JP2004151043A - 姿勢・位置計測装置、姿勢・位置計測方法、この方法のプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
姿勢・位置計測装置、姿勢・位置計測方法、この方法のプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】撮影環境に応じた時々刻々に運動する移動物体の微小な運動にも、運動物体またはカメラ視点の方位と位置と姿勢を正確に又は高精度に計測する。
【解決手段】車両などの移動手段に、測位センサをある幾何パターンに従って配置する。測位値計測部1は各測位センサから入力される測位値データを計測する。姿勢計測部4は測位値データから移動手段に関する姿勢を算出する。位置計測部5は測位値データから移動手段に関する位置を算出する。また、基準方位設定部2は真北などの基準となる方位方向を設定する。方位計測部3は測位値データと基準方位設定部から得られた基準方位との相対的な方位を算出する。
基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、基準面からの方位、姿勢、位置情報を求めることも含む。
【選択図】 図1
【解決手段】車両などの移動手段に、測位センサをある幾何パターンに従って配置する。測位値計測部1は各測位センサから入力される測位値データを計測する。姿勢計測部4は測位値データから移動手段に関する姿勢を算出する。位置計測部5は測位値データから移動手段に関する位置を算出する。また、基準方位設定部2は真北などの基準となる方位方向を設定する。方位計測部3は測位値データと基準方位設定部から得られた基準方位との相対的な方位を算出する。
基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、基準面からの方位、姿勢、位置情報を求めることも含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定した方位(例えば、真北の方向)と指定した方向からの物体(計測対象物)の姿勢を計測、または基準とする平面に対する物体の姿勢を計測し、さらに、指定した物体の位置を計測する計測・測量技術に関する。
【0002】
特に、本発明は、魚眼レンズ、双曲線ミラー、並びに、六角錐ミラーを利用した全方位カメラにおける視点(光学中心)の指定した面からの傾き、方位、並びに、視点の位置を計測・測量する技術において、好適に利用できるものである。
【0003】
【従来の技術】
物体の方位と姿勢を計測する手段として、ジャイロセンサが代表的であり、車両やヘリコプターなどに搭載されている。これらのジャイロセンサは、時々刻々と変化する方位または姿勢を計測可能であるが、車両並びにヘリコプターなどの移動手段は撮影環境に応じて微小に変動する場合がある。
【0004】
例えば、道路は常に理想的な平面ではなく、上り下り坂や微小に傾きが変化する坂があり、アスファルトのメンテナンスの頻度が多くなると路面は左右で微小に傾いていることがある。また、ヘリコプターは突風の影響を受ける可能性もあり、常にシームレスな計測が確保されているわけではなく、突風やビル風により変動する撮影・計測環境において、時々刻々変化する方位や姿勢を検出する必要がある。
【0005】
一方、コンピュータビジョンやロボットビジョンにおいて、カメラの姿勢は重要なカメラパラメータとして利用される。このためカメラ姿勢を正確に検出、推定する手法として、エピポーラ解析や因子分解法やモーションステレオによる動画像解析手法がある。また、外界の景観情報の全周囲景観を撮像する画像入力装置として全方位カメラが存在するが、全方位カメラの視点(光学的中心)に関する位置、方位、姿勢などのカメラパラメータ推定は全方位カメラを利用した空間測量や画像計測において重要なパラメータとなる。屋外計測において、D−GPS(Differential Global Positioning System)測位値などの高精度な位置情報で検出することが可能だが、物理的に、測位値を計測する位置とカメラの視点位置は異なっているため、測位値から視点位置を求めることは容易ではなかった。
【0006】
なお、カメラとセンサのキャリブレーション、またはセンサ統合にともなうキャリブレーションに関する技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この技術は、全方位カメラには適用できない。
【0007】
また、航空写真画像において、空間中の基準点(Spatial Control Point:SPC)を利用することにより、カメラ視点の位置及び姿勢を推定する技術が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この技術では、時々刻々と変化するカメラ視点の位置及び姿勢を検出することはできない。
【0008】
【非特許文献1】
趙卉菁、柴崎亮介、「車載型レーザ・CCD画像による3次元都市空間モデルの構築」、第7回画像センシングシンポジウム講演論文集、画像センシング技術研究会、2001年6月、p.65−70
【0009】
【非特許文献2】
石川裕治、宮川勲、有川知彦、「SCPを用いた航空写真画像のパラメータ推定」、2001年総合大会講演論文集−情報・システム2、電子情報通信学会、2001年3月、D−12−152,p.319
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
車両やヘリコプターなどの移動手段にカメラやセンサなどの計器類を搭載した屋外での移動撮影・計測は、市街地景観に関する空間データ収集の迅速性、空間情報に対する情報更新性に優れている。
【0011】
しかし、車両やヘリコプターは移動中において、撮影環境の影響を受けて微小な運動をする。このときの微小な運動をジャイロセンサなどのセンサを利用しても正確な運動として検出することは難しい。
【0012】
本発明の目的は、撮影環境に応じた時々刻々と変化する微小な運動にも、その方位と位置と姿勢を正確に又は高精度に計測できる姿勢・位置の計測装置、計測方法、この方法のプログラム、このプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0013】
次に、カメラなどの撮影機器を車両やヘリコプターなどの移動手段に搭載して、屋外などの環境で撮影するとき、カメラの視点、すなわち、光学的中心の位置と姿勢は、ジャイロセンサなどを利用した手段だけでは計測することは困難であった。
【0014】
本発明の他の目的は、センサ装置から計測した測位値データから、カメラ視点の方位と位置と姿勢を正確にまたは高精度に計測できる姿勢・位置の計測装置、計測方法、この方法のプログラム、このプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高精度に計測可能な複数の測位センサを、ある幾何パターンに従って計測対象(図9では車両)の物体に配置し、同時に、この幾何パターンから構成する重心位置にカメラなどの撮影機器を配置し、この複数の測位センサから得た測位値データから運動する物体(図9では車両)の位置情報と姿勢情報を求め、または、物体に取り付けたカメラ視点に関する位置と姿勢を計測する。
【0016】
例えば、図9に示すように、測位センサを車両の天井部分に設置して利用することにより、高精度な位置、並びに、姿勢を計測する。また、測位センサと全方位カメラなどの撮像装置を組み合わせることにより、車両と一体となって運動するカメラの視点位置、視点の姿勢を計測する。
【0017】
本発明により計測した位置情報と姿勢情報は、コンピュータビジョンにおけるカメラパラメータとして利用することができ、外界の物体の空間位置を高精度に計測する(空間計測、空間測量、車両を使った移動式測量)ことを可能とするもので、以下の装置、方法、プログラムおよび記録媒体を特徴とする。
【0018】
(装置の発明)
(1)車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0019】
(2)上記の(1)において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0020】
(3)上記の(1)または上記の(2)において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0021】
(4)車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期部と、
前記視点同期部のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測部と、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準水平設定部から得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0022】
(5)上記の(4)において、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0023】
(6)上記の(4)または上記の(5)において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0024】
(方法の発明)
(7)車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0025】
(8)上記の(7)において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0026】
(9)上記の(7)または上記の(8)において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0027】
(10)車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期過程と、
前記視点同期過程のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、
前記測位値計測過程と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測過程と、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準水平設定過程得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0028】
(11)上記の(10)において、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0029】
(12)上記の(10)または上記の(11)において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0030】
(プログラムの発明)
(13)上記の(7)〜(12)のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したことを特徴とする姿勢・位置計測方法のプログラム。
【0031】
(記録媒体の発明)
(14)上記の(7)〜(12)のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は請求項1、請求項2、並びに、請求項3等に対応する本実施形態の基本構成図である。同図は、測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部1、真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部2、測位値計測部1から得られた測位値データと基準方位設定部2から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測部3、測位値計測部1から得られた測位値データから姿勢を算出する姿勢計測部4、測位値計測部1から得られた測位値データから位置を算出する位置計測部5で構成される。
【0033】
姿勢情報記録部6は方位と姿勢計測部3、4から出力される計測データを記録する。また、位置情報記録部7は位置計測部5から出力される計測データを記録する。なお、記録せずに、テキスト形式、バイナリ形式でデータを直接出力してもよく、姿勢情報記録部6、並びに、位置情報を記録部7は、本発明の基本構成とするものではない。
【0034】
測位値計測部1の入力手段としては、複数の測位値計測装置(測位センサ)を必要とする。この測位値計測装置として、D−GPSセンサ装置を利用する場合を説明するが、他の測位値計測装置(例えば、RTK−GPS)を利用することも可能である。
【0035】
このとき、図3に示すような幾何的パターンに従って、測位値計測装置を配置する。図3(a)は正三角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(b)は正方形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(c)は正五角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(d)は正六角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合である。これら以外に、正N角形の各頂点や円周上の位置に配置する場合もある。
【0036】
これらの測位値計測装置を幾何パターンに配置したとき、各々のD−GPSセンサは同一面に設置されているものとする。また、各パターンにおける黒丸位置は各幾何パターンの形状の重心位置を表している。この実施形態では、黒丸の位置(重心位置)を求めることを位置の計測としている。以降では、図3(a)の場合について説明する。
【0037】
まず、基準となる方位を設定する。真北方向を基準位置としてもよいし、あるいは、図4に示すような初期状態における座標系に従って、X軸またはY軸を基準方位とする。この場合は、Y軸を基準位置とする。本発明での方位とは、この初期状態で設定した方向からの相対的な方位である。図4では、X1−Y1の座標系からXi−Yiの座標系への変化を示している。方位はX1−Y1の座標系からの回転角θiに対応する。
【0038】
一方、本発明での姿勢とは、Y軸の方向に物体が進行するとき、方位回転以外の他の回転、すなわち、Roll回転(図4ではY軸周りの回転)とPitch回転(図4ではX軸周りの回転)である。このときの姿勢は、海抜面を基準面としてもよいし、方位設定と同様に、初期状態での姿勢からの相対的な姿勢としてもよい。本実施形態では、海抜面からの傾きを姿勢とする。
【0039】
次に、物体の方位と姿勢が時々刻々変化するとき(時系列を表すサフィックスとしてiを使用)、3個のD−GPSセンサから、それぞれPi1=(Xi1,Yi1,Zi1)、Pi2=(Xi2,Yi2,Zi2)、Pi3=(Xi3,Yi3,Zi3)の測位値データを計測する。ただし、iはセンサを表すサフィックスである。
【0040】
これらの測位値データから、下記の式(1)に従って、位置情報Pi(Xi,Yi,Zi)を求める。さらに、式(2)に従って値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θiは初期状態での方位である。値χiはPitch回転の回転角であり、値ωiはRoll回転の回転角である。このようにして得られた方位・姿勢情報、並びに位置情報は、各記録部において逐次記録される。
【0041】
【数1】
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】
(実施形態2)
図2は、請求項4、請求項5、請求項6等に対応する本実施形態の構成図である。本実施形態は、実施形態1において、カメラなどの撮像装置を組み合わせて、カメラ視点に関する方位、姿勢、位置を計測する。カメラの例として、等距離射影で設計された魚眼レンズを利用した全方位カメラ撮像装置の場合を説明するが、その他の射影で設計された魚眼レンズを利用した全方位カメラ、双曲線ミラーや六角錐ミラーなどのミラー投影型で設計した全方位カメラ、さらに、通常のカメラ(NTSCビデオカメラ、HDカメラ、ディジタルスチルカメラ)であっても構わない。
【0047】
図2は、全方位カメラが撮像するタイミングで測位値データを取得するための視点同期部11、カメラキャリブレーション時のサンプル点の座標を設定するサンプル点座標設定部12、サンプル点の画像座標値を得るための画像座標値計測部13、視点同期部11のタイミングで映像を取得する映像取得部14、視点同期部11からのタイミングに応じて測位値を計測する測位値計測部15、真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部16、測位値計測部15から得られた測位値データと基準方位設定部16から得られた基準とする方位とからの相対的な方位を算出するカメラ視点方位計測部17、測位値計測部15から得られた測位値データからカメラ視点姿勢を算出する視点姿勢計測部18、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定部19、測位値計測部15から得られた測位値データから視点位置を算出する視点位置計測部20から構成される。
【0048】
視点姿勢情報記録部21は計測部17、18からの計測データを記録する。また、視点位置情報記録部22は計測部20からの計測データを記録する。なお、記録せずに、テキスト形式、バイナリ形式でデータを直接出力してもよく、視点姿勢情報記録部21、並びに、指定位置情報記録部22は、本発明の基本構成とするものでない。また、視点同期部11は映像・情報との対応付けを行うためだけのものであり、同期した瞬間のみに測位値データを取得するというものではない。すなわち、映像取得した時間を記憶しておき、その時間のときの方位、姿勢、位置を記録することもできる。
【0049】
まず、全方位カメラ視点は図4での黒丸位置の重心位置になるように位置合わせを行う。垂直位置合わせはD−GPSセンサが張る平面の高さに合わせておき、水平の位置合わせは、サンプル点座標設定部12、画像座標値計測部13、基準水平面設定部19、並びに、視点方位設定部16においてカメラキャリブレーションする。図5は、その処理フローである。
【0050】
サンプル点座標設定S1では、図6に示す格子状に配置したサンプル点を全方位カメラの周囲に設置する。この設置は、カメラキャリブレーション時に一度行うもので、通常の撮影・計測時にはサンプル点の設置を外しておく。各サンプル点はXYZ方向にそれぞれR/4(正三角形の外接円の直径をRとした場合)の距離だけ離れている。図6には、全方位カメラの周囲に80点配置してある。これらのサンプル点の各座標値をPj=(Xj,Yj,Zj);j=1,2,…,80とする。また、初期値として、全方位カメラの位置をT=(Xd,Yd,Zd)、回転行列として、χc=0,ωc=0,θc=0とする。
【0051】
次に、単位球面座標値計算S2では、下記の式(6)〜(9)を使って、全サンプル点に対して、(j=1,2,…,80)、単位球面座標値(Uj,Vj,Wj)を得る。但し、式(6)の右辺分母における「|| ||」は、ベクトルのノルムまたは大きさを意味している。さらに、内部パラメータ設定S3では、内部パラメータとして、焦点距離f、比例定数D、射影中心(Cx,Cy)を与え、射影座標値計算S4では式(10)、式(11)または式(12)により、射影座標値(xj,yj);j=1,2,…,80を算出する。
【0052】
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】
【数9】
【0056】
【数10】
【0057】
【数11】
【0058】
【数12】
【0059】
一方、映像取得S5では、全方位カメラで撮影したサンプル点の映像を取得し、画像座標値計測S6では映像取得S5で取得した全方位画像からサンプル点の画像座標値(xj’,yj’)を得る。ここで、全方位カメラをD−GPSセンサが形成する平面上に設置したとき、その平面と平行に設置されているかを射影座標値と画像座標値との誤差により検出することができるため、誤差計測S7では下記の式(13)に従って、誤差δを求める。
【0060】
【数13】
【0061】
誤差判定S8では、誤差δが許容値ε以下にあるか否かを判定する。この判定で、誤差δが許容値εよりも大きいとき、カメラ位置変更S9では、カメラ位置変更を行う。このカメラ位置変更で撮影した映像を元に、再び映像取得と画像座標値計測と誤差計測および誤差判定という繰り返しを行い、最終的に誤差δが許容値ε以下を得る。
【0062】
なお、この誤差δを最小にする方法としては、ニューラルネット、遺伝的アルゴリズム、または、Powell法などの多次元方向集合の最適化法(下記の文献1を参照)により、図7に示す全方位カメラ位置T、並びに、図7の各軸周りの回転角χc,ωc,θcを求め、この最適化処理により得られた並進移動量T分だけ、カメラを平行移動させ、さらに、各軸周りに回転角χc,ωc,θc分だけ回転させることができる。
【0063】
文献1「William H.Press,Saul A.Teukolsky,William T.Vetterling,Brian P.Flannery “Numerical Recipes in C,”p.299−306、
(日本語版)丹慶勝市、奥村晴彦、佐藤俊郎、小林誠(訳)、技術評論社、−10.5 多次元の方向集合(Powell)法−,C言語による数値計算のレシピ」
以上のような手法により、全方位カメラの視点を正三角形の重心位置に精密に合わせることができ、正三角形の面に対して正確に平行に全方位カメラを設置する。
【0064】
以上が、サンプル点座標設定部12、画像座標値計測部13、基準方位設定部16、並びに、基準水平設定部19による位置合わせの処理内容である。
【0065】
以降、実施形態1と同様に、時々刻々と位置と方位と姿勢が変化する中で、3個のD−GPSセンサから、それぞれPi1=(Xi1,Yi1,Zi1,)、Pi2=(Xi2,Yi2,Zi2)、Pi3=(Xi3,Yi3,Zi3)の測位値データを計測し、式(1)に従って、位置情報P(Xi,Yi,Zi)を求める。さらに、式(2)に従って値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θ1は初期状態での方位である。値χiはRoll回転の回転角であり、値ωiはPitch回転の回転角である。このようにして得られた方位、姿勢情報、並びに、位置情報は、情報記録部21、22において逐次記録される。
【0066】
図8は、全方位カメラの視点に関する方位、姿勢、位置情報を算出する処理フローであり、図2に示す装置に対応する。
【0067】
図5の処理フローでカメラ位置と姿勢を調整したとき、基準となる方位、または、姿勢を初期状態において算出しておき、以降の状態では、この方位、または姿勢からの相対的な方位、または姿勢を求める。このときの処理フローを図8に示す。
【0068】
まず、初期状態かどうかの判定を行い(S11)、初期状態の場合は、現状態での測位置を計測し(S12)、式(2)を使って基準面の法線ベクトル(α1,β1,γ1)を得る。次いで、各軸まわりの回転角ω1,χ1,θ1を式(3)〜式(5)を使って求める(S13)。このときの回転角ω1,χ1,θ1を基準面とする面の姿勢情報として記憶しておく(S14)。
【0069】
次に、初期状態以外の場合、同様に測位値計測を行い、式(2)により各状態の法線ベクトル(α1,β1,γ1)を求め(S15)、これから視点位置を算出する(S16)。
【0070】
さらに式(3)〜式(5)による各軸まわりの回転角ω1,χ1,θ1を得(S17)、さらに、記憶しておいた基準面に関する姿勢情報から、χi−χ1,ωi−ω1,θi−θ1になる初期状態からの相対的な回転角を求め、これをカメラ視点の方位、姿勢情報として算出し(S18)、さらに式(1)によりカメラ視点の位置情報を得て各記録部にて視点に関する姿勢情報と位置情報を記録する(S19)。
【0071】
図9は、本発明を車両に搭載した場合の応用形態になる装置構成図であり、図2の各部と同等のものは同一符号で示している。車両を使った屋外撮影におけるカメラ姿勢の推定は重要な課題であり、屋外撮影特有のカメラ振動は避けられない。
【0072】
図10は、車両天井、または、荷台に全方位カメラとD−GPSアンテナを設置した場合のレイアウトを示している。使用するD−GPSの個数を4個としており、全方位カメラの個数を2個としている。全方位カメラを2個取り付けて、屋外景観を撮影する実用例では、全方位ステレオ視などの計測技術に応用することができるため、アームなどにより4個のD−GPSセンサ装置を長方形に取り付ける。
【0073】
例えば、マイクロバスなどは天井が長方形のように広いので、その平面性を本発明の姿勢・位置計測装置に利用することができる。また、全方位カメラ31はD−GPSセンサ装置33とGPSセンサ装置34を結ぶ直線上、かつ二等分する位置に取付け、全方位カメラ32はD−GPSセンサ装置35とD−GPSセンサ装置36を結ぶ直線上、かつ、二等分する位置に取り付ける。
【0074】
この取り付けは、実施形態2で説明したカメラキャリブレーションのときに、重心位置ではなく、この二等分位置になるように調整することで実現できる。この設置状態で、カメラ姿勢と方位は、4個のD−GPSセンサ装置33〜36から出力される位置情報から、下記の式(14)により値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θiは初期状態での方位である。値χiはPitch回転の回転角であり、値ωiはRoll回転の回転角である。また、2つのカメラ視点位置情報は、全方位カメラ31の位置C1=(X(c1) i,Y(c1) i,Z(c1) i)は式(15)から、全方位カメラ32の位置C2=(X(c2) i,Y(c2) i,Z(c2) i)は式(16)からそれぞれ取得する。
【0075】
【数14】
【0076】
【数15】
【0077】
【数16】
【0078】
なお、以上までの実施形態における装置または方法は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、屋外撮影時の微小な振動に対しても、移動物体の位置、方位、姿勢を高精度に計測でき、カメラや測量装置を取り付けた車両を使ったモービルマッピングでは、車両を剛体としたときの運動、並びに、全方位カメラ視点に関する姿勢、方位、位置を正確に又は高精度に求めることができ、屋外景観の測量、計測などにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す構成図。
【図2】本発明の実施形態2を示す構成図。
【図3】D−GPSセンサの幾何的パターンに基づく配置例。
【図4】初期状態での基準方位の設定を説明する図。
【図5】実施形態2における全方位カメラ視点のキャリブレーション処理フロー。
【図6】サンプル点設定を示す図。
【図7】カメラ位置変更を示す図。
【図8】実施形態2における全方位カメラ視点に関する方位、姿勢、位置情報の取得処理フロー。
【図9】本発明の装置を車両へ搭載した場合の応用形態。
【図10】本発明の装置を車両へ搭載した場合の配置例。
【符号の説明】
1…測位値計測部
2…基準方位設定部
3…方位計測部
4…姿勢計測部
5…位置計測部
6…姿勢情報記録部
7…位置情報記録部
11…視点同期部
12…サンプル点座標設定部
13…画像座標値計測部
14…映像取得部
15…測位値計測部
16…基準方位設定部
17…視点方位計測部
18…視点姿勢計測部
19…基準水平設定部
20…視点位置計測部
21…視点姿勢情報記録部
22…姿勢位置情報記録部
【発明の属する技術分野】
本発明は、指定した方位(例えば、真北の方向)と指定した方向からの物体(計測対象物)の姿勢を計測、または基準とする平面に対する物体の姿勢を計測し、さらに、指定した物体の位置を計測する計測・測量技術に関する。
【0002】
特に、本発明は、魚眼レンズ、双曲線ミラー、並びに、六角錐ミラーを利用した全方位カメラにおける視点(光学中心)の指定した面からの傾き、方位、並びに、視点の位置を計測・測量する技術において、好適に利用できるものである。
【0003】
【従来の技術】
物体の方位と姿勢を計測する手段として、ジャイロセンサが代表的であり、車両やヘリコプターなどに搭載されている。これらのジャイロセンサは、時々刻々と変化する方位または姿勢を計測可能であるが、車両並びにヘリコプターなどの移動手段は撮影環境に応じて微小に変動する場合がある。
【0004】
例えば、道路は常に理想的な平面ではなく、上り下り坂や微小に傾きが変化する坂があり、アスファルトのメンテナンスの頻度が多くなると路面は左右で微小に傾いていることがある。また、ヘリコプターは突風の影響を受ける可能性もあり、常にシームレスな計測が確保されているわけではなく、突風やビル風により変動する撮影・計測環境において、時々刻々変化する方位や姿勢を検出する必要がある。
【0005】
一方、コンピュータビジョンやロボットビジョンにおいて、カメラの姿勢は重要なカメラパラメータとして利用される。このためカメラ姿勢を正確に検出、推定する手法として、エピポーラ解析や因子分解法やモーションステレオによる動画像解析手法がある。また、外界の景観情報の全周囲景観を撮像する画像入力装置として全方位カメラが存在するが、全方位カメラの視点(光学的中心)に関する位置、方位、姿勢などのカメラパラメータ推定は全方位カメラを利用した空間測量や画像計測において重要なパラメータとなる。屋外計測において、D−GPS(Differential Global Positioning System)測位値などの高精度な位置情報で検出することが可能だが、物理的に、測位値を計測する位置とカメラの視点位置は異なっているため、測位値から視点位置を求めることは容易ではなかった。
【0006】
なお、カメラとセンサのキャリブレーション、またはセンサ統合にともなうキャリブレーションに関する技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この技術は、全方位カメラには適用できない。
【0007】
また、航空写真画像において、空間中の基準点(Spatial Control Point:SPC)を利用することにより、カメラ視点の位置及び姿勢を推定する技術が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この技術では、時々刻々と変化するカメラ視点の位置及び姿勢を検出することはできない。
【0008】
【非特許文献1】
趙卉菁、柴崎亮介、「車載型レーザ・CCD画像による3次元都市空間モデルの構築」、第7回画像センシングシンポジウム講演論文集、画像センシング技術研究会、2001年6月、p.65−70
【0009】
【非特許文献2】
石川裕治、宮川勲、有川知彦、「SCPを用いた航空写真画像のパラメータ推定」、2001年総合大会講演論文集−情報・システム2、電子情報通信学会、2001年3月、D−12−152,p.319
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
車両やヘリコプターなどの移動手段にカメラやセンサなどの計器類を搭載した屋外での移動撮影・計測は、市街地景観に関する空間データ収集の迅速性、空間情報に対する情報更新性に優れている。
【0011】
しかし、車両やヘリコプターは移動中において、撮影環境の影響を受けて微小な運動をする。このときの微小な運動をジャイロセンサなどのセンサを利用しても正確な運動として検出することは難しい。
【0012】
本発明の目的は、撮影環境に応じた時々刻々と変化する微小な運動にも、その方位と位置と姿勢を正確に又は高精度に計測できる姿勢・位置の計測装置、計測方法、この方法のプログラム、このプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0013】
次に、カメラなどの撮影機器を車両やヘリコプターなどの移動手段に搭載して、屋外などの環境で撮影するとき、カメラの視点、すなわち、光学的中心の位置と姿勢は、ジャイロセンサなどを利用した手段だけでは計測することは困難であった。
【0014】
本発明の他の目的は、センサ装置から計測した測位値データから、カメラ視点の方位と位置と姿勢を正確にまたは高精度に計測できる姿勢・位置の計測装置、計測方法、この方法のプログラム、このプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高精度に計測可能な複数の測位センサを、ある幾何パターンに従って計測対象(図9では車両)の物体に配置し、同時に、この幾何パターンから構成する重心位置にカメラなどの撮影機器を配置し、この複数の測位センサから得た測位値データから運動する物体(図9では車両)の位置情報と姿勢情報を求め、または、物体に取り付けたカメラ視点に関する位置と姿勢を計測する。
【0016】
例えば、図9に示すように、測位センサを車両の天井部分に設置して利用することにより、高精度な位置、並びに、姿勢を計測する。また、測位センサと全方位カメラなどの撮像装置を組み合わせることにより、車両と一体となって運動するカメラの視点位置、視点の姿勢を計測する。
【0017】
本発明により計測した位置情報と姿勢情報は、コンピュータビジョンにおけるカメラパラメータとして利用することができ、外界の物体の空間位置を高精度に計測する(空間計測、空間測量、車両を使った移動式測量)ことを可能とするもので、以下の装置、方法、プログラムおよび記録媒体を特徴とする。
【0018】
(装置の発明)
(1)車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0019】
(2)上記の(1)において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0020】
(3)上記の(1)または上記の(2)において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0021】
(4)車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期部と、
前記視点同期部のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測部と、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準水平設定部から得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0022】
(5)上記の(4)において、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0023】
(6)上記の(4)または上記の(5)において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。
【0024】
(方法の発明)
(7)車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0025】
(8)上記の(7)において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0026】
(9)上記の(7)または上記の(8)において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0027】
(10)車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期過程と、
前記視点同期過程のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、
前記測位値計測過程と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測過程と、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準水平設定過程得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0028】
(11)上記の(10)において、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0029】
(12)上記の(10)または上記の(11)において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。
【0030】
(プログラムの発明)
(13)上記の(7)〜(12)のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したことを特徴とする姿勢・位置計測方法のプログラム。
【0031】
(記録媒体の発明)
(14)上記の(7)〜(12)のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は請求項1、請求項2、並びに、請求項3等に対応する本実施形態の基本構成図である。同図は、測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部1、真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部2、測位値計測部1から得られた測位値データと基準方位設定部2から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測部3、測位値計測部1から得られた測位値データから姿勢を算出する姿勢計測部4、測位値計測部1から得られた測位値データから位置を算出する位置計測部5で構成される。
【0033】
姿勢情報記録部6は方位と姿勢計測部3、4から出力される計測データを記録する。また、位置情報記録部7は位置計測部5から出力される計測データを記録する。なお、記録せずに、テキスト形式、バイナリ形式でデータを直接出力してもよく、姿勢情報記録部6、並びに、位置情報を記録部7は、本発明の基本構成とするものではない。
【0034】
測位値計測部1の入力手段としては、複数の測位値計測装置(測位センサ)を必要とする。この測位値計測装置として、D−GPSセンサ装置を利用する場合を説明するが、他の測位値計測装置(例えば、RTK−GPS)を利用することも可能である。
【0035】
このとき、図3に示すような幾何的パターンに従って、測位値計測装置を配置する。図3(a)は正三角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(b)は正方形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(c)は正五角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合を、図3(d)は正六角形の各頂点(白丸の部分)にD−GPSセンサを設置する場合である。これら以外に、正N角形の各頂点や円周上の位置に配置する場合もある。
【0036】
これらの測位値計測装置を幾何パターンに配置したとき、各々のD−GPSセンサは同一面に設置されているものとする。また、各パターンにおける黒丸位置は各幾何パターンの形状の重心位置を表している。この実施形態では、黒丸の位置(重心位置)を求めることを位置の計測としている。以降では、図3(a)の場合について説明する。
【0037】
まず、基準となる方位を設定する。真北方向を基準位置としてもよいし、あるいは、図4に示すような初期状態における座標系に従って、X軸またはY軸を基準方位とする。この場合は、Y軸を基準位置とする。本発明での方位とは、この初期状態で設定した方向からの相対的な方位である。図4では、X1−Y1の座標系からXi−Yiの座標系への変化を示している。方位はX1−Y1の座標系からの回転角θiに対応する。
【0038】
一方、本発明での姿勢とは、Y軸の方向に物体が進行するとき、方位回転以外の他の回転、すなわち、Roll回転(図4ではY軸周りの回転)とPitch回転(図4ではX軸周りの回転)である。このときの姿勢は、海抜面を基準面としてもよいし、方位設定と同様に、初期状態での姿勢からの相対的な姿勢としてもよい。本実施形態では、海抜面からの傾きを姿勢とする。
【0039】
次に、物体の方位と姿勢が時々刻々変化するとき(時系列を表すサフィックスとしてiを使用)、3個のD−GPSセンサから、それぞれPi1=(Xi1,Yi1,Zi1)、Pi2=(Xi2,Yi2,Zi2)、Pi3=(Xi3,Yi3,Zi3)の測位値データを計測する。ただし、iはセンサを表すサフィックスである。
【0040】
これらの測位値データから、下記の式(1)に従って、位置情報Pi(Xi,Yi,Zi)を求める。さらに、式(2)に従って値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θiは初期状態での方位である。値χiはPitch回転の回転角であり、値ωiはRoll回転の回転角である。このようにして得られた方位・姿勢情報、並びに位置情報は、各記録部において逐次記録される。
【0041】
【数1】
【0042】
【数2】
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】
(実施形態2)
図2は、請求項4、請求項5、請求項6等に対応する本実施形態の構成図である。本実施形態は、実施形態1において、カメラなどの撮像装置を組み合わせて、カメラ視点に関する方位、姿勢、位置を計測する。カメラの例として、等距離射影で設計された魚眼レンズを利用した全方位カメラ撮像装置の場合を説明するが、その他の射影で設計された魚眼レンズを利用した全方位カメラ、双曲線ミラーや六角錐ミラーなどのミラー投影型で設計した全方位カメラ、さらに、通常のカメラ(NTSCビデオカメラ、HDカメラ、ディジタルスチルカメラ)であっても構わない。
【0047】
図2は、全方位カメラが撮像するタイミングで測位値データを取得するための視点同期部11、カメラキャリブレーション時のサンプル点の座標を設定するサンプル点座標設定部12、サンプル点の画像座標値を得るための画像座標値計測部13、視点同期部11のタイミングで映像を取得する映像取得部14、視点同期部11からのタイミングに応じて測位値を計測する測位値計測部15、真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部16、測位値計測部15から得られた測位値データと基準方位設定部16から得られた基準とする方位とからの相対的な方位を算出するカメラ視点方位計測部17、測位値計測部15から得られた測位値データからカメラ視点姿勢を算出する視点姿勢計測部18、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定部19、測位値計測部15から得られた測位値データから視点位置を算出する視点位置計測部20から構成される。
【0048】
視点姿勢情報記録部21は計測部17、18からの計測データを記録する。また、視点位置情報記録部22は計測部20からの計測データを記録する。なお、記録せずに、テキスト形式、バイナリ形式でデータを直接出力してもよく、視点姿勢情報記録部21、並びに、指定位置情報記録部22は、本発明の基本構成とするものでない。また、視点同期部11は映像・情報との対応付けを行うためだけのものであり、同期した瞬間のみに測位値データを取得するというものではない。すなわち、映像取得した時間を記憶しておき、その時間のときの方位、姿勢、位置を記録することもできる。
【0049】
まず、全方位カメラ視点は図4での黒丸位置の重心位置になるように位置合わせを行う。垂直位置合わせはD−GPSセンサが張る平面の高さに合わせておき、水平の位置合わせは、サンプル点座標設定部12、画像座標値計測部13、基準水平面設定部19、並びに、視点方位設定部16においてカメラキャリブレーションする。図5は、その処理フローである。
【0050】
サンプル点座標設定S1では、図6に示す格子状に配置したサンプル点を全方位カメラの周囲に設置する。この設置は、カメラキャリブレーション時に一度行うもので、通常の撮影・計測時にはサンプル点の設置を外しておく。各サンプル点はXYZ方向にそれぞれR/4(正三角形の外接円の直径をRとした場合)の距離だけ離れている。図6には、全方位カメラの周囲に80点配置してある。これらのサンプル点の各座標値をPj=(Xj,Yj,Zj);j=1,2,…,80とする。また、初期値として、全方位カメラの位置をT=(Xd,Yd,Zd)、回転行列として、χc=0,ωc=0,θc=0とする。
【0051】
次に、単位球面座標値計算S2では、下記の式(6)〜(9)を使って、全サンプル点に対して、(j=1,2,…,80)、単位球面座標値(Uj,Vj,Wj)を得る。但し、式(6)の右辺分母における「|| ||」は、ベクトルのノルムまたは大きさを意味している。さらに、内部パラメータ設定S3では、内部パラメータとして、焦点距離f、比例定数D、射影中心(Cx,Cy)を与え、射影座標値計算S4では式(10)、式(11)または式(12)により、射影座標値(xj,yj);j=1,2,…,80を算出する。
【0052】
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】
【数9】
【0056】
【数10】
【0057】
【数11】
【0058】
【数12】
【0059】
一方、映像取得S5では、全方位カメラで撮影したサンプル点の映像を取得し、画像座標値計測S6では映像取得S5で取得した全方位画像からサンプル点の画像座標値(xj’,yj’)を得る。ここで、全方位カメラをD−GPSセンサが形成する平面上に設置したとき、その平面と平行に設置されているかを射影座標値と画像座標値との誤差により検出することができるため、誤差計測S7では下記の式(13)に従って、誤差δを求める。
【0060】
【数13】
【0061】
誤差判定S8では、誤差δが許容値ε以下にあるか否かを判定する。この判定で、誤差δが許容値εよりも大きいとき、カメラ位置変更S9では、カメラ位置変更を行う。このカメラ位置変更で撮影した映像を元に、再び映像取得と画像座標値計測と誤差計測および誤差判定という繰り返しを行い、最終的に誤差δが許容値ε以下を得る。
【0062】
なお、この誤差δを最小にする方法としては、ニューラルネット、遺伝的アルゴリズム、または、Powell法などの多次元方向集合の最適化法(下記の文献1を参照)により、図7に示す全方位カメラ位置T、並びに、図7の各軸周りの回転角χc,ωc,θcを求め、この最適化処理により得られた並進移動量T分だけ、カメラを平行移動させ、さらに、各軸周りに回転角χc,ωc,θc分だけ回転させることができる。
【0063】
文献1「William H.Press,Saul A.Teukolsky,William T.Vetterling,Brian P.Flannery “Numerical Recipes in C,”p.299−306、
(日本語版)丹慶勝市、奥村晴彦、佐藤俊郎、小林誠(訳)、技術評論社、−10.5 多次元の方向集合(Powell)法−,C言語による数値計算のレシピ」
以上のような手法により、全方位カメラの視点を正三角形の重心位置に精密に合わせることができ、正三角形の面に対して正確に平行に全方位カメラを設置する。
【0064】
以上が、サンプル点座標設定部12、画像座標値計測部13、基準方位設定部16、並びに、基準水平設定部19による位置合わせの処理内容である。
【0065】
以降、実施形態1と同様に、時々刻々と位置と方位と姿勢が変化する中で、3個のD−GPSセンサから、それぞれPi1=(Xi1,Yi1,Zi1,)、Pi2=(Xi2,Yi2,Zi2)、Pi3=(Xi3,Yi3,Zi3)の測位値データを計測し、式(1)に従って、位置情報P(Xi,Yi,Zi)を求める。さらに、式(2)に従って値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θ1は初期状態での方位である。値χiはRoll回転の回転角であり、値ωiはPitch回転の回転角である。このようにして得られた方位、姿勢情報、並びに、位置情報は、情報記録部21、22において逐次記録される。
【0066】
図8は、全方位カメラの視点に関する方位、姿勢、位置情報を算出する処理フローであり、図2に示す装置に対応する。
【0067】
図5の処理フローでカメラ位置と姿勢を調整したとき、基準となる方位、または、姿勢を初期状態において算出しておき、以降の状態では、この方位、または姿勢からの相対的な方位、または姿勢を求める。このときの処理フローを図8に示す。
【0068】
まず、初期状態かどうかの判定を行い(S11)、初期状態の場合は、現状態での測位置を計測し(S12)、式(2)を使って基準面の法線ベクトル(α1,β1,γ1)を得る。次いで、各軸まわりの回転角ω1,χ1,θ1を式(3)〜式(5)を使って求める(S13)。このときの回転角ω1,χ1,θ1を基準面とする面の姿勢情報として記憶しておく(S14)。
【0069】
次に、初期状態以外の場合、同様に測位値計測を行い、式(2)により各状態の法線ベクトル(α1,β1,γ1)を求め(S15)、これから視点位置を算出する(S16)。
【0070】
さらに式(3)〜式(5)による各軸まわりの回転角ω1,χ1,θ1を得(S17)、さらに、記憶しておいた基準面に関する姿勢情報から、χi−χ1,ωi−ω1,θi−θ1になる初期状態からの相対的な回転角を求め、これをカメラ視点の方位、姿勢情報として算出し(S18)、さらに式(1)によりカメラ視点の位置情報を得て各記録部にて視点に関する姿勢情報と位置情報を記録する(S19)。
【0071】
図9は、本発明を車両に搭載した場合の応用形態になる装置構成図であり、図2の各部と同等のものは同一符号で示している。車両を使った屋外撮影におけるカメラ姿勢の推定は重要な課題であり、屋外撮影特有のカメラ振動は避けられない。
【0072】
図10は、車両天井、または、荷台に全方位カメラとD−GPSアンテナを設置した場合のレイアウトを示している。使用するD−GPSの個数を4個としており、全方位カメラの個数を2個としている。全方位カメラを2個取り付けて、屋外景観を撮影する実用例では、全方位ステレオ視などの計測技術に応用することができるため、アームなどにより4個のD−GPSセンサ装置を長方形に取り付ける。
【0073】
例えば、マイクロバスなどは天井が長方形のように広いので、その平面性を本発明の姿勢・位置計測装置に利用することができる。また、全方位カメラ31はD−GPSセンサ装置33とGPSセンサ装置34を結ぶ直線上、かつ二等分する位置に取付け、全方位カメラ32はD−GPSセンサ装置35とD−GPSセンサ装置36を結ぶ直線上、かつ、二等分する位置に取り付ける。
【0074】
この取り付けは、実施形態2で説明したカメラキャリブレーションのときに、重心位置ではなく、この二等分位置になるように調整することで実現できる。この設置状態で、カメラ姿勢と方位は、4個のD−GPSセンサ装置33〜36から出力される位置情報から、下記の式(14)により値αi、βi、γiを求め、式(3)から式(5)により値χi、ωi、θiを求める。ここで、θiは初期状態での方位である。値χiはPitch回転の回転角であり、値ωiはRoll回転の回転角である。また、2つのカメラ視点位置情報は、全方位カメラ31の位置C1=(X(c1) i,Y(c1) i,Z(c1) i)は式(15)から、全方位カメラ32の位置C2=(X(c2) i,Y(c2) i,Z(c2) i)は式(16)からそれぞれ取得する。
【0075】
【数14】
【0076】
【数15】
【0077】
【数16】
【0078】
なお、以上までの実施形態における装置または方法は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、屋外撮影時の微小な振動に対しても、移動物体の位置、方位、姿勢を高精度に計測でき、カメラや測量装置を取り付けた車両を使ったモービルマッピングでは、車両を剛体としたときの運動、並びに、全方位カメラ視点に関する姿勢、方位、位置を正確に又は高精度に求めることができ、屋外景観の測量、計測などにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す構成図。
【図2】本発明の実施形態2を示す構成図。
【図3】D−GPSセンサの幾何的パターンに基づく配置例。
【図4】初期状態での基準方位の設定を説明する図。
【図5】実施形態2における全方位カメラ視点のキャリブレーション処理フロー。
【図6】サンプル点設定を示す図。
【図7】カメラ位置変更を示す図。
【図8】実施形態2における全方位カメラ視点に関する方位、姿勢、位置情報の取得処理フロー。
【図9】本発明の装置を車両へ搭載した場合の応用形態。
【図10】本発明の装置を車両へ搭載した場合の配置例。
【符号の説明】
1…測位値計測部
2…基準方位設定部
3…方位計測部
4…姿勢計測部
5…位置計測部
6…姿勢情報記録部
7…位置情報記録部
11…視点同期部
12…サンプル点座標設定部
13…画像座標値計測部
14…映像取得部
15…測位値計測部
16…基準方位設定部
17…視点方位計測部
18…視点姿勢計測部
19…基準水平設定部
20…視点位置計測部
21…視点姿勢情報記録部
22…姿勢位置情報記録部
Claims (14)
- 車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 請求項1において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測装置であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期部と、
前記視点同期部のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測部と、
前記測位値計測部と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測部と、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準水平設定部から得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 請求項4において、
前記画像座標値計測部で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定部と、
前記測位値計測部から得られた測位値データと前記基準方位設定部から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測部と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 請求項4または請求項5において、
前記基準方位設定部は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測部は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測部は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測装置。 - 車両やヘリコプターなどの移動手段に、緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、前記移動手段の姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する姿勢を算出する姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記移動手段に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 請求項7において、
真北などの基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準となる方位との相対的な方位を算出する方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 請求項7または請求項8において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記移動手段に関する方位情報を求め、
前記姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する姿勢情報を求め、
前記位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記移動手段に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 車両やヘリコプターなどの移動手段に、全方位カメラを搭載し、さらに緯度経度値、標高値などの地理的位置を測位することが可能な複数の測位センサをある幾何パターンに従って配置し、全方位カメラの姿勢と位置を計測する姿勢・位置計測方法であって、
前記全方位カメラが撮像するタイミングと、前記各測位センサから取得する測位値データを同期させるための視点同期過程と、
前記視点同期過程のタイミングで、前記各測位センサから入力される測位値データを計測する測位値計測過程と、
前記測位値計測過程と同期して前記全方位カメラが撮像した映像中のサンプル点の画像座標値を計測する画像座標値計測過程と、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、全方位カメラの水平となる基準面を設定する基準水平設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準水平設定過程から得られた基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢を算出する視点姿勢計測過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データから前記全方位カメラ視点に関する位置を算出する位置計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 請求項10において、
前記画像座標値計測過程で計測した画像座標値から、基準となる方位方向を設定する基準方位設定過程と、
前記測位値計測過程から得られた測位値データと前記基準方位設定過程から得られた基準とする方位とから、前記全方位カメラ視点の相対的な方位を算出する視点方位計測過程と、
を備えたことを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 請求項10または請求項11において、
前記基準方位設定過程は、ある基準方向、または、ある基準平面とする基準面を設定し、
前記視点方位計測過程は、前記基準方向あるいは基準面からの前記全方位カメラ視点に関する方位情報を求め、
前記視点姿勢計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する姿勢情報を求め、
前記視点位置計測過程は、前記基準方向あるいは基準面に対する前記全方位カメラ視点に関する位置情報を求めることを特徴とする姿勢・位置計測方法。 - 請求項7〜12のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したことを特徴とする姿勢・位置計測方法のプログラム。
- 請求項7〜12のいずれか1項の姿勢・位置計測方法を、コンピュータで実行可能に構成したプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2002319232A JP2004151043A (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 姿勢・位置計測装置、姿勢・位置計測方法、この方法のプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002319232A JP2004151043A (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 姿勢・位置計測装置、姿勢・位置計測方法、この方法のプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 |
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JP2004151043A true JP2004151043A (ja) | 2004-05-27 |
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ID=32462135
Family Applications (1)
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JP2002319232A Pending JP2004151043A (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 姿勢・位置計測装置、姿勢・位置計測方法、この方法のプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010038822A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Topcon Corp | Gps付全方位カメラ及び空間データ収集装置 |
US9733080B2 (en) | 2009-10-02 | 2017-08-15 | Kabushiki Kaisha Topcon | Wide-angle image pickup unit and measuring device |
-
2002
- 2002-11-01 JP JP2002319232A patent/JP2004151043A/ja active Pending
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JP2010038822A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Topcon Corp | Gps付全方位カメラ及び空間データ収集装置 |
US7982665B2 (en) | 2008-08-07 | 2011-07-19 | Kabushiki Kaisha Topcon | GPS-installed all-azimuth camera and spatial data collecting device |
US9733080B2 (en) | 2009-10-02 | 2017-08-15 | Kabushiki Kaisha Topcon | Wide-angle image pickup unit and measuring device |
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