルクロライドまたはそれらの混合物30〜0重量%とからなる発泡剤を使用し、低密度、かつ、JIS A 9511に規定する難燃性を満たし、高断熱性能を有するスチレン系樹脂発泡体およびその製造方法(特許文献1)が開示されている。
【0004】
さらに特許文献1では、JIS A9511に規定する難燃性を満たすため、ヘキサブロモシクロドデカンまたはテトラブロモビスフェノールAを1〜3重量%用い、発泡剤であるプロパン、ブタンの発泡体中での残存ガス量を、それぞれ3.5重量%以下、2.0重量%以下に調整することが開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている発明で得られるフロン類を用いない発泡体において、プロパン、ブタンの残存ガス量を前記の量に調整するためには、発泡体製造時におけるプロパン、ブタンの添加量を制限したり、発泡体製造後、発泡剤が減量するまで長期間保管するなどの処理が必要であり、さらに押出発泡時の製造安定性や生産性が劣るなどの問題がある。
さらに、特許文献1に記載されている発明で得られるフロン類を用いない発泡体におけるプロパン、ブタン量では、例えばJIS A9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板3種のような、高度な断熱性を有する発泡体は得られにくい。
【0006】
本発明者らの検討したところによれば、高度な断熱性を有する発泡体を得るためには、プロパン、ブタンなどの飽和炭化水素化合物をより多く残存させることが好ましく、例えば、発泡体密度にもよるが、発泡体密度が20〜50kg/m3の範囲の場合、発泡体重量に対して、プロパンであれば、4重量%以上、ブタン類であれば、2.5重量%以上残存させるのが好ましく、特にブタン類を3重量%以上残存させるのが好ましいと考えられる。
【0007】
しかしながら、プロパン、ブタンに代表される脂肪族炭化水素類のような燃焼性の比較的高い化合物を多く残存させた場合、前記発明の如く、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールAを1〜3重量%用いただけでは、JIS A9511に規定する難燃性を満足しない場合が生じる。
これに対して、難燃性を向上させるためには、添加する難燃剤の増量が考えられるが、単に添加量を増すだけでは、安定した難燃性は得難い。
【0008】
特に、発泡体の基材樹脂であるスチレン系樹脂自体は難燃化されるが、燃焼時に発泡体から揮発する炭化水素に着火し易く、燃焼を抑制し難いといった傾向は依然解決され難い。さらには、該難燃剤の増量は発泡体成形性の悪化を招き易く、満足な品質の成形品が得にくくなる傾向がある。
【0009】
以上のように、発泡剤として、飽和炭化水素を用いる系について、高い断熱性能を有しながら難燃性を有することは非常に困難である。
【0010】
また、フロン類を用いずに高度な断熱性能、さらに難燃性を有するスチレン系押出発泡体を得る方法として、微粒径の酸化チタンをスチレン系樹脂に添加し、かつ発泡体を構成する気泡の微細化、特に大小気泡が混在する特徴的な気泡構造にすることで、輻射による熱伝導を抑制し、フロン類を用いずに、JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2種あるいは3種に要求されるような、高度な断熱性能、さらには難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法(特許文献2)が開示されている。
【0011】
しかしながら、特許文献2の方法で用いられている酸化チタンはその物質そのものの硬度を示すモース硬度の値が5.5〜7.5と非常に高いために、押出機内で混練された場合に装置を傷つけるといった負荷を生じ、目的とする発泡体を長期間にわたって安定的に得ることが困難であるといった問題点があった。
【0012】
また、保温性を高め、かつ透光性を可吸的に阻害しない樹脂フィルムを得る方法として、樹脂に対する配向が容易で、かつ赤外線は勿論のこと、極遠赤外から遠赤外線に対して優れた吸収を示す吸収体であるハイドロタルサイト類化合物を添加する方法(特許文献3)が知られている。
【0013】
特許文献3によれば、前記ハイドロタルサイト類化合物を、主として樹脂フィルムに均一分散させることにより、常温からその付近の温度の物体から放射される輻射線を有効に吸収し、保温性を高めるのに有効であると記載されている。
しかしながら、特許文献3の中では、前記吸収体を各種樹脂発泡体等に配合して、熱線の輻射を抑制する用途にも用いる事ができると記載してはいるものの、その詳細に関しては一切記載されず、その効果は不明である。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−237210号公報(1頁−4頁)
【0015】
【特許文献2】
特開2002−194129号公報(1頁−7頁)
【0016】
【特許文献3】
特開平11−228936号公報(1頁−5頁)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、オゾン層破壊、地球温暖化など、環境に影響があるとされるフロン類発泡剤を使用せず、さらには押出機内のスクリュー等の装置を傷つけることなく、高度な断熱性能、及び難燃性を有する発泡体と、その安定的な製造方法を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決のため、鋭意研究の結果、ハイドロタルサイト類化合物と一定量の難燃剤をスチレン系樹脂に添加することに加え、さらに、発泡体を構成する気泡を微細化、特に、大小気泡が混在する特徴的な気泡構造を適用し、特定の密度範囲にすることにより、スチレン系樹脂発泡体において、輻射による熱伝導を抑制し、フロン類の発泡剤を使用することなく、JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2種あるいは3種に要求される高度の断熱性能と難燃性を共に達成することに成功した。
【0019】
すなわち、本発明は、つぎのスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造法を提供する。
(1)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、押出発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体であって、スチレン系樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜10重量部、ハイドロタルサイト類化合物を0.1〜20重量部含有し、発泡体密度が20〜50kg/m3、発泡体を構成する気泡の平均径が0.05〜0.5mmであることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
【0020】
(2)発泡剤として、スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数が3〜5である飽和炭化水素の少なくとも1種を2〜5重量部、および、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテルおよび水よりなる群から選ばれる少なくとも1種を2〜6重量部、用いることを特徴とする前記(1)記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0021】
(3)ハイドロタルサイト類化合物が下記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0022】
【化2】
(ただし、M2+は、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Zn2+、Fe2+、Mn2+、Co2+、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の2価の金属を示す。また、M3+は、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の3価の金属を示す。また、An−は、OH−、 CO3 2−、 SO4 2−、 NO3 −、 Cl−、 CH3COO−、ClO4 −、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上のn価のアニオンを示す。xは、0<x≦0.5の範囲の実数であり、mは0または実数を示す。)
(4)発泡体を構成する気泡が、主として、気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.3〜1mmの気泡よりなり、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0023】
(5)炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化水素が、プロパン、n−ブタン、i−ブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の飽和炭化水素であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0024】
(6)フロン系発泡剤を含まず、JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2種あるいは3種に合致した断熱性、難燃性を有することを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0025】
(7)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、スチレン系樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜10重量部、ハイドロタルサイト類化合物を0.1〜20重量部、発泡剤として、スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数が3〜5である飽和炭化水素の少なくとも1種2〜5重量部、および、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテルおよび水よりなる群から選ばれる少なくとも1種2〜6重量部を共存させて押出発泡して、発泡体密度が20〜50kg/m3、発泡体を構成する気泡の平均径が0.05〜0.5mmである発泡体を得ることを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、発泡剤としてフロン類を用いず、JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2種あるいは3種に要求されるような、高度な断熱性能を得る技術手段として、フロンガス発泡剤による気泡中のガスの熱伝導率低減効果を、ハイドロタルサイト類化合物の添加により、輻射による熱伝導率低減効果によって補完して、フロン類の不使用による断熱性能の低下を防止することに加え、さらに、気泡径の微細化と、特定密度、一定量の難燃剤を組み合わせることにより、スチレン系樹脂押出発泡体について、環境適合性と高度の断熱性能と、難燃性能を両立させることに成功した。
【0027】
本発明で使用されるハイドロタルサイト類化合物は下記一般式(1)で示されるような金属複塩水酸化物である。
【0028】
【化3】
(ただし、M2+は、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Zn2+、Fe2+、Mn2+、Co2+、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の2価の金属を示す。また、M3+は、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の3価の金属を示す。また、An−はOH−、 CO3 2−、 SO4 2−、 NO3 −、Cl−、 CH3COO−、ClO4 −、からなる群から選ばれた少なくとも1種以上のn価のアニオンを示す。xは、0<x≦0.5の範囲の実数であり、mは0または実数を示す。)
前記ハイドロタルサイト類化合物は、天然物、あるいは合成品であっても良い。
【0029】
また、前記ハイドロタルサイト類化合物は、その結晶構造、結晶粒子径、あるいは結晶水の有無およびその量などに制限されることなく使用することができる。
【0030】
また、前記ハイドロタルサイト類化合物は、表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものを使用することができる。
【0031】
前記ハイドロタルサイト類化合物として、好ましくは下記一般式(2)で表されるマグネシウム−アルミニウム系金属複塩水酸化物、あるいは下記一般式(3)で表されるマグネシウムの一部を亜鉛で変性したマグネシウム−亜鉛−アルミニウム系金属複塩水酸化物が挙げられ、アルカマイザー1、アルカマイザー2、アルカマイザー4、アルカマイザー4−2、DHT−4A、といった商品名で協和化学工業(株)から市販されているものを挙げることができる。
【0032】
【化4】
(xは、0<x≦0.5の範囲の実数であり、mは0または実数を示す。)
【0033】
【化5】
(x、y1、y2は、下記式で表される条件を満足する実数を示し、mは、0または実数を示す。0<x≦0.5、 y1+y2=1−x、 y1≧y2)
前記ハイドロタルサイト類化合物の添加量は、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部が望ましい。
【0034】
ハイドロタルサイト類化合物の添加量が前記範囲より少ないと、熱伝導率低減効果が充分に達成されない傾向がある。一方、ハイドロタルサイト類化合物の添加量が前記範囲より多くても、その効果はさほど顕著に向上せず、コストアップにつながる。
【0035】
本発明で特定する微細気泡発泡体を得るためには、大小気泡が混在する特徴的な気泡構造を有する発泡体、すなわち発泡体を構成する気泡が、主として、気泡径0.25mm以下の気泡(以下、小気泡という)と気泡径0.3〜1mmの気泡(以下、大気泡という)とからなり、これら小気泡、大気泡が気泡膜を介して海島状に分散している発泡体が特に有効である。
【0036】
大小気泡からなる気泡構造を有する発泡体を得る場合、気泡径0.25mm以下の小気泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積率を有するようにするのが好ましい。この小気泡の発泡体断面積あたりの占有面積率は、より好ましくは20〜90%、さらに好ましくは30〜90%である。小気泡占有面積率が大きいと断熱性能が向上するので好ましい。
【0037】
本発明で用いられるスチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0038】
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。そして、スチレン系樹脂では、スチレンホモポリマーが好ましい。
【0039】
本発明は、発泡剤として、炭素数3〜5の飽和炭化水素の1種または2種以上、および、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテルおよび水よりなる群から選ばれる1種または2種以上を併用することを特徴とする。
【0040】
本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性と発泡体難燃性、発泡体断熱性能の点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、またはこれらの混合物が好ましい。特に好ましくは、プロパン、i−ブタンである。
【0041】
また、本発明において、炭素数3〜5の飽和炭化水素と共に用いられる発泡剤としては、樹脂に対して可塑化作用が良好で、発泡性が良好な発泡剤としては、塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテル、水、またはそれらの混合物が用いられる。環境適合性を重視する場合には、炭素数3〜5の飽和炭化水素と共に用いられる発泡剤として、非ハロゲン系のジメチルエーテル、水などを用いるのが好ましい。また、発泡助剤、さらには、前記したごとき大小気泡が混在する特徴的な気泡構造を得るために、水も混合して用いられる。
【0042】
これらの発泡剤を混合使用することで、押出圧力を低減し、安定的に発泡体の製造が可能となる。
【0043】
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造時に、スチレン系樹脂中に添加または注入される発泡剤の量としては、炭素数3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種の量は、飽和炭化水素化合物の種類、発泡体の密度などによっても異なるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、2〜5重量部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜4.8重量部、特に好ましくは、2〜4.5重量部が断熱性能と難燃性の点から好ましい。
【0044】
塩化メチル、塩化エチル、ジメチルエーテルおよび水よりなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、発泡剤の種類、発泡体のガス透過性や密度などによっても異なるが、発泡体の低密度化、発泡体成形性を良好なものにするために、スチレン系樹脂100重量部に対して、2〜6重量部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜5重量部である。
【0045】
発泡剤を添加または注入する際の圧力は、特に制限するものではなく、押出機等の内圧力よりも高い圧力であればよい。
【0046】
本発明で使用されるハロゲン系難燃剤としては、熱可塑性樹脂に通常使用される難燃剤を特別に限定することなく使用することができる。その中ではハロゲン系難燃剤が一般的に使用される。
【0047】
例えば、臭素系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカンなどの脂肪族あるいは脂環式炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノールとの付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノールとの付加物のエポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタンなどの臭素系芳香族化合物、臭素化アクリル系樹脂、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドなどがあげられる。塩素系難燃剤として、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカンなどの塩素化脂肪族化合物、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物などがあげられる。これら化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。
【0048】
ハロゲン系難燃剤の中では、難燃性の点から臭素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点からヘキサブロモシクロドデカンが好ましい。
【0049】
ハロゲン系難燃剤の含有量は、JIS A 9511に規定される難燃性を得られるように、発泡剤添加量などにあわせて適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜9重量部、さらに好ましくは2〜8重量部、特に好ましくは3〜7重量部である。
【0050】
ハロゲン系難燃剤の含有量が前記未満では、本発明の目的とする難燃性が得られがたい傾向があり、一方前記範囲を超えると、発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
【0051】
本発明では、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤とともにリン酸エステル系化合物を併用してもよい。このことによって、燃焼性の高い炭化水素を発泡剤として用いた場合でも、JIS A 9511に規定される難燃性を達成することが容易となる特徴を有する。
【0052】
本発明で用いられるリン酸エステル系化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの脂肪族系リン酸エステル類、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、ジフェニル(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートなどの芳香族系リン酸エステル類などがあげられる。
【0053】
さらに、下記一般式(4)で表されるリン酸エステル基を2以上有するリン酸エステル類があげられる。
【0054】
【化6】
(式中、R1はレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどの残基、R2はフェニル基、トリル基、キシリル基などであり、nは1以上の整数である)
【0055】
一般式(4)で表されるリン酸エステル類としては、レゾルシノール・ビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノール・ビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノール・ビス(ジクレジルホスフェート)、ビスフェノールA・ビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA・ビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールA・ビス(ジクレジルホスフェート)、ハイドロキノン・ビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノン・ビス(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノン・ビス(ジクレジルホスフェート)などの芳香族系ジ(リン酸エステル)類(前記一般式(4)において、n=1のもの)、ポリ(レゾルシノール・フェニルホスフェート)、ポリ[レゾルシノール・(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート]、ポリ(ビスフェノールA・クレジルホスフェート)、ポリ[ハイドロキノン・(2,6−キシリル)ホスフェートなどの芳香族系ポリ(リン酸エステル)類(前記一般式(4)において、nが2以上のもの)などがあげられる。
【0056】
リン酸エステル系化合物の含有量は、難燃性および燃焼時に揮発する炭化水素の着火・燃焼抑制相乗効果が得られるように、発泡剤添加量などにあわせて適宜調整されるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜9重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。
【0057】
リン酸エステル系化合物の含有量が前記範囲未満では、相乗効果が得られにくい傾向があり、一方前記範囲を超えると、発泡体製造の際の成形性などを損なう場合がある。
【0058】
また本発明においては、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、他の難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有させることができる。
【0059】
次に、前記大小気泡が混在する特徴的な気泡構造の発泡体を得るための方法について詳細に説明する。大小気泡が混在する特徴的な気泡構造の発泡体を得るためには、発泡剤として、水を併用する必要がある。併せて、添加剤として、スメクタイトを用いるとさらに有効である。
【0060】
スメクタイトとしては、モンモリロナイト、あるいはベントナイトなどのようにモンモリロナイトを主成分として含む粘土鉱物が好ましい。
【0061】
本発明でいうベントナイトとは、主成分がモンモリロナイトであり、石英、α−クリストバライト、オパール、長石、雲母などの随伴鉱物を含んだ塩基性粘土鉱物である。
【0062】
化学成分からいえば、ベントナイトは酸化珪素が主成分であり、次いで多い化学成分が酸化アルミニウムである。
【0063】
また、モンモリロナイトとは、約1nmの薄い珪酸塩層からなり、その板状結晶粒子の層表面はマイナスに帯電し、層間にはナトリウムやカルシウムのような交換性陽イオンを介在して電荷的に中性を保っており、水が接触すると層間の交換性陽イオンに水分子が水和し、層間が膨潤する粘土鉱物であるとされている。本発明に用いられるスメクタイトとしては、とくにベントナイトが好ましい。 ベントナイトの代表例としては、天然ベントナイト、精製ベントナイトなどがあげられる。また、有機化ベントナイトなども使用できる。
【0064】
本発明におけるスメクタイトには、アニオン系ポリマー変性モンモリロナイト、シラン処理モンモリロナイト、高極性有機溶剤複合モンモリロナイトなどのモンモリロナイト変性処理生成物もその範疇に含まれる。
【0065】
ベントナイトは、例えば、豊順鉱業(株)よりベントナイト穂高、ベンゲルなどとして入手しうる。かかるベントナイトは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0066】
ここで使用するベントナイトなどのスメクタイトは、スチレン系樹脂に対して相溶性のない水を吸水してゲルを形成し、ゲルの状態でスチレン系樹脂中に均一に分散させることができると考えられることから使用される。
【0067】
本発明で用いられるベントナイトなどのスメクタイトの含有量は、水の添加量などによって、適宜調整されるものであるが、スチレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
【0068】
スメクタイトの含有量が前記範囲未満では水の添加量に対してスメクタイトによる水の吸着量が不足し、押出機内で水の分散不良による気孔が発生し成形体不良になる場合があり、一方前記範囲を超える場合には、押出機内でスチレン系樹脂中へのスメクタイトの均一分散が困難になり、気泡むらが発生する傾向にある。さらに、独立気泡を保持することが困難になる傾向がある。したがって、発泡体の断熱性能の悪化とバラツキを生じやすくなる。
【0069】
水/スメクタイト(ベントナイト)の混合比率は重量比で、好ましくは0.02〜20、さらに好ましくは0.25〜2の範囲である。
【0070】
また吸水媒体として、スメクタイトの他に、サポナイト、膨潤性フッ素雲母などの吸水性あるいは水膨潤性の粘土類およびこれらの有機化処理品、吸水性高分子、シラノール基を有する無水シリカなどを使用することができる。
【0071】
さらに、スメクタイトとこれらの吸水媒体の1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0072】
発泡剤として水を併用する場合は、加工性や、前記小気泡、大気泡の生成の面から、発泡剤として、スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数が3〜5である飽和炭化水素の少なくとも1種を2〜5重量部と、水0.3〜1.5重量部と、水以外の他の発泡剤0.5〜4.7重量部からなるものが好ましく、さらには炭素数が3〜5である飽和炭化水素の少なくとも1種2〜4.5重量部と、水0.5〜1重量部と、水以外の他の発泡剤1〜4.5重量部からなるものがより好ましい。
【0073】
本発明では、発泡剤にフロン類を用いることなく、JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2種または3種に合致した、断熱性と難燃性を共に有するスチレン系樹脂押出発泡体を得ることができる。
【0074】
すなわち、断熱性が、熱伝導率で0.034W/mK以下(押出法ポリスチレンフォーム保温板2種)、さらには0.028W/mK以下(押出法ポリスチレンフォーム保温板3種)であり、かつ難燃性が、JIS A 9511に規定する燃焼性の測定において、3秒以内に炎が消えて、残じんがなく、燃焼限界指示線を越えて燃焼しないという条件を満たすスチレン系樹脂押出発泡体を得ることができる。
【0075】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、a)スチレン系樹脂に、ハロゲン系難燃剤およびハイドロタルサイト類化合物、必要に応じてリン酸エステル系化合物、スメクタイト、他の添加剤を混合した後、加熱溶融する、b)スチレン系樹脂を加熱溶融した後に、ハロゲン系難燃剤およびハイドロタルサイト類化合物、必要に応じてリン酸エステル系化合物、スメクタイト、他の添加剤を添加混合する、c)あらかじめスチレン系樹脂に、ハロゲン系難燃剤およびハイドロタルサイト類化合物、必要に応じてリン酸エステル系化合物、スメクタイト、他の添加剤を混合した後、加熱溶融した組成物を準備し、あらためて押出機に供給し加熱溶融するなどの各種方法で、スチレン系樹脂、ハロゲン系難燃剤およびハイドロタルサイト類化合物、必要に応じてリン酸エステル系化合物、スメクタイト、他の添加剤を押出機などの加熱溶融混練手段に供給し、任意の段階で高圧条件下で、発泡剤をスチレン系樹脂に添加し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧領域に押出発泡して、発泡体を形成することにより製造される。
【0076】
スチレン系樹脂と発泡剤などの添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については特に制限するものではない。加熱温度は、使用するスチレン系樹脂が溶融する温度以上であればよいが、難燃剤などの影響による樹脂の分子劣化ができる限り抑制される温度、たとえば150〜220℃程度が好ましい。
【0077】
溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによって異なるので一概には決定することができないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また溶融混練手段としては、例えばスクリュー型の押出機などが挙げられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば特に限定はない。ただし、樹脂の分子劣化をできる限り抑えるため、スクリュー形状については、低剪断タイプのスクリューを用いる方が好ましい。
【0078】
また、発泡成形方法も特に制限されないが、例えば、スリットダイより圧力開放して得られた発泡体をスリットダイと密着または接して設置した成形金型および成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する一般的な方法を用いることができる。
【0079】
本発明の発泡体の厚さは特に制限されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性、曲げ強度および圧縮強度を付与せしめるためには、シートのような薄いものよりも、通常の板状物のように厚さのあるものが好ましく、通常10〜150mm、好ましくは20〜100mmである。
【0080】
また、本発明の発泡体の密度については、軽量でかつ優れた断熱性および曲げ強度、圧縮強度を付与せしめるためには20〜50kg/m3であることが好ましく、25〜40kg/m3であるのがさらに好ましい。
【0081】
【実施例】
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0082】
得られた発泡体の特性として、発泡体密度、発泡体平均気泡径、小気泡占有面積率、発泡体熱伝導率、発泡体燃焼性を下記の方法にしたがって調べた。
【0083】
(1)発泡体密度(kg/m3)
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
【0084】
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
(2)発泡体平均気泡径(mm)
ASTM D−3576に準じて測定した。
【0085】
(3)小気泡占有面積率(%)
気泡径0.25mm以下の気泡の発泡体の断面積あたりの占有面積率を以下のようにして求めた。ここで、気泡径0.25mm以下の気泡とは、円換算直径が0.25mm以下の気泡とする。
a)走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面を写真撮影する。
b)撮影した写真の上にOHPシートを置き、その上に厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気泡(実寸法が0.25mmより大きい気泡に相当する)に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
【0086】
c)画像処理装置((株)ピアス製、品番:PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下の円の面積に相当する部分、即ち、厚さ方向の径は長いが、面積的には直径7.5mm以下の円の面積にしかならない部分を淡色化して、濃色部分の補正を行う。
e)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める気泡径7.5mm以下(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を次式により求める。
小気泡占有面積率(%)=(1−濃色部分の面積/画像全体の面積)×100
【0087】
(4)発泡体熱伝導率(W/mK)
JIS A 9511に準じて測定した。測定は製造後30日経過した発泡体について行った。
【0088】
ちなみに、JIS A 9511に規定される押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格は0.034W/mK以下、3種の規格は0.028W/mK以下である。
【0089】
(5)発泡体燃焼性
JIS A 9511に準じて測定した。測定は製造後7日経過した発泡体について行った。
【0090】
“3秒以内に炎が消えて、残じんがなく燃焼限界指示線を超えて燃焼しないこと”の基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
【0091】
(実施例1)
ポリスチレン樹脂として、エー・アンド・エム スチレン(株)製、商品名:スタイロンG9401を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、ハロゲン系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(以下、HBCDと略称する)3重量部、マグネシウム―アルミニウム系(以下、Mg−Al系と略称する)ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、商品名:アルカマイザー1)3重量部、造核剤としてタルク1.5重量部、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmのものと、口径90mmのものを直列に連結したニ軸押出機へ約50kg/hrの割合で供給した。
【0092】
前記、口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結された口径90mmの押出機で樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押し出し、厚さ約40mm、幅約150mmの板状押出発泡体を得た。
【0093】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、プロパン3.5重量部、塩化メチル5重量部を、それぞれ別のラインにて、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される側の側部)から前記樹脂中に圧入した。
【0094】
得られた発泡体は、発泡体密度が32kg/m3、発泡体平均気泡径が0.35mm、熱伝導率は0.034W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格を満たす発泡体であった。
【0095】
(実施例2)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD3重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0096】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、プロパン3重量部、塩化メチル4.5重量部、水0.5重量部、を使用した。
【0097】
得られた発泡体は、発泡体密度が29kg/m3、発泡体平均気泡径が0.27mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は30%であった。
【0098】
熱伝導率は0.032W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格を満たす発泡体であった。
【0099】
(実施例3)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD3重量部、マグネシウム―亜鉛―アルミニウム系(以下、Mg−Zn−Al系と略称する)ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、商品名:アルカマイザー4)3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0100】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、プロパン3重量部、塩化メチル4.5重量部、水0.5重量部、を使用した。
【0101】
得られた発泡体は、発泡体密度が29kg/m3、発泡体平均気泡径が0.28mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は30%であった。
【0102】
熱伝導率は0.031W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格を満たす発泡体であった。
【0103】
(実施例4)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD3重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0104】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン3重量部、塩化メチル4.5重量部、水0.5重量部、を使用した。
【0105】
得られた発泡体は、発泡体密度が30kg/m3、発泡体平均気泡径が0.28mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は30%であった。
【0106】
熱伝導率は0.031W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格を満たす発泡体であった。
【0107】
(実施例5)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0108】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン4重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0109】
得られた発泡体は、発泡体密度が31kg/m3、発泡体平均気泡径が0.23mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
【0110】
熱伝導率は0.027W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0111】
(実施例6)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、Mg−Zn−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0112】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン4重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0113】
得られた発泡体は、発泡体密度が32kg/m3、発泡体平均気泡径が0.24mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
【0114】
熱伝導率は0.027W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0115】
(実施例7)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、リン酸エステル化合物としてトリフェニルホスフェート(味の素(株)製、商品名:レオフォスTPP)1重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0116】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン4重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0117】
得られた発泡体は、発泡体密度が30kg/m3、発泡体平均気泡径が0.23mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
【0118】
熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0119】
(実施例8)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト3重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0120】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0121】
得られた発泡体は、発泡体密度が32kg/m3、発泡体平均気泡径が0.22mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0122】
(実施例9)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、リン酸エステル化合物としてトリフェニルホスフェート1重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト5重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0123】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン4重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0124】
得られた発泡体は、発泡体密度が31kg/m3、発泡体平均気泡径が0.23mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
【0125】
熱伝導率は0.027W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0126】
(実施例10)
ポリスチレン樹脂100重量部に対して、HBCD4重量部、Mg−Al系ハイドロタルサイト5重量部、ベントナイト1重量部、無水シリカ0.1重量部、タルク0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドし、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0127】
このとき発泡剤として、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、i―ブタン3.5重量部、ジメチルエーテル2重量部、水0.8重量部、を使用した。
【0128】
得られた発泡体は、発泡体密度が32kg/m3、発泡体平均気泡径が0.22mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は40%であった。
【0129】
熱伝導率は0.028W/mK、燃焼性についてもJIS A 9511の基準を満たしており、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種の規格を満たす発泡体であった。
【0130】
(比較例1)
ハイドロタルサイトを添加しない以外は、実施例2と同様の条件で押出発泡体を得た。
【0131】
得られた発泡体は、発泡体密度が31kg/m3、発泡体平均気泡径が0.3mm、また大気泡と小気泡が混在した気泡構造を有しており、小気泡占有面積率は30%であった。
【0132】
しかしながら、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たし、大小気泡が混在する気泡構造を有しているにもかかわらず、熱伝導率は、実施例2に比し0.035W/mKと劣るものとなり、押出法ポリスチレンフォーム保温板2種の規格をも満たさないものであった。
【0133】
前記実施例1〜10および比較例1で得られた結果を表1にまとめて示す。
【0134】
【表1】
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、フロン類発泡剤を使用しないため環境適合性に優れ、かつ高度な断熱性を有し、さらには断熱建材用途に適合する難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体が得られ、かつ押出機等の製造装置の損傷等の恐れがなく長期間安定的に容易に製造することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a styrene resin extruded foam suitably used as a heat insulating material and a method for producing the same.
More specifically, the present invention relates to a styrene-based resin extruded foam having excellent environmental compatibility, high heat insulation performance, and flame retardancy and strength properties suitable for heat-insulating building materials, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, extruded styrene resin foams have been widely used as heat insulating materials for buildings because of their favorable workability and heat insulating properties.
In order to obtain excellent heat insulating properties of the styrene resin foam, many prior patents have proposed techniques using fluorocarbons represented by fluorocarbon 142b and fluorocarbon 134a as foaming agents.
However, in recent years, the ozone layer problem and global warming problem are attracting attention, and it is desired to replace fluorocarbons if possible. Have been.
[0003]
Styrene resin foam using a foaming agent other than chlorofluorocarbons and a method for producing the same include propane, butane or a mixture thereof at 70 to 100% by weight, methyl chloride, ethyl chloride or a mixture thereof at 30 to 100% by weight. Patent Document 1 discloses a styrene-based resin foam using a foaming agent consisting of 1% by weight, having a low density, satisfying the flame retardancy specified in JIS A 9511, and having high heat insulation performance, and a method for producing the same (Patent Document 1). ing.
[0004]
Further, in Patent Document 1, in order to satisfy the flame retardancy specified in JIS A9511, 1 to 3% by weight of hexabromocyclododecane or tetrabromobisphenol A is used, and a residual gas in a foam of propane or butane as a foaming agent is used. It is disclosed to adjust the amounts to 3.5% by weight or less and 2.0% by weight or less, respectively.
[0005]
However, in the foam without using fluorocarbons obtained by the invention described in Patent Document 1, in order to adjust the residual gas amount of propane and butane to the above-mentioned amount, it is necessary to use propane and butane during production of the foam. Processing such as limiting the amount of addition or storing the foaming agent for a long period of time after the production of the foam is required, and further has problems such as poor production stability and productivity during extrusion foaming.
Furthermore, in the amount of propane and butane in the foam without using fluorocarbons obtained by the invention described in Patent Document 1, the amount of propane and butane is high, such as three kinds of extruded polystyrene foam insulation plates specified in JIS A9511. It is difficult to obtain a foam having properties.
[0006]
According to the study of the present inventors, in order to obtain a foam having a high heat insulating property, it is preferable to leave more saturated hydrocarbon compounds such as propane and butane, for example, to reduce the foam density Depending on the foam density is 20-50kg / m3In the case of the range, it is preferable that 4% by weight or more of propane and 2.5% by weight or more of butanes are left, more preferably 3% by weight or more of butanes, based on the weight of the foam. Is considered preferable.
[0007]
However, when many compounds having relatively high flammability such as aliphatic hydrocarbons represented by propane and butane are left, as described above, hexabromocyclododecane and tetrabromobisphenol A are added in an amount of 1 to 3% by weight. %, The flame retardancy specified in JIS A9511 may not be satisfied.
On the other hand, in order to improve the flame retardancy, it is conceivable to increase the amount of the flame retardant to be added. However, it is difficult to obtain a stable flame retardancy simply by increasing the addition amount.
[0008]
In particular, the styrene-based resin itself, which is the base resin of the foam, is made flame-retardant, but the tendency that hydrocarbons volatilized from the foam during combustion tend to be ignited and combustion is difficult to suppress is still difficult to be solved. Furthermore, an increase in the amount of the flame retardant tends to cause deterioration of the foam moldability, and it tends to be difficult to obtain a molded article having satisfactory quality.
[0009]
As described above, it is very difficult for a system using a saturated hydrocarbon as a foaming agent to have high heat insulation performance and flame retardancy.
[0010]
In addition, as a method of obtaining a styrene-based extruded foam having high heat insulation performance and flame retardancy without using fluorocarbons, titanium oxide having a fine particle size is added to a styrene-based resin, and air bubbles constituting the foam are formed. By miniaturizing, in particular, by forming a characteristic bubble structure in which large and small bubbles are mixed, heat conduction by radiation is suppressed, and without using fluorocarbons, two types of extruded polystyrene foam insulation plates specified in JIS A 9511 or A styrene-based resin extruded foam having high heat insulating performance and flame retardancy required for three types and a method for producing the same (Patent Document 2) are disclosed.
[0011]
However, the titanium oxide used in the method of Patent Document 2 has a very high Mohs hardness value of 5.5 to 7.5, which indicates the hardness of the substance itself, and therefore, when kneaded in an extruder, the titanium oxide is used. There is a problem that a load such as scratching is generated, and it is difficult to stably obtain a target foam over a long period of time.
[0012]
In addition, as a method of obtaining a resin film that enhances heat retention and does not hinder translucency in a transparent manner, orientation with respect to the resin is easy, and it is excellent not only in infrared light but also in far infrared light to far infrared light. There is known a method of adding a hydrotalcite compound, which is an absorber exhibiting poor absorption (Patent Document 3).
[0013]
According to Patent Literature 3, the hydrotalcite compound is mainly uniformly dispersed in a resin film, thereby effectively absorbing radiation radiated from an object at a temperature in the vicinity of room temperature to enhance heat retention. Is described as effective.
However, Patent Literature 3 states that the absorber can be used in applications in which the absorber is mixed with various resin foams and the like to suppress radiation of heat rays, but the details thereof are all described. No effect is known.
[0014]
[Patent Document 1]
JP-A-10-237210 (pages 1 to 4)
[0015]
[Patent Document 2]
JP-A-2002-194129 (pages 1 to 7)
[0016]
[Patent Document 3]
JP-A-11-228936 (pages 1-5)
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the prior art, does not use a fluorocarbon foaming agent that is considered to have an effect on the environment, such as depletion of the ozone layer and global warming, and further includes an apparatus such as a screw in an extruder. It is an object of the present invention to provide a foam having high heat insulating performance and flame retardancy without damaging the foam, and a stable production method thereof.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Means for Solving the Problems The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and in addition to adding a hydrotalcite-based compound and a certain amount of a flame retardant to a styrene-based resin, furthermore, finely divided the cells constituting the foam. In particular, by applying a characteristic cell structure in which large and small cells are mixed and applying a specific density range, in a styrene resin foam, heat conduction by radiation is suppressed, and a freon foaming agent is used. Without having succeeded in achieving both high heat insulation performance and flame retardancy required for two or three types of extruded polystyrene foam heat insulating plates specified in JIS A 9511.
[0019]
That is, the present invention provides the following extruded styrene resin foam and a method for producing the same.
(1) A styrene-based resin extruded foam obtained by heating and melting a styrene-based resin, adding a foaming agent, and extruding and foaming, wherein a halogen-based flame retardant is added to 100 parts by weight of a styrene-based resin. 10 to 10 parts by weight, containing 0.1 to 20 parts by weight of a hydrotalcite compound, and having a foam density of 20 to 50 kg / m3An extruded styrene resin foam, wherein the average diameter of cells constituting the foam is 0.05 to 0.5 mm.
[0020]
(2) As a foaming agent, 2 to 5 parts by weight of at least one kind of saturated hydrocarbon having 3 to 5 carbon atoms, 100 parts by weight of styrene resin, and methyl chloride, ethyl chloride, dimethyl ether and water The extruded styrene resin foam according to the above (1), wherein 2 to 6 parts by weight of at least one selected from the group consisting of the following is used.
[0021]
(3) The extruded styrene resin foam according to (1) or (2), wherein the hydrotalcite compound is a hydrotalcite compound represented by the following general formula (1).
[0022]
Embedded image
(However, M2+Is Mg2+, Ca2+, Ni2+, Zn2+, Fe2+, Mn2+, Co2+And at least one divalent metal selected from the group consisting of Also, M3+Is Al3+, Fe3+, Cr3+, Co3+And at least one or more trivalent metals selected from the group consisting of Also, An-Is OH−, CO3 2-, SO4 2-, NO3 −, Cl−, CH3COO−, ClO4 −And at least one or more n-valent anions selected from the group consisting of x is a real number in the range of 0 <x ≦ 0.5, and m indicates 0 or a real number. )
(4) The cells constituting the foam are mainly composed of cells having a cell diameter of 0.25 mm or less and cells having a cell diameter of 0.3 to 1 mm. The extruded styrene resin foam according to any one of (1) to (3), having an occupied area ratio of 90%.
[0023]
(5) The one or more saturated hydrocarbons having 3 to 5 carbon atoms are at least one saturated hydrocarbon selected from the group consisting of propane, n-butane and i-butane. The extruded styrene resin foam according to any one of (1) to (4).
[0024]
(6) The above-mentioned (2) to (2) to (2) to (3), which do not contain a chlorofluorocarbon-based foaming agent, and have heat insulating properties and flame retardancy conforming to two or three types of extruded polystyrene foam heat insulating plates defined in JIS A 9511. 5) The extruded styrene-based resin foam according to any one of 5).
[0025]
(7) A method for producing a styrene-based resin extruded foam in which a styrene-based resin is heated and melted, a foaming agent is added to the styrene-based resin, and extruded and foamed through a die. 0.1 to 10 parts by weight of a halogen-based flame retardant, 0.1 to 20 parts by weight of a hydrotalcite compound, and a foaming agent having 3 to 5 carbon atoms per 100 parts by weight of a styrene resin. Extrusion foaming is performed by coexistence of at least one kind of hydrocarbon of 2 to 5 parts by weight and at least one kind of 2 to 6 parts by weight selected from the group consisting of methyl chloride, ethyl chloride, dimethyl ether and water, so that the foam density is reduced. 20-50kg / m3A method for producing an extruded styrene resin foam, wherein a foam having an average diameter of cells constituting the foam of 0.05 to 0.5 mm is obtained.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present inventors have used fluorocarbon gas as a technical means for obtaining high heat insulation performance as required for two or three types of extruded polystyrene foam insulation plates specified in JIS A 9511 without using fluorocarbons as a foaming agent. The addition of hydrotalcite compounds to the effect of reducing the thermal conductivity of gas in bubbles due to the foaming agent is complemented by the effect of reducing the thermal conductivity due to radiation, thereby preventing a decrease in heat insulation performance due to the elimination of fluorocarbons. In addition to the above, by combining a finer cell diameter with a specific density and a certain amount of flame retardant, extruded styrene resin foam can achieve both environmental compatibility, high heat insulation performance and flame retardancy. succeeded in.
[0027]
The hydrotalcite compound used in the present invention is a metal double salt hydroxide represented by the following general formula (1).
[0028]
Embedded image
(However, M2+Is Mg2+, Ca2+, Ni2+, Zn2+, Fe2+, Mn2+, Co2+And at least one divalent metal selected from the group consisting of Also, M3+Is Al3+, Fe3+, Cr3+, Co3+And at least one or more trivalent metals selected from the group consisting of Also, An-Is OH−, CO3 2-, SO4 2-, NO3 −, Cl−, CH3COO−, ClO4 −And at least one or more n-valent anions selected from the group consisting of x is a real number in the range of 0 <x ≦ 0.5, and m indicates 0 or a real number. )
The hydrotalcite compound may be a natural product or a synthetic product.
[0029]
In addition, the hydrotalcite compound can be used without being limited by its crystal structure, crystal particle diameter, presence or absence of crystallization water, and the amount thereof.
[0030]
In addition, the hydrotalcite compound, the surface is a higher fatty acid such as stearic acid, a higher fatty acid metal salt such as an alkali metal oleate, a metal salt of an organic sulfonic acid such as an alkali metal salt of dodecylbenzenesulfonic acid, a higher fatty acid amide, Those coated with higher fatty acid esters or waxes can be used.
[0031]
As the hydrotalcite compound, a magnesium-aluminum-based metal double salt hydroxide represented by the following general formula (2) or a part of magnesium represented by the following general formula (3) is preferably modified with zinc. Examples thereof include magnesium-zinc-aluminum-based metal double salt hydroxides, which are commercially available from Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. under trade names such as Alkamizer 1, Alkamizer 2, Alkamizer 4, Alkamizer 4-2, and DHT-4A. Can be mentioned.
[0032]
Embedded image
(X is a real number in the range of 0 <x ≦ 0.5, and m indicates 0 or a real number.)
[0033]
Embedded image
(X, y1, Y2Represents a real number satisfying a condition represented by the following equation, and m represents 0 or a real number. 0 <x ≦ 0.5, y1+ Y2= 1−x, y1≧ y2)
The amount of the hydrotalcite compound to be added is 0.1 to 20 parts by weight, preferably 0.5 to 15 parts by weight, more preferably 1 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. .
[0034]
If the amount of the hydrotalcite compound is less than the above range, the effect of reducing the thermal conductivity tends not to be sufficiently achieved. On the other hand, if the amount of the hydrotalcite compound is larger than the above range, the effect is not so remarkably improved, which leads to an increase in cost.
[0035]
In order to obtain the fine cell foam specified in the present invention, the foam having a characteristic cell structure in which large and small cells are mixed, that is, the cells constituting the cell are mainly composed of cells having a cell diameter of 0.25 mm or less ( In the following, foams composed of small bubbles and bubbles having a cell diameter of 0.3 to 1 mm (hereinafter referred to as large bubbles), in which these small and large bubbles are dispersed in a sea-island manner through a bubble film, are particularly preferable. It is valid.
[0036]
In the case of obtaining a foam having a cell structure composed of large and small cells, it is preferable that small cells having a cell diameter of 0.25 mm or less have an occupied area ratio of 10 to 90% per sectional area of the foam. The occupied area ratio of the small cells per sectional area of the foam is more preferably 20 to 90%, and further preferably 30 to 90%. It is preferable that the small bubble occupying area ratio is large because the heat insulating performance is improved.
[0037]
The styrene-based resin used in the present invention is not particularly limited, and is obtained from a styrene homopolymer obtained from only a styrene monomer, a monomer copolymerizable with styrene monomer and styrene, or a derivative thereof. Examples include random, block or graft copolymers, post-brominated polystyrene, and modified polystyrene such as rubber-reinforced polystyrene. These can be used alone or in combination of two or more.
[0038]
As monomers copolymerizable with styrene, methylstyrene, dimethylstyrene, ethylstyrene, diethylstyrene, isopropylstyrene, bromostyrene, dibromostyrene, tribromostyrene, chlorostyrene, dichlorostyrene, styrene derivatives such as trichlorostyrene, Polyfunctional vinyl compounds such as divinylbenzene, (meth) acrylic compounds such as acrylic acid, methacrylic acid, methyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl acrylate, ethyl methacrylate, acrylonitrile, diene compounds such as butadiene and the like Derivatives, unsaturated carboxylic anhydrides such as maleic anhydride, itaconic anhydride and the like can be mentioned. These can be used alone or in combination of two or more. And, in the styrene resin, a styrene homopolymer is preferable.
[0039]
The present invention uses, as a foaming agent, one or more kinds of saturated hydrocarbons having 3 to 5 carbon atoms, and one or more kinds selected from the group consisting of methyl chloride, ethyl chloride, dimethyl ether and water. It is characterized by doing.
[0040]
Examples of the saturated hydrocarbon having 3 to 5 carbon atoms used in the present invention include propane, n-butane, i-butane, n-pentane, i-pentane, neopentane and the like. Among the saturated hydrocarbons having 3 to 5 carbon atoms, propane, n-butane, i-butane, or a mixture thereof is preferable from the viewpoints of foaming properties, foam flame retardancy, and foam heat insulating performance. Particularly preferred are propane and i-butane.
[0041]
Further, in the present invention, as a foaming agent used together with a saturated hydrocarbon having 3 to 5 carbon atoms, a plasticizing effect on a resin is good, and as a foaming agent having a good foaming property, methyl chloride, ethyl chloride, Dimethyl ether, water, or a mixture thereof is used. When emphasis is placed on environmental compatibility, it is preferable to use non-halogen dimethyl ether, water, or the like as a foaming agent used together with a saturated hydrocarbon having 3 to 5 carbon atoms. Further, in order to obtain a characteristic bubble structure in which large and small bubbles are mixed as described above, water is also used in combination.
[0042]
By mixing and using these foaming agents, the extrusion pressure can be reduced and a foam can be stably produced.
[0043]
In the production of the styrene resin foam of the present invention, the amount of the blowing agent added or injected into the styrene resin is at least one of saturated hydrocarbons having 3 to 5 carbon atoms, and is preferably a saturated hydrocarbon compound. It is preferably from 2 to 5 parts by weight, more preferably from 2 to 4.8 parts by weight, particularly preferably from 2 to 4.8 parts by weight, based on 100 parts by weight of the styrene resin, although it depends on the type of the foam, the density of the foam and the like. -4.5 parts by weight is preferred from the viewpoint of heat insulation performance and flame retardancy.
[0044]
The amount of at least one selected from the group consisting of methyl chloride, ethyl chloride, dimethyl ether and water varies depending on the type of the foaming agent, the gas permeability and density of the foam, etc. In order to improve the moldability, the amount is preferably 2 to 6 parts by weight, more preferably 2 to 5 parts by weight, based on 100 parts by weight of the styrene resin.
[0045]
The pressure at which the foaming agent is added or injected is not particularly limited, and may be any pressure that is higher than the internal pressure of the extruder or the like.
[0046]
As the halogen-based flame retardant used in the present invention, a flame retardant usually used for a thermoplastic resin can be used without particular limitation. Among them, halogen-based flame retardants are generally used.
[0047]
For example, as brominated flame retardants, bromides of aliphatic or alicyclic hydrocarbons such as hexabromocyclododecane, hexabromobenzene, ethylenebispentabromodiphenyl, decabromodiphenylethane, decabromodiphenyl ether, octabromodiphenyl ether, Brominated aromatic compounds such as 2,3-dibromopropylpentabromophenyl ether, tetrabromobisphenol A, tetrabromobisphenol A bis (2,3-dibromopropyl ether), tetrabromobisphenol A (2-bromoethyl ether), Brominated bisphenols such as tetrabromobisphenol A diglycidyl ether, adducts of tetrabromobisphenol A diglycidyl ether with tribromophenol and derivatives thereof, Labromobisphenol A polycarbonate oligomer, brominated bisphenol derivative oligomer such as epoxy oligomer of an adduct of tetrabromobisphenol A diglycidyl ether and brominated bisphenol, ethylene bistetrabromophthalimide, bis (2,4,6-tribromo Examples thereof include brominated aromatic compounds such as phenoxy) ethane, brominated acrylic resins, and ethylenebisdibromonorbornanedicarboximide. Examples of the chlorine-based flame retardant include chlorinated aliphatic compounds such as chlorinated paraffin, chlorinated naphthalene, and perchloropentadecane, chlorinated aromatic compounds, chlorinated alicyclic compounds, and the like. These compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0048]
Among the halogen-based flame retardants, bromine-based flame retardants are preferred from the viewpoint of flame retardancy, and hexabromocyclododecane is particularly preferred from the viewpoint of compatibility with styrene-based resins.
[0049]
The content of the halogen-based flame retardant is appropriately adjusted according to the amount of the foaming agent to be added so as to obtain the flame retardancy specified in JIS A 9511. 0.1 to 10 parts by weight, more preferably 1 to 9 parts by weight, still more preferably 2 to 8 parts by weight, particularly preferably 3 to 7 parts by weight.
[0050]
When the content of the halogen-based flame retardant is less than the above, the flame retardancy aimed at by the present invention tends to be hardly obtained, while when the content exceeds the above range, the moldability during foam production may be impaired. is there.
[0051]
In the present invention, a phosphoric ester compound may be used in combination with the halogen-based flame retardant as the flame retardant. Thus, even when a highly flammable hydrocarbon is used as a foaming agent, it has a feature that it is easy to achieve the flame retardancy specified in JIS A 9511.
[0052]
Specific examples of the phosphoric ester compound used in the present invention include trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tributyl phosphate, tri (2-ethylhexyl) phosphate, tributoxyethyl phosphate, monoisodecyl phosphate, and 2-acryloyloxyethyl acid phosphate. Aliphatic phosphates such as, 2-methacryloyloxyethyl acid phosphate, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trixylenyl phosphate, tris (isopropylphenyl) phosphate, tris (phenylphenyl) phosphate, trinaphthyl phosphate, Cresyl diphenyl phosphate, xylenyl diphenyl phosphate, diphenyl (2-ethylhexyl) phosphate, Isopropyl) phenyl phosphate, diphenyl (2-acryloyloxyethyl) phosphate, and aromatic phosphoric acid esters such as diphenyl (2-methacryloyloxyethyl) phosphate and the like.
[0053]
Furthermore, phosphates having two or more phosphate groups represented by the following general formula (4) can be mentioned.
[0054]
Embedded image
(Where R1Is a residue such as resorcinol, hydroquinone, bisphenol A, R2Is a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, etc., and n is an integer of 1 or more.
[0055]
The phosphates represented by the general formula (4) include resorcinol bis (diphenyl phosphate), resorcinol bis (dicylenyl phosphate), resorcinol bis (dicresyl phosphate), and bisphenol A bis (diphenyl phosphate) ), Bisphenol A bis (dicylenyl phosphate), bisphenol A bis (dicresyl phosphate), hydroquinone bis (diphenyl phosphate), hydroquinone bis (dicylenyl phosphate), hydroquinone bis (dicresyl phosphate), etc. Aromatic di (phosphate ester) s (in the above general formula (4), n = 1), poly (resorcinol phenyl phosphate), poly [resorcinol. (Di-2,6-xylyl) phospho) Poly (phosphate ester) s such as poly (bisphenol A / cresyl phosphate) and poly [hydroquinone / (2,6-xylyl) phosphate (wherein n is 2 or more in the above general formula (4)) ).
[0056]
The content of the phosphoric ester compound is appropriately adjusted according to the amount of the foaming agent to be added so as to obtain a flame retardancy and a synergistic effect of suppressing ignition and combustion of hydrocarbons volatilized during combustion. The amount is preferably 0.1 to 10 parts by weight, more preferably 0.3 to 9 parts by weight, and still more preferably 0.5 to 8 parts by weight, per 100 parts by weight.
[0057]
When the content of the phosphate compound is less than the above range, a synergistic effect tends to be hardly obtained. On the other hand, when the content is more than the above range, the moldability during foam production may be impaired.
[0058]
Further, in the present invention, an inorganic compound such as silica, talc, calcium silicate, wollastonite, kaolin, clay, mica, zinc oxide, calcium carbonate, and stearic acid, as long as the effects of the present invention are not inhibited, if necessary. Processing aids such as sodium, magnesium stearate, barium stearate, liquid paraffin, olefin wax, stearyl amide compound, etc., phenolic antioxidants, phosphorus stabilizers, lightfast stabilizers such as benzotriazoles, hindered amines And additives such as other flame retardants, antistatic agents, and coloring agents such as pigments.
[0059]
Next, a method for obtaining a foam having a characteristic cell structure in which the large and small cells are mixed will be described in detail. In order to obtain a foam having a characteristic cell structure in which large and small cells are mixed, it is necessary to use water as a foaming agent. In addition, it is more effective to use smectite as an additive.
[0060]
Smectite is preferably a clay mineral containing montmorillonite as a main component, such as montmorillonite or bentonite.
[0061]
The bentonite referred to in the present invention is a basic clay mineral containing montmorillonite as a main component and associated minerals such as quartz, α-cristobalite, opal, feldspar, and mica.
[0062]
Speaking of chemical components, bentonite is mainly composed of silicon oxide, and the next largest chemical component is aluminum oxide.
[0063]
In addition, montmorillonite is composed of a thin silicate layer of about 1 nm, and the surface of the plate-like crystal grains is negatively charged, and the interlayer is charged electrically by exchangeable cations such as sodium and calcium. It is considered to be a clay mineral that maintains neutrality and hydrates water molecules with exchangeable cations between layers when it comes in contact with water, and swells between layers. As the smectite used in the present invention, bentonite is particularly preferred. Representative examples of bentonite include natural bentonite and purified bentonite. Organic bentonite can also be used.
[0064]
The smectite in the present invention also includes montmorillonite-modified products such as anionic polymer-modified montmorillonite, silane-treated montmorillonite, and highly polar organic solvent-complexed montmorillonite.
[0065]
Bentonite can be obtained, for example, from Benjun Mining Co., Ltd. as Bentonite Hotaka, Wenger, or the like. Such bentonite can be used alone or in combination of two or more.
[0066]
It is considered that smectite such as bentonite used here absorbs water that is not compatible with the styrene resin, forms a gel, and can be dispersed uniformly in the styrene resin in a gel state. Used from.
[0067]
The content of smectite such as bentonite used in the present invention is appropriately adjusted depending on the amount of water added, etc., preferably, based on 100 parts by weight of the styrene resin, 0.2 to 10 parts by weight, More preferably, it is 0.5 to 5 parts by weight.
[0068]
If the smectite content is less than the above range, the amount of water adsorbed by the smectite may be insufficient with respect to the amount of water added, and pores may be generated due to poor dispersion of water in the extruder, resulting in a molded article failure. When the ratio exceeds the above range, it becomes difficult to uniformly disperse smectite in the styrene-based resin in the extruder, and there is a tendency for uneven air bubbles to occur. Furthermore, it tends to be difficult to retain closed cells. Therefore, the heat insulation performance of the foam tends to deteriorate and vary.
[0069]
The mixing ratio of water / smectite (bentonite) is preferably in the range of 0.02 to 20, more preferably 0.25 to 2 by weight.
[0070]
As the water absorbing medium, in addition to smectite, use is made of water-absorbing or water-swelling clays such as saponite and swelling fluoromica and their organically treated products, water-absorbing polymers, anhydrous silica having silanol groups, and the like. be able to.
[0071]
Further, smectite and one or more of these water-absorbing media can be used in combination.
[0072]
When water is used in combination with the foaming agent, from the viewpoint of processability and the formation of the small and large cells, saturated carbonized carbon having 3 to 5 carbon atoms with respect to 100 parts by weight of the styrene resin as the foaming agent. It is preferable that at least one kind of hydrogen is composed of 2 to 5 parts by weight, 0.3 to 1.5 parts by weight of water, and 0.5 to 4.7 parts by weight of a blowing agent other than water. 2 to 4.5 parts by weight of at least one kind of saturated hydrocarbon having a number of 3 to 5, 0.5 to 1 part by weight of water, and 1 to 4.5 parts by weight of a foaming agent other than water Is more preferred.
[0073]
In the present invention, a styrene-based resin extruded foam having both heat insulating properties and flame retardancy, which conforms to two or three types of extruded polystyrene foam heat insulating plates specified in JIS A 9511 without using fluorocarbons as a foaming agent. Can be obtained.
[0074]
That is, heat insulation is 0.034 W / mK or less in thermal conductivity (two types of extruded polystyrene foam heat insulating plates), and 0.028 W / mK or less (three types of extruded polystyrene foam heat insulating plates). In the measurement of the flammability specified in JIS A 9511, the extruded styrene resin foam satisfying the conditions that the flame extinguishes within 3 seconds, there is no residue, and the flammability does not exceed the flammability limit line. Obtainable.
[0075]
The styrene-based resin extruded foam of the present invention is obtained by mixing a) a styrene-based resin with a halogen-based flame retardant and a hydrotalcite compound, and, if necessary, a phosphate compound, a smectite, and other additives. B) heat-melt the styrenic resin, add and mix a halogen-based flame retardant and a hydrotalcite compound, and if necessary, a phosphate ester compound, smectite, and other additives, c) A styrene-based resin, a halogen-based flame retardant and a hydrotalcite-based compound, a phosphate ester-based compound, smectite, and other additives are mixed as needed, and then a composition that is heated and melted is prepared. Styrene resin, halogen-based flame retardant and hydrotalcite compounds, The phosphate compound, smectite, and other additives are supplied to a heat-melt kneading means such as an extruder according to the conditions, and a foaming agent is added to the styrene-based resin at an arbitrary stage under high-pressure conditions to form a fluid gel. No., manufactured by cooling to a temperature suitable for extrusion foaming and extruding the fluid gel through a die into a low pressure area to form a foam.
[0076]
The heating temperature, the melt-kneading time, and the melt-kneading means when the styrene-based resin and additives such as a foaming agent are heated and melt-kneaded are not particularly limited. The heating temperature may be at least the temperature at which the styrenic resin to be used is melted, but is preferably a temperature at which molecular degradation of the resin due to the influence of a flame retardant or the like is suppressed as much as possible, for example, about 150 to 220 ° C.
[0077]
The melt-kneading time cannot be unconditionally determined because it differs depending on the extrusion amount per unit time, the melt-kneading means, and the like, but the time required for uniformly dispersing and mixing the styrene resin and the foaming agent is appropriately selected. Examples of the melt-kneading means include a screw-type extruder, but are not particularly limited as long as they are used for ordinary extrusion foaming. However, in order to suppress the molecular deterioration of the resin as much as possible, it is preferable to use a low-shear type screw for the screw shape.
[0078]
In addition, the foam molding method is not particularly limited, for example, using a molding die and a molding roll installed in close contact with or in contact with the slit die foam obtained by pressure release from the slit die, a large cross-sectional area A general method of forming a plate-like foam can be used.
[0079]
The thickness of the foam of the present invention is not particularly limited, and is appropriately selected depending on the application. For example, in the case of a heat insulating material used for applications such as building materials, in order to impart preferable heat insulating properties, flexural strength and compressive strength, the thickness is more like a normal plate-like material than a thin material such as a sheet. Is preferably 10 to 150 mm, and more preferably 20 to 100 mm.
[0080]
In addition, the density of the foam of the present invention is 20 to 50 kg / m2 in order to impart lightweight and excellent heat insulating properties, bending strength and compressive strength.3Is preferably 25 to 40 kg / m3Is more preferable.
[0081]
【Example】
Next, the extruded styrene-based resin foam of the present invention and the method for producing the same will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to only these Examples.
[0082]
As properties of the obtained foam, foam density, foam average cell diameter, small cell occupying area ratio, foam thermal conductivity, and foam flammability were examined according to the following methods.
[0083]
(1) Foam density (kg / m3)
The foam density is determined based on the following equation, and the unit is kg / m.3It is shown after being converted to.
[0084]
Foam density (g / cm3) = Foam weight (g) / foam volume (cm)3)
(2) Foam average cell diameter (mm)
It measured according to ASTM D-3576.
[0085]
(3) Small bubble occupation area ratio (%)
The occupied area ratio of the cells having a cell diameter of 0.25 mm or less per sectional area of the foam was determined as follows. Here, the bubble having a bubble diameter of 0.25 mm or less is a bubble having a circle-converted diameter of 0.25 mm or less.
a) Photograph the longitudinal section of the foam with a scanning electron microscope (manufactured by Hitachi, Ltd., product number: S-450) at a magnification of 30 times.
b) An OHP sheet is placed on the photographed image, and a portion corresponding to a bubble having a diameter in the thickness direction larger than 7.5 mm (corresponding to a bubble having an actual size larger than 0.25 mm) is placed thereon with black ink. Fill and copy (primary processing).
[0086]
c) The primary processing image is taken into an image processing device (Pierce Co., Ltd., product number: PIAS-II), and it is determined whether the dark color portion and the light color portion, that is, the portion painted with black ink or not.
d) Of the dark-colored portion, a portion corresponding to the area of a circle having a diameter of 7.5 mm or less, that is, a portion having a long diameter in the thickness direction but having an area which is only an area of a circle having a diameter of 7.5 mm or less. Is lightened, and the dark portion is corrected.
e) Using “FRACTAREA (area ratio)” in the image analysis calculation function, the area ratio of the bubble diameter of 7.5 mm or less (the light-colored portion divided by shading) in the entire image is calculated by the following equation.
Small bubble occupation area ratio (%) = (1−area of dark portion / area of entire image) × 100
[0087]
(4) Thermal conductivity of foam (W / mK)
It was measured according to JIS A 9511. The measurement was performed on the foam 30 days after the production.
[0088]
Incidentally, the specification of two types of extruded polystyrene foam heat insulating plates specified in JIS A 9511 is 0.034 W / mK or less, and the three types are 0.028 W / mK or less.
[0089]
(5) Foam flammability
It was measured according to JIS A 9511. The measurement was performed on the foam 7 days after the production.
[0090]
If the criterion of “the flame extinguishes within 3 seconds and there is no residue and it does not burn beyond the combustion limit indicating line” is satisfied, it is judged as ○ (pass). Passed).
[0091]
(Example 1)
A & M Styrene Co., Ltd., trade name: Stylon G9401, used as a polystyrene resin, and hexabromocyclododecane (hereinafter abbreviated as HBCD) as a halogen-based flame retardant based on 100 parts by weight of the polystyrene resin. 3 parts by weight, magnesium-aluminum-based (hereinafter abbreviated as Mg-Al-based) hydrotalcite (manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd., trade name: Alkamizer 1) 3 parts by weight, talc 1.5 as a nucleating agent Parts by weight, 0.25 parts by weight of barium stearate as a lubricant is dry-blended, and the obtained resin mixture is supplied to a twin-screw extruder in which 65 mm diameter and 90 mm diameter are connected in series at a rate of about 50 kg / hr. Supplied with
[0092]
The resin mixture supplied to the extruder having a diameter of 65 mm is heated to 200 ° C., melted or plasticized, and kneaded. The resin temperature is reduced to 120 ° C. by an extruder having a diameter of 90 mm connected to the extruder. Was extruded into the atmosphere from a die having a rectangular cross section of 2 mm in the thickness direction and 50 mm in the width direction provided at the tip of the extruder to obtain a plate-like extruded foam having a thickness of about 40 mm and a width of about 150 mm.
[0093]
At this time, 3.5 parts by weight of propane and 5 parts by weight of methyl chloride were added to 100 parts by weight of the polystyrene resin as blowing agents in the vicinity of the tip of the 65 mm-diameter extruder (90 mm diameter extrusion) on separate lines. Into the resin from the side connected to the end of the machine opposite to the base).
[0094]
The obtained foam has a foam density of 32 kg / m.3The foam has an average cell diameter of 0.35 mm, a thermal conductivity of 0.034 W / mK, and a flammability that meets the standards of JIS A 9511. there were.
[0095]
(Example 2)
HBCD 3 parts by weight, Mg-Al hydrotalcite 3 parts by weight, bentonite 1 part by weight, anhydrous silica 0.1 part by weight, talc 0.2 part by weight, barium stearate 0.25 with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin The parts by weight were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0096]
At this time, propane (3 parts by weight), methyl chloride (4.5 parts by weight) and water (0.5 parts by weight) were used per 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0097]
The obtained foam has a foam density of 29 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.27 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 30%.
[0098]
The thermal conductivity was 0.032 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate that satisfied two types of standards.
[0099]
(Example 3)
3 parts by weight of HBCD, 100 parts by weight of polystyrene resin, magnesium-zinc-aluminum type (hereinafter abbreviated as Mg-Zn-Al type) hydrotalcite (Kyowa Chemical Industry Co., Ltd., trade name: Alkamizer 4) 3) parts by weight, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, 0.25 part by weight of barium stearate were dry-blended, and an extruded foam was obtained under the same conditions as in Example 1. Obtained.
[0100]
At this time, propane (3 parts by weight), methyl chloride (4.5 parts by weight) and water (0.5 parts by weight) were used per 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0101]
The obtained foam has a foam density of 29 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.28 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 30%.
[0102]
The thermal conductivity was 0.031 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and two types of standards.
[0103]
(Example 4)
HBCD 3 parts by weight, Mg-Al hydrotalcite 3 parts by weight, bentonite 1 part by weight, anhydrous silica 0.1 part by weight, talc 0.2 part by weight, barium stearate 0.25 with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin The parts by weight were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0104]
At this time, 3 parts by weight of i-butane, 4.5 parts by weight of methyl chloride, and 0.5 parts by weight of water were used for 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0105]
The obtained foam has a foam density of 30 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.28 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 30%.
[0106]
The thermal conductivity was 0.031 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and two types of standards.
[0107]
(Example 5)
4 parts by weight of HBCD, 3 parts by weight of Mg-Al hydrotalcite, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, 0.25 part of barium stearate with respect to 100 parts by weight of polystyrene resin The parts by weight were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0108]
At this time, 4 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used as the foaming agent with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0109]
The obtained foam has a foam density of 31 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.23 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
[0110]
The thermal conductivity was 0.027 W / mK, the flammability also satisfies the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfies three types of standards.
[0111]
(Example 6)
4 parts by weight of HBCD, 3 parts by weight of Mg-Zn-Al hydrotalcite, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, 0 part of barium stearate with respect to 100 parts by weight of polystyrene resin .25 parts by weight were dry blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0112]
At this time, 4 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used as the foaming agent with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0113]
The obtained foam has a foam density of 32 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.24 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
[0114]
The thermal conductivity was 0.027 W / mK, the flammability also satisfies the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfies three types of standards.
[0115]
(Example 7)
4 parts by weight of HBCD, 1 part by weight of triphenyl phosphate (manufactured by Ajinomoto Co., trade name: Leofos TPP) as a phosphate compound compound, 3 parts by weight of Mg-Al hydrotalcite, 100 parts by weight of polystyrene resin, bentonite One part by weight, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, and 0.25 part by weight of barium stearate were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0116]
At this time, 4 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used as the foaming agent with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0117]
The obtained foam has a foam density of 30 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.23 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
[0118]
The thermal conductivity was 0.028 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfied three standards.
[0119]
(Example 8)
4 parts by weight of HBCD, 3 parts by weight of Mg-Al hydrotalcite, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, 0.25 part of barium stearate with respect to 100 parts by weight of polystyrene resin The parts by weight were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0120]
At this time, 3.5 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used for 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0121]
The obtained foam has a foam density of 32 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.22 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
The thermal conductivity was 0.028 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfied three standards.
[0122]
(Example 9)
4 parts by weight of HBCD, 1 part by weight of triphenyl phosphate as a phosphate compound, 5 parts by weight of Mg-Al hydrotalcite, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 100 parts by weight of polystyrene resin, talc 0.2 parts by weight and 0.25 parts by weight of barium stearate were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0123]
At this time, 4 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used as the foaming agent with respect to 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0124]
The obtained foam has a foam density of 31 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.23 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
[0125]
The thermal conductivity was 0.027 W / mK, the flammability also satisfies the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfies three types of standards.
[0126]
(Example 10)
4 parts by weight of HBCD, 5 parts by weight of Mg-Al hydrotalcite, 1 part by weight of bentonite, 0.1 part by weight of anhydrous silica, 0.2 part by weight of talc, 0.25 part of barium stearate with respect to 100 parts by weight of polystyrene resin The parts by weight were dry-blended to obtain an extruded foam under the same conditions as in Example 1.
[0127]
At this time, 3.5 parts by weight of i-butane, 2 parts by weight of dimethyl ether, and 0.8 parts by weight of water were used for 100 parts by weight of the polystyrene resin.
[0128]
The obtained foam has a foam density of 32 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.22 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 40%.
[0129]
The thermal conductivity was 0.028 W / mK, the flammability also satisfied the standards of JIS A 9511, and the foam was an extruded polystyrene foam heat insulating plate and satisfied three standards.
[0130]
(Comparative Example 1)
An extruded foam was obtained under the same conditions as in Example 2 except that no hydrotalcite was added.
[0131]
The obtained foam has a foam density of 31 kg / m.3The foam had an average cell diameter of 0.3 mm, a cell structure in which large cells and small cells were mixed, and the small cell occupation area ratio was 30%.
[0132]
However, the flammability satisfies the standard of JIS A 9511, and the thermal conductivity is inferior to Example 2 at 0.035 W / mK, despite having a bubble structure in which large and small bubbles are mixed. Thus, the extruded polystyrene foam heat insulating plate did not satisfy the two types of standards.
[0133]
Table 1 summarizes the results obtained in Examples 1 to 10 and Comparative Example 1.
[0134]
[Table 1]
[0135]
【The invention's effect】
According to the present invention, an extruded styrene-based resin having excellent environmental compatibility because of not using a chlorofluorocarbon foaming agent, having a high degree of heat insulation, and having flame retardancy suitable for use in heat-insulating building materials is obtained. In addition, there is no risk of damage to a manufacturing apparatus such as an extruder or the like, and the manufacturing can be stably and easily performed for a long period of time.