【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールと運転席乗員との間に介在するように膨張して該運転席乗員を保護する運転席用エアバッグに係り、特に、下部が早期に膨張するように構成された運転席用エアバッグに関する。また、本発明は、この運転席用エアバッグを備えた運転席用エアバッグ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ステアリングホイールに設けられた運転席用エアバッグ装置にあっては、車両衝突時等の緊急時にインフレータ（ガス発生器）がガス噴出作動し、このインフレータからのガスによってエアバッグが膨張し、ステアリングホイールと運転席乗員との間に介在する。
【０００３】
従来、運転席用エアバッグとしては、膨張したときにステアリングホイールの全体を覆う略真円形の正面視形状を有するものが広く採用されている。
【０００４】
特開平７−６９１５１号公報には、膨張したときにエアバッグの下部がステアリングホイールよりも下方にまで延在するように上下方向に長い長円形状とした運転席用エアバッグが記載されている。このようにエアバッグの下部を下方に延在させることにより、ステアリングホイール下部と乗員の腹部ないし胸部間に介在するエアバッグ容積を大きくし、衝撃吸収量を増大させることができる。
【０００５】
【特許文献１】
特開平７−６９１５１号
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ステアリングホイールの下部は、その上部に比べて運転席乗員との間隔が小さいので、運転席用エアバッグはその下部がなるべく早期に大きく膨張することが望ましいが、上記特開平７−６９１５１号公報には、そのための構成が開示されていない。このため、上記特開平７−６９１５１号公報のエアバッグにあっては、下部を早期に大きく膨張させるためにはインフレータとして高出力のものを採用せざるを得ない。
【０００７】
本発明は、インフレータの出力を高めることなく、早期に且つ十分に大きく下部が膨張する運転席用エアバッグを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の運転席用エアバッグは、ステアリングホイールと運転席乗員との間に介在するように膨張する運転席用エアバッグであって、膨張したときに下部が該ステアリングホイールよりも下方にまで延在するよう構成された運転席用エアバッグにおいて、内部が下部室と上部室とに区画されており、まず該下部室にガスが導入されることにより前記下部が膨張し、次いで、該下部室を経由したガスが該上部室に流入することにより上部が膨張するよう構成されていることを特徴とするものである。
【０００９】
本発明の運転席用エアバッグ装置は、この運転席用エアバッグを備えてなるものである。
【００１０】
かかる本発明の運転席用エアバッグ及び運転席用エアバッグ装置にあっては、車両が衝突してインフレータが作動すると、該インフレータからのガスはまずエアバッグの下部室に導入される。そのため、エアバッグはまず下部が膨張する。該下部室の内容積はエアバッグ全体の内容積に比べて小さいので、インフレータの出力が比較的小さくても、エアバッグの下部を早期に且つ十分に大きく膨張させることが可能である。
【００１１】
本発明の運転席用エアバッグにおいては、下部室に導入されたガスが該下部室内の下部に向って流れるよう案内される構成となっていることが好ましい。このように下部室に導入されたガスが下部室内の下部に向って流れることにより、エアバッグの下部が迅速に下方に向って膨出するようになる。
【００１２】
本発明の運転席用エアバッグにおいては、下部室と上部室とは内部パネルによって区画されており、該内部パネルは、ステアリングホイール側のリア面と運転席乗員側のフロント面とを連結している構成となっていることが好ましい。このように構成した場合には、運転席用エアバッグのフロント面が運転席乗員に向って過度に膨らみ出すことが阻止される。
【００１３】
この場合、内部パネルがフロント面側ほどエアバッグの下部に近づくように配置されており、これにより、下部室に導入されたガスが該下部室内の下部に向って流れるよう案内される構成としてもよい。このように構成した場合には、エアバッグの膨張初期段階でインフレータからのガスが下向きに流れ、エアバッグの下部が素早く且つ大きく膨張するようになる。
【００１４】
本発明の運転席用エアバッグは、上部室に、該上部室とエアバッグ外部とを連通するベントホールが設けられていることが好ましい。このように構成することにより、下部室に導入されたガスが該下部室からエアバッグ外部に直接に流出することがなく、エアバッグの下部が極めて迅速に膨張するようになる。
【００１５】
本発明では、エアバッグのリア面の中央よりも上位側にインフレータ用開口が設けられていることが好ましい。このようにインフレータ用開口を上位に配置すると、エアバッグ膨張時にエアバッグの下部がステアリングホイールの下方に長く延出するようになり、乗員の腹部ないし胸部とステアリングホイールの下部との間に大きく膨張したエアバッグが介在するようになる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第１図は実施の形態に係る運転席用エアバッグの正面図、第２図は第１図のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。また、第４図及び第５図は、それぞれ、運転席用エアバッグの下部がステアリングホイールよりも下方にまで膨張した状態及び該下部に引き続いて運転席用エアバッグの上部が膨張した状態を示す運転席周辺の側面図である。
【００１７】
ステアリングホイール１は、第４図及び第５図に示す通り、運転席乗員側が斜め上方に仰向くように傾斜した状態で設置されている。このステアリングホイール１の中央のハブ部（図示略）に運転席用エアバッグ１０が取り付けられている。
【００１８】
このエアバッグ１０は、膨張した状態においてステアリングホイール１の直径よりも大きい略円形の正面視形状を有している。この運転席用エアバッグ１０の内部空間は、隔壁状の内部パネル１２によって下部室１４と上部室１６の２室に区画されている。該下部室１４の内容積は、上部室１６の内容積よりも大となっている。この下部室１４の内容積は、エアバッグの全内容積の６０〜９０％特に６５〜７５％程度が好ましい。該内部パネル１２には、この下部室１４と上部室１６とを連通するガス流通口１８が設けられている。
【００１９】
なお、本明細書において、エアバッグの上下方向とは、ステアリングホイール１が車両を直進させるよう操舵された姿勢となっているときの上下方向をいう。また、左右方向とは、この姿勢における車体幅方向をいう。
【００２０】
本実施の形態では、この運転席用エアバッグ１０は、第２図及び第３図に示すように、該運転席用エアバッグ１０の運転席乗員側の面（前面）とステアリングホイール１側の面（後面）をそれぞれ構成するフロントパネル１０ａ及びリアパネル１０ｂを重ね合わせ、これらをその周縁部に沿って縫合して袋状とすることにより製作されている。なお、フロントパネル１０ａ、リアパネル１０ｂ、内部パネル１２は縫合以外の結合手段によって結合されてもよい。
【００２１】
内部パネル１２は、第３図に示す通り、該エアバッグ１０の左右方向に延在するように配置されたパネルであり、その前縁部及び後縁部がそれぞれフロントパネル１０ａ及びリアパネル１０ｂに縫合されている。なお、第２図及び第３図の符号２０は該フロントパネル１０ａ及びリアパネル１０ｂの周縁部同士を結合した縫糸を示し、符号２２ａ，２２ｂは、それぞれ内部パネル１２の前縁部及び後縁部を該フロントパネル１０ａとリアパネル１０ｂとに結合した縫糸を示している。
【００２２】
該リアパネル１０ｂの中央よりも上方の位置に、下部室１４に臨むようにしてインフレータ用開口２４が設けられている。リアパネル１０ｂの中心からインフレータ用開口２４の中心までの距離は、リアパネル１０ｂの半径の１０〜３０％程度が好ましい。また、このリアパネル１０ｂの上部には、上部室１６とエアバッグ１０の外部とを連通するベントホール２６が設けられている。
【００２３】
この運転席用エアバッグ１０は、インフレータ用開口２４の周縁部がエアバッグ装置のリテーナ（図示略）に取り付けられており、該リテーナは、該ステアリングホイール１のハブ部に連結されている。該リテーナにはインフレータ２が取り付けられており、このインフレータ２の先端側２ａが該リアパネル１０ｂの開口２４から下部室１４内に挿入されている。該運転席用エアバッグ１０は、折り畳まれた状態にてモジュールカバー（図示略）によって覆われている。
【００２４】
このように構成されたエアバッグ装置を備えた車両が衝突すると、インフレータ２がガス噴出作動して運転席用エアバッグ１０内にガスが導入される。該運転席用エアバッグ１０は、このインフレータ２からのガスにより膨張を開始し、モジュールカバーを押し開いてステアリングホイール１と運転席乗員との間に介在するように膨らみ出す。
【００２５】
この運転席用エアバッグ１０にあっては、該インフレータ２からのガスはまず下部室１４に導入され、該下部室１４を膨張させる。該下部室１４の内容積はエアバッグ１０全体の内容積に比べて小さいので、インフレータ２の出力が比較的小さくても、運転席用エアバッグ１０の下部はステアリングホイール１よりも下方にまで早期に且つ十分に大きく膨張する。このため、乗員の胸部ないし腹部付近が、速やかに大きく膨張したエアバッグ下部により十分に受け止められる。
【００２６】
インフレータ２からのガスは、膨張した下部室１４を経由して内部パネル１２のガス流通口１８から上部室１６に流入し、該上部室１６を膨張させる。これにより、乗員の頭部等もエアバッグ１０により受け止められる。
【００２７】
この実施の形態では、内部パネル１２によってフロントパネル１０ａとリアパネル１０ｂとが互いに連結されているので、エアバッグ１０の上部が運転席乗員に向って過度に膨らみ出すことが阻止される。
【００２８】
また、この実施の形態では、上部室１６にベントホール２６が設けられており、下部室１４に導入されたガスが該下部室１４からエアバッグ１０外部に直接に流出することがないので、エアバッグ１０の下部は、極めて早期に且つ大きく膨張する。
【００２９】
第６図は別の実施の形態に係る運転席用エアバッグの断面図であり、第２図と同様部分の断面を示している。
【００３０】
第６図に示す運転席用エアバッグ１０Ａは、内部パネル１２がフロントパネル１０ａ側ほどエアバッグ下部に近づく構成となっている。この運転席用エアバッグ１０Ａのその他の構成は第１〜５図の運転席用エアバッグ１０と同様となっており、第６図において第１〜５図と同一の符号は同一の部分を示している。
【００３１】
この運転席用エアバッグ１０Ａにあっては、内部パネル１２がフロントパネル１０ａに向って下りとなるように傾斜していることにより、インフレータ２から下部室１４内に噴出したガスは、該内部パネル１２に当ってエアバッグ１０の下部に向って流れる。これにより、該運転席用エアバッグ１０Ａの下部は極めて迅速に下方へ膨張する。
【００３２】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【００３３】
例えば、上記実施の形態では、第３図に示すように、下部室１４と上部室１６とを連通する２個の円形のガス流通口１８を設けているが、該ガス流通口１８の形状、個数、配置、各々の開口面積及び総開口面積等の構成は適宜変更可能である。また、該ガス流通口１８の開口面積はエアバッグ膨張過程を通して一定であってもよく、下部室１４や上部室１６の内圧に応じて変化するようにしてもよい。内部パネル１２の一部又は全部をガス透過性を有する材質にて構成することにより、該ガス流通口１８を省略してもよい。
【００３４】
上記実施の形態では、第１図に示すように、上部室１６に、該上部室１６とエアバッグ１０外部とを連通する２個の円形のベントホール２６を設けているが、このベントホール２６の形状や個数、配置、各々の開口面積及び総開口面積等の構成も適宜変更可能である。また、該ベントホール２６の開口面積はエアバッグ膨張過程を通して一定であってもよく、上部室１６の内圧に応じて変化するようにしてもよい。
【００３５】
フロントパネル１０ａやリアパネル１０ｂの一部又は全部をガス透過性を有する材質にて構成することにより、該ベントホール２６を省略してもよい。
【００３６】
上記の各実施の形態では、運転席用エアバッグ１０の上部室１６は、下部室１４よりも遅れて膨張するが、この上部室１６は、乗員が下部室１４に当たった後に膨張完了することが好ましい。このようにすれば、インフレータとして低出力のものを採用できる。
【００３７】
上記の各実施の形態では、運転席用エアバッグ１０，１０Ａは、略真円形の正面視形状（膨張形状）を有しているが、本発明の運転席用エアバッグの膨張形状は、長円形やその他種々の形状であってもよい。
【００３８】
上記の各実施の形態では、内部パネル１２によってフロントパネル１０ａとリアパネル１０ｂとを連結することにより、該フロントパネル１０ａの運転席乗員側への過度の膨らみ出しを阻止しているが、内部パネル１２とは別の連結手段によってフロントパネル１０ａとリアパネル１０ｂとを連結することにより、フロントパネル１０ａの膨らみ出しを規制するようにしてもよい。
【００３９】
上記の第６図の実施の形態では、内部パネル１２をフロントパネル１０ａに向って下りとなるように傾斜させて配置することにより、下部室１４内においてインフレータ２からのガスを運転席用エアバッグ１０Ａの下部に向って流動するように案内しているが、このような構成以外にも、例えば、内部パネル１２とは別に、インフレータ２からのガスを下方に案内する整流布や整流袋などを設けてもよい。
【００４０】
上記の各実施の形態では、隔壁状の内部パネル１２を設けることにより、エアバッグ１０，１０Ａの内部を下部室１４と上部室１６とに区画しているが、これらの下部室１４及び上部室１６の構成及び区画方法はこれに限られるものではない。
【００４１】
上記の各実施の形態では、運転席用エアバッグ装置はステアリングホイール１のハブ部に連結されているが、本発明の運転席用エアバッグ装置の設置箇所はこれに限られるものではない。本発明の運転席用エアバッグ装置は、例えば、ステアリングホイール１を回転操舵しても該ステアリングホイール１と一緒に回転しない箇所に設置してもよい。このようにステアリングホイールと一緒に回転しないようにエアバッグ装置を設置することにより、運転席用エアバッグの姿勢は、ステアリングホイールが回転しても常に一定となる。
【００４２】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、インフレータの出力を高めることなく、早期に且つ十分に大きく下部が膨張する運転席用エアバッグ及び運転席用エアバッグ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態に係る運転席用エアバッグの正面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。
【図４】運転席用エアバッグの下部が膨張した状態を示す運転席周辺の側面図である。
【図５】運転席用エアバッグが上部まで膨張した状態を示す運転席周辺の側面図である。
【図６】別の実施の形態に係る運転席用エアバッグの図２と同様部分の断面図である。
【符号の説明】
１ ステアリングホイール
２ インフレータ
１０，１０Ａ 運転席用エアバッグ
１２ 内部パネル
１４ 下部室
１６ 上部室
１８ ガス流通口
２４ インフレータ用開口
２６ ベントホール[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an airbag for a driver's seat that inflates between a steering wheel and a driver's seat occupant to protect the driver's occupant, and in particular, a driving device configured to inflate the lower portion early. The present invention relates to a seat airbag. The present invention also relates to a driver airbag device provided with the driver airbag.
[0002]
[Prior art]
In an airbag device for a driver's seat provided on a steering wheel, in an emergency such as a vehicle collision, an inflator (gas generator) performs a gas ejection operation, and the gas from the inflator inflates the airbag, so that the steering wheel is inflated. And the driver's seat.
[0003]
2. Description of the Related Art Conventionally, as a driver's seat airbag, an airbag having a substantially circular front view shape that covers the entire steering wheel when inflated has been widely adopted.
[0004]
Japanese Patent Laying-Open No. 7-69151 describes an airbag for a driver's seat having a vertically long oval shape such that the lower portion of the airbag extends below the steering wheel when inflated. . By extending the lower portion of the airbag downward in this manner, the volume of the airbag interposed between the lower portion of the steering wheel and the abdomen or chest of the occupant can be increased, and the amount of shock absorption can be increased.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-7-69151
[Problems to be solved by the invention]
Since the lower portion of the steering wheel has a smaller distance from the driver's seat occupant than the upper portion of the steering wheel, it is desirable that the lower portion of the driver's seat airbag inflates as soon as possible, as described in JP-A-7-69151. Does not disclose a configuration therefor. For this reason, in the airbag disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-69151, a high-output inflator must be used in order to rapidly inflate the lower portion early.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide an airbag for a driver's seat in which the lower portion is inflated quickly and sufficiently large without increasing the output of the inflator.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A driver's seat airbag according to the present invention is a driver's seat airbag that inflates so as to be interposed between a steering wheel and a driver's occupant, and when inflated, a lower portion extends below the steering wheel. In an airbag for a driver's seat configured to be present, the interior is partitioned into a lower chamber and an upper chamber, and the lower section is first inflated by introducing gas into the lower chamber, and then the lower chamber is inflated. The gas flows through the upper chamber into the upper chamber so that the upper part expands.
[0009]
The driver's seat airbag device of the present invention includes the driver's seat airbag.
[0010]
In the driver's seat airbag and driver's seat airbag device of the present invention, when the vehicle collides and the inflator is activated, gas from the inflator is first introduced into the lower chamber of the airbag. Therefore, the lower part of the airbag is first inflated. Since the internal volume of the lower chamber is smaller than the internal volume of the entire airbag, the lower portion of the airbag can be inflated quickly and sufficiently even if the output of the inflator is relatively small.
[0011]
In the driver's seat airbag of the present invention, it is preferable that the gas introduced into the lower chamber is guided so as to flow toward the lower part of the lower chamber. Thus, the gas introduced into the lower chamber flows toward the lower part of the lower chamber, whereby the lower part of the airbag inflates quickly downward.
[0012]
In the driver airbag of the present invention, the lower chamber and the upper chamber are partitioned by an inner panel, and the inner panel connects the rear surface on the steering wheel side and the front surface on the driver's seat occupant side. It is preferable that the configuration is such that: With this configuration, it is possible to prevent the front surface of the driver's seat airbag from excessively inflating toward the driver's seat occupant.
[0013]
In this case, the inner panel is arranged so as to be closer to the lower portion of the airbag toward the front surface side, so that the gas introduced into the lower chamber is guided to flow toward the lower portion of the lower chamber. Good. In such a configuration, the gas from the inflator flows downward at the initial stage of inflation of the airbag, and the lower portion of the airbag is quickly and largely inflated.
[0014]
The driver's seat airbag according to the present invention is preferably provided with a vent hole in the upper chamber for communicating the upper chamber with the outside of the airbag. With this configuration, the gas introduced into the lower chamber does not flow out of the lower chamber directly to the outside of the airbag, and the lower portion of the airbag inflates very quickly.
[0015]
In the present invention, it is preferable that the inflator opening is provided above the center of the rear surface of the airbag. When the opening for the inflator is arranged in the upper position in this way, the lower portion of the airbag extends long below the steering wheel when the airbag is inflated, and greatly inflates between the abdomen or chest of the occupant and the lower portion of the steering wheel. The airbag that has been inserted is interposed.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a front view of an airbag for a driver's seat according to an embodiment, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line II-II of FIG. 1, and FIG. 3 is a cross-section taken along line III-III of FIG. FIG. 4 and 5 show a state where the lower part of the driver airbag is inflated below the steering wheel and a state where the upper part of the driver airbag is inflated following the lower part, respectively. It is a side view around a driver's seat.
[0017]
As shown in FIGS. 4 and 5, the steering wheel 1 is installed in a state where the driver's seat occupant is inclined obliquely upward. A driver seat airbag 10 is attached to a central hub (not shown) of the steering wheel 1.
[0018]
The airbag 10 has a substantially circular front view shape larger than the diameter of the steering wheel 1 when inflated. The interior space of the driver's seat airbag 10 is divided into a lower chamber 14 and an upper chamber 16 by a partition-shaped internal panel 12. The inner volume of the lower chamber 14 is larger than the inner volume of the upper chamber 16. The inner volume of the lower chamber 14 is preferably about 60 to 90%, particularly about 65 to 75% of the total inner volume of the airbag. The inner panel 12 is provided with a gas flow port 18 for communicating the lower chamber 14 and the upper chamber 16.
[0019]
In this specification, the up-down direction of the airbag refers to the up-down direction when the steering wheel 1 is in a posture steered to make the vehicle go straight. Further, the left-right direction refers to the width direction of the vehicle body in this posture.
[0020]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 2 and 3, the driver's seat airbag 10 includes a driver's seat occupant side surface (front surface) and a steering wheel 1 side. It is manufactured by overlapping a front panel 10a and a rear panel 10b, each of which forms a surface (rear surface), and stitching them along a peripheral edge thereof to form a bag. Note that the front panel 10a, the rear panel 10b, and the inner panel 12 may be joined by joining means other than stitching.
[0021]
As shown in FIG. 3, the inner panel 12 is a panel arranged so as to extend in the left-right direction of the airbag 10, and its front edge and rear edge are sewn to the front panel 10a and the rear panel 10b, respectively. Have been. Reference numeral 20 in FIGS. 2 and 3 denotes a sewing thread connecting the peripheral edges of the front panel 10a and the rear panel 10b, and reference numerals 22a and 22b denote the front edge and the rear edge of the inner panel 12, respectively. The sewing thread connected to the front panel 10a and the rear panel 10b is shown.
[0022]
An inflator opening 24 is provided above the center of the rear panel 10 b so as to face the lower chamber 14. The distance from the center of the rear panel 10b to the center of the inflator opening 24 is preferably about 10 to 30% of the radius of the rear panel 10b. In addition, a vent hole 26 that connects the upper chamber 16 and the outside of the airbag 10 is provided in an upper portion of the rear panel 10b.
[0023]
In the driver's seat airbag 10, the periphery of the inflator opening 24 is attached to a retainer (not shown) of the airbag device, and the retainer is connected to a hub of the steering wheel 1. An inflator 2 is attached to the retainer, and a distal end 2a of the inflator 2 is inserted into the lower chamber 14 from an opening 24 of the rear panel 10b. The driver's seat airbag 10 is covered with a module cover (not shown) in a folded state.
[0024]
When a vehicle equipped with the airbag device configured as described above collides, the inflator 2 performs a gas ejection operation to introduce gas into the driver's seat airbag 10. The driver's seat airbag 10 starts to inflate by the gas from the inflator 2, pushes the module cover open, and inflates so as to be interposed between the steering wheel 1 and the driver's seat occupant.
[0025]
In the driver's seat airbag 10, the gas from the inflator 2 is first introduced into the lower chamber 14 to inflate the lower chamber 14. Since the internal volume of the lower chamber 14 is smaller than the entire internal volume of the airbag 10, even if the output of the inflator 2 is relatively small, the lower part of the driver's seat airbag 10 is quickly lowered below the steering wheel 1. And expands sufficiently large. For this reason, the vicinity of the occupant's chest or abdomen can be sufficiently received by the lower portion of the airbag which has been quickly and largely inflated.
[0026]
The gas from the inflator 2 flows into the upper chamber 16 from the gas flow port 18 of the inner panel 12 via the expanded lower chamber 14 and expands the upper chamber 16. Thus, the head and the like of the occupant are also received by the airbag 10.
[0027]
In this embodiment, the front panel 10a and the rear panel 10b are connected to each other by the internal panel 12, so that the upper portion of the airbag 10 is prevented from excessively inflating toward the driver's seat occupant.
[0028]
Further, in this embodiment, the vent hole 26 is provided in the upper chamber 16, and the gas introduced into the lower chamber 14 does not flow out of the lower chamber 14 directly to the outside of the airbag 10. The lower part of the bag 10 inflates very early and significantly.
[0029]
FIG. 6 is a cross-sectional view of an airbag for a driver's seat according to another embodiment, and shows a cross section of the same portion as FIG.
[0030]
The airbag 10A for the driver's seat shown in FIG. 6 is configured such that the inner panel 12 approaches the lower part of the airbag as the front panel 10a is closer to the front panel. Other configurations of the driver's seat airbag 10A are the same as those of the driver's seat airbag 10 shown in FIGS. 1 to 5. In FIG. 6, the same reference numerals as those in FIGS. ing.
[0031]
In this driver's seat airbag 10A, since the inner panel 12 is inclined so as to descend toward the front panel 10a, the gas ejected from the inflator 2 into the lower chamber 14 is released from the inner panel. The air flows toward the lower part of the airbag 10 when hitting 12. As a result, the lower portion of the driver's seat airbag 10A inflates downward very quickly.
[0032]
Each of the above embodiments is an example of the present invention, and the present invention is not limited to the above embodiments.
[0033]
For example, in the above embodiment, as shown in FIG. 3, two circular gas circulation ports 18 that communicate the lower chamber 14 and the upper chamber 16 are provided. Configurations such as the number, arrangement, each opening area, and total opening area can be appropriately changed. Further, the opening area of the gas circulation port 18 may be constant throughout the inflation process of the airbag, or may be changed according to the internal pressure of the lower chamber 14 and the upper chamber 16. The gas flow port 18 may be omitted by forming a part or the whole of the inner panel 12 with a material having gas permeability.
[0034]
In the above-described embodiment, as shown in FIG. 1, the upper chamber 16 is provided with two circular vent holes 26 for communicating the upper chamber 16 with the outside of the airbag 10. The configuration such as the shape, the number, the arrangement, the opening area of each, the total opening area, and the like can be appropriately changed. Further, the opening area of the vent hole 26 may be constant throughout the inflation process of the airbag, or may be changed according to the internal pressure of the upper chamber 16.
[0035]
By forming part or all of the front panel 10a and the rear panel 10b with a material having gas permeability, the vent hole 26 may be omitted.
[0036]
In each of the above embodiments, the upper chamber 16 of the driver's seat airbag 10 inflates later than the lower chamber 14, but the upper chamber 16 is inflated after the occupant hits the lower chamber 14. Is preferred. In this case, a low-output inflator can be employed.
[0037]
In each of the above embodiments, the driver's seat airbags 10 and 10A have a substantially circular front view shape (inflated shape), but the driver's seat airbag of the present invention has a long inflated shape. It may be circular or various other shapes.
[0038]
In each of the above embodiments, the front panel 10a and the rear panel 10b are connected by the internal panel 12 to prevent the front panel 10a from excessively bulging to the driver's seat occupant side. By connecting the front panel 10a and the rear panel 10b by another connecting means, the bulging of the front panel 10a may be restricted.
[0039]
In the embodiment shown in FIG. 6, the inner panel 12 is disposed so as to be inclined downward toward the front panel 10a, so that the gas from the inflator 2 can be supplied to the driver's seat airbag in the lower chamber 14. Although it is guided so as to flow toward the lower part of 10A, other than such a configuration, for example, a rectifying cloth or a rectifying bag for guiding gas from the inflator 2 downward separately from the inner panel 12 may be used. It may be provided.
[0040]
In each of the above embodiments, the inside of the airbags 10 and 10A is divided into the lower chamber 14 and the upper chamber 16 by providing the partition-like inner panel 12, but the lower chamber 14 and the upper chamber The configuration and division method of the sixteen are not limited to this.
[0041]
In each of the above embodiments, the driver's seat airbag device is connected to the hub of the steering wheel 1, but the installation location of the driver's seat airbag device of the present invention is not limited to this. The driver's seat airbag device of the present invention may be installed, for example, at a location where the steering wheel 1 is not rotated even when the steering wheel 1 is rotated. By installing the airbag device such that it does not rotate together with the steering wheel, the attitude of the driver's seat airbag is always constant even when the steering wheel rotates.
[0042]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, there is provided an airbag for a driver's seat and a driver's seat airbag device in which the lower portion inflates quickly and sufficiently without increasing the output of the inflator.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a driver seat airbag according to an embodiment.
FIG. 2 is a sectional view taken along the line II-II in FIG.
FIG. 3 is a sectional view taken along line III-III in FIG.
FIG. 4 is a side view of the vicinity of the driver's seat showing a state where the lower portion of the driver's seat airbag is inflated.
FIG. 5 is a side view of the vicinity of the driver's seat showing a state where the driver's seat airbag is inflated to the upper part.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a portion similar to FIG. 2 of an airbag for a driver's seat according to another embodiment.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 1 steering wheel 2 inflator 10, 10A driver airbag 12 inner panel 14 lower chamber 16 upper chamber 18 gas flow port 24 inflator opening 26 vent hole
