JP2004148704A - 画像処理方法,画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像データの種別に拘わらず,該画像データに基づいて形成される画像の画像品質を低下させることなく,効果的にトナーの消費量を抑制することができる画像形成方法を提案すること。
【解決手段】入力された画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す第1の工程(S1)と,前記第1の工程により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出する第2の工程(S2)と,前記第2の工程によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える第3の工程(S3)と,前記第3の工程で所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く第4の工程(S4)と,を具備してなることを特徴とする画像形成方法として構成する。
【選択図】図1
【解決手段】入力された画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す第1の工程(S1)と,前記第1の工程により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出する第2の工程(S2)と,前記第2の工程によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える第3の工程(S3)と,前記第3の工程で所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く第4の工程(S4)と,を具備してなることを特徴とする画像形成方法として構成する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,画像データに基づいて画像形成するに当たり,その画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理方法に係り,詳しくは,いかなる種別の画像データに対しても適用可能であって,簡単な処理により実現可能な画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,画像形成装置においては,入力される画像データを印刷するに当たり,前記画像データの全てを印刷せず,一部の画素を間引くことで消費されるトナーの消費量を抑える処理(いわゆる間引き処理)が実行される。
このような処理を適用する場合には,前記画像データの画素をランダムに間引くのではなく,文字や画像の輪郭部(いわゆるエッジ部)を残すように,エッジ部以外の画素を間引く(或いは濃度を下げる)ことで,ユーザが認識できる程度の画像品質を保ちつつトナーの消費量を抑制することが可能である。(例えば,特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献】
特開2002−86805号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記特許文献に記載の技術は,前記画像データの画素の周囲に画素があるかどうかによってエッジ部を判定し,その判定結果に基づいて濃度補正処理(エッジ部以外の画素の濃度を下げる処理)を施すものである。
具体的には,前記画像データの画素のうち,その周囲の一部が欠けた画素をエッジ部であると判定し,しかる後,その画素以外の画素(つまりは,その周囲全てに画素のある画素)に間引き処理を施すものである。
かかる構成は,前記画像データが,モノクロ画像データ或いはテキストデータの如く,強調すべきエッジ部が輪郭にのみ存在するデータである場合には有効である。
しかしながら,前記画像データが,カラー画像或いは中間階調の画像データの如く,強調すべきエッジ部が輪郭以外にも存在する(つまりは,各色毎或いは各階調毎に輪郭が存在する)データである場合には,画素の有無によってエッジ部を判定する構成上,各色毎或いは各階調毎の輪郭をエッジ部として判定することができない。その結果,間引き処理によって,それら必要な(強調されるべき)エッジ部まで間引かれることとならざるを得ず,その画像品質を著しく低下させるという不都合が生じ得る。
そこで,本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,画像データの種別に拘わらず,その画像データに基づいて形成される画像の画像品質を低下させることなく,効果的にトナーの消費量を抑制することができる画像処理方法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために,本発明は,入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理方法において,前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す第1の工程と,前記第1の工程により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出する第2の工程と,前記第2の工程によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える第3の工程と,前記第3の工程により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く第4の工程と,を具備してなることを特徴とする画像処理方法として構成される。
このように,前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいてエッジ部を抽出する構成によれば,前記画像データが,カラー画像或いは中間階調の画像データであったとしても,正確にエッジ部である画素を抽出することが可能となり,間引き処理後の画像の画像品質を劣化させることを防止し得る。
また,本構成によれば,前記画像データにおける画素のうち,エッジ部であると抽出された画素を識別(特定)する情報が,その濃度情報として埋め込まれていると考えられる。即ち,前記画像データに対して,そのエッジ部に関する情報を新たに付加する必要が無く,該画像データのデータ量,ひいてはデータを記憶する記憶部のメモリ容量の増大を防止し得る。
更には,前記強調画像データに対して間引き処理を施す場合には,画素の濃度に基づいて間引くべき画素を特定することが可能であり,簡単な判定処理によって正確な間引き処理を実現することが可能となる。
【0006】
ここで,前記第2の工程の一例としては,前記第1の工程で強調処理された前記画像データにおける前記画素の周辺画素に対する濃度差と,第1の閾値と,を比較する第1の比較工程と,前記濃度差と前記画素の濃度との和と,第2の閾値と,を比較する第2の比較工程と,前記第1および第2の比較工程における比較結果に基づいて,前記画素がエッジ部であるかどうかを判定するエッジ判定工程と,を含んでなるものが考え得る。
これにより,前記画像データにおける前記画素のうち,周辺画素との濃度差が大きく(濃度差が第1の閾値以上),且つ,その濃度自体も大きい(その濃度と前記濃度差との和が第2の閾値以上)である画素,つまりは,エッジ部である画素のみを正確に抽出することが可能であり,更には,その抽出精度は,画像データの種別に影響を受けることはない。
【0007】
ここで,前述した間引き処理方法に特徴点を有する画像処理方法を実施可能な画像処理装置として捉えた場合,本発明は,入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理装置において,前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す強調処理部と,前記強調処理部により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出するエッジ抽出部と,前記エッジ抽出部によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える濃度置換部と,前記濃度置換部により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く間引き処理部と,を具備してなることを特徴とする画像処理装置と考えられる。
尚,当該画像処理装置による奏する作用,効果は前述した画像処理方法と同一であるため,ここでは省略する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る画像処理方法の処理の流れを示す図,図2は一般的な画像データの一部を示す拡大図,図3は本発明の実施の形態に係るラプラシアンフィルタの一例を示す図,図4はある画像データの一部を示す拡大図,図5は別の画像データの一部を示す拡大図である。
【0009】
ここで,図1を用いて,本発明に係る画像処理方法の手順の概要を説明する。以下S1,S2,,は処理手順(ステップ)の番号を示す。
先ず,図1の処理が開始される前に,当該画像処理方法が実行される画像形成装置(例えばデジタル複写機)には,画像データが入力されているものとする。
前記画像データが入力されると,先ずステップS1では,前記画像データにラプラシアン処理(空間フィルタ処理の一例に該当)が施され,該画像データおける任意の画素(以下,注目画素という)が,適用されるラプラシアンフィルタ(図3参照)に応じて強調処理される。
続いて,ステップS2では,前記ステップS1により強調処理された前記画像データにおける前記注目画素のうち,前記画像データにおけるエッジ部である画素が抽出される。
かかる抽出は,後述するように,前記注目画素の周辺画素に対する濃度差及び前記注目画素の濃度と前記濃度差との和(以下略して,前記注目画素における濃度差等という),と所定の閾値との比較結果に基づいて行われる。
そして,ステップS3では,前記ステップS2においてエッジ部であると抽出された前記注目画素の濃度を所定の濃度に置き換える。
最後に,ステップS4では,所定濃度の画素(つまりは,エッジ部)以外の画素を間引く処理が実行され,エッジ部を残し(強調し)た状態の画像データが生成される。
このように,本発明に係る画像処理方法は,強調処理された前記画像データにおける前記注目画素から,該前記注目画素における濃度差等に基づいてエッジ部である画素を抽出すると共に,エッジ部であると抽出された前記注目画素を所定濃度に置換し,しかる後,所定濃度以外である画素を間引くことで,前記画像データからエッジ部を残した(強調した)画像データを生成するものである。
従って,当該画像処理方法を適用することで,前記画像データの種別に拘わらず,前記強調画像データの各画素毎の濃度に基づいて画素を間引くという,比較的簡単な処理によりエッジ部を正確に強調しつつ,使用するトナーを抑制することが可能である。
【0010】
以下に,上述した各処理手順の詳細について,ステップS1から順次説明する。
(S1)
このステップS1では,入力された前記画像データに対して所定の空間処理(本実施形態ではラプラシアン処理)が適用され,前記画像データの強調処理が実行される。
この強調処理についての概略を,前記画像データの一例を示す図2,及びラプラシアンフィルタの一例を示す図3を用いて説明する。尚,図2は,前記画像データの一部を拡大した図であり,同図に示す如く,注目画素であるX(濃度もXとする)の周囲には周辺画素A〜H(濃度も夫々A〜Hとする)が存在している。
このステップS1では,先ず,図2に示す画像データAに図3に示すラプラシアンフィルタBを適用することにより,前記注目画素Xの前記周辺画素A〜Hに対する濃度差Sが,下式1の如く算出される。
S(濃度差)=G{4X−(A+C+F+H)} …(1)
但し,Gはエッジ部の強調度合を調整するゲインである。
そして,この算出された前記濃度差Sに基づき,前記ラプラシアンフィルタBによる強調処理が施された後の前記注目画素Xの強調後濃度F_outが,下式(2)の如く算出される。
F_out(強調後濃度)=X+S …(2)
このように,このステップS1では,前記ラプラシアンフィルタBを施すことで,前記画像データAにおける前記注目画素Xが,その濃度(X)と周辺画素との濃度差(S)に応じて強調処理される。
尚,本実施形態では,前記注目画素Xに対し,斜め方向に隣接する周辺画素(A,C,F,H)に対するに濃度差が算出されるように前記ラプラシアンフィルタBを設定しているが,無論,それに限定されるものではなく,上下左右方向に隣接する周辺画素(B,D,E,G)を考慮にいれた濃度差が算出されるように前記ラプラシアンフィルタBを設定してもよい。
尚,このステップS1を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記強調処理部の一例である。
【0011】
(S2)
このステップS2では,前記ステップS1において強調処理された前記画像データAにおけるエッジ部を抽出する。
具体的には,第1の閾値をTH1,第2の閾値をTH2とし,これら閾値と,前記濃度差S,及び前記濃度差Sと前記注目画素Xとの和,つまりは,強調後濃度F_outと,を夫々比較することで前記画像データAのエッジ部である前記注目画素Xを抽出する。尚,本実施形態では,前記画像データAが8bitで256値の階調(0(白)〜255(黒))の濃度を有するデータであるとし,前記第2の閾値TH2が255に設定された場合について説明する。
このステップS2では,先ず,前記濃度差Sと前記第1の閾値TH1との比較が行われる(第1の比較工程に該当)。
この第1の比較工程において,前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1と判定された前記注目画素Xは,該注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が大きい,つまりは,エッジ部である画素の蓋然性が高いことを示している。
そこで,更に,前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1と判定された前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outと,前記第2の閾値TH2とを比較し(第2の比較工程に該当),その比較結果(つまりは,前記強調後濃度F_outと前記第2の閾値TH2との大小関係)に応じて,該注目画素Xがエッジ部である画素かどうかを判定する(エッジ部判定工程に該当)。
つまり,
S≧TH1 …(3)
且つ,
X+S≧255(TH2) …(4)
である場合には,前記注目画素Xは,周辺画素に対する濃度差が大きく,且つ,その濃度自体も大きい画素であるため,該注目画素Xはエッジ部であると判定され,逆に
S≧TH1 …(3)
且つ,
X+S<255(TH2) …(4)
である場合には,前記注目画素Xは,周辺画素に対する濃度差は大きいものの,その濃度自体が小さい画素であるため,該注目画素Xはエッジ部ではないと判定される。
他方,前記第1の比較工程において,前記濃度差S<前記第1の閾値TH1であった場合,つまり,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が小さい場合には,該注目画素Xがエッジ部である可能性はないため,必然的に,該注目画素Xはエッジ部ではないと判定される。
尚,このステップS2を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記エッジ抽出部の一例である。
【0012】
(S3)
このステップS3では,前記ステップS2による判定結果に基づいて,前記ステップS1において強調された前記注目画素Xの前記強調後濃度F_outを所定濃度に置き換える。
このステップS3では,前記ステップS2における前記第1の比較工程による比較結果(つまりは,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差)に応じて,二つの場合に大別して処理が行われる。
(前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1である場合)
先ず,前記注目画素Xが大きく強調された場合について考える。
この場合は,更に,前記ステップS2における前記第2の比較工程の比較結果に応じて,以下の処理が行われる。
▲1▼(X+S≧255(TH2))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも大きい場合は,前記注目画素Xがエッジ部であるため,該注目画素Xを,エッジ部であると識別(特定)できるように,その濃度は,前記強調後濃度F_out(=X+S)から所定濃度FE(=254=TH2−1)に置換される。
尚,本実施形態では,この所定濃度を前記第2の閾値(TH2)から1濃度を下げた254としているが,この値は任意の濃度に設定可能である。しかしながら,その濃度としては,最大濃度(つまりは,本実施形態では255)から若干量下げた濃度とすることが望ましい。
このような濃度とすれば,画素を置換したことで再現画像に表れる影響(濃度のズレ)を最小限に留めることが可能であると共に,エッジ部を高濃度に印字可能とし,より画像品質を向上させ得るからである。
▲2▼(X+S<255(TH2))
一方,前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも小さい場合は,前記注目画素Xはエッジ部ではないため,その濃度は,前記ステップS1で算出された前記強調後濃度F_out(X+S)のまま維持される。
(前記濃度差S<前記第1の閾値TH1である場合)
次に,前記ステップS2における前記第1の比較工程において,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が小さいと判定された場合について考える。
この場合は,前記注目画素Xには,エッジ部分である画素は含まれないため,基本的には,通常のラプラシアン処理に則った処理が施される。しかしながら,前記ラプラシアンフィルタBによる強調処理により,その強調後濃度F_out(=X+S)が,上述した所定濃度(FE=254(TH2−1))と一致するものが存在する。
そこで,このような事情に鑑みて,前記注目画素Xの濃度は以下のように決定される。
▲3▼(X+S≧255(TH2))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも大きい場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素に対する濃度差は低いが,その濃度自体は高い画素(例えば,ベタ塗り部分)である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,最大の濃度(本実施形態では255)に置換される。
▲4▼(X+S=254(=FE=(TH2−1))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記所定濃度(FE)と一致した場合は,上述した如く,前記ステップS1において強調処理されたことで前記注目画素Xの濃度が,所定濃度FEとなった場合である。
この濃度(FE=254=TH2−1)をそのまま使用すると,本来,エッジ部ではない該注目画素Xが,エッジ部であると判定される不都合が生じ得る。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,その近傍の濃度(本実施形態の場合255とする)に置換しておく。
このような濃度階調1つ程度の濃度置換であれば,上述同様に,画素を置換したことで再現画像に表れる影響(濃度のズレ)は最小限であるため特に不都合が生ずることはない。
▲5▼(0<X+S<255,但しX+S=FE=254は除く)
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも小さい場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素に対する濃度差は低く,且つ,その濃度自体も低いは画素(例えば,中間階調部)である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,操作されることなく,前記ステップS1で取得したX+Sのまま維持される。
▲6▼(X+S<0)
前記強調後濃度F_out(=X+S)が0以下の場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素よりも濃度が低く,且つ,その濃度自体も低い画素である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記出力信号F_outは,最小の濃度である0に置換される。
つまり,このステップS3が終了した時点で,前記画像データAは,所定のラプラシアンフィルタに基づいた強調処理が施されると共に,その注目画素Xのうち,エッジ部である画素濃度のみが所定の濃度(FE=254)に置換された状態となる。
尚,このステップS3を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記濃度置換部の一例である。
【0013】
次に,このステップS4では,前記ステップS3により濃度置換された前記画像データAに対し,エッジ部を残すように間引き処理が行われる。
具体的には,上述説明したように,前記画像データAにおけるエッジ部の濃度は,所定の濃度FEに置換されているため,該画像データAにおける前記注目画素Xの前記強調後濃度F_outが,所定の濃度FE(本実施形態では,254)である画素を残すようにして間引き処理が実行される。
その結果,強調処理後の前記画像データAにおける前記エッジ部分を残した(強調した)状態の画像データを形成することができる。
尚,このステップS4を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記間引き処理部の一例である。
このように,本実施形態によれば,上述した一連の処理を施すことによって,強調処理された前記画像データAの前記注目画素Xのうち,エッジ部である画素のみを所定の濃度に置換し,しかる後,その濃度に基づいて間引き処理が施されるため,所定濃度以外の画素を間引くことで,エッジ部を残すように間引き処理が実現され,処理後のデータに基づいて画像形成する際のトナー使用量を効果的に抑制できる。
また,そのエッジ部の抽出方法は,前記注目画像の周辺画素に対する濃度差等に基づいてなされるものであるため,モノクロ,カラー,テキスト等,画像データの種別に拘わらず,そのエッジ部である画素を抽出可能である。
【0014】
最後に,実際の画像データに対し,本実施形態に係る画像処理方法を適用した場合の結果について図4及び図5を用いて説明し,実施形態の有用性を確認する。
ここに,図4は一面が高濃度の(つまりは,エッジ部ではない)画像データCであり,図5はエッジ部である画像データDである。
ここでは,先ず,それぞれの画像データに対し,前記ラプラシアンフィルタBを適用することを考える。尚,ラプラシアン処理におけるゲインGは3/4,前記第1の閾値TH1は128,前記第2の閾値TH2は254とする。
この場合,前記画像データCの場合には,
濃度差S=3/4(4×254−(254+254+254+254))=0
即ち,S(0)<TH1(128)であって,X+S(254+0=254)=TH2(254)となる。
これは,上述の説明における▲4▼の場合に該当し,前記画像データCにおける
前記注目画素Xに対する最終的な前記強調後濃度F_outは255となる。
一方,前記画像データDの場合には,
濃度差S=3/4(4×180−(10+255+10+255))=142
即ち,S(142)>TH1(128)であって,X+S(180+142=322)>TH2(254)となる。
これは,上述の説明における▲1▼の場合に該当し,前記画像データDにおける
前記注目画素Xに対する最終的な前記出力信号F_outは,所定の濃度FE(254)となる。
そして,夫々の画像データに対して間引き処理を適用した場合を考えると,前記注目画素Xの濃度が所定濃度(FE=254)である前記画像データDの画素は残され,前記注目画素Xの濃度が所定濃度と異なる前記画像データCの画素は間引かれる。
このように,本実施形態によれば,前記画像データにおける前記注目画素Xとその周辺画素との濃度差に基づいて,該注目画素Xがエッジ部であるか否かを正確に判定可能であり,更には,そのエッジ部であると判定された前記注目画素Xが残される(強調される)よう強調処理後の前記画像データを間引くことが可能であることが理解される。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,画像データの種別に拘わらず,該画像データのおけるエッジ部である注目画素を正確に抽出し,その抽出された注目画素を残すように間引き処理を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理方法の処理の流れを示す図。
【図2】一般的な画像データの一部を示す拡大図。
【図3】本発明の実施の形態に係るラプラシアンフィルタの一例を示す図。
【図4】ある画像データの一部を示す拡大図。
【図5】別の画像データの一部を示す拡大図。
【符号の説明】
A…画像データ
B…ラプラシアンフィルタ
C…画像データ
D…画像データ
S1,S2,,…処理手順(ステップ)の番号
【発明の属する技術分野】
本発明は,画像データに基づいて画像形成するに当たり,その画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理方法に係り,詳しくは,いかなる種別の画像データに対しても適用可能であって,簡単な処理により実現可能な画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,画像形成装置においては,入力される画像データを印刷するに当たり,前記画像データの全てを印刷せず,一部の画素を間引くことで消費されるトナーの消費量を抑える処理(いわゆる間引き処理)が実行される。
このような処理を適用する場合には,前記画像データの画素をランダムに間引くのではなく,文字や画像の輪郭部(いわゆるエッジ部)を残すように,エッジ部以外の画素を間引く(或いは濃度を下げる)ことで,ユーザが認識できる程度の画像品質を保ちつつトナーの消費量を抑制することが可能である。(例えば,特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献】
特開2002−86805号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記特許文献に記載の技術は,前記画像データの画素の周囲に画素があるかどうかによってエッジ部を判定し,その判定結果に基づいて濃度補正処理(エッジ部以外の画素の濃度を下げる処理)を施すものである。
具体的には,前記画像データの画素のうち,その周囲の一部が欠けた画素をエッジ部であると判定し,しかる後,その画素以外の画素(つまりは,その周囲全てに画素のある画素)に間引き処理を施すものである。
かかる構成は,前記画像データが,モノクロ画像データ或いはテキストデータの如く,強調すべきエッジ部が輪郭にのみ存在するデータである場合には有効である。
しかしながら,前記画像データが,カラー画像或いは中間階調の画像データの如く,強調すべきエッジ部が輪郭以外にも存在する(つまりは,各色毎或いは各階調毎に輪郭が存在する)データである場合には,画素の有無によってエッジ部を判定する構成上,各色毎或いは各階調毎の輪郭をエッジ部として判定することができない。その結果,間引き処理によって,それら必要な(強調されるべき)エッジ部まで間引かれることとならざるを得ず,その画像品質を著しく低下させるという不都合が生じ得る。
そこで,本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,画像データの種別に拘わらず,その画像データに基づいて形成される画像の画像品質を低下させることなく,効果的にトナーの消費量を抑制することができる画像処理方法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために,本発明は,入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理方法において,前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す第1の工程と,前記第1の工程により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出する第2の工程と,前記第2の工程によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える第3の工程と,前記第3の工程により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く第4の工程と,を具備してなることを特徴とする画像処理方法として構成される。
このように,前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいてエッジ部を抽出する構成によれば,前記画像データが,カラー画像或いは中間階調の画像データであったとしても,正確にエッジ部である画素を抽出することが可能となり,間引き処理後の画像の画像品質を劣化させることを防止し得る。
また,本構成によれば,前記画像データにおける画素のうち,エッジ部であると抽出された画素を識別(特定)する情報が,その濃度情報として埋め込まれていると考えられる。即ち,前記画像データに対して,そのエッジ部に関する情報を新たに付加する必要が無く,該画像データのデータ量,ひいてはデータを記憶する記憶部のメモリ容量の増大を防止し得る。
更には,前記強調画像データに対して間引き処理を施す場合には,画素の濃度に基づいて間引くべき画素を特定することが可能であり,簡単な判定処理によって正確な間引き処理を実現することが可能となる。
【0006】
ここで,前記第2の工程の一例としては,前記第1の工程で強調処理された前記画像データにおける前記画素の周辺画素に対する濃度差と,第1の閾値と,を比較する第1の比較工程と,前記濃度差と前記画素の濃度との和と,第2の閾値と,を比較する第2の比較工程と,前記第1および第2の比較工程における比較結果に基づいて,前記画素がエッジ部であるかどうかを判定するエッジ判定工程と,を含んでなるものが考え得る。
これにより,前記画像データにおける前記画素のうち,周辺画素との濃度差が大きく(濃度差が第1の閾値以上),且つ,その濃度自体も大きい(その濃度と前記濃度差との和が第2の閾値以上)である画素,つまりは,エッジ部である画素のみを正確に抽出することが可能であり,更には,その抽出精度は,画像データの種別に影響を受けることはない。
【0007】
ここで,前述した間引き処理方法に特徴点を有する画像処理方法を実施可能な画像処理装置として捉えた場合,本発明は,入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理装置において,前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す強調処理部と,前記強調処理部により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出するエッジ抽出部と,前記エッジ抽出部によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える濃度置換部と,前記濃度置換部により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く間引き処理部と,を具備してなることを特徴とする画像処理装置と考えられる。
尚,当該画像処理装置による奏する作用,効果は前述した画像処理方法と同一であるため,ここでは省略する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る画像処理方法の処理の流れを示す図,図2は一般的な画像データの一部を示す拡大図,図3は本発明の実施の形態に係るラプラシアンフィルタの一例を示す図,図4はある画像データの一部を示す拡大図,図5は別の画像データの一部を示す拡大図である。
【0009】
ここで,図1を用いて,本発明に係る画像処理方法の手順の概要を説明する。以下S1,S2,,は処理手順(ステップ)の番号を示す。
先ず,図1の処理が開始される前に,当該画像処理方法が実行される画像形成装置(例えばデジタル複写機)には,画像データが入力されているものとする。
前記画像データが入力されると,先ずステップS1では,前記画像データにラプラシアン処理(空間フィルタ処理の一例に該当)が施され,該画像データおける任意の画素(以下,注目画素という)が,適用されるラプラシアンフィルタ(図3参照)に応じて強調処理される。
続いて,ステップS2では,前記ステップS1により強調処理された前記画像データにおける前記注目画素のうち,前記画像データにおけるエッジ部である画素が抽出される。
かかる抽出は,後述するように,前記注目画素の周辺画素に対する濃度差及び前記注目画素の濃度と前記濃度差との和(以下略して,前記注目画素における濃度差等という),と所定の閾値との比較結果に基づいて行われる。
そして,ステップS3では,前記ステップS2においてエッジ部であると抽出された前記注目画素の濃度を所定の濃度に置き換える。
最後に,ステップS4では,所定濃度の画素(つまりは,エッジ部)以外の画素を間引く処理が実行され,エッジ部を残し(強調し)た状態の画像データが生成される。
このように,本発明に係る画像処理方法は,強調処理された前記画像データにおける前記注目画素から,該前記注目画素における濃度差等に基づいてエッジ部である画素を抽出すると共に,エッジ部であると抽出された前記注目画素を所定濃度に置換し,しかる後,所定濃度以外である画素を間引くことで,前記画像データからエッジ部を残した(強調した)画像データを生成するものである。
従って,当該画像処理方法を適用することで,前記画像データの種別に拘わらず,前記強調画像データの各画素毎の濃度に基づいて画素を間引くという,比較的簡単な処理によりエッジ部を正確に強調しつつ,使用するトナーを抑制することが可能である。
【0010】
以下に,上述した各処理手順の詳細について,ステップS1から順次説明する。
(S1)
このステップS1では,入力された前記画像データに対して所定の空間処理(本実施形態ではラプラシアン処理)が適用され,前記画像データの強調処理が実行される。
この強調処理についての概略を,前記画像データの一例を示す図2,及びラプラシアンフィルタの一例を示す図3を用いて説明する。尚,図2は,前記画像データの一部を拡大した図であり,同図に示す如く,注目画素であるX(濃度もXとする)の周囲には周辺画素A〜H(濃度も夫々A〜Hとする)が存在している。
このステップS1では,先ず,図2に示す画像データAに図3に示すラプラシアンフィルタBを適用することにより,前記注目画素Xの前記周辺画素A〜Hに対する濃度差Sが,下式1の如く算出される。
S(濃度差)=G{4X−(A+C+F+H)} …(1)
但し,Gはエッジ部の強調度合を調整するゲインである。
そして,この算出された前記濃度差Sに基づき,前記ラプラシアンフィルタBによる強調処理が施された後の前記注目画素Xの強調後濃度F_outが,下式(2)の如く算出される。
F_out(強調後濃度)=X+S …(2)
このように,このステップS1では,前記ラプラシアンフィルタBを施すことで,前記画像データAにおける前記注目画素Xが,その濃度(X)と周辺画素との濃度差(S)に応じて強調処理される。
尚,本実施形態では,前記注目画素Xに対し,斜め方向に隣接する周辺画素(A,C,F,H)に対するに濃度差が算出されるように前記ラプラシアンフィルタBを設定しているが,無論,それに限定されるものではなく,上下左右方向に隣接する周辺画素(B,D,E,G)を考慮にいれた濃度差が算出されるように前記ラプラシアンフィルタBを設定してもよい。
尚,このステップS1を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記強調処理部の一例である。
【0011】
(S2)
このステップS2では,前記ステップS1において強調処理された前記画像データAにおけるエッジ部を抽出する。
具体的には,第1の閾値をTH1,第2の閾値をTH2とし,これら閾値と,前記濃度差S,及び前記濃度差Sと前記注目画素Xとの和,つまりは,強調後濃度F_outと,を夫々比較することで前記画像データAのエッジ部である前記注目画素Xを抽出する。尚,本実施形態では,前記画像データAが8bitで256値の階調(0(白)〜255(黒))の濃度を有するデータであるとし,前記第2の閾値TH2が255に設定された場合について説明する。
このステップS2では,先ず,前記濃度差Sと前記第1の閾値TH1との比較が行われる(第1の比較工程に該当)。
この第1の比較工程において,前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1と判定された前記注目画素Xは,該注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が大きい,つまりは,エッジ部である画素の蓋然性が高いことを示している。
そこで,更に,前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1と判定された前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outと,前記第2の閾値TH2とを比較し(第2の比較工程に該当),その比較結果(つまりは,前記強調後濃度F_outと前記第2の閾値TH2との大小関係)に応じて,該注目画素Xがエッジ部である画素かどうかを判定する(エッジ部判定工程に該当)。
つまり,
S≧TH1 …(3)
且つ,
X+S≧255(TH2) …(4)
である場合には,前記注目画素Xは,周辺画素に対する濃度差が大きく,且つ,その濃度自体も大きい画素であるため,該注目画素Xはエッジ部であると判定され,逆に
S≧TH1 …(3)
且つ,
X+S<255(TH2) …(4)
である場合には,前記注目画素Xは,周辺画素に対する濃度差は大きいものの,その濃度自体が小さい画素であるため,該注目画素Xはエッジ部ではないと判定される。
他方,前記第1の比較工程において,前記濃度差S<前記第1の閾値TH1であった場合,つまり,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が小さい場合には,該注目画素Xがエッジ部である可能性はないため,必然的に,該注目画素Xはエッジ部ではないと判定される。
尚,このステップS2を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記エッジ抽出部の一例である。
【0012】
(S3)
このステップS3では,前記ステップS2による判定結果に基づいて,前記ステップS1において強調された前記注目画素Xの前記強調後濃度F_outを所定濃度に置き換える。
このステップS3では,前記ステップS2における前記第1の比較工程による比較結果(つまりは,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差)に応じて,二つの場合に大別して処理が行われる。
(前記濃度差S≧前記第1の閾値TH1である場合)
先ず,前記注目画素Xが大きく強調された場合について考える。
この場合は,更に,前記ステップS2における前記第2の比較工程の比較結果に応じて,以下の処理が行われる。
▲1▼(X+S≧255(TH2))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも大きい場合は,前記注目画素Xがエッジ部であるため,該注目画素Xを,エッジ部であると識別(特定)できるように,その濃度は,前記強調後濃度F_out(=X+S)から所定濃度FE(=254=TH2−1)に置換される。
尚,本実施形態では,この所定濃度を前記第2の閾値(TH2)から1濃度を下げた254としているが,この値は任意の濃度に設定可能である。しかしながら,その濃度としては,最大濃度(つまりは,本実施形態では255)から若干量下げた濃度とすることが望ましい。
このような濃度とすれば,画素を置換したことで再現画像に表れる影響(濃度のズレ)を最小限に留めることが可能であると共に,エッジ部を高濃度に印字可能とし,より画像品質を向上させ得るからである。
▲2▼(X+S<255(TH2))
一方,前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも小さい場合は,前記注目画素Xはエッジ部ではないため,その濃度は,前記ステップS1で算出された前記強調後濃度F_out(X+S)のまま維持される。
(前記濃度差S<前記第1の閾値TH1である場合)
次に,前記ステップS2における前記第1の比較工程において,前記注目画素Xの周辺画素に対する濃度差が小さいと判定された場合について考える。
この場合は,前記注目画素Xには,エッジ部分である画素は含まれないため,基本的には,通常のラプラシアン処理に則った処理が施される。しかしながら,前記ラプラシアンフィルタBによる強調処理により,その強調後濃度F_out(=X+S)が,上述した所定濃度(FE=254(TH2−1))と一致するものが存在する。
そこで,このような事情に鑑みて,前記注目画素Xの濃度は以下のように決定される。
▲3▼(X+S≧255(TH2))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも大きい場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素に対する濃度差は低いが,その濃度自体は高い画素(例えば,ベタ塗り部分)である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,最大の濃度(本実施形態では255)に置換される。
▲4▼(X+S=254(=FE=(TH2−1))
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記所定濃度(FE)と一致した場合は,上述した如く,前記ステップS1において強調処理されたことで前記注目画素Xの濃度が,所定濃度FEとなった場合である。
この濃度(FE=254=TH2−1)をそのまま使用すると,本来,エッジ部ではない該注目画素Xが,エッジ部であると判定される不都合が生じ得る。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,その近傍の濃度(本実施形態の場合255とする)に置換しておく。
このような濃度階調1つ程度の濃度置換であれば,上述同様に,画素を置換したことで再現画像に表れる影響(濃度のズレ)は最小限であるため特に不都合が生ずることはない。
▲5▼(0<X+S<255,但しX+S=FE=254は除く)
前記強調後濃度F_out(=X+S)が前記第2の閾値よりも小さい場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素に対する濃度差は低く,且つ,その濃度自体も低いは画素(例えば,中間階調部)である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記強調後濃度F_outは,操作されることなく,前記ステップS1で取得したX+Sのまま維持される。
▲6▼(X+S<0)
前記強調後濃度F_out(=X+S)が0以下の場合は,前記注目画素Xが,その周辺画素よりも濃度が低く,且つ,その濃度自体も低い画素である。
そこで,この場合の前記注目画素Xに対する前記出力信号F_outは,最小の濃度である0に置換される。
つまり,このステップS3が終了した時点で,前記画像データAは,所定のラプラシアンフィルタに基づいた強調処理が施されると共に,その注目画素Xのうち,エッジ部である画素濃度のみが所定の濃度(FE=254)に置換された状態となる。
尚,このステップS3を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記濃度置換部の一例である。
【0013】
次に,このステップS4では,前記ステップS3により濃度置換された前記画像データAに対し,エッジ部を残すように間引き処理が行われる。
具体的には,上述説明したように,前記画像データAにおけるエッジ部の濃度は,所定の濃度FEに置換されているため,該画像データAにおける前記注目画素Xの前記強調後濃度F_outが,所定の濃度FE(本実施形態では,254)である画素を残すようにして間引き処理が実行される。
その結果,強調処理後の前記画像データAにおける前記エッジ部分を残した(強調した)状態の画像データを形成することができる。
尚,このステップS4を実現する回路,或いは処理プログラムが,前記間引き処理部の一例である。
このように,本実施形態によれば,上述した一連の処理を施すことによって,強調処理された前記画像データAの前記注目画素Xのうち,エッジ部である画素のみを所定の濃度に置換し,しかる後,その濃度に基づいて間引き処理が施されるため,所定濃度以外の画素を間引くことで,エッジ部を残すように間引き処理が実現され,処理後のデータに基づいて画像形成する際のトナー使用量を効果的に抑制できる。
また,そのエッジ部の抽出方法は,前記注目画像の周辺画素に対する濃度差等に基づいてなされるものであるため,モノクロ,カラー,テキスト等,画像データの種別に拘わらず,そのエッジ部である画素を抽出可能である。
【0014】
最後に,実際の画像データに対し,本実施形態に係る画像処理方法を適用した場合の結果について図4及び図5を用いて説明し,実施形態の有用性を確認する。
ここに,図4は一面が高濃度の(つまりは,エッジ部ではない)画像データCであり,図5はエッジ部である画像データDである。
ここでは,先ず,それぞれの画像データに対し,前記ラプラシアンフィルタBを適用することを考える。尚,ラプラシアン処理におけるゲインGは3/4,前記第1の閾値TH1は128,前記第2の閾値TH2は254とする。
この場合,前記画像データCの場合には,
濃度差S=3/4(4×254−(254+254+254+254))=0
即ち,S(0)<TH1(128)であって,X+S(254+0=254)=TH2(254)となる。
これは,上述の説明における▲4▼の場合に該当し,前記画像データCにおける
前記注目画素Xに対する最終的な前記強調後濃度F_outは255となる。
一方,前記画像データDの場合には,
濃度差S=3/4(4×180−(10+255+10+255))=142
即ち,S(142)>TH1(128)であって,X+S(180+142=322)>TH2(254)となる。
これは,上述の説明における▲1▼の場合に該当し,前記画像データDにおける
前記注目画素Xに対する最終的な前記出力信号F_outは,所定の濃度FE(254)となる。
そして,夫々の画像データに対して間引き処理を適用した場合を考えると,前記注目画素Xの濃度が所定濃度(FE=254)である前記画像データDの画素は残され,前記注目画素Xの濃度が所定濃度と異なる前記画像データCの画素は間引かれる。
このように,本実施形態によれば,前記画像データにおける前記注目画素Xとその周辺画素との濃度差に基づいて,該注目画素Xがエッジ部であるか否かを正確に判定可能であり,更には,そのエッジ部であると判定された前記注目画素Xが残される(強調される)よう強調処理後の前記画像データを間引くことが可能であることが理解される。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,画像データの種別に拘わらず,該画像データのおけるエッジ部である注目画素を正確に抽出し,その抽出された注目画素を残すように間引き処理を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理方法の処理の流れを示す図。
【図2】一般的な画像データの一部を示す拡大図。
【図3】本発明の実施の形態に係るラプラシアンフィルタの一例を示す図。
【図4】ある画像データの一部を示す拡大図。
【図5】別の画像データの一部を示す拡大図。
【符号の説明】
A…画像データ
B…ラプラシアンフィルタ
C…画像データ
D…画像データ
S1,S2,,…処理手順(ステップ)の番号
Claims (3)
- 入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理方法において,
前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す第1の工程と,
前記第1の工程により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出する第2の工程と,
前記第2の工程によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える第3の工程と,
前記第3の工程により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く第4の工程と,
を具備してなることを特徴とする画像処理方法。 - 前記第2の工程が,
入力された前記画像データにおける前記画素の周辺画素に対する濃度差と,第1の閾値と,を比較する第1の比較工程と,
前記濃度差と前記画素の濃度との和と,第2の閾値と,を比較する第2の比較工程と,
前記第1および第2の比較工程における比較結果に基づいて,前記画素がエッジ部であるかどうかを判定するエッジ判定工程と,
を含んでなる請求項1に記載の画像処理方法。 - 入力された画像データに基づいて画像形成するに当たり,画像品質を保ちつつ消費されるトナーの消費量を抑える画像処理装置において,
前記画像データに所定の空間フィルタ処理を適用し,強調処理を施す強調処理部と,
前記強調処理部により強調処理された前記画像データにおける画素の周辺画素に対する濃度差に基づいて,エッジ部である画素を抽出するエッジ抽出部と,
前記エッジ抽出部によりエッジ部であると抽出された前記画素の濃度を所定の濃度に置き換える濃度置換部と,
前記濃度置換部により所定の濃度に置き換えられた前記画素以外の画素を間引く間引き処理部と,
を具備してなることを特徴とする画像処理装置。
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