【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、こびりついてとれない汚れや、付着後に長期間放置された後の油汚れ等が家庭洗濯で簡単に除去することができる繊維構造物およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、繊維構造物からなる防汚素材として、フッ素系加工剤で繊維表面を被覆し、汚れを付きにくくした素材が多く提案されている（例えば、特許文献１参照）。この場合、確かに汚れは付きにくくなるが一旦汚れが付いてしまうと、フッ素による撥水性のため、洗浄剤自身も汚れに接近できなくなり、油汚れのような高い洗浄作用が必要な汚れを家庭洗濯で除去することは困難であった。
【０００３】
このような問題に対処するため、洗濯時の洗浄性を高める方法として、フッ素系化合物に親水性を付与し、洗浄剤の作用をより効率的にできる撥水ＳＲ（ソイルリリース）性加工剤により処理した繊維素材が提案されている（例えば、特許文献２参照）。これらの繊維素材は、重油のような汚れの場合でも、汚れた直後に洗濯すれば高い除去性を発現できることがわかっている。
【０００４】
しかしながら、作業着等の衣類における実際の着用では、汚れて直ぐに洗濯するような場合は少なく、むしろそのまま着用、あるいは放置後に洗濯することから、汚れがこびりつき、除去性が著しく低下するため、通常の家庭洗濯では汚れを除去することが非常に困難であるのが現状である。
【０００５】
【特許文献１】特公平０２−１９２３３号公報
【０００６】
【特許文献２】特公昭６３−３０７８号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、放置後の油汚れが家庭洗濯で簡単に除去することができる繊維構造物およびその製造方法を提供せんとするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の繊維構造物は、繊維構造物を構成する単繊維の少なくとも一部が樹脂層で被覆された繊維構造物であって、該樹脂層がポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物を含む層で構成されていることを特徴とするものである。
【０００９】
また、本発明の繊維構造物の製造方法は、繊維構造物にポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物を含む液体を繊維構造物に付与させ、熱処理することにより繊維構造物に樹脂層を形成させることを特徴とするものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維構造物は、繊維構造物を構成する単繊維の少なくとも一部が樹脂層で被覆されている。そして、その被覆された層は、ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸エステル系化合物を含むものである。
【００１１】
本発明でいうポリエーテル部分を有する化合物としては、分子構造中にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、これら複数からなる共重合体を分子構造中に有する化合物が含まれる。かかるポリエーテル部分を有する化合物は、単独で、または複数を混合した形で用いることができる。このように化合物の分子構造の中にポリエーテル部分を有することにより、洗濯時において洗浄液との親和性が高められ、洗浄力を増大させることができる。
【００１２】
このようなポリエーテル部分を有する化合物としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、アクリル系、シリコーン系などが挙げられるが、層の耐久性、繊維との固着性の観点からポリエステル系の親水性ポリエステルが好ましい。
【００１３】
ここでいう親水性ポリエステルとは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル成分とテレフタル酸やイソフタル酸などのジカルボン酸成分からなるポリエステル系化合物であり、親水性のポリエーテル成分が多いものが好ましく使用される。
【００１４】
すなわち、ポリエーテル成分を多くすることにより、洗濯時の洗浄液との親和性が高くなり、洗浄力が増大する。ポリエーテル部分を有する化合物におけるポリエーテル成分の含有率は、６０ｗｔ％以上９０ｗｔ％以下が好ましく、さらに好ましくは７０ｗｔ％以上８５ｗｔ％以下の範囲で含有しているものが使用される。
【００１５】
なかでも洗浄液との親和性の観点から、ポリエーテル部分はポリエチレングリコールが好ましい。また、ポリエーテル部分の数平均分子量は、１００以上１０００００以下が好ましく、更に好ましくは、５００以上１００００以下の範囲のものがよい。
【００１６】
かかるポリエーテル部分を有する化合物の固着量は、十分な洗浄性を得るためには、繊維重量に対し好ましくは０．０５重量％から３重量％、更に好ましくは０．１重量％から１重量％である。
【００１７】
本発明でいう脂肪酸部分を有する化合物とは、分子構造中にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、モロクチン酸、アラギジン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘニン酸、エルシン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セラコレン酸などの脂肪酸部分を有する化合物を使用することができる。
【００１８】
かかる脂肪酸部分が存在することにより、繊維に付着した重油などの汚れと親和し、可塑化することによって繊維への汚れの固着を防ぐことができる。
【００１９】
また、重油などの油汚れとの親和性の観点からは、該脂肪酸部分を有する化合物のＨＬＢ（Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｅ−Ｌｉｐｏｐｈｉｌｅ Ｂａｌａｎｃｅ）が０＜ＨＬＢ＜１５の範囲であることが好ましく、更に好ましくは０＜ＨＬＢ＜１０の範囲であるものがよい。
【００２０】
さらに、重油などの油汚れとの親和性の観点から、該化合物の脂肪酸部分としては炭素数８以上２４以下が好ましく、更に好ましくは１０以上１８以下の脂肪酸がよい。
【００２１】
このような脂肪酸部分を有する化合物は、脂肪酸エステル系化合物が好ましく使用される。かかる脂肪酸エステル系化合物としては、脂肪酸とアルコールとを脱水縮合させてなる化合物であり、グリセリン脂肪酸エステル系化合物、ペンタエリスリット脂肪酸エステル系化合物、ソルビタン脂肪酸エステル系化合物、ソルビトール脂肪酸エステル系化合物、ショ糖脂肪酸エステル系化合物、脂肪酸アミド系化合物、またはこれらのエチレンオキサイド付加物などが使用されるが、重油などの油汚れとの親和性の観点からは、グリセリン脂肪酸エステル系化合物、ソルビタン脂肪酸エステル系化合物が好ましく使用される。
【００２２】
このような脂肪酸エステル系化合物は、重油などの油汚れに対して良好な親和性を有しており、油汚れが放置された時の繊維への固着化を防ぐことができ、容易に洗濯で除去できるわけである。
【００２３】
かかる脂肪酸部分を有する化合物の固着量は、繊維重量に対して、好ましくは０．０１重量％から１０重量％、さらに好ましくは０．０５重量％から５重量％であるのが、十分な汚れ除去性を得るためによい。
【００２４】
本発明における繊維構造物としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン６、ナイロン６６等のポリアミド系繊維およびアクリル系繊維などの合成繊維を主体とする糸状物、または、織物、編物や不織布など布帛形態のものが使用される。また、これら繊維構造物は、コロナ放電処理やプラズマ処理などの予め処理されたものも使用することできるが、これらに限られるものではない。
【００２５】
以上、本発明の繊維構造物によれば、ポリエーテル部分が洗濯時の洗濯水との親和性を発現させ、洗浄力を増大することができ、脂肪酸部分を有する化合物が繊維に付着した重油などの油汚れと親和し、可塑化することによって繊維への固着化を防ぐことができるため、放置された汚れに対しても高い汚れ除去性能を発現することができるのである。
【００２６】
次に、本発明の繊維構造物の製造方法について詳細に説明する。
【００２７】
本発明の繊維構造物の製造方法は、ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物を含む液体を繊維構造物に付与させ、熱処理することにより繊維構造物に樹脂層を形成させることを特徴とするものである。
【００２８】
ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物を含む液体としては、ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物が溶解、分散、乳化している液体が挙げられる。例えば、これら化合物が水あるいは溶媒を含む液体があるが、これに加えて高分子界面活性剤が含有されていることが好ましい。
【００２９】
ここでいう高分子界面活性剤とは、ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物を溶解、分散、乳化できるものであれば特に限定されない。例えば、親水性の高いポリオキシエチレンソルビタンアルキレートをポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物に対して１〜５０重量％添加すれば、液は乳化した状態となり、操業上、都合良く使用できるので好ましい。
【００３０】
ポリエーテル部分を有する化合物の液中の濃度は、加工、操業性の点から固形分として０．１重量％から１５重量％であることが好ましい。
【００３１】
脂肪酸部分を有する化合物の液中の濃度は、加工、操業性の点から固形分として０．３重量％から３０重量％であることが好ましい。
【００３２】
このようにして調製した処理液の付与手段は、処理液を、繊維構造物を構成する単繊維に浸透させればよく、例えば、処理液中に繊維構造物を浸漬する方法、処理液を繊維構造物にスプレーする方法、さらには、塗布する方法など、いずれの手段であってもよく、要するに繊維構造物を構成する単繊維の表面、間隙、交絡点などに処理液を付与することができればよい。
【００３３】
次いで、繊維構造物に付着した処理液の溶媒を蒸発させ、ポリエーテル部分を有する化合物および脂肪酸部分を有する化合物を固着させるために熱処理する。この場合、単繊維表面全体に被膜を作って、被覆することが好ましいが、単繊維表面の一部にポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物が固着していてもよい。
【００３４】
また、この場合の熱処理条件は、上述の処理液Ａの浸透手段により異なるが、処理液Ａ中に繊維構造物を浸漬し浴中処理する方法では、８０℃以上１５０℃以下、処理液Ａ中に繊維構造物を浸漬後ニップし乾燥する方法、処理液Ａを繊維構造物にスプレーする方法、塗布する方法では８０℃以上１８０℃以下で熱処理することが好ましい。
【００３５】
このようにすることで、繊維構造物を構成する単繊維の表面、単繊維間隙および交絡点に、ポリエーテル部分を有する化合物と脂肪酸部分を有する化合物の樹脂層を形成した構成の繊維構造物を製造することができる。
【００３６】
かくして得られる本発明の繊維構造物は、汚れ、特に油汚れが付着しやすい職種、例えば、ガソリンスタンド、自動車など機械整備、工事現場、調理場などで着用される各種ユニフォームなどのほか、屋外作業着、エプロン、マットなどに好適に利用することができるがこれに限るものではない。
【００３７】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【００３８】
なお、本発明で用いた繊維構造物（基布）、汚れ物質および評価方法について以下に示す。
【００３９】
［基布］
（１）ポリエチレンテレフタレート繊維１００％のツイル地を利用した。
【００４０】
［汚れ物質の付与方法］
（１）０．０５ｍｌのＢ重油を基布に滴下し、浸透後、余剰の重油汚れをろ紙で除去した。基布が撥油性を示す場合には、Ｂ重油が浸透しづらいためガラスプレートを上から押しつけて浸透させた後、余剰の重油汚れをろ紙で
除去した。
【００４１】
（２）これを７０℃雰囲気オーブン中に３時間処理して汚れ試料とした。
【００４２】
［汚れ除去性の評価方法］
（１）汚れ試料を次の洗濯処理に供した後、この後の汚れ試料を洗濯前の試料と目視判定し、Ｂ（汚れがわずかに残存）以上を汚れ除去性が高いと判断した。
【００４３】
洗濯（１５分）→脱水（１分）→すすぎ（６分）→脱水（１分）→乾燥
洗濯条件は、水温４０℃、浴比が１：３０、洗剤は“トップ”（ライオン（株）製）０．５ｇ／ｌを用いた。すすぎ条件は水温２０℃、浴比はオーバーフローとした。
【００４４】
以下、実施例中において、「部」は「重量部」を意味する。
【００４５】
［実施例１］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）製／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物としてモノオレイン酸ジグリセリルを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部に希釈し、処理液を調整した。ポリエチレンテレフタレートツイルを処理液に浸漬し、ニップすることで余剰液を除去し、１１０℃で２分間乾燥した後、１７０℃で２分間キュアーを行ない、繊維構造物を作成した。
【００４６】
表１に示すように、得られた繊維構造物は放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００４７】
［実施例２］
ポリエーテル部分を有する化合物として、ポリエーテル系ウレタンプレポリマーである“エラストロンＷ２２”（第一工業製薬（株）／商品名）を１０部、炭酸水素ナトリウムを０．０６部、エラストロンＣａｔ（第一工業製薬（株）／商品名）を０．２部、脂肪酸部分を有する化合物としてモノオレイン酸ジグリセリルを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水８６．４４部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００４８】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００４９】
［実施例３］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、モノオレイン酸ソルビタンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００５０】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００５１】
［実施例４］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、ヘキサオレイン酸デカグリセリンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００５２】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００５３】
［実施例５］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、ヘプタオレイン酸デカグリセリンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００５４】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００５５】
［実施例６］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、モノステアリン酸ジグリセリンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００５６】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００５７】
［実施例７］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、モノラウリル酸ジグリセリルを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水７１．７部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００５８】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、放置後の汚れに対し汚れ除去性が高かった。
【００５９】
［実施例８］
ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、脂肪酸部分を有する化合物として、オレイン酸を５部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを２．５部、水６７．５部の処理液に変更した以外は、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００６０】
表１に示すように、得られた繊維構造物は放置後の汚れに対して汚れ除去性が高かった。
【００６１】
［比較例１］
ポリエーテル部分を有する化合物として“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）製／商品名）を２５部、水７５部の処理液を調製し、ポリエーテル部分を有する化合物のみで、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００６２】
表１に示すように、得られた繊維素材は、未処理品（ブランク）との比較ではわずかに汚れ除去性はあるが、実施例１〜８において得られる効果との対比においては汚れ除去性がほとんどない繊維構造物であった。
【００６３】
［比較例２］
脂肪酸部分を有する化合物として、モノオレイン酸ジグリセリン３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンエステル０．３部、水９６．７部の処理液を調製し、脂肪酸部分を有する化合物のみで、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００６４】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、未処理品（ブランク）との比較ではわずかに汚れ除去性はあるが、実施例１〜８において得られる効果との対比は汚れ除去性がほとんどない繊維構造物であった。
【００６５】
［比較例３］
脂肪酸部分を有する化合物として、モノオレイン酸ソルビタン３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンエステル０．３部、水９６．７部の処理液を調製し、脂肪酸部分を有する化合物のみで、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００６６】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、未処理品（ブランク）との比較ではわずかに汚れ除去性はあるが、実施例１〜８において得られる効果との対比においては汚れ除去性がほとんどない繊維構造物であった。
【００６７】
［比較例４］
ポリエーテル部分のないフッ素系化合物である“アサヒガードＡＧ−９２５”（明成化学工業（株）製／商品名）を１０部、水を９０部の処理液を調製し、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００６８】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、ほとんど汚れ除去性能がない繊維構造物であった。
【００６９】
［比較例５］
脂肪酸部分のない炭化水素の混合物である流動パラフィンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンラウレートを０．３部、水を９６．７部の処理液を調製し、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００７０】
表１に示すように得られた繊維構造物は、ほとんど汚れ除去性能がない繊維構造物であった。
【００７１】
［比較例６］
ポリエーテル部分のないフッ素系化合物である“アサヒガードＡＧ−９２５”（明成化学工業（株）製／商品名）を１０部、脂肪酸部分を有する化合物としてモノオレイン酸ジグリセリルを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノラウレートを０．３部、水を８６．７部の処理液を調製し、実施例１と同様にして繊維構造部を作成した。
【００７２】
表１に示すように得られた繊維構造物はほとんど汚れ除去性がない繊維構造物であった。
【００７３】
［比較例７］
脂肪酸部分のない炭化水素の混合物である流動パラフィンを３部、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンアルキレートを０．３部、ポリエーテル部分を有する化合物として、“ＳＲ１０００”（高松油脂（株）／商品名）を２５部、水７１．７部の処理液を調製し、実施例１と同様にして繊維構造物を作成した。
【００７４】
表１に示すように、得られた繊維構造物は、未処理（ブランク）との比較ではわずかに汚れ除去性はあるが、実施例１〜８において得られる効果との対比においては汚れ除去性がほとんどない繊維構造物であった。
【００７５】
【表１】
【００７６】
（注）表中の記号は次のことを表す。
【００７７】
Ａ：汚れのほとんどが除去できた
Ｂ：汚れがわずかに残存
Ｃ：汚れがほとんど残存（汚れがわずかに除去）
Ｄ：汚れがほとんどとれていない
【００７８】
【発明の効果】
本発明によれば、汚れ、特に油汚れが付着しやすい職種、例えば、ガソリンスタンド、自動車など機械整備、工事現場、調理場などで着用される各種ユニフォームなどのほか、屋外作業着、エプロン、マットなどに好適な繊維構造物が提供できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fibrous structure capable of easily removing dirt that cannot be adhered or oily dirt that has been left for a long time after adhering by home washing, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, as an antifouling material composed of a fiber structure, there have been proposed many materials in which a fiber surface is coated with a fluorine-based processing agent to make it hard to stain (for example, see Patent Document 1). In this case, the dirt does not easily adhere, but once the dirt adheres, the cleaning agent itself cannot access the dirt due to the water repellency of fluorine, so that dirt requiring a high cleaning action such as oily dirt can be removed at home. It was difficult to remove by washing.
[0003]
In order to cope with such a problem, as a method of improving the washing property at the time of washing, a water-repellent SR (soil release) processing agent capable of imparting hydrophilicity to a fluorine-based compound and making the action of the detergent more efficient can be used. A treated fiber material has been proposed (for example, see Patent Document 2). It has been found that these fiber materials can exhibit high removability even when soiled such as heavy oil is washed immediately after soiling.
[0004]
However, in actual wear of clothes such as work clothes, there are few cases where the clothes are soiled and washed immediately, and rather, they are worn as they are or washed after being left, so that the stains are stuck and the removability is significantly reduced. At present, it is very difficult to remove dirt with home laundry.
[0005]
[Patent Document 1] Japanese Patent Publication No. 02-19233
[Patent Document 2] Japanese Patent Publication No. Sho 63-3078
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the background of the related art, and has as its object to provide a fibrous structure capable of easily removing oily stains after standing by washing at home and a method for producing the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following means in order to solve such a problem. That is, the fibrous structure of the present invention is a fibrous structure in which at least a part of the single fibers constituting the fibrous structure is coated with a resin layer, wherein the resin layer comprises a compound having a polyether portion and a fatty acid portion. Characterized by being constituted by a layer containing a compound having the same.
[0009]
Further, the method for producing a fiber structure of the present invention is characterized in that a liquid containing a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion is applied to the fiber structure and the resin layer is applied to the fiber structure by heat treatment. Is formed.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the fiber structure of the present invention, at least a part of the single fibers constituting the fiber structure is covered with a resin layer. The coated layer contains a compound having a polyether portion and a fatty acid ester-based compound.
[0011]
Examples of the compound having a polyether moiety in the present invention include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polyalkylene glycols such as polytetramethylene glycol in the molecular structure, and compounds having a copolymer composed of a plurality thereof in the molecular structure. It is. Such compounds having a polyether moiety can be used alone or in a mixture of two or more. By having a polyether moiety in the molecular structure of the compound as described above, the affinity for the washing liquid during washing can be increased, and the washing power can be increased.
[0012]
Examples of the compound having such a polyether moiety include polyester, polyurethane, polyamide, acrylic, and silicone-based compounds. From the viewpoint of layer durability and adhesion to fibers, polyester-based hydrophilic compounds are used. Polyester is preferred.
[0013]
The hydrophilic polyester referred to here is a polyester compound composed of a polyether component such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, and polytetramethylene glycol and a dicarboxylic acid component such as terephthalic acid and isophthalic acid. Many are preferably used.
[0014]
That is, by increasing the polyether component, the affinity with the washing liquid at the time of washing is increased, and the washing power is increased. The content of the polyether component in the compound having a polyether portion is preferably 60 wt% or more and 90 wt% or less, more preferably 70 wt% or more and 85 wt% or less.
[0015]
Above all, from the viewpoint of affinity with the washing solution, the polyether portion is preferably polyethylene glycol. The number average molecular weight of the polyether moiety is preferably from 100 to 100,000, more preferably from 500 to 10,000.
[0016]
In order to obtain sufficient detergency, the amount of the compound having a polyether moiety is preferably 0.05% to 3% by weight, more preferably 0.1% to 1% by weight based on the weight of the fiber. It is.
[0017]
The compound having a fatty acid moiety according to the present invention includes caprylic acid, capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, palmitoleic acid, stearic acid, oleic acid, linoleic acid, linoleic acid, moroctin acid, and aragidine in the molecular structure. Compounds having a fatty acid moiety such as acids, eicosenoic acid, arachidonic acid, eicosapentaenoic acid, behenic acid, erucic acid, docosapentaenoic acid, docosahexaenoic acid, lignoceric acid, and seracolenic acid can be used.
[0018]
The presence of such a fatty acid portion makes it compatible with stains such as heavy oil attached to the fibers, and can prevent the stains from sticking to the fibers by plasticizing.
[0019]
In addition, from the viewpoint of affinity with oil stains such as heavy oil, the compound having the fatty acid moiety preferably has an HLB (Hydrophil-Lipophile Balance) in the range of 0 <HLB <15, and more preferably 0 <HLB. Those having a range of <10 are preferable.
[0020]
Furthermore, from the viewpoint of affinity with oil stains such as heavy oil, the fatty acid portion of the compound preferably has 8 to 24 carbon atoms, and more preferably 10 to 18 fatty acids.
[0021]
As the compound having such a fatty acid moiety, a fatty acid ester compound is preferably used. Such fatty acid ester compounds are compounds obtained by dehydrating and condensing a fatty acid and an alcohol, and include glycerin fatty acid ester compounds, pentaerythrit fatty acid ester compounds, sorbitan fatty acid ester compounds, sorbitol fatty acid ester compounds, and sucrose. Fatty acid ester compounds, fatty acid amide compounds, or ethylene oxide adducts thereof are used, but from the viewpoint of affinity with oil stains such as heavy oil, glycerin fatty acid ester compounds and sorbitan fatty acid ester compounds are preferred. It is preferably used.
[0022]
Such fatty acid ester compounds have a good affinity for oil stains such as heavy oil, and can prevent the oil stains from sticking to the fibers when left unattended, and can be easily washed. It can be removed.
[0023]
The fixing amount of the compound having the fatty acid moiety is preferably 0.01% by weight to 10% by weight, more preferably 0.05% by weight to 5% by weight, based on the weight of the fiber. Good to get sex.
[0024]
As the fiber structure in the present invention, a thread-like material mainly composed of polyester fibers such as polyethylene terephthalate, polytrimethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyamide fibers such as nylon 6, nylon 66, and synthetic fibers such as acrylic fibers. Alternatively, a fabric such as a woven fabric, a knitted fabric, or a nonwoven fabric is used. In addition, as these fiber structures, those that have been subjected to a pre-treatment such as a corona discharge treatment or a plasma treatment can be used, but are not limited thereto.
[0025]
As described above, according to the fibrous structure of the present invention, the polyether portion expresses affinity for washing water at the time of washing, can increase the detergency, and the compound having a fatty acid portion has a compound attached to fibers such as heavy oil. Since it is compatible with the oil stain and can be prevented from sticking to the fiber by plasticizing, high stain removal performance can be exhibited even for the soil left unattended.
[0026]
Next, the method for producing a fiber structure of the present invention will be described in detail.
[0027]
The method for producing a fiber structure of the present invention is characterized in that a liquid containing a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion is applied to the fiber structure, and a heat treatment is performed to form a resin layer on the fiber structure. It is assumed that.
[0028]
Examples of the liquid containing a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion include a liquid in which a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion are dissolved, dispersed, and emulsified. For example, these compounds include liquids containing water or a solvent, and it is preferable that a polymer surfactant is additionally contained.
[0029]
The polymer surfactant is not particularly limited as long as it can dissolve, disperse, and emulsify the compound having a polyether portion and the compound having a fatty acid portion. For example, if 1-50% by weight of a highly hydrophilic polyoxyethylene sorbitan alkylate is added to the compound having a polyether portion and the compound having a fatty acid portion, the liquid is in an emulsified state and is conveniently used in operation. It is preferable because it is possible.
[0030]
The concentration of the compound having a polyether moiety in the liquid is preferably from 0.1% by weight to 15% by weight as a solid content from the viewpoint of processing and operability.
[0031]
The concentration of the compound having a fatty acid moiety in the liquid is preferably from 0.3% by weight to 30% by weight as a solid content from the viewpoint of processing and operability.
[0032]
The means for applying the treatment liquid prepared in this manner may be such that the treatment liquid penetrates into the single fibers constituting the fiber structure.For example, a method of immersing the fiber structure in the treatment liquid, the treatment Any method such as a method of spraying the structure, and a method of applying the coating may be any means. In other words, as long as the treatment liquid can be applied to the surface, the gap, the entanglement point, etc. of the single fibers constituting the fiber structure. Good.
[0033]
Next, heat treatment is performed to evaporate the solvent of the treatment liquid attached to the fiber structure and fix the compound having a polyether portion and the compound having a fatty acid portion. In this case, it is preferable to form a coating on the entire surface of the single fiber and coat it. However, a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion may be fixed to a part of the single fiber surface.
[0034]
The heat treatment conditions in this case are different depending on the means for infiltrating the treatment liquid A. However, in the method in which the fiber structure is immersed in the treatment liquid A and treated in a bath, the temperature is not lower than 80 ° C. and not higher than 150 ° C. In the method of dipping and drying the fibrous structure after drying, the method of spraying the treatment liquid A onto the fibrous structure, and the method of applying, it is preferable to perform a heat treatment at 80 ° C. or more and 180 ° C. or less.
[0035]
By doing so, a fiber structure having a structure in which a resin layer of a compound having a polyether portion and a compound having a fatty acid portion is formed on the surface of a single fiber constituting the fiber structure, a single fiber gap and an interlacing point. Can be manufactured.
[0036]
The fiber structure of the present invention obtained in this way is suitable for jobs to which dirt, especially oily dirt is easily attached, such as various uniforms worn at gas stations, automobile maintenance, construction sites, kitchens, etc. It can be suitably used for clothes, aprons, mats, and the like, but is not limited thereto.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0038]
In addition, the fiber structure (base fabric), the stain substance, and the evaluation method used in the present invention are described below.
[0039]
[Base cloth]
(1) Twill ground made of 100% polyethylene terephthalate fiber was used.
[0040]
(1) 0.05 ml of heavy fuel oil B was dropped on the base cloth, and after permeation, excess heavy oil stain was removed with filter paper. When the base fabric showed oil repellency, the heavy oil B was hard to penetrate, so that the glass plate was pressed from above to penetrate, and then excess heavy oil stain was removed with filter paper.
[0041]
(2) This was treated in a 70 ° C. atmosphere oven for 3 hours to obtain a stain sample.
[0042]
[Evaluation method of stain removal property]
(1) After subjecting the stained sample to the next washing treatment, the stained sample after this was visually judged as a sample before washing, and B (slightly remaining) or more was judged to have a high stain removal property.
[0043]
Laundry (15 minutes) → Dehydration (1 minute) → Rinse (6 minutes) → Dehydration (1 minute) → Dry Laundry conditions: water temperature 40 ° C, bath ratio 1:30, detergent “top” (Lion Corporation) 0.5 g / l). The rinsing condition was a water temperature of 20 ° C., and the bath ratio was overflow.
[0044]
Hereinafter, in the examples, “parts” means “parts by weight”.
[0045]
[Example 1]
25 parts of "SR1000" (manufactured by Takamatsu Yushi Co., Ltd./trade name) as a compound having a polyether portion, 3 parts of diglyceryl monooleate as a compound having a fatty acid portion, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolau The treatment liquid was prepared by diluting the rate to 0.3 part and water to 71.7 parts. The polyethylene terephthalate twill was immersed in the treatment liquid, and the excess liquid was removed by nipping, dried at 110 ° C. for 2 minutes, and then cured at 170 ° C. for 2 minutes to prepare a fibrous structure.
[0046]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0047]
[Example 2]
As the compound having a polyether moiety, 10 parts of a polyether-based urethane prepolymer "Elastron W22" (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd./trade name), 0.06 parts of sodium bicarbonate, 0.2 parts of Kogyo Seiyaku Co., Ltd./trade name), 3 parts of diglyceryl monooleate as a compound having a fatty acid moiety, 0.3 part of polyoxyethylene (20) sorbitan monolaurate, 86.44 of water A fibrous structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment liquid was changed to part.
[0048]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0049]
[Example 3]
As a compound having a polyether moiety, 25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name), as a compound having a fatty acid moiety, 3 parts of sorbitan monooleate, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolaurate Was changed to a treatment liquid containing 0.3 part of water and 71.7 parts of water, to produce a fiber structure in the same manner as in Example 1.
[0050]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0051]
[Example 4]
25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name) as a compound having a polyether portion, 3 parts of decaglycerin hexaoleate as a compound having a fatty acid portion, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolau A fiber structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment rate was changed to 0.3 parts and water to 71.7 parts.
[0052]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0053]
[Example 5]
25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name) as a compound having a polyether portion, 3 parts of decaglycerin heptaoleate as a compound having a fatty acid portion, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolau A fiber structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment rate was changed to 0.3 parts and water to 71.7 parts.
[0054]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0055]
[Example 6]
As a compound having a polyether portion, 25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name), as a compound having a fatty acid portion, 3 parts of diglycerin monostearate, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolau A fiber structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment rate was changed to 0.3 parts and water to 71.7 parts.
[0056]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0057]
[Example 7]
25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name) as a compound having a polyether portion, 3 parts of diglyceryl monolaurate as a compound having a fatty acid portion, and polyoxyethylene (20) sorbitan monolau A fiber structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment rate was changed to 0.3 parts and water to 71.7 parts.
[0058]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had a high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0059]
Example 8
As a compound having a polyether moiety, 25 parts of "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./trade name), and as a compound having a fatty acid moiety, 5 parts of oleic acid and 2 parts of polyoxyethylene (20) sorbitan monolaurate A fibrous structure was prepared in the same manner as in Example 1, except that the treatment liquid was changed to 0.5 part and water to 67.5 parts.
[0060]
As shown in Table 1, the obtained fibrous structure had high stain removal property with respect to the stain after standing.
[0061]
[Comparative Example 1]
A treatment liquid of 25 parts of "SR1000" (manufactured by Takamatsu Oil & Fats Co., Ltd./trade name) and 75 parts of water was prepared as a compound having a polyether portion, and a compound having a polyether portion was prepared in the same manner as in Example 1. To create a fibrous structure.
[0062]
As shown in Table 1, the obtained fiber material has a slight stain removal property in comparison with an untreated product (blank), but has a stain removal property in comparison with the effects obtained in Examples 1 to 8. Was a fibrous structure with little.
[0063]
[Comparative Example 2]
As a compound having a fatty acid moiety, a treatment solution of 3 parts of diglycerin monooleate, 0.3 part of polyoxyethylene (20) sorbitan ester, and 96.7 parts of water was prepared. A fibrous structure was prepared in the same manner as in 1.
[0064]
As shown in Table 1, although the obtained fiber structure has a slight stain removal property in comparison with an untreated product (blank), the effect obtained in Examples 1 to 8 is compared with the stain removal property. Was a fibrous structure with little.
[0065]
[Comparative Example 3]
A treatment solution containing 3 parts of sorbitan monooleate, 0.3 part of polyoxyethylene (20) sorbitan ester, and 96.7 parts of water was prepared as a compound having a fatty acid portion. A fibrous structure was prepared in the same manner as described above.
[0066]
As shown in Table 1, the obtained fiber structure has a slight stain removal property in comparison with an untreated product (blank), but has a stain removal property in comparison with the effects obtained in Examples 1 to 8. The fiber structure had almost no properties.
[0067]
[Comparative Example 4]
A treatment liquid was prepared by treating 10 parts of Asahigard AG-925 (a trade name of Meisei Chemical Industry Co., Ltd./trade name) and 90 parts of water, which was a fluorine compound having no polyether moiety, in the same manner as in Example 1. To create a fibrous structure.
[0068]
As shown in Table 1, the obtained fiber structure was a fiber structure having almost no soil removal performance.
[0069]
[Comparative Example 5]
A treatment liquid containing 3 parts of liquid paraffin, which is a mixture of hydrocarbons having no fatty acid part, 0.3 part of polyoxyethylene (20) sorbitan laurate, and 96.7 parts of water, was prepared in the same manner as in Example 1. To create a fibrous structure.
[0070]
As shown in Table 1, the obtained fiber structure was a fiber structure having almost no soil removal performance.
[0071]
[Comparative Example 6]
10 parts of Asahigard AG-925 (a product of Meisei Chemical Industry Co., Ltd./trade name) which is a fluorine compound having no polyether moiety, 3 parts of diglyceryl monooleate as a compound having a fatty acid moiety, A treatment liquid containing 0.3 parts of ethylene (20) sorbitan monolaurate and 86.7 parts of water was prepared, and a fiber structure was prepared in the same manner as in Example 1.
[0072]
As shown in Table 1, the obtained fiber structure was a fiber structure having almost no stain removal property.
[0073]
[Comparative Example 7]
As a compound having 3 parts of liquid paraffin, which is a mixture of hydrocarbons having no fatty acid portion, 0.3 part of polyoxyethylene (20) sorbitan alkylate and 0.3 part of polyether portion, "SR1000" (Takamatsu Oil & Fat Co., Ltd./product) (Name) and 71.7 parts of water were prepared, and a fibrous structure was prepared in the same manner as in Example 1.
[0074]
As shown in Table 1, the obtained fiber structure has a slight stain removal property in comparison with the untreated (blank), but has a stain removal property in comparison with the effects obtained in Examples 1 to 8. Was a fibrous structure with little.
[0075]
[Table 1]
(Note) The symbols in the table indicate the following.
[0077]
A: Almost all dirt was removed. B: Dirt was slightly left. C: Dirt was almost left (dirt was slightly removed).
D: Almost no dirt was removed.
【The invention's effect】
According to the present invention, occupations to which dirt, particularly oily dirt is likely to adhere, such as gas station, various types of uniforms worn at a machine maintenance such as a car, a construction site, a kitchen, etc., as well as outdoor work clothes, aprons, and mats A suitable fiber structure can be provided.