JP2004150514A - Prime motor supporting device and prime motor supporting structure - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される原動機を車体側に支持させる原動機支持装置及び原動機支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の原動機支持装置を備えた原動機支持構造として、原動機支持装置に、筒状の筐体を長手方向に移動するピストンと、このピストンと原動機とに接続されるロッドとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この原動機支持装置は、原動機が振動すると、原動機とともにロッドが移動し、圧油が封入された筐体内をピストンが移動するようになっている。すなわち、ピストンが筐体内を移動する際の抵抗力により、原動機の振動を減衰する力が得られるようになっている。
【0003】
この原動機支持構造は、前述の原動機支持装置を原動機の左右下側に一対備えている。各原動機支持装置は、車体と原動機との間に介在し、ロッドが左右外側に向かって下方に傾斜するよう設置される。これにより、原動機のロール方向と上下方向の振動が、原動機支持装置により減衰されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−25022号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記原動機支持装置を用いた原動機支持構造では、装置が圧縮方向に剛性を有するので、車両走行時の原動機の振動により原動機支持装置の車体側に圧縮方向の負荷が加わり、車体側の取付部が装置により押し込まれる。また、装置の上下端が回動自在に原動機及び車体に接続されているものの、原動機に急激な負荷が加わると、ピストンが殆ど移動しないことから、装置に曲げ方向の力が発生し、車体側の取付部が装置によりこじられる。これにより、この負荷に対応するように、車体側の原動機支持装置の取付部を強固な構造としなければならず、車両の製造コスト及び重量が嵩むという問題点があった。
【0006】
また、このように、装置が曲げ方向及び圧縮方向に剛性を有することから、原動機の振動が車体側へ伝達し易く、原動機の振動及び騒音が車体を伝わって、車両室内に伝達される。これにより、車体に制振材、遮音材等を貼付しなければならず、これによっても、車両の製造コスト及び重量が嵩んでしまう。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車体側への負荷を軽減するとともに、振動の車体側への伝達を抑制することのできる原動機支持装置及びこれを備えた原動機支持構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、原動機と車体との間に介在する原動機支持装置であって、前記原動機側と前記車体側の一方側に配される振動減衰部と、前記原動機側と前記車体側の他方側に前記振動減衰部と直列的に配され、所定方向に延びる弛張部材と、を備えたことを特徴とする。尚、ここでいう弛張部材とは、例えばワイヤー、チェーン、複数のリンクを直列的に繋いだ多節リンク部材等のように、圧縮方向及び曲げ方向の力により弛み、両端側に引張方向の力のみを伝達する弛張自在の部材をいう。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、弛張部材に曲げ方向及び圧縮方向の力が作用すると、原動機側と車体側の間で弛張部材が弛むようになっている。これにより、原動機が振動した際に、弛張部材の曲げ方向及び圧縮方向の振動成分は、弛張部材が弛むことにより車体側へ伝達しない。また、弛張部材の引張方向の振動成分は、弛張部材に直列に接続された振動減衰部により減衰される。すなわち、原動機の振動成分のうち、弛張部材を引張る方向の振動が抑制され、他の方向の振動は抑制されない。
【0010】
従って、装置の車体側の取付部に曲げ方向及び圧縮方向の力が作用せず、取付部が装置によりこじられる又は押圧されることがないので、車体の強度・耐久性を飛躍的に向上することができる。すなわち、装置の曲げ方向及び圧縮方向の力に抗するように、車体の取付部に補強部材等を設ける必要はなく、車両の製造コスト及び重量を低減することができる。
また、装置が曲げ方向及び圧縮方向の動きを許容することから、原動機の振動が車体側へ伝達し難く、車両室内の振動及び音を低減することができる。すなわち、制振材、遮音材等の車体に貼付する部分を減らし、車両の製造コスト及び重量を低減することができる。
また、弛張部材の引張り方向のみ原動機の振動が抑制されるので、例えば振動が最も大きい方向の振動成分のみを抑制するよう装置を配することができるなど、所望の方向の振動のみを抑制することができ、車両設計の自由度が増す。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の原動機支持装置において、前記弛張部材の張力を調整する張力調整手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、張力調整手段により弛張部材の張力を調整して、弛張部材を弛緩した状態とすれば、原動機が弛張部材が緊張する位置まで動いたときに弛張部材の引張り方向の振動が抑制され、弛張部材を緊張した状態とすれば、原動機が動くまでもなく、弛張部材の引張り方向の振動が抑制される。このように、原動機に振動減衰部の減衰力が作用する位置の調整が可能となる。
【0013】
従って、弛張部材が緊張する位置、すなわち振動が許容される原動機の変位量を調整することができる。また、車両の走行状態等に応じて弛張部材の張力を調整して、走行状態に適した原動機の拘束状態を実現することができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2に記載の原動機支持装置において、前記張力調整手段は、外部から通電されるコイル部材と、前記弛張部材の一端側に接続され、前記コイル部材の通電により前記弛張部材の長手方向に移動する磁性体と、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2の作用に加え、コイル部材の通電量を変化させることにより、磁性体が弛張部材の長手方向に移動し、弛張部材の張力が調整される。
【0016】
従って、通電量を変化させることにより、弛張部材の張力の的確な調整が実現される。また、弛張部材の張力を、弛張部材と非接触で調整することができ、装置の信頼性においても有利である。
【0017】
請求項4記載の発明では、原動機支持構造において、請求項1から3のいずれか一項に記載の原動機支持装置を、前記原動機の所定方向について対称に一対設けたことを特徴とする。尚、ここでいう所定方向とは、例えば前後方向、左右方向、上下方向なような直線方向と、例えばロール方向、ピッチ方向、ヨー方向のような回転方向とを含むものである。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、請求項1から3の何れか一項の作用に加え、原動機が振動すると、所定方向における一方向の振動成分は一方の原動機支持装置により減衰され、他方向(逆方向)の振動成分は他方の原動機支持装置により減衰される。ここで、各原動機支持装置の車体側の取付部には、原動機側から引張り方向の力のみが作用する。
【0019】
従って、原動機における所定方向の振動を抑制しつつ、各原動機支持装置の取付部への曲げ方向及び圧縮方向の負荷を低減することができる。
【0020】
請求項5記載の発明では、請求項4に記載の原動機支持構造において、前記各弛張部材の一端側を、該一端側が前記原動機のロール方向に延びるように、前記原動機に接続したことを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、請求項4の作用に加え、各原動機支持構造により、原動機のロール方向の振動が抑制される。尚、ここでいうロール方向とは、車両のパワートレインに回転力を伝達する原動機のシャフト周りの回転方向をいう。
【0022】
従って、原動機の振動成分が比較的大きくなるロール方向の振動を抑制することができ、実用に際して極めて有利である。
【0023】
請求項6記載の発明では、原動機支持構造において、請求項3に記載の原動機支持装置を、前記原動機の所定方向について対称に一対設け、前記各コイル部材に電気的に接続される制御装置を備え、前記制御装置は、前記各コイル部材へ通電する通電手段と、車両の走行状態に応じて、前記通電手段による各コイル部材への通電量を変更する通電量変更手段と、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、請求項3の作用に加え、原動機が振動すると、所定方向における一方向の振動成分は一方の原動機支持装置により減衰され、他方向(逆方向)の振動成分は他方の原動機支持装置により減衰される。ここで、各原動機支持装置の車体側の取付部には、原動機側から引張り方向の力のみが作用する。
また、制御装置は、車両の走行状態に応じて各コイル部への通電量を変更する。これにより、各原動機支持装置の弛張部材の張力が変更される。例えば、原動機が比較的低回転であって原動機の振動を抑制する必要がある場合に、弛張部材が緊張する張力に変更することにより、原動機の振動が抑制される。また、例えば、車体に対して原動機が相対的に移動しないよう原動機の移動を規制する必要がある場合に、弛張部材が緊張する張力に変更することにより、原動機が所定の減衰力により拘束される。また、例えば、原動機の振動を車体側へ伝達しないようにする場合には、弛張部材が弛緩する張力に変更することにより、原動機の振動が許容され、車体側へ振動が伝達しない。
【0025】
従って、車両の走行状態に応じて、原動機の振動を抑制して原動機に接続される補機類等の保護を図ったり、原動機を拘束してトランスミッション側との相対移動を抑制してパワートレイン系の保護を図ったり、車体側へ振動が伝達しないようにして乗員の乗り心地を向上することができる。
【0026】
請求項7記載の発明では、請求項6記載の原動機支持構造において、前記制御装置は、前記磁性体の移動による前記各コイル部材の起電力を検出する起電力検出手段と、前記起電力検出手段により検出された前記起電力に基づいて、前記通電手段による前記各コイル部材への通電電圧を調整する電圧調整手段と、を有することを特徴とする。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、請求項6の作用に加え、弛張部材が緊張した状態で原動機が振動すると、弛張部材の張力に応じて磁性体が移動して、磁性体の移動によるコイル部材の起電力が起電力検出手段により検出される。この起電力に基づいて、通電手段によるコイル部材への通電電圧が調整される。コイル部材への通電電圧が調整されると、この通電電圧に応じて磁性体が移動し、弛張部材の張力が調整される。尚、弛張部材が弛緩した状態で原動機が振動すると、磁性体が移動することがないので、コイル部材に磁性体の移動に起因する起電力は生じない。
【0028】
従って、例えば、経年劣化等により、コイル部材の通電電圧と、弛張部材の張力との対応関係が変化した場合に、各原動機支持装置の弛張部材の張力を調整することができる。また、例えば、制御装置に予め記憶されている初期の張力設定状態を、原動機の振動状態に応じて、自動的に各原動機支持装置の弛張部材の張力を調整することもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1から図7は本発明の一実施形態を示すもので、図1はエンジンの支持状態を示す車両の側面概略図、図2はエンジンの支持状態を示す車両の一部正面説明図、図3は振動減衰部とこれに接続される制御装置とを示した概略構成ブロック図、図4は振動減衰部の振動特性であって周波数と減衰力との関係を示したグラフ、図5はコイル部材の印加電圧とワイヤー部材の弛張による電圧変動のAC成分との関係を示したグラフ、図6はエンジンが振動した際におけるワイヤーの張力変化を示すグラフ、図7はエンジンが振動した際におけるコイル部材の電圧変化を示すグラフである。
【0030】
図1に示すように、この原動機支持構造は、自動車車両1の車体2と原動機としてのエンジン3との間に介在する原動機支持装置4を備えている。本実施形態においては、原動機支持装置4は計4つ設置され、エンジン3の左右前側及び後側にそれぞれ設けられる。
【0031】
図2に示すように、車体2は、エンジンルームの左右周縁を前後に延びる左右一対のフロントフレーム2aと、各フロントフレーム2aを連結しエンジンルームの下部に配されるクロスメンバ2bとを有している。
【0032】
エンジン3は、クランクシャフトの向きが前後方向となるよう車両1に搭載される。本実施形態においては、このエンジン3は、各気筒が左右対称に配される水平対向エンジンである。エンジン3は、その下部がエンジンマウント部材3aを介してクロスメンバ2bに支持される。また、エンジン3は、その側部上側が原動機支持装置4を介してフロントフレーム2aに支持される。
【0033】
図2に示すように、原動機支持装置4は、エンジン3のロール方向について対称となるよう一対設けられる。本実施形態においては、クランクシャフトの向きが前後であることから、エンジン3のロール方向は、車両のロール方向と一致する。すなわち、各原動機支持装置4は、エンジン3を中心として左右対称に設けられる。原動機支持装置4は、車体2側に取り付けられる振動減衰部5と、振動減衰部5とエンジン3とを接続するワイヤー部材6とを有している。すなわち、弛張部材としてのワイヤー部材6は、振動減衰部5と直列的に配される。
【0034】
図3に示すように、振動減衰部5は、金属等からなり開口7aを有する筐体7と、この筐体7の開口7aを閉塞するゴム部材8を有する。このゴム部材8にはワイヤー部材6の端部に設けられた接続片6aが固着される。また、筐体7の内部には、液体状態の粘性流体9が充填される。尚、接続片6aには、筐体7内へ突出する磁性体としてのマグネット6bが設けられる。本実施形態の振動減衰部5の減衰特性は、図4に示すように、エンジン3のロール方向の共振周波数にて、最も高い減衰力を示すようになっている。この共振周波数は、一般に、10ヘルツ〜15ヘルツ程度である。
【0035】
図3に示すように、筐体7の内部には、筐体7内を、開口7a側の第一室7bと、その反対側の第二室7cとに仕切る板部材10が設けられ、板部材10には第一室7bと第二室7cとを連通するオリフィス10aが形成されている。本実施形態においては、オリフィス10aは板部材10の中央に形成されている。尚、筐体7内の第二室7cにおける開口7aの反対側には、例えば空気、窒素等の気体11が封入され、ゴム膜7dが粘性流体9と気体11との境界をなしている。
【0036】
ここで、板部材10の第一室7b側には、所定の間隔をおいてマグネット6bを包囲するコイル部材12が設置される。本実施形態においては、マグネット6bとコイル部材12とで、張力調整手段をなしている。このコイル部材12の両端側には、筐体6の外部へ延びる電気線13が接続される。各電気線13は、筐体6の外部にて制御装置14に接続される。ここで、本実施形態の原動機支持構造の一部をなす制御装置14について説明する。
【0037】
制御装置14は、CPU(Central Processing Unit)15、ROM(Read Only Memory)16、RAM(Random access Memory)17、通電手段としての通電制御部18、起電力検出手段としての起電力検出部19とを備えている。また、制御装置14は、車両のECU(Electrical Control Unit)20に接続される。
【0038】
CPU15は、起電力検出部19及びECU20から入力される信号に応じて、ROM16に格納されたプログラムを読み出し、このプログラムに従って処理を実行する。そして、処理結果をRAM17に格納するとともに、この処理結果に応じた信号を適宜に通電制御部18に出力する。CPU15は、特に、ROM16に格納される張力変更プログラム101及び基準値調整プログラム102に従って処理を実行する。本実施形態においては、CPU15、ROM16及びRAM17により、車両の走行状態に応じて通電制御部18による各コイル部材12への通電量を変更する通電量変更手段と、起電力検出部19により検出された起電力に基づいて通電制御部18による各コイル部材12への通電電圧を調整する電圧調整手段をなしている。
【0039】
張力変更プログラム101は、ECU20から制御装置14へ車両1の走行状態に関する信号が入力されると、各ワイヤー部材6の張力を変更するプログラムである。
【0040】
具体的には、図示しないセンサ類により、エンジン3の起動状態又は停止状態並びにアイドリング状態がECU20に検知されると、これらの状態の情報を含んだ信号がECU20から制御装置14へ入力される。信号が入力されると、制御装置14は、通電制御部18により各コイル部材12の通電電圧を変更して、各ワイヤー部材6を予め設定された設定張力とする。尚、本実施形態においては、乗員によりアクセルペダルが急激に踏動され、車両1が急加速する際にも、各ワイヤー部材6が設定張力となるよう制御される。
【0041】
また、図示しないセンサ類により、車両1の通常走行状態がECU20に検知されると、この状態の情報を含んだ信号がECU20から制御装置14へ入力される。信号が入力されると、制御装置14は、通電制御部18により各コイル部材12の通電電圧を変更して、各ワイヤー部材6を弛緩した状態とする。
【0042】
基準値調整プログラム102は、起電力検出部19により検出された起電力により、各ワイヤー部材6に張力を加える際の各コイル部材12へ通電電圧の基準値を調整するプログラムである。
【0043】
具体的には、起電力検出部19は、コイル部材12の電圧を検出する。ところで、ワイヤー部材6の張力が変化して、マグネット6bが移動すると、コイル部材12に起電力が発生してコイル部材12の電圧が変動する。ここで、ワイヤー部材6が弛んだ状態となると、マグネット6bが移動せず、コイル部材12の電圧が一定値となる。図5に示すように、コイル部材12に印加する電圧と、電圧変動のAC成分の大きさとの関係においては、印加電圧が所定値より低くなると、AC成分の大きさが0となる。本実施形態においては、エンジン3が振動した状態で、起電力検出部19によりコイル部材12の電圧が一定値となったことを検知すると、この電圧がワイヤー部材6が緊張状態から弛緩状態となるときの電圧値として、通電電圧の基準値を更新する。
【0044】
図2に示すように、各原動機支持装置4のワイヤー部材6の一端側は、それぞれエンジン3のロール方向に延びる。本実施形態においては、各ワイヤー部材6は、それぞれエンジン3の側部上側から略45°の角度で下がるよう傾斜して設けられ、各ワイヤー部材6同士のなす角は略90°となっている。
【0045】
以上のように構成された原動機支持構造においては、ワイヤー部材6に曲げ方向及び圧縮方向の力が作用すると、エンジン3側と車体2側の間でワイヤー部材6が弛むようになっている。これにより、エンジン3が振動した際に、ワイヤー部材6の曲げ方向及び圧縮方向の振動成分は、ワイヤー部材6が弛むことにより車体2側へ伝達しない。また、ワイヤー部材6の引張方向の振動成分は、ワイヤー部材6に直列に接続された振動減衰部5により減衰される。すなわち、エンジン3の振動成分のうち、ワイヤー部材6を引張る方向の振動が抑制され、他の方向の振動は抑制されない。
【0046】
本実施形態においては、エンジン3のロール方向に一対の原動機支持装置4を設けたので、エンジン3が振動すると、ロール方向における一方向の振動成分は一方の原動機支持装置4により減衰され、他方向(逆方向)の振動成分は他方の原動機支持装置4により減衰される。すなわち、各原動機支持装置4の車体側の取付部には、エンジン3から引張り方向の力のみが作用する。
【0047】
制御装置14によりワイヤー部材6の張力を調整して、ワイヤー部材6を弛緩した状態とすれば、エンジン3がワイヤー部材6が緊張する位置まで動いたときにワイヤー部材6の引張り方向の振動が抑制され、ワイヤー部材6を緊張した状態とすれば、エンジン3が動くまでもなく、ワイヤー部材6の引張り方向の振動が抑制される。このように、エンジン3に振動減衰部5の減衰力が作用する位置の調整が可能となる。
【0048】
図6に、エンジン3が振動した際の具体的な張力変動のグラフを示す。図6中、L1は弛緩した状態のワイヤー部材6の張力変化を示す線図、L2は緊張するまで張力が付与された状態のワイヤー部材6の張力変化を示す線図、L3は緊張させてからさらに張力を付与したワイヤー部材6の張力変化を示す線図である。
【0049】
図6に示すように、ワイヤー部材6が弛緩した状態では、エンジン3の振動が許容されるので、ワイヤー部材6の張力は変化しない。また、ワイヤー部材6に緊張するまでの張力が付与された状態では、ワイヤー部材6の圧縮方向にエンジン3が動いても、ワイヤー部材6が弛緩するので、ワイヤー部材6の張力は変化せず、ワイヤー部材6の引張り方向にエンジン3が動いたときに、ワイヤー部材6の張力が増す。また、ワイヤー部材6に緊張状態から張力を付与した状態では、ワイヤー部材6の圧縮方向にエンジン3が動くと、ワイヤー部材6が弛まない範囲で張力が減少し、ワイヤー部材の引張り方向にエンジン3が動くと、ワイヤー部材6の張力が増す。
【0050】
また、このときのコイル部材12の電圧変化を図7に示す。図7中、L4は弛緩した状態のワイヤー部材6の電圧変化を示す線図、L5は緊張するまで張力が付与された状態のワイヤー部材6の電圧変化を示す線図、L6は緊張させてからさらに張力を付与したワイヤー部材6の電圧変化を示す線図である。
【0051】
図7に示すように、ワイヤー部材6が弛緩した状態では、エンジン3が振動しても、マグネット6bが移動することはなく、電圧は変動しない。また、ワイヤー部材6に緊張するまでの張力が付与された状態では、ワイヤー部材6が弛緩すると電圧が一定となり、ワイヤー部材6の張力が増したときに、マグネット6bが移動することにより電圧が変動する。また、ワイヤー部材6に緊張状態から張力を付与した状態では、エンジン3が引張、圧縮の何れの方向に動いても、マグネット6bの位置が変化するので、電圧が変動する。
【0052】
また、制御装置14は、車両1の走行状態に応じて各コイル部12への通電量を変更するので、これにより、各原動機支持装置4のワイヤー部材6の張力が変更される。本実施形態においては、エンジン3の起動時、停止時及びアイドリング時、すなわちエンジン3が比較的低回転であってエンジン3の振動を抑制する必要がある場合に、ワイヤー部材6が緊張するよう張力が変更され、エンジン3の振動が抑制される。また、車両1の急加速時、すなわち車体2に対してエンジン3が相対的に移動し易くエンジン3の移動を規制する必要がある場合に、ワイヤー部材6が緊張するよう張力が変更され、エンジン3が所定の減衰力により拘束される。また、車両1の通常走行時には、ワイヤー部材6が弛緩するよう張力が変更され、エンジン3の振動が許容されるので、車体2側へ振動が伝達しない。
【0053】
また、ワイヤー部材6が緊張した状態でエンジン3が振動すると、ワイヤー部材6の張力に応じてマグネット6bが移動して、マグネット6bの移動によるコイル部材12の起電力が起電力検出部19により検出される。本実施形態においては、前述のように、コイル部材12の電圧が一定となった状態の起電力に基づいて通電電圧の基準値が更新され、通電制御部18によるコイル部材12への通電電圧が調整される。そして、調整された通電電圧に応じてマグネット6bが移動し、ワイヤー部材6の張力が調整される。尚、ワイヤー部材6が弛緩した状態でエンジン3が振動すると、マグネット6bが移動することがないので、コイル部材12にマグネット6bの移動に起因する起電力は生じない。
【0054】
このように、本実施形態の原動機支持装置4及びこれを備えた原動機支持構造によれば、装置4の車体2側の取付部に曲げ方向及び圧縮方向の力が作用せず、取付部が装置によりこじられる或いは押圧されることがないので、車体2の強度・耐久性を飛躍的に向上することができる。すなわち、装置4の曲げ方向及び圧縮方向の力に抗するように、車体2の取付部に補強部材等を設ける必要はなく、車両1の製造コスト及び重量を低減することができる。
【0055】
また、装置4が曲げ方向及び圧縮方向の動きを許容することから、エンジン3の振動が車体2側へ伝達し難く、車両室内の振動及び音を低減することができる。すなわち、制振材、遮音材等の車体2に貼付する部分を減らし、車両1の製造コスト及び重量を低減することができる。
【0056】
また、ワイヤー部材6の引張り方向のみエンジン3の振動が抑制されるので、例えば振動が最も大きい方向の振動成分のみを抑制するよう装置4を配することができるなど、所望の方向の振動のみを抑制することができ、車両設計の自由度が増す。本実施形態においては、原動機支持装置4をエンジン3のロール方向及びピッチ方向に対称に設けたので、エンジン3のロール方向及びピッチ方向の振動が抑制される。また、本実施形態においては、各原動機支持装置4が正面視で略45°傾いていることから、上下、左右方向の振動をも抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態の原動機支持装置4及びこれを備えた原動機支持構造によれば、ワイヤー部材6の張力を調整可能に構成したので、エンジン3に振動減衰部5の減衰力が作用する位置の調整が可能となる。従って、ワイヤー部材6が緊張する位置、すなわち振動が許容されるエンジン3の変位量を調整することができる。また、車両1の走行状態等に応じてワイヤー部材6の張力を調整して、走行状態に適したエンジン3の拘束状態を実現することができる。
【0058】
また、本実施形態の原動機支持装置4及びこれを備えた原動機支持構造によれば、各コイル部材12の通電量を変化させることにより、マグネット6bがワイヤー部材6の長手方向に移動し、ワイヤー部材6の張力を調整するようにしたので、この通電量を変化させることにより、ワイヤー部材6の張力の的確な調整が実現される。また、ワイヤー部材6の張力を、ワイヤー部材6と非接触で調整することができ、装置4の信頼性においても有利である。
【0059】
また、本実施形態の原動機支持構造によれば、エンジン3のロール方向について対称に一対設けたので、エンジン3におけるロール方向の振動を抑制しつつ、各原動機支持装置4の取付部への曲げ方向及び圧縮方向の負荷を低減することができる。また、エンジン3の振動成分が比較的大きくなるロール方向の振動を抑制することができ、実用に際して極めて有利である。
【0060】
また、本実施形態の原動機支持構造によれば、車両1の走行状態に応じて各ワイヤー部材6の張力が変更されるようにしたので、走行状態に応じて、エンジン3の振動を抑制してエンジン3に接続される補機類等の保護を図ったり、エンジン3を拘束してトランスミッション側との相対移動を抑制してパワートレイン系の保護を図ったり、車体2側へ振動が伝達しないようにして乗員の乗り心地を向上することができる。
【0061】
また、本実施形態の原動機支持構造によれば、通電制御部18によるコイル部材12への通電電圧が調整されるようにしたので、経年劣化等により、コイル部材12の通電電圧と、ワイヤー部材6の張力との対応関係が変化した場合に、各原動機支持装置4のワイヤー部材6の張力を調整することができる。これにより、長期にわたって装置4を的確に動作させることができる。
【0062】
また、本実施形態の原動機支持装置4及びこれを備えた原動機支持構造によれば、振動減衰部5の減衰特性を、エンジン3におけるロール方向の共振周波数にて減衰力が最も高くなるよう設定したので、エンジン3のロール方向の振動抑制に効果的である。
【0063】
また、本実施形態の原動機支持装置4及びこれを備えた原動機支持構造によれば、弛張部材としてワイヤー部材6を用いたので、装置4を安価に製造することができる。さらに、ワイヤー部材6の長さを変更することにより、エンジン3や車体2のレイアウトに対応することができ、エンジンルーム内の設計が容易であるという利点もある。
【0064】
尚、前記実施形態においては、原動機としてエンジン3が搭載された車両1を示したが、原動機は、例えば電気モータ等であってもよいことは勿論である。
【0065】
また、前記実施形態においては、振動減衰部5が車体2側、ワイヤー部材6がエンジン3側に設けられたものを示したが、振動減衰部5がエンジン3側でワイヤー部材6が車体2側であってもよい。
【0066】
また、前記実施形態においては、弛張部材としてワイヤー部材6を用いたものを示したが、弛張部材は、例えばロープ、チェーン、複数のリンクを直列的に繋いだ多節リンク部材等のような、圧縮方向及び曲げ方向の変形を許容する部材であれば、他の部材であってもよい。
【0067】
また、前記実施形態においては、張力調整手段として、コイル部材12に通電しマグネット6bの位置を変化させてワイヤー部材6の張力を調整するものを示したが、他の電気的手段によりワイヤー部材6の張力を調整するものであってもよい。さらには、張力調整手段は、例えばワイヤー部材6の他端側が巻き付けられる巻回装置が設けれられワイヤー部材6の他端側の巻回量を変更することにより張力が調整されるような、機械的手段により構成されるものであってもよい。
【0068】
また、前記実施形態においては、ワイヤー部材6がエンジン3のロール方向に延びるものを示したが、例えば、エンジン3のピッチ方向、ヨー方向に延びるものであってもよいし、前後、上下、左右に延びるものであってもよい。
【0069】
また、前記実施形態においては、各ワイヤー部材6が、それぞれエンジン3の側部上側から略45°の角度で下がるよう傾斜して設けられるものを示したが、例えば、各ワイヤー部材6をそれぞれ上下方向に延びるように設けてもよい。この場合、各ワイヤー部材6は、ロール方向に関して180°の角度差を有し、エンジン3のロール方向に対して対称となる。
【0070】
また、前記実施形態においては、車両1の急加速時に各ワイヤー部材6を緊張させてエンジン3を拘束するものを示したが、これに加えて、車両1の急減速時にもエンジン3を拘束するようにしてもよい。
【0071】
また、前記実施形態においては、装置4の経年劣化等に対応するように、ワイヤー部材6の張力を調整するものを示したが、例えば、センサ類により車両1の使用状態、実際のエンジン3の振動状態等を監視し、制御装置14に予め記憶されている初期の張力設定状態を、車両1の使用状態、エンジン3の振動状態等に応じて、自動的に調整することもできる。
【0072】
また、前記実施形態においては、振動減衰部5として、筐体7内に液体状の粘性流体9が充填されたものを示したが、振動減衰部5はゴム材等により振動を減衰するものであってもよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、装置の車体側の取付部に曲げ方向及び圧縮方向の力が作用せず、取付部が装置によりこじられる又は押圧されることがないので、車体の強度・耐久性を飛躍的に向上することができる。すなわち、装置の曲げ方向及び圧縮方向の力に抗するように、車体の取付部に補強部材等を設ける必要はなく、車両の製造コスト及び重量を低減することができる。
また、装置が曲げ方向及び圧縮方向の動きを許容することから、原動機の振動が車体側へ伝達し難く、車両室内の振動及び音を低減することができる。すなわち、制振材、遮音材等の車体に貼付する部分を減らし、車両の製造コスト及び重量を低減することができる。
また、弛張部材の引張り方向のみ原動機の振動が抑制されるので、例えば振動が最も大きい方向の振動成分のみを抑制するよう装置を配することができるなど、所望の方向の振動のみを抑制することができ、車両設計の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、エンジンの支持状態を示す車両の側面概略図である。
【図2】エンジンの支持状態を示す車両の一部正面説明図である。
【図3】振動減衰部と、これに接続される制御装置とを示した概略構成ブロック図である。
【図4】振動減衰部の振動特性であって、周波数と減衰力との関係を示したグラフである。
【図5】コイル部材の印加電圧と、ワイヤー部材の弛張による電圧変動のAC成分との関係を示したグラフである。
【図6】エンジンが振動した際におけるワイヤーの張力変化を示すグラフである。
【図7】エンジンが振動した際におけるコイル部材の電圧変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 自動車車両
2 車体
3 エンジン
4 原動機支持装置
5 振動減衰部
6 ワイヤー部材
6b マグネット
12 コイル部材
14 制御装置
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 通電制御部
19 起電力検出部
101 張力変更プログラム
102 基準値調整プログラム[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a motor support device and a motor support structure for supporting a motor mounted on a vehicle on a vehicle body side.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a motor support structure including a motor support device of this type, a motor support device including a piston that moves a cylindrical housing in a longitudinal direction and a rod that is connected to the piston and the motor. Is known (for example, refer to Patent Document 1). In this prime mover support device, when the prime mover vibrates, the rod moves together with the prime mover, and the piston moves within the housing in which the pressure oil is sealed. That is, a force for damping the vibration of the prime mover is obtained by the resistance force when the piston moves in the housing.
[0003]
This motor support structure includes a pair of the above-described motor support devices on the left and right sides of the motor. Each prime mover support device is interposed between the vehicle body and the prime mover, and is installed such that the rod is inclined downward toward the left and right outer sides. Thus, the vibration of the motor in the roll direction and the vertical direction is damped by the motor support device.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-54-25022
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the prime mover support structure using the prime mover support device, since the device has rigidity in the compression direction, a load in the compression direction is applied to the vehicle body side of the prime mover support device due to the vibration of the prime mover during running of the vehicle, and the vehicle body side mounting The part is pushed by the device. In addition, although the upper and lower ends of the device are rotatably connected to the prime mover and the vehicle body, when a sudden load is applied to the prime mover, the piston hardly moves, so that a force in the bending direction is generated in the device, and the vehicle body side The mounting portion is pryed by the device. Accordingly, the mounting portion of the motor support device on the vehicle body side must have a strong structure to cope with this load, and there is a problem that the manufacturing cost and weight of the vehicle increase.
[0006]
In addition, since the device has rigidity in the bending direction and the compression direction, the vibration of the prime mover is easily transmitted to the vehicle body, and the vibration and noise of the prime mover are transmitted through the vehicle body and transmitted to the vehicle interior. As a result, a vibration damping material, a sound insulating material, and the like must be attached to the vehicle body, which also increases the manufacturing cost and weight of the vehicle.
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to reduce the load on the vehicle body and to suppress transmission of vibration to the vehicle body, and a motor support device. An object of the present invention is to provide a motor support structure provided with a motor.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the object, according to the first aspect of the present invention, a motor support device interposed between a motor and a vehicle body, a vibration damping unit disposed on one of the motor side and the vehicle body side, On the other side of the prime mover side and the vehicle body side, there is provided a relaxation member arranged in series with the vibration damping portion and extending in a predetermined direction. Note that the relaxation member referred to here is, for example, a wire, a chain, a multi-node link member in which a plurality of links are connected in series, and the like, is relaxed by a force in a compression direction and a bending direction, and a force in a tension direction is applied to both ends. It is a relaxable member that transmits only.
[0009]
According to the first aspect of the present invention, when forces in the bending direction and the compression direction act on the relaxing member, the relaxing member is loosened between the prime mover side and the vehicle body side. Thus, when the prime mover vibrates, the vibration components in the bending direction and the compression direction of the relaxation member are not transmitted to the vehicle body side due to the relaxation of the relaxation member. The vibration component in the tension direction of the relaxing member is attenuated by the vibration damping unit connected in series to the relaxing member. That is, among the vibration components of the prime mover, the vibration in the direction of pulling the relaxation member is suppressed, and the vibration in the other direction is not suppressed.
[0010]
Therefore, no force in the bending direction and the compression direction acts on the mounting portion on the vehicle body side of the device, and the mounting portion is not twisted or pressed by the device, so that the strength and durability of the vehicle body are dramatically improved. be able to. That is, it is not necessary to provide a reinforcing member or the like at the mounting portion of the vehicle body so as to resist the forces in the bending direction and the compression direction of the device, and the manufacturing cost and weight of the vehicle can be reduced.
Further, since the device allows the movement in the bending direction and the compression direction, the vibration of the prime mover is hardly transmitted to the vehicle body side, and the vibration and the sound in the vehicle interior can be reduced. That is, the number of parts to be attached to the vehicle body, such as the vibration damping material and the sound insulation material, can be reduced, and the manufacturing cost and weight of the vehicle can be reduced.
Also, since the vibration of the prime mover is suppressed only in the tension direction of the relaxation member, it is possible to arrange only a device that suppresses only the vibration component in the direction in which the vibration is the largest. And increase the degree of freedom in vehicle design.
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in the prime mover support device according to the first aspect, a tension adjusting means for adjusting a tension of the relaxing member is provided.
[0012]
According to the second aspect of the present invention, in addition to the operation of the first aspect, when the tension of the relaxing member is adjusted by the tension adjusting means so that the relaxing member is in a relaxed state, the motor moves to a position where the relaxing member is in tension. Vibration of the relaxation member in the tension direction when moved is suppressed, and if the relaxation member is in a tensioned state, vibration of the relaxation member in the tension direction is suppressed without moving the motor. In this way, it is possible to adjust the position where the damping force of the vibration damping portion acts on the prime mover.
[0013]
Therefore, it is possible to adjust the position where the relaxation member is tensioned, that is, the displacement of the prime mover in which vibration is allowed. In addition, the tension of the relaxation member is adjusted according to the running state of the vehicle and the like, and the restricted state of the prime mover suitable for the running state can be realized.
[0014]
According to a third aspect of the present invention, in the prime mover support device according to the first or second aspect, the tension adjusting unit is connected to a coil member that is energized from the outside and one end of the relaxing member, and And a magnetic body that moves in the longitudinal direction of the relaxation member when energized.
[0015]
According to the third aspect of the present invention, in addition to the operation of the first or second aspect, by changing the amount of current supplied to the coil member, the magnetic body moves in the longitudinal direction of the relaxation member, and the tension of the relaxation member is adjusted. You.
[0016]
Therefore, by adjusting the amount of current, accurate adjustment of the tension of the relaxation member is realized. In addition, the tension of the relaxing member can be adjusted without contact with the relaxing member, which is advantageous also in the reliability of the device.
[0017]
According to a fourth aspect of the present invention, in the prime mover support structure, the prime mover support device according to any one of the first to third aspects is provided symmetrically in a predetermined direction of the prime mover. Here, the predetermined direction includes a linear direction such as a front-rear direction, a left-right direction, and a vertical direction, and a rotation direction such as a roll direction, a pitch direction, and a yaw direction.
[0018]
According to the fourth aspect of the invention, in addition to the function of any one of the first to third aspects, when the prime mover vibrates, a vibration component in one direction in a predetermined direction is attenuated by one prime mover support device, and the other direction. The (reverse) vibration component is damped by the other motor support. Here, only the force in the pulling direction acts on the mounting portion on the vehicle body side of each motor support device from the motor side.
[0019]
Accordingly, it is possible to reduce the load in the bending direction and the compression direction on the mounting portion of each motor support device while suppressing the vibration of the motor in the predetermined direction.
[0020]
According to a fifth aspect of the present invention, in the prime mover support structure according to the fourth aspect, one end of each of the relaxation members is connected to the prime mover such that the one end extends in the roll direction of the prime mover. I do.
[0021]
According to the fifth aspect of the invention, in addition to the operation of the fourth aspect, the vibrations of the prime mover in the roll direction are suppressed by each prime mover support structure. Here, the roll direction refers to a rotation direction around a shaft of a prime mover that transmits a rotational force to a power train of a vehicle.
[0022]
Therefore, it is possible to suppress the vibration in the roll direction in which the vibration component of the prime mover becomes relatively large, which is extremely advantageous in practical use.
[0023]
According to a sixth aspect of the present invention, in the prime mover support structure, a pair of the prime mover support devices according to the third aspect are provided symmetrically with respect to a predetermined direction of the prime mover, and a control device electrically connected to each of the coil members is provided. Wherein the control device includes an energizing unit that energizes each of the coil members, and an energizing amount changing unit that changes an energizing amount of each of the coil members by the energizing unit according to a traveling state of the vehicle. And
[0024]
According to the sixth aspect of the invention, in addition to the operation of the third aspect, when the prime mover vibrates, a one-way vibration component in a predetermined direction is attenuated by one prime mover support device, and a vibration component in the other direction (reverse direction). Is damped by the other prime mover support. Here, only the force in the pulling direction acts on the mounting portion on the vehicle body side of each motor support device from the motor side.
Further, the control device changes the amount of electricity to each coil unit according to the running state of the vehicle. Thereby, the tension of the relaxation member of each motor support device is changed. For example, when the prime mover has a relatively low rotation speed and it is necessary to suppress the vibration of the prime mover, the vibration of the prime mover is suppressed by changing the tension to a tension at which the tension member is tensioned. Further, for example, when it is necessary to regulate the movement of the prime mover so that the prime mover does not relatively move with respect to the vehicle body, by changing the tension member to a tension for tensioning, the prime mover is restrained by a predetermined damping force. . Further, for example, when the vibration of the prime mover is not transmitted to the vehicle body side, the vibration of the prime mover is allowed by changing the tension to a tension at which the relaxation member relaxes, and the vibration is not transmitted to the vehicle body side.
[0025]
Therefore, depending on the traveling state of the vehicle, the vibration of the prime mover is suppressed to protect accessories and the like connected to the prime mover, or the power train system is restrained by restraining the prime mover to suppress relative movement with the transmission side. Protecting the vehicle and preventing transmission of vibration to the vehicle body can improve the ride comfort of the occupant.
[0026]
According to a seventh aspect of the present invention, in the prime mover support structure according to the sixth aspect, the control device detects an electromotive force of each of the coil members due to the movement of the magnetic body, and the electromotive force detection device. And a voltage adjusting means for adjusting a voltage applied to each of the coil members by the current supplying means based on the electromotive force detected by the control means.
[0027]
According to the seventh aspect of the present invention, in addition to the operation of the sixth aspect, when the prime mover vibrates in a state where the relaxing member is in tension, the magnetic body moves according to the tension of the relaxing member, and the coil is moved by the movement of the magnetic body. The electromotive force of the member is detected by the electromotive force detection means. Based on the electromotive force, the voltage supplied to the coil member by the power supply means is adjusted. When the energizing voltage to the coil member is adjusted, the magnetic body moves according to the energizing voltage, and the tension of the relaxing member is adjusted. If the prime mover vibrates in a state where the relaxing member is relaxed, the magnetic body does not move, so that no electromotive force is generated in the coil member due to the movement of the magnetic body.
[0028]
Therefore, for example, when the correspondence between the energized voltage of the coil member and the tension of the relaxation member changes due to aging or the like, the tension of the relaxation member of each motor support device can be adjusted. Further, for example, the tension setting of the tension member of each motor support device can be automatically adjusted based on the initial tension setting state stored in the control device in accordance with the vibration state of the motor.
[0029]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
1 to 7 show an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a schematic side view of a vehicle showing an engine support state, and FIG. 2 is a partial front view of the vehicle showing an engine support state. 3 is a schematic block diagram showing a vibration damping unit and a control device connected thereto, FIG. 4 is a graph showing the vibration characteristics of the vibration damping unit, showing the relationship between frequency and damping force, and FIG. FIG. 6 is a graph showing the relationship between the applied voltage of the member and the AC component of the voltage fluctuation due to the relaxation of the wire member. FIG. 6 is a graph showing the change in wire tension when the engine vibrates. FIG. 7 is a coil when the engine vibrates. It is a graph which shows the voltage change of a member.
[0030]
As shown in FIG. 1, the prime mover support structure includes a prime
[0031]
As shown in FIG. 2, the
[0032]
The
[0033]
As shown in FIG. 2, the
[0034]
As shown in FIG. 3, the
[0035]
As shown in FIG. 3, a
[0036]
Here, a
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
Specifically, when the start-up state, the stop state, and the idling state of the
[0041]
Further, when the
[0042]
The reference
[0043]
Specifically, the electromotive
[0044]
As shown in FIG. 2, one end of the
[0045]
In the prime mover support structure configured as described above, when forces in the bending direction and the compression direction act on the
[0046]
In the present embodiment, since the pair of prime
[0047]
If the tension of the
[0048]
FIG. 6 shows a graph of a specific tension fluctuation when the
[0049]
As shown in FIG. 6, in a state where the
[0050]
FIG. 7 shows a voltage change of the
[0051]
As shown in FIG. 7, in a state where the
[0052]
In addition, since the
[0053]
Further, when the
[0054]
As described above, according to the prime
[0055]
Further, since the
[0056]
In addition, since the vibration of the
[0057]
Further, according to the prime
[0058]
Further, according to the prime
[0059]
Further, according to the prime mover support structure of the present embodiment, since the pair of the prime movers is provided symmetrically with respect to the roll direction of the
[0060]
Further, according to the prime mover support structure of the present embodiment, the tension of each
[0061]
Further, according to the prime mover support structure of the present embodiment, since the energization voltage to the
[0062]
Further, according to the prime
[0063]
In addition, according to the prime
[0064]
In the above-described embodiment, the vehicle 1 on which the
[0065]
In the above-described embodiment, the
[0066]
Further, in the embodiment, the
[0067]
Further, in the above-described embodiment, as the tension adjusting means, the
[0068]
In the above-described embodiment, the
[0069]
In the above-described embodiment, the
[0070]
Further, in the above-described embodiment, the case where the
[0071]
Further, in the above-described embodiment, an example in which the tension of the
[0072]
Further, in the above-described embodiment, the
[0073]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, no force in the bending direction and compression direction acts on the mounting portion of the device on the vehicle body side, and the mounting portion is not twisted or pressed by the device. Strength and durability can be dramatically improved. That is, it is not necessary to provide a reinforcing member or the like at the mounting portion of the vehicle body so as to resist the forces in the bending direction and the compression direction of the device, and the manufacturing cost and weight of the vehicle can be reduced.
Further, since the device allows the movement in the bending direction and the compression direction, the vibration of the prime mover is hardly transmitted to the vehicle body side, and the vibration and the sound in the vehicle interior can be reduced. That is, the number of parts to be attached to the vehicle body, such as the vibration damping material and the sound insulation material, can be reduced, and the manufacturing cost and weight of the vehicle can be reduced.
Also, since the vibration of the prime mover is suppressed only in the tension direction of the relaxation member, it is possible to arrange only a device that suppresses only the vibration component in the direction in which the vibration is the largest. And increase the degree of freedom in vehicle design.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1, showing an embodiment of the present invention, is a schematic side view of a vehicle showing a support state of an engine.
FIG. 2 is an explanatory front view of a part of a vehicle showing a support state of an engine.
FIG. 3 is a schematic configuration block diagram illustrating a vibration damping unit and a control device connected thereto.
FIG. 4 is a graph showing a relationship between a frequency and a damping force, which is a vibration characteristic of a vibration damping unit.
FIG. 5 is a graph showing a relationship between an applied voltage of a coil member and an AC component of a voltage change due to relaxation of a wire member.
FIG. 6 is a graph showing a change in wire tension when the engine vibrates.
FIG. 7 is a graph showing a voltage change of a coil member when the engine vibrates.
[Explanation of symbols]
1 vehicle
2 Body
3 Engine
4 Motor support device
5 Vibration damping part
6 wire members
6b magnet
12 Coil member
14 Control device
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 Current control section
19 Electromotive force detector
101 Tension change program
102 Reference value adjustment program
Claims (7)
前記原動機側と前記車体側の一方側に配される振動減衰部と、
前記原動機側と前記車体側の他方側に前記振動減衰部と直列的に配され、所定方向に延びる弛張部材と、
を備えたことを特徴とする原動機支持装置。A motor support device interposed between the prime mover and the vehicle body,
A vibration damping unit disposed on one side of the prime mover side and the vehicle body side;
A relaxation member that is arranged in series with the vibration damping unit on the other side of the motor side and the vehicle body side and extends in a predetermined direction;
A motor support device comprising:
外部から通電されるコイル部材と、
前記弛張部材の一端側に接続され、前記コイル部材の通電により前記弛張部材の長手方向に移動する磁性体と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の原動機支持装置。The tension adjusting means,
A coil member energized from the outside,
A magnetic body that is connected to one end of the relaxing member and moves in the longitudinal direction of the relaxing member when the coil member is energized,
The motor support device according to claim 1 or 2, further comprising:
前記各コイル部材に電気的に接続される制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記各コイル部材へ通電する通電手段と、
車両の走行状態に応じて、前記通電手段による各コイル部材への通電量を変更する通電量変更手段と、
を有することを特徴とする原動機支持構造。A pair of prime mover support devices according to claim 3, symmetrically provided in a predetermined direction of the prime mover,
A control device electrically connected to each of the coil members,
The control device includes:
Energizing means for energizing the respective coil members,
An energization amount changing unit that changes an energization amount to each coil member by the energization unit according to a traveling state of the vehicle;
A prime mover support structure comprising:
前記磁性体の移動による前記各コイル部材の起電力を検出する起電力検出手段と、
前記起電力検出手段により検出された前記起電力に基づいて、前記通電手段による前記各コイル部材への通電電圧を調整する電圧調整手段と、
を有することを特徴とする請求項6記載の原動機支持構造。The control device includes:
Electromotive force detection means for detecting the electromotive force of each of the coil members due to the movement of the magnetic material,
Voltage adjusting means for adjusting an energizing voltage to each of the coil members by the energizing means based on the electromotive force detected by the electromotive force detecting means,
The motor support structure according to claim 6, comprising:
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