JP2004148129A - 超音波プローブを用いた超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学的な観察手段により被検体を観察すると共に、その視野内に特定される被検体の超音波断層像を得ることができる超音波診断装置を提供することにある。
【解決手段】被検体を観察する鏡体1に、前記鏡体1の視野内で特定される前記被検体の所定の位置に超音波プローブ58を移動操作する操作装置と、前記操作装置に接続されて、前記操作装置の操作に応じて前記所定の位置から超音波像を検出可能に前記超音波プローブ58を支持する支持装置とからなる支持操作装置4を設けた超音波診断装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】被検体を観察する鏡体1に、前記鏡体1の視野内で特定される前記被検体の所定の位置に超音波プローブ58を移動操作する操作装置と、前記操作装置に接続されて、前記操作装置の操作に応じて前記所定の位置から超音波像を検出可能に前記超音波プローブ58を支持する支持装置とからなる支持操作装置4を設けた超音波診断装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、術中に被検体の状況を観察する超音波診断装置に関する。
一般に、手術用顕微鏡を用いて行なわれるマイクロサージャリにあっては、処置対象の病変部の位置を把握するため、X線CTスキャナ装置やMRI(核磁気共鳴映像法)等を用い、生体の所望部位の断層像を得、この情報に従って体表を切開後、病変部まで掘り下げる処置等を実施していた。
このような手術方法にあって、特に、脳神経外科で対象となる頭部の場合を考えると、開頭した後、脳腫瘍等の病変部に処置を施す前、病変部に達するまでの切開過程で、その途中部位には血管や神経等の繊細な組織が多く存在する。これらの組織、さらには周辺の正常組織を損傷させないように細心の注意を払って処置する作業を行うことが必要である。しかし、これらの手術作業は、術者の技術(勘や熟練)によるところが大きく、いわゆる"名人芸"とされてしまうところのものであった。
さらに、頭部の手術にあっては、頭蓋骨開頭により、内部の圧力が低下したり、髄液等の圧力が変化したりすることにより、病変部の位置や形状が開頭前に比べて変わってしまうことがある。もともと手術が困難とされる頭蓋内深部の手術ではなおさらその傾向が強い。従って、X線CTスキャナ装置やMRI(核磁気共鳴映像法)等により術前に得た断層像は、実際の手術において単に目標にしかならず、実際の位置を示す正確な情報とはならなくなってしまうという事情があった。
そこで、術中、開頭後にも頭部の断層像が得られるX線CTスキャナ装置が提案されている(特許文献1)。さらに、最近では、術中に断層像が得られる超音波診断装置が用いられるようになってきている。
特開平1-236046号公報
しかしながら、X線CTスキャナ装置の場合では、比較的正確な位置情報等が得られる反面、装置全体が大型化してしまい、この大型な装置を手術室に設置しなければならなくなる。このことから、手術室での手術作業スペースが狭くなるという問題、さらには、術中に行なわれる操作(時間)等がかなり増加し、煩雑になると共に、手術時間の長期化をきたす。
また、手術用顕微鏡を用いたマイクロサージャリでは、その手術用顕微鏡の鏡体の位置を変更するときに必要な移動スペースと作業スペースを考えると、手術室のレイアウト等でさらに難しい問題が生じる。
一方、従来の超音波診断装置を用いるとした場合、超音波診断プローブの操作が術者の勘に頼らざるを得ないことから、その断層像の位置情報が不明確になり易い。また、定位脳手術のように頭部にフレームを固定し、観察用の内視鏡やその処置用の機材の位置決め等を実施する場合にあっては、手術用顕微鏡下の手術操作時に、その超音波プローブ装置自体が邪魔となり、手術操作ができないから、超音波診断装置を用いることができない。
本発明は、前記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、観察手段により被検体を観察すると共に、その視野内に特定される被検体の超音波断層像を得ることができる超音波診断装置を提供することにある。
本発明は、被検体を観察する観察手段と、前記被検体を超音波観察するための超音波プローブと、前記観察手段の視野内で特定される前記被検体の所定の位置に前記超音波プローブを移動操作するための操作手段と、前記操作手段に接続されて、前記操作手段の操作に応じて前記所定の位置から超音波像を検出可能に前記超音波プローブを支持する支持手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
本発明の超音波診断装置によれば、術者は観察手段による視野内での超音波プローブの位置調整がより正確かつ簡単で迅速に行える。また、観察手段により被検体を観察すると共に、その視野内に特定される被検体の超音波断層像を得ることができ、診断が容易になる。
図1に基づいて、本発明の第1の実施例の手術用顕微鏡装置を説明する。図1(a)はその手術用顕微鏡装置の鏡体部付近の概略的な構成を示し、図1(b)はそれの超音波プローブ支持操作装置部の構成を示している。
図1(a)において示す手術用顕微鏡装置の鏡体1は、図示しない照明系と、立体観察すべく左右一対の観察光路とを備えた実体観察光学系と、図示しない接眼レンズ等を有する鏡筒2とが設けられていて、手術部位を立体的に観察する実体顕微鏡を構成する。鏡体1は図示しない支持操作アーム機構等により支持され、3次元的空間においての位置および姿勢が変更可能であり、その位置および姿勢は任意に選択されるべく操作可能である。
さらに、鏡体1には超音波プローブ3およびそれの支持操作装置(位置調整手段)4が設けられている。超音波プローブ3の支持操作装置4を図1(b)にもとづいて説明する。この支持操作装置4は鏡体1に固定されたガイド本体部材5を有し、このガイド本体部材5には操作軸6を摺動自在に移動すべくガイド孔7が設けられている。操作軸6はそのガイド孔7によって鏡体1の観察光軸Oに平行に移動するように案内される。ガイド本体部材5の周壁にはそのガイド孔7に連通したガイド溝8が設けられている。このガイド溝8はガイド孔7に沿って平行に形成される直線的な部分8aと、これの上端に連続して曲げられた屈曲部分8bとからなり、このガイド孔7は前記操作軸6に突設したガイドピン9を案内する。この操作軸6はガイド孔7の上端部内に設けたばね7aの下端にその上端が接続されて吊持されている。ばね7aの上端はガイド本体部材5に接続されている。
この操作部としての操作軸6の下端にはコネクタ11が設けられている。コネクタ11の外周には締結用リング12を着脱自在に螺着するためのねじ部13が形成されている。コネクタ11の下端にはアーム15を着脱自在に連結するための係合用V溝14が設けられている。
アーム15の上端部は前記締結用リング12の内側を突き抜けて差し込まれており、さらに、アーム15の上端には前記コネクタ11のV溝14に嵌まり込んで係合するT字状杆16が設けられている。そして、T字状杆16を前記V溝14に嵌め込んで、締結用リング12をコネクタ11にねじ込むと、アーム15を操作軸6に連結することができる。この際、操作軸6とアーム15とは直線的な状態で連結される。
前記アーム15の下端にはトルクリミッタ10を介して支持腕17が接続される。支持腕17はアーム15に対して直角な向きに突き出しており、この支持腕17の先端には前述した超音波プローブ3を保持する支持椀18が取り付けられている。
超音波プローブ3は図示しない超音波診断装置においてのプローブであり、セクタ型超音波プローブである。この超音波プローブ3により得る断層像は図示しない超音波断層装置のモニタにより観察される。
前述したように前記操作軸6のコネクタ11にアーム15を連結すると、そのV溝14とT字状杆16との係合関係で、図1(a)で示すように、鏡体1における観察光軸Oと、超音波プローブ3の鉛直方向が平行になる向きに位置決め配置される。
通常、操作軸6は、ばね7aにより上方に引き上げられるように付勢されているので、操作軸6は、上昇した位置にあり、このとき、ガイドピン9はガイド溝8の屈曲部分8bのQ点に位置するので、操作軸6が回転させられ、アーム15に保持されている超音波プローブ3は上昇するとともに回転して、図1(a)で示すQ′の位置に退避している。つまり、通常、超音波プローブ3は、手術用顕微鏡の観察位置から退避し、その手術用顕微鏡による術部などの観察を妨げない状態に位置させられている。
ここで、脳神経外科で対象となる頭部の手術を考えた場合、術中、開頭を終えて、術者が術部における断層像を得る場合には、手術用顕微鏡の鏡体1の位置はそのままにして、操作軸6の操作部、例えばガイドピン9の外へ突き出した部分を手によって、ガイド溝8に沿って下方へスライドさせ、図1(a)で示すP点に位置させる。このとき、術部にはあらかじめ、生理食塩水を含ませた綿片等を置くものとし、その上面に、超音波プローブ3の先端が接触する、P′点の位置まで降下させる。このP′に超音波プローブ3が位置する状態で、超音波断層装置により術部の断層像を得る。術者はそれを観察する。このとき、超音波プローブ3が手術用顕微鏡の鏡体1の観察方向と一致しているため、手術用顕微鏡の鏡体1の観察方向についての断層像が得られる。つまり、手術用顕微鏡の観察位置から所望の補助観察を行うことができる。
さらに、超音波プローブ3を支持する支持腕18とアーム15との結合部にトルクリミッタ10を設けたことにより、術部に超音波プローブ3を押し当てた場合、ある一定以上の圧力が超音波プローブ3にかかると、超音波プローブ3は図1(b)で示す矢印Sの方向に逃げるため、術部に過度の圧力を加えない。
このような構成によれば、術中、簡単に、しかも、手術用顕微鏡の観察方向に沿った断層像が得られることになり、術中、術部の状態確認がより正確に早く行えるばかりか、術後の確認も簡単に正確に行える。また、超音波プローブ3も含め、これを支持するアーム15を鏡体1から簡単に取り外すことが可能なため、滅菌等の処置も簡単に行える。さらに、超音波プローブ3の使用が不要な場合に超音波プローブ3の離脱も容易であり、それらが術中邪魔にならない。基本的には不使用時は鏡体下部の奥の方にはね上げておくことにより、手術を妨げない。また、トルクリミッタ10により、超音波プローブ3を術部に接触させるときでも圧力のかけすぎによる組織の損傷を防ぐことができ、安全性が高い。
次に、図2および図3に基づいて、前記手術用顕微鏡装置の変形例としての第2の実施例について説明する。この手術用顕微鏡装置は、ミラーを用いて補助観察手段を構成する場合のものである。同図中21は手術用顕微鏡装置の鏡体であり、この鏡体21は前述した第1の実施例と同様、手術用顕微鏡の一部となる実体顕微鏡であり、図示しない照明手段と、中心部に孔22を開けた対物レンズ23を有し、さらに対物レンズ23に対向して前記孔22を中心として左右対称に位置した観察光軸OL,ORを有した左右の観察光学系が設けられている。術者は左右の観察光学系を通じて左右の目でそれぞれ観察することにより術部の実体視観察ができる。
また、鏡体21にはミラー操作機構(位置調整手段)が組み込まれている。このミラー操作機構は、図示しないガイド手段により非回転状態で鉛直方向のみガイドされるラック23aに、回転自在に軸支される支持軸24を有し、支持軸24は前記ラック23aを保持して一緒に昇降する。ラック23aには鏡体21に定置された軸に対して軸支された中間ギア25が噛合し、この中間ギア25には進退駆動ギア26が噛合している。進退駆動ギア26も鏡体21に定置された軸に軸支されている。進退駆動ギア26の軸27には鏡体21の外部に露出する進退ハンドル28が連結されていて、この進退ハンドル28を回転操作することにより、進退駆動ギア26および中間ギア25を介して支持軸24と一緒にラック23aを昇降させることができる。
前記支持軸24の上端部には外周スプライン形状のギア31が形成され、このギア31には、鏡体21に定置された軸に対して軸支されている中間ギア32を介して回転駆動ギア33が噛合している。回転駆動ギア33の軸には鏡体21の外部に一周部が露出する回転ダイヤル35が連結されている。この回転ダイヤル35を回転操作することにより、中間ギア32を介してギア31と共に前記支持軸24を回転操作することができる。
さらに、前記支持軸24の下端部には、ミラー支持アーム36の上端部分に形成した雄ねじ部36aをねじ込むめねじ部37と、当付けリブ38が形成され、ミラー支持アーム36は支持軸24に対して着脱自在に連結される。また、支持軸24に対してミラー支持アーム36は直線的に連結される。そして、ミラー支持アーム36の下端には術部側方に位置する部位の反射光を、対物レンズ23を通じて鏡体21に取り込むためのマイクロミラー39が取り付けられている。
この構成において、前記進退ハンドル28を回すことにより、支持軸24と一緒に、マイクロミラー39を保持するミラー支持アーム36を図3中で示す矢印Eの方向へ上下動させることができる。また、回転ダイヤル35を回すことにより、支持軸24とミラー支持アーム36と一緒にマイクロミラー39を図3中で示す矢印Fの軸まわり方向へ回転させることができる。
しかして、術者が図3で示すような穴状に形成された術部の側壁等の手術用顕微鏡にとり観察死角部分を観察する時、進退ハンドル28を回すことによりマイクロミラー39を降下させる。そして、手術用顕微鏡の鏡体21を通じて、ミラーを観察しながらミラー位置を調節する。マイクロミラー39で観察する向きについては、ミラー位置を確認しながら、回転ダイヤル35を回すことにより、マイクロミラー39を回転させて調整することができる。この両操作での位置調整により、鏡体21での観察状態のまま、マイクロミラー39を通して、術部の、手術用顕微鏡での観察死角部位を手術用顕微鏡の観察位置から所望の状態で同時に観察できる。
このような構成により、ミラー等の挿入等の操作時に手術用顕微鏡から目を離す必要もなく、手術用顕微鏡観察下において、簡単、かつ安全に死角の観察が行える。
さらに、ここでのものと前述した手術用顕微鏡のものとを組み合わせる構成とすることもできる。前述した手術用顕微鏡でのプローブの支持操作用の軸や、ここでの支持軸において、各々が上端位置である場合を検出するスイッチ等を設けて、それが軸や支持軸の移動(下降動作)を検出するように設定し、その信号により、鏡体の移動、焦準等の電動操作を禁止するようにすれば、誤って、プローブやミラーにより術部に損傷を与えてしまう危険性がなくなり、さらに安全性が向上する。
次に、図4ないし図7に基づいて、本発明の第3の実施例の手術用顕微鏡装置を説明する。図4はその手術用顕微鏡装置の全体構成を概略的に示しており、図示しない電源部を内蔵する架台40には顕微鏡41を支持するアーム機構42が設けられている。このアーム機構42により顕微鏡41を3次元的に移動させることができる。
前記アーム機構42は架台40に設けられている第1軸43と、この第1軸43と連結された第1アーム44と、第1アーム44の他端に設けた第2軸45と、第2軸45の他端部に設けた第3軸46と、この第3軸46の回りに枢動可能に設けた第2アーム47と、この第2アーム47と連結された吊下部48と、この吊下部48と連結された第4軸49と、第4軸49の他端部に設けた第5軸50とからなる。第5軸50には前述した顕微鏡41が焦準部を介して取着されている。
前記第1軸43、第2軸45及び第4軸49は鉛直軸の周りに回動可能なものであり、これにより顕微鏡41の水平面上での回転方向の位置決めが行われる。また、第3軸46及び第5軸50は水平軸の回りに回動可能なものであり、これにより顕微鏡41の鉛直方向及び仰角方向の位置決めが行なわれる。従って、顕微鏡41は、第1軸43,第2軸45,第3軸46,第4軸49及び第5軸50の関節と第1アーム44、第2アーム47及び吊下部48とによって構成されるアーム機構42の可動部を介して、三次元的に任意位置に配置されると共に、その光軸を任意の方向に設定することができる。
一方、第1軸43,第2軸45,第3軸46,第4軸49及び第5軸50の各部分にはそれぞれに対応してそれら各軸の回動量及び回動方向等を検出し得るエンコーダ51,52,53,54,55が設けられている。また、顕微鏡41の焦準部には、この焦準部による顕微鏡41の光軸方向の移動量等を検出し得る検知手段56が設けられている。各エンコーダ51〜55と検知手段56は図7で後述する位置検出部57に接続される。
前記位置検出部57は、操作回路71による信号入力に従って演算し、その結果を出力する演算部74に接続される。そして、この位置検出部57により、ベット上の患者M1の術部であるP1の位置を、ある基準点からの変位として算出する。
また、図4および図5で示す如く、超音波断層装置73は、術中において、術者が操作する超音波プローブ58を備えており、この超音波プローブ58の把持部上端部分には姿勢を判別する傾斜センサ59が設けられている。この傾斜センサ59は水平面内断層像方向をXとして、X,Y方向の傾斜を検出する。この傾斜センサ59の出力はケーブル60を通じて超音波断層装置73の回路部へ伝送される。なお、この実施例では、術部水平方向(X)の断層像となるように設定したが、Y方向とすべく設定することでも問題がない。
次に、図6に従って、顕微鏡41の光学系の構成を説明する。単一の対物レンズ61に対して左右の接眼光学系62a,62bが対向している。左右の各接眼光学系62a,62bは術者が術部を観察するための接眼レンズ63a,63b、プリズム64a,64b、リレーレンズ65a,65b、ビームスプリッタ66a,66b、変倍系67a,67bからそれぞれ構成される。左側のビームスプリッタ67aは後述する姿勢の表示情報を左の接眼レンズ63aに導き入れるものであり、右側のビームスプリッタ66bは術部における像の記録、又は介助者へ観察像を提供するためのものである。このため、ビームスプリッタ66a,66bは光束がアフォーカルな位置に設けられている。
なお、68はビームスプリッタ66aと変倍系67aの間に設けられた絞りであり、図示しない駆動部を有する。また、前記左側のビームスプリッタ66aの入射光路上には、液晶ディスプレイ69とアフォーカル系に像を導くべく、レンズ70aおよびミラー70bが設けられている。
また、これらの電気系は図7で示すように構成されている。すなわち、超音波断層像を得るための操作用手段としての操作スイッチ72を有し、この操作スイッチ72は図示しないが、位置調整用と断層像用の2つのスイッチを備えている。また、操作スイッチ72は前述した操作回路71に前記2種の操作信号を入力すべく、それに接続されている。また、操作回路71には、位置検出部57,超音波断層装置73,演算部74,スーパーインポーズ回路76へ信号を出力すべくそれらに接続されている。さらに、位置検出部57は操作回路71からの位置調整信号により、顕微鏡41の観察位置情報のうちその光軸の傾斜データのみを演算部74へ出力すべくインターフェース回路(図示しない)を有する。
前記超音波断層装置73では、操作回路71による位置調整信号により前記演算部74へ傾斜センサ59からの傾斜検出値を演算出力し、同様に断層信号により、プローブ58による超音波センサの発,受信により得られた断層像画像をスーパーインポーズ回路76へ出力する。演算部74では、位置検出部57による観察光軸の傾きデータと、超音波断層装置73からの傾斜検出値とを比較する図示しない比較演算回路を有し、この出力データに従い、図5(b)で示すような傾斜表示画像とすべく、信号を表示回路75へ出力する。つまり、操作回路71からの位置調整信号に従い、前記表示回路75による傾斜表示画像を液晶ディスプレイ69へ出力し、一方、断層信号により超音波断層装置73からの断層像画像に、前記表示回路75による傾斜表示画像を小さくして一部にスーパーインポーズした画像を同様に出力する。さらに、スーパーインポーズ回路76は絞り68を閉じるべく出力がなされる駆動回路(図示しない)を有している。
このように構成されているから、患者M1の術部P1は、第1〜第5軸43,45,46,49,50に設けられたエンコーダ51〜55、さらには顕微鏡41における焦準部における検知手段56の位置情報により、観察点P1の設定された基準点からの位置が算出される。このときの観察方向を示す顕微鏡41の鏡体部の傾斜データが位置検出部57にて得られる。
今、術者が手でプローブ58を保持しながら術部の断層像を得ようとし、術部に位置させたプローブ58の部分を顕微鏡41にて確認し、プローブ58を保持する手で操作スイッチ72の位置調整用スイッチを押したとする。操作回路71ではそのとき位置調整信号を、位置検出部57,演算部74,超音波断層装置73,スーパーインポーズ回路76のすべてに出力する。
そして、演算部74では、このときに位置検出部57から出力された傾斜データと、超音波断層装置73からプローブ58の傾斜センサ59による傾斜検出値と比較することにより、その演算結果を表示回路75にて画像化する。また、スーパーインポーズ回路76を経て、液晶ディスプレイ69へ出力され、図5(b)で示されるような表示がなされる。この傾斜を表示する画像Aは、レンズ70a、ミラー70bを介してビームスプリッタ66aへ入射され、変倍系67aを通過してくる観察像に重畳され、リレーレンズ65a,プリズム64a,接眼レンズ63aにより、術者が左目で観察する。このときの液晶ディスプレイ69にて表示される画像Aは、図5(c)に示す断層像画面中に表示される。
この場合の画像Aの表示は左右方向のズレを示すものであり、要するに顕微鏡41とプローブ58の傾きのうち、左右方向のみのズレがない場合がJの線であり、そのズレが大きくなるにつれ、K,Lのような線の表示となる。この表示を見ながら術者が手術用顕微鏡41の観察位置でのプローブ58の正確な位置決め調整を行う。
このとき、操作スイッチ72の断層像用スイッチを押すと、操作回路71では、この信号を受けて断層信号をスーパーインポーズ回路76と超音波断層装置73へ出力する。スーパーインポーズ回路76では超音波断層装置73からの断層像画像に対し、図5(c)に示すごとく、断層像画面B中に、表示回路75からの表示画像Aを位置表示としてスーパーインポーズされた像が、液晶ディスプレイ69にて表示される。さらに、このとき、スーパーインポーズ回路76に設けられた図示しない駆動回路により、駆動部を介して絞り68が閉じられる。従って、術部の顕微鏡観察像に代わり、術者には、図5(c)の表示のみが提示される。
しかして、超音波診断装置のプローブ58を顕微鏡41の観察下で簡単に位置決めができ、さらに、そのまま顕微鏡41の観察視野に断層像等の情報が提示され、術者はそのままの状態で術部の深部まで正確な状況を把握できることとなる。術中に、簡単、しかも、必要な方向の深部情報が得られることとなり、より安全、確実な手術が実現できる。なお、術前のCT像との比較も容易に行える。
また、この実施例のものでは、何ら位置決め等のためのフレームを有さないため、不使用時にも何ら影響もなく、術部の手術スペースが確保され、この面からもスムーズな手術の進行につながる。手術用顕微鏡の観察位置からプローブ58を退避させれば、手術用顕微鏡のみによる観察を行うことができる。
なお、この実施例の構成においての顕微鏡に対し、前述した第1の実施例との組み合わせたものを考えれば、断層像に対するより正確な位置情報が得られることについては明らかであるので、ここではその詳しい説明を省く。
次に、図8および図9に示す本発明の第4の実施例について説明する。この実施例は、前述した実施例に構成を一部追加したものである。この実施例において、以下に説明する以外は全て先の実施例のものと同様とするため、ここではその詳しい説明を省略する。
ここでの顕微鏡81は左右の観察光路を有し、単一の対物レンズ82を有する実体顕微鏡であるが、その対物レンズ82の中心光軸上にはミラー83が位置して設けられている。ミラー83により曲げられた光路上には可視光を発光するLED84と、その光を平行光とし、ミラー83を通じてスポットとして投影すべくレンズ85が設けられている。
また、プローブ58の上部に位置する傾斜センサ59の上面はその傾斜センサ59の中心軸に直交する平面とされ、それの中心位置には中心を示す表示(図示しない)が付設されている。この実施例の電気系ブロックにしても、断層像のための位置調整信号に従って、LED84を点灯させるLED駆動回路(図示しない)が追加されているものとする。
そして、先の実施例の場合と同様、術中、術者が断層像を得ようとしたとき、まず、プローブ58の位置調整を行う必要が生じるが、このとき、前記LED駆動回路によりLED84を点灯させ、レンズ85、ミラー83により対物レンズ82の中心光軸上に平行光であるスポットを投影する。術者はプローブ58の傾斜センサ59上面の中心位置表示に中心を合わせることにより、プローブ58の位置合わせを顕微鏡81の観察下にて容易に行うことができる。以降は第3の実施例の場合と同様にて断層像を得ることができる。
このような構成により、術者は顕微鏡下でのプローブ位置調整がより正確かつ簡単で迅速に行える。超音波断層像を得るための操作がより少なく、要する時間も少なくなることから、術者への負担が軽くなり、また、手術時間の短縮につながるものである。
1…鏡体、2…鏡筒、3…超音波プローブ、6…操作軸、8…ガイド溝
9…ガイドピン、15…アーム、17…支持椀
9…ガイドピン、15…アーム、17…支持椀
Claims (1)
- 被検体を観察する観察手段と、
前記被検体を超音波観察するための超音波プローブと、
前記観察手段の視野内で特定される前記被検体の所定の位置に前記超音波プローブを移動操作するための操作手段と、
前記操作手段に接続されて、前記操作手段の操作に応じて前記所定の位置から超音波像を検出可能に前記超音波プローブを支持する支持手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003434000A Pending JP2004148129A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 超音波プローブを用いた超音波診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004148129A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117517455A (zh) * | 2023-10-26 | 2024-02-06 | 安徽大华检测技术有限公司 | 一种棒材超声无损探伤仪 |
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2003
- 2003-12-26 JP JP2003434000A patent/JP2004148129A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117517455A (zh) * | 2023-10-26 | 2024-02-06 | 安徽大华检测技术有限公司 | 一种棒材超声无损探伤仪 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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