JP2004155745A - ペプチドおよびその利用 - Google Patents

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庄司省三
Masashi Endo
遠藤昌史
Shiyougo Misumi
三隅将吾
Nobuaki Takamune
高宗暢暁
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Abstract

【課題】哺乳類の癌、特にヒト癌、特に乳癌の癌検出、診断、予防、治療薬として優れた働きをする新規ペプチド、該ペプチドからなる抗原、該抗原に対する抗体を提供する。特に乳癌に対して癌細胞の転位を妨げる働きをするとともに、副作用の少ない哺乳類の癌、特にヒト癌、特に乳癌の癌診断、予防、治療薬を提供する。
【解決手段】下記(A)のペプチド、またはその薬理活性を示す誘導体。
一般式(1)で表されるペプチド、または、その薬学的に許容される誘導体。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペプチド、該ペプチドからなる抗原、該抗原を含む抗癌ワクチン、該抗原に対する抗体、該抗体を含む癌診断、予防、治療薬に関する。本発明は特に乳癌に対する抗癌ワクチン、癌診断、予防、治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
アメリカの癌学会の発表では、2001年アメリカにおいて癌と診断された患者130万人のうち約15%が乳癌の患者であると言われている。乳癌は女性に多い癌であるが、患部を切除した場合、スタイルを損なうことから切除しなくてもよい癌診断、予防、治療薬が望まれている。
【0003】
現在までに乳癌に効果的な癌診断、予防、治療薬としては、ピリミジン代謝拮抗剤、ナイトロジェンマスター系薬剤、アリジリン系薬剤、抗生物質系薬剤、ホルモン作用薬剤などが使用されているが、これらはいずれも副作用があり、かつ癌細胞の転移を妨げる働きに劣るため、外科的切除部分を大きくとる必要がある等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、HIVの研究において7回膜貫通型のケモカインレセプターCXCR4に関する研究を行ってきた過程において、癌細胞と非癌細胞でCXCR4の高次構造が異なっていることを見出した。本発明は、この事実をヒントに乳癌における新規分子標的薬への展開を行ったものである。
【0005】
本発明の目的は、哺乳類の癌、特にヒト癌、特に乳癌に効果的な癌診断、予防、治療薬、その癌診断、予防、治療薬のベースとなる抗原、および抗体を提供することにある。本発明は特に乳癌に対して癌細胞の転位を妨げる働きをする癌診断、予防、治療薬、そのベースとなる抗原、および抗体を提供することにある。本発明の他の目的は副作用の少ない癌診断、予防、治療薬、そのベースとなる抗原、および該抗原に対する抗体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、乳癌細胞に特異的なケモカインレセプター(CXCR4)を構成するペプチドの一部のアミノ酸配列に相同するペプチドを人為的に作製した。そしてこのペプチドを抗原とする抗体が特に乳癌に対する抗癌作用に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(10)に関する。
【0007】
(1)下記式一般式(1)で表されるペプチド、または、その薬学的に許容される誘導体。
【化2】
Figure 2004155745
[式中、Aはアラニン、Dはアスパラギン酸、Eはグルタミン酸、Gはグリシン、Iはイソロイシン、Nはアスパラギン、Rはアルギニン、Sはセリン、Vはバリン、Yはチロシン、Xはアスパラギン酸のカルボキシルに結合している直鎖状、または分岐状ペプチドを表す]
【0008】
(2)直鎖状、または分岐状ペプチドがリジン3個とグリシン1個との結合体であることを特徴とする上記(1)記載のペプチド。
【0009】
(3)(1)または(2)記載のペプチドからなることを特徴とする抗原。
【0010】
(4)(1)または(2)記載のペプチドを含む抗癌ワクチン。
【0011】
(5)アジュパントを更に含む(4)記載の抗癌ワクチン。
【0012】
(6)癌が乳癌である(4)または(5)記載の抗癌ワクチン。
【0013】
(7)(3)記載の抗原に対する抗体。
【0014】
(8)抗体がヒト型抗体である(7)記載の抗体。
【0015】
(9)(7)または(8)記載の抗体を含むことを特徴とする検出、診断、予防、治療薬。
【0016】
(10)癌が乳癌であることを特徴とする(9)記載の検出、診断、予防、治療薬。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳しく説明する。
(1)本発明のペプチド
本発明のペプチドは、下記(A)または(B)のいずれかのペプチドである。
ペプチド(A):下記一般式(1)で表されるペプチド
【化3】
Figure 2004155745
[式中、Aはアラニン、Dはアスパラギン酸、Eはグルタミン酸、Gはグリシン、Iはイソロイシン、Nはアスパラギン、Rはアルギニン、Sはセリン、Vはバリン、Yはチロシン、Xはアスパラギン酸のカルボキシルに結合している直鎖状、または分岐状ペプチドを表す]
ペプチド(B):下記一般式(1)において、薬理的に許容される誘導体。
【0018】
[ペプチド(A)]
本発明におけるペプチド(A)は、下記一般式(2)
【化4】
Figure 2004155745
で示される12個のアミノ酸(の誘導体)が環状構造を形成してなるペプチド(a)に直鎖状、または分岐状ペプチド(b)を結合させた構造を有する。
【0019】
本発明のペプチド(A)における環状ペプチド(a)の部分が上記構造をしていることは、後述の実施例で示すように、マススペクトルにおいて、1317.7m/zに強いピークが出ることより確認することができる。
【0020】
ペプチドBは、上記ペプチドAを構成するアミノ酸の遊離基の一部もしくは全部が保護されている誘導体である。すなわち、ペプチドBはペプチドAを構成する12のアミノ酸のうち、アミノ酸がアスパラギン酸、グルタミン酸の場合は、遊離カルボキシル基が低分子アルコールまたはフェノール類によりエステル基として保護されている誘導体、アミノ酸がアスパラギンの場合は、遊離カルボン酸アミド基が低分子量アルコールによりアルキルアミド基として保護されているアスパラギン、アミノ酸がアルギニンの場合は、グアニジル基がペンタメチルヒドロベンゾフラン−5−スルフォニル(pdf)等によりスルホアミド基として保護されているアルギニン、アミノ酸がセリンの場合は、遊離アルコール基がエーテル基またはエステル基として保護されているセリン、アミノ酸がチロシンの場合は、そのベンゾール基が低分子量アルコールにより保護されているチロシン等の誘導体で構成されているペプチドである。
【0021】
本発明のペプチド(A)を構成する環状ペプチド(a)は、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、バリン(Val)、セリン(Ser)、グルタミン酸(Glu)、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、チロシン(Tyr)、イソロイシン(Ile)、グリシン(Gly)を原料とし、合成される。
【0022】
ペプチド(a)合成に用いるアミノ酸のうち、分子中に遊離カルボン酸基を有するアミノ酸であるアルギニン、グルタミン酸を用いて合成する場合、これらのアミノ酸の合成に関与しない遊離カルボン酸基を低分子量アルコール、またはフェノール類でエステル基として保護しているものを用いることが好ましい。
【0023】
このようなカルボン酸基の保護のために用いることのできる低分子量アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール等を挙げることができる。これらのうちではtert−ブタノールが最も好ましい。
【0024】
フェノール類とは、フェノール、トルオール、クレゾール、キシレノール、クミルアルコール、ベンジルアルコ−ル、レゾルシン等を挙げることが出来る。これらの中ではベンジルアルコールが最も好ましい。
【0025】
ペプチド(a)合成に用いるアミノ酸のうち、分子中に遊離ベンゾール基を有するアミノ酸であるチロシンを用いて合成する場合、これらのアミノ酸の合成に関与しない遊離ベンゾール基をエーテル基として保護しているものを用いることが好ましい。この保護に用いることのできる低分子量アルコールとしては、具体的には前記したアルコール類を用いることが出来る。
【0026】
ペプチド(a)合成に用いるアミノ酸のうち、分子中に遊離アミノ基を有するアスパラギン、あるいは遊離グラニジール基を有するアルギニンを用いて合成する場合、アミノ基を酸アミド基として、あるいは遊離グラニジール基をスルホアミド基として保護しておくことが好ましい。このような、アミド基を形成するため用いられるアルコールとしては、前記したアルコール等を挙げることができる。これらのうちではアミド基形成の場合はtert−ブタノールが、遊離グラニジール基のスルホアミド化の場合はペンタメチルヒヒドロベンゾフランー5−スルフォニル(pdf)が最も好ましい。
【0027】
ペプチド(a)合成に用いるアミノ酸のうち、分子中に遊離水酸基を有するセリン、チロシンを用いて合成する場合、水酸基を有機弱酸でエステル基として、またはアルコールでエーテル基として保護しておくことが好ましい。このような、有機弱酸あるいはアルコールとしては、具体的には前記した酸またはアルコール等を挙げることができる。これらのうちでは ターシャルブチル(tert−Bu)アルコールによりエーテル基として保護する方法が最も好ましい。
【0028】
《本発明のペプチドの合成》
本発明のペプチド(A)の製造において、環状ペプチド(a)を合成するには、まず12個のアミノ酸からなる直鎖状ペプチドを合成する。この12個のアミノ酸からなる直鎖状ペプチド(a)を合成するには、各種の市販のペプチド合成器、例えばApplied Biosystem社のペプチド合成器等を用いてを用いて、公知の合成方法によりことができる。例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法に従って合成することができる。
【0029】
ペプチド(a)の合成において、直鎖状ペプチドの合成に用いることの出来る溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)アセトニトリル、塩化メチレン等を挙げることができる。これらのうちでは、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリルが好ましい。
【0030】
上記方法において、本発明の環状ペプチド(a)を合成する際のアミノ酸の重合手順としては、例えば、Asp、Asn、Val、Ser、Glu、Ala、Asp、Asp、Arg、Tyr、Ile、Glyの順に合成する。
【0031】
上記反応により12個のアミノ酸からなる直鎖状ペプチドが合成される。次に本発明のペプチドの製造においては、この直鎖状ペプチドを環化する。
環状ペプチド(a)の環化反応に用いることの出来る触媒としては、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールオキシジメチルアミノホスフォニュウム ヘキサフルオロフォスフェート(BOP)等を挙げることができる。これらのうちではベンズトリアゾールオキシジメチルアミノホスフォニュウムヘキサフルオロフォスフェート(BOP)が好ましい。
【0032】
環化反応はジメチルフォルムアミドを溶媒とし、上記触媒の存在下、室温で縮重合することにより行うことができる。
【0033】
本発明のペプチド(A)を構成する直鎖状または分岐状ペプチド(b)は、抗体にペプチド(a)を抗原として認識させるペプチドタグおよび免疫活性化剤としての役割を果たす。このようなペプチドタグは市販されており、例えば、Hisタグ、FLAGタグ、Sタグなどを具体的に例示することができる。本発明で用いるペプチドタグとしては、リジン3個とグリシン1個との結合体であることが好ましい。このようなペプチドからなるタグは、例えばノババイオケム社からMAP−resin(マルチ抗体樹脂)として購入することができる。
【0034】
上記したペプチド(b)とペプチド(a)との結合は、例えばピペリジンを含有するジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル等の溶媒中で、ペプチド(a)のアルギニンの保護基であるFmoc基の脱保護を行い、ベンゾトリアゾールオキシジメチルアミノホスフォニュウムヘキサフルオロフォスフェート(BOP)等の触媒を用いて縮重合することにより行うことができる。ペプチド(a)とペプチド(b)との結合はPICO−TAGアミノ酸組成分析により確認することができる。
【0035】
《本発明の抗原》
本発明は上記ペプチドからなる抗原である。本発明における抗原とは、哺乳動物に投与すると特異的に結合する抗体が産生される免疫誘導活性を有する物質をいう。
【0036】
《本発明の抗原からなる検出・診断・予防・治療薬》
本発明の抗原は、乳癌をはじめとする膵臓癌、脳腫瘍(グリオーマ)、悪性黒色腫(メラノーマ)、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、食道癌、腎臓癌、前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、大腸癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、肉腫等の各種癌の診断、予防、治療に有用であり、免疫誘導活性の促進又は抑制物質のスクリーニングや、検出の試薬などに用いることができる。
【0037】
本発明の抗原は、特に、そのままあるいはアジュパントに分散させた状態で、特に乳癌に対する抗癌ワクチンとして人体に投与することができる。
【0038】
本発明のペプチドを有効成分として含有する抗原を経口、静脈、皮内、皮下注射等により投与すると、インビボにおける抗体誘導活性が増大することによる抗癌効果が期待できる。また本件乳癌抗原を強力な抗原提示細胞である樹状細胞にインビボあるいはインビトロで発現させて、その抗原発現樹状細胞投与により免疫誘導を行うことができる。
【0039】
用いられるアジュバントとしては、フロイントの完全アジュバント、フロイントの不完全アジュバント、BCG,トレハロースダイマイコレート(TDM)、リボ多糖(LPS),ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられる。
【0040】
《本発明の抗体》
本発明はまた、前記本発明のペプチドを抗原とする抗体である。
本発明における「抗体」とは、抗原刺激の結果、免疫反応によって生体内に産生されるタンパク質で、抗原と特異的に結合する活性を有するものをいう。
【0041】
本発明の前記ペプチドに特異的に結合する抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができる。その中でもモノクローナル抗体がその特異性の点で好ましく、特に本発明のペプチドとHLAとの複合体を特異的に認識するモノクローナル抗体がより好ましい。
【0042】
《抗体の製造方法1(ポリクローナル抗体の製造方法)》
本発明の抗体のうちポリクローナル抗体は、本発明のペプチドを抗原として哺乳動物を免疫感作し、該哺乳動物から血液を採取し、採取した血液から抗体を分離・精製する公知の方法により製造することが出来る。
【0043】
例えば、本発明の抗原ペプチドをアジュパント中に懸濁させ、該懸濁液を
例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ等の哺乳動物の皮下または真皮内に投与することにより免疫することができる。免疫感作の方法は当業者に公知であり、例えば抗原を、例えば7〜30日間隔で2〜3回投与すればよい。投与量は1回につき、例えば抗原を約0.05〜2mg程度とすることができる。
【0044】
免疫感作した哺乳動物を−定期間飼育した後、抗体価が上昇してきたら、抗原の追加免疫を行うことが出来る。最後の投与から1〜2ケ月後に免疫感作した哺乳動物から血液を採取して、該血液を、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム又はポリエチレングリコールを用いて沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等の常法によって、分離・精製することによりポリクローナル抗血清として、本発明の抗原ペプチドを認識するポリクローナル抗体を得ることが出来る。
【0045】
用いられるアジュバントとしては、フロイントの完全アジュバント、フロイントの不完全アジュバント、BCG,トレハロースダイマイコレート(TDM)、リボ多糖(LPS),ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられる。
【0046】
《抗体の製造方法2(モノクローナル抗体の製造方法)》
本発明のモノクローナル抗体は公知のハイブリドーマ法で製造することができる。すなわち、本発明の抗原ペプチドを、懸濁し、例えば、マウスの皮下または真皮内に投与する。
【0047】
用いられるアジュバントとしては、フロイントの完全アジュバント、フロイントの不完全アジュバント、BCG、トレハロースダイマイコレート(TDM)、リポ多糖(LPS)、ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられるが、抗体の誘導能等の関係から、フロイントの完全アジュバント(FCA)とフロイントの不完全アユバント(FIA)とを組み合わせて使用することが好ましい。
【0048】
マウスは前記初回免疫後、更に、追加免疫を数回行い、適当な日数を経過した後に部分採血を行い、抗体価を測定する。この抗体価の測定は、例えばELISA方により測定することが出来る。
【0049】
ついで、感作の終了したこれらの動物から脾臓を摘出し、得られた脾臓細胞を標準的な方法でミエローマ細胞と融合させて抗体を産生するハイブリドーマを作製する。例えば、マウスの場合には、頸椎脱臼によって屠殺し、脾臓を摘出し、摘出した脾臓を、例えば、ハンクスの平衡塩溶液(HBSS)中に置き、ピンセットで細胞を押し出して脾臓リンパ球を得る。こうして得られた脾臓リンパ球を、トリパンブルー等の染色液で染めてバイアブルカウントし、ミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマとする。
【0050】
用いられるミエローマ細胞としては、特に限定されるものではなく,公知のものを使用できる。例えば、マウスのものとしては、P3−X63−Ag8−01(P3U1)、P3−NS1−1−Ag4−1(NS4)、SP2/0−Ag14(SP2)等を挙げることができる。ミエローマ細胞を選択するに際しては、抗体産生細胞との適合性を考慮する必要がある。
【0051】
細胞の融合は、センダイウイルス法、ポリエチレングリコール法、プロトプラスト法等、当業者に公知の方法で行えばよく、特に限定されないが、ポリエチレングリコール法で融合させる方法が、細胞毒性も比較的少なく、融合操作も簡単であるという理由から好ましい。
【0052】
得られたハイブリドーマを、常法に従って、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン含有培地)中で適当な期間培養し、ハイブリドーマの選択を行う。次いで、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを得るためのスクリーニングを行った後、クローニングを行う。
【0053】
スクリーニング法としては、抗体を検出するための公知の方法を用いることができる。例えば、酵素イムノアッセイ(以下「ELISA」という)法、ラジオイムノアッセイ(以下「RIA]という)法、プラーク法、凝集反応法などを用いることができる。また、クローニング法としては、免疫学的に公知の方法を用いればよく、限界希釈法、軟寒天法およびFACS法などを使用できる。
【0054】
前記のようにして得たハイブリドーマを、適当な培地中で培養するか、あるいはハイブリドーマと適合性のある、例えばマウス腹腔内に投与する。これにより得られる培養液中または腹水中から塩析、イオン交換クロマトグラフィ、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィなどの常法により、所望のモノクロ−ナル抗体を単離精製することができる。
【0055】
《ヒト型抗体》
ヒト以外、例えば、マウスから産生されるモノクローナル抗体は、マウスの抗体であるため、ヒトに投与すると、抗マウス抗体が出来てしまう。これを防ぐために、抗体をヒトが産生するヒト型抗体とすることが必要である。マウスからヒト型抗体を産生するためには、マウスの遺伝子にヒト遺伝子を結合させたキメラマウスを作り、このキメラマウスに本発明の抗原を投与して抗体を産生させるようにすることが好ましい。
【0056】
《本発明の抗体からなる検出薬、診断薬》
本発明の抗体は乳癌をはじめとする癌細胞の検出薬として用いることができる。本発明の抗体を用いて、癌細胞を検出する方法としては、免疫学的測定法、例えば、免疫沈降法、免疫凝集法、標識免疫測定法、免疫比ろう法、免疫比濁法などを用いることができる。これらのうちでは、特に標識免疫測定法が乳癌に対するモノクローナル抗体を高感度に検出できるため好ましい。
【0057】
標識免疫法では、検体中の抗体価を標識抗体を用いて直接測定する方法のほかに、既知濃度あるいは既知抗体価の抗原ペプチドをエピトープとする抗体を標準液として用いることで相対的に表すこともできる。すなわち、標準液と検体を同測定系にて同時に測定し、標準液の値を基準にして検体中の抗体価を相対的に表すことができる。
【0058】
前記標識免疫測定法としては、公知の測定法が応用できる。例えば、ELISA法、RIA法、蛍光免疫測定法、化学発光免疫測定法などが挙げられる。用いる標識物質は、前記の測定法に応じて、酵素、放射性同位体、蛍光化合物、および化学発光化合物などを適宜選択すればよい。
【0059】
前記酵素としては、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどを挙げることができる。前記の標識物質はアビジン−ビオチン複合体を用いることにより、標識物質の検出感度を向上させることも可能である。また放射性同位体としては、主に125Iが、蛍光化合物としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)やテトラメチルローダミンイソチオシアネート(RITC)などが挙げられる。化学発光化合物としては、ロフィン、ルミノール、ルシゲニンなどが挙げられる。前記の標識物質は、常法に従って標識して使用することができる。
【0060】
《標準免疫測定法》
標識免疫測定法により、本発明のペプチドからなる抗原に対する抗体を検出する測定系は、公知の非競合反応系あるいは競合反応系を用いて構築することができる。非競合反応系においては、固相が必要である(固相法)。競合反応系においては、必ずしも固相を必要としない(液相法)が、固相を用いた方が、測定操作が簡便であり好ましい。固相の材質として、ポリスチレン、ナイロン、ガラス、シリコンラバー、セルロースなどが挙げられ、固相の形状としては、球状、ウェル状、チューブ状、シート状など標識免疫測定法に用いられる公知のものを応用できる。
【0061】
本発明の抗原または抗体を用いて乳癌等の癌を検出する場合、検査のための検体は希釈液に分散させた状態で検査を行う。本発明における希釈液とは、例えば検体を希釈するために使用するもので、例えばPBS(生理的リン酸緩衝液、pH7.4)、137mMの塩化ナトリウムおよび3mMの塩化カリウムを含むpH7.4で20mMのトリス−塩酸緩衝液(以下、「TBSと」略す)、0.05%ツイーン20や0.1〜1%のBSAを含有させたPBSあるいはTBSなどがあげられる。この検体用希釈液は、検体のほか抗原や抗体の希釈の場合にも用いられる。
【0062】
《本発明の抗体からなる予防薬、治療薬》
本発明の抗体は、本発明の抗体に特異的に結合する抗原を含有する乳癌、脳腫瘍、悪性黒色腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、食道癌、腎臓癌、前立腺癌、肺癌、膵癌、乳癌、大腸癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、肉腫等の予防・治療薬として用いることができる。
【0063】
本発明の抗原または抗体を予防薬、治療薬として用いる場合は、そのまま、あるいは医学的に許容される担体及び/又は希釈剤とともに必要に応じて下記の補助剤も加えて、注射剤として投与することができるし、噴霧などの方法で粘膜から経皮吸収などで投与してもよい。なお、ここでいう担体とは、例えば、ヒト血清アルブミンを挙げることができ、希釈剤としては、例えば、緩衝液、食塩水、蒸留水等を挙げることができる。
【0064】
本発明の予防薬、治療薬の投与量は、成人一人当り0.01mg〜100mgの範囲になるように投与することができるが、この範囲に限定されるものではない。製剤の形態も特に限定されず、凍結乾燥したものや、糖などの賦形剤を加えて顆粒状にしたものでもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の抗原、抗体は哺乳類の癌、特にヒト癌、特に乳癌の検出、診断、予防、治療薬として優れている。本発明の治療薬は特に乳癌に対して癌細胞の転位を妨げる働きをする。本発明の診断、予防、治療薬は生体の免疫反応を利用しているため、副作用が少ないという利点を有する。
【0066】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明につき更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例になんら制約されるものではない。
【0067】
【実施例1】
1−1) 本発明の免疫抗原( cDDX4−MAP )の合成と調製
1.1. 実験材料
1.1.1. 試薬
用いた試薬を下記に示す。試薬はすべてペプチド合成用、特級またはそれに準ずるものを用いた。
H−Gly−2−クロロトリエチルクロライト゛レシ゛ン nova biochem社製
Fmoc−L−Asp (OBzl)−OHnova biochem社製
Fmoc−L−Asn (Trt)−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Val−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Ser (tBu)−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Glu (OtBu)−OHnova biochem社製
Fmoc−L−Ala−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Asp (OtBu)−OHnova biochem社製
Fmoc−L−Arg (Pmc)−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Tyr (tBu)−OH nova biochem社製
Fmoc−L−Ile−OH nova biochem社製
m−クレソ゛ール 和光純薬製
チオアニソール 和光純薬製
1,2−エタンシ゛チオール 和光純薬製
TMBS 信越シリコーン製
TFA Applied Biosystem Japan社製
シ゛エチルエーテル 和光純薬製
DMF Applied Biosystem Japan社製
TFE Applied Biosystem Japan社製
DCM Applied Biosystem Japan社製
アセトニトリル 和光純薬製
BOP Applied Biosystem Japan社製
酢酸 和光純薬製
パラジウム炭素 片山化学製
Fmoc−MAP レジン (4分岐) Applied Biosystem Japan社製
N−メチルモルホリン 和光純薬製
【0068】
1.1.2. 実験装置
ペプチド合成機 431A Applied Biosystem Japan社製
【0069】
1.2. 実験方法
《ペプチドA(cDDX4)の合成》
9−フルオレニルメトキシカルホ゛ニル (Fmoc)化学に従い、
Asp(OBzl)−Asn(Trt)−Val−Ser(tBu)−Glu(OtBu)−Ala−Asp(OtBu)−Asp(OtBu)−Arg(Pbf)−Tyr(tBu)−Ile−Gly−レジンの合成を行なった。ペプチド合成に関しては、各アミノ酸残基の保護基を切断することなく、弱酸でペプチドをレジンから遊離できる2−クロロトリエチルクロライドレジンを用い、また合成プログラムは、ペプチド合成機431AのFast MocTMサイクル、0.25 mmolスケールを使用した。
【0070】
全自動合成で得られた側鎖保護直鎖ペプチドレジン300 mgに酢酸 : TFE : DCM=1: 1: 8混液 5 mlを加え、室温で30分間撹拌した。ガラスフィルターを用いて濾過し、濾液に冷エーテルを加えて、生じた沈殿に適当量のアセトニトリルを加えて凍結乾燥した。
【0071】
《環化反応》
50 mlの10% TFE を含む DMFに対して得られた側鎖保護直鎖ペプチド100 mgを加え、次に縮合剤であるBOPをペプチドの5倍当量加えて、室温で24時間撹拌し反応させた。水2mlを加えて反応を停止させ、加温、減圧下3 mlに濃縮した。約40 mlの水を加え、遠心して沈殿と上清に分離し、沈殿を冷水で2回洗って、アセトニトリルを用いて凍結乾燥し、cDDX4を得た。
【0072】
cDDX4と直鎖ドデカペプチドの混合物である凍結乾燥粉末に100% アセトニトリル2 mlを加え、27700 gで10 分間遠心後上清を回収した。沈殿には再び100% アセトニトリル2 mlを加えて同じ操作を行い、上清を合わせた。この上清に少量の水を加えて凍結乾燥した。
【0073】
《cDDX4の構造分析結果》
ペプチド合成機で側鎖保護直鎖ドデカペプチドを合成し、環状を形成させた側鎖保護環状ドデカペプチドを常法に従い、脱保護し、MALDI−TOF MS により分析した(図2)。その結果、直鎖ドデカペプチドは実測質量数1335.2 [M+H](理論値 1353.4)及び環状ドデカペプチド (cDDX4) 1317.7 [M+H](理論値 1335.4)であった。理論値より18低い実測値は、Aspのカルボシル基による脱水環化物形成に起因すると考えられる。従って、本研究で用いた免疫抗原cDDX4が目的の環状ドデカペプチドであることが確認された。
【0074】
《ペプチドAとペプチドBの結合》
側鎖保護cDDX4をDMF10 mlに溶解し、パラジウム炭素50 mgを加えて水素ガスで12時間接触還元し、AspのCOOH基の保護基OBzl基を除いた(側鎖保護cDDX4−COOH)。その後、濃縮して水を加えて生じた沈殿を冷水で2回洗い、凍結乾燥した。この凍結乾燥粉末に100% アセトニトリルを加えて、側鎖保護cDDX4−COOHを溶解し、パラジウム炭素粉末と分離させ、再び凍結乾燥して側鎖保護cDDX4−COOH得た。
【0075】
Fmoc−MAP−(4)−レジン 1 gをDMFで膨潤させ、20% ピペリジン含有 DMF10 mlを加え室温で30分間撹拌した。反応後、レジンをDMF10 mlで3回、イソプロパノール 10 mlで3回洗浄した。得られたMAP−(4)−レジンは4 ℃で保存し適量ずつ用いた。側鎖保護cDDX4−COOH、HOBt、BOPとNMM をペプチド:HOBt:BOP:NMM =2:2:2:3となるように 10 mlのDMFに溶解させ、DMFで膨潤させた当量のMAP−(4)−レジンとBOP法で結合させた。側鎖保護cDDX4−MAP−レジンを常法に従って脱保護し、cDDX4−MAPを得た。なお、実験方法の概略を図1に示す。また、cDDX4の合成の確認はMALDI−TOF マススペクトル(図2)で行った。
【0076】
【実施例2】
1−2) スクリーニング用抗原作成
1.2.1 実験材料
用いた試薬を以下に示す。試薬はすべてペプチド合成用、特級またはそれに準ずるものを用いた。
Multi−Pin Non Cleavable 96ヒ゜ンフ゛ロックトレイセット CHIRON MIMOTOPES社製
側鎖保護cDDX4−COOH 当研究室にて合成
ピペリジン Applied Biosystem Japan社製
BOP nova biochem社製
HOBt 和光純薬製
NMM 和光純薬製
m−クレソ゛ール 和光純薬製
チオアニソール 和光純薬製
TFA Applied Biosystem Japan社製
1,2−エタンシ゛チオール 和光純薬製
TMBS 信越シリコーン製
メタノール 和光純薬製
【0077】
1.2.2 実験方法
ペプチドA(cDDX4)ピンの先端の王冠部分を20% ピペリジンを含むDMF溶液に浸しcDDX4に連結しているスペーサー分子のFmoc基の脱保護を行い、DMF及びメタノールで洗浄した。ペプチド:HOBt:BOP:NMM =2:2:2:3となるように、側鎖保護cDDX4−COOHをHOBt、BOP及びNMMを含むDMFに溶解した。この溶液を96 ウエルプレートに加え、側鎖保護cDDX4−COOHを結合させた。常法に従い、側鎖保護cDDX4の保護基を脱保護し、メタノールで洗浄後、風乾し密閉容器中4℃にて保存した。cDDX4へのペプチドの結合はPICO−TAGアミノ酸組成分析により確認した。
【0078】
1−3) ハイブリドーマ調製
1.3. 抗原溶液の調製とマウスへの免疫
1.3.1. 実験材料
1.3.1.1. 試薬
用いた試薬を以下に示す。試薬はすべてペプチド合成用、特級またはそれに準ずるものを用いた。
cDDX4−MAP 当研究室にて合成
FCA Difco社製
FIA Difco社製
TEA PIERCE
【0079】
1.3.1.2. 緩衝液の組成
用いた試薬の組成を下記に示す。
PBS(−)0.02% KH2PO4, 0.29% Na2 HPO4・12 H2O, 0.8% NaCl, 0.02% KCl
【0080】
1.3.1.3. 動物
用いた動物を以下に示す。
Balb/c マウス(♀, 3週齢) 日本チャールズリバー
【0081】
1.3.1.4. 細胞
細胞融合にはマウス骨髄腫細胞株P3U1を用いた。
【0082】
1.3.2. 実験方法
《マウスへの免疫》
抗原溶液の調製及びマウスへの免疫は常法に従って行った。基礎免疫は、免疫抗原cDDX4の凍結乾燥品を適量の70%エタノールに溶解させ乾燥後、1 mg/mlの濃度で0.5% TFAを含むPBS(−)溶液に溶解し、これを免疫賦活剤であるFreund完全アジュバンド(FCA)またはFreund不完全アジュバンド(FIA)と1:1.2〜1:1.4の比率で混和し、混和したエマルジョンを用いた。このエマルジョンを1週間毎に1回、計4回400l/マウスの用量で腹腔投与を行った。最初の2回はFCA、後の2回はFIAとのエマルジョンを用いた。最終免疫は、基礎免疫終了後1ヵ月経過してから免疫抗原cDDX4の凍乾品を適量の70%エタノールに溶解させ乾燥後、200g/mlの濃度でPBS(−)に溶解したものを用い、200 l/マウスの用量で尾静脈より投与した。
【0083】
《ハイブリドーマ調製》
さらに、脾細胞の調製及び細胞融合は常法に従って行った。最終免疫から3〜4日後にマウスを瀉血致死させ、脾臓を摘出し、HBSS緩衝液中でほぐして溶血緩衝液処理及び遠沈により赤血球を除去したものを脾細胞とした。P3U1:脾細胞 = 1:5〜1:10の比率で混合および遠心を行い、得られた沈殿物にPEG溶液を添加することで融合を行った。融合処理後、HAT培地で緩やかに懸濁し、48ウエルプレートに播種し、5% CO存在下、37 ℃で融合細胞がコロニーを形成するまで培養した。
【0084】
1−4 )クリーニング及びクローニング
1.4.1 実験材料
1.4.1.1 試薬及び器具
本実験に用いた試薬を下記に示す。試薬はすべて特級またはそれに準ずるものを用いた。
Multi−Pin ペプチド 当研究室に合成
Tris 和光純薬製
MgCl 和光純薬製
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート 和光純薬製(ツイーン 80相当)
NaCl 和光純薬製
BSA シグマ社製
POD−結合やぎ抗マウス IgG Jakson Immuno ResearchLaboratoririse,Inc.製
TMBZ 同仁化学製
EDTA・2Na 和光純薬製
35% 過酸化水素 和光純薬製
SO 和光純薬製
【0085】
1.4.1.2 試薬組成
本実験に用いた試薬の組成を下記に示す。
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
6 N NaOHを用いてpH 7.2に調製し、4 ℃に保存し、 使用時に精製水で10倍希釈し、使用時に調整した。
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
【0086】
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
【0087】
1.4.3. 実験方法
《スクリーニング》
Multi−Pin ペプチドを固相化抗原として用いるスクリーニングを連続して行うことにより、特異抗体産生ハイブリドーマが存在するウエルを選別した。ELISAでは一次抗体としてハイブリドーマの培養上清、二次抗体としてぺルオキシダーゼ(POD)標識抗マウスIgG抗体、発色基質としてTMBZ、及び発色停止液として0.3 N HSOを用い、主波長450 nm、参照波長630 nmで吸光度を測定した。また、クローニングにフィーダー細胞として3〜5週齢のBalb/cマウス(♀)より摘出した胸腺から調製した細胞を用いた。
【0088】
《クローニング》
抗体産生ハイブリドーマのクローニングは、限界希釈法により行った。スクリーニングアッセイで高い抗体価を示したウエルのハイブリドーマが1セル/ウエルになるように限界希釈を行い、マウス胸腺より調製したフィーダー細胞をあらかじめ播種した96 ウエルプレートに播種し培養した。クローニング操作により得られたモノクローナルなハイブリドーマの培養上清でMulti−Pin ELISAを行い、高い抗体力価を示したハイブリドーマをモノクローナル抗体産生ハイブリドーマとして確立した。確立したハイブリドーマは、常法に従い培地を5% FCSを含むRPMI−1640培地に移行後、液体窒素タンク中に保存した。
【0089】
1−6) 抗cDDX4抗体の調製及び精製
常法に従い得られた抗体産生ハイブリドーマの培養上清でcDDX4を連結させたMulti−Pin BlockTMを用いてスクリーニング及びクローニングを行った結果,高い反応性を示すIA2−F9株を得た (図3)。また、IA2−F9株は最も増殖能が優れていた。従って,このIA2−F9株を抗cDDX4モノクローナル抗体産生ハイブリドーマとして確立した。
なお、抗体精製は塩析及びゲルろ過を組み合わせた方法により行った。
【0090】
2)抗 cDDX4 抗体 IA2−F9 の細胞表面 CXCR4 に対する結合性
cDDX4を免疫抗原として作出されたモノクローナル抗体IA2−F9の細胞表面CXCR4に対する結合を調べる為、CD4がトランスフェクトされたNP2/CD4細胞、CD4及びCCR5がトランスフェクトされたNP2/CD4/CCR5細胞、CD4及びCXCR4がトランスフェクトされたNP2/CD4/CXCR4細胞を用いてフローサイトメータ分析及びトランスウエルを用いたケモタキシスアッセイを行った。その結果、本抗体はNP2/CD4/CXCR4細胞にのみ結合し、また、CXCR4のリガンドであるSDF−1の誘導する乳癌細胞株MDA−MB−231 細胞に対するケモタキシスを有意に阻害した。従って、本抗体が細胞表面CXCR4に対して特異的に結合することが示された。
【0091】
また、MDA−MB−231細胞を用いて、抗CXCR4抗体12G5と本抗体の親和性の比較をフローサイトメータ分析で行った。12G5は世界中で最も汎用されている抗CXCR4抗体で、CXCR4のECL−1及びECL−2を認識すると報告されている。フローサイトメータ分析の結果、本抗体は12G5とは細胞間で異なった反応を示し、IA2−F9が12G5とは異なるエピトープを持つとことが示唆された。
【0092】
2−1 )フローサイトメータ分析
2.1 実験材料
2.1.1 試薬及び器具
用いた試薬を以下に示す。試薬はすべて培養用、特級またはそれに準ずるものを用いた。
DMEM基礎培地 日水製薬製
FCS Hyclon社製
G418 Invitrogen社製
ゼオシン Invitrogen社製
プロマイシン シグマ社製
ペニシリン G 明治製菓製
ストレプトマイシン 明治製菓製
L−グルタミン 和光純薬製
ゼンタマイシン シグマ製
EDTA・2Na 同仁化学製
L−15培地 シグマ社製
NaOH 和光純薬製
パラホルムアルデヒド 和光純薬製
炭酸ソーダ 和光純薬製
トリプシン DIFCO LABORATORIES社製
12G5 (抗ヒトCXCR4 抗体) R&D Systems社製
OPA1−01100 (抗ヒトCXCR4 N−末端抗体) Affinity Bioreagent社製
マウスIgG2a,κ (マウスイソタイプコントロール純化免疫グロブリン) シグマ社製
マウス IgM (マウスイソタイプコントロール純化免疫グロブリン) シグマ社製
FITC共役AffiniPure やぎ抗マウスIgM
Jackson Immuno Research Laboratories社製
FITC共役AffiniPure やぎ抗マウスIgG
Jackson Immuno Research Laboratories社製
【0093】
2.1.2 試薬組成
用いた試薬の組成を以下に示す。なお、培養試薬は無菌的に調整、保存した。
NP2/CD4細胞用DMEM培地 (1000 ml中数量)
DMEM基礎培地 9.5 g
ゼンタマイシン 62.5 mg
L−グルタミン 0.3g
G418 0.1 g
ペニシリン G 10万単位
ストレプトマイシン 0.1 g力価
FCS 100 ml
炭酸ソーダ 適量 (pH 7.2−7.4)
【0094】
NP2/CD4/CCR5細胞及びNP2/CD4/CXCR4細胞用
DMEM培地 (1000 ml中数量)
DMEM基礎培地 9.5 g
ゼンタマイシン 62.5 mg
L−グルタミン 0.3g
G418 0.1 g
ゼオシン 0.1 g
ペニシリン G 10万単位
ストレプトマイシン 1 g力価
FCS 100 ml
炭酸ソーダ 適量 (pH 7.2−7.4)
洗浄用緩衝液
緩衝液 (−) 濃度 2% FCS, 0.02% NaN
【0095】
4)MDA−MB−231細胞用L−15培地 (1000 ml中数量)
L−15基礎培地 14.7 mg
FCS 100 ml
1N NaOHまたはHCl適量 (pH7.2〜7.4)
【0096】
《細胞》
CD4がトランスフェクトされたNP2/CD4細胞、CD4及びCCR5がトランスフェクトされたNP2/CD4/CCR5細胞、CD4及びCXCR4がトランスフェクトされたNP2/CD4/CXCR4細胞を用いた。さらにヒト乳癌細胞株MDA−MB−231細胞を用いた。
【0097】
《実験装置》
EPICSTMXL Beckman coulter社製を用いた。
【0098】
《実験方法》
回収した細胞 (1×10 セル)に一次抗体として1.0g/100lの精製抗体またはイソタイプコントロールアルブミンを加え4 ℃で30分間インキュベートし、冷洗浄用緩衝液1 mlで洗浄した。次に、二次抗体として任意のFITC 共役第二抗体を加え4 ℃で30分間インキュベートし、冷洗浄用緩衝液1 mlで洗浄した。1% パラホルムアルデヒドを含む緩衝(−)溶液1 mlで懸濁、固定化し、42メッシュでろ過後、フローサイトメータで分析した。
【0099】
2−2 SDF−1 が誘導するヒト乳癌細胞株 MDA−MB−231 のケモタキシス活性へ抗 cDDX4 抗体 IA2−F9 の影響
2.2.1. 実験材料
《試薬及び器具》
用いた試薬及び器具を以下に示す。試薬はすべて培養用、特級またはそれに準ずるものを用いた。
ケモタキセル (8メッシュ−ホ゜アサイス゛) クラボウ製
フィブロネクチン シグマ社製
ギムザ液 メルク社製
メタノール 和光純薬製
緩衝液 シグマ社製
HEPES 同仁化学製
24 ウエルプレート コーニング社製
再結合ヒト型 SDF−1α Pepro Techec 社製
【0100】
《試薬組成》
用いた試薬の組成を以下に示す。なお、培養試薬は無菌的に調製、保存した。1) ケモタキシス緩衝液
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
Figure 2004155745
【0101】
《細胞》
乳癌細胞株MDA−MB−231細胞を用いた。
【0102】
《実験方法》
1)ケモタキシ細胞のフィブロネクチンコーティング
緩衝液 (−)で10g/mlに調整したフィブロネクチン溶液を24 ウエルプレートに600μlづつ加えた。8.0ミリポアサイズのケモタキシセルをそのフィブロネクチン溶液に浸し、30分間室温で震盪した。その後ケモタキシセルを24ウエルプレートから出し、室温で風乾させた。
【0103】
2)細胞遊走
MDA−MB−231細胞をケモタキシス緩衝液で洗浄後、ケモタキシス緩衝液で希釈した抗体溶液を加え37 ℃で30 分間プレインキュベートした後、この細胞(4×10 セル/200l)をフィブロネクチンでコーティングしたケモタキシセルに播種し、低チャンバー (24 ウエルプレート)には20 nMの再結合ヒトSDF−1を含む600lのケモタキシス緩衝液を加え37 ℃で3時間インキュベートした。
【0104】
3) 固定化、染色
3時間のインキュベート終了後、ケモタキシセルを低チャンバーから取り外し、ケモタキシセル上面の細胞を綿棒で除去した。ケモタキシセル下面の細胞を100%メタノールで固定化後、ギムザ溶液に30分間浸し染色した。余分な染色液を水で洗浄後、ケモタキシセルのポリカーボネート膜を外し、スライドガラスにのせ、顕微鏡で遊走した細胞数をカウントした。結果はコントロールにおける自発的な細胞遊走を基準として、SDF−1に対する遊走細胞数が何倍増加したかを示す、ケモタキシスインデックスとして表した。
【0105】
2−3)抗cDDX4抗体IA2−F9の細胞表面CXCR4に対する反応特異性について
NP2/CD4細胞、NP2/CD4/CXCR4細胞およびNP2/CD4/CCR5細胞を用いてフローサイトメータ分析を行った。なお、コントロールとしてマウスイソタイプ IgMを用いた。その結果、NP2/CD4細胞及びNP2/CD4/CCR5細胞において、コントロールと比較して本抗体処理した細胞の蛍光強度の増加が認められなかった。一方、NP2/CD4/CXCR4細胞においてはコントロールと比較して蛍光強度の増加が認められた (図4)。
【0106】
2−4)抗cDDX4抗体IA2−F9のヒト乳癌細胞株MDA−MB−231発現CXCR4に対する結合性について
ヒト乳癌細胞株MDA−MB−231細胞のCXCR4発現及び本抗体の親和性をフローサイトメータで分析した。はじめに本細胞のCXCR4発現の確認を抗CXCR4−N末端抗体で行なった。
【0107】
その結果、抗CXCR4−N末端抗体処理の細胞はコントロールと比較して蛍光強度の増加が認められ、MDA−MB−231細胞がCXCR4を発現していることが確認された。次に本細胞に発現するCXCR4に対するIA2−F9及び12G5の結合性をフローサイトメータで分析した。その結果、IA2−F9処理の細胞はコントロールと比較して蛍光強度の増加が認められ平均蛍光強度は1.17であった。一方、12G5処理の細胞の蛍光強度は、コントロールの蛍光強度と比較して有意な差は認められず、平均蛍光強度は0.572であった (図5)。従って、これらの結果から乳癌細胞株MDA−MB−231の発現するCXCR4が、12G5に認識されにくく、かつIA2−F9に高い結合性を示す立体構造 (コンホーメーション)を形成して細胞表面に発現していると考えられる。
【0108】
2−5)抗cDDX4抗体IA2−F9の乳癌細胞株MDA−MB−231のケモタキシス活性における影響
乳癌転移の1つのモデルは、白血球がケモカインに対して走化作用を持つのと同様に、CXCR4を発現している転移性乳癌細胞がSDF−1発現部位に引き付けられることによって成立すると考えられる。したがって、SDF−1が誘導するMDA−MB−231細胞のケモタキシス活性に対する本抗体の影響は、本抗体の乳癌転移制御に密接に関連すると予想される。
【0109】
SDF−1の誘導する乳癌細胞株MDA−MB−231細胞のケモタキシス活性に対する本抗体の阻害活性をケモタキシスアッセイにより検討した。抗体未処理の場合、ケモタキシスインデックスが1.4であったのに対し、1 g/mlの本抗体で処理するとケモタキシスインデックスが0.9に低下し、95%以上の顕著な抑制効果が認められた(図6)。この抑制効果は、ヒト細胞株モルト4#8細胞のケモタキシス阻害と比較して、低濃度でかつ高い阻害効果を示した。この結果は、MDA−MB−231細胞が本抗体に認識されやすい立体構造のCXCR4を発現している為だと考えられ、2−5)のフローサイトメータの結果とも一致する。従って、本発明の抗体は乳癌細胞に発現している立体構造のCXCR4に特に高い結合性を持つため、乳癌転移を制御することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のペプチドの合成手順の1例を表した図である。
【図2】図2は、本発明のペプチドの環状ペプチド(a)の部分のマススペクトル測定結果を示したチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施例において、本発明の抗原ペプチドを用いてスクリーニングした抗体産生ハイブリドーマの反応性を示したグラフである。
【図4】図4は、本発明の抗体の一般表皮細胞CXCR4に対する結合特異性を示したサイトメータ分析結果である。
【図5】図5は、本発明の抗体のヒト乳癌表皮細胞CXCR4に対する結合特異性を示したサイトメータ分析結果である。
【図6】図6は本発明の抗体と市販抗癌剤のケモキタシス活性の測定結果を示したグラフである。

Claims (10)

  1. 下記式一般式(1)で表されるペプチド、または、その薬学的に許容される誘導体。
    Figure 2004155745
    [式中、Aはアラニン、Dはアスパラギン酸、Eはグルタミン酸、Gはグリシン、Iはイソロイシン、Nはアスパラギン、Rはアルギニン、Sはセリン、Vはバリン、Yはチロシン、Xはアスパラギン酸のカルボキシルに結合している直鎖状、または分岐状ペプチドを表す]
  2. 直鎖状、または分岐状ペプチドがリジン3個とグリシン1個との結合体であることを特徴とする請求項1記載のペプチド。
  3. 請求項1〜2のペプチドからなることを特徴とする抗原。
  4. 請求項1〜2のペプチドを含むことを特徴とする抗癌ワクチン。
  5. アジュパントを更に含むことを特徴とする請求項4記載の抗癌ワクチン。
  6. 癌が乳癌であることを特徴とする請求項5記載の抗癌ワクチン。
  7. 請求項3記載の抗原に対する抗体。
  8. 抗体がヒト型抗体であることを特徴とする請求項7記載の抗体。
  9. 請求項7〜8の抗体を含むことを特徴とする癌の検出、診断、予防、治療薬。
  10. 癌が乳癌であることを特徴とする請求項9記載の検出、診断、予防、治療薬。
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