JP2004147979A

JP2004147979A - Cushion material for vehicle sheet

Info

Publication number: JP2004147979A
Application number: JP2002318519A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Kobayashi; 哲也小林; Yoshiyuki Murata; 義幸村田; Daisuke Takagi; 大輔高木
Original assignee: Araco Co Ltd; Tokai Kogyo Co Ltd
Current assignee: Araco Co Ltd; Tokai Kogyo Co Ltd
Priority date: 2002-10-31
Filing date: 2002-10-31
Publication date: 2004-05-27

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To offer a cushion material which can inhibit big repulsion from occurring in relation to locally big loading added from the neighborhood of the buttocks. <P>SOLUTION: The cushion material 1 has a primary center section 11 undergoing loading from the neighborhood of the femur of a seat person and a second center section 12 undergoing loading from the neighborhood of the buttocks of the seat person and the outer layer section 15 is arranged on the surface side of the second center section 12. The outer layer section 15 is more projecting than the surface 111 of the primary center section 11, has smaller impact resilience than urethane foam composing the primary center section 11 and the second center section 12, and consists of the urethane foam having a greater hysterisis loss and return time. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は，乗用車，バス，トラック，電車，飛行機，船舶等の乗物におけるシートの座部に用いるクッション体に関する。
【０００２】
【従来技術】
乗物用のシートクッションを構成するクッション体としては，ウレタン発泡体が多用されている。
例えば，特許文献１に示されるごとく，座面の尻下部を除く部位を，尻下部のウレタン発泡体よりも低密度でかつ反発弾性の高いウレタン発泡体にして構成したクッション体がある。そして，このクッション体によれば，乗り心地性能を確保しながら，シートクッションの耐久性及び軽量化を実現することができる。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１０−３３２９７号公報（第２−３頁，第１図等）
【０００４】
【解決しようとする課題】
しかしながら，着座者がシートクッションに着座する際には，大腿部付近に比べ，臀部付近から局所的により大きな荷重がクッション体に作用する。そのため，臀部付近はより大きな反発力をクッション体から受けることになる。そのため，優れた座り心地を呈するためには，上記荷重をより効果的に受けるクッション体の構造の開発が期待されている。
【０００５】
本発明は，かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重に対して，大きな反発力が生じることを防止することができるクッション体を提供しようとするものである。
【０００６】
【課題の解決手段】
第１の発明は，発泡ウレタンよりなる乗物シート用のクッション体であって，該クッション体は，着座者の大腿部付近からの荷重を受ける第１中央部と，着座者の臀部付近からの荷重を受ける第２中央部とを有していると共に，該第２中央部の表面側には表層部が配設されており，
該表層部は，上記第１中央部の表面よりも突出しており，かつ上記第１中央部及び上記第２中央部を構成する発泡ウレタンよりも反発弾性が小さいと共にヒステリシスロス及び戻り時間が大きい発泡ウレタンよりなることを特徴とする乗物シート用のクッション体にある（請求項１）。
【０００７】
本発明のクッション体は，上記第１中央部と上記第２中央部とを有しており，第２中央部の表面側に配設した上記表層部により以下の優れた効果を実現することができる。すなわち，表層部は，第１中央部及び第２中央部を構成する発泡ウレタンよりも，反発弾性が小さいと共にヒステリシスロス及び戻り時間が大きい発泡ウレタンより構成している。
そして，着座者が上記クッション体を用いて構成したシートクッション（シートの座部）に着座するときには，その臀部付近が表層部及び第２中央部を弾性変形させ，その大腿部付近が第１中央部を弾性変形させる。
【０００８】
このとき，上記表層部を構成する発泡ウレタンの上記性質により，第２中央部における表層部が着座者の臀部付近に与える反発力は，第１中央部を構成する発泡ウレタンが着座者の大腿部付近に与える反発力よりも小さくなる。そのため，臀部付近に対して局所的に大きな反発力が生じることを防止することができる。
また，上記シートクッションにおいては，着座時に小さい反発力で弾性変形が行われ，着座した状態においては，着座者の臀部付近の形状に沿った形状となる。それ故，着座時の違和感を低減させると共に，着座後の座り心地を向上させることができる。
【０００９】
そして，上記のごとく，上記表層部は上記第１中央部の表面より突出している。そのため，着座者の臀部付近は，着座動作のより早い段階で反発弾性の小さい表層部を弾性変形させ始めるため，着座時の衝撃を効果的に吸収することができる。また，上記表層部の突出により，臀部付近が最初に表層部を弾性変形させて，着座姿勢を素早く安定させることができる。
【００１０】
さらに，上記表層部の突出している部分の周囲には，弾性変形を妨げる障害物がない。そのため，表層部の弾性変形の自由度が高くなり，表層部が十分に弾性変形することができる。
それ故，上記突出した表層部を有するクッション体によれば，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重に対して，大きな反発力が生じることを防止することができる。
【００１１】
また，上記クッション体を用いて構成したシートクッションを乗物に装着した状態においては，上記表層部を構成する発泡ウレタンが，悪路を低速走行中に発生し易い低周波振動（０〜５Ｈｚの振動）を特に効果的に吸収し，上記第１中央部及び第２中央部を構成する発泡ウレタンが，一般路（例えばアスファルト路面）を高速走行中に発生し易い高周波振動（５Ｈｚを超える振動）を特に効果的に吸収することができる。そのため，上記クッション体によれば，広範囲の周波数の振動を吸収することができる。以下に，この振動を吸収する性質を振動吸収性という。
【００１２】
ここで，本発明において，上記反発弾性とは，ＪＡＳＯＢ４０８−８９に従って求められる性質をいう。
また，上記ヒステリシスロスとは，ＪＩＳＫ６４００に従って求められる性質をいう。
また，上記戻り時間とは，所定の荷重で，被測定物（発泡ウレタン）を所定の厚みに圧縮させた後，この圧縮を素早く解除してから元の厚みに戻るまでの時間をいう。
【００１３】
また，本発明において，表面側とは，クッション体を用いて構成したシートクッションに着座者が着座したときに，この着座者に対向する側をいう（以下同様）。また，前方側とは，クッション体を用いて構成したシートクッションに着座者が着座したときに，この着座者の正面方向に位置する側をいう。
【００１４】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第１の発明（請求項１）においては，上記表層部の前方側には，上記第１中央部との間に溝状の中央スリットが形成されていることが好ましい（請求項２）。
この場合には，表層部の弾性変形が第１中央部によって阻害されることがなく，上記表層部による優れた作用効果を低下させることがない。
【００１５】
また，上記第１中央部及び上記第２中央部の左右両側には，一対の側部が配設してあり，上記表層部の左右両側には，上記一対の側部との間に溝状の側方スリットが形成されていることが好ましい（請求項３）。
この場合には，上記一対の側部により，上記クッション体を用いて構成したシートクッションに着座した着座者を左右両側より保持することができ，着座時の安定感が向上する。また，上記表層部の左右両側には，上記側方スリットが形成されているため，表層部が弾性変形し易くなり，表層部による優れた作用効果の低下を防止することができる。
【００１６】
また，上記第２中央部の厚みと上記表層部の厚みとを合わせた全体の厚みに対する上記表層部の厚みの割合は，５０％以下であることが好ましい（請求項４）。この場合には，上記表層部による優れた効果を実現することができると共に，振動吸収性等のクッション性能を発揮するために必要な第２中央部の厚みを確保することができる。
上記表層部の厚みが５０％を越える場合は，表層部の厚みが大きく着座時の変形量も大きくなるため，着座者の臀部の深い沈み込みが発生し，安定感が低下して乗り心地が悪くなる。
【００１７】
なお，クッション性能とは，クッション体の座り心地を左右する種々の性質をいう。例えば，具体的には，後述する官能試験結果で示すクッション感，フィット感，尻の落込み，着座時の硬さ感，姿勢保持性（ヒョコヒョコ感），腹部への圧迫感，ブルゴツ感等，及び後述する振動吸収性等をいう。
【００１８】
また，上記全体の厚みに対する上記表層部の厚みの割合は，１０〜４０％であることがさらに好ましい（請求項４）。この場合には，上記表層部の厚みと上記第２中央部の厚みとの割合が最適になる。そのため，上記クッション体は，表層部のクッション性能と第２中央部のクッション性能とをバランスよく発揮することができ，優れた座り心地を呈することができる。
上記厚みの割合が１０％未満である場合には，表層部の厚みが小さ過ぎて，上記表層部による優れた効果を発揮できないおそれがある。
【００１９】
また，上記表層部を構成する発泡ウレタンの反発弾性は５〜４０％であり，上記第１中央部及び上記第２中央部を構成する発泡ウレタンの反発弾性は６５〜８５％であることが好ましい（請求項５）。
上記表層部を構成する発泡ウレタンの反発弾性が５％未満である場合には，反発弾性が小さ過ぎて，表層部のクッション性能が悪化してしまうおそれがある。
一方，上記表層部を構成する発泡ウレタンの反発弾性が４０％を超える場合には，反発弾性が大きくて，臀部付近に局所的に大きな反発力が生じるのを防止して低周波振動を吸収することが困難になる。
【００２０】
上記第１中央部及び第２中央部を構成する発泡ウレタンの反発弾性が６５％未満である場合には，反発弾性が小さくて，第１中央部及び第２中央部の高周波振動の振動吸収性等のクッション性能を発揮できないおそれがある。一方，反発弾性が８５％を超える発泡ウレタンの製造は生産性が悪い。
【００２１】
また，上記表層部を構成する発泡ウレタンのヒステリシスロスは４０〜８０％であり，上記第１中央部及び上記第２中央部を構成する発泡ウレタンのヒステリシスロスは５〜３０％であることが好ましい（請求項６）。
この場合のヒステリシスロスは，縦４００ｍｍ，横４００ｍｍ，厚み１００ｍｍの板状の被測定物（発泡ウレタン）を用い，これを５０ｍｍ／ｍｉｎのスピードで元の自然体の厚みの７５％の厚みまで圧縮した場合の値とした。その他，このヒステリシスロスを求める方法は，ＪＩＳＫ６４００に従う。
【００２２】
上記表層部を構成する発泡ウレタンのヒステリシスロスが４０％未満である場合には，反発弾性が大きくて，臀部付近に局所的に大きな反発力が生じるのを防止して低周波振動を吸収することが困難になる。一方，上記表層部を構成する発泡ウレタンのヒステリシスロスが８０％を超える場合には，クッション性能が悪化してしまうおそれがある。
上記第１中央部及び第２中央部を構成する発泡ウレタンのヒステリシスロスが５％未満である場合には，第１中央部及び第２中央部の振動吸収性等のクッション性能を発揮できないおそれがある。一方，ヒステリシスロスが８５％を超える発泡ウレタンの製造は生産性が悪い。
【００２３】
また，上記第２中央部の厚みと上記表層部の厚みとを合わせた全体の厚みに対する上記第１中央部の表面より突出する表層部の突出量の割合は，１０〜３０％であることがさらに好ましい。また，さらに具体的には，上記表層部の突出量は，５〜５０ｍｍであることがさらに好ましい。
これらの場合には，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重に対して，大きな反発力が生じることを防止する効果を容易に発揮することができる。
【００２４】
上記突出量の割合が１０％未満の場合には，上記突出による効果があまり得られない。一方，上記突出量の割合が３０％を超える場合には，着座者に違和感を与えるおそれがあり，さらにシートクッションの外観意匠性も損ねるおそれがある。
【００２５】
また，上記クッション体に一対の側部を配設した場合においては，上記表層部の最上面は，上記側方スリットにおける上記側部側の壁面の先端角部よりも上方に突出していることが好ましい。
この場合には，表層部の突出部分と側部の壁面との間隔が広くなるため，表層部の弾性変形が一対の側部によって阻害されることがなく，上記表層部による優れた効果を低下させることがない。
【００２６】
【実施例】
以下に，図面を用いて本発明の乗物シート用のクッション体にかかる実施例につき説明する。
図１〜図４に示すごとく，本例のクッション体１は，発泡ウレタンよりなり，自動車の前部座席のシートクッション（シートの座部）に用いるものである。
上記クッション体１は，着座者の大腿部付近からの荷重を受ける第１中央部１１と，着座者の臀部付近からの荷重を受ける第２中央部１２とを有しており，この第２中央部１２の表面側には表層部１５が配設されている。
また，表層部１５は，第１中央部１１の表面１１１よりも突出しており，第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンよりも反発弾性が小さいと共にヒステリシスロス及び戻り時間が大きい発泡ウレタンよりなる。
【００２７】
以下に，これを詳説する。
図１，図３，図４に示すごとく，本例においては，上記第１中央部１１及び第２中央部１２の左右両側には，これらの表面よりも突出した一対の側部１４が配設してある。この一対の側部１４は，第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンと同じ発泡ウレタンよりなる。そして，一対の側部１４は，上記クッション体１を用いて構成したシートクッションに着座した着座者を左右両側より保持する。
また，図１，図２に示すごとく，本例の第２中央部１２の後方には，第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンと同じ発泡ウレタンよりなる第３中央部１３が形成されている。
【００２８】
図１，図２に示すごとく，上記表層部１５の前方側には，第１中央部１１との間に所定幅の溝状の中央スリット１６が形成されている。また，表層部１５の後方側には，第３中央部１３との間に溝状の後方スリット１７が形成されている。
また，図１，図３，図４に示すごとく，表層部１５の左右両側には，一対の側部１４との間に所定幅の溝状の側方スリット１８が形成されている。この側方スリット１８は，第１中央部１１の表面１１１側と一対の側部１４との間にも延長して形成されている。
【００２９】
また，図２〜図４に示すごとく，上記中央スリット１６と後方スリット１７とは，クッション体１の表面側に向けて互いにほぼ平行に形成されている。また，一対の側方スリット１８同士も，クッション体１の表面側に向けて互いにほぼ平行に形成されている。
【００３０】
こうして，上記表層部１５は，その前後左右に形成した各スリット１６〜１８により周辺が第１中央部１１，第３中央部１３及び一対の側部１４から隔離されており，その裏面側において第２中央部１２と結合されている。これにより，表層部１５の周囲には自由に弾性変形することができる空間を形成できるため，第１中央部１１，第３中央部１３及び一対の側部１４によって表層部１５の弾性変形が阻害されることがない。
【００３１】
また，図２に示すごとく，本例においては，上記第２中央部１２の厚みと表層部１５の厚みとを合わせた全体の厚みＡが約１００ｍｍであり，表層部１５の厚みＢが約３０ｍｍである。そのため，全体の厚みＡに対する表層部１５の厚みＢの割合は，約３０％となっている。この場合，表層部１５の厚みと第２中央部１２の厚みとの割合が最適であり，上記クッション体１は，表層部１５のクッション性能と第２中央部１２のクッション性能とをバランスよく発揮することができる。
【００３２】
また，上記第１中央部１１の表面１１１から突出する表層部１５の突出量Ｃは，約２０ｍｍである。そのため，上記全体の厚みＡに対する上記突出量Ｃの割合は，約２０％となっている。表層部１５が第１中央部１１よりも突出していることにより，着座時において，上記クッション体１は，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重を，大腿部付近から加わる荷重よりも効果的に先に受けることができる。また，この場合には，着座して各部が圧縮された状態において，臀部付近から表層部１５に加わる荷重が，大腿部付近から第１中央部１１に加わる荷重よりも大きいことにより，第１中央部１１の表面１１１と表層部１５の表面１５１とがほぼ同一平面となるため，大腿部付近と臀部付近との間で違和感を感じることがない。
【００３３】
また，上記表層部１５の突出により，この表層部１５の前方側の端部には，段差部１５５が形成されている。ここで，本例の段差部１５５は，第１中央部１１の表面１１１に対して略垂直に形成されているが，段差部１５５は，例えば，第１中央部１１の表面１１１から表層部１５の表面１５１に緩やかに繋がるような曲線状に形成することもできる。
この場合，第１中央部１１の表面１１１と表層部１５の表面１５１とが連続しているため外観がよい。また，カバーを取り付ける際にもつぶれ難く，着座時のしわの発生も少ない。
【００３４】
また，図３に示すごとく，上記表層部１５の表面１５１は，上記側方スリット１８における側部１４側の壁面１４２の先端角部１４３よりも突出している。また，側方スリット１８における表層部１５側の壁面１５２と側部１４側の壁面１４２とは，平行に形成してあり，表層部１５側の壁面１５２の先端角部１５３が側部１４側の壁面１４２の先端角部１４３よりも突出した位置にある。これにより，表層部１５が自由に弾性変形することができる空間を確保でき，一対の側部１４によって阻害されることがない。
【００３５】
また，上記表層部１５を構成する発泡ウレタンは，その反発弾性が１０〜２０％の間の値となり，ヒステリシスロスが４０〜８０％の間の値になり，戻り時間が１〜１０秒の間の値となるよう作製してある。
また，上記第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンは，その反発弾性が６５〜７５％の間の値となり，ヒステリシスロスが５〜３０％の間の値になり，戻り時間が０〜０．５秒の間の値となるよう作製してある。
【００３６】
なお，本例の反発弾性の値は，ＪＡＳＯＢ４０８−８９に従って求められる値である。
また，本例の戻り時間は，直径２０ｍｍの押圧板を，縦１００ｍｍ，横１００ｍｍ，厚み５０ｍｍの被測定物（発泡ウレタン）に押し当てて，これを元の自然体の厚みの９０％の厚みまで圧縮させた後，この押圧板を素早く取り除いてから元の自然体の厚みに戻るまでの時間とした。
【００３７】
上記のごとく，本例の表層部１５は，第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンよりも，反発弾性が小さいと共にヒステリシスロス及び戻り時間が大きい発泡ウレタンより構成している。
【００３８】
そして，着座者が上記クッション体１を用いて構成したシートクッション（シートの座部）に着座するときには，その臀部付近が表層部１５及び第２中央部１２を弾性変形させ，その大腿部付近が第１中央部１１を弾性変形させる。
このとき，上記表層部１５を構成する発泡ウレタンは弾性変形し易く反発力が小さいため，第２中央部１２における表層部１５が着座者の臀部付近に与える反発力は，第１中央部１１が着座者の大腿部付近に与える反発力よりも小さくなる。そのため，臀部付近に局所的に大きな反発力が生じるのを防止することができる。それ故，着座時の違和感を低減させることができる。
【００３９】
また，上記表層部１５は，その反発弾性が小さく変形し易い性質により，着座するときあるいは着座した状態において着座者の臀部付近の形状になじみ易い性質（追従性）を有している。そのため，表層部１５は，臀部付近の形状にピッタリと沿うことができ，着座者に包み込まれるようなフィット感を与え，座り心地を向上させることができる。
【００４０】
そして，上記のごとく，表層部１５は第１中央部１１の表面１１１より突出している。そのため，着座時において，着座者の臀部付近が着座のより早い段階で反発弾性の小さい表層部１５を弾性変形させ始める。そのため，着座時の衝撃を効果的に吸収することができる。また，上記表層部１５の突出により，着座時のふらつきが少なくなり，着座姿勢を素早く安定させることができる。
さらに，上記表層部１５の突出している部分の周囲には，弾性変形を妨げる障害物がない。そのため，表層部１５の弾性変形の自由度が高くなり，表層部１５が十分に弾性変形することができる。
【００４１】
また，着座後において，上記表層部１５の突出により，大腿部付近による第１中央部１１の変形量よりも，臀部付近による表層部１５の変形量を多くすることができる。また，表層部１５は，第１中央部１１よりも反発弾性が小さいので変形量が多くても強い反発力を生じることがない。
それ故，上記突出した表層部１５を有するクッション体１によれば，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重に対して，大きな反発力が生じることを防止することができる。
【００４２】
また，上記クッション体１を用いて構成したシートクッションを乗物に装着した状態においては，上記表層部１５を構成する発泡ウレタンが，悪路を低速走行中に発生し易い低周波振動（０〜５Ｈｚの振動）を特に効果的に吸収し，上記第１中央部１１及び第２中央部１２を構成する発泡ウレタンが，一般路（例えばアスファルト路面）を高速走行中に発生し易い高周波振動（５Ｈｚを超える振動）を特に効果的に吸収することができる。そのため，上記クッション体１によれば，広範囲の周波数の振動を吸収することができる。
【００４３】
また，上記表層部１５を有するクッション体１の実施形態は，上述したものに限られず，以下の種々の実施形態とすることができる。
例えば，上記表層部１５の前方側の中央スリット１６及び後方側の後方スリット１７は設けてなくてもよい。
また，上記表層部１５は，第１中央部１１の表面１１１と略同一高さに形成した第２中央部１２の表面から突出するようにして配設されていてもよい。
また，上記表層部１５は，第１中央部１１の表面１１１よりも突出した第２中央部１２の表面に配設してもよい。この場合には，第２中央部１２は，第３中央部１３の表面からも突出するよう形成しておくことができる。
【００４４】
また，図５に示すごとく，表層部１５は，第２中央部１２の表面１２１から第３中央部１３の表面１３１に延設してあってもよい。
また，表層部１５と第２中央部１２との間には，中間層としての仕切り材を配設しておくことができ，この場合には，臀部付近の過度の落込みを防止することができる。この仕切り材としては，例えば，可撓性を有するフィルム，不織布，パームロック等がある。
【００４５】
また，上記優れた効果を有するクッション体１は，表面側に布やレザー等のカバー（図示略）を取り付けると共に，裏面側にシートフレーム１９を取り付けて，シートクッションとすることができる。また，このシートクッションは，シートフレーム１９に取り付けたレールフレームにより，自動車のボディに装着することができる。
そして，クッション体１は，剛性が高い金属製のシートフレーム１９によって支持されて，そのクッション性能を発揮することができる。
【００４６】
また，上記シートフレーム１９は，上記第１中央部１１，第３中央部１３及び上記一対の側部１４を支持するために鉄板を所定形状にプレス加工したフレーム部１９１と，このフレーム部１９１に設けた開口穴１９２に掛け渡した複数個のＳ字スプリング１９３とにより構成することができる。このようにして，上記クッション体１は，シートクッションとすることができる。
【００４７】
本例においては，上記優れた効果を有するクッション体１のクッション性能を確認するために，以下の官能試験を行った。
この官能試験においては，上記クッション体１を用いて構成したシートクッションを自動車に装着し，実際にこの自動車を走行させたときに，シートへの着座者が感じた座り心地を評価した。
【００４８】
また，座り心地に及ぼす個人差による影響を考慮して，５人の被験者を選定し，評価はこの５人の被験者による評価の平均値とした。ここで，レベリングされた５人の被験者としては，シートの乗り心地を評価するに十分な経験を有する者を選定した。
そして，上記官能試験においては，以下の第１官能試験及び第２官能試験を行った。
【００４９】
（第１官能試験）
第１官能試験は，上記第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性を７０％とした場合に，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性を３，５，２０，３０，４０，４８％と段階的に変化させて行った。
そして，クッション性能の評価においては，以下のクッション感，フィット感，尻の落込み，着座時の硬さ感，姿勢保持性（ヒョコヒョコ感），腹部への圧迫感及びブルゴツ感を５点満点で評価した。
【００５０】
ここで，クッション感とは，シートクッションに着座したとき及び着座しているときにシートクッションが圧縮されたり元に戻ったりして弾性変形することにより得られる感覚をいう。このクッション感は，適度な弾性変形を行うときに評価が高い。
フィット感とは，シートクッションが臀部付近の形状に沿って弾性変形を行うことにより得られる感覚をいう。このフィット感は，シートクッションに包み込まれるような安定感を受けるときに評価が高い。
【００５１】
尻の落込みとは，臀部付近がシートクッションに深く沈み込み，目線が下がったような印象を受ける感覚をいう。この尻の落込みは，浅すぎても深すぎても姿勢が崩れるため被験者に与える印象は悪く，適度に落込みがあるときが評価が高い。
着座時の硬さ感とは，シートクッションが適度な圧縮変形量を有するときに得られる感覚をいう。この硬さ感は，適度な硬さを感じるときに評価が高い。
【００５２】
姿勢保持性（ヒョコヒョコ感）とは，走行時にシートクッションにより姿勢を安定して支えられる感覚をいう。この姿勢保持性は，できるだけ被験者の姿勢に変化が生じない方が評価が高い。
腹部への圧迫感とは，腹部の共振点（一般に４〜６Ｈｚ付近）に近い振動を受けたときに内臓が揺らされるような不快な感覚をいう。この圧迫感は，できるだけ小さい方が評価が高い。
ブルゴツ感とは，自動車の走行中に発生する振動（特に５Ｈｚを超える高周波振動）が被験者に伝わることにより，感じる感覚（不快感）をいう。このブルゴツ感は，振動の伝わりが小さいほど評価が高い。
【００５３】
上記第１官能試験を行った結果を，表１に示す。そして，表層部１５の各反発弾性の値において，上記各クッション性能を評価した値の平均を総合として表す。そして，クッション性能の判定は，この総合が３点以上の場合を○，２．８点以上の場合を△，２．８点未満の場合を×とした。そして，この判定が，○又は△の場合に，実際のシートクッションとしての使用に適しているとした。
【００５４】
【表１】

【００５５】
上記判定より，上記第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性を７０％としたときに，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性が５〜４０％であることにより，優れたクッション性能を発揮できることがわかった。また，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性は，２０〜４０％である場合に一層優れたクッション性能を発揮できることがわかった。
【００５６】
（第２官能試験）
第２官能試験は，上記表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性を２０％とした場合に，上記第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性を６０，６５，７０，７８，８５と段階的に変化させて行った。
そして，この第２官能試験においても，クッション性能の評価は，上記第１官能試験と同様，クッション感，フィット感，尻の落込み，着座時の硬さ感，姿勢保持性（ヒョコヒョコ感），腹部への圧迫感及びブルゴツ感を５点満点で評価した。
【００５７】
上記第２官能試験を行った結果を，表２に示す。同表の判定における○，△，×については上記と同様である。そして，この判定より，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性を２０％としたときに，第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性が６５〜８５％であることにより，優れたクッション性能を発揮できることがわかった。また，第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性は，７０〜８５％である場合に一層優れたクッション性能を発揮できることがわかった。
【００５８】
【表２】

【００５９】
以上の第１及び第２官能試験より，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性は５〜４０％であり，第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性は６５〜８５％であることが好ましいことがわかった。
また，表層部１５を構成する第１発泡ウレタンの反発弾性を２０〜４０％とし，第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する第２発泡ウレタンの反発弾性を７０〜８５％とすることが最適であることがわかった。
【００６０】
（振動吸収性の確認試験）
本例においては，上記優れた効果を有するクッション体１のクッション性能をさらに確認するために，振動吸収性の確認試験を行った。この試験においては，以下のクッション体１を用いて構成したシートクッション（発明品）を自動車に装着し，実際にこの自動車を走行させたときに発生する振動がシートクッションを介して着座者に伝わる量を測定した。
【００６１】
具体的には，自動車室内のフロア（床）部に第１振動センサを設置すると共に着座者に第２振動センサを取り付け，これら２つの振動センサにおける振動を周波数及び振幅として測定した。そして，各周波数において，第１振動センサにより測定した振幅の大きさＸ１に対する第２振動センサにより測定した振幅の大きさＢの割合（Ｘ２／Ｘ１）を振動減衰率とした。
【００６２】
上記発明品としては，反発弾性が２０％の第１発泡ウレタンよりなる表層部１５と，反発弾性が７８％の第２発泡ウレタンよりなる第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４とを有するクッション体１とした。
また，比較のために，反発弾性が７０％の発泡ウレタンより全体を構成した従来のクッション体１を用いて構成したシートクッションを比較品とし，この比較品についても上記発明品と同様に上記試験を行った。
【００６３】
図６に，上記測定を行った結果を示す。同図は，横軸を周波数［Ｈｚ］とし，縦軸を振動減衰率Ｘ［ｄＢ］としたものである。また，この振動減衰率Ｘは，Ｘ［ｄＢ］＝２０ｌｏｇ_１０（Ｘ２／Ｘ１）として表した。
なお，この振動減衰率Ｘは，小さいほど振動吸収性がよいことを示す。例えば，０［ｄＢ］は，Ｘ２／Ｘ１＝１で，振動の減衰がないことを表し，−２０［ｄＢ］は，Ｘ２／Ｘ１＝０．１で，自動車における振動の大きさが上記シートクッションを介して１／１０に減衰したことを表す。
【００６４】
図６より，周波数が７．５〜３５Ｈｚの広い範囲において，発明品の方が比較品よりも上記振動減衰率が小さいことがわかる。このことより，発明品，すなわち，反発弾性が２０％の第１発泡ウレタンよりなる表層部１５と，反発弾性が７８％の第２発泡ウレタンよりなる第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４とを有するクッション体１は，振動吸収性が優れていることがわかった。
【００６５】
以下に，参考として，下型３と上型４とよりなる成形型２によって，上記クッション体１を製造する方法につき説明する。
図７〜図９に示すごとく，下型３には，クッション体１における表面側を成形する表面側成形面３１が形成されており，上型４には，クッション体１における裏面側を成形する裏面側成形面４１が形成されている。そして，下型３と上型４とを閉じたときには，下型３の表面側成形面３１と上型４の裏面側成形面４１との間にクッション体１を成形するためのキャビティ２０を形成する。
【００６６】
このキャビティ２０は，上記第１中央部１１を形成するための第１キャビティ２１と，上記第２中央部１２を形成するための第２キャビティ２２と，上記第３中央部１３を形成するための第３キャビティ２３と，上記一対の側部１４を形成するための一対のサイドキャビティ２４とよりなる。
【００６７】
また，図７，図８に示すごとく，第１キャビティ２１と第２キャビティ２２との間における表面側成形面３１には，上記中央スリット１６を形成するための中央仕切り板２６が配設してある。また，第２キャビティ２２と第３キャビティ２３との間における表面側成形面３１には，上記後方スリット１７を形成するための後方仕切り板２７が配設してある。
【００６８】
また，図７，図９に示すごとく，第１キャビティ２１及び第２キャビティ２２と一対のサイドキャビティ２４との間における表面側成形面３１には，上記一対の側方スリット１８を形成するための一対の側方仕切り板２８が配設してある。
また，中間層としての仕切材を有するクッション体１を成形する場合には，この側方仕切り板２８に上記仕切材を取り付けて成形することができる。
【００６９】
こうして，図７〜図９に示すごとく，第２キャビティ２２の底側には，上記各仕切り板２６〜２８によって囲まれた表層部形成用キャビティ２５が形成されている。また，この表層部形成用キャビティ２５の底部２５１は，上記第１中央部１１の表面１１１に対する表層部１５の突出を形成するために凹状に陥没形成されている。
【００７０】
以下に，上記表層部１５を構成する発泡ウレタンを第１発泡ウレタンといい，上記第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を構成する発泡ウレタンを第２発泡ウレタンという。
上記クッション体１の成形においては，上記第１発泡ウレタンを形成するための第１原料，及び上記第２発泡ウレタンを形成するための第２原料を使用する。
上記第１原料及び第２原料は，ともにポリオール原料とイソシアネート原料との混合原料よりなる。この混合原料は，ポリオール原料樹脂，イソシアネート原料樹脂，水，触媒及び架橋剤等を混合したものであり，化学反応により発泡するものである。
【００７１】
本例では，第１原料により形成する第１発泡ウレタンの反発弾性を，第２原料により形成する第２発泡ウレタンの反発弾性よりも小さくするために，第１原料に使用するポリオール原料樹脂の分子量は，第２原料に使用するポリオール原料樹脂の分子量よりも小さくする。
具体的には，反発弾性が５〜４０％の第１発泡ウレタンを形成するために，第１原料におけるポリオール原料樹脂は，分子量が５０００程度のポリオール原料樹脂と，分子量が３００〜１０００のポリオール原料樹脂とを混合したものとした。一方，反発弾性が６５〜８５％の第２発泡ウレタンを形成するために，第２原料におけるポリオール原料樹脂は，分子量が５５００〜７５００のポリオール原料樹脂とした。
【００７２】
そして，クッション体１を発泡成形するに当たっては，上記表層部形成用キャビティ２５に第１原料を注入し，また，上記第１〜第３キャビティ２１〜２３及び一対のサイドキャビティ２４に第２原料を注入する。その後，下型３と上型４とを閉じて，第１原料及び第２原料を発泡させる。
【００７３】
そして，図１０，図１１に示すごとく，第１原料は，上記表層部形成用キャビティ２５内で発泡して上記表層部１５を形成する。
また，第２原料は，第１〜第３キャビティ２１〜２３及び一対のサイドキャビティにおいて発泡して第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４を形成する。そして，表層部１５と第２中央部１２との間は，ウレタン結合により結合される。
こうして，反発弾性が５〜４０％の第１発泡ウレタンよりなる表層部１５と，反発弾性が６５〜８５％の第２発泡ウレタンよりなる第１〜第３中央部１１〜１３及び一対の側部１４とを有するクッション体１を成形することができる。
【００７４】
【発明の効果】
本発明によれば，臀部付近から加わる局所的に大きな荷重に対して，大きな反発力が生じることを防止することができるクッション体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例における，クッション体を示す斜視図。
【図２】実施例における，図１のクッション体におけるＡ−Ａ線矢視断面図。
【図３】実施例における，図１のクッション体におけるＢ−Ｂ線矢視断面図。
【図４】実施例における，図１のクッション体におけるＣ−Ｃ線矢視断面図。
【図５】実施例における，他のクッション体を示す図で，図１におけるＡ−Ａ線矢視相当の断面図。
【図６】実施例における，振動吸収性の確認試験において，周波数と振動減衰率との関係を示すグラフ。
【図７】実施例における，クッション体を成形するための成形型を示す平面図。
【図８】実施例における，図７におけるＡ−Ａ線矢視断面図。
【図９】実施例における，図７におけるＢ−Ｂ線矢視断面図。
【図１０】実施例における，成形型にクッション体を成形した状態を示す図で，図７におけるＡ−Ａ線矢視相当の断面図。
【図１１】実施例における，成形型にクッション体を成形した状態を示す図で，図７におけるＢ−Ｂ線矢視相当の断面図。
【符号の説明】
１．．．クッション体，
１１．．．第１中央部，
１２．．．第２中央部，
１３．．．第３中央部，
１４．．．側部，
１５．．．表層部，
１６．．．中央スリット，
１７．．．後方スリット，
１８．．．側方スリット，
２．．．成形型，
２０．．．キャビティ，
２１．．．第１キャビティ，
２２．．．第２キャビティ，
２３．．．第３キャビティ，
２４．．．サイドキャビティ，
３．．．下型，
４．．．上型，[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a cushion body used for a seat of a seat in vehicles such as passenger cars, buses, trucks, trains, airplanes, and ships.
[0002]
[Prior art]
Urethane foams are often used as cushions constituting vehicle seat cushions.
For example, as shown in Patent Literature 1, there is a cushion body in which a portion excluding a lower part of the bottom of the seat is formed of a urethane foam having a lower density and a higher rebound resilience than the urethane foam at the lower part of the seat. According to this cushion body, durability and weight reduction of the seat cushion can be realized while securing ride comfort performance.
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-10-33297 (pages 2-3, FIG. 1, etc.)
[0004]
[Problem to be solved]
However, when the occupant sits on the seat cushion, a locally larger load acts on the cushion body from the vicinity of the buttocks as compared to the vicinity of the thighs. Therefore, the vicinity of the buttocks receives a greater repulsive force from the cushion body. Therefore, in order to exhibit excellent sitting comfort, development of a structure of a cushion body that receives the above load more effectively is expected.
[0005]
The present invention has been made in view of such a conventional problem, and an object thereof is to provide a cushion body capable of preventing a large repulsive force from being generated against a locally large load applied from the vicinity of the buttocks. It is.
[0006]
[Means for solving the problem]
A first invention is a cushion body for a vehicle seat made of urethane foam, wherein the cushion body has a first central portion receiving a load from the vicinity of a thigh of a seated person and a cushioning portion from a vicinity of a buttocks of the seated person. A second central portion for receiving a load, and a surface layer portion is disposed on a surface side of the second central portion;
The surface portion protrudes from the surface of the first central portion, and has a lower rebound resilience and a larger hysteresis loss and a longer return time than the urethane foam forming the first central portion and the second central portion. A vehicle seat cushion body comprising urethane (claim 1).
[0007]
The cushion body of the present invention has the first central portion and the second central portion, and the following excellent effects can be realized by the surface layer portion disposed on the surface side of the second central portion. it can. That is, the surface layer is made of urethane foam having a lower rebound resilience and a larger hysteresis loss and return time than the urethane foam forming the first central portion and the second central portion.
When the occupant sits on a seat cushion (seat portion of the seat) constituted by using the cushion body, the vicinity of the buttocks elastically deforms the surface layer portion and the second central portion, and the vicinity of the thigh portion is the first portion. The central part is elastically deformed.
[0008]
At this time, due to the above-mentioned properties of the urethane foam constituting the surface layer, the repulsive force exerted by the surface layer in the second central portion near the buttocks of the occupant is due to the urethane foam constituting the first central portion being the thigh of the occupant. It becomes smaller than the repulsive force applied near the part. Therefore, it is possible to prevent a large repulsive force from being generated locally near the buttocks.
Further, the seat cushion is elastically deformed with a small repulsive force at the time of sitting, and in a seated state, the shape follows the shape near the buttocks of the seated person. Therefore, it is possible to reduce discomfort at the time of sitting and to improve sitting comfort after sitting.
[0009]
As described above, the surface portion protrudes from the surface of the first central portion. Therefore, in the vicinity of the buttocks of the seated person, the surface layer having low rebound resilience starts to be elastically deformed at an earlier stage of the seating operation, so that the impact at the time of seating can be effectively absorbed. In addition, the protrusion of the surface layer allows the vicinity of the buttocks to elastically deform the surface layer first, thereby quickly stabilizing the sitting posture.
[0010]
Further, there are no obstacles that hinder elastic deformation around the protruding portion of the surface layer. Therefore, the degree of freedom of elastic deformation of the surface layer is increased, and the surface layer can be sufficiently elastically deformed.
Therefore, according to the cushion body having the protruding surface portion, it is possible to prevent a large repulsive force from being generated with respect to a locally large load applied from the vicinity of the buttocks.
[0011]
Further, in a state in which the seat cushion constituted by using the cushion body is mounted on a vehicle, the urethane foam constituting the surface layer portion is subject to low-frequency vibration (0-5 Hz vibration) that is likely to be generated during low-speed traveling on a rough road. ) Is particularly effectively absorbed, and the urethane foam forming the first central portion and the second central portion generates high-frequency vibration (vibration exceeding 5 Hz) that is likely to be generated during high-speed traveling on a general road (for example, asphalt road surface). In particular, it can be effectively absorbed. Therefore, according to the above-mentioned cushion body, vibration of a wide range of frequencies can be absorbed. Hereinafter, the property of absorbing vibration is referred to as vibration absorption.
[0012]
Here, in the present invention, the above-mentioned rebound resilience means a property determined in accordance with JASO B408-89.
Further, the hysteresis loss refers to a property determined according to JIS K6400.
In addition, the return time refers to the time from when the object to be measured (urethane foam) is compressed to a predetermined thickness with a predetermined load, the compression is quickly released, and the film returns to the original thickness.
[0013]
Further, in the present invention, the front side means a side facing the seated person when the seated person is seated on a seat cushion constituted by using the cushion body (the same applies hereinafter). Further, the front side refers to a side positioned in front of the seated occupant when the seated occupant sits on the seat cushion constituted by using the cushion body.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A preferred embodiment of the present invention described above will be described.
In the first invention (Invention 1), it is preferable that a groove-shaped central slit is formed between the front surface portion and the first central portion (Invention 2).
In this case, the elastic deformation of the surface layer portion is not hindered by the first central portion, and the excellent action and effect of the surface layer portion are not reduced.
[0015]
A pair of side portions are provided on both left and right sides of the first central portion and the second central portion, and a groove is formed between the pair of side portions on both right and left sides of the surface layer portion. Is preferably formed (claim 3).
In this case, a seated person sitting on the seat cushion constituted by using the cushion body can be held from both left and right sides by the pair of side portions, and the sense of stability at the time of sitting is improved. In addition, since the side slits are formed on both left and right sides of the surface layer, the surface layer is easily elastically deformed, and it is possible to prevent a reduction in the excellent operation effect by the surface layer.
[0016]
Further, it is preferable that the ratio of the thickness of the surface layer portion to the total thickness including the thickness of the second central portion and the thickness of the surface layer portion is 50% or less (claim 4). In this case, the excellent effect of the surface layer portion can be realized, and the thickness of the second central portion necessary for exhibiting cushioning performance such as vibration absorption can be secured.
When the thickness of the surface layer exceeds 50%, the thickness of the surface layer is large and the amount of deformation at the time of sitting is large, so that the seated person's buttocks are deeply submerged, the sense of stability is reduced, and the riding comfort is reduced. become worse.
[0017]
Note that the cushion performance refers to various properties that affect the sitting comfort of the cushion body. For example, specifically, the cushioning feeling, the fitting feeling, the dropping of the buttocks, the feeling of hardness at the time of sitting, the holding ability of the posture (the feeling of chilling), the feeling of pressure on the abdomen, the feeling of burgling, etc., as shown in the sensory test results described later, And vibration absorption described below.
[0018]
Further, the ratio of the thickness of the surface layer portion to the entire thickness is more preferably 10 to 40% (claim 4). In this case, the ratio between the thickness of the surface layer portion and the thickness of the second central portion is optimized. Therefore, the cushion body can exhibit the cushion performance of the surface layer portion and the cushion performance of the second central portion in a well-balanced manner, and can exhibit excellent sitting comfort.
If the ratio of the thickness is less than 10%, the thickness of the surface layer portion is too small, and the excellent effect of the surface layer portion may not be exhibited.
[0019]
Further, the rebound resilience of the urethane foam constituting the surface layer is preferably 5 to 40%, and the resilience of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is preferably 65 to 85%. (Claim 5).
If the resilience of the urethane foam constituting the surface layer is less than 5%, the resilience is too small, and the cushion performance of the surface layer may be deteriorated.
On the other hand, when the rebound resilience of the urethane foam constituting the surface layer exceeds 40%, the rebound resilience is large, and a large repulsion force is locally prevented from being generated near the buttocks to absorb low frequency vibration. It becomes difficult.
[0020]
When the rebound resilience of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is less than 65%, the rebound resilience is small, and the first central portion and the second central portion absorb the high frequency vibration. There is a possibility that the cushion performance such as the above cannot be exhibited. On the other hand, production of urethane foam having a rebound resilience of more than 85% has poor productivity.
[0021]
Further, the hysteresis loss of the urethane foam constituting the surface layer portion is preferably 40 to 80%, and the hysteresis loss of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is preferably 5 to 30%. (Claim 6).
In this case, the hysteresis loss was measured using a plate-shaped test object (urethane foam) having a length of 400 mm, a width of 400 mm, and a thickness of 100 mm, and was compressed at a speed of 50 mm / min to a thickness of 75% of the thickness of the original natural body. It was the value of the case. In addition, the method for obtaining the hysteresis loss complies with JIS K6400.
[0022]
When the hysteresis loss of the urethane foam constituting the surface layer is less than 40%, the rebound resilience is large, and a large repulsion force is locally prevented in the vicinity of the buttocks to absorb low frequency vibration. Becomes difficult. On the other hand, when the hysteresis loss of the urethane foam constituting the surface layer portion exceeds 80%, the cushion performance may be deteriorated.
If the hysteresis loss of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is less than 5%, the first central portion and the second central portion may not be able to exhibit cushioning properties such as vibration absorption. is there. On the other hand, the production of urethane foam having a hysteresis loss of more than 85% has poor productivity.
[0023]
Further, the ratio of the amount of protrusion of the surface portion protruding from the surface of the first central portion to the total thickness including the thickness of the second central portion and the thickness of the surface portion may be 10 to 30%. More preferred. More specifically, the protrusion amount of the surface layer is more preferably 5 to 50 mm.
In these cases, the effect of preventing a large repulsive force from being generated against a locally large load applied from the vicinity of the buttocks can be easily exerted.
[0024]
If the ratio of the protrusion amount is less than 10%, the effect of the protrusion is not obtained much. On the other hand, when the proportion of the protruding amount exceeds 30%, the occupant may feel uncomfortable, and the appearance and design of the seat cushion may be impaired.
[0025]
In the case where a pair of side portions is provided on the cushion body, the uppermost surface of the surface layer portion may protrude above the corner of the tip of the side wall surface in the side slit. preferable.
In this case, the distance between the protruding portion of the surface layer and the side wall is widened, so that the elastic deformation of the surface layer is not hindered by the pair of side portions, and the excellent effect of the surface layer is reduced. I will not let you.
[0026]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the cushion body for a vehicle seat according to the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIGS. 1 to 4, the cushion body 1 of this embodiment is made of urethane foam and is used for a seat cushion (seat seat) of a front seat of an automobile.
The cushion body 1 has a first central portion 11 that receives a load from the vicinity of the thigh of the seated person and a second central portion 12 that receives a load from the vicinity of the buttocks of the seated person. A surface portion 15 is provided on the front surface side of the central portion 12.
Further, the surface layer portion 15 protrudes from the surface 111 of the first central portion 11, has a smaller rebound resilience than urethane foam constituting the first central portion 11 and the second central portion 12, and has a hysteresis loss and a return time. Consists of large urethane foam.
[0027]
The details are described below.
As shown in FIGS. 1, 3, and 4, in this example, a pair of side portions 14 protruding from the surfaces are disposed on both left and right sides of the first central portion 11 and the second central portion 12. I have. The pair of side parts 14 are made of the same urethane foam as the urethane foam forming the first central part 11 and the second central part 12. The pair of side portions 14 hold the occupant seated on the seat cushion constituted by using the cushion body 1 from both left and right sides.
As shown in FIGS. 1 and 2, behind the second central portion 12 of the present embodiment, a third central portion made of the same urethane foam as the urethane foam constituting the first central portion 11 and the second central portion 12 is provided. 13 are formed.
[0028]
As shown in FIGS. 1 and 2, a groove-shaped central slit 16 having a predetermined width is formed between the front layer 15 and the first central portion 11. In addition, a groove-shaped rear slit 17 is formed on the rear side of the surface layer portion 15 between the surface portion 15 and the third central portion 13.
As shown in FIGS. 1, 3, and 4, groove-like side slits 18 having a predetermined width are formed between the pair of side parts 14 on both left and right sides of the surface part 15. The side slit 18 is also formed to extend between the surface 111 of the first central portion 11 and the pair of side portions 14.
[0029]
As shown in FIGS. 2 to 4, the central slit 16 and the rear slit 17 are formed substantially parallel to each other toward the surface of the cushion body 1. The pair of side slits 18 are also formed substantially parallel to each other toward the surface side of the cushion body 1.
[0030]
In this way, the periphery of the surface layer portion 15 is separated from the first central portion 11, the third central portion 13, and the pair of side portions 14 by the slits 16 to 18 formed on the front, rear, left and right sides, and the rear surface side has the 2 and is connected to the central portion 12. Accordingly, a space that can be freely elastically deformed can be formed around the surface layer portion 15, so that the first central portion 11, the third central portion 13, and the pair of side portions 14 prevent the elastic deformation of the surface layer portion 15. Never be.
[0031]
Further, as shown in FIG. 2, in this example, the total thickness A including the thickness of the second central portion 12 and the thickness of the surface portion 15 is approximately 100 mm, and the thickness B of the surface portion 15 is approximately 30 mm. It is. Therefore, the ratio of the thickness B of the surface layer portion 15 to the entire thickness A is about 30%. In this case, the ratio of the thickness of the surface layer portion 15 to the thickness of the second central portion 12 is optimal, and the cushion body 1 exhibits the cushion performance of the surface layer portion 15 and the cushion performance of the second central portion 12 in a well-balanced manner. can do.
[0032]
The protrusion amount C of the surface layer portion 15 protruding from the surface 111 of the first central portion 11 is about 20 mm. Therefore, the ratio of the protrusion amount C to the entire thickness A is about 20%. Since the surface layer portion 15 protrudes from the first central portion 11, when seated, the cushion body 1 effectively applies a locally large load applied from the vicinity of the buttocks to a load applied from the vicinity of the thigh. You can receive it first. Further, in this case, in a state where each part is compressed by sitting down, the load applied to the surface layer 15 from the vicinity of the buttocks is larger than the load applied to the first central part 11 from the vicinity of the thighs. Since the surface 111 of the central portion 11 and the surface 151 of the surface layer portion 15 are substantially flush with each other, there is no sense of discomfort between the vicinity of the thigh and the vicinity of the buttocks.
[0033]
A step 155 is formed at the front end of the surface layer 15 due to the protrusion of the surface layer 15. Here, the step portion 155 of this example is formed substantially perpendicular to the surface 111 of the first central portion 11, but the step portion 155 is, for example, from the surface 111 of the first central portion 11 to the surface layer portion 15. It can also be formed in a curved shape so as to be gently connected to the surface 151.
In this case, since the surface 111 of the first central portion 11 and the surface 151 of the surface layer portion 15 are continuous, the appearance is good. In addition, the cover is hardly crushed when the cover is attached, and the occurrence of wrinkles when seated is small.
[0034]
As shown in FIG. 3, the surface 151 of the surface layer portion 15 protrudes beyond the corner portion 143 of the wall surface 142 of the side slit 18 on the side portion 14 side. Further, the wall surface 152 on the side of the surface layer portion 15 and the wall surface 142 on the side of the side portion 14 in the side slit 18 are formed in parallel, and the tip corner 153 of the wall surface 152 on the surface layer portion 15 side is formed on the side portion 14 side. It is located at a position protruding from the tip corner 143 of the wall surface 142. Thereby, a space in which the surface layer portion 15 can be elastically deformed freely can be secured, and is not obstructed by the pair of side portions 14.
[0035]
The urethane foam forming the surface layer 15 has a rebound resilience of 10 to 20%, a hysteresis loss of 40 to 80%, and a return time of 1 to 10 seconds. It is manufactured so that it may become the value of.
The urethane foam constituting the first central portion 11 and the second central portion 12 has a rebound resilience of 65 to 75%, a hysteresis loss of 5 to 30%, and returns. It is manufactured so that the time becomes a value between 0 and 0.5 seconds.
[0036]
The value of the rebound resilience in this example is a value obtained in accordance with JASO B408-89.
In the return time of this example, a pressing plate having a diameter of 20 mm was pressed against an object to be measured (urethane foam) having a length of 100 mm, a width of 100 mm, and a thickness of 50 mm, and this was pressed to 90% of the thickness of the original natural body. After the compression, the time from the quick removal of the pressing plate to the return to the original thickness of the natural body was set.
[0037]
As described above, the surface layer portion 15 of the present embodiment is made of urethane foam having lower resilience and a larger hysteresis loss and return time than the urethane foam forming the first central portion 11 and the second central portion 12. .
[0038]
When the occupant sits on the seat cushion (seat portion of the seat) constituted by using the cushion body 1, the vicinity of the buttocks elastically deforms the surface layer portion 15 and the second central portion 12, and the vicinity of the thigh. Causes the first central portion 11 to elastically deform.
At this time, since the urethane foam constituting the surface layer portion 15 is easily elastically deformed and has a small repulsive force, the repulsive force that the surface layer portion 15 in the second central portion 12 gives to the vicinity of the buttocks of the occupant is small. It becomes smaller than the repulsive force applied near the thigh of the seated person. Therefore, it is possible to prevent a large repulsive force from being generated locally near the buttocks. Therefore, uncomfortable feeling when sitting can be reduced.
[0039]
Further, the surface layer portion 15 has such a property (following property) that it easily adapts to the shape near the buttocks of a seated person when seated or in a seated state due to its property of low rebound resilience and easy deformation. Therefore, the surface layer portion 15 can perfectly follow the shape near the buttocks, giving a feeling of being wrapped up by the occupant, and improving the sitting comfort.
[0040]
As described above, the surface layer portion 15 protrudes from the surface 111 of the first central portion 11. Therefore, at the time of sitting, the buttocks of the occupant begin to elastically deform the surface layer portion 15 having low rebound resilience at an earlier stage of sitting. Therefore, the impact at the time of sitting can be effectively absorbed. In addition, the protrusion of the surface layer portion 15 reduces the wobble at the time of sitting and can stabilize the sitting posture quickly.
Further, there are no obstacles that hinder elastic deformation around the protruding portion of the surface layer portion 15. Therefore, the degree of freedom of elastic deformation of the surface layer portion 15 is increased, and the surface layer portion 15 can be sufficiently elastically deformed.
[0041]
Further, after the seating, the protrusion of the surface layer 15 allows the deformation of the surface layer 15 near the buttocks to be larger than the deformation of the first central portion 11 near the thigh. Further, since the surface layer portion 15 has a smaller rebound resilience than the first central portion 11, even if the deformation amount is large, no strong repulsion force is generated.
Therefore, according to the cushion body 1 having the protruding surface portion 15, it is possible to prevent a large repulsive force from being generated with respect to a locally large load applied from the vicinity of the buttocks.
[0042]
Further, in a state where the seat cushion constituted by using the cushion body 1 is mounted on a vehicle, the urethane foam constituting the surface layer portion 15 causes low-frequency vibration (0 to 5 Hz) which is likely to be generated during low-speed running on a rough road. Of the first central portion 11 and the second central portion 12 are particularly effectively absorbed by the urethane foam forming the first central portion 11 and the second central portion 12. Vibration) can be particularly effectively absorbed. Therefore, according to the cushion body 1, vibrations in a wide range of frequencies can be absorbed.
[0043]
Further, the embodiment of the cushion body 1 having the surface layer portion 15 is not limited to the above-described one, and may be various embodiments described below.
For example, the central slit 16 on the front side and the rear slit 17 on the rear side of the surface layer 15 need not be provided.
Further, the surface layer portion 15 may be provided so as to protrude from the surface of the second central portion 12 formed at substantially the same height as the surface 111 of the first central portion 11.
In addition, the surface layer portion 15 may be provided on the surface of the second central portion 12 projecting from the surface 111 of the first central portion 11. In this case, the second central portion 12 can be formed so as to protrude from the surface of the third central portion 13 as well.
[0044]
Further, as shown in FIG. 5, the surface layer portion 15 may extend from the surface 121 of the second central portion 12 to the surface 131 of the third central portion 13.
In addition, a partition member as an intermediate layer can be provided between the surface portion 15 and the second central portion 12, and in this case, an excessive drop near the buttocks can be prevented. it can. Examples of the partition member include a flexible film, a nonwoven fabric, and a palm lock.
[0045]
In addition, the cushion body 1 having the above-described excellent effects can be made into a seat cushion by attaching a cover (not shown) such as cloth or leather to the front side and attaching the seat frame 19 to the back side. Further, this seat cushion can be mounted on the body of an automobile by a rail frame mounted on the seat frame 19.
The cushion body 1 is supported by the metal seat frame 19 having high rigidity, and can exhibit its cushioning performance.
[0046]
The seat frame 19 includes a frame portion 191 formed by pressing an iron plate into a predetermined shape to support the first central portion 11, the third central portion 13, and the pair of side portions 14. It can be constituted by a plurality of S-shaped springs 193 spanning the provided opening holes 192. In this manner, the cushion body 1 can be a seat cushion.
[0047]
In this example, the following sensory test was performed to confirm the cushion performance of the cushion body 1 having the above-described excellent effects.
In this sensory test, a seat cushion constituted by using the cushion body 1 was mounted on an automobile, and when the automobile was actually run, the sitting comfort felt by a seated person in the seat was evaluated.
[0048]
In addition, five subjects were selected in consideration of the influence of individual differences on sitting comfort, and the evaluation was an average value of the evaluations by the five subjects. Here, as the five leveled subjects, those having sufficient experience to evaluate the riding comfort of the seat were selected.
In the sensory test, the following first sensory test and second sensory test were performed.
[0049]
(First sensory test)
In the first sensory test, when the resilience of the second urethane foam forming the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is set to 70%, the first foam forming the surface layer portion 15 is performed. The test was performed by changing the rebound resilience of urethane stepwise to 3, 5, 20, 30, 40, and 48%.
In the evaluation of the cushioning performance, the following cushioning feeling, fitting feeling, dropping of hips, feeling of hardness when sitting, posture retention (hypop feeling), a feeling of pressure on the abdomen and a feeling of burgundy were scored out of 5 points. evaluated.
[0050]
Here, the cushion feeling refers to a feeling obtained when the seat cushion is compressed or returned to its original position and elastically deformed while sitting on the seat cushion. This cushion feeling is highly evaluated when performing moderate elastic deformation.
The fit means a feeling obtained by elastically deforming the seat cushion along the shape near the buttocks. This fit is highly evaluated when a stable feeling is felt, such as being wrapped in a seat cushion.
[0051]
A drop in the buttocks is a feeling that the area near the buttocks sinks deeply into the seat cushion, giving the impression that the eyes are lowered. Since the posture of the buttocks is too low or too deep, the posture is distorted and the impression given to the subject is poor, and the evaluation is high when there is a moderate drop.
The sense of hardness at the time of sitting means a feeling obtained when the seat cushion has an appropriate amount of compressive deformation. This feeling of hardness is highly evaluated when moderate hardness is felt.
[0052]
Posture retention (cool feeling) refers to a feeling that the posture is stably supported by the seat cushion during running. This posture retention is evaluated higher when the posture of the subject does not change as much as possible.
The feeling of pressure on the abdomen refers to an unpleasant sensation that the internal organs are shaken when subjected to vibration near the resonance point of the abdomen (generally, around 4 to 6 Hz). The smaller the feeling of oppression, the higher the evaluation.
The burglary sensation is a feeling (discomfort) caused by the vibration (particularly, high-frequency vibration exceeding 5 Hz) generated during the running of the car being transmitted to the subject. This burgundy feeling is evaluated higher as the transmission of vibration is smaller.
[0053]
Table 1 shows the results of the first sensory test. Then, for each value of the rebound resilience of the surface layer portion 15, the average of the values obtained by evaluating the above-described cushion performances is represented as a total. Then, the cushion performance was judged as ○ when the total was 3 or more, Δ when the total was 2.8 or more, and × when the total was less than 2.8. And, when this judgment is “△” or “△”, it is determined that the device is suitable for use as an actual seat cushion.
[0054]
[Table 1]

[0055]
From the above determination, when the rebound resilience of the second urethane foam forming the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is set to 70%, the first urethane foam forming the surface layer portion 15 is determined. It was found that when the rebound resilience was 5 to 40%, excellent cushioning performance could be exhibited. Further, it was found that when the rebound resilience of the first urethane foam constituting the surface layer portion 15 was 20 to 40%, more excellent cushion performance could be exhibited.
[0056]
(Second sensory test)
In the second sensory test, when the rebound resilience of the first urethane foam forming the surface layer portion 15 is set to 20%, the second to the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 are formed. The test was performed by changing the rebound resilience of the urethane foam to 60, 65, 70, 78, 85 in a stepwise manner.
In the second sensory test, the cushion performance was evaluated in the same manner as in the first sensory test. The cushion feeling, the fit feeling, the dropping of the buttocks, the feeling of hardness at the time of sitting, the posture retention (cool feeling), The feeling of pressure on the abdomen and the feeling of Burgundy were evaluated on a scale of 1 to 5.
[0057]
Table 2 shows the results of the second sensory test. ○, ○, and × in the judgment in the table are the same as above. From this determination, when the resilience of the first urethane foam constituting the surface layer portion 15 is set to 20%, the second urethane foam constituting the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is determined. It was found that excellent cushioning performance can be exhibited by having a rebound resilience of 65 to 85%. In addition, it was found that when the resilience of the second urethane foam constituting the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is 70 to 85%, more excellent cushioning performance can be exhibited.
[0058]
[Table 2]

[0059]
From the above first and second sensory tests, the resilience of the first urethane foam constituting the surface layer portion 15 is 5 to 40%, and the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 are formed. It has been found that the resilience of the second urethane foam is preferably 65 to 85%.
Further, the resilience of the first urethane foam constituting the surface layer portion 15 is set to 20 to 40%, and the resilience of the first urethane foam constituting the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is set to 70%. It has been found that the optimum value is set to 〜85%.
[0060]
(Confirmation test of vibration absorption)
In this example, in order to further confirm the cushion performance of the cushion body 1 having the above-described excellent effects, a confirmation test of vibration absorption was performed. In this test, a seat cushion (inventive product) constituted by using the following cushion body 1 is mounted on an automobile, and vibrations generated when the automobile is actually run are transmitted to a seated person via the seat cushion. The amount was measured.
[0061]
Specifically, the first vibration sensor was installed on the floor (floor) in the car interior, and the second vibration sensor was installed on the occupant, and the vibrations of these two vibration sensors were measured as frequency and amplitude. At each frequency, the ratio (X2 / X1) of the magnitude B of the amplitude measured by the second vibration sensor to the magnitude X1 of the amplitude measured by the first vibration sensor was defined as the vibration damping rate.
[0062]
The invention includes a surface layer portion 15 made of first urethane foam having a rebound resilience of 20%, first to third central portions 11 to 13 made of second urethane foam having a rebound resilience of 78%, and a pair of side portions. 14 was obtained.
For comparison, a seat cushion constituted by using a conventional cushion body 1 entirely composed of urethane foam having a rebound resilience of 70% was taken as a comparative product, and this comparative product was subjected to the same test as the above-mentioned invention product. Was done.
[0063]
FIG. 6 shows the results of the above measurement. In the figure, the horizontal axis represents the frequency [Hz], and the vertical axis represents the vibration damping rate X [dB]. The vibration damping rate X is X [dB] = 20 log ₁₀ (X2 / X1).
The smaller the vibration damping rate X, the better the vibration absorption. For example, 0 [dB] means that X2 / X1 = 1 and there is no vibration attenuation, and -20 [dB] means X2 / X1 = 0.1 and the magnitude of vibration in the automobile is equal to the above-mentioned seat cushion. Represents that attenuation was attained by 1/10.
[0064]
FIG. 6 shows that the invention product has a smaller vibration damping rate than the comparison product in a wide frequency range of 7.5 to 35 Hz. Thus, the invention, that is, the surface layer portion 15 made of the first urethane foam having a rebound resilience of 20%, the first to third central portions 11 to 13 made of the second urethane foam having the rebound resilience of 78%, and a pair thereof It has been found that the cushion body 1 having the side portions 14 has excellent vibration absorption.
[0065]
Hereinafter, for reference, a method of manufacturing the cushion body 1 by using the molding die 2 including the lower die 3 and the upper die 4 will be described.
As shown in FIGS. 7 to 9, the lower mold 3 is formed with a front molding surface 31 for molding the front surface of the cushion body 1, and the upper mold 4 is molded with the rear surface of the cushion body 1. A back side molding surface 41 is formed. When the lower mold 3 and the upper mold 4 are closed, the cavity 20 for molding the cushion body 1 is formed between the front molding surface 31 of the lower mold 3 and the rear molding surface 41 of the upper mold 4. I do.
[0066]
The cavity 20 includes a first cavity 21 for forming the first central portion 11, a second cavity 22 for forming the second central portion 12, and a cavity 22 for forming the third central portion 13. It comprises a third cavity 23 and a pair of side cavities 24 for forming the pair of side portions 14.
[0067]
As shown in FIGS. 7 and 8, a central partition plate 26 for forming the central slit 16 is provided on the front molding surface 31 between the first cavity 21 and the second cavity 22. is there. A rear partition plate 27 for forming the rear slit 17 is provided on the front molding surface 31 between the second cavity 22 and the third cavity 23.
[0068]
As shown in FIGS. 7 and 9, the pair of side slits 18 are formed on the front side molding surface 31 between the first cavity 21 and the second cavity 22 and the pair of side cavities 24. A pair of side partition plates 28 are provided.
When the cushion body 1 having the partition member as the intermediate layer is formed, the cushion member 1 can be formed by attaching the partition member to the side partition plate 28.
[0069]
Thus, as shown in FIGS. 7 to 9, the surface layer forming cavity 25 surrounded by the partition plates 26 to 28 is formed on the bottom side of the second cavity 22. Further, the bottom 251 of the surface layer forming cavity 25 is recessed and formed in order to form the projection of the surface layer 15 with respect to the surface 111 of the first central portion 11.
[0070]
Hereinafter, the urethane foam constituting the surface layer portion 15 is referred to as a first urethane foam, and the urethane foam constituting the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14 is referred to as a second urethane foam.
In forming the cushion body 1, a first raw material for forming the first urethane foam and a second raw material for forming the second urethane foam are used.
The first raw material and the second raw material both consist of a mixed raw material of a polyol raw material and an isocyanate raw material. This mixed raw material is obtained by mixing a polyol raw material resin, an isocyanate raw material resin, water, a catalyst, a crosslinking agent, and the like, and foams by a chemical reaction.
[0071]
In this example, in order to make the rebound resilience of the first urethane foam formed from the first raw material smaller than the rebound resilience of the second urethane foam formed from the second raw material, the molecular weight of the polyol raw resin used for the first raw material is reduced. Is smaller than the molecular weight of the polyol raw material resin used for the second raw material.
Specifically, in order to form the first urethane foam having a rebound resilience of 5 to 40%, the polyol raw material resin in the first raw material is composed of a polyol raw material resin having a molecular weight of about 5000 and a polyol raw material resin having a molecular weight of 300 to 1,000. Resin was mixed with resin. On the other hand, in order to form the second urethane foam having a rebound resilience of 65 to 85%, the polyol raw material resin of the second raw material was a polyol raw material resin having a molecular weight of 5500 to 7500.
[0072]
When foaming the cushion body 1, the first raw material is injected into the surface layer forming cavity 25, and the second raw material is injected into the first to third cavities 21 to 23 and the pair of side cavities 24. inject. Thereafter, the lower mold 3 and the upper mold 4 are closed, and the first raw material and the second raw material are foamed.
[0073]
Then, as shown in FIGS. 10 and 11, the first raw material foams in the surface layer forming cavity 25 to form the surface layer 15.
The second raw material is foamed in the first to third cavities 21 to 23 and the pair of side cavities to form the first to third central portions 11 to 13 and the pair of side portions 14. Then, the surface layer portion 15 and the second central portion 12 are connected by a urethane bond.
Thus, the surface layer portion 15 made of the first urethane foam having the rebound resilience of 5 to 40%, the first to third central portions 11 to 13 made of the second urethane foam having the resilience of 65 to 85%, and the pair of side portions 14 can be molded.
[0074]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a cushion body capable of preventing a large repulsive force from being generated for a locally large load applied from the vicinity of the buttocks.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a cushion body in an embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the cushion body of FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view of the cushion body of FIG.
FIG. 4 is a cross-sectional view of the cushion body of FIG.
FIG. 5 is a view showing another cushion body in the embodiment, and is a cross-sectional view corresponding to the line AA in FIG. 1;
FIG. 6 is a graph showing a relationship between a frequency and a vibration damping rate in a test for confirming vibration absorption in an example.
FIG. 7 is a plan view showing a molding die for molding a cushion body in the embodiment.
FIG. 8 is a sectional view taken along line AA in FIG. 7 in the embodiment.
FIG. 9 is a sectional view taken along line BB in FIG. 7 in the embodiment.
10 is a view showing a state in which the cushion body is formed in the forming die in the embodiment, and is a cross-sectional view corresponding to the line AA in FIG. 7;
FIG. 11 is a view showing a state in which the cushion body is molded in the molding die in the embodiment, and is a cross-sectional view corresponding to the line BB in FIG.
[Explanation of symbols]
1. . . Cushion body,
11. . . The first central part,
12. . . The second central part,
13. . . Third central part,
14． . . side,
15. . . Surface layer,
16. . . Central slit,
17. . . Rear slit,
18. . . Side slit,
2. . . Mold,
20. . . cavity,
21. . . The first cavity,
22. . . The second cavity,
23. . . Third cavity,
24. . . Side cavity,
3. . . Lower mold,
4. . . Upper mold,

Claims

A vehicle seat cushion body made of urethane foam,
The cushion body has a first central portion that receives a load from the vicinity of the thigh of the seated person, a second central portion that receives a load from the vicinity of the buttocks of the seated person, and the second central portion. Has a surface layer on the surface side of
The surface portion protrudes from the surface of the first central portion, and has a lower rebound resilience and a larger hysteresis loss and a longer return time than the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion. A cushion body for a vehicle seat, which is made of urethane.

2. The cushion body for a vehicle seat according to claim 1, wherein a groove-shaped central slit is formed between the front surface layer and the first central portion.

3. A pair of side parts according to claim 1 or 2, wherein a pair of side parts are provided on both left and right sides of the first central part and the second central part.
A cushion body for a vehicle seat, wherein a groove-like side slit is formed between the left and right sides of the surface layer portion and the pair of side portions.

The ratio of the thickness of the surface layer portion to the total thickness of the thickness of the second central portion and the thickness of the surface layer portion according to any one of claims 1 to 3, is 50% or less. A cushion body for a vehicle seat.

5. The cushion body for a vehicle seat according to claim 4, wherein a ratio of a thickness of the surface layer portion to the entire thickness is 10 to 40%.

The rebound resilience of the urethane foam constituting the surface layer portion is 5 to 40%, and the rebound resilience of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is defined in any one of claims 1 to 5. Is 65 to 85%.

7. The hysteresis loss of the urethane foam constituting the surface layer portion according to any one of claims 1 to 6, wherein the hysteresis loss of the urethane foam constituting the first central portion and the second central portion is 40 to 80%. Is a cushion body for a vehicle seat, which is 5 to 30%.