JP2004149386A - アパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置 - Google Patents

アパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】配向を選択してアパタイト被覆を製造できる、アパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置を提供する。
【解決手段】基材5に磁場を印加しながらアパタイト被膜を形成し、磁場の強度、方向、または、時間などを組み合わせて制御して形成することにより、アパタイト被膜の特定の結晶軸を基材5にほぼ垂直な方向、または、ほぼ平行な方向に配向させて形成する。製造装置1は、アパタイト原料を溶解した水溶液2を入れた容器3と、容器3の周囲に配置した超伝導電磁石4と、水溶液2内の基材5と、基材5を加熱する電源8から構成される。印加磁場を、1T〜12Tとして、基材5を磁場とほぼ平行方向及びほぼ垂直方向に配置すれば、それぞれ、c面とa,b面に配向したアパタイト被膜が効率よく形成できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、任意の結晶面が優先的に現れ、特定蛋白質に対する特異的吸着性を有するアパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置に関する。本発明の任意の結晶面が優先的に現れたアパタイト被覆基材は、特定蛋白質に対する特異的吸着性を有し、例えば、蛋白質またはDNA等の分離精製用カラム充填剤、濾過剤、骨欠損物への充填剤、薬剤担体、人工関節や人工歯根、人工血管等の医療材料に好適に利用し得る。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイオテクノロジーの進展により、蛋白質、DNA等の高度分離精製技術に対する要請が高まっている。アパタイトは、六方晶系の結晶構造を有し、特異的な面としてa面,b面とc面があり、それぞれの面の表面電位が異なるため吸着しやすい蛋白質の種類が異なるとされている。この特性を利用すると、蛋白質、DNAの効率的な分離精製が期待されるため、高速液体クロマトグラフィー用充填剤への応用が報告されている(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
また、基材の表面にアパタイト膜を被覆した人工の生体材料は、アパタイト結晶a面またはb面の生体親和性が高いこと、あるいは、アパタイト結晶のc面は化学反応性が低いことなどの理由から、人工の生体材料として需要が広がっている。例えば、アパタイト膜を被覆した骨充填材を使用して、骨折の治療や人工骨の移植治療を行う場合には、骨充填材が、生体の自家骨と反応して早期に置き換わる方が望ましく、そのため、骨充填材を被覆するアパタイト被膜の表面は、生体親和性が高い結晶a面あるいは結晶b面であることが望ましい。
一方、アパタイト膜を被覆した人工歯を入歯や差し歯に使用する場合には、人工歯が唾液に汚染されないことが望ましく、そのため、人工歯を被覆するアパタイト被膜の表面は化学反応性が低い結晶c面であることが望ましい。
このように、アパタイトの生体親和性は、アパタイトの結晶面によって異なるので、アパタイト膜を基材に被覆した人工生体材料は、人工生体材料の使用目的に応じて、アパタイト被膜の表面の結晶面を制御して製作する必要がある。
【0003】
結晶面を制御するとは、アパタイト被膜を構成するアパタイト結晶粒の特定の結晶軸を基材の表面に垂直な方向に揃えて形成することであり、例えば、特定の結晶軸がアパタイト結晶構造のa軸であった場合、アパタイト被膜の表面の結晶面はa面となり、この状態がa軸配向、またはa面配向と呼ばれている。また、特定の結晶軸がアパタイト結晶構造のb軸であった場合、アパタイト被膜の表面の結晶面はb面となり、この状態がb軸配向またはb面配向と呼ばれている。さらに、特定の結晶軸がアパタイト結晶構造のc軸であった場合、アパタイト被膜の表面の結晶面はc面となり、この状態がc軸配向またはc面配向と呼ばれている。
【0004】
次に、従来のアパタイト被覆基材の製造方法の課題を説明する。
第1の従来のアパタイト被覆基材の製造方法は、基材に液状のシリカヒドロゾルまたはシリカヒドロゲルをコーティングし、乾燥後に加熱処理してシリカゲルを基材に結合させ、その後にアパタイトに対して過飽和となる量のカルシウムイオンとリン酸イオンを含む10〜60℃の水溶液に浸漬することにより、基材表面にアパタイト層を被覆する方法である(特許文献1参照)。
【0005】
第2の従来のアパタイト被覆基材の製造方法は、カルシウムイオンとリン酸イオンを含む水溶液中に置いた基材を、通電加熱することにより、基材表面にアパタイト被覆を形成する方法であり、水中熱基板法と呼ばれている(特許文献2参照)。
【0006】
第3の従来のアパタイト被覆基材の製造方法は、高周波プラズマトーチ内に発生させた熱プラズマ反応部に、アパタイト粉末を供給し、トーチから発生するアパタイト同伴の高周波誘導熱プラズマのフレームを基材の表面に溶射することによって、基材にアパタイトを被着する方法であり、プラズマ溶着法と呼ばれている(特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−103829号公報(第2〜3頁)
【特許文献2】
特開2001−97705号公報(第2〜5頁)
【特許文献3】
特開平7−100158号公報(第2頁、図1)
【非特許文献1】
川崎、セラミックス、1985年、20巻、p.195−203
【非特許文献2】
太田、門間、川崎、無機マテリアル、1999年、6巻、p.224
−230
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
第1及び第2の従来のアパタイト被覆基材の製造方法においては、アパタイト膜の配向の選択制御ができないという課題がある。
【0009】
また、第3の従来のアパタイト被覆基材の製造方法であるプラズマ溶射法においては、得られるアパタイト膜がc軸配向を持つことが開示されているが、a,b軸配向の制御ができないという課題がある。
【0010】
上記のように、アパタイト膜の配向を制御できるアパタイト被覆基材の製造方法の実現が望まれているが、アパタイト被膜の配向を制御できるアパタイト被覆基材を製造することが上記技術ではできないのが実情である。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑み、配向を選択してアパタイト被覆を製造できる、アパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のアパタイト被覆基材の製造方法は、水中熱基板法を用いて、基材に磁場を印加しながらアパタイト被膜を形成するものであって、磁場の強度、その印加方向、その印加時間のいずれか、または、これらを組み合わせて制御して形成することにより、アパタイト被膜の特定の結晶軸を基材の表面にほぼ垂直な方向、または、ほぼ平行な方向に配向させて形成することを特徴としている。
上記製造方法において、アパタイト被膜を形成する基材の表面を、磁場の方向とほぼ平行に配置してアパタイト被膜を形成することにより、結晶c軸が基材の表面に垂直な方向に配向したアパタイト被膜を形成することができる。
また、上記製造方法において、アパタイト被膜を形成する基材の表面を、磁場の方向にほぼ垂直に配置してアパタイト被膜を形成することにより、結晶a軸及びb軸が基材の表面に垂直な方向に配向したアパタイト被膜を形成することができる。
磁場の強度は、1T(テスラ)から12T程度でよい。基材の形状は任意の形状を有していてよい。また、アパタイト被膜は水酸アパタイトであってもよい。
【0013】
この方法によれば、任意の形状を有する基材表面に、所望の配向を有するアパタイト被膜を形成することができる。
従って、本発明の任意の結晶面が優先的に現れたアパタイト被覆基材は、特定蛋白質に対する特異的吸着性を有し、例えば、蛋白質またはDNA等の分離精製用カラム充填剤、濾過剤、骨欠損物への充填剤、薬剤担体、人工関節や人工歯根、人工血管等の医療材料に好適に利用することができる。
【0014】
また、本発明のアパタイト被膜基材の製造装置は、超伝導電磁石と、超伝導電磁石内に配設されたアパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器と、水溶液内に配設された基材と、この基材に電流を流してこの基材を加熱する電源と、を備え、水溶液中の基材を加熱するとともに、基材に超伝導電磁石により所定の磁場を印加しながら、基材にアパタイト被膜を形成することを特徴とする。
【0015】
本発明のアパタイト被膜基材の製造装置の別態様によれば、超伝導電磁石と、超伝導電磁石内に配設されたアパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器と、水溶液内に配設された円柱状の基材と、基材に電流を流して基材を加熱する電源と、円柱状の基材を回転させる回転駆動装置と、を備え、水溶液中の基材を加熱するとともに、基材に上記超伝導電磁石により所定の磁場を印加しながら、円柱状の基材を回転しつつその表面にアパタイト被膜を形成することを特徴とする。上記製造装置の構成において、好ましくは、水溶液中の電極に基材を水平に固定し、超伝導電磁石の磁場の方向とほぼ垂直となるように配置される。
また、上記製造装置の構成において、好ましくは、水溶液中の電極に基材の表面を垂直に固定し、超伝導電磁石の磁場の方向とほぼ平行となるように配置される。
超伝導電磁石は、アパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器の外周を包囲して配置されてよい。
磁場の強度は、1T(テスラ)から12T程度でよい。基材の形状は任意の形状を有してよい。また、アパタイト被膜が水酸アパタイトであってもよい。また、基材の形状が任意の形状を有していてもよい。
上記装置によれば、任意の形状を有する基材表面に、所望の配向を有するアパタイト被膜を形成することができる。従って、任意の結晶面が優先的に現れたアパタイト被膜は、特定蛋白質に対する特異的吸着性を有し、例えば、蛋白質またはDNA等の分離精製用カラム充填剤、濾過剤、骨欠損物への充填剤、薬剤担体、人工関節や人工歯根、人工血管等各種の医療材料に好適に利用し得る材料が製造できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるアパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
始めに、本発明のアパタイト被覆基材の製造方法を説明する。
磁場中に物質を置くと物質は磁化される。磁化された物質はその物質固有の値である磁化率に比例した磁化エネルギーを持つ。物質が結晶磁気異方性を有する場合、結晶方位によって磁化エネルギーが異なる。物質が磁場中に置かれたとき、エネルギー的に安定な結晶方位である磁化容易軸が存在する。アパタイトの一種である水酸アパタイトを例に説明する。
【0017】
図1(a)は、水酸アパタイトの結晶構造を、(b)は本発明の方法による磁場印加による水中熱基板法により得られる水酸アパタイトの結晶配向を示す図である。図1(a)に示すように、水酸アパタイトは、六方晶系に属し、a軸とb軸の長さは等しい。格子定数は、a=b=9.4282Å、c=6.8777Åである。
【0018】
水酸アパタイトの単結晶は、最大でも200μm位の大きさで、これ以上の大きさの単結晶を得ることは困難である。そこで、本発明者らは、多結晶体を得ることを目的として、焼結セラミックスの成形方法に広く用いられているスリップキャスティング中のコロイド状態に磁場印加を行い、水酸アパタイトの配向性を調べた。スリップキャスティング法とは、石膏などで製作した型となる坩堝に材料となるスリラーを入れて、その成形をコロイドプロセスで行う方法である。
【0019】
図2は、磁場を印加してスリップキャスティングを行い、焼結した水酸アパタイト焼結体のX線回折測定により求めた面配向指数の磁場強度依存性を示すグラフである。面配向指数とは、試料のX線回折測定において得られる全ての回折ピーク強度和に対する、注目する面の回折強度の比を、特定の補正係数で補正したものである。図において、縦軸は面配向指数であり、横軸は、スリップキャスティング中の印加磁場の強度(T:テスラ)である。
ここで、X線回折測定に使用した試料は、水平断面に垂直に磁場を加えて作製した成形体から得られたアパタイト焼結体で、その鉛直断面と水平断面を研磨したものである。図示するように、水平断面に垂直に磁場を加えている。
【0020】
図2において、■印は、水酸アパタイトのa面またはb面の(300)回折強度に対応する面配向指数を示し、◆印は、水酸アパタイトのc面の(002)回折強度に対応する面配向指数を示している。
これから、磁場強度を増すと、印加磁場の方向にa,b面が配向し、c面配向が低下することが分かる。この傾向は、水酸アパタイト焼結体の鉛直断面に磁場を印加しても同様である。
このとき、a,b面の配向は、印加磁場強度として、1T以上で現れ、6T程度で飽和し、12Tも印加すれば十分であることが分かる。
これにより、磁場印加方向に対して水酸アパタイトのa,b軸が安定であることが判明し、a,b軸の磁化率χ,χはχよりも大きいという予測が得られた。ここで、χに添え字a,b及びcを付し、それぞれa,b軸及びc軸方向の磁化率を示す。
【0021】
また、水酸アパタイトの磁化率の測定を行ったところ、水酸アパタイトの磁化率はマイナスであり、反磁性体であることが分かった。χ,χとχの値は、−8.91×10−7〜−1.24×10−6の値であった。
さらに、その差は、3×10−8程度と非常に小さく、また値が変動し、χ, χとχの大小に関する磁化率の正確な測定はできなかった。
【0022】
ここで、水酸アパタイトの焼結体の磁場を印加したときの面配向性の測定から予測されるχ, χ>χから、図1(b)に示すように、χがχ, χに対してより小さいために、a軸またはb軸が印加磁場方向(B)を向くことによって、磁化エネルギーが最小となる。
この時、水中熱基板法において図1(b)に示すように、磁場を印加すれば、水酸アパタイトを基材に析出させるときに、結晶粒は磁化エネルギーが最小となる方向に回転し、図1(b)に示すように印加磁場方向(B)にc面が配向したアパタイトを形成することができる。
【0023】
ここで、基材に被覆させるアパタイト膜は、アパタイトセラミックスであり、実質的に水酸アパタイト(Ca10(PO(OH))からなるものであればよく、少量の他成分を含むことは許容される。
また、水酸アパタイトの他に、水酸アパタイトのCaサイト、POサイト、OHサイトを他の元素あるいは分子に置換または部分固溶させた種々の化合物構造であるアパタイトでもよい。
ここで、CaサイトのCaは、Sr,Ba,Pb,Cd,Raなどに置き換えることができる。あるいは、Na,Y,La,Mn,Fe,Zn,Tl,Rh,Hなどの元素を部分固溶させてもよい。
POサイトのPOは、VO,AsO,CrO,などに置換できる。あるいは、CO、HPO,BO等を部分固溶していてもよい。
OHサイトのOHは、F,Cl,Br,O,CO,BOなどと置換してもよい。
【0024】
本発明のアパタイト被覆基材は、その基材としてセラミックであるアルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),ムライト(3Al・2SiO)、金属であるチタン(Ti),ステンレス(SUS)など適宜の材料を用いることができる。
また、基材の形態は、後述する図1の実施の形態では、板状体のものを用いているが、とくにこれに限定されるものではなく、線状体、棒状体、帯状体、ブロック体、その他、複雑な形状の成形体、例えば骨形状、歯形状、関節形状など種々の形状のものを含む。
また、本発明におけるアパタイトの被覆方法は、磁場印加の水中熱基板法に限らず、磁場印加のプラズマ溶射法,スパッタ法,蒸着法、電析法等にも適用可能である。
これにより、基材の加熱温度、加熱時間、印加磁場の方向、印加磁場強度、水溶液の組成等を適宜変えることにより、a面,b面あるいはc面に配向したアパタイト被膜を基材の表面に析出させることができる。
【0025】
次に、本発明のアパタイト被覆基材の製造装置について説明する。
図3は、本発明によるアパタイト被覆基材の製造装置の構成を示す断面斜視図である。図は、水中熱基板によりアパタイト被覆基材を製造する装置1を示している。
アパタイト原料を溶解した水溶液2を収容する容器3の周囲に、超伝導電線のコイルからなる超伝導電磁石4が配設されている。超伝導電磁石4は容器3の周囲に密接して又は適宜の間隔をあけて配置することができる。基材5は本実施の形態では板状体に成形されており、この板状の基板5が容器3内の水溶液2中に配設され、電極6に固定されている。基材5を固定している電極6は、銅などの導線7により直流または交流の加熱用電源8に接続されている。導線7は、基材5の加熱のために、加熱用電源8から導線7に電流を流したときに、超伝導電磁石4の磁場による力で導線7が移動したり変形したりしないように、支持部材9により固定されている。
ここで、容器3は、例えばガラス容器であり、支持部材9は、磁場の影響を受けないように、硬質樹脂などを用いて作製されていることが好ましい。
【0026】
図4は、アパタイト被膜を形成する基材5の表面を、磁場の方向に垂直に配置した場合の斜視図である。すなわち、図3にも示すように、一対の導線7が容器3内の水溶液2中に垂設され、その先端に一対の電極6が接続されて水平に間隔を置いて固定されており、基材5はこの一対の電極6の間に水平に固定されて保持されている。この配置の場合には、アパタイト被膜を形成する基材5の表面を、磁場の方向Bに垂直、または、ほぼ垂直に配置してアパタイト被膜を形成することができる。
【0027】
次に、上記本発明による製造装置を用いてアパタイト被覆基材を製造する場合の具体的な一実施例を説明する。
図5は本実施例に用いた基材5の形状を示す平面図である。図において、基材5は、横L、縦Lの寸法を有しているチタン箔である。ここでは、L=20mm、L=3mm、厚さ0.02mmである。
【0028】
図3に示すアパタイト被覆基材の製造装置において、容器3に収容されるアパタイト原料を溶解した水溶液2は、リン酸イオンとカルシウムイオンとを含み、例えばリン酸二水素カルシウム0.3mMと塩化カルシウム0.7mMを溶解させた水溶液である。アパタイト原料を溶解した水溶液2は、適宜、酸やアルカリを用いてpHが7になるように調整した。
ここで、アパタイトの結晶方位を制御するために、超伝導電磁石4を用いて、磁束密度として、1T〜12Tの磁場を印加した。
次に、アパタイト原料を溶解した水溶液2に、基材5としてチタン箔を浸漬させた後で、チタン箔5に加熱用電源8を用いて電流を流し、基材5を加熱した。このときの基材5の加熱温度は、65℃〜145℃程度が好ましい。加熱用電源8を用いて、10Aの電流を60分間流した。
これにより、基材5のチタン箔上におおよそ100μm厚さの水酸アパタイト被膜を析出させ、被覆させることができた。
【0029】
次に、図3及び図4に示す製造装置によって、チタン箔5を磁場印加方向に対して垂直に配設して得られた水酸アパタイトについて説明する。
図6は、図3,図4の装置を用いて基材5の表面を磁場印加方向に対して垂直に配設して得られた水酸アパタイト表面のSEM写真を示す図である。
図6(a)はSEM写真で、図6(b)は、基材と印加磁場方向Bと得られた水酸アパタイトの結晶配向を説明する模式図である。
チタン箔5の表面を、磁場印加(12T)方向に対して垂直、または、ほぼ垂直に設置した場合には、SEM写真から、六角形の薄板状水酸アパタイトが析出していることが分かる。
図6(b)に示すように、水酸アパタイトのc面がチタン箔5の表面と垂直になるように六角形の薄板状水酸アパタイト11が析出した。図中の矢印は、水酸アパタイトのa,b軸を示している。これらの傾向は、チタン箔5のほぼ全域で確認された。
これにより、基材であるチタン箔5の表面は、a面及びb面に配向した水酸アパタイトにより被覆された。
【0030】
次に、図7を参照して、基材の表面を印加磁場と平行に配置する場合の実施例について説明する。
図7は、アパタイト被膜を形成する基材5の別の配置例を示す斜視図である。この例では、アパタイト被膜を形成する板状の基材5の表面を、磁場の方向に平行に配置したものである。すなわち、図7に示すように、導線7を支持する支持部材9の下面に電極支持部材10が容器3内の水溶液2中に直角に垂設されている。この電極支持部材10の内部に一対の導線7が一定間隔で配設されており、その各先端が電極支持部材10の垂直な一表面側(図において、左側面)に導出されている。そして、各導線7に一対の電極6が接続されてこの垂直表面に間隔を置いて上下に固定されている。このようにして、基材5はこの一対の電極6の間に垂直に固定されて保持されている。電極支持部材10は、例えば硬質樹脂で形成されている。
この配置の場合には、アパタイト被膜を形成する基材5の表面を、磁場の方向に平行、または、ほぼ平行に配置してアパタイト被膜を形成することができる。
【0031】
次に、図7に示す製造装置を用いて、チタン箔5を磁場印加方向に対して平行に配設して得られた水酸アパタイトについて説明する。
磁場の印加方法以外の条件は、図6のアパタイト被膜の形成条件と同じ条件でアパタイト被膜を形成した。その結果、基材5のチタン箔上におおよそ100μm厚さの水酸アパタイト被膜を析出させ、被覆させることができた。
図8は、図7の装置を用いて、基材の表面を磁場印加方向に対して平行に配設して得られた水酸アパタイト表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。図8(a)はSEM写真で、図8(b)は、基材と印加磁場方向と得られた水酸アパタイトの結晶配向を説明する模式図である。
チタン箔5の表面を磁場印加(12T)方向に対して平行、または、ほぼ平行に設置した場合には、SEM写真から、六角柱状の水酸アパタイトが析出していることが分かる。
図8(b)に示すように、水酸アパタイトの矢印で示すc軸方向に、即ち、c面がチタン箔5の表面と平行になるように、六角柱状の水酸アパタイト結晶12が析出していることが分かる。これらの傾向は、チタン箔5のほぼ全域で確認された。
これにより、基材であるチタン箔5の表面は、c面に配向した水酸アパタイトにより被覆された。
【0032】
次に、磁場を印加しないときの水中熱基板法により得られる水酸アパタイト被膜の比較例について説明する。
図9は、基材に磁場を印加しないときに、水中熱基板法により得られた水酸アパタイト表面のSEM写真を示す図である。SEM写真から分かるように、水中熱基板法において磁場を印加しない場合には、水酸アパタイトの配向性は得られない。
【0033】
図10は、水中熱基板法により得られた水酸アパタイト表面のX線回折結果を示す図である。図において、(a)は基材を磁場印加方向に対して垂直に配設した場合、(b)は基材を磁場印加方向に対して平行に配設した場合、(c)は磁場印加なしを示している。
横軸は、角度(°)であり、縦軸はX線強度(任意目盛り)である。図において、(002)面指数及び(300)面指数で示した回折は、それぞれ、水酸アパタイトのc面、及び、a面またはb面からの回折である。印加磁場の強度は何れも12Tである。
図10(a)に示すように、基材5の表面を磁場印加方向に対して垂直に配設した場合には、(002)面からのX線回折強度が低下し、(300)面からのX線回折強度が増大し、水酸アパタイトの表面がa面またはb面配向していることが分かる。
図10(b)の基材5の表面を磁場印加方向に対して平行に配設した場合には、(002)面からのX線回折強度が最も強く、水酸アパタイトの表面がc面配向していることが分かる。
図10(c)に示す磁場印加なしの場合には、磁場印加をした場合に比較して、a面,b面からのX線回折強度は弱く、配向性がないことがわかる。
【0034】
次に、平板以外の形状の基材にa面,b面またはc面に配向させたアパタイト被膜を形成する方法について説明する。
多角形の基材の各面を被覆するアパタイト被膜を、例えば、c面配向させる場合には、面法線が一致する面毎のグループに分類し、選択した一つのグループの面法線が印加磁場方向に垂直になるように、すなわち、印加磁場の方向とこのグループの面が平行、または、ほぼ平行になるように基材を配置し、他のグループの面は全てアパタイト原料を溶解した水溶液に溶出しない樹脂などで覆う。次に、基材を加熱しc面配向させたアパタイト被膜を形成する。
次に、他のグループの面が印加磁場方向と平行、または、ほぼ平行になるように基材を配置し、他のグループの面は全てアパタイト原料を溶解した水溶液に溶出しない樹脂などで覆い、基材を加熱しc面配向させたアパタイト被膜を形成する。この工程を繰り返して、任意形状の基材面の全てにc面配向したアパタイト被膜を形成することができる。a面配向及びb面配向被膜の場合も同様にして形成することができる。
【0035】
次に、円柱面の基材にc面、または、a面またはb面配向したアパタイト被膜を形成する実施例について説明する。
図11は、円柱状の基材の側面に配向させたアパタイト被膜を形成するためのアパタイト被覆基材の製造装置において、容器及び容器周辺の構成を示す概略断面図である。
図において、容器3内のアパタイト原料を溶解した水溶液2中に、円柱状基材20が収容されており、この円柱状基材20の上面と下面には、電極6が配設されて、各導線7により支持部材21に固定されている。
支持部材21には、回転軸22が取り付けられて、回転駆動装置23に接続されている。回転駆動装置23は、モーターと、その電源と回転制御部により構成される。そして、磁場が円柱状の基材20の側面と平行な方向Bに印加されている。
回転駆動装置23を駆動することにより、円柱状の基材20は、回転軸22と共にアパタイト原料を溶解した水溶液2内を回転しつつ被膜が形成されるので、超伝導電磁石の磁場強度がたとえ均一でない場合においても、均一な厚さで円柱状の基材20の側面にアパタイト被膜を形成することができる。また、円柱状の基材20によりアパタイト原料を溶解した水溶液2が攪拌されるので、均一なアパタイト被膜を形成することができる。
これにより、円柱状の基材20の側面の表面にc軸配向したアパタイトを均一な厚みで析出させることができる。
【0036】
次に、円柱面の基材に、a面またはb面配向したアパタイト被膜を形成する実施例について説明する。
図11の配置において、円柱の側面が印加磁場と垂直となるように、円柱状の基材20を横方向に水平になるよう配置を変更する。そして、円柱の中心軸を回転するように駆動機構を配置する。
この配置を用いて、磁場を印加しながら水中熱基板法を用いて円柱基材の側面に、水酸アパタイトのa面またはb面配向したアパタイト被膜を形成することができる。
【0037】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では、主としてチタン箔や円柱を基材に用いた場合について説明したが、これに限らず、その用途も蛋白質またはDNA等の分離精製用カラム充填剤、濾過剤、骨欠損物への充填剤、薬剤担体、人工関節や人工歯根、人工血管等の医療材料に好適に利用し得る限りは特定用途に限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、アパタイト被覆時に、磁場を印加することによりアパタイト被膜膜の結晶方位を制御することが可能な、アパタイト被覆基材の製造方法及びアパタイト被覆基材の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は水酸アパタイトの結晶構造を、(b)は本発明の方法による磁場印加による水中熱基板法により得られる水酸アパタイトの結晶配向を示す図である。
【図2】磁場を印加してスリップキャスティングを行い、焼結した水酸アパタイト焼結体のX線回折測定により求めた面配向指数の磁場強度依存性を示す図である。
【図3】本発明によるアパタイト被覆基材の製造装置の構成を一部破断して示す斜視図である。
【図4】アパタイト被膜を形成する基材の表面を、磁場の方向に垂直に配置した場合の斜視図である。
【図5】実施例に用いた基材の形状を示す平面図である。
【図6】(a)は図3及び図5に示す製造装置を用い、基材を磁場印加方向に対して垂直に配設して得られた水酸アパタイト表面のSEM写真を示す図であり、(b)は基材と印加磁場方向と得られた水酸アパタイトの結晶配向を説明する模式図である。
【図7】アパタイト被膜を形成する基材の表面を、磁場の方向に平行に配置した場合の斜視図である。
【図8】(a)は、図7に示す製造装置を用い、基材を磁場印加方向に対して平行に配設して得られた水酸アパタイト表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す図であり、(b)は基材と印加磁場方向と得られた水酸アパタイトの結晶配向を説明する模式図である。
【図9】基材に磁場を印加しないときに、水中熱基板法により得られた水酸アパタイト表面のSEM写真を示す図である。
【図10】水中熱基板法により得られた水酸アパタイト表面のX線回折結果を示すグラフであり、(a)は基材を磁場印加方向に対して垂直に配設した場合、(b)は基材を磁場印加方向に対して平行に配設した場合、(c)は磁場印加なしを示している。
【図11】円柱状の基材の側面に配向させたアパタイト被膜を形成するためのアパタイト被覆基材の製造装置の容器及び容器周辺の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 アパタイト被覆基材の製造装置
2 アパタイト原料を溶解した水溶液
3 容器
4 超伝導電磁石
5 基材
6 電極
7 導線
8 加熱用電源
9 支持部材
10 電極支持部材
11 六角形の薄板状水酸アパタイト
12 六角柱状の水酸アパタイト
20 円柱状の基材
21 支持部材
22 回転軸
23 回転駆動装置

Claims (14)

  1. 水中熱基板法を用いて、基材に磁場を印加しながらアパタイト被膜を形成する方法であって、
    上記磁場の強度、その印加方向、その印加時間の何れか、または、これらを組み合わせて制御して形成することにより、
    上記アパタイト被膜の特定の結晶軸を上記基材の表面にほぼ垂直な方向、または、ほぼ平行な方向に配向させて形成することを特徴とする、アパタイト被覆基材の製造方法。
  2. 前記アパタイト被膜を形成する前記基材の表面を、前記磁場の方向とほぼ平行に配置して、結晶c軸が上記基材の表面に垂直な方向に配向したアパタイト被膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載のアパタイト被覆基材の製造方法。
  3. 前記アパタイト被膜を形成する前記基材の表面を、前記磁場の方向にほぼ垂直に配置して、結晶a軸及びb軸が上記基材の表面に垂直な方向に配向したアパタイト被膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載のアパタイト被覆基材の製造方法。
  4. 前記磁場の強度が、1T(テスラ)から12Tの範囲であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のアパタイト被覆基材の製造方法。
  5. 前記基材の形状が任意の形状を有していることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のアパタイト被覆基材の製造方法。
  6. 前記アパタイト被膜が水酸アパタイトであることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のアパタイト被覆基材の製造方法。
  7. 超伝導電磁石と、この超伝導電磁石内に配設されたアパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器と、この水溶液内に配設された基材と、この基材に電流を流してこの基材を加熱する電源と、を備え、上記水溶液中の基材を加熱するとともに、上記基材に上記超伝導電磁石により所定の磁場を印加しながら、上記基材にアパタイト被膜を形成することを特徴とする、アパタイト被覆基材の製造装置。
  8. 超伝導電磁石と、この超伝導電磁石内に配設されたアパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器と、この水溶液内に配設された円柱状の基材と、この基材に電流を流してこの基材を加熱する電源と、上記円柱状の基材を回転させる回転駆動装置と、を備え、上記水溶液中の基材を加熱するとともに、上記基材に上記超伝導電磁石により所定の磁場を印加しながら、上記円柱状の基材を回転しつつその表面にアパタイト被膜を形成することを特徴とする、アパタイト被覆基材の製造装置。
  9. 前記水溶液中の電極に前記基材を水平に固定し、前記超伝導電磁石の磁場の方向とほぼ垂直となるように配置したことを特徴とする、請求項7又は8に記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
  10. 前記水溶液中の電極に前記基材を垂直に固定し、前記超伝導電磁石の磁場の方向とほぼ平行となるように配置したことを特徴とする、請求項7又は8に記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
  11. 前記超伝導電磁石が、前記アパタイト原料を溶解した水溶液を入れた容器の外周を包囲して配置されていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
  12. 前記磁場の強度が、1T(テスラ)から12Tの範囲であることを特徴とする、請求項7〜11の何れかに記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
  13. 前記アパタイト被膜が水酸アパタイトであることを特徴とする、請求項7〜12の何れかに記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
  14. 前記基材の形状が任意の形状を有していることを特徴とする、請求項7に記載のアパタイト被覆基材の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007303944A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Osaka Univ 硬組織の評価方法
JP2008006128A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Osaka Univ 配向性の制御装置
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