JP2004151718A - 逆に取り付けられたマイクロレンズおよびスペーサを備えるハロゲン化銀フィルムを用いる撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カメラを提供する。
【解決手段】カメラ20は、シーン24からの光を合焦させるように調整された主レンズ22と、マイクロレンズ42のアレイ40であって、各マイクロレンズ42が、主レンズ22からの光を受光する受光面41および感光素子30に対面する集光面43を有するマイクロレンズアレイ40とを備える。集光面43は、受光した光を感光素子30上に集束させるように調整されている。スペーサが、感光素子30をマイクロレンズ42の集光面43から離して配置するとともに、シャッター集合体27が、シーン24からの光をマイクロレンズアレイ40に制御可能に通過させる。
【選択図】図1
【解決手段】カメラ20は、シーン24からの光を合焦させるように調整された主レンズ22と、マイクロレンズ42のアレイ40であって、各マイクロレンズ42が、主レンズ22からの光を受光する受光面41および感光素子30に対面する集光面43を有するマイクロレンズアレイ40とを備える。集光面43は、受光した光を感光素子30上に集束させるように調整されている。スペーサが、感光素子30をマイクロレンズ42の集光面43から離して配置するとともに、シャッター集合体27が、シーン24からの光をマイクロレンズアレイ40に制御可能に通過させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロレンズを利用したハロゲン化銀写真撮影技術に関する。
従来の写真撮影技術では、感光素子(photosensitive element)をシーン(scene)からの光に制御可能に露光することによって画像を記録するということがよく知られている。一般に、このような感光素子は、例えば、フィルムのような可撓性基板、および/または、例えば、ガラス板のような非可撓性基板によって支持された少なくとも1つの感光層を備える。感光層は、製品に相応しい撮像化学成分(imaging chemistry)とともに、少なくとも1つの感光ハロゲン化銀乳剤を有することが可能であるが、そのシーンからの光がもたらすエネルギに反応する。この反応の程度は、露光中の素子(element)における単位面積当たりの受光光量の関数である。この反応の程度は、当該素子のうち、露光中に、より多くの光に露光される領域においては、より少ない光に露光される領域と比べて大きい。従って、シーンからの光が感光素子上に集光されると、シーンからの光レベルの差は、層における反応の程度の差として捉えられる。現像ステップの後に、層における反応の程度の差は、異なる濃度を有する画像領域として現れる。これらの濃度が、元のシーンの輝度分布による画像を形成する。
シーンからの周辺光に露光されたときに非線形反応を示すのはハロゲン化銀乳剤の特徴である。これに関して、感光素子には、最小限の露光を画定する下限反応閾値があるが、このとき、組み込まれた乳剤および付随する化学成分は、異なるレベルの露光によって異なる濃度の形成を可能にするように反応を開始する。この下限閾値は、最終的に、個々のハロゲン化銀乳剤粒子の量子効率と関係がある。一般に、下限反応閾値に達しないレベルの光に露光された感光素子のすべての部分は、感光素子が現像されたときに共通の外観を示す。
さらにまた、感光素子は、乳剤および付随する化学成分が、それを超えてはもはや異なる濃度の形成を可能にしないという露光レベルを画定する上限反応閾値を有する。一般に、素子のうちの、上限反応閾値を上回るレベルで露光されたすべての部分は、感光素子が現像された後に、また共通の外観を示すことになる。
従って、ハロゲン化銀乳剤を用いる感光素子は、下限反応閾値および上限反応閾値の両方を有しており、これらによって露光の有効範囲が定められると言える。その範囲内において感光素子は、区別可能なコントラスト差とともにコントラストパターンを記録することによって露光レベルの差に反応することが可能である。これらの下限閾値および上限閾値に付随する露光レベルが、感光素子の露光ラチチュード(許容範囲)を画定する。従って、画像の外観を最適化するためには、一般に、露光中に感光素子が遭遇する露光レベルの範囲が感光素子のラチチュードつまり有効範囲を超えないように露光を調整することが有効である。
多くの一般およびプロの写真家が、広い範囲の撮影状態において画像の捕捉を可能にする感光素子、カメラシステム、および写真撮影方法を用いることを好む。この目的に応える1つのアプローチは、極めて広いラチチュードを備えた感光素子を提供することである。但し、極めて広いラチチュードの感光素子というものは、基本的に、個々に組み込まれたハロゲン化銀粒子の光に対する反応の性質によって限られている。従って、当該シーンの輝度特性を部分的に変更することによって感光素子の下限反応限界および上限反応限界を実質的に広げるように機能するカメラシステムおよび写真撮影方法を提供することが一般的である。例えば、暗いシーンに補助的な照明を当てることによって感光素子の下限反応限界を実質的に広げることが知られている。
また、露光中に当該シーンから感光素子に提供されている光のうちのかなり多くの光量を通すように設計された撮影レンズシステムを用いることによって、補助的な照明を当てずに感光素子上で作用する光量を増やすことが知られている。但し、かなり多くの光量を通すレンズというものは、本質的に、付随するカメラシステムの被写界深度を浅くするものでもある。従って、この解決策は、固定焦点カメラを用いた画像撮像に普遍的に適するものではない。なぜならば、その場合に、シーンに適切に合焦しないことがあるからである。また、この解決策は、可変焦点カメラにおいても、そのようなレンズシステムが、高価であるだけでなく、設計したり、実装したり、手入れしたりするのが難しいことがあるので好まれない。
露光時間と、露光中に感光素子に達する当該シーンからの光量との間には直接的な関係がある。従って、露光中に感光素子上で作用する光量を増やすために当該技術分野において知られているもう1つのやり方としては、より長い時間、シャッターを開放しておくという手段を用いて露光時間を増やすということがある。しかしながら、このやり方では、上限露光限界が下がる。さらに、シャッター開放時間を延ばすことで、シーンの合成を展開させるのに十分に長い時間の間、シャッターを開放させたままにしておくことになる。これは、結果としてぼやけた画像になる。従って、シャッター開放時間を制限することが求められている。
従って、同様に必要とされているのは、従来のシャッター開放時間で、特に、シャッター時間が固定されたカメラを用いて画像の捕捉を可能にする、あまり複雑でなくあまり費用のかからないカメラシステムおよび写真撮影方法である。
露光中に感光素子上で作用する光量を増やすためのもう1つのやり方としては、従来の撮影レンズシステムを用いて、シーンからの光を集めて、このシーンからの光を、感光素子に近接して配置された、例えば、リニアレンチキュラーレンズアレイのような、マイクロレンズアレイ上に投射するということがある。この一例が、1928年1月9日にクレティエン(Chretien)によって出願された米国特許第1,838,173号明細書(特許文献1)に示されている。各マイクロレンズは、当該シーンからの光の一部を、感光素子の対応する領域上に集束させる。このように光を集束させることによって、感光素子の各集束露光領域(concentrated exposure areas)上に入射する光の光量は、フィルムの下限反応閾値を上回るレベルまで増やされる。これにより、集束露光領域の濃度のコントラストパターンで画像を形成することが可能になる。
このようにして形成された画像は、セグメントに分かれている。すなわち、集束露光領域が、当該シーンの集束画像を形成する一方で、感光素子の残りの部分が、その集束画像と入り交じった未露光のアーティファクト(artifact)のパターンを形成する。従来のやり方で描画された、そのような画像の印刷物では、このパターンは、コントラストが低く目障りで、まるで新聞紙の印刷物のようなハーフトーンの外観を示す。
しかしながら、かなり特殊な条件下で投射することによって、そのようなセグメント化された画像から認識可能な画像を得ることができる。厳密に、そのような条件が生じるのは、カメラにおいての露光の際に成立する、カメラの有効口径(effective aperture)と、マイクロレンズアレイと、感光素子との間の空間的な関係がプロジェクタにおいて再現されるときである。このシステムは扱いにくいことがあるが、これは、カメラレンズ機構に対して元のシーンが要求した位置および倍率で、機能上の実際の画像が生成されるからである。カメラ撮影レンズと同一の投射レンズが、画像撮影の際に存在したカメラレンズと画像との関係を模倣するように配置された場合に、復元された画像は、元の被写体の位置に元の被写体のサイズで現れることになる。その他のレンズおよび空間的な関係の組み合わせでは、画像の復元が不完全なものとなって、点と線の形成が新聞紙の印刷物によく似たものになる。従って、先行技術によるマイクロレンズまたはレンチキュラーを用いた低光量の写真撮影技術は、印刷物の生成または、例えば、一般消費者およびプロの写真家に代表されるような高品質の市場向けにはあまり相応しくない。
マイクロレンズアレイおよび、特に、レンチキュラーアレイは、写真撮影技術においてその他いくつかの用途を提供してきている。例えば、カラー写真撮影技術の初期段階においては、リニアレンチキュラーによる画像捕捉が、白黒ハロゲン化銀撮像システムを用いるカラー写真撮影技術を可能にするために、カラースペクトルを分割する手段としてのカラーフィルタと組み合わせて用いられた。この技術は、同一出願人による米国特許第2,191,038号明細書(特許文献2)に記載されているように、初期におけるカラー動画の捕捉・投射システムに実用化された。1950年代には、米国特許第2,922,103号明細書(特許文献3)において、インスタント写真撮影技術に白黒の感光素子を用いてカラー画像を捕捉するのを助けるために、レンチキュラースクリーンを用いることが提案された。1970年代には、米国特許第3,954,334号明細書(特許文献4)において、可動式レンチキュラースクリーンを介して感光素子を露光させることが提案されたが、これにより段階的な色づけが達成された。同じく1970年代には、モントゴメリ(Montgomery)によって出願された米国特許第3,973,953号明細書(特許文献5)において、感光材料を焦点が合っていない状態に保つことで、不完全な画像を形成することを犠牲にして感光ラチチュードを広げることを達成するマイクロレンズおよび感光材料の配置について記載されている。1980年代には、プラマー(Plummer)によって出願された米国特許第4,272,186号明細書(特許文献6)において、関連するマイクロレンズおよび感光材料の配置について記載されているが、これは、さらに当該システムにおける露光コントラストを制御するためのスクリーンを備える。このとき、感光材料の表面とマイクロレンズアレイの表面との間に少なくとも2.5mmの間隔をあけることが必要とされる。このように焦点距離が長いことで、事実上、有効なマイクロレンズのサイズおよびFナンバー(絞り値)の範囲が、ハンドヘルドカメラに用いるのに適する最新のカメラフィルムから求められているような引き延ばしに対応するものではなく直接見る印刷物に対応するものに制限される。未露光領域のサイズを最小限にすることによって、ラインパターンは、ほとんど目立たなくなり、従って、あまり目障りではなくなった。
最終的に、1990年代には、3色層およびハレーション防止層を有するリニアレンチキュラー隆起を施した支持体が3D画像を描画する材料に用いられた。これらのリニアレンチキュラーアレイは、多眼カメラで捕捉されたシーンの複数のビューから交互配置された印刷画像を形成するために用いられた。この交互配置された画像が3次元の外観をもたらす。この技術の具体例は、ロー(Lo)他によって出願された米国特許第5,464,128号明細書(特許文献7)およびイプ(Ip)によって出願された米国特許第5,744,291号明細書(特許文献8)において開示されている。これらの開示は、直接見ることに適する複数のシーン視野の捕捉に基づいて3D画像を形成することに応用させた方法、素子、および装置に関するということが理解されている。それらは、ハンドヘルドカメラに用いるのに相応しいシャッター時間による写真撮影を可能にするには至らない。
ササキ(Sasaki)によって出願された米国特許第5,649,250号明細書(特許文献9)、ミカミ(Mikami)他によって出願された米国特許第5,477,291号明細書(特許文献10)、および高野らによって出願された特開2001−147466号公報(特許文献11)において、カメラの単レンズを複数(8〜16)段階の、より小型のレンズに取り替えて、未使用フィルム(film stock)の単一のフレームに複数段階の同一画像を同時に捕捉すること、または、例えば、ゴルフのスイングのような運動時の動きを分析することができるように別々の画像を順次捕捉することのいずれかを可能にすることが記載されている。
このように、マイクロレンズを用いた写真撮影技術は、種々の用途を提供してきているが、感光素子の下限反応閾値を効果的に広げて、低いシーン輝度レベルで捕捉された画像から商業的に容認できる程度の印刷物の生成を可能にするという当初の約束をまだ果たしていない。従って、必要とされているのは、感光素子上にレンチキュラー画像を捕捉した上で、この捕捉された感光素子画像を用いて、商業的に容認できる程度の印刷物などの出力を形成するための方法および装置である。
また、感光素子の上限反応閾値を上回る撮像条件下において画像を捕捉することが役に立つということが生じることもある。このような条件は、昼光、雪原、および砂浜の状況下において捕捉されることになる高輝度シーンで生じることがある。一般に、カメラは、口径制御システム、シャッタータイミング制御システム、およびフィルタリングシステムを用いて、シーンからの光強度を低減することで、感光素子に当たる光が、感光素子の上限反応閾値を超えない強度となるようにする。しかしながら、これらのシステムのために、カメラの設計がかなり複雑になるとともに費用が高くなることがある。さらに、上述のように下限閾値を改善するために、より大きい口径のレンズを用いるという手段は、同時により多くの光を通過させて上限反応閾値における露光を劣化させる。従って、同じく必要とされているのは、感光素子の上限反応限界よりも高い露光レベルを含む露光レベルの範囲にわたって画像を捕捉するための簡単かつ低コストのカメラシステムおよび写真撮影方法である。
マイクロレンズを用いてハロゲン化銀フィルムの感度およびシーン捕捉ラチチュードを向上させるための新しい方法および装置は、マイクロレンズを介するシーン捕捉に基づいて有用な画像を形成する方法とともに、同一出願人による米国特許出願第10/167,794号明細書(発明の名称:Imaging Using Silver Halide Films With Micro-Lens Capture And Optical Reconstruction、出願日:2002年6月12日、発明者:アービング(Irving)、スザジェウスキ(Szajewski))(特許文献12)および米国特許出願第10/170,148号明細書(発明の名称:Imaging Using Silver Halide Films With Micro-Lens Capture, Scanning and Digital Reconstruction、出願日:2002年6月12日、発明者:サジュウスキー、アービング)(特許文献13)においてすでに開示されている。これらの開示では、フィルムベースの中に形成されたり、フィルム表面上に形成されたり、あるいは自立型(free-standing)マイクロレンズアレイとして提供されたりしたマイクロレンズアレイについて記載されている。マイクロレンズアレイは、主カメラレンズからの光を受け入れて、この受け入れられた光を、その光透過材料を介してハロゲン化銀フィルムの感光領域と十分に一致した焦点面に集めることで、改良された撮像を可能にする。
光透過材料の中に形成されたマイクロレンズの場合、焦点距離は、事実上、当該材料の膜厚によって決定されるが、このように決定された焦点距離は、構成要素である光透過材料の屈折率とともに、個々のマイクロレンズにおける所要の曲率半径を画定する。このように画定された曲率半径は、続いて、個々のマイクロレンズの口径における上限、および有効なFナンバー、つまりマイクロレンズの集光力を、単位面積当たりにおける集積可能なマイクロレンズの数つまりマイクロレンズピッチとともに決定する。高解像度の撮像において用いられる非常に微細なピッチを有する自立型マイクロレンズアレイは、焦点距離が短いことを必要としており、従って、非常に薄いレンチキュラー材料で作られることが多い。そのような薄いレンチキュラー材料は、複製することが難しい場合があるだけでなく、カメラの焦点面に十分な平坦さと剛性を伴って取り付けることが難しい場合がある。さらに、高解像度の撮像において用いられる非常に微細なピッチを有するマイクロレンズの焦点距離が短いことで、感光素子の平坦さと剛性が求められるが、これは実現しにくい場合がある。
従って、必要とされているのは、感光素子の下限反応閾値を効果的に広げて、低いシーン輝度レベルで捕捉された画像から商業的に容認できる程度の印刷物の生成を可能にするための方法および装置である。同じく必要とされているのは、感光素子の上限反応限界よりも高い露光レベルを含む露光レベルの範囲にわたって画像を捕捉するための簡単かつ低コストのカメラシステムおよび写真撮影方法である。
本発明の1つの態様において、カメラが提供される。当該カメラは、シーンからの光を合焦させるように調整された主レンズと、マイクロレンズのアレイであって、各マイクロレンズが、前記主レンズからの光を受光する受光面および感光素子に対面する集光面を有するマイクロレンズアレイとを備える。前記集光面は、前記受光した光を前記感光素子上に集束させるように調整されている。スペーサが、前記感光素子を前記集光面から離して配置する。シャッター集合体が、前記シーンからの光を前記マイクロレンズアレイに制御可能に通過させる。
本発明のもう1つの態様において、提供されているものは、画像を記録するためのカメラであって、シーンからの光を合焦させて撮像面に前記シーンの画像を形成するように調整された主レンズと、前記シーンからの光を前記撮像面に制御可能に通過させるためのシャッター集合体とを備えるカメラである。マイクロレンズのアレイであって、各マイクロレンズが、前記主レンズからの光を受光する前記撮像面に配置された受光面を有するとともに、各マイクロレンズが、受光した光を合焦させて、近くの焦点距離と遠くの焦点距離との間に画像を形成するように調整された集光面を有するマイクロレンズアレイが設けられている。ゲートが、前記感光素子を前記近くの焦点距離と遠くの焦点距離との間に、前記マイクロレンズにおける前記集光面から5〜1500マイクロメートルの間の距離をおいて配置する。
本発明のさらにもう1つの態様において、所定の露光の範囲内における光に露光されたときに画像を記録するための乳剤を有する感光素子に画像を記録するためのカメラが提供される。当該カメラは、シーンからの光を合焦させるための撮影レンズシステムを有するアパーチャ(aperture)を含むカメラボディを備える。ゲートが、前記感光素子を前記アパーチャに対面するように配置するように調整されている。マイクロレンズのアレイであって、前記主レンズシステムからの光を受光した上で、その光を、前記感光素子に対面する集光面を経て通過させるように調整されたアレイにおいて、前記集光面が、シーンからの光を、第1の部分と第2の部分に分離するように調整されているマイクロレンズアレイが、前記アパーチャと前記ゲートとの間に配設されている。前記シーンからの光が第1の範囲内であるときに、前記シーンからの光における第1の部分が集束されて前記感光素子における第1の領域に第1の画像を形成する。前記シーンからの光における第2の部分が前記感光素子上まで通過して前記感光素子における第2の領域に第2の画像を形成する。前記シーンからの光が第2の範囲内であるときに、シャッターは、前記シーンからの光が所定の時間にわたって前記感光素子を露光することを制御可能に許容するが、このとき、前記所定の時間は、前記シーンからの光が前記第2の範囲内であるときに前記感光素子における前記第2の領域に画像を形成するのに十分である。
図1は、感光層32および基板34を備える感光素子30上に画像を形成するカメラ20の1つの実施の形態における動作を説明するための図である。図1の実施の形態において、カメラ20は、アパーチャ23を備える撮影レンズシステム22を有するボディ21を含み、シーン24からボディ21に光を入り込ませる。撮影レンズシステム22は、シーン24からの光を、光軸45に沿ってゲート26に向かわせるが、このゲート26によって、感光素子30が、露光に際して撮影レンズシステム22から一定の距離を隔てて位置決めされる。ゲート26は、一般に、露光アパーチャ(図示せず)を形成するとともに感光素子30を露光に相応しいように位置決めするように配置したレール、ストップなどを用いて、当該技術分野において知られているように構成される。ゲート26のその他の実施の形態についても以下にさらに詳しく説明する。撮影レンズシステム22の焦点深度については、シーン24の画像25が感光層32の撮像領域36に形成される際に、シーンの画像25が、撮像領域36全体にわたって均一に合焦するような焦点深度であることが好ましい。
撮影レンズシステム22と感光素子30との間に介在するのは、複数のマイクロレンズ42を有するマイクロレンズアレイ40である。マイクロレンズアレイ40のうちのマイクロレンズ42は、その各々が、撮影レンズシステム22を通過する光の一部を受光する受光面41と、この光を集束部分44と残留部分46に分離する集光面43を有する。実際には、マイクロレンズアレイ40は、カメラ20内に、撮影レンズシステム22と感光素子30との間に、これらと概ね平行に配置される。このとき、各マイクロレンズの受光面41は、撮影レンズシステム22の方を向いており、各マイクロレンズの集光面43は、感光素子30の方を向いている。マイクロレンズアレイ40は、一般に、透過性であり、所望の画像を形成するのに十分な光学的特性を有している。マイクロレンズアレイ40の表面は、一般に、約20〜200オングストロームの表面粗さを、好ましくは、約40〜100オングストロームの表面粗さを有することになる。マイクロレンズ42およびそれらに付随する支持構造90の全厚は、適切な写真撮影性能を可能にするために必要とされる剛性を実現するのに適切な厚さになる。一般に、光学的特性を有するガラスおよびプラスチックを用いた場合に、この厚さは、0.05〜20mmの間であり、好ましくは、0.1〜10mmの間である。従って、既に知られている写真撮影支持体のエンボス加工された部分を、押し出し成形されたプラスチック部分、再溶解したマイクロレンズ構造などと同様に、マイクロレンズアレイ40として用いることが可能である。集束部分44は、その各々が、感光素子30のうちの対応する集束画像領域48上に集束させられるが、各残留部分46は、感光素子30のうちの対応する残留画像領域50にまで進む。この分離作用については、図1に概念的に示されており、以下に、図1および図2a〜図2cを参照して説明する。カメラ20は、さらに、シャッターシステム27を備える。シャッターシステム27は、シーンからの光が、所定の時間の間だけ感光素子30を露光させるように制御することが可能である。
図2aに示すように、写真撮影シーンからの光は、広範囲のシーン輝度にわたって広がっている。自然光による写真撮影の場合に、これらは、人が視認可能な輝度である。この範囲は、図2aにおいて、シーン輝度範囲70として示されている。但し、感光素子30は、感光素子30がシーン照度における差異を捕捉するとともにシーンのコントラスト画像を記録することが可能な範囲である実際のラチチュード72を有する。化学的な画像捕捉技術における本質的な限界および、シーンからの照射に対する感光素子30における一定の非線形反応のため、感光素子30の実際のラチチュード72は、下限反応閾値74および上限反応閾値76によって画定される。感光素子30は、下限反応閾値74よりも低い光量の光に感光素子30が露光された場合に、シーン照度の差異に対して区別可能に反応することはない。上述したように、これは、そのような限られた光量の光によって利用可能となったエネルギが、乳剤および付随する化学成分を反応させて、区別可能な露光記録を形成するのに十分ではないからである。従って、そのような光量の光に露光させられた感光素子30の全ての部分は、感光素子30が光処理されると概ね明るい外観となる。
同様に、感光素子30は、上限反応閾値76よりも高い光量の光に感光素子30が露光された場合に、シーン照度の差異に対して区別可能に反応することはない。より詳細に上述したように、これは、感光素子30が上限反応閾値76を上回って受光した光の光量が、追加の光エネルギに対して感光素子30がもはや有意な追加の濃度反応を有することがない程度まで、乳剤および付随する化学成分の化学反応を起こすのに十分であるからである。このため、そのような光量の光に露光させられた感光素子30の全ての部分は、感光素子30が光処理されると概ね暗い外観となる。
当然のことながら、「明るい」および「暗い」という言葉は、例えば、ネガティブ用ペーパーとともに用いるための、またはスキャニングのためのプリントフィルムのような、ネガティブとして働く感光材料の場合に該当する。例えば、リバーサルスライドフィルムおよびダイレクトプリントフィルムのようなポジティブとして働く感光材料では、上述の領域は、それぞれ、「暗い」および「明るい」という特性となるであろう。
既に知られている感光材料の組成であれば、いずれを用いて本発明の実施に際して有用な感光素子30を調製するようにすることも可能である。優れた光感度を有する素子を本発明の実施に際して用いるのが最も好適である。素子は、ISO感度が少なくとも約25であるべきであり、好ましくは、ISO感度が少なくとも約100であり、より好ましくは、ISO感度が少なくとも約400である。カラーのネガティブ写真撮影素子の露光速度つまり感度は、処理後に、かぶりを上回る特定の濃度を達成するのに必要な露光と反比例の関係にある。各カラー記録において、ガンマが約0.65であるカラーネガティブ素子の写真撮影露光速度が、米国規格協会(ANSI: American National Standards Institute)によって、ANSI規格pH2.27−1981(ISO(ASA速度))として明確に定義されてきており、これは、カラーフィルムのうちの、緑色光に感光する最も感度が低いカラー記録単位の各々における最低濃度を上回る濃度0.15を生成するのに必要な露光レベルの平均と明確な関連性がある。この定義は、国際標準化機構(ISO: International Standards Organization)によるフィルム露光速度の段階表示に準拠している。本願の目的のために、カラー単位ガンマが0.65と異なる場合には、ASAまたはISOの速度は、その他に定められた手法で速度を特定する前に、ガンマを、露光対数曲線(log E (exposure) curve)に対して直線的に増幅または減衰(deamplifying)して、0.65の値にすることによって算出されることになる。
標準的な写真撮影素子を本発明に用いることも可能であるが、本発明において最も有用な素子は、直接見ることに適する形態よりもむしろ、機械読み取り可能な形態で画像を捕捉するために設計されたものである。捕捉素子において、露光速度(低輝度状態に対する当該素子の感度)は、通常、そのような素子において十分な画像を得る上で極めて重要である。従って、当該素子は、マイクロレンズによる露光速度の向上後において、一般に、ISO800相当以上の露光速度を、好ましくは、ISO1600相当以上の露光速度を、最も好ましくは、ISO3200相当以上の露光速度を示すことになる。当該素子は、各カラー記録において、少なくとも3.0 logEのラチチュードを、好ましくは4.0 logEのラチチュードを、より好ましくは5.0 logE以上のラチチュードを有することになる。このような高い有効ラチチュードでは、各カラー記録におけるガンマ(すなわち、光処理後のlogEに対する濃度の傾き)が、0.70未満であること、好ましくは、0.60未満であること、より好ましくは、0.50未満であること、最も好ましくは、0.45未満であることが要求される。さらに、好ましくは、色と色との相互作用、つまり重層効果(インターイメージ効果)が最小限に抑えられる。このように重層効果を最小限に抑えることは、マスキングカプラーとDIR(Development Inhibitor Releasing:現像抑制剤放出型)化合物の量を最小限に抑えることによって達成することが可能である。重層効果は、色分解露光および光処理後における特定のカラー記録のガンマを、白色光の露光後における同一のカラー記録のガンマで割った比率として定量化することが可能である。各カラー記録におけるガンマ比率は、好ましくは、0.8〜1.2の間であり、より好ましくは、0.9〜1.1の間であり、最も好ましくは、0.95〜1.05の間である。当該構成のさらに詳細な、そのようなスキャンの性能に関する特性の定量化により、感光素子が可能になったが、これについては、ソウィンスキ(Sowinski)他の米国特許第6,021,277号明細書(特許文献14)および米国特許第6,190,847号明細書(特許文献15)に開示されている。
また、図2aに示すように、カメラ20および感光素子30が、感光素子30の反応閾値74よりも低い、所望のラチチュードにおける所望の下限反応閾値80においてシーン情報を記録することが望ましい。本発明の動作原理によれば、この範囲の照度における写真撮影は、シーンからの光を集束させることによって可能となる。これに関連して、マイクロレンズアレイ40のマイクロレンズ42は、その各々が、シーンからの光を少なくとも2つの部分に分離する。図1に示すように、シーン24から光のうちの集束部分44を集束させることで、マイクロレンズ42のマイクロレンズアレイ40が存在しない場合に集束画像領域48に当たるであろうよりも、単位面積当たりの光量が多い光が、露光の際に、感光素子30のうちの各集束画像領域48に当たることになる。このように集束画像領域48に入射する光の光量を増加させることで、図2bに示すように、シーン露光レベルの第1の露光範囲84をずらす効果があり、結果として、第1の露光範囲84全体が、感光素子の実際のラチチュード72内に収まることになる。このようにずらすことで、集束画像要素52のパターンが可能となり、集束画像が、感光素子30の集束画像領域48に形成されることになる。
なお、マイクロレンズ42に入射する光の一部、例えば、マイクロレンズ42によって十分に合焦させられていない光、またはマイクロレンズ42における別々のレンズとレンズの間を通過する光は、集束画像領域48に合焦させられない。代わりに、この残留部分46の光は、感光素子30にまで進み、残留画像領域50に入射することで、残留画像54の形成を可能にする。残留画像54は、さらに、感光素子30における故意または偶発的な光の散乱および反射によってばかりではなく、カメラ20の構造における反射面からの光のフレアによっても形成される場合がある。この残留部分46は、マイクロレンズ42のマイクロレンズアレイ40をシーン24と感光素子30との間に同一の露光に際して介在させなかった場合に感光素子30に入射するであろう光の光量に満たないものである。このように、マイクロレンズ42は、効果的に、残留画像領域50に入射するシーンからの光の一部を遮るので、残留画像54が感光素子30上に形成されるには、より多くの光量の光が露光に際して与えられる必要がある。従って、シャッターシステム27が感光素子30の露光に対して許容する所定の時間は、シーンからの光が第2の範囲内に収まっているときに感光素子の残留画像領域50に画像を形成する上で十分である。
従って、図2cに示すように、マイクロレンズアレイ40のマイクロレンズ42が第2の露光範囲86内の光に露光される場合に、第2の露光範囲86で示された範囲にわたって画像を生成するのに適する第2の露光が、残留画像領域50における感光素子30上に形成される。このようにして、感光素子30を用いて、感光素子30の上限反応閾値76を上回るが所望のラチチュードにおける所望の上限反応閾値82には満たない露光レベルにおいて区別可能な画像を記録することが可能である。
重複する領域を、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に画定することも可能である。写真撮影素子に望ましいシステムラチチュード78を大幅に広げることが求められる場合には、この重複する領域を狭めることも可能である。好適な実施の形態において、写真撮影素子に望ましい連続的な所望のラチチュード78にわたって、集束画像要素52または残留画像要素54のいずれか一方から画像情報を捕捉できるということは、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86とが重複する実質的な露光の範囲を画定することによって実現される。代替として、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に重複がほとんどない、または実質的な間隔まであるカメラ20を提供することが好まれる場合もある。このような実質的な間隔を有するカメラ20は、例えば、昼光および室内光のような非常に異なる撮像条件下において異なる画像を捕捉する上で有効に動作するであろう。
当然のことながら、露光レベルが第2の露光範囲86内である場合に、集束画像要素52が素子30上に形成される。第2の露光範囲86における露光の際に形成された集束画像要素52には、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86とが少なくとも部分的に重複する場合に有用な撮像情報が含まれる場合もある。しかしながら、露光が第1の露光範囲84を上回る場合には、集束画像要素52は、残留画像領域50に形成された残留画像54における過度に露光されたアーティファクト(artifact)として現れることになる。
さらに、当然のことながら、ここまでの説明では、人の目に見えるシーンを捕捉するためのハロゲン化銀による写真撮影を意図した具体的な実施の形態について言及してきたが、本発明は、人の目に見えない拡大されたシーン輝度範囲およびスペクトル領域を捕捉するために容易に応用することが可能であり、感光素子30としては、当該技術分野において知られている感光材料のうち、必須の撮像特性を有するものであればいずれを用いるようにしてもよい。感度は事実上、少なくとも0.15 logEまで向上することが可能である。一定の実施の形態において、感度は事実上、少なくとも0.3 logEと0.6 logEとの間まで向上することが可能である。もう1つの実施の形態において、感度は事実上、少なくとも0.9 logEまで向上する。
図3は、球面マイクロレンズ42の正方形アレイを介する画像露光の際に感光素子30上に形成された露光パターンを示す。同じく図3に示されているのは、感光素子30がカメラ20に装填されて撮影レンズシステム22を介して露光されたときに確立される光軸45および感光素子30の交点49である。見込み画像領域47は、感光素子30上に対する個々のマイクロレンズ42の直接的な軸沿いの投影である。図3において明らかであるように、個々の見込み画像領域47が、光軸と感光素子との交点49から離れているものほど、見込み画像領域47と実際の画像領域48との間の変位が大きくなる。集束画像要素52の見込み画像領域47からの変位の程度は、カメラ20、撮影レンズシステム22、およびマイクロレンズ42の光学的な特性によって制御される。この変位を補償することが可能な方法および装置が、同時係属中の同一出願人による米国特許出願第10/167,794号明細書(特許文献12)および米国特許出願第10/170,148号明細書(特許文献13)に記載されている。
図4は、本発明によるカメラ20のもう1つの実施の形態を示す。カメラ20は、撮影レンズシステム22、カメラボディ21の内部への光の進入を制御するためのシャッター集合体27、および主レンズシステム22によって画定された焦点面に配置されたマイクロレンズアレイ集合体40を有する。マイクロレンズ集合体40は、集光面43が主レンズシステム22から離れるとともに感光素子30の方に向かって突き出ているマイクロレンズ42を有する。個々のマイクロレンズ42および周囲の媒体、一般に、空気(図示せず)によって、マイクロレンズ42の集光面43からの焦点面オフセット(focal plane offset)が画定される。カメラ20に感光素子30が装填されると、感光素子30は、フィルムゲート26によって、個々のマイクロレンズ42および周囲の媒体が画定した焦点面に配置され位置合わせされる。ゲート26は、露光に際して感光素子30を配置および保持するという役割を果たす。個々のマイクロレンズ42の焦点距離は、一般に、個々のマイクロレンズにおける曲率半径の1〜10倍の間である。この実施の形態において、ゲート26は、光学的に透過性のあるスペーサプレート集合体87およびプレッシャプレート集合体89を備える。感光素子30の位置決め、平坦さ、および位置合わせが、感光素子30を、感光素子接触面88に接触させて配置することによって補助される場合もある。感光素子接触面88は、感光素子30に損傷を与えることなく感光素子30に接触するように適合させられている。素子接触面88は、例えば、写真撮影技術の分野において知られているように、その表面上に分布させられたマットビード(matte beads)(図示せず)を有する場合もある。そのようなマットビードは、その直径が0.1〜2マイクロメートルの間であるとともに、その分布が素子接触面88の表面領域を全体的に覆っている場合もある。また、様々な材料、例えば、鉱物油、シリコーン油、およびカルナバワックス(carnuba wax)のような材料によるコーティングを用いる場合もある。接触面88に有用に用いることが可能なその他の材料については、1996年9月に刊行された論文(タイトル:「Coating Physical Property Modifying Addenda」IX、Research Disclosure 38957、第389巻)(非特許文献1)に記載されている。図4の実施の形態において、感光素子30は、プレッシャプレート集合体89を用いて素子接触面88に対して押しつけられている。プレッシャプレート集合体89は、カメラボディ21の一部をなすガイドまたはレールによって形成される場合もある。スペーサプレート集合体87およびプレッシャプレート集合体89は、個別にまたは一括して、可逆的に圧縮可能であり、受動的に感光素子30をマイクロレンズ集合体40に対して位置決めするように作用する場合もある。スペーサプレート87を挿入することで、光学の技術分野においてよく理解されているように適応可能な追加の屈折面が導入されることが確認されている。
図5は、光線の通過路をたどることで、スペーサプレート集合体87を用いた場合の1つの具体例としてのマイクロレンズ42における光の集束を示している。ここに、説明のための、主レンズ集合体22によって平行化された2本の光線51,53が示されているが、それらは、マイクロレンズアレイ40における1つの具体例としてのマイクロレンズ42と相互に作用している。これらの光線51,53は、ほぼ平行な状態で、マイクロレンズアレイ40の受光面41に当たって集光されるが、個々のマイクロレンズ42の凸状集光面43を通って当該アレイから離れることで、面55(1つのマイクロレンズ42の投影領域および見込み画像領域47に相当)を通過した光を、感光素子30の、より小さな集束画像領域48に合焦させる。
感光素子30がハロゲン化銀フィルムである場合には、そのフィルムストック(未使用フィルム)をロールの形で供給する場合もあり、カメラ20が、フィルムストックの未露光部分をゲート26に順次供給するためのフィルム送り機構(図示せず)を有する場合もあるが、これは当該技術分野において知られているとおりである。ゲート26は、フィルムストックの長方形の部分(つまり画像フレーム)の露光が可能となるように設計される場合もある。このとき、アスペクト比は、一般に、1.33:1〜2:1の間であるが、パノラマ形式ではこれよりも更に高い。ゲート26、マイクロレンズアレイ40、および付加的なスペーサ87およびプレッシャプレート集合体89は、適度な曲率半径を有して、主レンズシステム22の方に向かって凹状にフィルムフレームを配置することで、露光に際しての均一なフィルム照射を容易にしたり、カメラを通過するフィルム送りを容易にしたりする場合もあるが、これらはいずれも当該技術分野において知られているとおりである。例えば、オームラ(Ohmura)他による米国特許第4,833,495号明細書(特許文献16)には、これらの要求に応える適度に湾曲したフィルム経路が示されている。その他の実施の形態において、ロールフィルムを、当該フィルムに所望の湾曲を与えるスペーサ87全体にわたる張力で引っ張る場合もある。その他の実施の形態において、フィルムレール、適度に湾曲した給送路、および適度なフィルムストック張力に係る構成は、すべて当該技術分野において知られているとおりであるが、これらが、フィルムストックを適切な焦点面に配置するという役割を果たす場合もある。
ここまでの説明において、マイクロレンズ42のアレイ40の使用について一般的に説明してきた。アレイ40における個々のマイクロレンズ42は、光を集光または合焦させるような形状であることから収束レンズである。1つの実施の形態において、集光面43がアレイ集合体からの凸状突起またはアレイ集合体の方への凹状陥没を形成する。個々の突起は、完全な球体または不完全な球体の一部のような形状である。従って、マイクロレンズは、球面部分レンズである場合もあり、非球面部分レンズである場合もあり、両方のタイプのマイクロレンズを同時に用いる場合もある。球面部分マイクロレンズは、球体の一部分の形状および断面を有する。非球面部分マイクロレンズは、偏平な球体または細長い球体の形状および断面を有する。これらのレンズがマイクロであるのは、直径が1〜1000ミクロンの間である円形またはほぼ円形の突起を有するという意味においてである。円柱部分マイクロレンズは、円柱の一部分の形状および断面を有する。非円柱部分マイクロレンズは、偏平な円柱または細長い円柱の形状および断面を有する。特に、上述の説明は、球面マイクロレンズ42が密接して集積された立方マイクロレンズアレイ40とともに本発明を用いることについて、一般的に想定して述べてきた。当然のことながら、様々な構成のマイクロレンズ42およびマイクロレンズアレイ40を用いることが可能である。図6a〜図6eおよび図7a〜図7cは、いくつかのそのような構成を、集光面43に対面して見たものとして図示する。例えば、図6aは、支持体90上に均一な立方の密接集積分布パターンで配置されたマイクロレンズ42からなる、マイクロレンズアレイ40を概念的に示す。当然のことながら、その他のアレイパターンを用いることも可能である。例えば、図6bは、互い違いの正方形の密接集積アレイパターンを有する実施の形態を示す。図6cに示したもう1つの実施の形態では、マイクロレンズ42は、六角形の密接集積アレイパターンを有するマイクロレンズアレイ40で配置される。また、マイクロレンズアレイ40は、不規則な分布のマイクロレンズ42を特徴とする場合もある。不規則な分布を有するアレイに係る1つの実施の形態が図6dに示されている。同様に図6eに示すように、さらにもう1つの実施の形態において、マイクロレンズアレイ40は、円柱または非円柱マイクロレンズ42のアレイを備える場合もある。
図7a、図7b、および図7cに示すように、マイクロレンズアレイ40が、異なる光学特性を有するマイクロレンズ42を備える場合もある。図7aの実施の形態に、円柱マイクロレンズ42のマイクロレンズアレイ40が示されている。図7aに示すように、マイクロレンズアレイ40には第1のマイクロレンズセット42aが含まれるが、これは、マイクロレンズアレイ40が同様に設けた第2のマイクロレンズセット42bよりも広い断面積を有する。この実施の形態において、第1のマイクロレンズセット42aは、露光に際して、マイクロレンズ42bよりも多くの部分の光を集束させる。このように、第1のマイクロレンズセット42aは、第1の集束画像領域セット48aにおいて、感光素子30上に図7dに示すような線画像露光を形成するが、このとき、露光中の光量は、第1の露光範囲84内に収まっている。シーンからの光が第2の露光範囲86内である場合には、第2のマイクロレンズアレイセット42bが、第2の集束画像領域セット48bにおいて感光素子30上に線画像を形成する。マイクロレンズセット42aおよび42bのうちのいずれによっても集束させられなかった光は、図7dの感光素子30における第2の露光領域50に残留画像(図示せず)を形成する場合もある。
同様に、図7bおよび図7cの各図には、異なるサイズのマイクロレンズセット42aおよび42bを有するマイクロレンズアレイ40の使用について示すが、このとき、マイクロレンズ42aが、光を集束させて露光を形成するとともにその光を感光素子上の集束画像領域48aに向かわせる一方で、マイクロレンズ42bが、シーンからの光を集束させるとともにこの光を感光素子30上の集束画像領域48bに向かわせる。この場合においても、光の残留部分は、感光素子30の残留露光領域50に記録される。従って、この実施の形態において、感光素子30の有効感度をさらに向上させることが可能である。
図7cに示すように、マイクロレンズ40の表面カバー率を、最大限に大きくする必要はない。マイクロレンズ40における有用な表面カバー率であれば、いずれのカバー率を用いるようにしてもよいが、写真撮影素子つまり感光素子30の投影領域に対するマイクロレンズ40の投影領域の比率は、少なくとも20パーセントである場合がある。1つの実施の形態において、カバー率は、少なくとも50パーセントから最大85パーセントまでの間である場合がある。もう1つの実施の形態において、密接して集積された限界に達する85パーセントの表面カバー率を用いる場合もある。表面カバー率の厳密な度合いを調整して、露光感度のレベルを変化させる一方で有用な写真撮影における粒状性および鮮鋭度を維持することを可能にする場合もある。表面カバー率が、密接して集積された限界に満たない場合には、いずれの実施の形態においても、残留光が感光素子30に当たるのを妨げないように支持体90を画定することが可能である。
マイクロレンズアレイ40は、例えば、押し出し成形、射出成形、およびその他の当業者に知られている従来の加工技術によって、一体として成形されたり、つなぎ合わせられたりした個々のマイクロレンズ42のセットを備える場合がある。また、マイクロレンズアレイ40は、機械的手段または化学的手段によって、あるいは支持体90上に取り付けることによって、一体として固定された複数の別々のマイクロレンズ42を組み合わせることによって形成される場合もある。マイクロレンズアレイ40は、支持構造に近接して配置されたり支持構造上に表面加工されたりしたビード(beads)または球体(図示せず)のセットを備える場合もある。マイクロレンズ42は、微細構造技術において知られているどのような方法で形成するようにしてもよい。これらのマイクロレンズ42は、例えば、製造時にアレイ構造に直接エンボス加工または鋳型成形されたような、アレイ構造と一体型のものであってもよいし、支持構造に加えられた別個の層と一体をなすものであってもよい。さらに別の実施の形態においては、マイクロレンズアレイ40を、感光性のコーティングを用いて形成する場合もある。
図8a〜図8cは、凸状の集光面を有するマイクロレンズ42およびそれらの構造上の支持体90を示す断面図、および具体例として示す実施の形態としての様々な球面および非球面マイクロレンズ42の断面図を示す。図8aは、マイクロレンズ42が、支持体90によってつなぎ合わせられた球面レンズを備える実施の形態を示す。図8bおよび図8cは、非球面マイクロレンズ42を有するマイクロレンズアレイ40の実施の形態を示す。当然のことながら、上述したアレイパターンのうちのいずれであっても、非球面マイクロレンズ42と組み合わせることで、向上した感度を提供するようにしてもよい。さらに、マイクロレンズ42の上記パターンであれば、いずれであっても、密接させないで集積するやり方で応用することで、写真撮影感度を向上することができる。
マイクロレンズ42は、明瞭なハッチングにより示されており、これによって、実際にマイクロレンズを形成する突出部分の球面および非球面の特徴が図示されている。非球面マイクロレンズ42は、図8bおよび図8cに示すタイプの場合、そのようなレンズにおける可変的な半径が、マイクロレンズと感光層との間における間隔とほとんど無関係に、レンズ焦点距離およびレンズ口径の制御を可能にするという点において、特に、この用途に有用である。これらの断面図について、球面または非球面であるものとして説明してきたが、全く当然のことながら、これらの図は、同様に、円柱または非円柱マイクロレンズ42を断面で示す。図8a〜図8cに示すアレイ40の各実施の形態において、集光面43が、受光面41に入る光を合焦させる。
円形突起マイクロレンズ42を有する撮影レンズシステム22によって合焦させられた集束光における、光集束つまり有用な写真撮影露光速度の向上は、カメラ20およびマイクロレンズ42におけるFナンバーの比率の2乗である。そのようなシステムにおける露光速度の向上(相対露光の対数(log relative Exposure))は、露光速度の向上=2×log(カメラレンズのFナンバー/マイクロレンズのFナンバー)であるものとして算出することが可能である。円柱マイクロレンズにおける光集束つまり有用な写真撮影露光速度の向上は、そのような改善の平方根を可能にするのみであるが、これは、円柱マイクロレンズが一方向のみにおいて光を集束させるからである。マイクロレンズアレイ40によって光が集束させられることで、システム露光速度の向上が可能となるとともに、感光材料上に露光パターンが形成される。
カメラ20の寸法および撮影レンズシステム22の詳細な特性によって、レンズの瞳孔から画像までの距離、つまり動作中のカメラの焦点距離が指定される。画像25は、マイクロレンズ42のマイクロレンズアレイ40の位置に形成されるのが望ましい。マイクロレンズ42の特性によって、その焦点距離が指定される。マイクロレンズ画像は、感光素子30の感光層に形成される。カメラ撮影レンズシステム22のFナンバーによって、カメラ20の焦点深度および被写界深度が制御される一方で、マイクロレンズFナンバーによって、カメラ20の有効口径が制御される。カメラレンズに絞りを絞ったときのFナンバーを用いることで、深い焦点深度および被写界深度とともに優れた鮮鋭度が得られる。マイクロレンズアレイ40に絞りを開いたときのFナンバーを用いることで、一般に、「低感度」と考えられている乳剤を用いて、高いシステム露光速度が得られる。この追加の露光速度によって自然光写真撮影が可能となるが、このとき、一般に、「高感度」乳剤に付随する熱および放射線に対する不安定性は伴わない。
従って、カメラ撮影レンズ22およびマイクロレンズ42のFナンバーに係る有用な組み合わせは、システム露光速度の向上を可能にするようなものとなる。0.15 logEつまり1/2絞りを上回るシステム露光速度の向上が有用であるが、0.5 logE以上のシステム露光速度の向上が好ましい。所期の目的に相応しい被写界深度を有するカメラ撮影レンズ22とともに露光速度の向上を可能にするFナンバーを有するマイクロレンズ42であればいずれであっても有益に用いることが可能であるが、一般に、1.5〜16のFナンバーを有するマイクロレンズ42が有用である。いくつかの実施の形態においては、f/2〜f/7の範囲におけるFナンバーを有するマイクロレンズ42が有用である。その他の実施の形態においては、f/3〜f/6の範囲におけるFナンバーを有するマイクロレンズ42が好ましいこともある。
マイクロレンズ42に好適な設計パラメータおよび感光素子30の感光層とのそれらの関係は、以下の定義から導かれる。
マイクロレンズの半径とは、マイクロレンズ42の半球状の突起における曲率半径である。非球面マイクロレンズ42の場合に、この値は、そのマイクロレンズの表面全体にわたって様々である。
マイクロレンズの口径とは、一般に、直径と呼ばれる、マイクロレンズによって形成された断面積である。球面マイクロレンズの場合に、この直径は、必然的に、マイクロレンズの半径の2倍またはそれ以下である。非球面マイクロレンズの場合は、この直径は、マイクロレンズにおいて生じる最小半径の2倍よりも大きい場合もある。別々の口径を有する、異なるサイズのマイクロレンズを用いることで、マイクロスケールで、別々のレベルにおける露光速度の向上が可能となるとともに、写真撮影層における向上させられた露光感度が可能となる。
マイクロレンズのFナンバーとは、マイクロレンズの口径をマイクロレンズの焦点距離で割ったものである。球面マイクロレンズの場合に、所望のマイクロレンズの焦点距離を用いて、例えば、次のようなレンズ方程式に従って、適切なマイクロレンズの半径を定めることが可能である。
マイクロレンズの半径=マイクロレンズの焦点距離×(n2−n1)/n2である。式中、n1は、マイクロレンズの外側の物質(一般に、屈折率が1である空気)の屈折率であり、n2は、マイクロレンズおよびこれに隣接するあらゆる透過材料(例えば、マイクロレンズアレイ40に用いるようなプラスチック)の屈折率である。特に、屈折率が1.4〜1.6であるガラス、鉱物、およびプラスチックを想定しているが、しかるべき力学的性質を有する透過材料であれば、あらゆる知られている透過材料を用いることが可能である。一般的な写真撮影システムの構成要素における既に知られている屈折率によれば、有用な球面マイクロレンズは、マイクロレンズの半径((n2−n1)/n1〜1/2)の約2倍のマイクロレンズ焦点距離を有することになる。これに関連して、当然のことながら、非球面マイクロレンズ42では、マイクロレンズの口径および焦点距離をその他のシステム要件に適合させる上で、より大きな設計自由度が可能となる。例えば、スペーサプレート集合体87のような、介在する構造がある場合に、その厚みは、10〜800ミクロン程度またはそれ以上である場合がある。図1の実施の形態において、マイクロレンズ42のマイクロレンズアレイ40は、感光素子30とは別個のものであり、カメラ20内において、カメラ撮影レンズシステム22とゲート26との間に別々に取り付けられている。この実施の形態において、焦点距離は、マイクロレンズ材料と周囲の媒体、一般に、空気との屈折率の差およびマイクロレンズの曲率半径によって指定される。更なる詳細については、相互参照されている同一出願人による米国特許出願第10/167,746号明細書(特許文献17)および米国特許出願第10/170,148号明細書(特許文献13)において得ることが可能であり、これらの特許出願に係る開示については、本願に引用して援用する。
マイクロレンズの焦点距離は、マイクロレンズ42から感光素子30の感光層までの好適な距離を定める。マイクロレンズアレイ40の集光面43から、感光素子30における近くの面までの距離は、一般に、マイクロレンズ焦点距離の0.5倍〜5倍の間、好ましくは、マイクロレンズ焦点距離の0.7倍〜2倍の間、最も好ましくは、マイクロレンズ焦点距離の0.9倍〜1.5倍の間となる。マイクロレンズアレイの近くの焦点距離は、集光面43と、適切な写真画像を形成する感光素子30との間の最も接近したアプローチであり、マイクロレンズアレイの遠くの焦点距離は、集光面43と、適切な写真画像を形成する感光素子30との間の最も離隔したアプローチである。この距離は、例えば、感光素子30を集光面から離して配置するゲート構造26またはスペーサプレート87を用いて保持することが可能である。スペーサプレート87およびプレッシャプレート集合体89を用いることも可能である。1つの実施の形態において、マイクロレンズ集光面43と感光素子30との間の距離、すなわち、近くの焦点距離は、5〜1500ミクロンの間である場合がある。その他の実施の形態において、当該距離は、10〜800ミクロンの間である場合がある。さらにその他の実施の形態において、当該距離は、20〜400ミクロンの間である場合がある。
あらゆる有用な数のマイクロレンズ42を画像フレームごとに用いて、所望の結果を得ることが可能であるが、あらゆる特定の構成において用いられることになる実際の数は、その構成次第であるということが確認されている。3〜100ミクロンのマイクロレンズの口径つまりピッチを用いる場合もある。ほぼ24×36(mm)の大きさである135判フレームに画像が記録されることになる場合において、約86,000〜96,000,000個のマイクロレンズを用いて、表面全体をカバーすることが可能である。
感光素子30における感光層32の厚みには限りがあることから、当然のことながら、マイクロレンズ42を用いることで、多層多色カラーフィルムの明瞭なカラー記録を、感度に対して選択的に向上することが可能となる場合もある。この特徴は、カラーフィルムの感光層における厚みに限りがあるため、およびハンドヘルドカメラに用いるのに相応しいカメラスピードカラー感光材料におけるカラー記録に係る層状に連続する配列のために生じる。感光層は、乾いている状態で、一般に、厚みが15〜45ミクロンの間であるが、青感性カラー記録を形成する層は、一般に、露光源に最も近いところに配置される一方で、赤感性カラー記録を形成する層は、一般に、全てのカラー記録のうちで、露光源から最も遠いところに配置される。感度を層状に向上することは、特に、例えば、青色光が弱く赤色光が強い薄暗い白熱光照明の室内のような、照明が不安定な特定の状況において重要である場合がある。白熱光による写真撮影のためのシステムにおいて、マイクロレンズは、フィルムの青感性層に合焦させられる場合もあるが、これにより、カラー記録に対する選択的な露光速度の増強とカラーバランスの改善がもたらされる。これに対して、水面下における写真撮影のためのシステムにおいて、この場合、赤色光が弱く青色光が強いが、マイクロレンズは、フィルムの赤感性層に選択的に合焦させられる場合もあるが、これにより、カラー記録に対する選択的な露光速度の増強とカラーバランスの改善がもたらされる。その他の状況において、その他の色を選択的に増強することも可能である。フィルムを、特に、マイクロレンズが層状フィルムの深さ方向における特定の領域に露光増強をもたらす際に用いられる一般的でない積層順序で提供することも可能である。
シーンからの光が、マイクロレンズの複数のアレイ40を通過するようにしてもよい。例えば、シーンからの光が、半円柱マイクロレンズが横軸に沿って配列された第1のマイクロレンズアレイを通過して、さらに、この圧縮された光が、半円柱マイクロレンズが縦軸に沿って配列された第2のマイクロレンズアレイを通過するようにしてもよい。この手法は、シーンからの光を二軸集束させるために有用に用いることが可能である。
上述したように、本発明の実施の形態によれば、感光素子30上に記録された画像は、目で見ることも可能ではあるが、直接見ることが可能な形態に機械的に復元することを意図している。これに関連して、カメラ20は、図1に、光センサ60、レンズ位置検出器63、感光素子種別センサ64、および通信ヘッド66と連係して情報を感光素子30上に記録するカメラコントローラ62を内蔵したものが図示されているが、これは、その感光素子30が、機械読み取り可能な画像を変換して直接見るのに相応しい形態にすることが可能なように現像仕上げされることになるということを示す。そのような機械読み取り可能な画像から、直接見ることが可能な画像を、光学的かつ電子的に抜き出すための方法および装置については、これらの用途においてより詳しく説明されている。相互参照されたケースに記載されているように、シーンブライトナ(scene brighteners)およびレンズ位置に関する情報は、復元プロセスにおいても有用である場合があり、従って、感光素子30上に記録される場合がある。
20 カメラ、21 カメラボディ、22 撮影レンズシステム、23 アパーチャ、24 シーン、25 シーンの画像、26 ゲート、27 シャッターシステム、30 感光素子、32 感光層、34 基板、36 撮像領域、38 光処理された素子、40 マイクロレンズアレイ、42 マイクロレンズ、41 受光面、43 集光面、44 集束部分、45 光軸、46 残留部分、47 見込み画像領域、48 集束画像領域、49 光軸と感光素子との交点、50 残留画像領域、51,53 光線、52 集束画像要素、54 残留画像、55 1つのマイクロレンズの投影領域に相当する面、60 光センサ、62 コントローラ、63 レンズ位置検出器、64 感光素子種別センサ、66 通信ヘッド、70 シーン輝度範囲、72 感光素子の実際のラチチュード、74 下限反応閾値、76 上限反応閾値、78 写真撮影素子に望ましいラチチュード、80 所望のラチチュードにおける下限反応閾値、82 所望のラチチュードにおける上限反応閾値、84 第1の露光範囲、86 第2の露光範囲、87 スペーサプレート、88 素子接触面、89 プレッシャプレート集合体、90 支持体。
Claims (3)
- カメラであって、
シーンからの光を合焦させるように調整された主レンズと、
マイクロレンズのアレイであって、前記アレイにおける各マイクロレンズが、前記主レンズからの光を受光する受光面および感光素子に対面する集光面を有しており、前記集光面が、前記受光した光を前記感光素子上に集束させるように調整されているマイクロレンズアレイと、
前記感光素子を前記集光面から離して配置するスペーサと、
前記シーンからの光を前記マイクロレンズアレイに制御可能に通過させるように調整されたシャッター集合体と、
を備えることを特徴とするカメラ。 - 画像を感光素子に記録するためのカメラであって、
シーンからの光を合焦させて撮像面に前記シーンの画像を形成するように調整された主レンズと、
前記シーンからの光を前記撮像面に制御可能に通過させるように調整されたシャッター集合体と、
マイクロレンズのアレイであって、各マイクロレンズが、前記主レンズからの光を受光するように調整された前記撮像面に配置された受光面を有するとともに、各マイクロレンズが、受光した光を合焦させて、近くの焦点距離と遠くの焦点距離との間に画像を形成するように調整された集光面を有するマイクロレンズアレイと、
前記感光素子を前記近くの焦点距離と遠くの焦点距離との間に、前記マイクロレンズにおける前記集光面から5〜1500マイクロメートルの間の距離をおいて配置するゲートと、
を備えることを特徴とするカメラ。 - 所定の露光の範囲内における光に露光されたときに画像を記録するための乳剤を有する感光素子に画像を記録するためのカメラであって、
シーンからの光を制御可能に入り込ませるとともに合焦させるためのアパーチャを備える主レンズシステムを有するカメラボディと、
前記感光素子を前記アパーチャに対面するように配置するように調整されたカメラ感光素子ゲートと、
前記アパーチャと前記感光素子ゲートとの間に配設されたマイクロレンズのアレイであって、前記アパーチャからの光を受光した上で、その受光した光を、集光面を経て前記感光素子まで通過させる受光面を有するアレイにおいて、前記集光面が、シーンからの光を、第1の部分と第2の部分に分離するように調整されており、露光強度が第1の範囲内であるときに、前記シーンからの光における第1の部分が集束されて前記感光素子における第1の領域に第1の画像を形成する一方で、前記シーンからの光が第2の範囲内であるときに、前記シーンからの光における第2の部分が前記感光素子上まで通過して前記感光素子における第2の領域に第2の画像を形成するマイクロレンズアレイと、
前記シーンからの光が所定の時間にわたって前記感光素子を露光することを制御可能に許容するシャッターであって、前記所定の時間は、前記シーンからの光が前記第2の範囲内であるときに前記感光素子における前記第2の領域に画像を形成するのに十分なように画定されているシャッターと、
を備えることを特徴とするカメラ。
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