JP2004160290A - 脱気・溶解処理用モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集束チューブ8群の内部流路8Aに被処理液体Aを流通させながら、チューブ8群の外側を覆う筒状容器3内の脱気・溶解室3Aを減圧もしくは溶解性ガスで加圧することにより、被処理液体A中の溶存ガスもしくは溶解性ガスをチューブ周壁8Bの厚み方向に透過させて脱気処理または溶解処理を行なう脱気・溶解処理用モジュール1のチューブとして、周壁8Bに独立気泡が均一に分散され、かつ、周壁8Bの内外面が平滑面となるように発泡成形された発泡フッ素樹脂製チューブ8を使用する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液中に溶存し種々の欠陥を発生する原因となっているガスを薬液から除去する脱気処理を行なう場合あるいは半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる高純度水や超純水に強力な酸化剤として働く微量のオゾン等の溶解性ガスを添加し溶解する溶解処理を行なう場合に適用される脱気・溶解処理用モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の脱気・溶解処理用モジュールは、1本のチューブもしくは複数本のチューブ群の外側を筒状容器で覆い、チューブもしくはチューブ群の内部流路とその外部で筒状容器内の流路とのうちのいずれか一方に薬液等の被処理液体を流通させるとともに、他方を減圧もしくは溶解性ガスで加圧することによって、被処理液体中に溶存するガスもしくは溶解性ガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて溶存ガスを液体側流路から除去させるもしくは溶解性ガスを液体側流路に供給して被処理液体に溶解させるように構成されているのが一般的である。
【0003】
このような脱気・溶解処理用モジュールでは、チューブもしくはチューブ群における周壁のガス透過性が処理効率を最も大きく左右する要素であり、そのチューブ周壁のガス透過性を高めたチューブとして、従来、耐薬品性及びオゾン等の溶解性ガスに対する耐性を有するフッ素樹脂製中空糸を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の押出成形チューブを長手方向に延伸加工してチューブ周壁を連続気泡の多孔質に形成したフッ素樹脂製多孔質チューブ、あるいは、押出成形チューブを延伸加工した多孔質チューブの外周にPTFE等のフッ素樹脂製シートを延伸して連続気泡の多孔質に形成した多孔質フィルムを積層してなるフッ素樹脂製多孔質チューブを用いたものも提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−187602号公報(図1〜図4)
【特許文献2】
特開平3−188988号公報
【特許文献3】
特開平7−213880号公報(図1,図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の脱気・溶解処理用モジュールのうち、フッ素樹脂製中空糸をガス透過チューブとして用いるものでは、その中空糸が被処理液体に含まれている微粒子や有機金属成分等の不純物の除去性能(フィルタ性能)に優れているものの、被処理液体に溶存しているガスを除去したり、オゾン等の溶解性ガスを被処理液体に供給して溶解させたりするときに要求されるガス透過性の面で十分に満足する性能を発揮することができない。したがって、処理効率を上げるためには、細くて周壁の厚さ(肉厚)が薄い中空糸の多数本(数千本以上)を束ねて全体の表面積を大きくしてガス透過量を多くする手段を採る必要があり、モジュール全体が非常に高価で大型化しやすい。
【0006】
一方、フッ素樹脂製多孔質チューブを用いる従来の脱気・溶解処理用モジュールは、ガス透過チューブとして用いられている多孔質チューブがフッ素樹脂製中空糸や非多孔質樹脂製チューブに比べてガス透過性に優れていることから、チューブを細く、かつ、肉厚を薄くする必要がなくてモジュール全体の小型化、低コスト化が図れるものの、脱気・溶解処理効率の向上が図れるほどの高いガス透過性をもたせるためには、押出成形チューブの延伸倍率を高めて気孔率を大きくすることが必要となる。しかし、気孔率を大きくすると、各チューブの孔径が大きくなって、特許文献3で示すような複合構造としたものであっても、耐圧強度及び耐液圧性の低下は免れ得ず、被処理液体の使用圧力に対して十分な信頼性が得られない。
【0007】
また、耐圧強度及び耐液圧性を高めるために、押出成形チューブの延伸倍率及び孔径を小さくして気孔率を小さくすると、ガス透過性が低下して処理効率の十分な向上が望めない。そのため、チューブの肉厚、つまり、チューブ周壁の厚さを小さくしたり、チューブ長さを長くしたりしてガス透過性を高めることが必要となり、そうすると、結局は耐圧強度及び耐液圧性を十分に高めることができなかったり、流路長さの延長によって処理効率が悪化することになりかねないといったように、耐圧強度及び耐液圧性とガス透過性及び処理効率とをバランスよく確保することが非常に困難である。
【0008】
さらに、この種の多孔質チューブは、連続成形される長尺チューブを脱気や溶解処理に必要な長さに切断して用いられるが、必要長さに切断した多孔質チューブを例えば脱気処理に使用した場合、その切断端面から被処理液体が逆流して減圧部に液漏れしやすく、その結果、所定の脱気処理が行なえないという問題がある。
【0009】
加えて、連続気泡の多孔質チューブの場合、図11の断面モデル図に明示するようにチューブ周壁21の内外面22が平滑でなく、細かい凹凸を有しているので、その凹部に同図に交差斜線を挿入して示したような死水領域が形成されて被処理液体が滞流ないし滞留したり、淀んだりしやすくなり、その結果、ガス透過性が損なわれるだけでなく、液体純度が低下するために、所定の脱気・溶解処理性能の低下は避けらず、また、チューブ周壁21の内外面22に細かい凹凸が存在しているために、被処理液体の流れが乱流となり、流体損失抵抗が増大し、それによっても処理効率が低下するという問題もあった。
【0010】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、必要かつ十分な耐圧強度及び耐液圧性を確保しつつ、ガス透過性に非常に優れたチューブを使用することで、全体の小型化、低コスト化を図りながら、脱気・溶解処理効率の著しい向上を図ることができ、しかも、チューブ切断端面からの液漏れ及び被処理液体との接触面での滞流ないし滞留や淀みをなくして、あらゆる種類の液体に対して所定の脱気・溶解処理を確実かつ高性能に行なうことができる脱気・溶解処理用モジュールを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールは、1本のチューブもしくは複数本のチューブ群の外側を筒状容器で覆い、チューブもしくはチューブ群の内部流路とその外部で筒状容器内の流路とのうちのいずれか一方に被処理液体を流通させるとともに、他方を減圧もしくは溶解性ガスで加圧することにより、被処理液体中に溶存するガスもしくは溶解性ガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて溶存ガスを液体側流路から除去させるもしくは溶解性ガスを液体側流路に供給して被処理液体中に溶解させるように構成されている脱気・溶解処理用モジュールであって、
上記チューブもしくはチューブ群は、そのチューブ周壁に独立気泡が分散され、かつ、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面が平滑面になるように発泡フッ素樹脂の発泡成形により形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成の本発明によれば、モジュールの構成要素であるガス透過チューブとして、そのチューブ周壁に独立気泡が均一に分散された発泡フッ素樹脂製チューブを使用しているので、チューブ周壁の厚み、つまり、チューブ肉厚が同一の従来のフッ素樹脂製中空糸あるいは連続気泡の多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上並びに高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガス透過性を数倍〜数百倍に高めて所定の脱気・溶解処理効率の著しい向上を達成することが可能である。その上、被処理液体が接触するチューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面は平滑面に形成されて被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されないので、優れたガス透過性を良好に維持しつつ液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等の溶解性ガスを添加し溶解する溶解処理時の処理性能の向上を図ることが可能である。また、被処理液体が接する流路周壁内面が平滑であるために、流体の流れが層流で流体損失抵抗も非常に少なくすることが可能である。
【0013】
上記したのように、耐圧強度、耐液圧性が高く、かつ、ガス透過性の非常に高いチューブを用いることで、チュブ使用本数を少なくし、また、流路長さも短くしてモジュール全体の小型化、低コスト化を図りながら、あらゆる種類の液体に対して所定の脱気・溶解処理を高効率かつ高性能に行なうことが可能となる。
【0014】
本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールにおける上記発泡フッ素樹脂製チューブもしくはチューブ群としては、チューブ周壁に分散された独立気泡がチューブ周壁の全体積に対して3〜90%、好ましくは、5〜80%に体積を占有するように発泡成形されていることが望ましい。
【0015】
また、上記発泡フッ素樹脂製チューブもしくはチューブ群は、チューブ周壁の厚みが3〜500μm、独立気泡の大きさが10〜1000μm、独立気泡同士及び独立気泡とチューブ周壁の内外面との距離が5〜500μmに設定されていることが望ましい。周壁の厚みや独立気泡の大きさ等を上述のような範囲の値に設定することにより、耐圧強度及び耐液圧性と気体の透過性及び処理効率とをバランスよく両立させることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールにおいて、複数本の発泡フッ素樹脂製チューブ群を用いる場合の配置形態としては、それらチューブ群をチューブ周壁の外面同士が密接するようにハニカム状に集束し、かつ、それらチューブ群の流路両端部に外周リングを融着して液体側流路と減圧もしくは加圧溶解性ガス側流路とがシールされた構成、あるいは、複数本のチューブ群を隣接するチューブ間に隙間がある状態に近接配置し、かつ、それらチューブ群の流路両端部が液体側流路と減圧もしくは加圧ガス側流路とをシール状態に仕切る平板に独立して融着された構成、のいずれを採用してもよい。
【0017】
さらにまた、本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールにおいて、1本のチューブもしくは複数本のチューブ群を筒状容器内にスパイラル状もしくは蛇行状の形態に配置してもよく、この場合は、モジュール全体の小型化を図りつつ、ガス透過チューブの表面積を増やして脱気・溶解処理効率の一層の向上を図ることができる。
【0018】
なお、本発明で用いられるフッ素樹脂としては、PTFE、PFA、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(ETFE)等を挙げることができるが、溶解処理に用いられるオゾンによるフッ素樹脂の分解やフッ素樹脂の炭素とフッ素の結合力とオゾンの分解力との観点等からみて、PFAの使用が最も好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第1実施例を示す縦断側面図、図2は図1のX−X線に沿った縦断正面図である。この第1実施例の脱気・溶解処理用モジュール1は、脱気用ガスもしくは溶解用ガスの出入口2を有する円筒状容器3内の筒軸線方向の両端部に被処理液体Aの流入配管4及び流出配管5に接続可能な液体流入側段付きキャップ6及び液体流出側段付きキャップ7が封止状態に固定されているとともに、円筒状容器3内には、集束された複数本のフッ素樹脂製チューブ8群が隣接するチューブ8,8間に隙間を形成する状態で近接配置され、かつ、これらチューブ8群の長手方向の両端部分は、上記段付きキャップ6,7の内向き大径開放端内周にその外周が融着された円盤状の平板9,9に貫通させて各々独立状態で融着されている。これによって、各チューブ8群それぞれの中心部の液体側流路8Aがキャップ6で形成される液体入口室6A及びキャップ7で形成される液体出口室7Aを介して流入配管4及び流出配管5に連通接続され、かつ、それら液体側流路8Aと円筒状容器3内の脱気・溶解室3Aとはキャップ6,7及び平板9,9によりシール状態に仕切られた構成となっている。
【0020】
上記構成の脱気・溶解処理用モジュール1における複数本のフッ素樹脂製チューブ8群は、発泡PFAの押出発泡成形により、図3及び図4に明示するように、そのチューブ周壁8Bの内外面8a,8bが共に平滑面で、かつ、チューブ周壁8Bに10〜1000μmの大きさSを持つ多数の独立気泡10…がチューブ周壁8Bの全体積に対して3〜90%、好ましくは5〜80%の体積を占有する状態で均一に分散されるように形成されている。また、チューブ周壁8Bの厚みTは5〜300μmの範囲、外径Dは50〜500μmの範囲で、かつ、独立気泡10…のうち隣接する独立気泡10,10…同士の距離d1及びチューブ8Bの最内径側、最外径側に位置する独立気泡10…とチューブ周壁3の平滑内外面8a,8bとの距離d2は、5〜500μmの範囲に設定されている。
【0021】
上記構成の脱気・溶解処理用モジュール1によれば、円筒状容器3内の脱気・溶解室3A内を真空ポンプ等によって減圧しながら、例えば半導体素子やLCD用基板の製造時に用いられる薬液等の被処理液体Aを流入配管4から液体入口室6Aを経て複数本のフッ素樹脂製チューブ8群の中心部の液体流路8Aに流通させることにより、図5のモデル図に示すように、被処理液体A中に溶存する空気等のガスg1をチューブ周壁8Bの厚み方向、すなわち、内径側から外径側に向けて透過させてその溶存ガスg1を液体流路8Aから脱気・溶解室3Aに除去する脱気を行ない、その脱気後の被処理液体A’を液体出口室7Aを経て流出配管5に排出させるといった脱気処理に用いることが可能である。
【0022】
また、円筒状容器3内の脱気・溶解室3A内にオゾン等の溶解性ガスg2を加圧供給しながら、例えば半導体製造工程における基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄等に用いられる高純度水や超純水等の被処理液体Aを流入配管4から液体入口室6Aを経て複数本のフッ素樹脂製チューブ8群の中心部の液体流路8Aに流通させることにより、図6のモデル図に示すように、脱気・溶解室3A内のオゾン等の溶解性ガスg2を複数本のフッ素樹脂製チューブ8群のチューブ周壁8Bの外径側から内径側に透過させてその溶解性ガスg2を流体流路8Aに供給し被処理液体Aに溶解させ、その溶解後の被処理液体A’を液体出口室7Aを経て流出配管5に排出させるといった溶解処理にも用いることが可能である。
【0023】
上記のような脱気処理あるいは溶解処理に用いられるモジュール1の構成要素であるガス透過チューブとして、チューブ周壁8Bに独立気泡10…が均一に分散された発泡フッ素樹脂(PFA)製チューブを使用することによって、チューブ周壁8Bの厚みTが同一に設定された従来のフッ素樹脂製中空糸あるいは連続気泡多孔質チューブを使用する場合に比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性の向上が図れるとともに、被処理液体A,A’を高圧で流通させて脱気あるいは溶解処理する場合でも被処理液体A,A’がチューブ周壁8Bの厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガスのみの透過性を数倍〜数百倍にも高めて所定の脱気処理あるいは溶解処理効率を顕著に向上することができる。
【0024】
また、被処理液体A,A’が接触するチューブ周壁8Bの内面8aは平滑面であり、被処理液体A,a’の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域が形成されないので、上述のような優れたガス透過性を良好に維持しつつ、液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等の溶解性ガスを添加し溶解する溶解処理時の処理性能の向上を図ることができる。さらに、被処理液体A,A’が接するチューブ周壁8Bの内面8aが平滑面であるために、液体流れが層流で流体損失抵抗も非常に少なくなり、この面からも処理効率を一層向上することができる。
【0025】
図7及び図8は本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第2実施例を示す縦断側面図及び図7のY−Y線に沿った縦断正面図である。この第2実施例の脱気・溶解処理用モジュール1は、図3及び図4と同様に、発泡PFAの押出発泡成形によりチューブ周壁8Bの内外面8a,8bが共に平滑面で、かつ、チューブ周壁8Bに多数の独立気泡10…が均一に分散されるように断面正六角形状に形成されている複数本のフッ素樹脂製チューブ8群をそれらの外面同士が密接するようにハニカム状に集束するとともに、これらチューブ8群を長手方向両端部分でPFA製の外周リング11,11(図面上では一方のみで示す)に隙間の生じない状態に融着した上、その外周リング11,11を液体流入側段付きキャップ6及び液体流出側段付きキャップ7にねじ込み接合し、かつ、角部をPFA溶接することにより、各チューブ8群の中心部の液体流路8Aがキャップ6で形成される液体入口室6A及びキャップ7で形成される液体出口室7Aを介して流入配管4及び流出配管5に連通接続され、かつ、それら液体流路8Aと円筒状容器3内の脱気・溶解室3Aとがキャップ6,7及び外周リング11,11によりシール状態に仕切られた構成となっている。その他の構成は第1実施例と同様であるため、同一部材、同一部位に同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0026】
上記構成の第2実施例の脱気・溶解処理用モジュール1においても、第1実施例に示した脱気・溶解処理用モジュール1と同様に、脱気処理、溶解処理のいずれにも適用可能であり、複数本のフッ素樹脂製チューブ8群がハニカム状に集束されていることからモジュール1全体の一層の小型化を図りつつ、大きい耐圧強度及び耐液圧性を確保して被処理液体A,A’の使用圧力に対する信頼性向上、被処理液体A,A’の浸透漏れ及び切断端面からの液漏れ防止、さらには優れたガス透過性により所定の脱気処理あるいは溶解処理効率及び処理性能の顕著な向上を図ることができる。
【0027】
なお、上記第1,第2実施例では、複数本のフッ素樹脂製チューブ8群を隣接するチューブ8,8間に隙間を形成する状態に近接配置した構成や、複数本のフッ素樹脂製チューブ8群をハニカム状に集束した構成としたもので説明したが、1本のフッ素樹脂製チューブのみを円筒状容器内に挿通させた構成のものであってもよい。この場合、1本のフッ素樹脂製チューブ8を円筒状容器3内に、例えば図9に示すように、スパイラル状の形態に配置したり、図10に示すように、蛇行状の形態に配置したりしてもよい。これらの場合は、モジュール1全体の小型化を図りつつ、ガス透過チューブ8の表面積を増やして脱気・溶解処理効率の一層の向上を図ることができる。また、図示は省略するが、複数本のフッ素樹脂製チューブ8群をスパイラル状や蛇行状の形態に配置してもよい。
【0028】
また、上記各実施例では、フッ素樹脂製チューブ8中心部の液体流路8Aに被処理液体A,A’を流通させる一方、円筒状容器3内の脱気・溶解室3Aを減圧あるいは脱気・溶解室3A内に溶解性ガスを加圧供給して脱気処理あるいは溶解処理を行なうものについて説明したが、それとは逆にフッ素樹脂製チューブ8中心部の流路8A内を減圧あるいは溶解性ガスで加圧する一方、円筒状容器3内の室3Aに被処理液体A,A’を供給し流通させて所定の脱気処理あるいは溶解処理を行なうべく使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、モジュールの構成要素であるガス透過チューブとして、チューブ周壁に独立気泡が均一に分散された発泡フッ素樹脂製チューブを使用することにより、チューブ肉厚が同一の従来のフッ素樹脂製中空糸あるいは連続気泡の多孔質チューブに比べて耐圧強度及び耐液圧性を大きく確保して被処理液体の使用圧力に対する信頼性向上並びに高圧条件下でも被処理液体がチューブ周壁の厚み方向に浸透したり、チューブ切断端面から逆流したりする、いわゆる、液漏れの発生を確実に防止しつつ、ガス透過性を数倍〜数百倍に高めて所定の脱気・溶解処理効率の著しい向上を達成することができる。しかも、被処理液体が接触するチューブ周壁面が平滑面であるために、被処理液体の滞流ないし滞留や淀みの原因となる死水領域の形成がなく、優れたガス透過性を良好に維持するとともに液体純度の低下も防止して高純度水や超純水にオゾン等のガスを添加し溶解する溶解処理時の処理性能の向上を図ることができ、さらに、被処理液体が接するチューブ周壁面が平滑であるために、流体の流れが層流で流体損失抵抗も非常に少なく、そのことからも脱気・溶解処理効率を一段と向上することができる。
【0030】
上述のような耐圧強度、耐液圧性が高く、かつ、ガス透過性の非常に高いチューブを用いることで、チュブ使用本数を少なくし、また、流路長さも短くしてモジュール全体の小型化、低コスト化を図りながら、あらゆる種類の液体に対して所定の脱気・溶解処理を高効率かつ高性能に行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第1実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のX−X線に沿った縦断正面図である。
【図3】同モジュールにおけるフッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断側面図である。
【図4】同フッ素樹脂製チューブの要部の拡大縦断正面図である。
【図5】第1実施例の脱気・溶解処理用モジュールを脱気処理に使用する場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図6】第1実施例の脱気・溶解処理用モジュールを溶解処理に使用する場合の作用状態を説明するモデル図である。
【図7】本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第2実施例を示す半縦断側面図である。
【図8】図7のY−Y線に沿った縦断正面図である。
【図9】本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第3実施例を示す概略縦断側面図である。
【図10】本発明に係る脱気・溶解処理用モジュールの第4実施例を示す概略縦断側面図である。
【図11】従来の連続気泡多孔質チューブを使用する場合の被処理液体との接触面での流れ状況を説明する断面モデル図である。
【符号の説明】
1 脱気・溶解処理用モジュール
3 円筒状容器
3A 脱気・溶解室(円筒状容器内の流路)
8 フッ素樹脂製チューブ
8A 液体側流路
8B チューブ周壁
8a,8b チューブ周壁の内外平滑面
9 円盤状平板
10 独立気泡
11 外周リング
A,A’ 被処理液体
g1 溶存ガス
g2 溶解性ガス
Claims (6)
- 1本のチューブもしくは複数本のチューブ群の外側を筒状容器で覆い、チューブもしくはチューブの内部流路とその外部で筒状容器内の流路とのうちのいずれか一方に被処理液体を流通させるとともに、他方を減圧もしくは溶解性ガスで加圧することにより、被処理液体中に溶存するガスもしくは溶解性ガスをチューブ周壁の厚み方向に透過させて溶存ガスを液体側流路から除去させるもしくは溶解性ガスを液体側流路に供給して被処理液体中に溶解させるように構成されている脱気・溶解処理用モジュールであって、
上記チューブもしくはチューブ群は、そのチューブ周壁に独立気泡が分散され、かつ、チューブ周壁の内外面のうち少なくとも内面が平滑面になるように発泡フッ素樹脂の発泡成形により形成されていることを特徴とする脱気・溶解処理用モジュール。 - 上記発泡フッ素樹脂製チューブもしくはチューブ群は、チューブ周壁に分散された独立気泡がチューブ周壁の全体積に対して3〜90%の体積を占有するように発泡成形されている請求項1に記載の脱気・溶解処理用モジュール。
- 上記発泡フッ素樹脂製チューブもしくはチューブ群は、チューブ周壁の厚みが3〜500μm、独立気泡の大きさが10〜1000μm、独立気泡同士及び独立気泡とチューブ周壁の内外面との距離が5〜500μmに設定されている請求項1または2に記載の脱気・溶解処理用モジュール。
- 上記複数本の発泡フッ素樹脂製チューブ群は、それらのチューブ周壁の外面同士が密接するようにハニカム状に集束され、かつ、それらチューブ群の流路両端部に外周リングを融着して液体側流路と減圧もしくは加圧ガス側流路とがシールされている請求項1ないし3のいずれかに記載の脱気・溶解処理用モジュール。
- 上記複数本の発泡フッ素樹脂製チューブ群は、隣接するチューブ間に隙間がある状態に近接配置され、かつ、それらチューブ群の流路両端部が液体側流路と減圧もしくは加圧ガス側流路とをシール状態に仕切る平板に独立して融着されている請求項1ないし3のいずれかに記載の脱気・溶解処理用モジュール。
- 上記発泡フッ素樹脂製チューブもしくはチューブ群は、筒状容器内にスパイラル状もしくは蛇行状の形態に配置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の脱気・溶解処理用モジュール。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019150761A (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-12 | 株式会社コンタミネーション・コントロール・サービス | 金属汚染物質除去装置 |
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2002
- 2002-11-11 JP JP2002326557A patent/JP2004160290A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019150761A (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-12 | 株式会社コンタミネーション・コントロール・サービス | 金属汚染物質除去装置 |
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