JP2004147034A - アドレス管理システムおよびアクセスポイント装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ネットワーク内のアドレスを管理するアドレスサーバと複数のアクセスポイント装置とがネットワークに相互接続されたシステムにおいて、最初に他のネットワークに接続された端末を管理するために、端末装置が最初にネットワークに接続された時点に割り振られた本籍アドレスと、当該端末装置の現在の接続位置を示す移動先アドレスと、当該端末装置を特定するマックアドレス等の端末装置固有のアドレスとを組にして保持しておき、各アクセスポイント装置とアドレスサーバは、端末装置が起動するときには移動先アドレスを割り当てるが本籍アドレスには変更を加えないようにして端末装置のアドレス管理を行う。
【選択図】 図32
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の異なる伝送メディアを相互に接続するネットワークシステムにおける移動ノードの管理方法及びアクセスポイント装置及び端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭やビルにおける家電機器や設備機器をネットワークで相互に接続して制御を行うネットワークシステムにおいて、そのネットワークの伝送メディアとしてEthernet(登録商標)、電灯線、電話線、赤外線、小電力無線などの異なる伝送ディアを組み合わせてネットワークを構成し、伝送メディアとして小電力無線を使用したPDAや携帯端末などのノード移動が前提となるモバイル機器から家電を操作したり、設備機器の状態を取得したりするシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなシステムでは、以下のようなことが求められている。
(1)家電機器、設備機器、モバイル機器が、家庭やビル内の何処に存在しているかという位置情報を管理できること。
(2)モバイル機器が移動しても、ノード間の通信は互いのノードの位置や移動を意識することなく継続して通信され、移動に関係なくモバイル機器から家電を操作したり、設備機器の状態を取得したりすること。
【0004】
従来、端末の位置情報を管理するネットワークシステムとしては、携帯電話システムなどのセルラー・ネットワークの位置登録機能などがあった。
【0005】
セルラー・ネットワークでは、
1.モバイル端末の移動を追跡して、交換サービスを行う移動交換局
2.モバイル端末の契約時に加入者データを保存し、その端末の位置管理を行うホーム・ロケーション・レジスタ
3.セルラー・ネットワークとは異なる、公衆電話網などの固定ネットワークとの相互接続を行う関門移動交換局
4.無線と有線ネットワークのインタフェースをもつ無線基地局
5.セルラー・ネットワークに接続する無線端末、所謂、モバイル端末
から構成される。
【0006】
一般に、1つの移動交換局には複数の無線基地局が接続され、それぞれの無線基地局の電波が届く範囲が、移動交換局の「サービス・エリア」になる。このようなネットワーク構成の中で、モバイル端末の位置は、「位置登録エリア」と呼ばれる範囲を単位にして、認識される。「位置登録エリア」は、例えば、移動交換局の「サービス・エリア」が1つの「位置登録エリア」に対応する。
【0007】
基地局は「同報無線制御チャンネル」というチャンネルを用いて、移動交換局によって定められる位置登録エリア情報を周期的に広告している。これに対してモバイル端末は、「同報無線制御チャンネル」を常に受信し、位置登録エリア情報に変化がないかどうかを検出する。
【0008】
モバイル端末は移動して、異なる位置登録エリア情報を受信すると、異なる位置登録エリアに移動したと判断し、移動後の位置登録エリアを管理する新しい移動交換局に対して、「個別無線制御チャンネル」を介して、位置登録を行う。
【0009】
移動交換局は位置登録要求を受信すると、そのモバイル端末のホーム・ロケーション・レジスタとの間で、認証などのネゴシエーションを行ない、ホーム・ロケーション・レジスタに対して、端末が存在する位置登録エリアを通知する。
【0010】
また、従来、ノードが移動しても継続して通信される技術として、ノードがサブネット間の移動をしても、移動前のアドレスで通信が行えるように管理する「モバイルIP」が、RFC2002(Requesut for Comments)で標準化されている。
【0011】
モバイルIPでは、「ホームIPアドレス」と「気付きアドレス」との2つのアドレスを用いて、「ホームIPアドレス」は、端末がサブネットを移動しても、通信相手は継続してホームIPアドレスで通信できる。
【0012】
モバイルIPでは、移動ノードが移動を検知するために、OSI参照レイヤ3層において、ネットワーク識別子を格納した位置情報を、サブネット内へ周期的に(例えば、1分周期で)ブロードキャストパケットとして流す。
【特許文献1】
特開2001−309067号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術を、家庭やビルにおける家電機器や設備機器を異なる複数の伝送メディアで相互に接続して、モバイル機器から家電操作や設備機器の状態取得を行うネットワークシステムで用いようと考えた場合、以下のような問題点があった。
(1)上記のネットワークシステムにおいて、モバイルIPを用いたIPv4ネットワークで構築した場合、ホームIPアドレスはDHCPによって動的に与えられるが、DHCPサーバ間では情報のやり取りを行っていなかったため、端末がIPサブネットを移動した際に、他方のDHCPサーバが再びホームIPアドレスを割当てしまって端末のホームIPアドレスが変化してしまい、ホームIPアドレスで端末を特定できない場合があった。
(2)また、DHCPサーバが割当るホームIPアドレスを再利用不可能とし、ホームIPアドレスを割当られた端末が、恒久的にそのホームIPアドレスを使用する場合、端末が使用されなくなってもホームIPアドレスを再利用しないので、ホームIPアドレスがアドレス空間の狭いアドレス種別を使用していた場合、ホームIPアドレスの枯渇が起こりやすくなり、ホームIPアドレスが枯渇した場合は、システムに新たな端末を追加することが困難であった。
(3)上記のネットワークシステムは、一般にネットワーク管理者が存在しないことを前提としており、また、システム構築のプロセスはユーザによって多様であるので、セルラー・ネットワークにおける位置情報を集中的に管理する方式のような、ホーム・ロケーション・レジスタを後から追加したり、システム内の機器を着脱してもシステム全体への影響が少ないようにするシステムの再構築が容易ではなかった。
(4)モバイル機器の伝送メディアとして使用される無線ネットワークでは、OSI参照レイヤ3層以上におけるブロードキャスト通信が、OSI参照レイヤ2層以下における下位通信では、各端末と1対1通信を繰り返すポーリング方式を採用している場合がある。
【0014】
この伝送メディアを使用して上記ネットワークシステムを構築する場合、移動したモバイル機器が接続するアクセスポイントに無線端末が多数接続しているネットワークシステムでは、レイヤ3における1回のブロードキャストパケットが、レイヤ2の通信ではアクセスポイント装置が管理している無線端末の台数分のユニキャストパケットになり、さらに無線通信の電波状態が悪いノードにパケットが正しく届かないときパケットの再送を繰り返す。
【0015】
上記のネットワークシステムにおいてモバイルIPを用いた場合、アクセスポイントは、位置情報を定期的にOSI参照レイヤ3層のブロードキャスト通信を行うことによって、ネットワークや各々の機器の負荷を無用に増大し、これらの処理を行うためには、コストの高い比較的高処理CPUが必要となってしまっていた。
(5)また、家庭で用いられる家電機器や設備機器は、待機消費電力の低減が求められており、無造作にブロードキャストパケットを流す従来の方法では、移動には無関係なノードに位置情報を格納したパケットを周期的に送信し、省電力のために一時停止している無線端末にもそのパケットを送ることによって、その無線端末は受信処理を行わなければならないので、無線端末の省電力化を阻害していた。
【0016】
一方、CDMA/CA方式を用いた無線では、ブロードキャストパケットはひとつのパケットで各無線端末へ一斉に届くが、CDMA/CA方式の無線はポーリング方式の無線伝送メディアに比べて消費電力が大きいのでモバイル機器のバッテリーの消費が大きくなってしまっていた。
【0017】
本発明は、家庭やビルや街における家電機器や設備機器をネットワークで相互に接続してモバイル機器から家電操作や設備機器の状態取得を行うネットワークシステムにおいて、伝送メディアとして近距離無線を使用するモバイル機器が移動しても継続して通信され、モバイル機器から家電操作や設備機器の状態取得が行るようにすることを狙いとして、従来技術の問題点を解決し、以下のような特徴を持つアドレス管理方法およびアクセスポイント装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
本発明の第1の目的は、サブネット間を移動したノードの通信相手ノードが、移動ノードに対する宛先ノードの上位アドレス及び、移動ノードが移動前に属していた同報アドレスを変更することなく、移動ノードと個別通信及び同報通信を行えるネットワークシステムにおいて、ノードのサブネット間の移動を意識せずに使用できる上位アドレスが、アドレスサーバから再割当されてしまいむやみに変わってしまうことによって、上位アドレスで端末を特定できなくなることを軽減したり、上位アドレスが変わらないようにアドレスサーバの割当て上位アドレスを再利用して拡張性あるアドレス管理システム及びアクセスポイント装置を提供することを目的とする。
【0019】
また本発明の第2の目的は、ネットワーク管理者不在、システム構築のプロセスが多様となる状況に対応するため、設定の省力化、システム構築の柔軟性を向上させたアドレス管理システム及びアクセスポイント装置を提供することを目的とする。
【0020】
また本発明の第3の目的は、サブネット間を移動したノードの通信相手ノードが、移動ノードに対する宛先ノードの上位アドレス及び、移動ノードが移動前に属していたサブネットの同報アドレスを変更することなく、移動ノードと個別通信及び同報通信を継続するネットワークシステムにおいて、送信元アドレスを変更することなく通信を継続できるネットワークシステムにおいて、
移動ノードが移動を検知するためのブロードキャストパケットを減らすことによって、電波の送信出力や通信量を減らし、低処理能力のCPUでも移動しても継続して通信を行えるアドレス管理システム及びアクセスポイント装置及び無線端末を提供することを目的とする。
【0021】
また本発明の第4の目的は、サブネット間を移動したノードが、通信相手ノードと個別通信及び同報通信をする時、
移動ノードが移動を検知するためのブロードキャストパケットを減らすことによって、低消費電力で通信処理を行えるアドレス管理システム及びアクセスポイント装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述したような課題を解決するため、本発明では、以下のような手段をとる。
【0023】
複数のアクセスポイント装置が第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々が第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
ネットワークシステムは、任意のアクセスポイント装置が管理する第2のネットワークに接続された端末が初期起動時に前記アクセスポイント装置にログインをする際に、前記端末に本籍アドレスを割当ても良いか否かを前記任意のアクセスポイント装置以外のアクセスポイント装置に問合せることによって判定する手段と、
前記問合せの結果として本籍アドレスを割当てよいと判定した場合は前記端末に本籍アドレスを割当る手段と、
各端末の下位アドレスと本籍アドレスと移動先アドレスと組にして各々のアクセスポイント装置に分散して保持する手段と、
端末が移動した際に、前記端末が移動して新たなアクセスポイント装置にログインときに、前記端末の移動先アドレスを更新する手段と、
移動先アドレスを位置情報として保持する手段とを有する。
【0024】
複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
アクセスポインと装置は、各々の第2のネットワークを介して端末が前記第2のネットワークを管理しているアクセスポイント装置にログインすることを取得する手段と、
ログインした端末が本籍アドレスを保持していない場合は前記端末に本籍アドレスを割当る手段と、
前記端末に本籍アドレスを割当た際に、本籍アドレスを割当たことを他のアクセスポイント装置に通知する手段と、
ログインした端末が既に本籍アドレスを保持している場合は前記端末から前記端末の本籍アドレスを取得する手段と、
前記端末から前記端末の本籍アドレスを取得した際に、前記端末の本籍アドレスを管理しているアクセスポイント装置に前記端末がログインしたことを通知する手段と、
他のアクセスポイント装置が端末に本籍アドレスを割当た通知を受信する手段と、
ハードウェアアドレスと本籍アドレスと移動先アドレスとを組にして管理する手段と、
本籍登録要求を格納した電文を受信する手段と、
他のアクセスポイント装置から端末の移動先アドレスの通知を受信する手段と、
他のアクセスポイント装置から受信した各端末の移動先アドレス通知を元に各端末の移動先アドレスを更新する手段と、
自アクセスポイント装置が管理している無線チャンネルを無線端末が使用しているか否かを監視する手段と、
無線端末がアクセスポイント装置に対してログインを行って無線チャンネルを使い始めた時に、前記無線端末に無線端末の現在位置となる位置情報を格納した電文の宛先個別指定し、特定のチャンネルでユニキャスト送信する手段を有することを特徴とする。
【0025】
また、アクセスポイント装置は、サブネットを移動した端末のノードの通信相手ノードが、サブネットを移動した端末のノードに対して個別電文を送信するとき、
前記個別電文が、移動した端末のデフォルト・アクセスポイントを中継する際に、前記個別電文を横取りする手段と、
宛先を移動先アドレス、送信元を端末のデフォルト・アクセスポイント装置の上位アドレスとして前記個別電文をカプセル化し、前記個別電文を前記サブネットに移動した端末のノードへ個別電文として転送する手段を有することを特徴とする。
【0026】
また、アクセスポイント装置は、サブネットを移動した端末のノードの通信相手ノードが、サブネットを移動した端末のノードに対して個別電文を送信するとき、サブネットを移動した端末のデフォルト・アクセスポイントが含まれるサブネットに対して同報電文を送信する場合、前記同報電文のコピーを生成して、その同報電文のコピーに対して宛先を移動アドレス、送信元をデフォルト・アクセスポイントでカプセル化し、移動先ノードへ個別電文として転送する手段を有することを特徴とする。
【0027】
無線端末がネットワークに接続する際にアクセスポイント装置にログインを行ない、無線端末の通信はアクセスポイント装置を経由して通信を行うネットワークシステムにおいて、
無線端末は、初期起動時にログインしたアクセスポイント装置から本籍アドレスを取得する手段と、
初期以降の起動時に初期起動時にログインした際にアクセスポイント装置に本籍アドレスを通知する手段と、
下位アドレスと本籍アドレスとを組にして保持する手段と、
ログインしたアクセスポイント装置から移動先アドレスを取得する手段有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明が適用される一例である住宅100に導入された本発明のシステム構成図の一例である。
【0030】
住宅100には、図示はしていないが部屋101と部屋102があり、部屋101には、アクセスポイント110と、エアコン111、照明112、センサ113が設置されているものとする。
【0031】
部屋102には、アクセスポイント120と、照明121、冷蔵庫122、センサ123が設置されているものとする。なお、アクセスポイントとは、例えば、電灯線やEthernet(登録商標)などの有線通信機能と無線通信機能を持っており、有線ネットワークと無線ネットワーク間の電文を中継する機器である。
【0032】
また、家の中で携帯して自由に移動し、設置できるマルチリモコン130が存在するものとする。マルチリモコンとは、家電操作や設備機器の状態取得を行うユーザインタフェースを持つモバイル機器のことである。
【0033】
エアコン111、照明112、センサ113、照明121、冷蔵庫122、センサ123、マルチリモコン130にはそれぞれ無線端末140が接続されている。
【0034】
なお、部屋A室101と部屋B室102の間には壁があり、それぞれ互いの部屋からの電波は遮断されるものとする。
【0035】
アクセスポイント110とアクセスポイント120は、例えば、電灯線、ツイストペア線、Ethernet(登録商標)、電話線などの有線ネットワーク250で相互に接続され、アクセスポイント110は、エアコン111、照明112、センサ113、及び、マルチリモコン130と無線端末140を介して近距離無線で通信を行っており、これらの機器は、無線ネットワークグループ210として、アクセスポイント110に管理される。
【0036】
近距離無線とは、例えば、特定小電力無線、IrDA通信、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11aなどの、通信距離が10mから100m程度である無線のことである。また、無線ネットワークグループとは、近距離無線を伝送メディアとして使用する1つのアクセスポイントと、そのアクセスポイントが無線チャンネル制御及びアクセス制御を管理する1つ以上の無線端末とで構成されるものである。
【0037】
アクセスポイント120は、照明121、冷蔵庫122、センサ123と無線端末140を介して無線通信を行っており、これらの機器は、無線ネットワークグループ220として、アクセスポイント120に管理される。
【0038】
一方、無線ネットワークグループとは別に、ルータ等によって区切られたネットワークセグメントをサブネットと呼び、本システムでは、アクセスポイントがルータとして、有線ネットワーク250と近距離無線とを中継するので、アクセスポイント110、エアコン111、照明112、センサ113、及び、マルチリモコン130は、サブネット230を構成する。
【0039】
同様に、アクセスポイント120、照明121、冷蔵庫122、センサ123は、サブネット240を構成される。また、アクセスポイント110、120は、サブネット260を構成する。
【0040】
各機器には、NetIDとNodeIDとで構成される上位アドレスと、下位アドレス4バイトとが割当られている。
【0041】
なお、NetIDとは、本システム内でユニークとなるサブネットの識別子であり、ネットワーク識別子とも言う。
【0042】
また、NodeIDとは、サブネット内で、各機器が一意に識別できる識別子であり、機器識別子とも言う。
【0043】
上位アドレスは、異なる伝送メディアを相互に接続したネットワークシステムにおいて、アプリケーションが特定のノードに対して電文を送信する際に、宛先を指定するのに用いるアドレスを上位アドレスと呼び、ネットワークシステムがサブネットを構成する際に通信ミドルレイヤに割当られる。
【0044】
下位アドレスは、下位通信レイヤにおいて使用されるアドレスである。例えば、IEEE802仕様アドレス、IPv6アドレスなどである。
【0045】
図2は、本システムにおけるネットワーク通信レイヤを示すものである。
【0046】
アプリケーションレイヤ201では、家電制御コマンドや設備機器状態取得コマンドがやりとりされる。
【0047】
通信ミドルレイヤ202では、上位アドレスを識別子として上位電文がやりとりされる。
【0048】
下位通信レイヤ203では、伝送メディア毎のプロトコルに従って、下位電文がやりとりされる。
【0049】
図3は、本システムのネットワークにおける上位アドレスの構成を示すものであり、ネットワーク識別部301と、機器識別部302から構成される。それぞれは、例えば、1バイト、1バイトのサイズであるとする。
【0050】
ネットワーク識別部301には、ネットワーク識別子NetIDが格納される。
【0051】
機器識別部302には、機器識別子NodeIDが格納される。
【0052】
図4は、サブネット230、240、260で送受信される電文のフォーマットの一例である。この電文は、例えば、無線の下位電文や有線ネットワークの下位電文のデータ部に格納される電文である。
【0053】
上位電文400は、通信ミドルレイヤ202で各機器のノード間をやりとりされる電文である。
【0054】
下位電文410は、下位通信レイヤ403の伝送メディア毎のプロトコルに従って、各機器のノード間をやりとりされる電文である。
【0055】
U_DA401は、本システム内の宛先ノードの上位アドレスを指定する情報が格納されてエリアである。
【0056】
U_SA402は、本システム内の送信元ノードの上位アドレスを指定する情報が格納されるエリアである。
【0057】
U_BC403は、U_DATA405のバイトの長さを指定する情報が格納されるエリアである。
【0058】
U_DH404は、電文のヘッダ情報が格納されるエリアであり、ルーティング・ホップ数などの情報が格納されるエリアである。
【0059】
U_DATA405は、送信元および宛先のプログラム間でやり取りされるデータが格納されるエリアである。
【0060】
DA411は、無線ネットワークグループ内の宛先下位アドレスを指定する情報が格納されるエリアである。
【0061】
SA412は、無線ネットワークグループ内の送信元下位アドレスを指定する情報が格納されるエリアである。
【0062】
CC413は、電文の制御情報が格納されるエリアであり、DATA415に上位電文、または、独自電文が格納されているの情報が格納されるエリアである。
【0063】
独自電文とは、伝送メディアに固有な電文であり、例えば、登録要求電文、登録許可電文、ログイン要求電文、ログイン許可電文である。
【0064】
BC414は、DATA415のバイトの長さを指定する情報が格納されているエリアである。DATA415は、送信元ノードの下位通信レイヤおよび宛先ノードの下位通信レイヤ間でやり取りされるデータが格納されるエリアである。
【0065】
図5は、アクセスポイント110のハードウェア構成の一例である。
【0066】
なお、アクセスポイント120も同様の構成であるので、ここではアクセスポイント110を代表として説明する。
【0067】
アクセスポイント110は、中央演算処理装置501、記憶装置502、無線通信処理装置503、電灯線通信処理装置504から構成される。
【0068】
中央演算処理装置501は、記憶装置502に格納されるプログラムを実行するものであり、所謂CPUである。
【0069】
記憶装置502は、中央演算処理装置501で動作するプログラムそのものを記憶しており、動作中のプログラムが保持する変数やテーブル情報やログなどを記憶するメモリである。
【0070】
無線通信処理装置503は、無線ネットワークグループ210を介して、エアコンや照明、センサなどに接続された無線端末140との間で電文の送受信処理を行うものである。
【0071】
有線通信処理装置504は、有線ネットワーク250を介して、アクセスポイント120との間で電文の送受信処理を行うものである。
【0072】
次に、アクセスポイント110の記憶装置502に記憶されたテーブルと、中央演算処理装置501によって実行され動作する処理プログラムについて説明する。
【0073】
図6は、そのプログラム構成の一例を示したブロック図である。なお、図6のプログラム間の接続線は、プログラム間の入出力関係を示している。また、白抜きの矢印は、テーブルと処理プログラムとの参照関係を示している。
【0074】
テーブルは、有線通信アドレス変換テーブル601、無線通信アドレス変換テーブル602、無線端末管理テーブル603、電文転送テーブル604、ルーティングテーブル605から構成される。
【0075】
処理プログラムは、有線通信ドライバ611、有線通信プロトコル処理部612、受信処理部613、ルーティング処理部614、送受信処理部615、無線通信プロトコル処理部616、問合せブロードキャストプログラム617、無線通信ドライバ618、無線端末管理プログラム619、サービス検索応答プログラム620、無線端末位置管理プログラム621から構成される。
【0076】
有線通信アドレス変換テーブル601は、サブネット260内の機器の下位アドレスと上位アドレスとの対応を管理するものである。
【0077】
図7に、有線通信アドレス変換テーブル601の構成例を示す。
【0078】
有線通信アドレス変換テーブル601には、上位アドレスと下位アドレスとの対応情報が格納されており、例えば、上位アドレス601と下位アドレス602との組が複数記憶できる構成となっている。
【0079】
無線通信アドレス変換テーブル602は、サブネット230内の無線端末140の下位アドレスと上位アドレスとの対応を管理するものである。
【0080】
図8に、無線通信アドレス変換テーブル602の構成例を示す。
【0081】
無線通信アドレス変換テーブル602は、例えば、上位アドレス701と下位アドレス702との組が複数記憶できる構成となっている。
【0082】
また、図7では、図1で示したアクセスポイント110の無線通信アドレス変換テーブルの内容を例示しており、無線ネットワークグループ210内の機器、エアコン111、照明112、センサ113の下位アドレスと上位アドレスが格納されている。
【0083】
無線端末管理テーブル603は、アクセスポイント120がサブネット230で管理する機器のログイン状態と、サブネット230に含まれない機器であるが無線ネットワークグループ210で管理する機器のログイン状態を管理するものである。
【0084】
図9に、無線端末管理テーブル603の構成例を示す。無線端末管理テーブル603には、アクセスポイントが無線ネットワークグループ210として管理する無線端末140の下位アドレス901と、アクセスポイントと無線端末との接続状態902と、無線端末の通信可能903と、登録フラグ904の対応情報が格納されており、例えば、無線端末140の下位アドレス901と、接続状態902と、通信可能情報903と、登録フラグ904の組が複数記憶できる構成になっている。
【0085】
図9では、図1で示したアクセスポイント110の無線端末管理テーブル703の内容を例示しており、無線ネットワークグループ210内の機器、エアコン111、照明112、センサ113、マルチリモコン130の下位アドレスと接続状態1102、通信可能情報1103、登録フラグ1104が格納されている。下位アドレス00:000B:04は、マルチリモコン130の下位アドレスであり、マルチリモコン130が現在切断されており、通信範囲外であるが、アクセスポイント110に登録されていることを示している。
【0086】
電文転送テーブル604は、アクセスポイント120がサブネット230として管理する機器の内、他のアクセスポイント(例えば、アクセスポイント130)にログインしている機器のログイン先アクセスポイントを管理するものである。
【0087】
図10に、電文転送テーブル604の構成例を示す。電文転送テーブル604には、アクセスポイントがサブネットとして管理する機器の内、他のアクセスポイントにログインしている機器の本籍アドレス1001と、移動先アドレス1002との対応情報が格納されており、例えば、本籍アドレス1001と、移動先アドレス1002との組が複数記憶できる構成となっている。
【0088】
図11では、図1で示したアクセスポイント110の電文転送テーブルの内容を例示しており、例えば、アクセスポイント110がサブネット230として管理するマルチリモコン130の本籍アドレス(NetID、NodeID)=(3、5)、移動先アドレス(NetID、NodeID)=(4、5)にログインしていることを示している。
【0089】
ルーティングテーブル605は、アクセスポイントから別のアクセスポイントに電文を送信する際にこれを処理するのに適切なアクセスポイントのアドレスを管理するもので、送信先のNetIDとアクセスポイントのアドレスとの対応が管理されている。ただし、この機器のアドレスは、アクセスポイントが接続されるサブネットに接続されるアクセスポイントのアドレスである。
【0090】
図11に、ルーティングテーブル605の構成例を示す。ルーティングテーブル605には、このテーブルを保持しているアクセスポイントから見て、ネットワーク識別子NetID1111で指定されるサブネットに接続される機器に対して電文を送信する際に、送信元の伝送メディアとなるノードの上位アドレスであるインタフェース1102とそのNetID1113とNodeID1114、経由しなければならない機器NextHop1103の上位アドレスNetID1115とNodeID1116が格納されている。
【0091】
また、ホップ数1112は、ネットワーク識別子NetID1111で指定されるサブネットに電文を送信する際に経由する機器の数を示す。
【0092】
図11では、図1で示したアクセスポイント110のルーティングテーブル805の内容を例示しており、NetID=2、4のサブネットに接続された機器に電文を送信する際には、(NetID、NodeID)=(2、2)を送信元として電文を送信すること、NetID=3のサブネットに接続された機器に電文を送信する際には、(NetID、NodeID)=(3、1)を送信元として電文を送信すること、NetID=2、3のサブネットは、NextHop1103の(NetID、NodeID)=(0、0)より、自身に直結されたサブネットであるため自機器(この場合は、アクセスポイント110)から直接宛先機器に送信できることを示している。
【0093】
有線通信ドライバ611は、有線通信処理装置504を制御して、予め定められた通信プロトコル(例えば、Ethernet(登録商標)、電灯線通信プロトコル、またはIPなど)で他のアクセスポイントとのデータ通信を行う通信プログラムである。
【0094】
有線通信プロトコル処理部612は、送信処理部615からの上位電文を受け取り、上位電文より下位電文を作成し、有線通信アドレス変換テーブル601より宛先ノードの下位アドレスを取得し、有線通信ドライバ611を介して有線通信処理装置504を制御して下位電文を送信する。
【0095】
また、有線通信プロトコル処理部612は、有線通信ドライバ611を介して有線通信処理装置504を制御して下位電文を受信し、受信処理部513に上位電文を渡す。
【0096】
受信処理部613は、有線通信プロトコル処理部612と無線通信プロトコル処理部616とから、上位電文を受け取り、自ノード宛ての電文であった場合は、無線端末位置管理プログラム622に渡す。自ノード宛ての電文でない場合は、ルーティング処理部614へ上位電文を渡す。
【0097】
ルーティング処理部614は、ルーティングテーブル605と、電文転送テーブル604を参照し、ルーティングテーブル605のインタフェース1102より宛先のノードの伝送メディアを判定し、(例えば、有線通信処理装置504から電文を送信するか、無線通信処理装置503から電文を送信するかを判定し)、送信処理部615に送信先伝送メディアの情報と上位電文を渡す。図12にルーティング処理部614の処理フローの一例を示す。
【0098】
ルーティング処理部は、電文転送テーブル格納されている上位アドレスと受信した上位電文が一致するか判定する。一致する場合は、ステップ1202に進む。一致しない場合は、ステップ1205に進む(ステップ1201)。
【0099】
宛先ノードの上位アドレスが、電文転送テーブルに格納されている移動先アドレスに一致、または、宛先が同報指定であるか判定する。該当する場合は、ステップ1203に進む。該当しない場合は、ステップ1205に進む(ステップ1202)。
【0100】
上位電文に宛先アドレスを移動先アドレスと送信元アドレスを自アクセスポイントとした、カプセル化ヘッダをつける上位電文に宛先アドレスを転送先上位アドレスと送信元アアドレスを自アクセスポイントとした、カプセル化ヘッダをつけ(ステップ1203)、カプセル化した上位電文を電灯線通信プロトコル処理部に渡す(ステップ1204)。
【0101】
上位電文の宛先アドレスより、送信元となる伝送メディアを判定し、送信元となる伝送メディアが電灯線である場合は、ステップ1206に進む。送信元となる伝送メディアが無線通信である場合は、ステップ1207に進む(ステップ1205)。
【0102】
上位電文を電灯線通信プロトコル処理部に渡す(ステップ1206)。
【0103】
宛先アドレスの無線端末が、現在、自アクセスポイントにログインしているか判定する。自アクセスポイントにログインしている場合は、ステップ1208に進む。ログインしていない場合は、ステップ1209に進む(ステップ1207)。
【0104】
上位電文を無線通信プロトコル処理部に渡す(ステップ1208)。上位電文廃棄する(ステップ1209)。
【0105】
送信処理部615は、ルーティング処理部614からの宛先伝送メディアの情報と、上位電文を受け取り、宛先伝送メディア情報となるインタフェースに基づいて、送信先伝送メディアを判定し、有線通信プロトコル処理部612、または、無線通信プロトコル処理部616に上位電文を渡す。
【0106】
無線通信プロトコル処理部616は、送信処理部615からの上位電文を受け取って上位電文より下位電文を作成し、無線通信アドレス変換テーブル602より宛先ノードの下位アドレスを取得し、無線通信ドライバ618を介して無線通信処理装置503を制御して下位電文を送信する。
【0107】
また、無線通信プロトコル処理部616は、無線通信ドライバ618を介して無線通信処理装置503を制御して下位電文を受信し、下位電文より上位電文を作成して受信処理部613に上位電文を渡す。図12に無線通信プロトコル処理部616の処理フローの一例を示す。
【0108】
無線通信アドレス変換テーブル602で、宛先ノードの上位アドレスより、宛先ノードの下位アドレスを取得し(ステップ1301)、無線通信下位電文を作成し、無線通信ドライバから電文を送信する(ステップ1302)。
【0109】
問合せ応答プログラム617は、無線端末140の電波が届く範囲内に存在するアクセスポイントを探すために送信した問合せブロードキャスト電文に対して応答するプログラムであり、例えば、エアコン111、照明112、センサ113及び、マルチリモコン130などに接続している無線端末140からの問合せブロードキャスト電文を受信し、無線通信ドライバ708を介して問合せ応答を送信するプログラムである。図14に問合せ応答プログラム817の処理フローの一例を示す。
【0110】
なお、問合せブロードキャスト電文は、無線端末140の電波が届く範囲内に存在する無線端末140を探すために、OSI参照レイヤ2でブロードキャストで送信する電文である。
【0111】
問合せ応答プログラム617は、問合せブロードキャスト電文の受信待機を行ない(ステップ1401)、無線通信ドライバ508を介して、無線端末140からの問合せ電文を受信し(ステップ1402)、問合せ電文を受信すると、ランダムt時間待機を行った後(ステップ1403)、自分の下位アドレスを格納した問合せ応答電文を送信する(ステップ1404)。
【0112】
なお、ランダムt時間は、例えば0.01秒から1秒の範囲であり、問合せ応答の電文が衝突することを防ぐための待ち時間である。
【0113】
無線通信ドライバ618は、無線通信処理装置503を制御して、予め定められた無線通信プロトコル(例えば、特定小電力無線、IrDA通信など)でエアコン111、照明112、センサ113などと通信するものである。
【0114】
無線端末管理プログラム619は、各無線端末の無線チャンネルの使用状態を監視し、一定時間、無線端末からパケットが届かない場合は切断と見なし、無線端末管理テーブル613の接続状態を切断に変更する。図15に無線端末管理プログラム619の処理フローの一例を示す。
【0115】
タイマ T=0 とし(ステップ1501)、タイマTを1増やす(ステップ1502)、無線端末からのパケットを受信したか判定し、無線端末からパケットを受信した場合は、ステップ1501に戻る。無線端末からパケットを受信しない場合は、ステップ1504に進む(ステップ1503)。
【0116】
タイマ Tが一定時間より大きければ、ステップ1505に進む。タイマ Tが一定時間以下であればステップ1502に戻る(ステップ1504)。
【0117】
無線端末管理テーブルの接続状態を切断にする(ステップ1505)。
【0118】
サービス検索応答プログラム620は、周辺のエアコン111、照明112、センサ113及び、マルチリモコン130などに接続している無線端末140からのサービス検索要求電文を受信し、無線通信ドライバ618を介してサービス検索応答を送信するプログラムである。図16にサービス検索応答プログラム620のフロー処理の一例を示す。
【0119】
サービス検索要求電文を受信するまで待機する(ステップ1601)。サービス検索要求電文を受信すると(ステップ1602)、自ノードがアクセスポイントであることを示すサービス検索応答電文を送信する(ステップ1603)。以後、スタートを繰り返す。
【0120】
アクセスポイント登録応答プログラム621は、無線端末のアクセスポイント登録、アクセスポイントのログイン情報を、無線通信アドレス変換テーブル2002とアクセスポイントテーブル2003に保持するプログラムである。図17にアクセスポイント登録応答プログラム621の処理フローの一例を示す。
【0121】
登録電文またはログイン要求電文を受信するまで待機する(ステップ1701)。
【0122】
登録電文またはログイン要求電文を受信する。登録電文を受信した場合は、ステップ1703に進む(ステップ1702)。
【0123】
ログイン要求電文を受信した場合は、ステップ1709に進む。
【0124】
登録要求電文を受信し、登録要求をした無線端末を自アクセスポイントに登録することを示した登録通知電文を他のすべてのアクセスポイントに送信する(ステップ1703)。
【0125】
次に、登録した無線端末に割当る上位アドレスを格納した登録許可電文を送信し(ステップ1704)、無線通信アドレス変換テーブル602に、現在ログインしている無線端末の下位アドレスと、通知した上位アドレスのマッピングを追加する(ステップ1705)。
【0126】
ログイン要求電文を受信し、ログイン要求をした無線端末が登録されているか判定する(つまり、アクセスポイントテーブル2003の登録フラグ2302が立っているか判定する。)登録されているならば、ステップ1708に進む(ステップ1706)。
【0127】
ログイン許可応答電文を送信する(ステップ1707)。
【0128】
ログイン要求を送った無線端末をログインさせることを、その無線端末のデフォルト・アクセスポイントに許可を求める電文を送信する(ステップ1708)。
【0129】
無線端末のログイン許可電文を受信(ステップ1709)したらならば、ログイン不許可応答を送信する(ステップ1710)。
【0130】
無線端末位置プログラム622は、デフォルト・アクセスポイントに対して自分の機器を登録し、どのアクセスポイントに登録したか、どのアクセスポイントにログインしているかという情報を、無線端末管理テーブル603に保持するプログラムである。図18に無線端末位置プログラム622の処理フローの一例を示す。
【0131】
登録通知電文、または位置変更要求電文の受信待機を行ない(ステップ1801)、登録通知電文または位置変更要求電文を受信する。登録通知電文を受信した場合は、ステップ1803に進む。位置変更要求電文を受信した場合は、ステップ1806へ進む(ステップ1802)。
【0132】
登録通知電文の端末の自アクセスポイントが、その無線端末のデフォルト・アクセスポイントになっているかどうか判定し(ステップ1803)、デフォルト・アクセスポイントになっている場合は、ステップ1804に進む。デフォルト・アクセスポイントになっていない場合は、処理を終了し、スタートを繰り返す。デフォルト・アクセスポイントになっている場合は、デフォルト・アクセスポイントとしての登録を削除する(ステップ1804)。位置情報変更要求電文を受信し、電文転送テーブルの現在位置情報、すなわち現在ログインしているアクセスポイント情報を変更し(ステップ1805)位置情報変更応答電文を送信し、スタートを繰り返す(ステップ1806)。
【0133】
図19は、無線端末140のハードウェア構成の一例である。無線端末140は、中央演算処理装置1901、記憶装置1902、機器通信処理装置1903、無線通信処理装置1904から構成される。中央演算処理装置1901は、記憶装置1902に格納されるプログラムを実行するものであり、所謂CPUである。
【0134】
記憶装置1902は、中央演算処理装置1901で動作するプログラムそのものを記憶しておいたり、動作中のプログラムが保持する変数やテーブル情報やログなどを記憶したりするメモリである。
【0135】
機器通信処理装置1903は、ケーブル1920を介して、機器本体1910との間で電文の受け渡し処理を行うものである。機器本体1910は、例えば、照明121、冷蔵庫122、センサ123、及び、マルチリモコン130などである。
【0136】
無線通信処理装置1904は、無線ネットワークグループ210を介して、アクセスポイントなどとの間で電文の送受信処理を行うものである。
【0137】
次に、無線端末140の記憶装置1902に記憶された中央演算処理装置1901によって実行され動作する処理プログラムについて説明する。
【0138】
図20は、無線端末140のプログラム構成の一例を示したブロック図である。なお、図20のプログラム間の接続線は、プログラム間の入出力関係を示している。また、白抜きの矢印は、テーブルと処理プログラムとの参照関係を示している。
【0139】
テーブルは、問合せ結果テーブル2001、無線通信アドレス変換テーブル2002、アクセスポイントテーブル2003、ルーティングテーブル2004から構成される。
【0140】
処理プログラムは、無線通信ドライバ2011、有線通信プロトコル処理部2012、受信処理部2013、ルーティング処理部2014、送受信処理部2015、問合せブロードキャストプログラム2016、アクセスポイント検索プログラム2017、登録プログラム2018、家電アプリケーション2019から構成される。
【0141】
問合せ結果テーブル2001は、問合せブロードキャストプログラム2016が周期的(例えば、1分ごと)に、問い合わせブロードキャストパケット送信によって応答した機器の一覧を一時的に保持するテーブルである。
【0142】
図21に問合せ結果テーブル2001の構成例を示す。問合せ結果テーブル2001には、問合せブロードキャストパケット送信によって応答した機器の下位アドレスを一時的に保持するテーブルであり、例えば、応答した機器の下位アドレス一覧が保存される。
【0143】
無線通信アドレス変換テーブル2002は、無線ネットワークグループ内の機器の下位アドレスと上位アドレスとの対応を管理するものである。
【0144】
図22に無線通信アドレス変換テーブル2202の構成例を示す。無線通信アドレス変換テーブル2202には、無線端末140が無線ネットワークグループで管理されるアクセスポイントの上位アドレスと下位アドレスとの対応情報が格納されており、例えば、上位アドレス2201と下位アドレス2202との組がひとつだけ記憶できる構成となっている。
【0145】
図22では、図1で示したマルチリモコン130に接続された無線端末140の無線アドレス変換テーブル802の内容を例示しており、無線ネットワークグループ220でマルチリモコン130を管理するアクセスポイント120の上位アドレスと下位アドレスが格納されている。
【0146】
アクセスポイントテーブル2203は、無線端末140がサブネットで管理されるアクセスポイントとの接続状態を管理するものである。
【0147】
図23は、アクセスポイントテーブル2003の構成例を示す。アクセスポイントテーブル2003には、無線端末140が無線ネットワークグループで管理されるアクセスポイントのNetID2311とNodeID2312とで構成される上位アドレス2301と、どのアクセスポイントにサブネットとして管理されているかを示す登録フラグ2302と、無線端末140が通信可能なアクセスポイントを示す通信可能フラグ2303と、無線端末140が現在接続しているアクセスポイントを示す現在接続先先2304との対応情報が格納されており、例えば、上位アドレス2301とデフォルトフラグ2302と通信可能フラグ2303、現在接続先2304との組が複数記憶できる構成になっている。図23では、図1で示したマルチリモコン130に接続された無線端末140のアクセスポイントテーブル2003の上位アドレス2301とデフォルトフラグ2302と通信可能フラグ2303と現在接続先2304とが格納されている。
【0148】
ルーティングテーブル2004は、電文を送信する際に、自無線端末のNetIDとは別のNetIDの機器に電文を送信する際に、電文を中継する送信先となる機器のアドレスを管理するもので、送信先の機器の上位アドレスが管理されている。
【0149】
図24に、ルーティングテーブル2004の構成例を示す。ルーティングテーブル2004には、このテーブルを保持している無線端末140から見て、任意の機器に対して電文を送信する際に、送付先のNetID2401と、送信元伝送メディアのノードを示すインタフェース2402の上位アドレスと、経由しなければならない機器NextHop2403の上位アドレスが格納されている。
【0150】
図24では、図1で示したマルチリモコン130に接続された無線端末140のルーティングテーブル2004の内容を例示しており、送付先2401のNetID=*、インタフェース2402(NetID、NodeID)=(4、2)、NextHop2403の(NetID、NodeID)=(4、1)より、同一サブネットであっても、同一サブネットでなくても任意の機器に電文を送信する際には、(NetID、NodeID)=(4、2)を送信元として電文を送信すること、(NetID、NodeID)=(4、1)を経由して送信することを示している。
【0151】
無線通信ドライバ2011は、無線通信処理装置1904を制御して、予め定められた通信プロトコル(例えば、特定小電力無線、IrDA通信、802.11a、IEEE802.11bなど)でアクセスポイントと通信するものである。
【0152】
無線通信プロトコル処理部2012は、送信処理部2015からの上位電文送信を受け取り、上位電文より下位電文を作成し、無線通信アドレス変換テーブル2012より送信先下位アドレスを取得し、無線通信ドライバ2011より、無線通信処理装置2014への送信制御処理を行って下位電文を送信する。
【0153】
また、無線通信プロトコル処理部2012は、無線通信処理装置2014への受信制御処理を行って下位電文を受信し、下位電文より上位電文を作成し、受信処理部2013に上位電文を渡す。
【0154】
図25に無線通信プロトコル処理部2012の電文送信処理フローの一例を示す。
【0155】
無線通信アドレス変換テーブル2012で、宛先ノードの上位アドレスより、宛先ノードbの下位アドレスを取得し(ステップ2501)、無線通信下位電文を作成し、無線通信ドライバから電文を送信する(ステップ2502)。
【0156】
受信処理部2013は、無線通信プロトコル処理部2012とから、上位電文を受け取り、家電アプリケーション2019に電文を渡す。ただし、受け取った上位電文が、自ノード宛の上位電文でない場合は、破棄する。
【0157】
ルーティング処理部2014は、ルーティングテーブル2004を参照し、送信先機器を判定し、送信処理部2015に送信先伝送メディアの情報と上位電文を渡す。
【0158】
図26にルーティング処理部2014の処理フローの一例を示す。
【0159】
ルーティング処理部は、無線端末がアクセスポイントにログインしているかをアクセスポイントテーブル判定し、ログインしている場合はステップ2602に進む。ログインしていない場合はステップ2605に進む(ステップ2601)。デフォルト・アクセスポイントにログインしているか判定し、デフォルト・アクセスポイントにログインしている場合は、ステップ2603に進む。デフォルト・アクセスポイントにログインしていない場合は、ステップ2604に進む(ステップ2602)。現在、ログインしているアクセスポイントを宛先上位アドレスとする電文を無線通信プロトコル処理部に渡す(ステップ2603)。
【0160】
電文ヘッダのルーティング・ホップ数の数をひとつ増やす(ステップ2604)。
【0161】
電文を一定時間保持し、再送を試みる(ステップ2605)。
【0162】
再送回数を判定し、再送回数が2回以下である場合は、ステップ2601に戻る。再送回数が2回よりも大きい場合は、ステップ2607に進む(ステップ2606)。
【0163】
上位電文を廃棄する(ステップ2607)。
【0164】
送信処理部2015は、ルーティング処理部2014から上位電文を受け取り、無線通信プロトコル処理部2012に上位電文を渡す。
【0165】
問い合わせブロードキャストプログラム2016は、周辺のアクセスポイントを探すために、周期的(例えば、1分ごと)に、問い合わせブロードキャストパケット送信することを無線通信ドライバ1911に要求するプログラムである。
【0166】
図27に問い合わせブロードキャストプログラム2016の処理フローの一例を示す。
【0167】
問合せブロードキャストプログラム2016は、問合せ結果テーブル2201を初期化する(ステップ2701)。次に、問合せ電文をブロードキャスト送信する(ステップ2702)。問合せ応答電文を受信し、問合せ結果テーブル2001に問合せ応答電文の送信元無線端末の下位アドレスを書き込む(ステップ2703)。
【0168】
ブロードキャスト電文の送信回数が一定回数以上であれば、ステップ2705進む。一定回数よりも小さければ、ステップ2702に戻る。ブロードキャスト送信の回数は、例えば100回とする(ステップ2704)。問合せ応答電文として、ひとつ以上の問合せ応答があった場合は、ステップ2706に進む。問合せ応答がなかった場合は、プログラムを終了する(ステップ2705)。アクセスポイント検索プログラムに、問合せ応答がひとつ以上あったことを通知する(ステップ2706)。
【0169】
アクセスポイント検索プログラム2017は、無線端末140が周辺のアクセスポイントを探すために、問い合わせブロードキャストプログラム2016の結果からアクセスポイントを探すサービス検索要求を行ない、サービス検索応答を発見したアクセスポイントの下位アドレスは、アクセスポイントテーブル2003に保持するプログラムである。
【0170】
図28にアクセスポイント検索プログラム2017の処理フローの一例を示す。
【0171】
アクセスポイント検索プログラムは、問合せプログラムからの通知によってプログラムがスタートし、問合せ結果テーブル上の、それぞれの機器に対し、サービス検索要求電文を送信し、サービス検索応答電文の受信を待機する(ステップ2801)(ステップ2802)。次に、サービス検索応答電文を受信し(ステップ2803)、サービス検索応答電文から、送信元の機器が、アクセスポイントかどうかを判定する(ステップ2804)。アクセスポイントであると判定された場合は、ステップ2805に進む。アクセスポイントであると判定された場合は、ステップ2801に戻る。アクセスポイントであると判定された場合は、アクセスポイントであると判定された無線機器の下位アドレスを保持する(ステップ2805)。
【0172】
アクセスポイントであると判定された無線機器の下位アドレスと、問合せ結果テーブル2001の情報より、アクセスポイントテーブル2003を更新する(ステップ2806)。
【0173】
登録プログラム2018は、アクセスポイントに対して自機器を登録し、登録先アクセスポイントつまりデフォルト・アクセスポイントや、現在のログイン先アクセスポイントの情報を、無線通信アドレス変換テーブル2002とアクセスポイントテーブル2003に保持するプログラムである。
【0174】
図29に登録プログラム2018の処理フローの一例を示す。
【0175】
アクセスポイントテーブル2003にデフォルト・アクセスポイントが登録されているかどうか判定し、(つまり、アクセスポイントテーブル2003の登録フラグ2302にフラグが立っているかどうかを判定し)登録されていない場合(つまり、登録フラグ2302が立っていない場合)は、ステップ2902に進む。登録されている場合(つまり、登録フラグ2502が立っている場合)には、ステップ2909に進む(ステップ2901)。
【0176】
なお、デフォルト・アクセスポイントとは、ステップ2903で登録許可を受信し、アクセスポイントテーブル2003に登録したアクセスポイントのことである。無線端末140は、デフォルト・アクセスポイントをひとつ登録できる。
【0177】
アクセスポイントテーブル2003から、通信可能範囲内のアクセスポイントがあるか判定する(つまり、アクセスポイントテーブル2003に通信可能フラグ2303が立っているアクセスポイントがあるか判定する)。通信可能範囲内のアクセスポイントがある場合は、ステップ2903に進む。通信可能範囲内のアクセスポイントがない場合は、プログラムを終了する(ステップ2902)。
【0178】
アクセスポイントテーブル2003の中から、現在通信可能範囲のアクセスポイントを選択し(つまり、アクセスポイントテーブル2003の通信可能フラグ2303が立っているアクセスポイントを選択し)、そのアクセスポイントに対し登録要求を送信する(ステップ2903)。
【0179】
登録許可を受信したら、そのアクセスポイントをアクセスポイントテーブル2003に登録する(つまり、アクセスポイントテーブル2003の該当するアクセスポイントのレコードの登録フラグ2302を立てる)(ステップ2904)。
【0180】
登録許可電文に格納されている上位アドレスを取得し、自機器の上位アドレスとする(ステップ2905)。
【0181】
デフォルト・アクセスポイントにログイン要求を行う(ステップ2906)。
【0182】
デフォルト・アクセスポイントからログイン許可電文を受信したらステップ2908に進む。ログイン許可を受信しない場合は、プログラムを終了する(ステップ2907)。
【0183】
無線通信アドレス変換テーブル2002を、デフォルト・アクセスポイントの上位アドレスと下位アドレスに書き換えてプログラムを終了する(ステップ2908)。
【0184】
アクセスポイントテーブル2003から、デフォルト・アクセスポイントが通信可能範囲か判定する。つまり、アクセスポイントテーブル2003の登録フラグ2902が立っているアクセスポイントの通信可能フラグ2903が立っているか判定する(ステップ2909)。
【0185】
アクセスポイントテーブル2003から、通信可能範囲内のアクセスポイントがあるか判定する。(つまり、アクセスポイントテーブル2003の通信可能フラグ2903が立っているか判定する。)通信可能範囲内のアクセスポイントがある場合は、ステップ2910に進む。通信可能範囲内のアクセスポイントがない場合は、プログラムを終了する(ステプ2910)。
【0186】
アクセスポイントテーブル2003の中から、現在通信可能範囲内のアクセスポイントを選択し(つまり、アクセスポイントテーブル2003の通信可能フラグ2903が立っているアクセスポイントを選択し)、ログイン要求する(ステップ2911)。
【0187】
ステップ2911でログイン要求電文を送信したアクセスポイントからログイン許可電文を受信したらステップ2913に進む。ログイン許可を受信しない場合は、プログラムを終了する(ステップ2912)。
【0188】
無線通信アドレス変換テーブル2003を、ステップ2912でログイン許可電文を送信したアクセスポイントの上位アドレスと下位アドレスに書き換えてプログラムを終了する(ステップ2913)。
【0189】
家電アプリケーション2019は、例えば、エアコン111、照明112、センサ113、冷蔵庫122などの状態を保持したり、家電本体を制御できるプログラムである。
【0190】
また、家電アプリケーション2019は、マルチリモコン130では家電を操作可能なインタフェースを持つ。
【0191】
以上、本発明の実施形態におけるシステム構成の一例を説明したが、以下、本システムの全体的な動作例を説明する。
【0192】
図30を用いて、無線端末140の初期設定処理及び登録処理の処理を説明する。図30は、説明の簡単化のため、図1に示した住宅のシステムのシーケンス図を示している。
【0193】
マルチリモコン130が部屋101で初期起動すると、マルチリモコン130は、アクセスポイントを探すために無線端末140を介して、問合せ要求電文をブロードキャストする(処理3001)。
【0194】
アクセスポイント110は、下位アドレスを格納した問合せ応答を行う(処理3011)。
【0195】
マルチリモコン130は、受信した問合せブロードキャストパケット応答電文の下位アドレスの一覧を問合せ結果テーブル2001として保持する。さらに、マルチリモコン130は、問合せ結果テーブル2001に保持された下位アドレスのそれぞれの機器に対してサービス検索要求を行う(処理3002)。
【0196】
アクセスポイント110は、サービス検索要求に対して、自ノードがアクセスポイントであることを示したサービス検索応答を行う(処理3012)。
【0197】
マルチリモコン130は、アクセスポイント110からのサービス検索応答を受信して、そのサービス検索応答を行った機器がアクセスポイントであると判断し、アクセスポイント110に対して登録要求を行う(処理3003)。
【0198】
アクセスポイント110は、他のアクセスポイントに対してマルチリモコン130を登録することを通知するために、マルチリモコン130の本籍アドレスを格納した登録通知電文の同報送信を行う。さらに、アクセスポイント110は、無線端末登録処理を行ない、登録許可電文を返す(処理3013)。
【0199】
以上、マルチリモコン130を例として無線端末140の登録について説明した。
【0200】
次に図31と図32を用いて、無線端末140の位置管理処理を説明する。
【0201】
図31は、図2のシステムにおいて、マルチリモコン130が部屋101から、部屋101に移動したブロック図を示している。
【0202】
図32は、無線端末の位置登録処理のシーケンスを説明する。図31は、説明の簡単化のため、図1に示した住宅を抜き出し、そのシステムに新たにアクセスポイントを設置したシステムのシーケンス図を示している。
【0203】
マルチリモコン130は、通信断のイベントを受け取ると問合せブロードキャスト、アクセスポイントを探すために無線端末140を介して、問合せ要求電文をブロードキャストする(処理3201)。
【0204】
アクセスポイント120は、下位アドレスを格納した問合せ応答を行う(処理3211)。
【0205】
マルチリモコン130は、受信した問合せブロードキャストパケット応答電文の下位アドレスの一覧を問合せ結果テーブル2001として保持する。さらに、マルチリモコン130は、問合せ結果テーブル2001に保持された下位アドレスのそれぞれの機器に対してサービス検索要求を行う(処理3202)。
【0206】
アクセスポイント120は、サービス検索要求に対して、自ノードがアクセスポイントであることを示したサービス検索応答を行う(処理3212)。
【0207】
マルチリモコン130は、アクセスポイント110からのサービス検索応答を受信して、そのサービス検索応答を行った機器がアクセスポイントであることと判断し、アクセスポイント110に対してログイン要求を行う(処理3203)。
【0208】
アクセスポイント120は、マルチリモコン130のデフォルト・アクセスポイントであるアクセスポイント110に対してマルチリモコン130のログイン先アクセスポイントが変更されることを通知するために、マルチリモコン130の本籍アドレスを格納した登録通知電文の同報送信を行う。
【0209】
アクセスポイント110は、ログイン先アクセスポイント変更処理を行ない、位置変更応答電文をアクセスポイント120に返す(処理3222)。
【0210】
以上、マルチリモコン130を例として無線端末140の位置管理について説明した。
【0211】
次に図33を用いて、図31におけるノードが移動した無線端末140の電文の転送処理を説明する。
【0212】
マルチリモコン130のデフォルト・アクセスポイントであるアクセスポイント110は、例えば、照明112からマルチリモコン130宛の電文を受信すると、その電文の宛先を判定し、マルチリモコン130はアクセスポイント120にログインしていることを取得し、送信元アドレスをアクセスポイントの110、宛先アドレスをマルチリモコンの移動先アドレスでカプセル化して、アクセスポイント120に電文を転送する(処理3301)。
【0213】
アクセスポイント120は、ルーティングを行って、カプセル化ヘッダの宛先アドレスから電文宛先を判定し、マルチリモコン130に電文を転送する(処理3302)。
【0214】
マルチリモコン130は、カプセル化ヘッダの宛先アドレスから電文宛先を判定し、カプセルを外して、電文の中身を受信電文とする(処理3303)。
【0215】
以上、マルチリモコン130を例として無線端末140への電文転送について説明した。
【0216】
【発明の効果】
本発明によって得られる効果の代表的なものとしては以下のようなものがある。
【0217】
端末のサブネットの移動にも関係なく継続して使用できるアドレスが、アドレスサーバから再割当されてしまうことによってむやみに変わってしまうことを軽減したり、アドレスが変わらないようにアドレスサーバの割当たアドレスを再利用しないためにアドレスが枯渇してしまうことを軽減することができる。
【0218】
ネットワーク管理者不在、システム構築のプロセスが多様となる状況に対応するため、設定の省力化、システム構築の柔軟性及びシステムの拡張性を持たせることができる。
【0219】
サブネット間を移動したノードの通信相手ノードが、移動ノードに対する宛先ノードの上位アドレス及び、移動ノードが移動前に属していたサブネットの同報アドレスを変更することなく、移動ノードと個別通信及び同報通信を継続するネットワークシステムにおいて、送信元アドレスを変更することなく通信を継続できるネットワークシステムにおいて、
移動ノードが移動を検知するためのブロードキャストパケットを減らすことによって、電波の送信出力や通信量を減らし、低処理能力のCPUでも移動しても継続して通信を行えることができる。
【0220】
サブネット間を移動したノードが、通信相手ノードと個別通信及び同報通信をする時、
移動ノードが移動を検知するためのブロードキャストパケットを減らすことによって、低消費電力で通信処理を行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】住宅100に導入された本発明のシステム構成図の一例である。
【図2】本システムにおけるネットワーク通信レイヤを示すものである。
【図3】本システムにおけるネットワークの上位アドレスの構成を示すものである。
【図4】サブネット230、240、260で送受信される電文のフォーマットの一例である。
【図5】アクセスポイント110のハードウェア構成の一例である。
【図6】そのプログラム構成の一例を示したブロック図である。
【図7】有線通信アドレス変換テーブル601の構成例である。
【図8】無線通信アドレス変換テーブル602の構成例である。
【図9】無線端末管理テーブル603の構成例である。
【図10】電文転送テーブル604の構成例である。
【図11】ルーティングテーブル605の構成例である。
【図12】ルーティング処理部614の処理フローの一例である
【図13】無線通信プロトコル処理部616の処理フローの一例である。
【図14】問合せ応答プログラム617の処理フローの一例である。
【図15】無線端末管理プログラム619の処理フローの一例である。
【図16】サービス検索応答プログラム620のフロー処理の一例である。
【図17】アクセスポイント登録応答プログラム621の処理フローの一例である。
【図18】無線端末位置プログラム622の処理フローの一例である。
【図19】無線端末120のハードウェア構成の一例である。
【図20】無線端末120のプログラム構成の一例を示したブロック図である。
【図21】問合せ結果テーブル2001の構成例である。
【図22】アドレス変換テーブル2002の構成例である。
【図23】アクセスポイントテーブル2003の構成例である。
【図24】ルーティングテーブル2004の構成例である。
【図25】無線通信プロトコル処理部1912の電文送信処理フローの一例である。
【図26】ルーティング処理部2014の処理フローの一例である。
【図27】問い合わせブロードキャストプログラム2016の処理フローの一例である。
【図28】アクセスポイント検索プログラム2017の処理フローの一例である。
【図29】登録プログラム2018の処理フローの一例である。
【図30】無線端末140の初期設定処理及び登録処理のシーケンスを説明する。
【図31】図2のシステムにおいて、マルチリモコン130が部屋Aから、部屋Bに移動したブロック図である。
【図32】無線端末の位置登録処理のシーケンスである。
【図33】図33におけるノードが移動した無線端末140の電文の転送処理のシーケンスである。
【符号の説明】
100…住宅、110…アクセスポイント、111…エアコン、112…照明、113…センサ、120…アクセスポイント、121…照明、122…冷蔵庫、123…センサ、130…マルチリモコン、140…無線端末、210、220…無線ネットワークグループ、230、240…サブネット、250…有線ネットワーク、260…サブネット、401…ネットワーク識別部、402…機器識別部。
Claims (13)
- ネットワーク内のアドレスを管理するアドレスサーバと複数のアクセスポイント装置とが第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
各端末の、初期起動時に各端末に割当られ各端末がネットワークサブネットを移動しても同じ値であり前記ネットワークシステム内でユニークな本籍アドレスと、前記端末のネットワーク上の現在位置を表す移動先アドレスと、工場出荷時などで設定されグローバルに端末を特定することができるグローバルユニークなアドレスとを組にして保持する手段と、
各端末が起動する時には各端末に移動先アドレスを割当る手段と、各端末の初期起動する時には端末に本籍アドレスを割当る手段とを有することを特徴とするネットワークシステム。 - 複数のアクセスポイント装置が第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々が第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
任意のアクセスポイント装置が管理する第2のネットワークに接続された端末が初期起動時に前記アクセスポイント装置にログインをする際に、前記端末に本籍アドレスを割当ても良いか否かを前記任意のアクセスポイント装置以外のアクセスポイント装置に問合せることによって判定する手段と、前記問合せの結果として本籍アドレスを割当ててよいと判定した場合は前記端末に本籍アドレスを割当る手段とを有するネットワークシステム。 - 請求項2に記載のネットワークシステムにおいて、
各端末の下位アドレスと本籍アドレスと移動先アドレスと組にして各々のアクセスポイント装置に分散して保持する手段と、
端末が移動した際に、前記端末が移動して新たなアクセスポイント装置にログインときに、前記端末の移動先アドレスを更新する手段とを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項3に記載のネットワークシステムにおいて、
請求項3に記載の移動先アドレスを位置情報として保持する手段を有することを特徴とするネットワークシステム。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
サブネットを移動した端末のノードの通信相手ノードが、サブネットを移動した端末のノードに対して個別電文を送信するとき、
サブネットを移動した端末の通信相手ノードの下位通信は、移動した端末が初期起動時にログインしたデフォルト・アクセスポイント装置に前記電文を送信する手段と、前記デフォルト・アクセスポイント装置は前記個別電文がデフォルト・アクセスポイント装置を中継する際に前記個別電文を横取りする手段と、
デフォルト・アクセスポイント装置は、宛先を移動先アドレス、送信元を端末のデフォルト・アクセスポイント装置の上位アドレスとして前記個別電文をカプセル化し、前記個別電文を前記サブネットに移動した端末のノードへ個別電文として転送する手段を有することを特徴とするネットワークシステム。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
サブネットを移動した端末のデフォルト・アクセスポイント装置が含まれるサブネットに対して同報電文を送信するとき、前記同報電文のコピーを生成して、その同報電文のコピーに対して宛先を移動アドレス、送信元をデフォルト・アクセスポイント装置の上位アドレスでカプセル化し、同報電文を移動先ノードへ個別電文として転送する手段を有するネットワークシステム。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
各々の第2のネットワークを介して端末が前記第2のネットワークを管理しているアクセスポイント装置にログインすることを取得する手段と、
ログインした端末が本籍アドレスを保持していない場合は前記端末に本籍アドレスを割当る手段と、
前記端末に本籍アドレスを割当た際に、本籍アドレスを割当たことを他のアクセスポイント装置に通知する手段と、
ログインした端末が既に本籍アドレスを保持している場合は前記端末から前記端末の本籍アドレスを取得する手段と、
前記端末から前記端末の本籍アドレスを取得した際に、前記端末の本籍アドレスを管理しているアクセスポイント装置に前記端末がログインしたことを通知する手段と、
他のアクセスポイント装置が端末に本籍アドレスを割当た通知を受信する手段とを有するアクセスポイント装置。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された端末を管理するネットワークシステムにおいて、
ハードウェアアドレスと本籍アドレスと移動先アドレスとを組にして管理する手段と、
本籍登録要求を格納した電文を受信する手段と、
他のアクセスポイント装置から端末の移動先アドレスの通知を受信する手段と、
他のアクセスポイント装置から受信した各端末の移動先アドレス通知を元に各端末の移動先アドレスを更新する手段とを有するアクセスポイント装置。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された無線端末を管理するシステムにおいて、
自アクセスポイント装置が管理している無線チャンネルを無線端末が使用しているか否かを監視する手段と、
無線端末がアクセスポイント装置に対してログインを行って無線チャンネルを使い始めた時に、前記無線端末に無線端末の現在位置となる位置情報を格納した電文の宛先個別指定し、特定のチャンネルでユニキャスト送信する手段を有することを特徴とするアクセスポイント装置。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された無線端末を管理するネットワークシステムにおいて、
サブネットを移動した端末のノードの通信相手ノードが、サブネットを移動した端末のノードに対して個別電文を送信するとき、
前記個別電文が、移動した端末のデフォルト・アクセスポイントを中継する際に、前記個別電文を横取りする手段と、
宛先を移動先アドレス、送信元を端末のデフォルト・アクセスポイント装置の上位アドレスとして前記個別電文をカプセル化し、前記個別電文を前記サブネットに移動した端末のノードへ個別電文として転送する手段を有することを特徴とするアクセスポイント装置。 - 複数のアクセスポイント装置は第1のネットワークによって相互に接続され、アクセスポイント装置の各々は第2のネットワークによって接続された無線端末を管理するネットワークシステムにおいて、
サブネットを移動した端末のノードの通信相手ノードが、サブネットを移動した端末のノードに対して個別電文を送信するとき、サブネットを移動した端末のデフォルト・アクセスポイントが含まれるサブネットに対して同報電文を送信する場合は、前記同報電文のコピーを生成して、その同報電文のコピーに対して宛先を移動アドレス、送信元をデフォルト・アクセスポイント装置の上位アドレスでカプセル化し、移動先ノードへ個別電文として転送する手段を有するアクセスポイント装置。 - 無線端末がネットワークに接続する際にアクセスポイント装置にログインを行ない、無線端末の通信はアクセスポイント装置を経由して通信を行うネットワークシステムにおいて、
初期起動時にログインしたアクセスポイント装置から本籍アドレスを取得する手段と、初期以降の起動時に初期起動時にログインした際にアクセスポイント装置に本籍アドレスを通知する手段と、下位アドレスと本籍アドレスとを組にして保持する手段とを有する無線端末。 - 請求項10に記載の無線端末において、
ログインしたアクセスポイント装置から移動先アドレスを取得する手段有することを特徴とする無線端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002309119A JP2004147034A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | アドレス管理システムおよびアクセスポイント装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008244905A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Kddi Corp | 移動通信システム及び移動通信プログラム |
US8429732B2 (en) | 2009-07-16 | 2013-04-23 | Hitachi, Ltd. | Data communication method and data communication system |
JP2014116825A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Ricoh Co Ltd | 機器管理システム、仲介機器、機器管理方法およびプログラム |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002309119A patent/JP2004147034A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008244905A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Kddi Corp | 移動通信システム及び移動通信プログラム |
US8429732B2 (en) | 2009-07-16 | 2013-04-23 | Hitachi, Ltd. | Data communication method and data communication system |
JP2014116825A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Ricoh Co Ltd | 機器管理システム、仲介機器、機器管理方法およびプログラム |
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