JP2004161817A - 接着性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】非極性基材に対する接着力に優れた接着性組成物を提供すること。
【解決手段】エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を含有する接着性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を含有する接着性組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性組成物に関し、より詳細には、少なくとも一方の被着体として非極性基材を用いる場合に好適な接着性組成物に関する。本発明の接着性組成物は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射により単時間で充分に硬化して、また溶剤などの薬品に対する耐性に優れ、非極性基材を少なくとも一方の被着体とする場合の接着剤として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の非極性基材は、一般に接着が困難といわれているが、そのような状況のなか、非極性基材用接着剤若しくは接着剤層を形成する接着性樹脂が種々提案されている。例えば、無水マレイン酸変性したポリオレフィンを接着剤層として用いる手法(例えば、特許文献1および2参照)、非極性脂環式ポリオレフィンの表面をプラズマ放電処理して、水溶性ポリエステルあるいはPVA等でコートした後、極性基材と張り合わせるといった手法(例えば、特許文献3および4参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの場合には、必ずしも十分満足する接着力が得られなかったり、接着力が得られる場合でも接着前に表面活性化処理などの被着材前処理を行うという煩雑な工程が必要であったりするなど、市場の要求に十分に応えられていないというのが実情であった。
【0003】
また、3M社製の接着剤の一つであるスコッチウェルドDP−8005(3MScotch−WeldTM DP−8005)では、被着体であるポリオレフィンが破壊する程の接着強度が得られるという報告(例えば、非特許文献1参照)がされている。しかしながら、この接着剤を使用する場合においても、適度な強度を得るまでには長時間(8時間以上)を必要とし、また2液型の接着剤であるために接着操作が簡便でなく、接着剤層が無色透明ではないといった問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−171858号公報(第3−4頁)
【特許文献2】
特開平11−5721号公報(第2−4頁)
【特許文献3】
特開2002−103410号公報(第2−4頁及び8頁)
【特許文献4】
特開2002−243940号公報(第4−6頁)
【非特許文献1】
マテリアル ステージ 2002年、第2巻、1号 86〜89頁(MATERIAL STAGE Vol.2,No.1 2002 p86−89)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、上記問題点を解消して、簡便に接着でき、しかも非極性基材に対する接着力に優れ、透明な接着層を得ることができる接着性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤などを含有する接着性組成物を使用すると、非極性基材同士の接着、非極性基材と極性基材との接着などにおいて短時間で充分な接着強度が得られ、しかも接着層が透明であるため光学部材等の接着にも使用可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を含有する接着性組成物である。
そして、本発明は、
(2) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)100質量部に対して、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)を0.1〜100質量部の割合で含有し、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)および前記化合物(b)の合計100質量部に対して、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を0.1〜20質量部の割合で含有する前記(1)記載の接着性組成物;
(3) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)が、式A−B−A(式中、Aはイソプレン単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、Bはブタジエン単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表す)である前記(1)または(2)に記載の接着性組成物;
(4) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAのエポキシ基が1〜30個である前記(3)に記載の接着性組成物;
(5) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの数平均分子量が200〜3,000であり、重合体ブロックBの数平均分子量が1,000〜4,000である前記(3)または(4)記載の接着性組成物;
(6) 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)の分子量が2,000以下である前記(1)または(2)記載の接着性組成物;および
(7) 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)が、1〜5個のエポキシ基と1〜3個の水酸基を有する化合物である前記(6)に記載の接着性組成物;
を好ましい態様として包含する。
さらに、本発明は、
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の接着性組成物からなる非極性基材用接着性組成物;および
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の接着性組成物からなる層および他の材料からなる層を有する積層構造体;
をも包含する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)は、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)の存在下に活性エネルギー線を照射した時に、重合反応および/または架橋反応を生ずる、カチオン重合性のエポキシ基を含有するジエン系トリブロック共重合体である。
なお、本明細書でいう「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような、本発明の接着性組成物を硬化させ得るエネルギー線を言う。
【0009】
上記エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)(以下単に「ブロック共重合体(a)」ということがある)としては、ジエン化合物を主体とする異なる2種類以上の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の少なくとも末端がエポキシ化されたものであれば特に制限されないが、式(A)−(B)−(C)(式中、(A)は共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、(B)は(A)とは異なる共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表し、(C)は(B)とは異なり、(A)と同一でも異なっていてもよい共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表す)で示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体であることが好ましく、式A−B−A(式中、Aはイソプレン単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、Bはブタジエン単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表す)で示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体であることがより好ましい。
【0010】
上記ブロック共重合体(a)の重合に用いる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンなどのような炭素原子数4〜24程度のものが包含されるが、ブタジエン、イソプレンなどが安価であり入手容易なため好ましい。
【0011】
本発明においては、本発明の目的に支障のない範囲で、上記共役ジエン化合物と共重合し得る他の単量体を少量成分(例えば20質量%以下程度)配合した共役ジエン化合物を主体とするものであってもよい。
かかる他の単量体としては、特に制限されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ドデセンなどのオレフィン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリ酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物類などが挙げられる。
【0012】
本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)の製造方法としては、特に制限されず公知の方法により製造することができ、例えば、ブチルリチウム等のアニオン重合開始剤を用いてイソプレン、ついでブタジエン、最後にイソプレンをブロック共重合した後、水素添加触媒を用いてポリブタジエンブロックを完全に水素添加し、次いでポリイソプレンブロックを部分水素添加し、ポリイソプレンブロックの未反応の二重結合を過酸等の化合物でエポキシ化して製造することができる。ポリイソプレンブロックの水素添加は通常80〜99%程度でとめることが好ましい。
【0013】
本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)としては、通常1,000〜1,000,000程度の数平均分子量を有するものが使用され、1、400〜700,000程度の数平均分子量のものが好ましく使用され、2,500〜10、000程度のものがより好ましく使用される。また、前記式A−B−Aで示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体を用いる場合には、重合体ブロックAの数平均分子量は200〜3,000程度のものが好ましく、500〜2,000程度のものがより好ましく使用され、また重合体ブロックBの数平均分子量は1,000〜4,000程度のものが好ましく、1,500〜3,000程度のものがより好ましく使用される。
また、本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAがエポキシ基を1〜30個程度のものを使用することが好ましく、2〜15個程度のものを使用することがより好ましい。
【0014】
次に、本発明における少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)(以下単に「化合物(b)」ということがある)としては、分子内にエポキシ基と水酸基を同時にそれぞれ1個以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香族化合物などが挙げられる。また上記化合物(b)の有する水酸基は、1級、2級、および3級の水酸基のいずれでもよく、フェノール性の水酸基でもよいが、脂肪族の1級水酸基であることが好ましい。さらに上記化合物(b)は、エポキシ基の数が1〜5であるものが好ましく、水酸基の数が1〜3であるものがより好ましい。本発明では、上記化合物(b)として、下記に具体例として挙げる化合物を1種または2種以上用いることが好ましい。
上記化合物(b)の具体例としては、アリルアルコールオキシド、3−ブテン−1−オールオキシド、2−ブテン−1−オールオキシド、2−メチル−2−プロペン−1−オールオキシド、1−メチル−2−プロペン−1−オールオキシド、4−ペンテン−1−オールオキシド、3−ペンテン−1−オールオキシド、2−ペンテン−1−オールオキシド、3−メチル−3−ブテン−1−オールオキシド、3−メチル−2−ブテン−1−オールオキシド、2−メチル−2−ブテン−1−オールオキシド、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−オールオキシド、1,2−ジメチル−2−プロペン−1−オールオキシド、5−ヘキセン−1−オールオキシド、6−ヘプテン−1−オールオキシド、7−オクテン−1−オールオキシド、1−オクテン−3−オールオキシド、2−メチル−6−ヘプテン−2−オールオキシド、9−デセン−1−オールオキシド、2,7−オクタジエン−1−オールジオキシド、7−オクテン−1、2−ジオールオキシド、1,7−オクタジエン−3−オールジオキシド、2−メチル−3−ブテン−2−オールオキシド、リナロールオキシド、1,2−デヒドロリナロールオキシド、ゲラニオールジオキシド、ネロールジオキシド、ラバンドゥロールオキシド、シトロネロールオキシド、1,2−ジヒドロリナロールオキシド、デヒドロネロリドールジオキシド、ネロリドールトリオキシド、ファルネソールトリオキシド、ビスアボロールジオキシド、ゲラニリナロオールテトラオキシド、ゲラニルゲラニオールテトラオキシド、イソフィトールオキシド、フィトールエポキシド等の脂肪族化合物が挙げられる。
【0015】
また、上記の他に化合物(b)の具体例としては、イソプレンとブタジエンとをアニオン重合開始剤を用いてランダムあるいはブロック共重合し、エチレンオキシドで重合停止させた二重結合を有する重合体を水素添加し、残った未反応の二重結合を過酸等の試薬でエポキシ化した化合物でもよい。このなかで特に好ましいのは、エポキシ基と水酸基を同時にそれぞれ1個以上有する分子量2,000以下の化合物である。
さらに、上記化合物(b)としては、例えば、2,3−シクロペンテン−1−オールオキシド、2,3−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキセン−1,2−ジオールオキシド、2,3−シクロオクテン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキシルメタノールオキシド、1,2,5,6−シクロオクタジエン−3−オールジオキシド、2,3,6,7−シクロオクタジエニルメタノールジオキシド等の脂環族化合物;4−ヒドロキシフェニルグリシジルエーテル、3−フェニル−2,3−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3−ヒドロキシ−1,2−エポキシシクロヘキシルメチルベンゾエート等の芳香族化合物を挙げることができる。
【0016】
本発明における活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物(c)(以下単に「カチオン重合開始剤(c)」ということがある)としては、従来公知の多種多様な光カチオン重合開始剤を用いることができる。これらの開始剤のうちで好ましいものとして、例えば、ジアリールヨードニウム塩およびトリアリールスルホニウム塩を挙げることができる。以下に、典型的な光カチオン重合開始剤を示す。
【0017】
【化1】
【0018】
(式中R1〜R6は水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜18のヒドロキシアルコキシ基である。またR1〜R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはホウ素、リン、ヒ素またはアンチモン原子である。Xはハロゲン原子またはペンタフルオロフェニル基であり、好ましくはフッ素またはまたはペンタフルオロフェニルである。kは金属の価数であり、例えばアンチモンの場合は5である。)
【0019】
本発明の接着性組成物を可視光により硬化させる場合、あるいは紫外線により硬化させる場合には、硬化性をより一層改良する目的で、上記重合開始剤(c)と共に光増感剤などを配合することができる。光増感剤としては、例えば、アントラセン、ペリレン、トリフェニレン、フェナントレン、コロネン、ピレン、テトラセン、フェノチアゼン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−ベンゾイルビフェニル、1,2−ベンゾアントラセン、ベンゾフラビン等がある。
【0020】
本発明の接着性組成物におけるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)および少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)の含有割合は、用いる化合物、用途等により適宜調整可能で特に限定されないが、硬化速度などの観点から、ブロック共重合体(a)100質量部に対して、化合物(b)を0.1〜100質量部の割合で含有することが好ましく、5〜50質量部の割合で含有することがより好ましい。
また、本発明の接着性組成物におけるカチオン重合開始剤(c)の含有割合は、用いる化合物、用途等により適宜調整可能で特に限定されないが、硬化速度などの観点から、ブロック共重合体(a)および化合物(b)の合計量100質量部に対して、0.01〜20質量部の割合で含有することが好ましく、0.5〜10質量部の割合で含有することがより好ましい。
【0021】
本発明の接着性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて前記必須成分の他、水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)を含有していてもよい。かかる水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)としては、分子内に水酸基を有しないカチオン重合性化合物であれば特に制限されないが、例えば、従来公知の脂肪族エポキシド、芳香族エポキシド、脂環族エポキシドなどのうち分子内に水酸基を有しないモノマータイプまたはオリゴマータイプの化合物が挙げられる。これらのうち、分子内に水酸基を有しない脂環族エポキシドが好ましく用いられる。
分子内に水酸基を有しない脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキシド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造される水酸基を持たないジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル等である。
また、分子内に水酸基を有しない脂肪族エポキシドとして、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノールやクレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。
【0022】
分子内に水酸基を有しない芳香族エポキシドとして好ましいものとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキシド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造される水酸基を持たないジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル等である。
また分子内に水酸基を有しない脂環族エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン、シクロオクテン、またはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロペンテンオキシド基、シクロヘキセンオキシド基、またはシクロオクテンオキシド基を含有する化合物が好ましい。
【0023】
本発明では、水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)として、上記した化合物のうち1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そのうちでも、本発明では、該カチオン重合性化合物(d)が水酸基を持たない脂環族エポキシドであることが、酸素による重合阻害などによる重合転化率への影響がなく、重合速度が速いという点から好ましく用いられる。
【0024】
本発明の接着性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて前記必須成分の他、無機充填剤、有機充填剤、着色剤、粘着性付与樹脂、可塑剤、、可とう性付与剤、粘度調節剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤および紫外線遮断剤のような不活性成分を適量配合して使用することができる。
【0025】
本発明の接着性組成物を調整する方法は、特に制限されず、例えば、前記化合物(a)、(b)、(c)、必要により(d)および場合により他の成分を均一に混合しうる方法が採用され、通常混合攪拌機を使用して混合される。このようにして得られた接着性組成物は、バーコーター、スピンコーター、ロールコーター等公知の方法によって基材上に塗布され、接着性組成物層が形成される。
【0026】
本発明の接着性組成物は、紫外線または電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、容易に硬化させることができる。例えば、紫外線を照射して硬化させる場合には、様々な光源を使用することができ、具体的には水銀アークランプ、キセノンアークランプ、水銀−キセノンランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、メタルハライドランプ等が使用され、これらの中からカチオン活性種を発生させる化合物の吸収波長を考慮して選択すればよい。また紫外線を照射する場合には、基材および接着性組成物に対する影響、求める接着力などを配慮して照射強度が決定されるが、通常10mW/cm2以上であることが好ましく、1〜60秒以内に接着性組成物の硬化を完了することが好ましい。また、電子線により硬化させる場合には、同様に種々の照射装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型、共振変圧器型などの照射装置が挙げられる。電子線は通常300eV程度以下の電子線で硬化させるが、1〜5Mrad程度の照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
【0027】
本発明の接着性組成物は、接着力に優れるため被着体の種類は特に限定されないが、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等の非極性基材を少なくとも一方の被着体とした場合に好ましく適用することができ、非極性基材用接着剤として好適であり、非極性基材同士の接着剤として、あるいは非極性基材と極性基材との接着剤としてその性能を有効に発揮することが可能である。
上記非極性基材を構成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブテン、EPDM等が挙げられる。また、脂環式ポリオレフィンとしては、例えば、ポリノルボルネン、水添ポリノルボルネン、ポリジシクロペンタジエン、水添ポリジシクロペンタジエン、エチレン−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらのなかでも脂環式ポリオレフィン系であるJSR(株)のアートン、日本ゼオン(株)のゼオノアおよびゼオネックス、三井化学(株)のアペルおよびトーパスなどが好ましく用いられる。
また、極性基材を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ABS共重合体、ポリウレタン、トリアセチルセルロース、ポリビニアルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、アルミニウム、鋼板、ステンレス、紙、ガラス、木材等が挙げられる。
【0028】
また、本発明の積層構造体は、前記接着性組成物からなる層および他の材料からなる層から構成され、上記のように非極性基材に対して良好な接着性が得られる観点から、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/非極性基材層、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/極性基材層、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/他の材料からなる層よりなる構成を有する積層構造体に好ましく適用される。このような積層構造体の具体例としては、例えば、透明性を活かした偏光板、プリズムシートなどの光学用積層板として用いられる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例等によって何ら制約されるものではない。
なお、実施例および比較例の中の「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
また、引張りせん断接着強さ試験は、JIS K−6850に従い、接着層の全光線透過率はJIS K−7361−1に従いそれぞれ測定した。
【0030】
実施例等中の非極性基材としては、市販のポリエチレン板(3mm)、ポリプロピレン板(3mm)、および日本ゼオン(株)製のゼオノア(1060R)を熱プレスして得られた板(3mm)を用いた。
また、極性基材としては、市販のアクリル樹脂板(3mm)、ポリカーボネート板(3mm)、重合度2400のポリビニルアルコールフィルム(ビニロンフィルム:80ミリミクロン)および重合度2400のポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させ、ホウ酸浴中で5倍に一軸延伸させたもの(ヨウ素ドープビニロンフィルム:30ミリミクロン)を使用した。
【0031】
実施例1
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、7−オクテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]20部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてヨウ素ドープビニロンフィルムに7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプ(ウシオ社製「SP−V」、出力250W)を使用して2分間光照射させた(照射強度20mW/cm2)。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1.2MPa(12.0kgf/cm2)であった。
(3)上記(1)で得られた組成物1gを5cm×5cm×0.5mmのポリテトラフルオロエチレン製鋳型に注入し、上記(2)におけるのと同様にして、超高圧水銀ランプを使用し、それにより得られた硬化物(0.5mm厚)について、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0032】
実施例2
(1) 実施例1の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例1の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、2.2MPa(22.0kgf/cm2)であった。
【0033】
実施例3
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、7−オクテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部、及びを混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例1の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてポリエチレン板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のポリエチレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(7.0kgf/cm2)であった。目視による接着面層は無色透明であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0034】
実施例4
(1)エポキシ化物をポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は1,000−2,000−1,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は8個)[エポキシ化ジエントリブロック共重合体(a)]に代える以外は実施例1の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.8MPa(7.8kgf/cm2)であった。目視による接着面層は無色透明であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0035】
実施例5
(1)7−オクテン−1−オールエポキシドを3−メチル−3−ブテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]に代える以外は実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(6.8kgf/cm2)であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0036】
実施例6
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてポリエチレン板上に7μmの厚さに塗布し、ポリプロピレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(7.0kgf/cm2)であった。
【0037】
実施例7
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様の方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.8MPa(8.0kgf/cm2)であった。
【0038】
実施例8
(1)実施例4の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.9MPa(8.8kgf/cm2)であった。
【0039】
実施例9
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様は方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1MPa(10.0kgf/cm2)であった。
【0040】
実施例10
(1)実施例4の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてヨウ素ドープビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射させた。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1MPa(10.0kgf/cm2)であった。
【0041】
比較例1
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン20部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]80部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた組成物をバーコーターを用いてヨウ素ドープビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、274kPa(2.8kgf/cm2)であった。
【0042】
比較例2
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン)のジブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は7個)[エポキシ化ジエンジブロックコポリマー]80部、3−エチルー1−ヒドロキシメチルオキセタン10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、47kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0043】
比較例3
(1)比較例2の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてポリプロピレン板上に7μmの厚さに塗布し、ポリプロピレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して光照射しせた。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、46kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0044】
比較例4
(1)比較例2の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様の方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、49kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0045】
比較例5
3M社製スコッチウェルドDP−8005をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、2分後に引張りせん断接着強度を測定したところ、12kPa(0.1kgf/cm2)であった。
【0046】
比較例6
3M社製スコッチウェルドDP−8005をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、12時間後に引張りせん断接着強度を測定したところ、31kPa(0.3kgf/cm2)であった。
また、スコッチウェルドDP−8005(1g)を5cm×5cm×0.5mmのポリテトラフルオロエチレン製鋳型に注入し、12時間後に得られた硬化物について全光線透過率を測定したところ66%であった。
【0047】
比較例7
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中にエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、および3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン10部、サートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、265kPa(2.7kgf/cm2)であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の接着性組成物は、特別な前処理を必要とせずに、紫外線、電子線その他の活性エネルギー線を照射することによって、非極性基材と非極性基材、非極性基材と極性基材とを短時間で強固に接着可能であり、また接着面も透明である。そのため、本発明の接着性組成物は、非極性基材用接着剤として好適であり、また該接着性組成物からなる層と他の材料からなる層を有する積層構造体として好適であるので、光学部材の接着に好適に用いられる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性組成物に関し、より詳細には、少なくとも一方の被着体として非極性基材を用いる場合に好適な接着性組成物に関する。本発明の接着性組成物は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射により単時間で充分に硬化して、また溶剤などの薬品に対する耐性に優れ、非極性基材を少なくとも一方の被着体とする場合の接着剤として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の非極性基材は、一般に接着が困難といわれているが、そのような状況のなか、非極性基材用接着剤若しくは接着剤層を形成する接着性樹脂が種々提案されている。例えば、無水マレイン酸変性したポリオレフィンを接着剤層として用いる手法(例えば、特許文献1および2参照)、非極性脂環式ポリオレフィンの表面をプラズマ放電処理して、水溶性ポリエステルあるいはPVA等でコートした後、極性基材と張り合わせるといった手法(例えば、特許文献3および4参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの場合には、必ずしも十分満足する接着力が得られなかったり、接着力が得られる場合でも接着前に表面活性化処理などの被着材前処理を行うという煩雑な工程が必要であったりするなど、市場の要求に十分に応えられていないというのが実情であった。
【0003】
また、3M社製の接着剤の一つであるスコッチウェルドDP−8005(3MScotch−WeldTM DP−8005)では、被着体であるポリオレフィンが破壊する程の接着強度が得られるという報告(例えば、非特許文献1参照)がされている。しかしながら、この接着剤を使用する場合においても、適度な強度を得るまでには長時間(8時間以上)を必要とし、また2液型の接着剤であるために接着操作が簡便でなく、接着剤層が無色透明ではないといった問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−171858号公報(第3−4頁)
【特許文献2】
特開平11−5721号公報(第2−4頁)
【特許文献3】
特開2002−103410号公報(第2−4頁及び8頁)
【特許文献4】
特開2002−243940号公報(第4−6頁)
【非特許文献1】
マテリアル ステージ 2002年、第2巻、1号 86〜89頁(MATERIAL STAGE Vol.2,No.1 2002 p86−89)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、上記問題点を解消して、簡便に接着でき、しかも非極性基材に対する接着力に優れ、透明な接着層を得ることができる接着性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤などを含有する接着性組成物を使用すると、非極性基材同士の接着、非極性基材と極性基材との接着などにおいて短時間で充分な接着強度が得られ、しかも接着層が透明であるため光学部材等の接着にも使用可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を含有する接着性組成物である。
そして、本発明は、
(2) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)100質量部に対して、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)を0.1〜100質量部の割合で含有し、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)および前記化合物(b)の合計100質量部に対して、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を0.1〜20質量部の割合で含有する前記(1)記載の接着性組成物;
(3) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)が、式A−B−A(式中、Aはイソプレン単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、Bはブタジエン単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表す)である前記(1)または(2)に記載の接着性組成物;
(4) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAのエポキシ基が1〜30個である前記(3)に記載の接着性組成物;
(5) エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの数平均分子量が200〜3,000であり、重合体ブロックBの数平均分子量が1,000〜4,000である前記(3)または(4)記載の接着性組成物;
(6) 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)の分子量が2,000以下である前記(1)または(2)記載の接着性組成物;および
(7) 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)が、1〜5個のエポキシ基と1〜3個の水酸基を有する化合物である前記(6)に記載の接着性組成物;
を好ましい態様として包含する。
さらに、本発明は、
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の接着性組成物からなる非極性基材用接着性組成物;および
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の接着性組成物からなる層および他の材料からなる層を有する積層構造体;
をも包含する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)は、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)の存在下に活性エネルギー線を照射した時に、重合反応および/または架橋反応を生ずる、カチオン重合性のエポキシ基を含有するジエン系トリブロック共重合体である。
なお、本明細書でいう「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような、本発明の接着性組成物を硬化させ得るエネルギー線を言う。
【0009】
上記エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)(以下単に「ブロック共重合体(a)」ということがある)としては、ジエン化合物を主体とする異なる2種類以上の重合体ブロックからなるトリブロック共重合体の少なくとも末端がエポキシ化されたものであれば特に制限されないが、式(A)−(B)−(C)(式中、(A)は共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、(B)は(A)とは異なる共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表し、(C)は(B)とは異なり、(A)と同一でも異なっていてもよい共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表す)で示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体であることが好ましく、式A−B−A(式中、Aはイソプレン単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、Bはブタジエン単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表す)で示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体であることがより好ましい。
【0010】
上記ブロック共重合体(a)の重合に用いる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンなどのような炭素原子数4〜24程度のものが包含されるが、ブタジエン、イソプレンなどが安価であり入手容易なため好ましい。
【0011】
本発明においては、本発明の目的に支障のない範囲で、上記共役ジエン化合物と共重合し得る他の単量体を少量成分(例えば20質量%以下程度)配合した共役ジエン化合物を主体とするものであってもよい。
かかる他の単量体としては、特に制限されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ドデセンなどのオレフィン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリ酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物類などが挙げられる。
【0012】
本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)の製造方法としては、特に制限されず公知の方法により製造することができ、例えば、ブチルリチウム等のアニオン重合開始剤を用いてイソプレン、ついでブタジエン、最後にイソプレンをブロック共重合した後、水素添加触媒を用いてポリブタジエンブロックを完全に水素添加し、次いでポリイソプレンブロックを部分水素添加し、ポリイソプレンブロックの未反応の二重結合を過酸等の化合物でエポキシ化して製造することができる。ポリイソプレンブロックの水素添加は通常80〜99%程度でとめることが好ましい。
【0013】
本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)としては、通常1,000〜1,000,000程度の数平均分子量を有するものが使用され、1、400〜700,000程度の数平均分子量のものが好ましく使用され、2,500〜10、000程度のものがより好ましく使用される。また、前記式A−B−Aで示されるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体を用いる場合には、重合体ブロックAの数平均分子量は200〜3,000程度のものが好ましく、500〜2,000程度のものがより好ましく使用され、また重合体ブロックBの数平均分子量は1,000〜4,000程度のものが好ましく、1,500〜3,000程度のものがより好ましく使用される。
また、本発明に用いるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAがエポキシ基を1〜30個程度のものを使用することが好ましく、2〜15個程度のものを使用することがより好ましい。
【0014】
次に、本発明における少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)(以下単に「化合物(b)」ということがある)としては、分子内にエポキシ基と水酸基を同時にそれぞれ1個以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香族化合物などが挙げられる。また上記化合物(b)の有する水酸基は、1級、2級、および3級の水酸基のいずれでもよく、フェノール性の水酸基でもよいが、脂肪族の1級水酸基であることが好ましい。さらに上記化合物(b)は、エポキシ基の数が1〜5であるものが好ましく、水酸基の数が1〜3であるものがより好ましい。本発明では、上記化合物(b)として、下記に具体例として挙げる化合物を1種または2種以上用いることが好ましい。
上記化合物(b)の具体例としては、アリルアルコールオキシド、3−ブテン−1−オールオキシド、2−ブテン−1−オールオキシド、2−メチル−2−プロペン−1−オールオキシド、1−メチル−2−プロペン−1−オールオキシド、4−ペンテン−1−オールオキシド、3−ペンテン−1−オールオキシド、2−ペンテン−1−オールオキシド、3−メチル−3−ブテン−1−オールオキシド、3−メチル−2−ブテン−1−オールオキシド、2−メチル−2−ブテン−1−オールオキシド、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−オールオキシド、1,2−ジメチル−2−プロペン−1−オールオキシド、5−ヘキセン−1−オールオキシド、6−ヘプテン−1−オールオキシド、7−オクテン−1−オールオキシド、1−オクテン−3−オールオキシド、2−メチル−6−ヘプテン−2−オールオキシド、9−デセン−1−オールオキシド、2,7−オクタジエン−1−オールジオキシド、7−オクテン−1、2−ジオールオキシド、1,7−オクタジエン−3−オールジオキシド、2−メチル−3−ブテン−2−オールオキシド、リナロールオキシド、1,2−デヒドロリナロールオキシド、ゲラニオールジオキシド、ネロールジオキシド、ラバンドゥロールオキシド、シトロネロールオキシド、1,2−ジヒドロリナロールオキシド、デヒドロネロリドールジオキシド、ネロリドールトリオキシド、ファルネソールトリオキシド、ビスアボロールジオキシド、ゲラニリナロオールテトラオキシド、ゲラニルゲラニオールテトラオキシド、イソフィトールオキシド、フィトールエポキシド等の脂肪族化合物が挙げられる。
【0015】
また、上記の他に化合物(b)の具体例としては、イソプレンとブタジエンとをアニオン重合開始剤を用いてランダムあるいはブロック共重合し、エチレンオキシドで重合停止させた二重結合を有する重合体を水素添加し、残った未反応の二重結合を過酸等の試薬でエポキシ化した化合物でもよい。このなかで特に好ましいのは、エポキシ基と水酸基を同時にそれぞれ1個以上有する分子量2,000以下の化合物である。
さらに、上記化合物(b)としては、例えば、2,3−シクロペンテン−1−オールオキシド、2,3−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキセン−1,2−ジオールオキシド、2,3−シクロオクテン−1−オールオキシド、3,4−シクロヘキシルメタノールオキシド、1,2,5,6−シクロオクタジエン−3−オールジオキシド、2,3,6,7−シクロオクタジエニルメタノールジオキシド等の脂環族化合物;4−ヒドロキシフェニルグリシジルエーテル、3−フェニル−2,3−シクロヘキセン−1−オールオキシド、3−ヒドロキシ−1,2−エポキシシクロヘキシルメチルベンゾエート等の芳香族化合物を挙げることができる。
【0016】
本発明における活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物(c)(以下単に「カチオン重合開始剤(c)」ということがある)としては、従来公知の多種多様な光カチオン重合開始剤を用いることができる。これらの開始剤のうちで好ましいものとして、例えば、ジアリールヨードニウム塩およびトリアリールスルホニウム塩を挙げることができる。以下に、典型的な光カチオン重合開始剤を示す。
【0017】
【化1】
【0018】
(式中R1〜R6は水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜18のヒドロキシアルコキシ基である。またR1〜R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Mはホウ素、リン、ヒ素またはアンチモン原子である。Xはハロゲン原子またはペンタフルオロフェニル基であり、好ましくはフッ素またはまたはペンタフルオロフェニルである。kは金属の価数であり、例えばアンチモンの場合は5である。)
【0019】
本発明の接着性組成物を可視光により硬化させる場合、あるいは紫外線により硬化させる場合には、硬化性をより一層改良する目的で、上記重合開始剤(c)と共に光増感剤などを配合することができる。光増感剤としては、例えば、アントラセン、ペリレン、トリフェニレン、フェナントレン、コロネン、ピレン、テトラセン、フェノチアゼン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−ベンゾイルビフェニル、1,2−ベンゾアントラセン、ベンゾフラビン等がある。
【0020】
本発明の接着性組成物におけるエポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)および少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)の含有割合は、用いる化合物、用途等により適宜調整可能で特に限定されないが、硬化速度などの観点から、ブロック共重合体(a)100質量部に対して、化合物(b)を0.1〜100質量部の割合で含有することが好ましく、5〜50質量部の割合で含有することがより好ましい。
また、本発明の接着性組成物におけるカチオン重合開始剤(c)の含有割合は、用いる化合物、用途等により適宜調整可能で特に限定されないが、硬化速度などの観点から、ブロック共重合体(a)および化合物(b)の合計量100質量部に対して、0.01〜20質量部の割合で含有することが好ましく、0.5〜10質量部の割合で含有することがより好ましい。
【0021】
本発明の接着性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて前記必須成分の他、水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)を含有していてもよい。かかる水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)としては、分子内に水酸基を有しないカチオン重合性化合物であれば特に制限されないが、例えば、従来公知の脂肪族エポキシド、芳香族エポキシド、脂環族エポキシドなどのうち分子内に水酸基を有しないモノマータイプまたはオリゴマータイプの化合物が挙げられる。これらのうち、分子内に水酸基を有しない脂環族エポキシドが好ましく用いられる。
分子内に水酸基を有しない脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキシド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造される水酸基を持たないジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル等である。
また、分子内に水酸基を有しない脂肪族エポキシドとして、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、フェノールやクレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。
【0022】
分子内に水酸基を有しない芳香族エポキシドとして好ましいものとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキシド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造される水酸基を持たないジグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル等である。
また分子内に水酸基を有しない脂環族エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン、シクロオクテン、またはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロペンテンオキシド基、シクロヘキセンオキシド基、またはシクロオクテンオキシド基を含有する化合物が好ましい。
【0023】
本発明では、水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)として、上記した化合物のうち1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そのうちでも、本発明では、該カチオン重合性化合物(d)が水酸基を持たない脂環族エポキシドであることが、酸素による重合阻害などによる重合転化率への影響がなく、重合速度が速いという点から好ましく用いられる。
【0024】
本発明の接着性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて前記必須成分の他、無機充填剤、有機充填剤、着色剤、粘着性付与樹脂、可塑剤、、可とう性付与剤、粘度調節剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤および紫外線遮断剤のような不活性成分を適量配合して使用することができる。
【0025】
本発明の接着性組成物を調整する方法は、特に制限されず、例えば、前記化合物(a)、(b)、(c)、必要により(d)および場合により他の成分を均一に混合しうる方法が採用され、通常混合攪拌機を使用して混合される。このようにして得られた接着性組成物は、バーコーター、スピンコーター、ロールコーター等公知の方法によって基材上に塗布され、接着性組成物層が形成される。
【0026】
本発明の接着性組成物は、紫外線または電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、容易に硬化させることができる。例えば、紫外線を照射して硬化させる場合には、様々な光源を使用することができ、具体的には水銀アークランプ、キセノンアークランプ、水銀−キセノンランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、メタルハライドランプ等が使用され、これらの中からカチオン活性種を発生させる化合物の吸収波長を考慮して選択すればよい。また紫外線を照射する場合には、基材および接着性組成物に対する影響、求める接着力などを配慮して照射強度が決定されるが、通常10mW/cm2以上であることが好ましく、1〜60秒以内に接着性組成物の硬化を完了することが好ましい。また、電子線により硬化させる場合には、同様に種々の照射装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型、共振変圧器型などの照射装置が挙げられる。電子線は通常300eV程度以下の電子線で硬化させるが、1〜5Mrad程度の照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
【0027】
本発明の接着性組成物は、接着力に優れるため被着体の種類は特に限定されないが、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等の非極性基材を少なくとも一方の被着体とした場合に好ましく適用することができ、非極性基材用接着剤として好適であり、非極性基材同士の接着剤として、あるいは非極性基材と極性基材との接着剤としてその性能を有効に発揮することが可能である。
上記非極性基材を構成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブテン、EPDM等が挙げられる。また、脂環式ポリオレフィンとしては、例えば、ポリノルボルネン、水添ポリノルボルネン、ポリジシクロペンタジエン、水添ポリジシクロペンタジエン、エチレン−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらのなかでも脂環式ポリオレフィン系であるJSR(株)のアートン、日本ゼオン(株)のゼオノアおよびゼオネックス、三井化学(株)のアペルおよびトーパスなどが好ましく用いられる。
また、極性基材を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ABS共重合体、ポリウレタン、トリアセチルセルロース、ポリビニアルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、アルミニウム、鋼板、ステンレス、紙、ガラス、木材等が挙げられる。
【0028】
また、本発明の積層構造体は、前記接着性組成物からなる層および他の材料からなる層から構成され、上記のように非極性基材に対して良好な接着性が得られる観点から、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/非極性基材層、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/極性基材層、非極性基材層/本発明の接着性組成物硬化層/他の材料からなる層よりなる構成を有する積層構造体に好ましく適用される。このような積層構造体の具体例としては、例えば、透明性を活かした偏光板、プリズムシートなどの光学用積層板として用いられる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例等によって何ら制約されるものではない。
なお、実施例および比較例の中の「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
また、引張りせん断接着強さ試験は、JIS K−6850に従い、接着層の全光線透過率はJIS K−7361−1に従いそれぞれ測定した。
【0030】
実施例等中の非極性基材としては、市販のポリエチレン板(3mm)、ポリプロピレン板(3mm)、および日本ゼオン(株)製のゼオノア(1060R)を熱プレスして得られた板(3mm)を用いた。
また、極性基材としては、市販のアクリル樹脂板(3mm)、ポリカーボネート板(3mm)、重合度2400のポリビニルアルコールフィルム(ビニロンフィルム:80ミリミクロン)および重合度2400のポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させ、ホウ酸浴中で5倍に一軸延伸させたもの(ヨウ素ドープビニロンフィルム:30ミリミクロン)を使用した。
【0031】
実施例1
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、7−オクテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]20部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてヨウ素ドープビニロンフィルムに7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプ(ウシオ社製「SP−V」、出力250W)を使用して2分間光照射させた(照射強度20mW/cm2)。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1.2MPa(12.0kgf/cm2)であった。
(3)上記(1)で得られた組成物1gを5cm×5cm×0.5mmのポリテトラフルオロエチレン製鋳型に注入し、上記(2)におけるのと同様にして、超高圧水銀ランプを使用し、それにより得られた硬化物(0.5mm厚)について、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0032】
実施例2
(1) 実施例1の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例1の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、2.2MPa(22.0kgf/cm2)であった。
【0033】
実施例3
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、7−オクテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部、及びを混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例1の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてポリエチレン板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のポリエチレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(7.0kgf/cm2)であった。目視による接着面層は無色透明であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0034】
実施例4
(1)エポキシ化物をポリ(イソプレン−ブタジエン−イソプレン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は1,000−2,000−1,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は8個)[エポキシ化ジエントリブロック共重合体(a)]に代える以外は実施例1の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.8MPa(7.8kgf/cm2)であった。目視による接着面層は無色透明であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0035】
実施例5
(1)7−オクテン−1−オールエポキシドを3−メチル−3−ブテン−1−オールエポキシド[少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)]に代える以外は実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(6.8kgf/cm2)であった。
(3)実施例1の(3)と同様にして、全光線透過率を測定したところ91%であった。
【0036】
実施例6
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてポリエチレン板上に7μmの厚さに塗布し、ポリプロピレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.7MPa(7.0kgf/cm2)であった。
【0037】
実施例7
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様の方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.8MPa(8.0kgf/cm2)であった。
【0038】
実施例8
(1)実施例4の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、0.9MPa(8.8kgf/cm2)であった。
【0039】
実施例9
(1)実施例3の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様は方法で、上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1MPa(10.0kgf/cm2)であった。
【0040】
実施例10
(1)実施例4の(1)と同様にして、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で上記(1)で得られた接着性組成物をバーコーターを用いてヨウ素ドープビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射させた。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、1MPa(10.0kgf/cm2)であった。
【0041】
比較例1
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン20部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]80部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、上記(1)で得られた組成物をバーコーターを用いてヨウ素ドープビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、274kPa(2.8kgf/cm2)であった。
【0042】
比較例2
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン)のジブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの数平均分子量は2,000−4,000、ポリイソプレンブロック中のエポキシ基数は7個)[エポキシ化ジエンジブロックコポリマー]80部、3−エチルー1−ヒドロキシメチルオキセタン10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、およびサートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様にして張り合わせた後、光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、47kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0043】
比較例3
(1)比較例2の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてポリプロピレン板上に7μmの厚さに塗布し、ポリプロピレン板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して光照射しせた。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、46kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0044】
比較例4
(1)比較例2の(1)と同様にして接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様の方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、49kPa(0.5kgf/cm2)であった。
【0045】
比較例5
3M社製スコッチウェルドDP−8005をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、2分後に引張りせん断接着強度を測定したところ、12kPa(0.1kgf/cm2)であった。
【0046】
比較例6
3M社製スコッチウェルドDP−8005をバーコーター(テスター産業社製「バーコーターSA−#3」)を用いてゼオノア熱プレス板上に7μmの厚さに塗布し、もう1枚のゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、12時間後に引張りせん断接着強度を測定したところ、31kPa(0.3kgf/cm2)であった。
また、スコッチウェルドDP−8005(1g)を5cm×5cm×0.5mmのポリテトラフルオロエチレン製鋳型に注入し、12時間後に得られた硬化物について全光線透過率を測定したところ66%であった。
【0047】
比較例7
(1)活性エネルギー線の遮断下に、25℃で、ポリ(イソプレン−ブタジエン)のトリブロック共重合体のエポキシ化物(各重合体ブロックの分子量は2,000−4,000−2,000、ポリイソプレンブロック中にエポキシ基数は13個)[エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)]80部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[水酸基を持たないカチオン重合性化合物(d)]10部、および3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン10部、サートマー製「CD−1012」(アリールヨードニウム塩)[活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)]1.0部を混合して、接着性組成物を調製した。
(2)実施例3の(2)と同様な方法で、得られた組成物をバーコーターを用いてビニロンフィルム上に7μmの厚さに塗布し、ゼオノア熱プレス板と張り合わせた後、超高圧水銀ランプを使用して2分間光照射した。
次いで、引張りせん断接着強度を測定したところ、265kPa(2.7kgf/cm2)であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の接着性組成物は、特別な前処理を必要とせずに、紫外線、電子線その他の活性エネルギー線を照射することによって、非極性基材と非極性基材、非極性基材と極性基材とを短時間で強固に接着可能であり、また接着面も透明である。そのため、本発明の接着性組成物は、非極性基材用接着剤として好適であり、また該接着性組成物からなる層と他の材料からなる層を有する積層構造体として好適であるので、光学部材の接着に好適に用いられる。
Claims (9)
- エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)および活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を含有することを特徴とする接着性組成物。
- エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)100質量部に対して、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)を0.1〜100質量部の割合で含有し、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)および前記化合物(b)の合計100質量部に対して、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(c)を0.1〜20質量部の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の接着性組成物。
- エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)が、式A−B−A(式中、Aはイソプレン単位を主体とする重合体ブロックのエポキシ化物を表し、Bはブタジエン単位を主体とする重合体ブロックの水素添加物を表す)であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着性組成物。
- エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAのエポキシ基が1〜30個であることを特徴とする請求項3に記載の接着性組成物。
- エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの数平均分子量が200〜3,000であり、重合体ブロックBの数平均分子量が1,000〜4,000であることを特徴とする請求項3または4に記載の接着性組成物。
- 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)の分子量が2,000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着性組成物。
- 少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物(b)が、1〜5個のエポキシ基と1〜3個の水酸基を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の接着性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着性組成物からなる非極性基材用接着性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着性組成物からなる層および他の材料からなる層を有する積層構造体。
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